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代理投稿だッ!

1名無しさん:2010/08/25(水) 00:39:47
代理投稿とはッ!やけっぱちの投下のことじゃあないッ!

            . . . . . . .. .. ... .
代理投稿とはッ!暗闇のスレに道を切り開くことだッ!

2佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/08/29(日) 01:14:05
代行おねがいします

【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】
大アルカナⅨ『WHEEL of FORTUNE』『運命の輪』は時間の回りを螺旋状に回転する因果律を顕す。
同時に形而上と形而下、精神世界と物質世界の境界を象徴するカードである。
そのカード…『運命の輪』を象徴するスタンドの攻撃を皮切りに回り始めた運命は
もはや現実的な因果律を無視した偶然の連鎖を巻き込んで大きく回転し続けている。

運命の中心は交差点から徳井がマイソンを捕らえた路地裏に移動している。

人気のない路地裏、上空に向かいそそり立つ円柱。
目を凝らせば能力を持たない人間にも視認できる筈だが
遮蔽物の多い小さな路地に立つ半透明の水の柱に気づける者がどれだけいただろうか。


液体で満たされた円柱の中…佐藤ひとみは不幸を齎すスタンドの持ち主マイソン・デフューの
胸にナイフのように硬化し尖らせた触手を突きつけている。

ひとみは既に彼のスタンドの"不幸の靄"に憑り付かれている。
マイソンのスタンド『オンリー・ロンリー・フォーリン』は本体の支配を受けない暴走したスタンドだが
本体が死亡していても活動できるアンテロスと違い、その"存在"は本体に依存している。
本体が死ねばスタンドも消滅するだろう。
彼に直接恨みがある訳ではないが"死を齎すほどの不幸"から逃れるにはマイソンを殺すしかない。
ひとみは記憶が流れ込まないよう精神のガードを高め、彼の心臓を狙い触手ナイフを振り上げた。


――刹那、ひとみの耳に突き刺さる絶叫。
反射的に攻撃を止め、叫び声のする方向に視線を向けると…

自分達の居場所から数メートル離れたゴミ置き場で灰島がのた打ち回っている。
ゴミ置き場の壁に立てかけられたダンボールの前に神条時人が蹲っている。
少し離れた位置には片腕を失った少女の姿。
欠損した腕が負傷で失ったものではないことは出血が無く切り口が不自然なまでに整っていることから推察できた。


「こ…これは……スタンド攻撃ッ……?」

もう一度ゴミ置き場に視線を戻し目を凝らす。
神条はダンボールの"前に"居るのではなく表面に張り付いているではないか……。


ひとみは攻撃を中断し新手のスタンド使いの情報を捕捉しようと試みた。
触手ナイフをマイソンの胸に向けたまま、手元にスタンドシートを出現させる。
半透明のシートに幾何学的な光の線が浮かび上がりやがて地図の体を成す。

そこには射程距離を顕す色域と本体、及びスタンドを表す赤いマーカーが表示されていた。
灰島達を襲っているスタンドの射程距離はおよそ100m。

3佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/08/29(日) 01:20:03
【続きです】

それにしても奇妙だ……。
本体とスタンドのマーカーは灰島達のごく近くに表示されているというのに姿を見ることができない。
能力により姿を消しているのか?隠れているのか?
もう少し探知の範囲を狭めれば突き止められるかも知れないが……。


この状況でマイソンに止めを刺すのは危険だ。
よねの作り出した慣性バリアの空間は基本的に非生物を対象に効果を発揮する。つまり人間やスタンドは対象外。
近くにスタンドの存在を認知している以上警戒を怠る訳にはいかない。


こういう時盾になるべき男はというと―――
因縁をつけてきたインド人にぶち切れて、殴り合い掴み合いの見苦しい喧嘩の真っ最中だ。
よねを【よねクン】などと呼んでいたインド人。彼の知り合いだろうがどうせまともな人物ではないだろう。
大体【】←こんな吹き出しで喋る人物が常識人である訳がない。
ひとみはインド人とバカギャング…2人の戦いを傍観している、よねに向かって声をかけた。


「よね君……今時小学生でもやらないような下らないケンカしてる2人のことだけど…
いい加減止めたらどうなの?
あのインド人あんたの知り合いなんでしょう?
全く…しょうもない殴り合いをする奴もする奴だけど、ノリノリで解説するあんたも相当なもんね。」


心底呆れた調子でよねに2人の仲裁を依頼するひとみ。
争いの現場にチラと目を向けると徳井はインド人を羽交い絞めし後ろに放り投げようとしている。

「徳井君!一つだけ言っておくわ。
ジャーマンはフォールを取るための技!
ぶっこ貫いて!ヘソで投げて!背中でアーチを描き!スリーカウントを取る!
投げっぱなしジャーマンなんてジャーマンとは認めないわよ!」


私見に溢れるジャーマン論を交え徳井を怒鳴りつけた直後……ひとみは小さな違和感を感じた。
マイソン胸に触れている触手ナイフを通じて感じた小さな変化……
彼を取り巻く諦めと倦怠のだらけの空気感が僅かに変わったことを……


【マイソン君の処刑を保留し灰島さん達のなりゆきを見てます。ついでに徳井さんのジャーマンに駄目出し】

4吉野きらら◇HQs.P3ZAvn.F:2010/08/30(月) 19:52:53
>「『俺の幸せを奪う』……そう言ったな」
>「いいだろう!奪ってみるがいい!! ――ただし俺はお花畑な脳味噌を標準搭載していることで有名だ。
> どんな些細なことにだって幸せを感じ、その一つ一つを大事に心のなかに保存して生きていくことができる!」

>「さあ!君のそのちっぽけで矮小な『幸福のキャパシティ』は!俺の超絶多幸人生を奪い切れるかな!?
> ヘビは満腹になりすぎると動けなくなって死ぬと言う!君は如何に幸せに飢えていようとも!当方にフルコースの用意あり!!」

御前等の宣言に、吉野きららは溜息を零す。

「馬鹿らしい。幸せとは貪る物ではありません。確かに私の『幸福の花』は幸せを養分としますが、それはそれ。
 本来幸せとは積み上げる物なのです。ならば私が飽食に陥るなど、あり得ない事ですわ」

もっとも彼女は、周りを貶める事で相対的に自分を高みとしている。
それは彼女の過去、彼女にスタンドの発露が訪れた契機に関係あるのだが――やはり、それは今言及すべき事ではない。
嘆息を一つ零し、吉野は猛然と迫る『アンバーワールド』のラッシュに向き直った。

>「『鏡の中の俺は今日もハンサム』!『学校行くまでに三回ウンコ踏んだ』!『四年も高校に通える幸せ』!『目玉焼きが双子だった』!
> 『同級生にも先輩と敬われる』!『ドラクエのカジノで大金持ち』!『体育の後の教室の臭い』!!『近所のTSUTAYAがセール中』!!!」

(パワーは……向こうの方が上ですね。真っ向勝負は不利と。ですが花をあちらの腕に咲かせて軌道を逸らす事は容易ですわね。
 腕をねじ曲げて逸らし、がら空きになった懐に潜り込み、花の刃で首を刈る……と言った所でしょうか)

吉野はおよそ常軌を逸した幸福論を持っているが、同時に論理的な思考も持ち合わせている。
最小の対価で最大の成果を発揮すべく、彼女は思考し、画策した。
そして迫る拳を見極め、その腕に花を咲かせ――『アンバーワールド』の拳は一切ブレず、吉野の澄まし顔を捉えた。

「なッ――!?」

殴り飛ばされ、派手に地面を跳ねて、揺れる頭で彼女は必死に思考する。

(馬鹿なッ!? 一体何が……! 『メメント・モリ』の花は確かに咲いた筈……!)

震える腕で何とか地を捉えて、吉野上体を起こした。
視界に映った道路標識に向けて手を伸ばし、花を咲かせる。
花はまだ小さな蕾の状態だが、既に標識は僅かに曲がっている。
花を消せば標識は元の直立に戻り、逆に一気に開花させれば勢い良く曲がるだろう。
御前等が距離を詰めてきた時への対策だ。

(……能力はちゃんと機能している。だったら何故……)

更に思考を巡らせて、吉野はふと思い出した。
いつぞの九頭龍戦、幸せを養分として成長する『幸せの花』は彼に通用しなかった。
あの時は地面などの非生物に咲かせるただの花で代用を利かせたが、

(つまりはこの男もそう言う事ッ! この男の幸せは量ばかりで『薄っぺら』過ぎるッ!
 そのせいで『メメント・モリ』の花はブクブクと太るばかりで、肝心の機能を発揮できなかったッ!)

つまる所例えるならば『幸せの花』は人間で言うところの『胸やけ』や『悪酔い』に陥り、
そして御前等は
『テストの小問で思いっきり間違った公式を使ってるんだけど何故か答えだけは正解してしまった』ような
途方も無いラッキーで吉野をぶん殴れたのだ。

そしてそれは、御前等の幸運によって吉野の幸運が削り取られたとも言える。
吉野にとっては許容しがたい出来事だった。

5吉野きらら◇HQs.P3ZAvn.F:2010/08/30(月) 19:53:50
(……今すぐにでも奪い返してやりたい所ですが……正直、今の私のコンディションは最悪です。
 さっきの一撃で頬は内側に炎が灯ったようですし、頭の中では警鐘が意識を見失わんばかりに響いてます。
 あぁ、それにしてもよくも私の顔を! 女を殴るなんてなどと抜かすつもりはありませんが、
 腫れた顔面を見られて憐憫の視線を向けられる事は我慢出来ませんわ……!)

一瞬御前等への怒りが再燃するが、吉野はすぐに自制する。
能力の矛先は御前等ではなく道端の電信柱。
根元に花を咲かせ、自分と御前等の隔てとなるように倒す。

「……ここは退かせて頂きます。ですがこの屈辱、痛み、忘れませんわ。
 いずれ雪辱を果たしますので、そのつもりで。……それでは」

雪辱を果たす、再挑戦の宣言。
それはつまり、吉野と御前等の立場の逆転を意味していた。
御前等裕介は今をもって、吉野きららに対しての『世界の中心』となったのだ。

怨嗟の眼差しで御前等を貫く吉野は、最後に目眩ましの花弁の嵐を残して遁走した。

【逃走開始。追うか追わざるかはお任せです】

6佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/08/31(火) 00:10:25
代行おねがいします

【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】
路地裏はついさっきまでの騒動が嘘のように静けさを取り戻し
円柱を満たす透明の液体は僅かに揺らいでいる。

水の底に横たわる少年。フルムーンは彼の胸に触手のナイフを突きつけたまま。
佐藤ひとみは意識を失った少年を見下ろす。
いつの間に近寄ってきていたのか、水の外から神条時人の声が聞こえる。

>「この人は…変な人を追い払ってくれたんだよ」

「知ってるわ、見てたから。」
ひとみは素っ気無く答える。

――水の外で大騒動が繰り広げられていても至近距離であれだけの大声を出されれば嫌でも聞こえる。
マイソンが咆哮を上げ立ち上がった瞬間、ひとみは異変を目にしていた。
自分の体に纏わりついていた灰色の靄が突如揺らぎ…崩れ出し…小さな蝶の群れに変わっていく様を。
膨れ上がるように散り散りに飛散し水の柱を抜けて空高く舞い上がる蝶―――

ひとみは視線を自らの手足に戻し、自分が既に"不幸の靄"の呪いを外れたことに思い至る。


>91
>「…意識はありません。どうします?確かに最後はその少年…神条君を助けた様ですが…」
>「もうPhase2は必要ないでしょう。解除します」

同じくマイソンの動向を伺っていたよねも事情を察しているようだ。
よねが能力を解除すると水の柱は消滅し、内部に居たひとみ、よね、マイソン…ずぶぬれの3人が残された。


