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代理投稿だッ!

41佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s:2010/12/12(日) 04:03:42
>「……お察しの通りですわ。私のスタンドは幸せになる為の物でしたから。
> 私、気付いてしまいまして。こんな事を続けても幸せになんかなれる筈がないと」
>「ですから私がスタンド能力を失ったのは、当然の事ですわ。……正確には、殆ど全てを」

スタンド能力を失った――――少女の告白を境に沈黙の間が場を支配した。
細い指の先に兆す小さな蕾を挟み、対峙する佐藤ひとみと吉野きらら。
ひとみは無言でスタンド探知センサーの感度を上げシートに目を落とした。
シート上の見取り図、丁度少女立つ戸口付近に、ぼんやりとした光点が現れた。
少女の言う通り彼女の能力は弱まっている。が、失っている訳ではない。
嘲りを込めた小さな吐息を漏らし、ひとみは口を開く。

「気分が下がってスタンド絶不調ってわけ?思い通りに行かないから?随分気紛れな能力ね。」

ひとみが少女と顔を突き合わせるのは二度目だ。初顔合わせは決戦の地となった廃校のグラウンド。
あの時、「九頭龍一を乗り越えることで『幸福』に至る」と宣言する少女に、ひとみは激しい嫌悪感を抱いた。
九頭は誰かの幸福の踏み台になるような安い男ではない。
が、少女が九頭を通じて幸福を得られると感じていることさえ許せなかった。
幸福なんて感覚の位相次第でどうにでも変わる下らないモノ。
そんなものに拘る女に、その無意味さを知らしめて叩きのめしてやりたい―――少女と敵対していた時の気持ちが蘇る。
少女は自ら求めるものの虚しさを知ったのか……いや、この女はそんなしおらしいタマではない。
事実彼女がひとみに向ける敵意は少しも和らいではいない。

「あんたが落ち込んで能力を失おうがどうしようが、そんなこと知ったことじゃないわ。
 今問題なのはあんたが役に立つかどうか。
 戦力として二軍以下なら多少損な役割でも引き受けてもらうわよ。」

ひとみは言葉を加え、一旦スタンドシートの映像を切った。
数秒後、再びシートに全階の見取り図が浮き上がる。


「ネズミが消えた瞬間の参加者の位置……確かに確認しておく方が良さそうね。
 誰がどこで何をしていたか…参加者の行動を映像として見るのは無理だけど、
 マーカーの位置だけならキャッシュが残っている数分前のものまでなら表示できるわ。」

ネズミ消失時の全員の位置を問う少女の提案は、中々的を射たものだ。
誰ともつるまず、たった一人で九頭に挑もうとした女の胆力と洞察力は馬鹿にできない。
姿を隠した敵相手のゲーム…"かくれんぼ"は言ってみれば知力勝負。
機転や推理力はスタンド能力に負けない有効な武器である。
騒々しいばかりの御前等、インテリの割に肝心なところが抜けているよねよりも、案外戦力になるやも知れない。


シートの光点がせわしなく動き始める。現在の情報ではない。数分前までマーカーの位置を巻き戻している。
光点がある位置に到達すると、ひとみは声を上げた。

「ここ…確か有葵が鏡に向かって走り始めた時よね!ネズミが消えた瞬間って……!」

光点は一度静止し、再び動き出した。ネズミ消失の数秒前から再生させているのだ。

「他の参加者の位置は……3F…天野って子は調理実習室でじっとしてる。
 4Fは…丁度、馬鹿男がよね君に襲い掛かった?二人のマーカーがライブラリに入り込んで接触してるわ。」

その後、暫く接触と離脱を繰り返していた2つのマーカーだが、よねを現すマーカーが突然消失し3Fに現れる。


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