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みんなで世界を作るスレin避難所2つめ

1名無しさん@避難中:2010/06/11(金) 21:04:38 ID:Y1a78MZw0
ここは、みんなでせかいをつくるスレのひなんじょです▼

現スレ:http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1275122105/
wiki:http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/286.html

ほんスレではなせせないようなこともこっちではなしてね!ふぇふぇ▼

833名無しさん@避難中:2012/07/02(月) 23:46:27 ID:CLwPCAfoO
エリカ様では?

834名無しさん@避難中:2012/07/03(火) 00:15:12 ID:/0qYECvA0

            %ヘ、
           ≦/::::::\
           ≦/:::::::::::::ヽ__
          ≦/::::::::::::::::::\ ̄ ` >-‐''"´ ̄!≧
          ,r''"~ ̄`゙''ー-、/ ̄`〉´::::::::::::::::::::/≧
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      ./ /    ,r   ,r   ヽ`ヾ 、:::::::::::::!≧',
     / /    /   /`ヽ   `、 `、\::::/≧. ヘ
     / /  /  .|.  , .|  `、  ト、_ヾ`゙''、〈  ヘ
    /./  |  ̄/!`''ト、|  ,.t‐'"7"\ ヽヽ \   ハ
    /./   |  / |_/| .|   | /_  \! \ `、! |   < 残念、天草五姫よ
   //.   |  r====x、|   ,,r=====ゥ| /'\ヽ、.|
  ∠.|  | i! .《 |!::::i|レ    |!::::::::::i|. ‖! /、.  ト、ヽ
    .|  ii ll lヾ、!::’:|     l!::::’:‖././/9 !  ,' .\ヽ
    .|  ∧ |.! ! !弋;;ノ     弋;;,ノ "./〆./  /  .| \ヽ
    .|  | .! ! ト、| |    `       //,ノ'!  /  |  ヾ 、
    ! .! .!.l |  ヽ、          /::::/ /  ,イ   ヽ、
    ∨l レ |. ....:::丶、  ´`   ,,r''´!:::::/ /:::   |    ヽ、
     ∨、  /  .....:::::::::`>-r'' ´   |::::/ ./:::::::   |     `、
     ヾヽ,/ ::::::::::::::::::::::,.r‐|     |>' /:::::::::::   .|      \
      \、:::::::::::,.-‐一'ハ'/    //'、_:::::::::::   |
      / ヽ、/    .|. \  _,ノ/' |  `丶、   |

835名無しさん@避難中:2012/07/03(火) 18:15:31 ID:hTnJ4Il20
天草さんか!
その視線もっとお願いします!

836名無しさん@避難中:2012/07/04(水) 02:28:33 ID:nemlRMM2O
「はぁ、殿下が仕事さぼって夏休み取っちゃったから代理で目眩印押す役押し付けられちゃったにゃ。最悪にゃ」

「侍女長様、次の罪人が来ましたにゃ」

「早く通すんだにゃ。五時までに仕事終わらせて飲みに行くのにゃ」

「エンマサマ、ふえぇ、わたし、わるいことしちゃったよう…」

「む、幼女にゃ。若さが気に食わないから有罪にゃ」

「えええ!なにしたのかくらいきいてよぉ?!」

「めんどくせぇ餓鬼だにゃ。何したにゃ」

「わすれちゃったの」

「ぶち殺すぞボケこの糞餓鬼擂り潰して血の池の足しにしたろか針山の天辺から簀巻きにしてローリング下山させたろかフザケンにゃ」

「ひいっ、こわっ…ちがうの、罪をわすれたんじゃなくて、わすれたことが罪なの、わすれちゃいけないことをわすれちゃったのっ」

「何にゃ、どういうことにゃ」

「わたし、エンガワっていうなまえで、記録係のおしごとをしてたんだけど、記録したものをどこかになくしちゃったの」

「うん、じゃあ有罪にゃ」

「はやいよぅ!もうすこしきいてよぅ!」

「無辜の一人より定時退庁にゃ。此処では刑法よりも職員のワークライスバランスを重視しているのにゃ」

「ん?それってワークライフバランスじゃないの?」

「反省の色が一マイクロシーベルトも見えないにゃ。地獄トライアスロン600周の刑に処すにゃ」

「ふぇぇぇ?!」

837名無しさん@避難中:2012/07/04(水) 21:54:02 ID:hZZxLzrQ0
円川ちゃん生きてたよ!
生きてたんだよ!

838名無しさん@避難中:2012/07/04(水) 23:10:10 ID:nemlRMM2O
「え?昨日の新入、無罪に判決変わったのかにゃ?」

「そうらしいですにゃ、侍女長様ったらあわてんぼさんにゃ」

「まいったにゃ。もう既に、指万力、深爪、タンスの角に小指、歯科治療、おっさんのあとのやたら陰毛の浮いた風呂まで地獄巡らせちゃったにゃ」

「……そんな地味に嫌な責め苦ありましたかにゃ?」

「わたしが直々に週替わりで考えてるスペシャルコースにゃ」

「侍女長…(あんた暇人にゃ……)」

「なんか言ったかにゃ」

「なんも言ってないにゃ、無辜の一人を連れてくるにゃ」




「ふぇぇ、お風呂はいったのになんかヌルヌルするよぉ……体拭いてもなんかおじさんみたいな臭いがするよぅ……」

「壮年出汁地獄はどうだったかにゃ、エンガワ」

「気持ち悪いよぉ…」

「にゃははは、地獄に相応しい陰険な責め苦に仕上がっとるようだにゃあ。よかよか、にゃはは」

「もういや、わたし、こんなところいやっ。たすけてよぉ!猫のおねぇさま!」

「よし、じゃあ特別に罰を免除してやるにゃ。恩赦に特赦の出血大サービスにゃ」

「ええ?!ほんとうに?ありがとう猫のおねぇさま!」

「いいってことよ気にすんにゃ!但しこれは私、閻魔大帝殿下代行閻魔宮廷侍女長が独断で下した特赦中の特赦にゃ。呉々も内密にしてもらわないと、口外した途端地獄巡り再開なんてこともありえるにゃ」

「ひいぃ…だまってます、ひとにはいいません」




「冤罪の娘、帰っていきましたにゃ」

「にゃ。超チョロいにゃ、ホントはこっちが落とし前つけにゃならんような大失態なのに、私のお陰で帰れたと信じて感謝して帰っていったにゃ」

「侍女長……やっぱあなた、地獄の役人が天職に違いないにゃ」

839名無しさん@避難中:2012/07/05(木) 00:40:13 ID:ndugDkRY0
ばれたら侍女長こそが地獄行きじゃないかww

840名無しさん@避難中:2012/07/05(木) 23:44:23 ID:gTDnkQDY0
侍女長ひどいwww

841 ◆dmfu//97yw:2012/07/06(金) 21:05:18 ID:1yIwCvpc0
円川ちゃん可愛いなあ……この子なら鯖落ちしたのは許せるね

新規で、世界観は閉鎖世界です。まぁツッコミどころが満載ですが、プロローグを投下します。

842 ◆dmfu//97yw:2012/07/06(金) 21:05:54 ID:1yIwCvpc0

 手が動いた。
 足も上下に動かせた。
 指もある程度動く。
 首もある程度回せた。
 目も動くし呼吸は辛くない。
 吸い込まれそうな夢から目を覚ます。吸い込まれていたらと思うと怖い。
 良い目覚めじゃない。頭痛が酷くて目眩がして吐き戻しそうに気持ち悪い。
 そして、如何せん記憶が欠落しているところがこれまた怖い。
 下戸なのに、昨日は久しぶりに酒を飲んだ。しかもアルコール度数もそれなりに高いウォッカを。
 ウォッカを無理矢理に喉へ捻じ込んだ僕はソファーに横になったまま寝ていた。
 こうならない様に酒には手を出さないようにと僕は決めていたのだが、何故飲んだか肝心な記憶自体が無い。
 様々なことを考察しながらも、五体満足を確認できたところで携帯を取ることに決めた。
 ゆっくりと、横になっていたソファーから上半身を起こし、型落ちしている機種の携帯電話を手に取る。
 携帯電話の着信音が無ければ、このまま半年は寝ていたかも知れない。
 起きたばかりで、通話の最初の部分を聞き取れなかったが、怒鳴られていることくらいは分かった。
 電話に出て早々怒鳴られることも考えていなかったためか僕は言い返せず、ただ呆然としている。
 仮にもう少し優しく会話をしてくれたなら携帯を鳴らしてくれたことに感謝できただろうに。
 はっきり言うと、電話でここまで怒鳴る人は失礼にも程がある。
 つまり、こんな礼儀の悪い電話をしてくる口の悪い女性と言う電話の相手と言うのは大体断定できた。

『起きろよゴルァ!! てめぇは仕事サボるつもりか!?』
「痛ててててて…………あまり大きな声は出さないで欲しいなぁ…………」
『遅刻ってレベルじゃねぇぞ!! てめぇは何様のつもりだ!?』
「悪いとは思っているけどさ、呑みに誘ったのギャズだよね」
『ま、まあいい………説教は“事務所”に来てからだ。来なかったらてめぇの家まで行くからな』

 ちなみに、この声の主こそが僕を二日酔いにさせた元凶のギャズ。
 いつものような決まり文句を言って、僕が言い返す暇を持たせないようにギャズは早々と電話を切った。
 なんと言う不幸なことに、祝い酒から始まり呑みっぷりをギャズに気に入られたらしい。
 仕方なく僕はギャズに付き合うわけだが想像通り僕は酒を飲んでこうなる。そして、酔いつぶれる。
 そのため、僕はわざわざ医者に通院し酒に手を出さないように生活してきた。
 あの方は、僕のそんな苦労を知る良しも無い。何て傍若無人な人なんだ。
 別にサボるつもりで遅刻しているわけではないから、恐らくそこまで怒られないといいなぁ。
 とにかく、一件落着。後は身支度をして“事務所”ヘと向かえばいいのさ。



 …………あれ? ここ何処だっけ?
 ギャズとカージャンクとシェパードと一緒に飲んだ酒屋は“事務所”の近くにあるバーだ。
 僕は酔っ払ったギャズにウォッカを口に捻じ込まれてそのまま意識を失った。
 それがどうして、誰か知らない人の家のソファーの上で寝ているんだ?