>102
>「いやァーー良くやったな(見てないけど……)お前は自分の意思でやり遂げたんだぜ(よく知らんけど…)
>そういうのは人生において重要な経験なんじゃねえのかな、うん」

>「えーーーと、能力がコントロールできるならわざわざ始末する必要はなくないか?
>情報は聞き出せたんだろ?誰にも迷惑かけない奴の為に手を汚さなきゃならない道理はねー」

腰を手で押さえて這い寄るヨレヨレの徳井がその場に居る一同の顔を見回しマイソンの処遇について口を挟む。
ひとみはその問いには答えず、暫し四つん這いの徳井を凝視していた。


「『腰椎捻挫』…椎間板の靭帯損傷…いわゆるギックリ腰ね……3、4日立てないわよそれ?
ブリッジもできない素人が見よう見真似でなんちゃってジャーマンを繰り出すからよ。
治して欲しかったら今後バカバカしいプロレスごっこは慎むことね。」


徳井を半睨みしつつフルムーンの目線を通じて負傷部位のスキャン画像を得ていたひとみは彼に釘を刺す。
とはいえ後で治療するつもりはあった。
フルムーンの触手を腰椎付近まで侵入させ触手と粘液で切れた靭帯を補強してやればいい。
ただ極細の触手を麻酔無しで患部まで突き刺す必要がある為かなり痛いだろうが。

7佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/08/31(火) 00:15:58
【続きです】

「良く見てもいない癖に相変わらず鋭いわね、徳井君。目端が利くというか勘が良すぎるというか…?
"スタンドは成長する"――らしいけど…
この男、逆切れの弾みでスタンドの支配権を得たみたいね。
さっきまで纏わりついていた"不幸を運ぶ靄"は消えた…私達はこのスタンドの攻撃対象から外れたわ。

元々敵意は無かったみたいだし、スタンドも無害化された…
あんた達が言うように今すぐこいつを殺す必要はなくなったわね。
さっきのスタンドコントロールが1回こっきりのマグレだったとしても彼が失神してる間スタンドは発動しないし
この男は暫くここに転がしておけばいいわ。」

今一度見ようによっては充実した表情で地面に伏す少年に視線を落とし、ひとみは話を続ける。


「そんなことより話すべきことは別にあるでしょう?
こいつから得た情報のことよ。
私が何のためにこの男を尋問したと思ってんの?ちゃんと聞いてたんでしょうね?

――『私達を襲ってきたのは何者か?目的は何か?』――

結論を言うと襲ってきた連中は『ワースト』って言う死刑囚。
目的は『悪魔の手のひら』……。

と言っても肝心の『悪魔の手のひら』が何なのか全然わからないんだけど。
あの男が関係していたなんて驚いたわ!

"ボブ・バンソン"…○日の常連外人レスラーよ!知らないの?
思い出した…!私一度この街で見かけたことがあるわ。…確かデパートで…そうよ!アンテロスに襲われた時!」


徳井とハマの脱線戦闘にツッコミを入れたくせに、自らも話を脱線させていく佐藤ひとみであった。


【会話続行中。次の会話ディスクやワースト達の情報を整理していきます(予定)
米良さん、灰島さんは現場に居るつもりで話を進めていますが
居場所や動きは限定していませんので自由に動いてください】

8佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/04(土) 02:21:17
【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】
>「佐藤さん…この人って呪術とかで操られているってことはないのかな?
>僕にはどうしても、この人が悪い人には見えないんだ…。助けられたからって言ってるわけじゃないよ…」

ひとみの饒舌を堰き止めたのは神条時人だった。
取り留めないお喋りを邪魔されたひとみは片眉を吊上げて不満を示しつつ、おずおず問いかける神条に向き直る。


「『良い』『悪い』なんて損得の方向次第で幾らでも変わるし大した意味ないわ。
ついさっきまでその男は確実に『悪い』奴だったの。少なくとも私にとってはね!
バナナに躓いて死ぬような運命押し付けられちゃたまらないわ!

操られてる…ねぇ…?
交差点で私達を襲ってきたカラスの死骸から出てきたディスクみたいなもの…君も見たでしょう?
あのディスク…『スタンド能力』や『記憶』を封じ込めて形にしたものらしいわ…
……『スタンドを蓄積する能力』……」


言葉尻を呟きに変え、ひとみは徳井とよねの顔を見回し話を続ける。


「私達…数ヶ月前に、この街で"ある男"と否応無く関係したんだけど……
……その男も同じタイプの能力を持っていたわ。
その男は自分のスタンドに本体ごとスタンド使いを取り込むことで能力を自分のものにしていた。

一方ボブ・バンソンは『能力』を『ディスク』に変えて奪うことが出来た。
『ディスク』なんて、かさばらないモノに変化させられる分蓄積は容易だけど
問題はその『ディスク』が元の持ち主と何らかの共通項を持つ人間…
つまりかなり相性のいい体を持つ適合者でないと使えないみたいなのね。

時期は分からないけどボブ・バンソンは『シンシン刑務所』に収監されていた超極悪死刑囚軍団、
通称『ワースト』って呼ばれてた連中の能力をディスクにして奪った。
『ワースト』を自分の目的を叶える為の兵士に仕立てる為か…?
あるいは『ワースト』に他の使い道があるのか…?


ボブ・バンソンは数ヶ月前に誰かに殺されて…どういう理屈かわからないけど
亡骸からNEWDIVIDEって名乗る骸骨が現れて今はソイツが仕切ってるみたい。
とどのつまりNEWDIVIDEが『ワースト』に適合する『肉体』を与えてこの街に解き放った。
目的は【悪魔の手のひら】…とか言うものの完成?
【悪魔の手のひら】の完成には少なくとも22人のスタンド使いを生贄にする必要があるらしいわ。

そこに転がってる男は『【悪魔の手のひら】が何なのか』までは知らされてないみたい。
使えない奴ってどこの組織にでもいるものだけどコイツもその類だったのかもね。
この男が死刑囚になってた理由…?大方あの能力のせいでテロリストか何かと誤解されて逮捕されたんじゃない?」

9佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/04(土) 02:23:15
【続きです】

女というのもは災難に遭った後ほど饒舌になるものだ。
神条に口を挟む余裕も与えず滔々と言葉を垂れ流すひとみ。
話はマイソンの印象から服やバッグをずぶ濡れにしてくれたよねへの罵倒、そして徳井の繰り出した
ジャーマン・スープレックスのしょっぱさに飛び、ひとしきり気の済むまで喋り倒した後でようやく要点を纏めにかかる。


「もう面倒臭いから簡単にまとめると…
NEWDIVIDEっていう骨男が【悪魔の手のひら】を完成させる為のエネルギー確保だかの目的で
スタンド使いを片っ端から狩り漁ってるってこと!
私達、また訳のわかんない"スタンド使い狩り"に巻き込まれたみたいね。」


ひとみは溜息を吐きながら振り返り、背後のゴミ置き場付近にいる灰島と女子中学生に視線を送る。


「灰島さん…やけに大げさな悲鳴を上げてたけど大丈夫?
それと右腕を盗られてたその子も。
聞いてたでしょ?今の話。さっきあんた達を襲った男も『ワースト』の一員。
一度関わっちゃった以上面倒から逃げられないかも知れないわ。覚悟しとくことね。」


【長〜台詞で状況確認と灰島さんと布良さんの安否確認
マイソン君への尋問で得たワースト、ディスク、NEWDIVIDE等の情報を面々に伝えています
会話はもう少し続行予定です(長くてスイマセン)】

10佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/09(木) 22:34:45
代行おねがいします

【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文
>28
痛めた腰を庇い四つんばいの体勢で長話に口を挟む徳井。

>「オーーッ、ノォーーーッ!俺達って本当運がねーな……
>ま、俺はどっちにしてもやる気まんまんなんだがね……で、悪魔の手のひらってなんだ?
>お前は俺の手のひらの上で踊ってるにすぎないとかの手のひらじゃあねーよな。
>新手の宗教か?前も言ったが俺は無神論者なんだ」

ギックリ腰の痛みを堪え土蜘蛛のような体勢で這いずる徳井を見下ろし、ひとみは口を開く。


「『無神論者』って声高に主張する人間に限って『神』の存在に捕らわれてるのよねぇ〜どうでもいいけど。
大抵の日本人にとって神の存在なんておまじない程度の意味しかないのに。
あんたがイタリアに住んでるせいかしらね?
あ…あと更にどうでもいい事だけど…
二十過ぎのイタリアやくざが童貞?それ何かのジョークよね?
あんたのモノの使用頻度なんて無駄な情報誰も聞いてないけど?
未使用だとしたら確実にその思考回路が原因ね。買い物は買うことより過程が大事なの!
ほんっとにどうでもいい話題に手間食っちゃったわ。ああ無駄無駄…。」


徳井の軽口に釣られ、本題から外れた雑言を垂れ流すひとみ。
自ら進んで答えた癖にそれを「無駄」の一言で片付けると
真顔に戻り本題の【悪魔の手のひら】についての考察に取り掛かる。


「『悪魔の手のひら』って随分オカルトチックな名前よねぇ…
しかもソレの完成に『生け贄』が必要なんて所も…
黒魔術系のオカルト宗教っぽい臭いがプンプン漂うわ。
黒魔術に生け贄…まるきり安っぽいホラー映画たわ。馬鹿馬鹿しい!」


地面に倒れ臥したままのマイソンを指差し、ひとみは口調に更なる棘を加えて語り続ける。


「さっきも言った通りその男は『悪魔の手のひら』の正体を知らされてないの!
いくら尋問しても知らない事を答えさせるのは不可能!
つまり今のところ私達に『悪魔の手のひら』が何か知る術はないの。材料が足りないわ。
煉瓦が無ければ壁を建てられないでしょう?
それ位理解できるわよね?分かるわね…?未使用君?」


明らかに偽と知れる優しさを交えた諭し口調はセッカチな徳井に対する当て付け。
マンホールに嵌り無様な体勢を笑われたことを、ひとみは未だ深く根に持っているのだ。
徳井の目に写る女はさぞ憎たらしい顔をしているだろう。
意趣返しを済ませ少々溜飲を下げたひとみは、徳井の返事を待つことなく本題に戻り話しを続ける。

11佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/09(木) 22:35:58
【続きです】
「『悪魔の手のひら』より問題にすべきことがあるでしょ?相手の正体よ。
『22体の生贄を捧げることで完成するモノ』…ホラー映画か恐怖漫画じゃあるまいし。
本当にそんなものが存在するのかしら?
求心力を失った末期の宗教団体が教祖の妄想込みのエセハルマゲドンを創作して殺人集団に変質するのは良くあること。
『悪魔の手のひら』も案外その類いの実体のない妄想の産物かも知れないわ。
どっちにしても材料の無い『悪魔の手のひら』の正体を云々言い合っても仕方ないでしょう?

知るべきなのは、この馬鹿げた殺人とスタンド使い狩りを繰り広げてる集団の規模と正体。
そう思わない?

