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【大正冒険奇譚TRPGその6】
20
:
倉橋冬宇子 ◇FGI50rQnho
:2013/09/02(月) 21:59:41
>>10-13
>>15
頼光を叱責し張り飛ばしたアレク――ブルー・マーリンが、空になった拳銃に装弾。
視線は油断無くツァイの動作を伺い、足元に独特の――"氣"が漏れ始める。
彼は何かを仕掛けるつもりなのだ。
一方、冬宇子がツァイと言葉を交しながら、密かに地中に這わせていた蔦の根も、もはや成長に十分な時間を経た。
機は熟した。ツァイの動きを停めるのは今しかない。
「令!剛發芽促!!」
冬宇子が呪言を発する。
ツァイの佇む地面、その直下まで成長していた根が一斉に萌芽し、爆発的成長を以って彼の身体に絡み付く。
両脚から胴体に這い上がり、腕ごと拘束。
指の一本一本までもが、蔓に絡め取られ、結界を発動するための剣印を結ぶことさえ叶わない。
ツァイは立ったまま、緑色の蓑虫さながらに、首から下を葉をなす蔦に緊縛されてしまった。
>「……さっきの問いは、時間稼ぎか」
>「やはり私には……こういう事は向いていなかったようだ。参ったよ。私の負けだ」
老結界師が、苦笑交じりに言葉を漏らす。
彼の結界術発動には、『手』の動作が不可欠だ。それさえ禁じてしまえば、次の一手は打てない。
「相手が一流だからって、黙って殺されるわけにはいかないんでね。
言ったろ?"補助符を使わなければ――"って。三流術士にだって、これくらいの術は使えるのさ。
さァ、今度こそ、ちゃんとした『回答』を貰おうかねぇ?」
薄笑いを浮かべて冬宇子は言う。
好奇心を満たそうとする女の執念は凄まじい。それを知る為に、如何な危険があろうとも、
知った後に、どんな結末が待ち構えていようとも、女は走り出した欲望を収めることが出来ないのだ。
>「……思えば、君の問いにまだ、答えていなかったな。
冬宇子の狂気染みた追求を躱すように、ツァイはブルーへと視線を移し、語り始める。
大部分は、ブルーがツァイの気を逸らす為に投げ掛けた意味の無い質問への返答だったが、
何処かに核心に迫る手掛かりが含まれているやも知れず、冬宇子も耳を傾けぬわけにはいかなかった。
>「確か……私の歳だったか。それなら今年で五十四になる。
>家族は国と共に死んだよ。友と呼べる者は……思えば一人もいなかったな。
>……それについて、未練は無いがね。女性の好みは……」
>「……そうだな、強い女性がいい。私はどうも、意を決するという事が苦手でね。
>お陰で君達にも負けてしまうし……女性と交わる機会も、逃し続けてしまったんだ。
>だから……この手を掴んで、引いてくれるような人が、好きだったよ」
冗々と語られる身の上話。その他愛ない内容に、冬宇子が苛立ちを募らせる最中、
詰所の敷地内に『氣』の乱れが生じた。
>後は、なんだったかな……あぁ、私の『目的』か。それなら――」
敷地を覆う方形の結界の内部に、一陣の風が吹き抜ける。
風は竜巻となってツァイの全身を取り巻き、剃刀の如き烈風が、纏わりつく蔦を切り裂いた。
道術によって起こされた風だ。術才は低くとも、陰陽師として道術を嗜んだ経験が、冬宇子にそれを感知させた。
>「――これから果たされる」
細切れになった緑葉の渦から、初老の男が、傷一つない姿を現した。
ツァイが右手を突き出す。
拳に挟まれた二本の鉄杭の間に、青白い霊光が結ばれ、それを基点に起された平面が一直線に伸びる。
瞬きの間も与えず、ブルー・マーリンの鼻先へと。
並外れた反射神経を持つブルー。避けることは造作ない筈だが、彼が避ければ、霊力の剣が背後の冬宇子を貫く。
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