 いくら二日酔いだからと言って、自分の家じゃないことくらい分かる。
 僕の家はもっと片付けられていないし、何よりここまで広く無くて内装ももっと汚らしい。
 確実に金持ちの家で他人の家だと言うことは分かる。招き入れられた痕跡が無いことも。
 他人の家に侵入してそのままソファーの上で寝たと言うことは証明された。
 いやまさか、他人には言えないような取り返しのつかないような過ちを犯してしまった可能性がある。
 ――――まて、落ち着け。僕は何も間違いを起こしていない可能性だってある。
 一度や二度の話じゃないだろ。落ち着けよ、僕。
 とっ取り敢えずは外に出よう。ちょうど外の空気を吸いたかったところだし。
 場所が把握できるかもしれない。まぁ、無理かもしれないが………頭を冷やすことも大事だろうし。

 その瞬間、僕の体中の汗腺という汗腺からは氷水のように冷えあがった冷や汗が絶えず流れ落ちていく。
 来ていたシャツが汗だけで色落ちするのではないのかと言うくらいに汗をかいて体温を奪う。
 

「動くな!!! 俺の家で何をしているんだ!?」

843 ◆dmfu//97yw:2012/07/06(金) 21:07:30 ID:1yIwCvpc0



        やっぱり他人の家か。



 と言うわけで僕の回想は終了。
 ここまでが僕の一時間前までの行動である。
 見ての通り盗癖と下戸のタッグで僕は人生の大半を損しているような気がする


「私はジョージ・ハウスキー軍曹だ。君の名前と職業を聞かせてもらおう」
「名前はハンネ・トリップです……………仕事はホームランドにある骨董屋の手伝いをしています」
「また君か。まったく、何を目指しているんだ」

 勿論の事ながら自警団に捕まって取調室行きとなった。
 これで不法侵入の前科は七犯だ。まぁ考え様によっては、射殺されなかっただけでも幸運なのかもしれない。
 しかも全て酔った勢いでピッキングした挙句に自警団に逮捕されてハウスキー軍曹のお世話になっている。
 過去六回と変わらない内容で皮肉交じりのジョークを挟んで来ているところから判断するにすぐに帰れそうだ。
 
 まて――――いつもと違う。
 いつもは、ハウスキー軍曹も呆れた顔するが、今回は何時に無く真剣な顔をしている。
 七回ともハンネ・トリップと言う偽名を使い骨董屋の手伝いをしていると言ってきたが、今回は簡単には済みそうではない。
 もしかすると、小型機関銃やら手榴弾やら何かヤバイ物でも所持していたのかもしれない。
 確実に否定ができないと言うことが不安に拍車をかける。
 僕の正体が仮にバレていたならば刑務所に入れられて処刑されるか、最悪の場合は口封じとして殺されだろう。
 だから、とても骨董屋をしている事は嘘で実は殺し屋をやっていますとは言い出せるわけが無い。
 そもそも、誰にどういう状況にでも、殺し屋をしていることを明かしていい顔をされるわけが無い。


 ―――どう動くべきだ? 下手に嘘をつくと疑われる。
 

「どうせ、保釈金が出た頃合だろう。お迎えも来ている事だ帰ってもいいぞ」

 と、何とも曖昧な対応で手錠は外された。もちろん、保釈金が出るわけが無いのに。
 恐らく、自警団の毎日のように起きる軽犯罪に対して対応をしている暇が無いと言う理由だろう。
 これが二回目だから特別驚いたりはしない。いつものように尋問されなかったことが幸運だったと言える。
 しかし、軍曹が真剣な顔をしていた理由が結局分からずじまいだったが、とっと取調室を後にして帰りたかった。
 もう一つ理由があるとするならば、『お迎え』という謎のワードが指し示す物に嫌な予感がしたのだ。
 っというか、早く逃げ出したい。
 とても物凄い勢いで逃げ出したい。
 気持ち悪いくらい早く逃げ出したい。
 嫌な予感は大体的中してしまうから早く逃げ出したい。
 そして、多分それはギャズの事を指しているから逃げ出したい。
 と言うわけで僕は走りながら自警団のビルの出口へとダッシュした。
 今日一日くらい、僕は痛い目に遭わずに平穏に暮らしたい。

「あはははっ馬鹿じゃねぇの!!! バーカバーカバーカバーカ!!!!!」

 出口まで、後数メートルだった。
 唐突に悲壮感がこみ上げてくる。

 場違いじゃないか、と突っ込まれないと可笑しいと象徴しているほどのテンションの女性。
 片方はワイシャツに銀髪の白人女性。嫌な予感的中。予想通りのギャズだ。
 そして安定のテンションだ。出来れば嫌な予感が外れて欲しいのに。
 と言うよりも何も、出来ればこの人にだけは来ないで欲しかった。場違いだ。
 ――――だが、これは予想が的中しなかった人がもう一人来ていた。
 メガネをかけた白人男性。チームリーダーだ。
 流石にチームリーダーが直々僕のお迎えに来るとは思わない。
 というよりも、ギャズ以外のメンバーが自警団の古びたビルへとやってくるとは思わなかった。


「にしても、珍しい。てっきりリーダー達は自警団が嫌いだと思っていましたよ」
「俺が自警団を嫌っているんじゃない、自警団が俺を嫌っているんだ」



○●○●

と言うわけで投下終了です。
15キロバイトぐらいの容量を一ヶ月に一本書くことが目標。

844名無しさん@避難中:2012/07/06(金) 21:33:01 ID:noeODMRYO
ミケブチも元気そうで何よりW

845名無しさん@避難中:2012/07/06(金) 23:17:14 ID:noeODMRYO
↑失礼、携帯なんでリロってなかったがまた投下が!!。
閉鎖都市新作、次回も待ってます!!

846名無しさん@避難中:2012/07/07(土) 21:13:52 ID:j15c4aS20
閉鎖都市が熱いですね!
次回楽しみにしています

847名無しさん@避難中:2012/07/20(金) 04:34:10 ID:.gTKoxgQ0
「うう、地獄ってひどいところだったなぁ、もう二度といきたくないよぉ」

「残念だが、二度といかずにすむかどうかはお前の運しだいだ」

「え?いったいあなた誰?かわいいお洋服だね」

「む?かわいいか?ゴスロリを許容できるとは良い趣味をしておるようだな。私は創作の魔王、ハルトシュラーだ。閣下と呼ぶがいい」

「ふぇぇ、地獄から出たと思ったら今度は魔界なのぉ?!」

「そうここは修羅の住まう煉獄、創発の王が統べる欠番のバグワールド第八層地獄……ってんなわきゃないんだが」

「違うの?」

「そうだ、違う。ここはお前の記憶……いや記録の世界。エンガワよ、お前は一度、記録を失ったな」

「……うん、でももう取り戻したんだよ」

「ああ、だが、実はまだお前は、記録を取り戻していない」

「え……いったいどういうこと?」

「ひっくり返ってしまったんだ。記録を失ったお前が、記録のなかに取り込まれてしまった。という設定」

「設定?」

「魔王はなんでも創作してしまうのさ。というわけでお前は記録世界を旅して、もう一度創発の世界を再構築して貰わねばならん。がんばれ」

「ちょっとまってよ、魔王さんは何でも作れるんでしょ?私の記録を元に戻すこともできるんじゃないの」

「うんそうだね☆おっけー☆テヘペロ。……ってやってしまったら話が続かないだろうが」

「続けなくてもいいじゃん?!話が早いのはいいことでしょ!」

「じゃ、まぁ頑張ってくれ。とりあえず地獄とハルトはお前の記録に戻ったから」

「ああ!取り付く島もない!」


エンガワの冒険、続く

848名無しさん@避難中:2012/08/20(月) 19:49:59 ID:Fs/yaz8c0
また地獄行きだね。エンガワちゃん

849名無しさん@避難中:2012/11/12(月) 22:14:17 ID:FBe8oNBM0
http://uproda.2ch-library.com/599985L31/lib599985.bmp

キャラメイクファクトリーにて作成したクズハちゃん、照れて困っている表情が印象的。

キーは1

850 ◆mGG62PYCNk:2012/11/12(月) 23:04:32 ID:vAgXQLk60
>>849
おお!
かわいく作っていただいて感謝です
巫女服狐系女児はやっぱり浪漫があると思うのです

851名無しさん@避難中:2012/11/13(火) 00:04:37 ID:CiR841sE0
>>850
喜んでいただけたようで何よりです、匠くんも作ろうかと思ったのですが、僕のキャラクターではないので
いまいちイメージが湧かず…(当初の予定では、クズハちゃんの隣に匠くんを配置するつもりでした)
クズハちゃんは何度もイラスト化されているのでイメージもつかみやすかったのですが。