首謀者のニューディバイドがどれ程の統率力を持っているのか…?それと22人いるいうワーストの実力。
小規模で自己崩壊寸前のツブれかけカルト団体なら放っておいても差し支えないし。
奴らが本当に大勢のスタンド使いを『狩り集める』程の力を持っているのか?
調べるとしたらその辺りになりそうね。

あ〜面倒!本当にツイてない!
一年のうちに何度もスタンド使いの集団と追いかけっこなんてそんなこと在り得る?」

>34
ひとみは肩をすくめ溜息を吐きながら神条少年に向き直った。


「神条君、さっき『引っ越す』って選択肢挙げたわね?あれ、案外的を射てるかもよ?
君は『このタイミングで引っ越すのは不自然』って言ってたけど、むしろごく自然じゃないの?
あんな殺戮現場見せられたらスタンド使いだろうと一般人だろうと街から出ようと思うのは当前よ。
街から引っ越す数多の人間をいちいち虱潰しでスタンド使いかどうか調べるなんて手間のかかることするかしら?
奴らの中に『スタンド使いを自動認識する』能力を持つ者がいれば別だけど。
面倒が嫌なら当分…どこか遠くへ…この街から離れる手のひとつかも……」

12佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/09(木) 22:36:34
【続きその2】
そこまで話して・・・ひとみは急に口篭り言葉を濁す。

「しまった」とばかり、浮かべた表情を悟られまいと水浸しの髪を手櫛で整えるフリをする。
長話に乗せ要らぬことまで口を滑らせてしまったかも知れない。
九頭の時と違って今回は逃亡を阻害されてはいない。それはある意味救い…と言うべきものではあるが。
かと言って徳井達が「じゃあ逃げる」とばかりにこの街を出て行ったら自分はどうなるのか?

ひとみ自身は…と言えば「面倒を避けるために街を離れればよい」と口に出しておきながら
その選択を積極的に選ぶ気になれない自身に少し戸惑っていた。
それは未だ整理のつかないあの男への"想い"故か…。
九頭の墓標とも言えるこの地を、この街を…果たして離れることが出来るのだろうか?


"想い"を頭から振り払い、ひとみは失策を取り繕うようにスタンドシートを出現させ会話の流れを変えた。


「まあ、暫くの間様子を見ながら奴らの動向を調べるしかないわね。
これ、手がかりになるかと思って出してみたんだけど……」

―――シートにはある"建物"が映し出されている。
入り口の広い階段。正面入り口に突き出す円形のテラス。
公的施設を思わせるシンプルなデザインの3、4階建てと思しき建築物。


「そこで寝てる男の記憶から読み取ったものよ。首謀者の骨男はここに潜んでるみたい。
場所までは分からないけど北条市の中であることは間違いないみたい。
各自心当たりをあたってみる?」


映像をその場の全員に見せシートを仕舞うと、ひとみは思い出したように口を開いた。

「ああ忘れてた!徳井君!あんたに別の件で選択肢をあげるわ。
そのギックリ腰を『今治す』か『自然治癒に任せる』か…さあどっち?
言っておくけど治療はかなり痛いわよ?患部まで触手を突き刺さなきゃならないから。
一週間ほど四つんばいのまま湿布を貼って過ごすか?
…それとも一分ほど痛みを我慢してスッキリサッパリ腰の痛みとオサラバするか?
30秒ほど時間あげるからさっさと考えてね。」



【とてつもない長台詞ですが要点は『悪魔の手のひら』はおいといて
『NDとワーストの正体』を探ろうと提案しただけです。
マイソン君の記憶から読んだ『市民会館』の映像を面々に見せる。
『逃げられること』を前提に各人の『戦う動機』に今後焦点を当てたりできるかとw
オマケ:徳井さんに究極の選択】

13佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/14(火) 01:57:54
代行おねがいします
【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】

徳井に『二つの選択肢』を与えておきながら自由に選ばせる気は毛頭無い佐藤ひとみ。
眼球を収めるケースの隙間から次々と触手が伸びシュルシュル徳井の手足に巻き付いていく。
30秒経過する頃には完全に手足を拘束され、うつ伏せ状態で地面に転がる徳井の姿があった。

「面倒が起こりそうな非常事態だもの!当然1週間四つんばいで過ごす選択なんて有り得ないわよねぇ〜!」

抗議の声は無視され、数本の細く長い触手の針が徳井の腰を襲う!
本当は脳内麻薬を使った麻酔が可能なのだが、執念深いひとみのこと。
1分程度の治療効果つき拷問は痴態を見られた復讐のダメ押しだ。

――暫し現場には男の悲鳴がこだまする。


呻き声を上げる徳井を尻目にひとみは一同を見回し口を開いた。


「取り合えずこの騒動について、解っている情報を纏めておくわ。

・この街を拠点に『悪魔の手のひら』なるものの完成を目指して活動する一団がいる。
・奴らの中心人物は『NEWDIVIDE』なる謎の男。そいつは『スタンド』と『記憶』をディスク化する能力を持っている。
・『悪魔の手のひら』の完成には少なくと22体の『スタンドの生贄』が必要であり
 奴らは手当たりに次第にスタンド使いを襲い、犠牲者の『ディスク』を集めている。
・スタンド使いを襲う兵隊として通称『ワースト』という超長期服役囚が街に放たれている。
・『ワースト』はかつて『NEWDIVIDE』にディスクを抜かれ身体を失い、この街で新たに身体を与えられている。
・奴らの現在の活動の拠点はこの写真の建物。

……こんなところかしら?

で、この事態に対して私達はどうすべきか?
…ことがスタンド絡みである以上警察沙汰にも出来ないし…自分の身は自分で守るしかないわ。
救いは"あの時"と違って奴らが『私達だけに狙いを絞っている訳ではない』ことね。」


―――"あの時"とは、もちろん九頭龍一のゲーム…狩る者と狩られる者の戦い。
狩る者に狙われ逃げ惑ったあの事態を指している。

14佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/14(火) 02:01:03
【続きです】

「身を守る選択肢として考えられるのは二つ。
『こちらから攻める』もしくは、襲ってきた者を『迎撃する』

危険を押して『攻める』には相手の規模、力量、それに目的等の情報が足りなさ過ぎるわ。
今のところ『迎撃』しながらを奴ら情報を集めること…
『攻める』にしてももう少し情報を得てからの方が賢いような気がするけど。どうかしら?」


…場合によっては……まず無いとは思うが…相手が"あの男"並みの実力の持ち主だったら…?
その場合は『逃亡』という選択も視野に入れるべきだろう。
―――が、その思いをひとみは口に出さない。
自分以外の面子に積極的に『逃亡』を選ばせたくない…という理由もあったが、
ひとみはあれ以来、九頭龍一の名を口にすることを半ば無意識的に避けていた。


刹那の沈黙を挟み、ひとみは気を失ったままのマイソンに歩み寄る。
彼の横にしゃがみ顔を覗き込むと、襟首を掴んで乱暴に揺すった。


「いつまでも寝てないでさっさと起きたらどうなの?!
どういう成り行きか心境の変化か知らないけど
あんたのしたことは奴らにとって『裏切り』以外の何物でもないわよね?
つまり今後は追われる身、あんたは『こちら側』の人間になった訳。

私達にあんたを殺す理由は無くなったわ。
だから逃げてもいいわよ?っていうか早く逃げた方がいいんじゃない?
ただその前に情報は貰うわ。

この『写真の建物』の場所を教えなさい!

あんたにとって私達に情報を漏らすことは最早マイナスにならないはずよ。」


【徳井さんをふんじばって治療。
マイソン君を起こして市民会館の場所を聞いています。
情報をどこまで伝えるか、もしくは伝えないか…マイソン君におまかせです】

15佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/18(土) 23:01:41
【名前欄】NEWDIVIDEと影貫行方◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】

薄暗い部屋。蝋燭の灯す暖色の光が僅かに震え、壁に映った男女の影を揺らす。
男女――と言っても、男の方は黒い襤褸切れのようなマントを纏った骨の塊。
低い声音と大柄な骨格が、纏っていた肉体が強固な男のものであったろうと想起させるのみであった。

「随分舐められたものね…」

冷ややかな女の声。
常と同じ陶器の人形を思わせる青白い顔、無機質な表情。
しかし口調には明らかな不信と批難が込められている。

グリードのスタンド『ハングドハント』の拳を受け、
一度崩れさったNEWDIVIDの骨格はカチャカチャと音を立てて組みあがっていく。

「好きにするがいいさ……
あいつらも束の間の自由を手に入れてはしゃぎたかろうて。
連中がどう振る舞おうと、所詮は釈迦の掌の上の孫悟空…あるいは虫カゴの中の虫。
おっと…ワーストの中に食道楽が居たな、あの下衆好みの言い回しを使うならば
『鍋』の中の『材料』…とでも言うべきかな。
機が熟せば『鍋』ごと煮込んでしまえば、それでいい。」


NWEDIVIDEは『材料』と『鍋』に妙な抑揚をつけて話す。
『材料』は勿論ワーストを指している…しかし『鍋』とは……?


余裕綽々の言い様は敗者の色を微塵も見せない。
攻撃をうけた後にノイズ交じりの不協和音を奏でていた声音も、いつの間にか常の調子を取り戻していた。
影貫が目を向けると、NEWDIVIDEを構成する鉄筋の如き骨の端々に入っていたひび割れが跡形もなく消えている。


「奴らなら好きに泳がせておけばいい。本能と嗜好に任せて犠牲者の山を築けばいいのだ。
歩くように平然と死体をこさえる者どもだ。血の海と恐慌の渦は我らの望むところ。
――ディスクだけでなく、それも貴重な『材料』の一つなのだからな。
なに…問題は無かろう。
奴らはディスクに刻み込んだ『契約』と『情報』に縛られている。
…確か北条市と言ったか・・・奴らはこの街から出ることも出来んのさ。」

16佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/18(土) 23:02:18
NEWDIVIVEは集めた肉体にディスクを投入する前に、下準備として施した加工を回想する。
能力によってディスク化したスタンドは、相性さえ合えば彼自身が使用することも可能だ。
何と言う皮肉――!
数分前、NEWDIVIDEに叛旗を宣言した男――
『グリード・アヴァリティア』のスタンド『ハングドハント』がその加工に使用されていたのである。


NEWDIVIDEはディスクに情報を貼り付けた。
その為に北条市に住む男に残酷極まりない拷問すら働いて。

すなわち…その男から
『北条市を出る』という情報と
『巨大なミキサーで足の先から磨り潰される【痛み】と【恐怖】』

この二つの情報を剥ぎ取り……組み合わせてディスクに貼り付けたのだ。
ワーストの中に挿入したディスクを取り出せる者はNEWDIVIDEのみ。
『ハングドハント』の持ち主、グリードにも手が出せない。


ワーストの面々が北条市を脱出しようと試みれば、忽ちその【痛み】と【恐怖】に襲われるだろう。
――それは人を死に至らしめるに充分なものだ。

彼等が『痛みの情報』から逃れ、真の意味での自由を手にするには
NDとの『契約』…合わせて『22枚の上質なスタンドディスク』を差し出す他は無い。
この『契約』はワースト達に伝えられている。

『契約』を果たしても彼らが晴れて自由の身になれる可能性は低いだろう。
ディスクが揃ってしまえば、彼らには『材料』としての運命が待ち受けているのだから。
しかし、このどう転んでも不利益な情報は当然彼らに知らされている筈もない。


『契約』はNEWDIVIDEが死ぬか、あるいは彼の能力を何らかの方法で奪い取るまで消して解除されない。
NEWDIVIDEはほぼ不死身の骨男。
いかな攻撃を受けようと折れた骨はパズルのように組み合わされ元の形を成す。
塵にでも変えられない限り命を奪うことは出来ないだろう。



【ワースト達に肉体を与える際の『契約』について言及。ワースト達は『契約』のことは知らされてます。
自分達が『材料』であることは知らない筈ですが、自ら気づいても良し】

17佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/09/18(土) 23:03:12
>26
>ぺた…ぺた…ぺた…ぺた…。…ピタ。
>くちゃ…くちゃ…ぺちゃ。

