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【ネタのメモ帳】文章置き場
20
:
佐藤ひとみ
◆tGLUbl280s
:2010/10/11(月) 17:28:07
そういえば有沢由香子はドルト・プラチナの真向かいのビルに勤務していると言った。
ひとみは通りの向こうのビルの窓を、下から上に視線を移しながら睨み付けた。
視線が3階の窓まで到達した時――――書類の束を抱える有沢由香子の姿を捕らえた。
有沢は一瞬頬を引きつらせたかと思うと、恐ろしく顔を歪め無意味に顎を上下させている。
やがて何かから逃れようとでもするかのように近くの窓を開け
絶叫しながら外に向かって身を投げた――――!
ひとみは思わず立ち上がった。
スローモーションのように落ちていく有沢―――
有沢の姿に被さるように窓ガラスに人影が写る。
つかの間、落ちていく女を背景に、ガラスの表皮にくっきりと現れた人影にひとみは息を呑んだ。
――――九頭龍一……――――!
黒い軍服姿の九頭が表情の無い顔でこちらを見つめている……。
―――ドサリ――――
地面に肉の塊が叩きつけられた鈍い音。
窓に写る九頭龍一の姿はかき消えた。
窓は再び透き通り、ビルの下に不自然な体勢で横たわる女と、女の回りに集っていく人々を見せた。
ひとみは、身じろぎ一つせず窓の外の光景を見つめ続けた。
>「…た…武田…」
担架の上で痙攣しながら身を起こし、血まみれの人差し指をこちらに向ける有沢と目が合った。
直後、がっくりと腕を落とした有沢を乗せて救急車が走り去っていく。
遠ざかるサイレンの音がいつまでも耳について離れなかった。
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