852 ◆mGG62PYCNk:2012/11/13(火) 18:15:13 ID:VUeXMnyg0
>>851
あなたがイメージしちゃっても全然かまわないのよ?(無茶ぶり

自分には絵画系のスキルがさっぱりなので、できる人はすげえなあと思う次第です

いろんなところ出演させていただいていて創発板すげえとか思いますわー

853名無しさん@避難中:2012/11/13(火) 19:28:39 ID:CiR841sE0
>>852
http://uproda11.2ch-library.com/370367WEN/11370367.jpg

お言葉に甘えて作成した匠くんです、僕のイメージですので作者さんとのイメージに食い違いが
あってもご容赦くださいということで。
顔の印象を「強気」か「さわやか少年」にするか迷ったのですが、結局「さわやか少年」の方にしました。

854名無しさん@避難中:2012/11/13(火) 19:30:22 ID:CiR841sE0
>>853
URL間違えました。

http://uproda11.2ch-library.com/370368YB4/11370368.bmp

こちらです、まあ僕個人としては上の写真も好みなのですが。久しく入間航空祭行ってないなあ

855名無しさん@避難中:2012/11/13(火) 21:22:38 ID:VUeXMnyg0
>>854
無茶振りにこたえてくださってありがとうございます!
さわやかで少年とは、まっとうな主人公みたいに思ってもらえててよかったなぁ

戦闘機とはよい趣味を……現代ミリタリーの知識は皆無だったりします

856 ◆LBaComaxgI:2013/03/05(火) 09:03:41 ID:tZPqHmSw0
「アリーヤさんの言うとおりだろうね、神谷さん曰く、ここにいない皆への忠告はベアトさんに任せるってことだから心配いらないが…
神谷さんが依頼を遂行した後の事だろうね、問題は」

シオンが問題提起した。そう、ベアトリーチェと名乗る少女が告死天使の情報を欲している以上、こいつらに何らかのアプローチ(おそらく、悪い意味で)を
掛けてくるとみてまず間違いない。ベアトリーチェの背後関係が全く分からない以上、どこからそれを仕掛けてくるのか、ということだ。

「僕から一つ提案なんだけど、常に僕ら、要するに告死天使のことだよ、のうち最低でも二人以上固まって行動するっていうのはどうかな?それなら向こうも
迂闊に手出しはできないはずだよ」

クラウスが提案する。そう、クラウスの言うように単独で外を出歩くよりも、複数人で行動した方が安全性はぐっと高まる。
まあ、それでも懸念材料がない訳ではないのだが。遠距離狙撃などされたらさしもの告死天使と言えどもひとたまりもない。しかし、少なくとも廃民街の中では
その心配は杞憂だということが次のベルクトの発言で分かった。

「まあ、この街は王朝が幅を利かせてるから、余所者がそうやすやすと動けるかって言ったらまあ難しいよな。車か何かでいきなり周りを取り囲むってんならともかく
ジョセフさんがやられたように狙撃ともなるとポイントの確保や銃のセットなんかに時間がかかるわけで。そんなちんたらやってたら、なあ?」

ベルクトの言うように、この街は常に王朝の目が光っている。部外者が下手に動けばたちまち王朝の戦力、通称「子供達」によって排除されるだけだろう。
その後も議論は続き、結局俺がベアトリーチェに告死天使の情報を渡したのち、何らかの動きがあるまではクラウスの言うように外出の際は複数人で行動することで
一致。更に万が一の有事には、味方に引き込めそうな人材に根回しをしておくようにした。金を積めば確実に絶対に裏切らない味方になってくれる
「パラダイス・ロスト」、同じく「ベアトリックス・レストレンジ」、俺のコネを使って「サルカド刑事」とその部下。
ここに「王朝」が加われば盤石の体制と言えるのだが、如何せん不確定要素であるだけに、正直微妙なラインではあるな。

「兄さんたち、大丈夫?兄さんの身に何かあったら私は…」
「大丈夫だよセフィリア、僕はいつでも君のそばにいるからね」

お熱いことで。まあ、兄妹の関係にこの言葉は合っていないような気もするが。そして会議も終わり、いい時間になったということで、
アリーヤ、ベルクト、アスナ、朝倉はそれぞれの住まいへと帰って行った。4人を見送り、再び食堂へと戻ってくると、そこには部屋の片づけが終わったらしい今空が
ステファンが用意したらしいコーヒーを啜って談笑していた。

「今空さんの住んでいる国って、どんな所だったんですか?」
「日本っていう国だよ。東洋の神秘の国。昔の偉い人は『日出ずる国』なんて言ってたね」

セフィリアが今空に彼女の元の世界の話を興味深そうに聞いている、俺も職業柄自分の知らないことには興味があるからな、この話に加わることにした。

857 ◆LBaComaxgI:2013/03/05(火) 09:04:06 ID:tZPqHmSw0
「それはそうと、私がここに着いたとき『閉鎖都市』って言葉があったけど、それはどういう意味なんだい?」
「言葉の通りです、四方360度すべてを高い壁で囲まれ、外界との関係を完全に隔絶された世界です。ですが、今空さんのように稀に壁の外の世界からやってくる人もいますよ」
「閉鎖都市ねぇ…まあ、私の元の世界には残してきて困るものもないからね、友達もいなかったし、両親はさっさと死んじゃったし。
そう言えば、ブライトさんには両親はいないの?きっとあなたに似て凄く綺麗な人だってのは想像に難くないけど」

「両親」という言葉を聞いた途端、セフィリアの顔が曇った。無理もない、この双子は生まれつき母親がおらず、自分たちの20歳の誕生日に父親を殺されるという
悲劇を経験してきているからな。そんなセフィリアの表情の変化を察した今空は、

「…ごめん、どうやら触れちゃいけない話題だったみたいだね」
「いえ、この際ですから今空さんにも知っておいていただきたいのです、私達兄妹が背負った業を」

そしてセフィリアの口から語られる自分たちの来歴。貧しいながらも父親の愛情を受け、幸福な毎日を過ごしてきたが、ある日突然その幸福を奪われた兄妹。
そして兄妹は父親を殺した相手に復讐すること誓った。

「…という訳です。これで今空さんにも解っていただけたでしょう。私達が背負った業を…」

その話を聞いた今空はというと、複雑そうな表情を浮かべながら、人差し指で左の頬を掻いている。そして溜息を一つつき、徐に口を開いた。

「復讐、ね。正直あまり関心しないなあ。憎悪はまた新たな憎悪を呼ぶだけだよ。その相手にも大切な存在があるかも知れない訳で。
たとえきみ達に害がなかったとしても、その人たちにきみ達の大切な人が呪われ、恨まれていく。これが良い事であるはずがないからね」
「それは所詮綺麗事です。私たちの大切な人を奪っておいて、のうのうと生きていることが私には許せないのです。たとえ復讐を遂げられずにこの身が滅ぶとしても
私はなおその相手を呪い続けることでしょう」

セフィリアが柄にもない強い口調で捲し立てる。あまりの迫力にその場にいた全員が若干引いてしまったくらいだ。
その美しく整った顔は自分の父親を殺した相手に対する憎しみで歪んでいたな。正直、こんなセフィリアの顔はみたくなかった。
それに対する今空の回答は。

「呪い、ね。じゃあ、さっきちょろっと口に出した『三大怨霊』の話をここではしてあげようかな。そしたらわかってもらえると思うよ。
恨みつらみ、呪いってものがいかにろくでもないものなのか。あ、怖い話が苦手って人は席を外した方がいいよ…って大丈夫そうだね」

858 ◆LBaComaxgI:2013/03/05(火) 09:04:25 ID:tZPqHmSw0
そして今空の口から語られる「三大怨霊」の話。一人は、学問の神として祀られている「菅原道真(すがわらのみちざね)」。彼は代々「文学研究」を生業とする
家の長男として生まれ、5歳にして和歌を詠み、11歳にして詩を作るという非凡な才能を見せた。その後もさらに才能に磨きをかけていった道真はやがて「100年に一度の天才」とまで謳われるようになったそうだ。
当然のように当時の政府でも重用され、将来が約束された役職まで与えられたのだが、それを疎ましく思った貴族たちの手により無実の罪をでっち上げられ、
左遷されてしまったそうだ。

「その罪ってのが、当時の天皇、要するに王様だね、を失脚させて自分の娘の夫を即位させようとしたっていうもの。はっきり言ってこんなこと本当に考えてたとしたら
左遷どころじゃすまないよ。さっき話したベアトリーチェの罪なんてくらべものにならないくらいの重罪だしね」

重罪、それはなぜか。要するに時の皇帝に対する明確な反逆の意思だからだ。これが事実なら家族もろとも惨い方法で殺されていただろう。
しかし、実際は左遷で済んでいる。それは何故か。要するに冤罪だったわけだな。
さて、その左遷先での生活はかなり悲惨だったらしく床が腐って抜け落ちたり、雨漏りがする家に住まされたそうだ。毎日の食事もままならない状況で
いつかまたもとに戻れる日を夢見ながら、左遷された2年後、もともとそれほど堅甲ではなかった道真は59年の生涯を終えたそうだ。だが、問題はここからだった。

「道真公の死後、その左遷に関わった人間たちが次々と怪死していったの。当時の政府は『道真の祟り』だって恐れたよ。で、政府はどうしたかっていうと…」

道真の怨念を鎮めるために、彼を左遷させるという旨に関わる書類のすべてを焼却処分することとしたわけだ。しかし、ここでもまた事件が起きた。
その炎が周囲に燃え広がり、近くにいた僧侶や役人たちが焼死した、というのだ。更にその後も災害が続き、その対策のための会議中、
議場に落雷があり、五人の貴族などが死傷するという事件まで起きた。これが決定的となり、これまでの不幸な事件はすべて菅原道真の祟りであると広まり
当時の政府は大混乱に陥った。