沈黙のまま向かい合う影貫とNEWDIVIDEは部屋の外から聞こえる水っぽい異音に聞き耳を立てる。

乱暴な音を上げて扉が開く。

>「…ぁ…あ〜〜」

ドアの前には黒い肌の大男が這いつくばっている。
2m近い巨体には不似合いの、つるりとした肌。浮かべる表情は明らかな白痴。
口の周りを地に染めた大男は影貫に向かって這い寄る。

>「まぁまぁ〜…」
影貫は柳眉を顰め汚いものを見る表情で、その赤ん坊と中年大男の混合物を見下ろす。

「ああ…忘れていたよ。ディスクの保管用に作ったプロトタイプだ。
…肉体を失ったワースト用にな。
ディスクに適合する肉体を捜すのはなかなか骨が折れるからな。
作ったはいいが使い勝手が悪いので閉じ込めて置いたんだがな…逃げ出してしまったか。
どうやら試作品の奴、退屈らしい。
しばらく相手してやってくれないか?」

声質にいたずらっ子の喜色を潜め、NEWDIVIDEは骸骨の嵌った水晶の眼球をくるりと一回転させた。
黒い襤褸を翻し影貫の横をすり抜けるNEWDIVID。
その巨体は白い煙となって拡散して消えた。
姿が消える前のほんの一瞬、ボブもどきの赤子も目を凝らしていれば気づいたかも知れない。
壁から現れた、ほの白い腕がNEWDIVIDEのマントを掴んでいたことに。


ひとり取り残された影貫は美しい顔に嫌悪の情を浮かべ、男の形をした肉塊と対峙する。
肉塊は耳の辺りに開いた大きな穴に張られたピンク色の弁膜を震わせて音を奏で出した。
ノイズを交えた音は次第に人声に変化していく。

>「ガラスのコップにアルモノを入れたらトリ出せなくナクなりました。アルモノとは何でしょうカ?」

影貫は顰めた眉を僅かに緩める。
知性の欠片も無いと予想していた肉塊の発した人語…その意外さに興味を引かれたのだ。
黒い巨躯の赤子を見据えながら、薄く紅を差した赤い唇を開く。


「人もモノも自らに付いた傷を払い落とすことは出来ない……
すなわちガラスの水面に巣食う細いクモの巣……」


低く静かな女の声。その文言が謎の答えを孕んでいることに、ボブもどきは気づくだろうか。

18生天目 ◆gX9qkq7FNo:2010/10/30(土) 23:16:38
「あっつ〜ぃ〜」
梅雨の存在などすっかり忘れたように快晴が続き季節は夏本番を迎える。
キャミワンピの裾を煽って風を入れても蒸した熱気が肌にへばりつくだけで効果がない。

生天目有葵は市民会館の前に立っていた。
蒸されたアスファルトの熱気がサンダルを通して足の裏に伝わる。

「へー…ここが例の事件があったオバケ屋敷ね。心霊写真、撮れるかなー?」

パシャッ。まずは建物の全景をとってみた。時刻は10時45分。
生天目はオカルト雑誌に応募する心霊写真を撮るために市民会館に来ていたのだが
奇しくもその日は佐藤たちが市民会館に集合を約束した某日と合致していた。
これもスタンド使い同士は引き合うという法則がそうさせたのだろう。

「〜♪〜♪」
こんなふうに適当に遊んでいたら、今年もそのうちに夏がすぎるんだろうということを、
そのときの生天目は疑っていなかった。

19生天目 ◆gX9qkq7FNo:2010/10/30(土) 23:19:07
>>18は文章置き場とまちがいました。だいり投稿しなくていいです。

20佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s:2010/10/31(日) 15:16:05
その日も相変わらずの暑さだった。
まだ午前中だというのに、分厚く白い雲が空に聳え、耳障りな蝉の鳴き声が熱気を帯びた大気に充満している。
強烈な日射しの作る影は不吉な程に濃く黒い。
ただ以前よりも僅かに薄くなった空の色が、盛夏も折り返しを過ぎたことを告げていた。


あたりは整然と舗装された道路。
歩道の脇には、最近植えられたばかりの街路樹がお仕着せのように等間隔に並んでいる。
建設途中の新興住宅地…といった所だろうか。周りはやたらに更地と休耕田が多い。
数件の民家がまばらに立っている他は車も人気もまばらで、ガランとしていた。


白い日傘の影がアスファルトに落ちる。日傘の作る影の中には髪の長い女が一人。
佐藤ひとみは人気の無い道路を歩いていた。
淡い水色のシフォン素材のブラウス、膝丈の白いタイトスカート、細いエナメルのベルト。華奢なヒールのサンダル。
決して活動的とは言えない出で立ちは、これから起こる狂騒とは不釣合いなものだ。


開けた視界の向こうに、空洞のようなこの場所に不似合いな大きさの建物が見える。
四方をケヤキ並樹に囲まれた鉄筋コンクリート造の建物。
外観からして3〜4階建てか。外壁は煉瓦風タイル加工の壁材で覆われている。
正面から見てて向かって右側の壁が大きく湾曲し円形に張り出していた。
全体の印象としてちょっと凝った造りの公的施設といった感じである。中々立派で洒落た造りだ。



ひとみは正門の前に立ち建物を見上げる。

―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ――――


重苦しいほどの青空を背景に聳え立つ建物は、遠近感が強調されたエル・グレコの絵画のように歪んで見え、
一種異様な存在感を放っていた。
壁のところどころに走るひび割れ、長年の風雨に晒された汚れ。
間近で見る建物は、遠目には写らなかった経年による劣化が見て取れた。

21佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s:2010/10/31(日) 15:17:05
―――この建物は、通称『市民会館』。
スタンド使いを狩るために街に放たれていた"ワースト"の一員、マイソン・デフューの記憶から読み取った
ご本尊の本拠地らしき場所だ。
正門は、鉄の門扉に堅く閉ざされている。
門扉の格子の隙間を覘くと、劣化したアスファルトにちらほら雑草の生えた駐車場が見える。



腕時計に目を落とす。時刻は午前10時55分。
周囲に人気はない。

「あいつら信じられない!女を待たせるなんて。
待ち合わせ場所には15分前にスタンバイしとくのが常識ってもんでしょ…」

日傘を閉じ、街路樹の日陰になっているガードレールをベンチ変わりに腰を下ろし、ひとみは呟く。
最寄のバス停から暫く歩かねばならない辺鄙な場所だったので、到着時間の目測を誤った。
女は待ち合わせの時間通りに到着してはならない。安く見られるからだ。10分は遅れるべきだったのだ。

待ち合わせの面子を待つ間、ひとみはスタンドシートを出現させ、周囲100mの"スタンド能力者探知"を試みた。
反応は無い…が、どうもすっきりしない。
建物の中のスタンド使いの反応は建物内に入って確認するのが一番確かなのだが…。
こんな役所じみた建物が、本当に『悪魔の手のひら』なるオカルトじみた存在を狙う者たちの本拠地なのだろうか。
マイソンの記憶違いか思い込み…ということも考えられる。
記憶というものは主観のフィルターを通すことで歪められる。読み取った記憶が必ずしも正確なものとは限らないのだ。



ふと正門に視線を移すと、いつの間に近寄ってきていたのか、門扉の向こう側に男が立っている。
警備員の服装をした愚鈍そうな大男だ。
スタンド能力者ではない。シートには反応が出ていない。


「見学希望の人?今日は会員限定のセミナーだよ。」
眠そうな顔の警備員はひとみに問いかける。

「は?」
出し抜けに声をかけられたひとみは、思わず返答にならない一言を漏らす。


「見学希望の人?今日は会員限定のセミナーだよ。」
警備員は同じ言葉を繰り返した。


【待ち合わせ場所、市民会館の前でぐだぐだやってます。合流するもよし、後から参加も可能です】

22佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/16(火) 22:09:22
代行おねがいします
【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】
>>44
ひとみが話し続けている間、床に這いつくばっていた男――御前等祐介が突然顔を上げ口を開いた。

>「しかし佐藤さん、アンタなかなかにイケイケな武闘派なんだな。『スタンド』に対抗しうるのは『スタンド』でしかないとは言え、
> こんな敵の懐に自分達だけで乗り込もうなんて。熱いじゃないか。――いいぜ、そういうのは大歓迎だ」

「…何馬鹿なこと言ってんの?別に乗り込みに来たわけじゃないわ。ちょっと偵察に来ただけよ。
 ことがスタンド絡みである以上警察沙汰にするわけにもいかないし…
 逃げるにしろ放置するにしろ、相手の規模や目的がわからなきゃ……」


言いかけた言葉を、御前等はまるで聞いていない。ひとみは小さな溜め息を零し口を噤んだ。
連中の狙いである『悪魔の手のひら』が何なのか?それさえ未だ分からないのだ。
カルト教祖の妄想の産物……実体の無い空想物である可能性だって大いに在り得る。
オカルトフリークのスタンド使いを畏れて、生活も仕事も投げ棄てて街を出るなんて馬鹿げている。
教祖がたまたまスタンド使いというだけのイカれた潰れ掛けのカルト団体ならば、案外簡単に対処できるかも知れない。
…その程度の腹積もりでこんな所まで出張ってきて、結果まんまと罠に嵌ったのである。
―――奴らは本気で生贄を集めている。
一度『獲物』と見なしたひとみ達を、飽く迄も『狩る』ために網を張っていたのだ。
敵を甘く見ていた自分の浅慮が腹立たしい。ひとみは今一度大きく溜め息を吐いた。



>「――たった今からここが『世界の中心』だ!」

ひとみの態度などそっちのけで勝手に盛り上がっている御前等が、全身をくねらせた"奇妙な"ポーズを決めている。
少年漫画の読みすぎとしか思えない思考回路。
ひとみはますます呆れたが、イザという時の戦力はその気にさせておく限る。


「『正義の戦いに体を張る』なんて、まるでヒーローね!
か弱い女性を守るのもヒーローの仕事でしょう?
 何が起こるかわからないこんな場所で、女に扉を開けさせたりしないわよね?
 順路は私が指示するから、あんたが先頭を歩いてね。ホールまでエスコートして。」

意味有りげな流し目をくれて、ひとみは御前等に語りかけた。

***********************************************

23佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/16(火) 22:12:06

閉ざされたホールの扉を開く。(もちろん自分で開かずに御前等に開かせる)
講演会や小規模の演劇等をこなせる円形の小劇場、中は薄暗く静まり返っている。
座席が上ったままの作り付けの椅子が数百脚、奥の舞台に向けてなだらかな下り坂を成して整然と並んでいる。
出しっぱなしのスタンドシートが放つ仄かな光がひとみの顔を下から照らす。
半透明のスタンドシートに青い蛍光ラインで描かれた建物1F平面図が浮かび上がる。
平面図上のホール内に5つの光点が表示されている。ひとみ達の現在地だ。


「やっぱりダメ!私達以外の反応が出ない!
 本当に誰もいないのか?それとも何かが私の能力に干渉して反応をマスクしてるのか…」
眉根を寄せてひとみは声を上げる。手元には4枚に分離したスタンドシート、全ての階の平面図が表示されている。


ひとみの言葉の終わりを待たずに、突然――舞台にスポットライトが灯った。
暗い客席に照らされた舞台……今しも舞台開幕といった様相。
騒々しい電子音のファンファーレが鳴り響く。

出入り口が開き、飛び込んできたのは白い矢印――!
空を舞う龍のように縦横にホール内を飛び回る。
ある時は竜巻のように渦を巻き、ある時は二叉に分かれ縺れながら―――見ようによっては酷く滑稽な動きで。
おちょくるように何度もひとみ達の脇をすり抜け、最後には舞台の上で絞り上げた雑巾の如く捻じくれて動きを止めた。
矢印の輪郭がぶれ始める。
数秒ほど輪郭をモヤモヤさせていた矢印は白い霧に変化し、次の瞬間にはもう新しい形を成していた。


『ハーイ!みんなお集まりだね♪』

鼻をつまんで出したような甲高い声。
壇上に立って手を広げているのは、誰もが見たことのある有名キャラクターを模していた。
大きな丸い顔に大きな目……頭上にくっついた丸い大きな耳、大きな手袋、大きな靴……
末尾に『シー』とか『ランド』のつく場所に生息するあの巨大なネズミ……
既知のそれと違うのは色が白一色であること。さながら塗り絵の原画の如きキャラクターが壇上に立っていた。


『やあ!みんな♪僕のプレイランドにようこそ!!
 みんなが契約してくれたおかげで僕のプレイランドができたよ♪ありがとう♪
 自己紹介がまだだったね♪
 僕はの名前は【ザ・ファンタジア】!天才アニメーター【エイドリアン・リム】のスタンドさ♪』

スポットライトの下、満面の笑顔を浮かべた『あのネズミ』は小首を傾げて靴をタンと鳴らした。

24佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/17(水) 23:16:16
代行おねがいします
【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】

「今日、皆に集まってもらったのは他でもない♪僕と楽しい"ゲーム"をしてもらうためさ♪
 僕は皆のことがだ〜〜い好きだけど、僕のボスは君達に死んで欲しいらしいんだ♪
 何でも、クトウ殺しに関わってる奴らはキケンだとか…関係ない奴らも"材料"として使えるからってね♪ 
 でも君達のことがだ〜い好きな僕としては、即殺っちゃうのは不本意だから、君達に生き残るチャンスをあげるよ♪
 ゲームのルールは一度しか言わないから、よ〜〜く聞いてね♪
 
題して……
 『追いつ追われつ カクれんボ』〜〜〜♪
                "鬼ごっこ"するもの寄っといで〜〜♪」

『あのネズミ』は得意満面の笑顔で手を叩いている。
笑い転げながら輪郭をモヤつかせ、霧になって拡散し姿を消した。
直後、ひとみ達の間に霧が流れ込み巨大な白い手が現れた。丸っこい手は人差し指をピンと立てている。

数秒後、霧に変化した手は壇上に流れ、再び『あのネズミ』の姿を取った。
ネズミは一つ咳払いをして話を続ける。

「僕の能力は【『契約』と引き換えに『場』を作り出す】こと♪『場』の支配権は僕にある♪ゲームマスターは僕さ♪
 契約は平等である必要はないけれど、双方に利が無いと成り立たないよね♪
 この場合、君達の『利』は生きてここを出られること!生き残りのチャンス!
 ゲームクリアの条件は、僕の本体を見つけることだよ♪
 クリアできれば、この『場』からの退出を許可するよ♪
 あ、ちなみに僕の許可を得ないで外に出たら君達!霧になって空気に溶けて、あぼーんだから♪」


体の左半分を霧に変えて右手でハンカチを振り、わざとらしく涙を流すネズミ。
ハンカチで涙を拭うと、一転してまた笑顔。つくづく癪に障るネズミだ。


「アハハ♪もう知ってた?スデにお試し済みかな?
 それと!この『プレイランド』は2時間経つと自動的に消滅するから♪もちろん中にいる君達も一緒にね♪
 君達が2時間以内に脱出できるように祈ってるよ♪」


***********************************************

25佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/17(水) 23:16:59

壇上に立つ『あのネズミ』の姿をしたスタンドは、大袈裟な身振り手振りを交えて喋り続ける。
イベントの前説でもしているかのような軽妙な口調で流暢に―――彼の言う"鬼ごっこ"のルールを。


------------------------【ゲームの概要、ルール】--------------------------------

『鬼ごっこ』+『かくれんぼ』+『しっぽ鬼』  3つ合わせたようなゲーム
 
追跡する敵スタンド『ザ・ファンタジア』から逃走あるいは撃退しながら
市民会館内のどこかに潜む本体『エイドリアン・リム』を見つけ出し、彼にタッチすればゲームクリア→外に出られる
本体は、一度隠れた場所から動くことが出来ない。(それが"契約"条件であるため)

追いかける側→鬼
逃げる側  →子 と表記

・敵スタンド『ザ・ファンタジア』は常に鬼
・『ザ・ファンタジア』の掌(掌だけ黒い)に触れられた子は精神を支配され、鬼の仲間となる
・鬼になった者は敵スタンドと意識が同調し、子を探し捕らえる為に動いてしまう
 (鬼になっても性格や嗜好は元のまま、スタンド能力も使えます)
・鬼になった子には尻尾が生える(○ッキーマウスのような細くて黒いヤツ)
・鬼になった子の掌はスタンドと同じく黒くなる。黒い部分で触れられた子は鬼化する
・子が鬼(敵スタンドを除く)の尻尾を切れば、その鬼は子に戻る
・鬼化している者のビーコンは一時機能停止状態、鬼が子に戻ると再び機能する
・『場』が消滅するタイムリミット、2時間を待たずに全員が鬼化したばあいはゲームオーバー
 (全員ディスクを抜かれ死亡確定)

鬼が子に与えるヒント
・子の首にはビーコン付きの首輪がはまる
・鬼が子の3m以内に近づくとビーコンから音楽が流れる(曲はエレクトリカル・パレード)
・鬼が『もーいいかい』と尋ねると、一番近くの子のビーコンから『もーいいよ』という声が流れる(3m以上離れていても)

攻撃について
※ザ・ファンタジアは実体化している状態であれば攻撃を当てることが出来ます(霧化時は攻撃無効)
 ただし撃退は出来てもダメージを与えることは出来ません
 ダメージを受けても一度霧化すると再生します

------------------------------------------------------------------------------------

『フー…説明も楽じゃないなァ〜♪』
ひとしきり説明を終えたザ・ファンタジアは霧でハンカチを作り出し汗を拭く仕草。

客席で話を聞く一同は気づくだろう。いつの間にか自分の首に鉄の首輪がはめられていることに。
首輪の正面には、簡略化したネズミの顔型(丸の上に丸二つくっつけた形)の装置が付けられている。
これが鬼ごっこ用ビーコンである。


『君達の様なおバカさんに一回で理解しろって言うのもカワイソーだから、契約書にルールを書いておくね♪』
面々の手には契約書が握らされている。
ロビーで見たものと同じ書類だが、ゲームの"ルール"が箇条書きで追記されていた。


『じゃあそろそろいいかナ〜〜♪"鬼ごっこ"を始めるよ〜〜♪
 まずは僕が追いかけるから、10数える間に逃げてね〜〜♪
 い〜ち♪に〜い♪さ〜ん♪しーい♪………』

真っ白なネズミは掌で大きな目を覆い、節をつけて数を数え始めた。
それは狂ったゲームへのカウントダウン……!!


【鬼ごっこを始めます。ルールなどで、分かりづらい所があれば避難所で質問を受け付けます
 敵スタンドが十数えている間の行動は、逃げるも良し、攻撃を当ててみるも良しw】

26佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/18(木) 01:08:06
【本体】
名前:エイドリアン・リム
性別:男
年齢:33
身長/体重: 158/55
容姿の特徴: いつも意味無く笑顔、愚鈍そう。子供に警戒感を与えない印象。
人物概要:ロリペド野郎。著作権に異様に厳しい某アニメ会社のアニメーターだった。
     キャラクターの絵などを餌に子供を遊びに誘い出し弄った後に殺害する手口が定番の猟奇殺人犯。
懲役年数: 125年
被害者推定: 15才以下の小児数十人を殺害。


【スタンド】
名前:ザ・ファンタジア
タイプ/特徴:白っぽい霧。自在に霧散、集合し形を変化させる。

能力詳細: 『契約』を結ぶことで『場』を創造する能力。
      一度作り出した『場』に入り込んだ者は強制的に『契約』に縛られる。
     
アルカナ/ 魔術師(正位置)

破壊力-B スピード-B 射程距離- B
持続力-契約期間内において∞ 精密動作性-C 成長性- E


A-超スゴイ B-スゴイ C-人間と同じ D-ニガテ E-超ニガテ
射程距離の目安
A:100m以上 B:数10m(50m) C:10数m(20m) D:数m(5m) E:2m以下

27佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/18(木) 01:12:04
【本体】
名前:エイドリアン・リム
性別:男
年齢:33
身長/体重: 158/55
容姿の特徴: いつも意味無く笑顔、愚鈍そう。子供に警戒感を与えない印象。
人物概要:ロリペド野郎。著作権に異様に厳しい某アニメ会社のアニメーターだった。
     キャラクターの絵などを餌に子供を遊びに誘い出し弄った後に殺害する手口が定番の猟奇殺人犯。
懲役年数: 125年
被害者推定: 15才以下の小児数十人を殺害。


【スタンド】
名前:ザ・ファンタジア
タイプ/特徴:白っぽい霧。自在に霧散、集合し形を変化させる。

能力詳細: 『契約』を結ぶことで『場』を創造する能力。
      一度作り出した『場』に入り込んだ者は強制的に『契約』に縛られる。
     
アルカナ/ 魔術師(正位置)

破壊力-B スピード-B 射程距離-『場』の中において∞
持続力-D 精密動作性-C 成長性- E


A-超スゴイ B-スゴイ C-人間と同じ D-ニガテ E-超ニガテ
射程距離の目安
A:100m以上 B:数10m(50m) C:10数m(20m) D:数m(5m) E:2m以下

28佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/20(土) 01:33:05
代行おねがいします
【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】
『10数える間に逃げてね〜〜♪い〜ち♪に〜い♪さ〜ん♪し〜い♪…』
後ろ向きになって顔を隠し、数を数え出す『あのネズミ』。

>「だが断る。その法に触れそうな顔を合法レベルにまで整形してやるゥーッ!!」
ネズミに歩み寄る御前等。

「ちょっと不用意なことは止めなさいよ!ゲームのルールが本当なら、あんたが鬼になる可能性も…」
ひとみの制止など耳に入っていない様子で、御前等は更にネズミの背後に近づく。

>「俺と貴様のどちらがよりウザいか!格の違いを魅せつけてやるぜッ!!」


御前等の腕から剥離したスタンド――アンバーワールドの拳がネズミに迫る―――!
今しも拳が叩き込まれる…という刹那、ネズミの後頭部がバクリと口を開いた。
ネズミの顔の裏に出来たもう一つの顔……
カトゥーンアニメを思わせる漫画チックで巨大なオオカミの口が、アンバーワールドの腕を呑み込んだ。
拳が牙の生え揃った白い口腔内に捕えられた途端、オオカミの口はガチリと噛み合わせられた。
輪郭をモヤつかせていたネズミの後頭部から、千切れるように、牙を立てたままのオオカミの顔が分離する。


『ぎゃははははッ♪ヤッテヤッタぁーー♪不意打ちのつもり?ザンネンでしたァーーッ♪
 そんなに殺気を撒き散らしてたんじゃあ不意打ちもクソもないジャン♪
 てか僕はモトモト霧だよ?この目は飾りダヨぉ〜♪じゃあ何で目隠ししてたかって?遊びには気分が大事ジャン♪』

アンバーワールドへの対処を分離したオオカミに任せ、御前等から3mほど距離を取ったネズミは、
腹を抱えて笑い転げている。

『僕と君のどっちがウザいかって?そりゃ君に決まってるよ♪僕は背後の文と会話したりしないからね♪
 背後+君……単純に見積もってウザさ二倍だモーーン♪
 ウザさでもトップを取りたい君の負けず嫌いを称えて、【ウザキング】の称号を君に贈るよ♪
 ウザキング君!君がルールを破ったから、10数えるのはナシね♪
 たった今から鬼ごっこ開始ぃ〜〜♪』