「それで、この一件を機に体調を崩した時の天皇はわずか8歳の皇太子、要するに王子様だね。に皇位を譲り、その一週間後46年の人生に幕を閉じたのさ」

と、今空は道真の話を締めくくった、しかし、俺には一つ腑に落ちないところがあった。それを指摘してみる。

「そんな恐ろしい祟りをもたらした怨霊が、なぜ学問の神として祀られるようになったんだ?」
「うん、いい質問だね。じゃあ、その理由をこれから話すよ」

今空が言うには「祟り神は祀ることで守護神になる」という考え方が当時存在していて、その祟りが強力であればあるほど、守護神としての利益もまた強力になる、
というのだ。それで、当時の大臣「藤原師輔」が大きな祠を建てて、丁重に道真を祀ったそうだ。もともと学問の分野に非常に秀でていた道真は、こうして
「学問の神」として祀られることになった、という訳だ。

「続いて二人目は、平将門(たいらのまさかど)っていう武将だね」

平将門は、自分の身内である平家との勢力争いに勝利し当時の関東地方という場所一帯を支配していたが、どうやら辺境の地であったらしく、
また、政府の横柄な政治に日に日に不満を募らせていったそうだ。そんな中、将門はある盗賊の統領を匿った。
その盗賊は関東のある国の国司、まあ要するに役人の長みたいなものだ。そいつから追われていたのだそうだ。
で、将門が取った行動はというと「これ以上彼を追いかけまわさないで欲しい」と書状を持ち、1000人の兵士を引き連れてその国司のところへ向かったんだが、
当局の返事はNO。どうやら関東を平定する際に争った身内の人間がバックについて何か企てているらしい。もうこうなると『戦争』しかない。

859 ◆LBaComaxgI:2013/03/05(火) 09:04:44 ID:tZPqHmSw0
「『よろしい、ならば戦争だ』って台詞をのたまったかどうかは知らないけど。その時の兵力でその国の兵力3000を一日で撃破してしまったそうだね」

そして、その国の権力の象徴たる印鑑と、様々な宝が保管された宝物庫の鍵を没収したんだが、そんなことをすれば当然、政府に対する反逆と見なされる。
そこで、完全に開き直った将門は、時の政府に対抗し、関東に新たな政府を樹立し、その新たな王として君臨することを決めた。
この一件で将門は完全に国家に対する反逆者と見なされ、討伐されることになった。そしてその2か月後、将門は政府軍との戦いの中戦死し、その首は都に晒された、
という話だが、

「将門の死後1000年くらいかな。その関東地方を大災害が襲うのさ、「関東大震災」って言ってね。役所の建物なんかも全部壊れて立て直すことになったんだけど」

その建て直し予定地に将門の墓があり、取り壊そうとしたところ、けがや病気にかかる人間が続出する。その後も当時の大臣など2年間で14人の人間が謎の死を遂げ
数えるのも面倒なほど非常に多くのけが人が出たというのだ。

「それで、将門の死後ちょうど1000年目に当たる年に、役所の建物に雷が落ちてね、建物が燃え上がっちゃったのさ。近くに将門の墓があったせいかやはり
呪いだとか祟りだとか騒がれたようだね。さて、話はまだ続くよ。その5年後の事なんだけれど」

日本が戦争に負け、焼け野原と化した街を整備している途中のこと、焼け跡のままだった将門の墓周辺に目を付けた進駐軍は、そこを駐車場にすることを思いつく。
で、重機で土を掘り返してたら墓石が出てきた。それを掘り出そうとした途端、重機が横転し、運転手など2人が死んだ。
結局、それ以上工事を進めることができなくなり、同時の王の墓ということで取り壊しは免れたって訳だ。

「どうかな、ここまで話を聞いてきてわかったでしょ?呪いなんてろくでもないものだって」

流石にこの二人の凄惨な呪い・祟りの話を聞かされてはすぐには言い返せない様子のセフィリア。しかしそれでも必死に言葉を探り、今空に言い返した。

「この人たちは自分が直接的に被害を受けているようですが、私たちの相手は自分が殺されることを覚悟しているはずです。それに、その相手がどんな悲しみ・憎しみを
背負っても所詮自分の事ではない以上、ここまでの呪いを実現できるとも思えません」

だが、そんなセフィリアの反論にも今空はため息を一つついて

「わからないかなあ。呪いの根源ってのは憎しみ・絶望そのものなのさ。自分が直接傷つけられたとか、そんなの全く関係なくね。それじゃあ、
それを証明するために最後の一人の話をしましょう。最強の怨霊・崇徳上皇のお話を」

崇徳上皇は第75代目の天皇で、先代の天皇「鳥羽天皇」とその妻の間に生まれたとされているが、正しくは崇徳上皇の曾祖父に当たる「白河法皇」の子であったことから
鳥羽天皇に疎まれ、嫌われて育った。白河法皇が鳥羽天皇を退位させ、当時わずか五歳の崇徳上皇を即位させたというのも、それに拍車をかけたようだ。
話が動くのは白河法皇が死去し、鳥羽上皇が政治に介入してくるようになった時だ。当時皇位にあった崇徳天皇の立場は不安定になってゆく。
そして、鳥羽上皇のわずか2歳になる息子「近衛天皇」に半ば強引に譲位させられ、さらにこの時彼を崇徳上皇の皇太子とする約束を反故にされたため、
崇徳上皇は政治の場から遠ざけられ、鬱屈とした日々を送ることになった。

「ここに崇徳上皇の一つ目の恨みが生まれたわけだね。尤も、こんなもの2つ目の恨みに比べたら何ともないと私は思うのだけどね」

再び話が動いたのは、その近衛天皇が17歳という若さでこの世を去った時だ。次の皇位継承者として最有力視されたのが、崇徳上皇の息子「重仁親王」だった。
自分の幼い息子が即位するとなれば、当然その間の政治は親である自分が務めることとなる、久しぶりに政治の場に戻れると崇徳上皇は期待したことだろう。
しかし、ここでまたも鳥羽上皇がしゃしゃり出てくる。鳥羽上皇の異母子であり、自分の形の上で弟にあたる「後白河天皇」が即位し、彼の期待は木端微塵に打ち砕かれた。

「さらに崇徳上皇は翌年に死んだ鳥羽上皇の今際にも立ち会うことができなかったのさ。これで崇徳上皇はどんどん不満を募らせていくことになるのだけど」

860 ◆LBaComaxgI:2013/03/05(火) 09:05:10 ID:tZPqHmSw0
さて、ここで崇徳上皇がどういう行動に出たかというと、先に話した近衛天皇を呪ったという咎で失脚させられた「藤原頼長」という人物と手を組み、
兵士を集めて時の政権に対して戦いを挑んだというのだ。しかし、後白河天皇側の夜襲に遭い僅か一日で惨敗し、何もかもうまくいかないこの世の中を儚んだ彼は
家を出て僧侶になろうとしたが、政府に反逆した罪人として扱われた為、それすらもかなわなかった。

「さて、罪人として政府に捕まった崇徳上皇。普通なら処刑されてもおかしくないのだけど、さすがに天皇にもなった人間を処刑することはできないからね」

都から遠く離れた「讃岐国」という場所に流されたそうだ。本題はここからで、崇徳上皇は、流された先で自分の起こした戦いで散って行った者たちのため、
その反省の為にありがたい経文を一文字一文字丁寧に写して行ったそうだ。

「自分の血で書いたとも、墨を使って書いたともいわれているけどね。で、全190巻にもわたるそのお経、五部大乗経を完成させた崇徳上皇はそれを
都の近くのお寺に納めて欲しいと、後白河天皇に送ったんだけど」

その後白河天皇が取った対応はあんまりなものだった。「呪いが込められているのではないか」と邪推して、その五部大乗経を送り返してしまったというのだ。
当然、崇徳上皇は激怒した。

「ブライトさん、あなたは自分が心を込めて作った料理を食卓に出したとき、『毒が入っているんじゃないか』って言われて捨てられたらどう思う?
まして崇徳上皇はこれを書き上げるのに三年以上の歳月を費やしているのさ。その怒り・恨みがどれほどのものか、私には想像を絶するよ」

さらにその後、唯一の希望であった重仁親王が死んだ、という知らせが届くと、崇徳上皇はこの世のすべてを呪った、というのだ。
舌を噛み切って、血でその経典にこう書いたというのだ。

「『我は日本国の大魔縁となりて、皇を取って民とし、民を皇となさん』。解りやすく言うと、私は日本の大魔王になって、天皇一族を民衆に落し、民衆を
天皇一族にとって代わらせてやるって意味だね。要するに、呪詛の言葉だよ」

この世のすべてを呪った崇徳上皇は、その後髪、爪を伸ばし放題にし、化物のような姿になり、生きながら妖怪になったとも言われている。
が、今空曰く妖怪になったという話は伝説にすぎず、実際は二度と都に戻れないことを嘆きつつ、失意のうちに悲運の46年の生涯を閉じた、というのだ。

「だけど問題はここから。そう、崇徳上皇の祟りと呪詛が実現してしまうのさ」

崇徳上皇の死後、後白河天皇の息子に当たる二条天皇が23歳の若さで死ぬとその二条天皇の后(きさき)と自分の愛人が一か月もせずに相次いで死に、
更にその10日後には孫にあたる六条天皇までの13歳という幼すぎる死を遂げたのだ。これだけでも十分後白河を追い詰めるに足ることだが、更に

「その後都の3分の1を焼く大火事が起こったのさ。死者は1000人に達し、後白河天皇が暮らす御所も火事の被害を受けてね」

ここにきて都で崇徳上皇の祟りに違いない言う話がまことしやかに囁かれ、政府も無視できなくなって、後白河も崇徳上皇を手厚く祀り、
供養も行われて、祟りの方は収まったようだ。しかし、

「兵士一門が台頭してきてね。後白河天皇はうまく立ち回って好きにはさせなかったようだけど、それ以降は好き勝手やられちゃったようだね」

861 ◆LBaComaxgI:2013/03/05(火) 09:05:27 ID:tZPqHmSw0
兵士と言えば、民衆の一部だ。その民衆が天皇一族に代わって政治を行うということは、まさに崇徳上皇の「皇を民に、民を皇に」という呪詛が実現した、と言えるのだ。
更に話はまだ続く。崇徳上皇の死後100年ごとに彼の死を祀る式典が行われたのだが、その前後に必ず災害や、国を揺るがす大事件が起こったというのだ。

100年後には、外国に国交樹立を強引に迫られる、という事件が起こり(元寇)、200年後では天皇一族での内紛(南北朝動乱)、300年後には都を焦土と化した
戦争(応仁の乱)が起こった。オカルトは普段信じない俺もさすがにここまで来ると単なる偶然では片づけられない何かを感じてしまうな。

「けど、菅原道真の話でもしたけど、怨霊は祟りが強いほど祀ることで強力な守り神になるって信じられていてね」

崇徳上皇の死後、実に700年、漸く政権が天皇一族に還って来た時の政府は700年ぶりに崇徳上皇の魂を都に丁重に連れて帰り、
手厚く祀ることで新しい国の守り神にしようとしたわけだ。

「その甲斐あって新生国家『大日本帝国』は世界の名だたる強国に比肩する大国に成長するのさ。漸く崇徳上皇も許してくれたのかと思うでしょ?
そうは問屋がおろさなかったんだね」

調子に乗って侵略戦争を繰り返し、平将門の話にも登場した『太平洋戦争』にぼろ負け。大日本帝国は崩壊し、新しい法律の基、天皇一族は
「政権を威信づける象徴」の地位すら失われ、国民の支持のもとに存続を許される「国家の象徴」となってしまった。
政治の主導権は完全に国民に委ねられ、崇徳上皇の呪いはここに完遂した、という訳だ。

「もっとも、私が勝手にそう思ってるだけで、彼の怨念・呪いは今もなお続いているのかも知れないけどね。これで私の話は終わりだよ」

この場にはクラウス、セフィリア、ステファン、シオン、俺、そして語り手の今空の6人がいたが今空以外全員が何も言えない、という表情でいた。

「私たちが復讐を成し遂げても、その相手の周囲の人たちの怨念で私たちの大切な人に危害が及ぶかも知れないってことですね…」
「そういうことだね。まあ、それでも気が済まないっていうなら好きにしたらいいさ。私にはあまり関係のないことだしね。それじゃ、私は部屋に戻って寝るよ」

と、今空は食堂を後にして、2階へと消えていった。ふと腕時計に目を落とすと、時刻は午後11時を示そうとしていた。さすがにいい時間ってことで
俺たちも休むことにし、その日は眠りに就いた。

そして一週間後、ベアトリーチェに情報を渡す日がやってきた。すでにレストレンジから他の奴らへの忠告も完了したと連絡が入っている。
後は、俺の事務所でベアトリーチェを待てばいいだけだ。当然、向こうも俺自身に何か仕掛けてくるということを警戒し、懐には拳銃を忍ばせ、
ステファンはエスタルク医院に残しておいた。テレビでは、相も変わらずワイドショーが他愛もないゴシップを垂れ流している。俺たち廃民街の住人には
全く関係のない話だ。チャンネルを変えてみても、そんな内容のばかりだが、一つ気になるニュースが目に飛び込んできた

862 ◆LBaComaxgI:2013/03/05(火) 09:05:43 ID:tZPqHmSw0
「CW・ジェネシス社、高性能人工知能の開発に成功」

ニュースによると、将来的に自立行動を可能としたアンドロイドの開発を見据えて、まずはその頭脳たる人工知能の開発に成功した、というものだ。
尤も、頭脳が出来上がっても、その頭脳から発せられる命令を受信する身体部ができるのは当分先の話のようだが。
正直、廃民街を消そうとした奴らの筆頭が残した連中が考えていることだ、ろくなことにならない気がするな。
俺がテレビを見ながらそんなことを考えていると、事務所のドアをノックする音が聞こえた。どうやら、「お客さん」のお出ましのようだ。俺は懐の拳銃のセーフティを
解除しつつ、

「空いてるが」

と、扉の向こうにいるであろうベアトリーチェに呼び掛けた。

「失礼します」

と入って来たのは、やはりベアトリーチェ・チェンチだった。ベアトリーチェは俺が促したソファに腰掛け、じっとその正面に座る俺を見据えていた。

「さて、これが依頼されていた情報だ。どうだ、役には立ちそうか?」

早速本題に入った俺は、ベアトリーチェに彼ら告死天使の情報をまとめた書類を計8枚渡した。但し、ジェネシス・ラッツィンガーと朝倉霧香の情報はないが。
依頼内容は、「二年前に」この廃民街を救った告死天使の情報だ。その時にいなかった二人は今回の契約内容には含まれないからな。
その一方で、二人には誰かが周辺を嗅ぎまわっていると警告し、注意を促すことで戦略的なアドバンテージが生まれる訳だ。

「いえ、期待以上の情報量です。それでは、こちらが残りの報酬になります。どうぞお納めください。あと、失礼ですがお手洗いを拝借してもよろしいでしょうか?」
「別に構わないが」

と、彼女が差し出してきた封筒の中身に残りの報酬がすべてそろっていることを確認した俺は、トイレへと向かっていくベアトリーチェを見送った。
そして3分ほど経ったか、水を流す音とともにベアトリーチェがトイレから出てきた、しかし鞄くらい置いていけばいいものをわざわざ持って入るとはな。

「ありがとうございます。それでは、私はこれにて失礼いたしますね。神谷さん、ありがとうございました」
「待て、この街はいろいろと危ないからな。街の出口まで送って行こう」
「いえ、一人で結構ですよ。来る時も一人で大丈夫でしたし」
「いや、実をいうと俺もこの後行くところがあって、そのついでだ」

その瞬間、ベアトリーチェの口元が微かに歪んだのを俺は見逃さなかった。やはりこの女、何か裏があるようだ。

「…そうですか、それではお願いします」
「ああ、行こう」

そして俺は30分程かけてベアトリーチェを廃民街出口まで送って行ったのだがその道中、10本ほど電話をかけていたな。
要所要所で「例の件」だとか重要な部分は伏せられていて何のことかはよくわからないが、この女の背後にはやはり何かがあって、よからぬことを考えているのは
間違いないな。さて、再び事務所近くまで戻ってきた俺が目にしたものはというと…爆破された俺の事務所だった。

863 ◆LBaComaxgI:2013/03/05(火) 09:07:32 ID:tZPqHmSw0
本スレの方で規制を喰らったので、こちらに投下しました。3大怨霊の話は、クラウスとセフィリアに
復讐を考えさせる上でぜひ入れたい話だったので、その語り手として今空都さんをお借りしました。

864名無しさん@避難中:2013/03/07(木) 00:15:44 ID:L6knQv3c0
閉鎖都市、わけても貧民街ははけっこういろんな組織がひしめいているのだなと再確認しました
事務所が大変なことになってて、これから波乱の予感です

865 ヘ ノ: ヘ ノ
ヘ ノ

866ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:49:08 ID:/PIHPH4M0
1-0/11

ゴミ箱の中の子供達外伝
 Funky Fairies

867ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:49:39 ID:/PIHPH4M0
1-1/11

 昼下がりの廃民街を1台のセダン車が進んでいた。フロントガラスの向こうでは、通りを歩く住人たちがわずかに
後ろに耳を傾けると、すぐさま路肩によって背後から迫る車に道を譲っていく。彼らの反応がよいのは別に彼らが
エンジン音を聞きとることに長じているからではない。無駄に高性能なカーステレオから漏れるロックミュージックの
ドラムの響きが車の存在を危険な位までに自己主張していたからだ。車外の人間でこの反応なのだから、車内の
人間の苦しみは推して知るべしだ。車の助手席に座っていた男は、コートの襟元にあるピンマイクを騒音から守るように
口に寄せた。