アンバーワールドの腕に食らいついているオオカミの顔の根元から、ほの白い腕が2本、萌芽し伸張する。
御前等を掴まんと迫る腕―――掌の部分だけ他と対照的に真っ黒である。


時を同じくして、ネズミ…もといザ・ファンタジアの体表が陽炎のように揺らぐ。
直後、ネズミの纏っていた服はタキシードから魔法使いのような長いローブと三角帽子に変っていた。
ザ・ファンタジアは口から吐き出した霧で四本の竹ホウキを作り出し、宙に放り投げた。
空を回転する白いホウキ…柄の部分から細長い腕が伸びる。御前等に噛み付いているオオカミ同様、掌だけが真っ黒だ。
着地したホウキは穂を足代わりに歩き出し、それぞれが細い腕を揺らめかせ、ひとみ達に向かって駆け寄って来る。

4本のホウキのうち2本が目標を失い、ホール内を右往左往している。
『チェッ♪ふたり逃げられてたかァーー♪まあいいや♪ゲームは時間一杯楽しまないとね♪
 何だか冷えてきたなァー♪冷房の効かせ過ぎは良くないんだゾッ♪』


【御前等さんに分離したオオカミ顔で噛み付き攻撃。まだホールに残っている生天目さん&佐藤に竹ボウキ攻撃
 黒い掌に3秒間触れられ続けると鬼化します
 逃げちゃった人たちはもうちょっと待って〜】

29佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/23(火) 19:58:32
【名前欄】佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
【メール欄】sage
【本文】
>>85-87
後ろ向きになった『あのネズミ』に迫るアンバーワールドの拳――!策も覚悟も無い思いつきだけの特攻。
結果―――こちら側の利になることは、何一つ起こらなかった。

『ウザキング君!君がルールを破ったから、10数えるのはナシね♪たった今から鬼ごっこ開始ぃ〜〜♪』
忌々しいほど楽し気なネズミの声が、ゲーム開幕を告げる。

御前等はスタンドを、ネズミから分離したカトゥーンオオカミに食い付かれ
未だホールに居残っていた有葵とひとみは、霧製のホウキに追い回されるハメになった。
混乱と狂騒――ネズミの高笑いと、ひとみ達の首輪から流れ出すアホみたいに能天気な電子音のメロディ、
それに怒号と悲鳴が混じり合いホール中を反響している。

「だから止めろって言ったのにッ!いっつもロクなことしないんだから!このクズッ!!」

ひとみは迫り来るホウキの手をかい潜り、座席の間を逃げ回りながら怒声を上げた。

霧オオカミは、ジャレ付くアホ犬の如きしつこさで、アンバーワールドの腕に食らい付き振り回している。
御前等のスタンドは徳井と同じ近距離パワー型。射程距離はせいぜい2m程度だ。
スタンドは本体から一定以上離れることは出来ない。また逆もしかり。スタンドが動きを封じられれば本体も動けない。
スタンドを捕えられた御前等は、逃走も闘争も不可能で、ただスタンドの側で棒立ちになるより他ない。
オオカミの生首から生えたひょろひょろの腕が、御前等に向かって真っ直ぐに伸びる――!
事の重大さを認識していないのか、御前等は大した抵抗もせず、アッサリと黒い掌に腕を捕まれた。


>「えっと、この腕に掴まれ続けたらどうなるんだっけ」
>「佐藤さーん、俺あのネズミの説明全部聞き流してたんだけど、こいつは一体どうすればいいんだ?」
>「おっと、そうだそうだ。ネズミがくれた紙があったじゃないか。――って、腕掴まれてたら読めねえ!?」ドギャーン
能天気男の自問自答。

「馬鹿ッ…!何でもいいからさっさとその手をッ!振り払いなさいッ!!」
逃走の間隙を縫って御前等に視線を移し、金切り声を上げるひとみ。

―――が、時既に遅し。

オオカミの掌から転移した黒に全身を侵食され、蹲る御前等。一瞬真っ黒に染まる身体。
……数秒を置いて、立ち上がった男の瞳からは光が消え完全に瞳孔が開ききっていた。唇は強張った薄笑いを浮かべている。


『ハ〜〜イ♪鬼のいっちょあがりぃ〜〜〜〜♪よ〜しよし♪プ○ート♪噛み付き攻撃ヤーーーメぇ♪』

ネズミはケタケタ笑い、オオカミの攻撃を制した。
オオカミ…もとい出来の悪いネズミの飼い犬は、スタンドの腕にぶら下がったまま大人しくなった。


>「合法的に痴漢しまくるチャーーーーーーーーーンス!!」

狂気の男は、尾骨辺りに生え揃った黒ミミズの如き尻尾を揺らめかせ、人外のスピードで有葵に飛び掛る。
ホウキをご都合主義な『実』の力で一蹴し、真っ黒な掌を突き出し息を荒げて有葵に迫る!
まさに少女を襲う変質者を地で行っている。

30佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/23(火) 19:59:44

以前、白い竹ボウキとの追いかけっこを続けているひとみ。
逃走の経路で軽くジャンプ――足元には、通路の床上20cmの位置に触手製のワイヤーが予め張り巡らされていた。
ひとみを追いかけていたホウキは、触手ワイヤーに躓いて空に投げ出され数秒の滞空の後、カランと音を立てて床に落ちた。
座席の隙間に身を潜めていたフルムーンがホウキの側に姿を現す。
機を逃さず、足代わりの穂を触手でぐるぐる巻きに固定し、ホウキの動きを奪う。

床に転がるホウキを尻目に、ひとみは走る。
御前等の猛追を前に、呆然と立つ有葵の手首を掴み――ホールの出口に向かって駆け出した。
ひとみと有葵――二人の頭上に浮遊するフルムーンから、触手を繋ぎ合せた薄い皮膜が降りて来て、その姿を包み込む。

インビジブル発動―――
皮膜に覆われた二人は、空気に溶けるように姿を消した。
透明化によってザ・ファンタジアと御前等の目を眩ませた二人は、ホールを抜けて
一気に南ロビーの階段を上がり、二階廊下、医務室前あたりまで移動した。


「バラバラに手分けして本体を探す…なんて冗談じゃないわ!
 敵スタンドに襲われた時、私達の非力なスタンドで、一人きりで対処できると思ってるのッ?
 あのスタンド、分離したホウキのパワーは大したこと無かったけど、ネズミ自体の攻撃力は完全に私達より上よ。
 それにあの馬鹿男まで鬼になったんじゃ、もう…!」

透明化を解いたひとみは、有葵に向かってボヤくような口調で語りかけた。
手元のシートには竹ボウキに接触した時に得たスタンドデータが表示されている。

*********************************************
>>83
一方、一階守衛室に移動した、よね。
狭い部屋の中は無人だ。数台の事務用机と椅子が雑然とした部屋に詰め込まれているのみ。
壁一面に設置された十数台のモニターは生きていて、各部屋の監視カメラの映像が映し出されていた。
すべてのモニターに写る映像を逐一チェックしていくのは一仕事だが…
よねは気づくだろうか?
モニターに映る4Fライブラリ…蔵書や映像を保管する、ちょっとした図書館のようなこの部屋。
ライブラリの隅に置かれた大画面TVの前で、何やら食べながら寛ぐ男の姿がチラリと映った事に……。


**********************************************
場面はまたホールに戻る。
ひとみ達に逃げられ、取り残された『鬼二人』――ザ・ファンタジアと御前等。

『ウザキング君…!鬼になってくれてうれしいよ♪仲良くしようね♪
 さっきは背後とニコイチ扱いしてゴメンね♪君一人でも充分過ぎるほどウザイって♪
 僕のペットが君に懐いちゃってるみたいだけど、とりあえず返してもらうよ♪』

ザ・ファンタジアが唇を尖らせスゥーーーーっと息を吸う。
アンバーワールドの腕にぶら下がっていた駄犬は、霧となってネズミの口に吸い込まれていった。

『さて、外に出て手分けして哀れな子羊を追い詰めようか♪何かこの部屋妙に寒いしね…』
スタンドは全身を震わせて、クシュンと一つくしゃみをした。
『…と言っても僕、霧だから別に寒さは感じないんだけどね♪…ってかそもそもスタンドって寒さ感じるの?』

しょうもない戯言を垂れ流しながらホールを後にする一人と一匹であった。
どちらが一人でどちらが一匹かは、ご想像にお任せする。


【佐藤と生天目さんの現在地は2F廊下、医務室前あたり】
【よねさん、守衛室のモニターに謎の男が映ってます(4Fライブラリ内)今行ってみても誰もいないかも】
【御前等さんの今後の行動はお任せ。ちょっとの間誰かを追っかけてくれるとうれしいな】
【天野さんの現在地って今どこ?】

31佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/23(火) 20:00:27

二部用wiki
http://www44.atwiki.jp/jojo2nd/pages/1.html

現在開催中の鬼ごっこのルール、舞台はこちら
http://www44.atwiki.jp/jojo2nd/pages/39.html

新規希望者の方へ
http://www44.atwiki.jp/jojo2nd/pages/36.html

スタンド作成時のヒント
http://www44.atwiki.jp/jojo2nd/pages/33.html

32佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/28(日) 21:50:36
【時間軸:御前等さんがよねさんに襲い掛かる数分前(戦闘中の御前等さん、よねさんとは時間軸がズレてます)】

医務室の扉を細く開けて中を覗く。
簡易ベッド、医療器具を乗せた棚に丸椅子。こういった部屋につきものの設備が置かれているだけで特に異変はない。
医務室は逆Lの字型廊下の角に位置し、それぞれの廊下に面した入口がある。
片方の扉から"鬼"に侵入されても、別の扉から脱出できる為、最悪な袋の鼠状態は避けられる。
ひとみは有葵を促し周囲を警戒しながら部屋の中に入った。

>話は変わっちゃうけど、ひとみんたちってワーストたちにまんまといっぱい食わされっちゃったね。
>ワーストたちが意図してたのか意図してなかったのかはわかんないけど、
>調査も何もここってスタンドホイホイだったわけじゃん。地雷原にでんぐり返し
>で転がっていったようなものだもの。
>流石のひとみんも知恵くらべで斜め上を行かれちゃったか…」

有葵は相変わらず口も態度も忙しない。その上、能天気な口調で痛いところを突かれて、ひとみはとうとう声を荒らげた。


「だから!さっきから何度も"嵌められた"って言ってるでしょッ!!人の話聞いてないんだから!あんたはッ!!
 シートにスタンド使いの反応が出れば、私だって無防備にこんな所に入り込むようなマネしなかったわよ!!
 大体この状況において、その緊張感の無さは何ッ?あんたはいつも真剣味が足りないのよ!
 あの時だって……!」

…言いかけて、ハッとして喉元まで出かかった悪態を引っ込める。
腹を立ててもプラスになることは何も無い。寧ろ冷静さを損なうだけ生き残りの道は険しくなる。
ひとみは、湧き上がる苛立ちを強引に呑み込み、深い溜息に変えて吐き出した。


「ランチの心配は生きてここを出られてから、ゆっくりすることね……
 今はこの下らない"鬼ごっこ"のことを考えましょう。
 あんたは『虱潰しに本体を探せば楽勝』なんて言ったけど…そりゃ、あのネズミが居なきゃそれで楽勝でしょうけどね。
 ネズミが何もせずに、虱潰しに探させてくれると思ってるの?
 あのネズミは"追跡者"…"鬼の元締め"なのよ。アイツに触れられたら私たちだって"鬼"になる。