「フェアリー1より、オベロンへ、チェックポイントを通過、予定に変更なし」

 フェアリー1がそこまで言ったところでステレオからエレキギターが自己主張を始めた。鋭さを持って響き渡るギターの
旋律はフェアリー1にも聞き覚えもあるものだ。それもそのはず、先ほどからカーステレオから流される音楽はどれも
往年の名バンドばかりだからだ。この車の持ち主は相当な懐古主義者だったらしい。それがフェアリー1には不満だった。
 尚も響き渡るギターの旋律の切れ味は素晴らしく、年月を経てもなお人の心に突き刺さるだけの鋭さを持っている。
だがそれだけだ、とウィーザド1は切り捨てる。このギターは聴く人の心に突き刺さり、記憶となってとどまる力は
備えている。が、それで終わりだ。その響きは、せっかく突き刺さった心を揺さぶり、吊り上げ、高揚させ、変化を
もたらすにはいたらないのだ。もっともそれは当然だろう。その技術は音楽界が数十年の試行錯誤の末に獲得した
ものだからだ。とどのつまりこの音楽は古臭くてぜんぜんノれないのだ。ギターソロからマイクを庇う様に手で覆いながら
フェアリー1は思う。エレクトロニックハウスの電子麻薬じみたリズムに合わせて体を揺らすときのあの陶酔感。
これを知った今となっては、数十年前の名曲など前時代の遺物でしかないのだ。
 フェアリー1がカーステレオに自分の音楽プレイヤーのデータを流し込みたい欲求を堪えていると、ギターソロが
ようやく終わった。鳴り響く音楽の中にボーカルが戻ってくる。ボーカルのしわがれた声はエレキほど耳触りではない。
件のエレキも今は脇役の一人としてベースやシンセサイザーとともに控えめなメロディーを奏でている。フェアリー1は
ピンマイクを覆っていた手を離した。

「フェアリー1よりオベロンへ、"タンゴ"の周辺の状況はどうか?」
「オベロンよりフェアリーへ。バンシーによれば、事務所内部に"タンゴ"を含めて20人、事務所正面に兵隊を4人
 確認している。外の4人に関しては武器を確認せず。懐の拳銃だけだろう」

 イヤホンからの答えにフェアリー1は、予想通りだ、とほくそ笑んだ。"王朝"の縄張りの真ん中だからかなり気を
緩めているのだろう。それでも"タンゴ"含めて相手は24人。一方こちらは車に乗っている4人。相手の1/6しかいない。
だが、フェアリー1には、座席の下に隠した銃床を切り詰めた自動小銃がある。服の下には防弾チョッキを着込んである。
さらには外に被ったコートの裏には手榴弾が吊るしてある。ただの拳銃に、よくてトミーガンを持っているだけの相手に比べ、
自分たちはこれだけの装備を持っているのだ。そして何より、フェアリー1はたちはこの廃民街において最高の訓練を
受けてきた自負があった。幾多もの実戦をくぐり抜けてきた経験も持っている。自分たちのこの戦いの技術をもってすれば、
この程度の人数の差を覆すことは容易い。そうフェアリー1は確信していた。

868ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:50:03 ID:/PIHPH4M0
1-2/11

 だがそこでフェアリー1は懸念点を思い出してピンマイクに口を近づけた。

「フェアリー1よりオベロンへ、"タンゴ"の状況について了解した。だが1つ。こっちに"ブラヴォー"はいるか?」

 "B(ブラヴォー)"。それは魂を分けたフェアリー達の兄弟(Brother)を表す符号だ。フェアリー達は廃民街という
名のごみ箱の底に生きる暗殺部隊だ。殺しこそが彼らの家業であり、それ以外にも多くの汚れ仕事を手掛けてきた。
清潔な地で生きた罪のない市民はおろか、同じごみ箱の底の住民ですら、彼らの所業を知れば彼らを人非人と
罵るだろう。だが、そんな彼らとて、自分たちの兄弟を、それも己の職務に忠実に勤めている全く瑕疵のない
兄弟を手にかけるという一線だけは踏みたくなかった。
 フェアリー1の心の奥底でくすぶる不安に対し、オベロンの答えは簡潔だった。

「いない。"ブラヴォー"は予定通り、"タンゴ"の妻と娘を護衛するためにリトルアップルのショッピングセンターにいる。
 こちらでも確認済みだ」

 兄弟はこの場にはいない。オベロンの言葉を聞いてフェアリー1は僅かに背もたれにもたれかかった。
 "偉大な父"から、警護の名目で組織の幹部たちに送り込まれる彼らの兄弟が、幹部たちのお目付け役を兼ねていることは
公然の秘密だった。幹部が謀反の疑いを持てば、その後頭部を撃ち抜くことこそが、彼らのもとに派遣される兄弟たちの
最大の任務である。だがそれでも、己が受け持った幹部が何者かに襲われれば、兄弟たちは死力を持って建前にすぎない
護衛の任務を遂行するだろう。兄弟たちもまたフェアリー達と同じく百戦を潜り抜けた古つわものだ。自らを選ばれた精鋭と
自認しているフェアリー達でも、兄弟たちを一蹴できるとは思っていない。ましてや、死地に追い込まれればこそ冴えわたる、
人間が持つ――否、己たちが持つ戦いの本能を思えば、単なる不意打ちなど用を足さないのだ。この畏怖こそが、偉大な父の
命令で動く処刑人でしかない兄弟たちを、"王朝"の絶対的な守護者としていたのだった。
 だが、"T(タンゴ)"はそれを放棄した。自分の家族を守るためというもっともらしい理由で守護者たる兄弟を街の外へ追いやり、
自分の周りを腹心の部下で固めた。"T(タンゴ)"にとっては、背後で匕首を持った人間を遠ざけて安全を確保したつもりらしい。
だがフェアリー達にとっては、自らを護る盾を捨てて、ただ標的(Target)を増やしただけに見えなかった。
 信号のない十字路に差し掛かったところで車は減速を始めた。この交差点を左に曲がればとうとう"タンゴ"の事務所だ。
フェアリー1は左腕を持ち上げて時計を確認する。時間だった。車は交差点の直前のビルの陰で停止する。エンジンが
止まると同時に、カーステレオから鳴り響いていたロックの騒音が止まった。急に静かになった社内で、フェアリー達は
誰とも言わず座席の下から全長を短く切り詰めた小銃を取り出した。棹桿を引いて激鉄を上げる音が社内に響き渡る。
弾丸を装填した銃を一瞥したフェアリー1は、続いてダッシュボードに手を掛けた。中に入っていた布状の物体を部下達に
配っていく。それは目出し帽だった。自らの顔を隠すためのものだ。これをつけることでフェアリー1は"偉大な父"の子ではない、
何者でもない存在になるのだ。
 戦いのための最後の準備が終わると、フェアリー1は車内を見渡して言った。

「よしお前ら、踊ろうじゃないか!」
「サーッ!」

 フェアリー1の掛け声に、車内の仲間たちは掛け声を張り上げる。その響きを合図にフェアリー1は車から降りた。

869ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:50:38 ID:/PIHPH4M0
1-3/11

 小銃を構えながらフェアリー1は十字路に向かって走った。銃を手に通りに現れた集団に、たまたますぐ傍らを
歩いていた女が悲鳴を上げて走り出す。通りに響き渡る悲鳴は"タンゴ"を警戒させるに十分だ。だが、フェアリー1に
引き返す選択肢はない。すでに状況は始まっている。こうなれば相手に感づかれた事を前提に、機先を制して強襲
するまでだ。フェアリー1は女に構わず駆けだすと十字路の角の向こうに飛び出した。
 角の向こうでは、標的を守るスーツ姿の護衛たちが悲鳴を上げて路地を駆け抜ける女性の姿を見て懐のホルスターに
手を伸ばしていた。だが、懐に吊るされた銃に触れる前に止まる者。把握を握ったはいいが、浅く引きぬいたまま未だに
懐の中に手を入れたままの者。引き抜いたはいいが、その筒先を空に向けた者と臨戦態勢にはあと一歩足りない。
それが彼らの命運を分けた。角から現れたフェアリー1に、既に銃を引き抜いていた者が銃口を向ける。だが、
フェアリー1は始めから彼らに銃口を向けていた。瞬いたマズルフラッシュはフェアリー1の方が早かった。ライフル弾を
浴びていち早く銃を抜いた護衛が崩れ落ちる。その横で、出遅れていた他の護衛たちがようやく銃を抜き終えた。その時
フェアリー1が横に動いた。その背後から新たな銃口が姿を見せる。後に続くフェアリー1の部下達の銃口だ。兵隊たちが
それに狙いを定める前に、新たな火線が彼らを薙ぎ倒した。フェアリー達の連携の前に、事務所前を警備していた標的の
兵隊はあっけなく一掃されたのだった。フェアリー1はそれを確認すると、前進、という掛け声とともに通りの向こうにある
"タンゴ"の事務所へと走り出した。

870ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:50:55 ID:/PIHPH4M0
1-4/11

 "タンゴ"の事務所はどこにでもある雑居ビルの4階にあった。1階のバーのテナントの脇にある入り口から入ると
エレベーターと非常階段を兼ねた階段がフェアリー達を出迎えた。エレベーターの前で一旦立ち止ったフェアリー1は
階数表示盤を見上げた。明りは4階を指して停止している。これから降りてくるのか。それとも、たまたまその位置で
停止しているだけなのか。一瞥しただけでは判別できない。だがフェアリー1は躊躇わなかった。エレベータのボタンを
押すと、背後の部下達に目配せする。監視しろ。フェアリー1の視線を受けた部下は、全てを理解しているかのように
頷いた。部下達への役割はすでに割り振ってある。新たな言葉は必要ないのだ。部下の応答を確認したフェアリー1は
脇にある階段に向かった。
 部下を一人だけ引き連れて、フェアリー1は階段を駆け上がる。3/2と書かれた看板の下にフェアリー1が達したところで、
上から足音が響き始めた。焦った足取りで階段を駆け降りる大きな足音。それが幾つも続く。"タンゴ"の護衛達がこちらに
向かってきているようだ。フェアリー1は足を止めるとコートの中に手を伸ばした。手探りでコートの内側に吊るした手榴弾を
握りしめると、安全ピンにくくりつけた留め具からそっと引き抜いた。安全ピンは外れたが安全レバーをしっかりと握っているため
まだ爆発することはない。フェアリー1は息を潜めてタイミングを待った。上から響く足音はフェアリー達のすぐ頭上を通り過ぎて
3階に達しようとしていた。今だ。フェアリー1は階上に向けて手榴弾を投げ込んだ。放り上げられた手榴弾は空中で安全レバーを
振り落としながら階段の向こうに消えていく。そのとき階上翻った人影がうめき声をあげた。その声は直後に響いた爆発音に
掻き消された。白煙と共にフェアリー1の頭上に粉塵が降り注ぐ。炸裂を確認したフェアリー1は、立ち込める煙をかまわずに、
階段を駆け上がった。靄が消え始めた3階の階段前では5〜6人ほどの人間だったものが死に切れずに呻いている。
爆風により手足を吹き飛ばされた者や、飛び散った破片に体を引き裂かれた者の苦悶の声だ。慈悲も込めて、彼ら
一人一人に銃弾を与えることをフェアリー1は一瞬だけ考える。だが、今回の作戦でそんな悠長なことをしている時間は
なかった。"タンゴ"以外は無力化されていればそれで十分だ。そう判断したフェアリー1は、階段に折り重なって呻吟する彼らを
文字通り踏み越えて更に上階へと向かった。

871ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:51:25 ID:/PIHPH4M0
1-5/11

 階段を駆け上ったフェアリー1はついに"タンゴ"の事務所がある4階に到達した。4階の間取りはエレベータの正面を
事務所の入扉がふさいでいる。フェアリー1が4階に足を踏み入れた時、丁度その入り口から新手が飛び出してきた
ところだった。フェアリー1の姿を見て、驚いた顔と共に彼らは足踏みする。そんな彼らをフェアリー1は銃弾でなぎ倒した。
新手をねじ伏せたフェアリー1は開けっ放しになった事務所の入り口に銃口を向けた。入口から新たな人影が現れぬよう
フェアリー1が監視していると、その脇を部下がすりぬけて扉に向かっていく。フェアリー1の援護の下、入口の脇に
張り付いた部下は、開かれたままになった入口に手榴弾を放りこんだ。轟音とともに粉塵が入り口が噴き出す様を
確認しながら、フェアリー1は襟元のピンマイクを口元に寄せた。

「フェアリー1よりフェアリー2へ、エレベータ前は確保した。昇ってこい」

 下で待っている部下に命令を告げると、フェアリー1は入口脇の部下の下に向かい、事務所の内部への攻撃に移った。
 手榴弾の洗礼を潜り抜けてスチールデスクやソファーの陰で抵抗を続ける"タンゴ"の護衛たちを2〜3人ほど倒したところで、
背後からエレベータのベルの音が響いた。銃撃の合間を縫って一瞥すると、下に残していた二人の部下がエレベータから
出てくるところだった。これで全員集合。あとは総仕上げだけだ。フェアリー1は入り口の脇の物陰に張り付いた部下に
目配せする。部下は頷くと、懐から手榴弾を取り出し、事務所の中に放りこんだ。時間差を空けて響く轟音。それを合図に
フェアリー1は事務所の中に飛び込んだ。粉塵と残響が渦巻く事務所の中をフェアリー1は進んでいく。フェアリー1が
ソファーの陰に回り込もうとしたところで、奥で横倒しにされていた机の陰から護衛の生き残りが銃を向けて飛び出した。
だが、その健気な抵抗はフェアリー1の背後から響いた銃声によって沈黙する。フェアリー1に続いて事務所内に突入した
部下達が、フェアリー1の死角を補うように事務所全体に目を光らせていた。そこに一矢報いるだけの隙はなかった。
 物陰を隅々まで調べ上げ、室内に動くものがいないことを確認したフェアリー1は視線を別の方向に向けた。事務所の
最奥にあるパーティションで区切られた小部屋だった。事務所の役員室で、監視班のバンシーによればここに"タンゴ"が
潜んでいるはずだ。締め切られたそのドアをフェアリー1は観察する。茶色いマカボニー調に塗装されたパーティションは、
2度にわたる手榴弾の攻撃で表面のプラスチックパネルが剥がれおち、中空の内部を覗かせていた。このパーティションに
見た目ほどの厚みはないらしい。そう判断したフェアリー1は手にした小銃をパーティションに向けた。室内を確認していた
部下達も、フェアリー1に続いてパーティションに銃口を向ける。

「撃て!」

 フェアリー1の号令に、4本の銃身が火を噴いた。放たれた銃弾の群れは満身創痍のパーティションに殺到する。
薄いプラスチックを二重に貼り付けただけのパーティションに銃弾を受けとめるだけの余力などなかった。超音速で
衝突したフルメタルジャケットの弾丸はパーティションをやすやすと貫通し、丸い穴を穿っていく。弾丸を打ち尽くし、
小銃の咆哮が終わった時にはパーティションはさながら穴あきチーズのようになっており、無数に穿たれた穴からは
光が――恐らくその奥に窓があるのだろう――差し込んでいた。
 抜けた!
 ほくそ笑んだフェアリー1は小銃を負い紐に任せて放り出すと、腰の拳銃を抜きながら穴だらけのドアを蹴破った。

872ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:51:37 ID:/PIHPH4M0
1-6/11

 弾痕がいたるところについた役員室と見渡すと、小さなうめき声が耳に入った。フェアリー1の正面にあるアンティーク調の
木製デスクの向こうからだ。側面から慎重に回り込むと、一人の男が机の陰で倒れていた。白いスーツの腹部に浮かぶ
赤い染色を押さえながら、男はフェアリー1を見据えると口を開いた。

「"子供達"だな、貴様ら!」

 貫禄のある髭面を苦痛に歪めながら、それでもな凄みを感じさせる声で男は続ける。

「この親無し共め! 俺を誰だと思ってやがる。俺は"偉大な父"から――」

 唐突に響いた銃声とともに男の声が途絶えた。

「知らんね、お前の事なんか」

 硝煙の立ち上る拳銃を下ろしながら、フェアリー1はわざとらしく首を傾けた。

「フェアリー1よりオベロンへ、"タンゴ"の制圧完了」
「オベロンよりフェアリーへ、了解した。ちょうど我らが"ブラヴォー"が到着した。撤収を開始せよ」

 空っぽのままだった小銃の弾倉を交換しながらフェアリー1はオベロンに報告する。すると、オベロンは新たな来訪者を
告げた。すぐ脇の窓からそっと通りを伺うと、2台のワンボックスバンが馴染みの黒いアサルトスーツに身を包んだ一団を
吐き出しているところだった。我らが"B(ブラヴォー)"。"偉大な父"に楯突くあらゆる者を殲滅する、愛すべき弟(Brother)達だ。
流石に彼らに銃を向けるわけにはいかない。フェアリー1は踵を返すと襟元のピンマイクに向かって言った。

「フェアリー1より、オベロンへ、了解した。これより撤収する」

 報告と同時にフェアリー1は入り口に向かった。

873ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:51:51 ID:/PIHPH4M0
1-7/11

 部下を引き連れてフェアリー1は事務所の入り口を抜ける。入り口正面のエレベータは開いたままだったが、フェアリーは
無視して階段に向かった。恐らく下から迫る弟達は一部をエレベータを監視に充てたうえで、残りを引き連れて階段を
駆け上ってくるはずだ。かつてフェアリー1が教えられたように。フェアリー1が今回もそうしたように。弟たちに銃を向ける
わけにはいかない以上逃げ場は一つしかない。上だ。フェアリー達は上階に続く階段を駆け上った。

「上だ。上から逃げようとしているぞ!」

 階段のはるか下から追い立てる声が響く。その声に押されるようにフェアリー1は階段を駆け上る。だが、2階分ほど
上ったところで鉄扉が立ちふさがった。屋上へつながる扉だ。安全のためだろうか、中から開けるためにも鍵が必要
なようで、ノブを回しても扉は開かない。流石にこれは打ち破る他ない。フェアリー1が何か言う前に部下がショットガンを
構えながらが進み出でた。フェアリー1は彼と入れ替わるように階段に向かった。階下から登ってくる足音に銃を向けて
備えていると、背後からショットガンの銃声が響いた。続けてドアを蹴破る音が響き、にらみ続けている踊り場の壁に
フェアリー1達の影が差す。壁に映る人影は次々に減っていき、とうとうフェアリー1一人となった。そこでようやくフェアリー1も
身を翻す。急に流れ去っていく踊り場の景色の端に見慣れた黒いアサルトスーツの人影が映った。

「いたぞ!」

 背後で怒声と共に銃声が響く。辛くも鉄扉をくぐったフェアリー1の背中を銃弾がかすめた。

874ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:52:10 ID:/PIHPH4M0
1-8/11