 問題は【追っかけてくる"鬼"を撃退しながら、本体を探さなきゃならない】ってことよ。

 私達のスタンドは、あのネズミよりパワーもスピードも下。狙われたら一人では対処できない。
 オマケに、ホールで鬼になった馬鹿も私達を探して追いかけてくる筈だわ。
 撃退しながら探索するには、最低二人で行動する方が利口だと思わない?」
 

苛立ちを押さえ、潜めた声で噛んで含むように有葵に語りかけるひとみ。

「これも、さっきから言ってることだけと…もう一度確認しておくわ。私の探知能力はアテにしないで。
 建物内で反応が出るのは私達のものだけ。あのネズミと本体の反応が出ないのよ。
 『場』には私の能力を狂わせる何かが働いてる。
 …あのネズミも言っていたことだけど、『場』は『ゲームのルール』に基づいて創造されている。
 恐らくゲームそのものを不成立する能力には制限が掛けられてるのかも……。
 どっちみち、"鬼"の手を逃れながら、虱潰しに本体を探すしかないわね…」

33佐藤 ◆tGLUbl280s:2010/11/28(日) 21:51:02
言いながら、ひとみはレイヤーを剥がすようにスタンドシートを分離した。
4枚の分離シートにはそれぞれの階の平面図が表示されている。
 
「幸い、私達鬼ごっこ参加者の位置はマーカーで表示できるわ。これは利用しなきゃね。
 天野君の現在地は3F調理室付近……よね君と馬鹿男は4Fにいる…
 馬鹿男がだんだんよね君に近づいていってる…
 "鬼"になった馬鹿男……どうやらよね君を見つけて、彼にターゲットを絞ったみたいね。
 これって一種のチャンスだわ。鬼の数は少ないに越したことはない。
 馬鹿男がよね君を狙ってる隙に、姿を隠して背後から近づいて、私達がアイツの尻尾を切り落としてしまいましょう。
 あんたのステレオポニーでも、尻尾を切り落とすくらいのパワーは……」


言葉尻に被せるように電子音のメロディが鳴り響く。音の発信源は自らの首に嵌められた首輪――!
―――すなわち、鬼の接近を告げる警告音!
コンコン――コンコン――…
電子音に混じり、広い方の廊下に面した扉をノックする音がする。

『ここかなぁ〜♪この部屋の中かなぁ〜♪聞こえる…聞こえるぞぉ〜…レディーの声がするぞぉ〜♪
 ウザキング君には悪いけど、僕がお先に痴漢しちゃおうかなぁ〜♪』

聞こえてくるのは独特の甲高い声―――
フルムーンで扉の向こう側スキャンすると、
案の定、扉の前には『あのネズミ』が○ィズニーキャラクターとは思えぬ悪辣な笑みを浮かべて立っている。


「クソッ!突き止めるのが早すぎるわッ!有葵!あっちの扉から脱出するわよ!!」
ひとみはもう一方の扉を指差し、駆け寄った。
同時にワイヤー程度の固さにした触手で、ドアノブが回らないように雁字搦めに固定し、触手を切り離す。

「ほら早く!!」
有葵を促し、もう一方の扉のドアノブに手をかけ、回そうとする――が、
ノブはガチャガチャ音を立てるばかりでビクとも動かない。フルムーンの『眼』で動かない鍵穴を覘くと――
鍵穴の中には白い固形物がギッシリ詰まっていて、ドアの開閉を阻止していた。
ホウキを作った時同様、あのネズミが分離した霧で『鍵』を作り、逃げ道を塞いでいたのだ。


「やれらた――!閉じ込められたわ!!」
開かぬ扉の前で無駄な足掻きを続けているひとみ達の背後…ノック音の続く扉から、モヤモヤした霧が染み通るように侵入してくる。
ひとみと有葵が振り返った時――部屋の中央には既に『あのネズミ』が立っていた。
ネズミの大きな耳はパラボラアンテナをつけた集音機の形状を模している。
この霧製集音機でひとみ達の話し声を探知し、居所を突き止めたのだろうか。


『僕は志向的に幼女崇拝派なんだなぁ〜♪幼女の裸ほど美しいものはないよ♪女なんて13歳過ぎたらオバサンだからね♪
 どっちもババアだけど狙うならコッチかなぁ〜〜〜♪』

真っ白なザ・ファンタジアの顔に、邪悪な笑みが刻んだ皺が灰色の影を落としている。
白い体表を蠕動させたザ・ファンタジアは、右手を鎌首を擡げるコブラに変化させ、有葵に向かってけし掛けた!
シャアァアアアーーー!威嚇音を漏らし、有葵に襲い掛かる白コブラの口の中は真っ黒だった。


【冒頭でも書きましたがこの出来事は、御前等さんvsよねさんの戦闘とは時間軸が違います。】
【1ターン後には追いつきますので、もう少し待って〜。】
【天野さん合流歓迎ですが、次ターン以降にお願いします。お待たせしてすいません。】
【生天目さん、ザ・ファンタジアは霧化していない時は普通に殴ったりして撃退できます。】

34佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s:2010/12/01(水) 01:34:07
扉が開かない―――!
鍵穴の中に触手を突っ込んで白い霧の塊を除去しようとするも、塊は鍵穴に隙間なく入り込み
ガチガチに固まっていて埒が明かない。こうなったら建具の金具を外すしかない。
硬質化したフルムーンの触手で疑似工具を作り出し、蝶番のボルトに差しこみ緩めようと試みていたその時――

―――ゴウンッ…衝撃音と共に扉が傾いた。
重量物の齎す風圧がひとみの前髪を煽る。寸手の所で身を捩り、体勢を崩しながらも一歩体を引く。
扉はひとみの半身を掠めるように倒れ、転がり込む消火器と共に、床に叩きつけられて派手な音を立てた。


自分達の逃走を阻む障害が倒壊したというのに、ひとみはその場から動けない。
扉を失った開口部に立つ人影に釘付けになっていた。

……あの女だ……!
フラッシュバックする映像と声……『魔』たる球体を臨む、あの場所での二人きりの邂逅――
九頭は『魔』の正体と『留流家』の来し方を闇に投影して見せた。
そして九頭が最後に見せたヴィジョンは、他ならぬこの少女の姿であった。

――――『彼女は見事に階段を登り、私が認め得る存在となった。』
――――『私は彼女の誕生を心から祝福し、次に残す事にしたのだよ。』

九頭龍一の口から発せられた少女への賛美と称賛。
あの時感じた屈辱、嫉妬、怨嗟が、生々しい感情の渦となってと蘇る……。


>「……あら、ごめんなさい。先客がいましたか」

凛とした少女の声が回想を打ち破った。
ひとみの中で何重にも黒い感情が渦巻いていた時間は、まばたき数回ほどの一瞬でしかなかったのだ。
我に返ったひとみは、現在の至上命題である、この部屋からの脱出に意識を向け直した。

>「……私はですね。貴女達を殺すつもりで付けてきました。お陰でこんなゲームに巻き込まれてしまいましたが」
>「正直言って、ここで貴女達を殺すのは簡単ですわ。少しばかりここを通せんぼしてやれば、それでいい」


「何馬鹿なこと言ってんのよッ?さっさとそこから退きなさい!
 でないと、その男受けだけは良さそうな小奇麗な顔に傷が付くことになるわよ!!」

少女の向ける静かな――しかし確固とした敵意を打ち返し、ひとみは彼女を威嚇する。
振り上げた触手の鞭を、少女に向けて振り下ろさんとした刹那――――


『にぎゃぁぁあああああああ!!!シャレにならないよ♪♪!!痛い!!痛い!!痛いよぉおおおおお!!!!!!』

搾り出すような絶叫を耳にして、ひとみは思わず振り返った。
部屋の中央部で、ステレオポニーと『あのネズミ』―――ザ・ファンタジアが互いの腕を交差させている
蛇を模したザ・ファンタジアの右手に食いつかれたステレオポニーの肩にはヒビ割れ、
しかし、その小さな手でザ・ファンタジアの手首をしっかと掴んでいた。
ステレオポニーの拳によって増幅された超音波振動を受けたザ・ファンタジア
右腕から胸部にかけて、連鎖的に細かいヒビ割れが走り――バリンッ―――!と瀬戸物が砕けるような音を立てて砕け散った。
白い破片が部屋中に飛び散り、下半身だけ取り残されたスタンドも煙になって消失していく。

35佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s:2010/12/01(水) 01:35:03
敵の気配の消えた医務室に取り残された三人の女。
>「ちょとお!ドアが開いてるんだったら教えてよー!馬鹿みたいじゃない!あとひとみんは私の右手治してね!」
流血しながらも有葵の声はどこか能天気だ。

「治せるからって救急箱扱いは止めてよね。治療だって疲れるのよ。」
ボヤきながらも有葵の肩の傷をフルムーンの触手で縫い合わせていく。

「まったくもう…急用でイタリアに帰ったどっかの馬鹿みたいに全力で負傷するのは止めなさいよね…」
更に小言を付け加えようとして、ひとみは背後に違和感を感じて口を噤んだ。


『―――♪呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜〜ン♪なんてね♪
 お呼びでない?お呼びでない?コリャマッタ失礼シマシタぁ〜〜〜っ♪……キャラが違うって?
 ジャパーンの古典アニメもグッだよね♪アニメじゃないのも混じってるけど♪
 ぎゃはははっ!びっくりした?僕は霧だから不死身なんだよ〜ん♪』

声と共に再び鳴り響く電子音のマーチ。
ひとみの背後にぴったりと寄り添うように、何時の間に現れたのか、にこやかな笑顔の『あのネズミ』が立っていた。

『今度は大年増つーかまーーーーえたーーーー♪!!!』

ひとみは両肩をザ・ファンタジアの丸っこい手に掴まれていた。
スタンドの掌を中心にひとみの身体に染みのように広がる黒い汚染地帯…
フルムーンの触手鞭で肩を掴む手を滅多打ちにするが、ネズミは妙な嬌声を上げるだけで手を離そうとしない。

「なっ…何なの?コイツ…ダメージは無効化…瞬間移動みたいにイキナリ現れるなんて…反則的すぎるッ…」

抵抗むなしく時間は過ぎていく。
1秒…………2秒………2.5秒………2.7秒――――――!
黒い染みは指の第二関節辺りまで迫っている。


「じょッ冗談じゃないわ!!こんなクズネズミの仲間になるなんてッ!!
 有葵!あんた、私が鬼になったら、何を置いても私の尻尾から切り落としてよォオォォォォォ!!!」


語尾は自然に叫び声に変わっていく。
とうとう観念して目を瞑って――――――

3秒…………4秒…………5秒…………6秒…………………

………『その瞬間』は訪れない。
そういえば、肩に感じていた圧力が無くなっている。
ひとみはそうっと目を開く。掌も腕も足も、常の肌色に戻っていた。

>「……ですが、それでは私が助からない。私は幸せになる為に貴女達を殺すのです。私まで死んでは、意味がない」
>「だから手を組みましょう。お互いが幸せになれる、素晴らしい提案だと思いませんか?」

開口部に佇んで、医務室内のドタバタを静観していた少女が冷ややかに口を開いた。
冷や汗まみれのひとみは言い返す気力も無かった。

【レス終了時の時間軸はよねさんと御前等さんがライブラリに侵入してバトルをおっぱじめた頃です】
【天野さんこの後合流しますか?】
【生天目さん、レス内での疑問『スタンドの重ねがけ』に関しては結論を言っちゃうとNOですw】
【吉野さん傍観者にしちゃってごめんなさいw】

36佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s:2010/12/04(土) 00:11:53
背後からひとみの肩を掴んでいたネズミの姿が消えた――――
押し寄せる安堵と混乱に、ドッと冷や汗が吹き出す。ひとみは暫し茫然と立ちつくしていた。
手を広げて掌に目を落とす。
極度の緊張によって汗ばんだ掌は、血の気を失って真っ白だ。
―――ひとみはホールの光景を思い起こした。鬼になった御前等祐介の掌は黒く変色していた。
自分は"鬼"になったのか否か……?自覚症状はない……肉体的にも精神的にも変化は感じられない。
……しかし何故ネズミは目的を達せずに、忽然と消えたのか――――?