 屋上に立ち並ぶ空調の室外機の間をフェアリー1は駆け抜ける。向かう先は隣のビルだ。屋上伝いに脱出する
つもりだった。ビルの間はほとんど開いていないが、隣のビルの方が1階ほど高い。そのまま飛び移ることはできないが、
先んじて屋上に出ていた部下がビルの壁面に背を預けた状態で待機していた。左足を深く折り曲げた上で、太ももの上に
上向きに重ねた手のひらを載せている。人梯子の体勢だ。その脇では壁を登るのを援護するためか、もう一人の部下が
屋上の出入り口に向けて銃撃していた。彼らの支援を受けて、フェアリー1はようやくビルの壁際まで到着した。
人梯子となっている部下の左足、続けてその肩を踏み台にしてフェアリー1は隣のビルの屋上に手を伸ばす。その手を
先んじて上っていた部下がつかんだ。上に引き上げられたフェアリー1はすぐさま身を返すと、下に残した部下の援護に
回った。
 開けっ放しになっている屋上の扉に向けてフェアリー1は銃撃を加える。目的は部下二人がフェアリー1の元に上ってくるまでの
時間稼ぎだ。もっとも万が一でも愛する"ブラヴォー"に弾を当ててしまってはならない。"ブラヴォー"が不用意に扉から身を
晒さないように、フェアリー1は人影が見えない入口に向かって銃撃を続けた。だが部下の一人が引き上げられたところで
"ブラヴォー"側が動いた。銃撃の僅かな隙をついて拳大の何かが入口から宙を飛ぶ。扉のすぐ脇に転がり落ちたそれは
白い煙を噴き出して、辺りを覆い隠した。
 煙幕を焚いて敵の視界を奪う。それはかつて自分たちが兄たちから教わり、そして自分たちが弟たちに教えた十八番と
言うべき戦術だ。"ブラヴォー"達の標準装備ならば、サーマルスコープを全員に支給されているため、視界がない状況でも
戦闘が可能だ。だが、いまのフェアリー達の装備は、任務の都合からトレンチコートに自動小銃という粗野極まりない格好だ。
当然そこにサーマルスコープなどという高級な装備は入っていない。視界を隠す白い煙にフェアリー1は銃床から頬を離すと、
舌打ちをした。
 眼下では自ら踏み台となっていた部下が残っている。彼を引き上げるまでの時間をなんとしても稼ぐ必要があった。白煙を
無視して銃撃を続ける方法がある。だが、視界をふさがれている以上、確実に抑え込める保障はない。また、弾丸が
当たらないという保障もない。大切な"ブラヴォー"に傷をつけるわけにはいかない以上、銃撃を続けることはできなかった。
代わりとばかりにフェアリー1は右手でコートの懐を探った。コートの内側につるされた手榴弾に指先が触れる。フェアリー1は
手榴弾の安全ピンに指を引っ掛けて握りしめると、そのリングごと手榴弾をもぎ取った。手の中の手榴弾は安全ピンを残した
ままであるため、爆発することはない。だがフェアリー1は構うことなく白煙の中に放り込んだ。

「手榴弾だ!」

 煙の中から"ブラヴォー"達の慌てる声が聞こえた。恐らく彼らは放り込まれた手榴弾の爆発を危惧して身を隠している
ところだろう。もっともすぐに彼らは手榴弾が不発であることに気づくはずだ。だが、部下を引き上げるには十分だった。
フェアリー1が視線を下に落とすと、部下が仲間の元に上るべく助走をつけて跳躍するところだった。空中で仲間に向けて
精一杯伸ばされた彼の手を二人の仲間がしっかりとつかんだ。

875ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:52:30 ID:/PIHPH4M0
1-9/11

 部下が全員揃ったところでフェアリー1は撤退を再開した。一段高くなった視界の屋上を駆け抜けて更に奥のビルに
移動する。奥のビルは一転して一階分低い。フェアリー1は速度を緩めることなく飛び降りた。体全体を折りたたんで
着地すると、今度はバネのように身をはじいて一気に加速する。だが更に走ったところで屋上の床面が途切れた。
フェアリー1は歩を止めると、縁から身を乗り出して下を覗いた。はるか眼下では道路に敷かれたアスファルトが
ビルの谷間を走っている。区画の端に到着したようだった。後に続いていた部下たちもフェアリー1に並ぶと、現れた
虚空を見て流石に足を止める。顔を上げたフェアリー1は身を翻して背後を確認する。その振り向いた先から怒気を
孕んだ声が響いた。

「動くな!」

 フェアリー1が飛び降りたばかりのビルの屋上から、黒いアサルトスーツに身を包んだ男が銃を構えていた。
我らが"ブラヴォー"だ。追いつかれたらしい。1人しか見えないところをみると、他の"ブラヴォー"達は壁を登るところで
悪戦苦闘しているようだ。もっとも一人とは言え、短機関銃に頬付けしている彼の姿に、一分の隙も見当たらない。
妙な真似でもしようものなら、彼は躊躇なく引き金を引くだろう。
 フェアリー1は観念したように息をつくと、手にしていた自動小銃を足元に放り捨てた。そのまま空になった両手を
頭の上にあげる。横に並ぶ部下達もフェアリー1の姿を見て次々と武器を捨てていった。フェアリー達の姿に"ブラヴォー"は
短機関銃から頬を離すと、遅れている他の"ブラヴォー"達を気にするかのように首を背後に向けた。
 眼を離したな!
 "ブラヴォー"が見せた隙に、フェアリー1はすかさず叫んだ。

「ピクシー!」

 返事の代わりとばかりにトラックのクラクションが彼方から響いた。

876ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:52:54 ID:/PIHPH4M0
1-10/11

 路地の奥から突如として大型トラックが姿を現した。対向車線まで巨体をはみ出したそのトラックは、通りに転がる
看板やゴミ箱、そしてフェアリー達が乗り捨てたセダン車すら薙ぎ倒しながら通りを進んでいく。やがてそれは、フェアリー達を
見上げる位置で止まった。
 トラックのエンジン音が自分の足元から響くことを確認したフェアリー1は、続いて両脇の部下達に向かって叫んだ。

「飛べぇっ!」

 言葉と同時にフェアリー1は縁を蹴った。ビルから落ちる最中、フェアリー1は自分が落ちていく先にトラックの荷台が
あることを確認した。その荷台には白い物体で満たされていた。
 落ちてきたフェアリー1に、荷台を満たしていた白い物体が大きな波紋を作って周囲に飛散した。これは緩衝材だった。
梱包用の発泡緩衝材から、裁断した紙ずく、エアーマットに工業用大型スポンジ。あらん限り詰め込まれた緩衝材が
ビルの屋上から飛び降りたフェアリー1を受け止めたのだった。
 粒上の発砲緩衝材に埋もれながらフェアリー1は自分の後に続く3度の衝撃を確認した。

「番号、1!」
「2!」
「3!」
「4!」

 点呼をとるとイヤホンと緩衝材の海の向こう両方から答えが返ってくる。部下は全員荷台に降りたようだ。

「大丈夫だ、車を出してくれ」

 フェアリーが言うよりも先に、トラックのエンジンがうなり声をあげた。車の発進と共に横へ向かう加重にもがきながら、
フェアリー1は緩衝材の海から顔を出す。遠く小さくなっていくビルの屋上では、茫然と見下ろす我らが"ブラヴォー"の
姿があった。

「フェアリー1よりオベロンへ、無事にピクシーと合流した。現在撤収中なり」

 ピンマイクに向かって報告しながらフェアリー1は息をついた。

877ゴミ箱の中の子供達_FF@閉鎖都市:2013/08/17(土) 11:53:22 ID:/PIHPH4M0
1-11/11

 "タンゴ"暗殺の筋書きは既に完成していた。犯人役の死体も既に用意してあった。生前の彼らが、"王朝"と
対立関係にある組織の若手幹部の命令で暗殺を行った、と自白するビデオも撮影済みだ。後はその死体達の
アジトで、このトラックを追跡しているリャナンシーチームと大立ち回りをしばらく演じる予定だ。その後は適当な
タイミングで"子供達"妖精部隊フェアリーチームの装備に着替えて、予め用意してあった死体を表に出せば終了だ。
 "タンゴ"が標的となった理由をフェアリー1は知らない。恐らくそれは"王朝"内部の複雑な政治力学の結果
なのだろう。まつりごとを嫌うフェアリー1にはそれ以上の理由に興味はなかった。そいういうものは自分より頭のいい
兄達がやっていればいい。兄達が不必要だと判断すれば、俺たちはそのことごとくを皆殺しにする。それが
俺達妖精部隊の仕事だ。

878ゴミ箱の中の子供達@閉鎖都市:2013/08/17(土) 12:01:37 ID:/PIHPH4M0
拝啓。
暦の上でも秋にはなりましたが、相も変わらず酷暑が続く中皆様いかがお過ごしでしょうか?
私はニート生活を脱出して1年半経過しました。
その間に終電を逃したり、泊り込みをしたり、休日出勤をしたり、
盆と正月とゴールデンウィークと盆がなかったりしましたが、私は元気です。
忙しい毎日の中でようやく暇を見つけることができましたので、久方ぶりに筆をとりました。
もっとも、ブランクが長かったため、リハビリがてら軽いものを書こうと思い、外伝の執筆にいたりました。
とにかく楽しく書けるハックスラッシュな作品、
マシンガンをバリバリ撃って、爆弾がガンガン爆発して、人なんかバタバタと死んでいって、ヒャアッハー戦争は本当に地獄だぜ!、
というのを5kBくらいでさらっと書こうと思いましたら、
まさかの20kB越え。原稿用紙30程の分量。
どうしてこうなった!?

879名無しさん@避難中:2013/08/17(土) 14:36:50 ID:vh.yDA/.O
投下乙です! 相変わらず文章上手いですね。自分もひさびさに書いてみたくなりました。

880名無しさん@避難中:2013/08/18(日) 22:10:07 ID:UD7nolUY0
乙です
戦闘妖精なんていうどこかで聞いたようなキャッチフレーズが脳内に浮かびましたぜ旦那!

881名無しさん@避難中:2014/04/10(木) 01:38:27 ID:2RpZsrQ60
ksks

882名無しさん@避難中:2016/06/29(水) 18:25:38 ID:TaXtwaXY0
ksks


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