>「と言うより、組まざるを得ないと言うのが正しい所ですかね」
戸口に立つ少女が、畳み掛けるように『提案』を持ちかける。

>「で、どうしますか?答え、急いだ方がいいと思いますけど」

嘲笑を潜めたイケ好かない物言いが、ひとみの神経を酷く逆撫でした。
込み上げる怒りが意識を現実に引き戻し、少女への敵愾心が却ってひとみに冷静さを取り戻させた。
ひとみは溜め込んでいた呼気を吐き出してから、静かに口を開いた。


「私を殺すためにストーキングしてた…なんて言う、頭のおかしい女と手を組むなんて虫唾が走るッッ!
 …と言いたい所だけど……いいわ……。
 こんな外部と隔絶された場所で揉めたって得な事は一つも無い。
 ゲーム参加者同士での内輪揉めなんて、それこそ悪趣味なネズミの喜びそうなことだわ。
 共通の敵である糞ネズミを倒して外に出るまで、一時手を組みましょう。臨時の対ネズミ協定ってとこね。」

少女への返答は『限定的YES』。
彼女に向けていた視線を逸らし、ひとみは背後を振り返った。
そこには白い壁があるばかりで『あのネズミ』がいた痕跡は何も残っていない。


「それにしても、『あのネズミ』は何で急に消えたのかしら?
 あとコンマ0.何秒か待てば、私を"鬼"に出来たのに……少なくとも原因は、ここにいる私達じゃないわよね? 
 私の攻撃は全く効いていなかったし、あんた達が何かした訳でもなさそうね…?」

有葵と戸口の少女、交互に視線を向けて確認を取る。

「ネズミが消えた原因を探るとして、まず考えるべきなのは、私達以外の参加者の行動ね。
 ゲームのフィールドである『場』が消えてないところを見ると、誰かが本体を見つけて倒した訳ではない。
 でも何か…ネズミの弱点…とか、『場』を持続させる為の秘密とか…
 私達以外の誰かが、その類のものを発見して何かしたのかも……?
 あくまで一つの可能性にしか過ぎないけど、合流して確認を取る方がよさそうね。」

37佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s:2010/12/04(土) 00:12:18
ひとみの手の下に淡く光るスタンドシートが出現した。
4層に分離したシートには各階の見取り図と、数個の光点が浮かび上がっている。


「鬼化した馬鹿は、まだ4階ライブラリにいる。よね君は3階…スポーツジムのロッカー付近ね。
 よね君、あの馬鹿を上手く巻いて、下の階に脱出したのかしら?
 天野って子は3階、調理室辺り。
 さて…これからどうするか?選択肢は2つ。
 ネズミ消失の謎解きを優先させるなら、よね君か天野って子と合流して話を聞く。
 若しくは、リスク軽減を優先させるなら、あの馬鹿の尻尾の始末を先にやっておく手も……」


言葉尻を呟きに変え、頬に指を当ててちょっと考え込むひとみ。
今一度スタンドシートを覗き込む。
何かがおかしい―――シートを眺めているうちに、ようやく違和感の正体に思い至った。
自分達の現在地――医務室周辺の光点の数が足りない……
ひとみと有葵の二つだけで、少女の光点が表示されていないのだ。
特殊なフィールドである『場』によって、ひとみの探知能力は狂わされている。
存在を認識していない能力者を捕捉出来ない可能性はあるとしても、目の前にいる人間に反応が出ないなど考えられない。

「これ…どういうこと?あんたまさか……?」

医務室周辺を拡大したシートを少女に向け、ひとみは少女を問い詰めた。


【引き続き調整のため大きな動きなしです。スイマセン】
【天野さん合流したかったら、いつでも言ってくださいね】

38吉野 ◆H7TeP6yEkU:2010/12/10(金) 11:49:41
佐藤ひとみが『ザ・ファンタジア』に肩を掴まれた時、
吉野は沈黙と共に衣服のポケットに右手を潜り込ませていた。
布地の内に秘めているのは、比較的大きめの果物ナイフだ。
スタンド使いでも、胸を刺せば死ぬ。
首を切っても死ぬ。頭部を強打しても死ぬ。
吉野はもしも佐藤が鬼になってしまったら、その時は間髪入れず彼女を殺す気だった。

けれどもそれは未遂に終わる。
『ザ・ファンタジア』は一体どうした事か、
佐藤ひとみを鬼にする事なく消え去ったのだ。

ナイフを手放し右手をポケットから出して、吉野は小さく息を吐く。
そして改めて協力の是非を問い掛けた。

>「私を殺すためにストーキングしてた…なんて言う、頭のおかしい女と手を組むなんて虫唾が走るッッ!
 …と言いたい所だけど……いいわ……。
 こんな外部と隔絶された場所で揉めたって得な事は一つも無い。
 ゲーム参加者同士での内輪揉めなんて、それこそ悪趣味なネズミの喜びそうなことだわ。
 共通の敵である糞ネズミを倒して外に出るまで、一時手を組みましょう。臨時の対ネズミ協定ってとこね。」

「……貴女がそれを言いますか?まぁ、深くは言及しませんけど。どうぞよろしく」

佐藤の返答に吉野はもう一度、今度は嘲笑混じりの吐息を零した。
愛する者が自分の手に入らないのならばいっそ殺してしまおう。
そう考え、あまつさえ実行に移した女から、まさか頭がおかしいと謗られるとは思わなかったのだ。
だが佐藤の言う事は、彼女が言えた事ではないが――それでも正しかった。

幸せになる為に殺す。
誰かを不幸にすれば、相対的に自分は幸せになれる。
吉野きららが抱き締めていた信条は、致命的に壊滅的に破綻しているのだ。

それは彼女の現状を見れば明らかな事だ。
九頭龍一は殺し損ね、一度は手にした完成した能力も瓦解して。
躍起になって人殺しを繰り返している内に、訳の分からない男に絡まれ、顔面を殴られて。
そして今、九頭との戦いで『何かを得た者』を殺す事で
『何も得られなかった自分』を乗り越えようとした彼女は、
生死を分かつゲームへの参加を余儀なくされている。
彼女は段々と不幸に陥っていた。

そしてそれに気付いてしまったが故に、吉野きららはスタンド能力を失った。
スタンド能力は精神力の具現化した物だ。
幸せになりたいと願う精神に根差していた彼女の能力は、文字通り力の源泉を失ってしまった。
今や吉野は「ここでやめてしまっては何も残らない」と言う惰性の下で、動いている。

>「それにしても、『あのネズミ』は何で急に消えたのかしら?
 あとコンマ0.何秒か待てば、私を"鬼"に出来たのに……少なくとも原因は、ここにいる私達じゃないわよね? 
 私の攻撃は全く効いていなかったし、あんた達が何かした訳でもなさそうね…?」

「そう、ですね……」

何も出来なかったのだとは言わない。
露呈するまでは敢えて明かす必要のない情報だ。
むしろ悟られてしまえば、役には立たず、
敵になっても怖くない存在だと盾にされてしまうかもしれない。

39吉野 ◆H7TeP6yEkU:2010/12/10(金) 11:51:03
>「ネズミが消えた原因を探るとして、まず考えるべきなのは、私達以外の参加者の行動ね。
 ゲームのフィールドである『場』が消えてないところを見ると、誰かが本体を見つけて倒した訳ではない。
 でも何か…ネズミの弱点…とか、『場』を持続させる為の秘密とか…
 私達以外の誰かが、その類のものを発見して何かしたのかも……?
 あくまで一つの可能性にしか過ぎないけど、合流して確認を取る方がよさそうね。」

「貴女のそのシート、過去の位置情報も分かるのですか?もしそうなら
 さっきネズミが消えた時、他の参加者が何処にいたのか。分かるんじゃないでしょうか。
 少なくともいざ合流した時「今から何分前、何をしていた?」と聞いても答えは得られないでしょう。
 この状況でまともな時間間隔が保てるとは思えませんし、時計だってそうそう確認している余裕はない筈ですからね」

他の参加者達の現在位置を確認している佐藤に、吉野は問いと提案を投げかける。
佐藤の能力でそれが分からなければ、それは合流後に他の面々の曖昧な時間間隔に頼るしかない。

「知るべき情報は現在だけじゃなく、過去だと思いますわ」

だが、時間で言うのならまだ一分ほど前、『ネズミが消えた瞬間』に他の参加者は何処にいたのか。
その正確な情報が得られれば、それは現状に対する値千金の突破口に成り得る。

>「これ…どういうこと?あんたまさか……?」

けれども返って来たのは、吉野が求めた情報ではなかった。
佐藤が示す『これ』――即ちスタンドシートを、吉野は顔を上げて見下すように覗き込む。
恐らくは各階の見取り図と思しい映像に、幾つかの光点が点在している。
先ほどの口振りからして光点は生物や仲間の位置かと吉野は予想した。
しかし突き付けられたシートを見ると、光点が一つ足りない。
丁度自分が立っている位置にあるだろう点が、無いのだ。
そして、吉野は察した。
この点が示しているのは生物でも仲間でもなく――スタンド使いの反応なのだと。

「……お察しの通りですわ。私のスタンドは幸せになる為の物でしたから。
 私、気付いてしまいまして。こんな事を続けても幸せになんかなれる筈がないと」

自嘲の笑みを零して、吉野は自白した。

「ですから私がスタンド能力を失ったのは、当然の事ですわ。……正確には、殆ど全てを」

言葉に伴って、彼女は右手を胸の高さに掲げた。
そして掌を上にして、伸ばした人差し指の先に小さな花の蕾を兆させて見せる。

40吉野 ◆H7TeP6yEkU:2010/12/10(金) 11:51:24
「このちっぽけな蕾が、今の私のスタンド能力。そして未練ですわ。
 咲く事がないと分かっていても尚、捨てられない。
 捨ててしまえば、後には何も残らない、最後の未練」

己を嘲るような口調で、吉野は続けた。

「だから私は貴方達を殺さなきゃいけないんです。
 勿論このゲームも生きて打破しなくては。なので暫くの間ですけど、仲良くしましょうか」

彼女の宣言は佐藤へ向けた物でありながら、一方で彼女が自分自身に言い聞かせているようでもあった。

「……ところで先ほどの選択肢ですけど、私は後者を推しますわ。
 あの男を元に戻すと言う事は敵の数を減らし、こちらの数を増やす。
 一つの行動で二つの利があるのですから」

明瞭で明快な理屈に従って、吉野は提案した。
そして佐藤に一つ、問いを放つ。

「……で、あの男は今何処にいるんですか?そのシートならすぐに分かるのでしょう?」

【知りたい情報→『ネズミが消えた時、他の参加者は何処にいたのか』
 合流後聞きたい情報→『そこで何をしていたのか』
 吉野の能力→蕾を咲かせるだけの能力。物体に咲かせる事でスタンドに対して影響力が付加出来る
 佐藤に「天野を追跡中?」の御前等の位置を尋ねる】


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