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みんなで世界を作るスレin避難所2つめ

1名無しさん@避難中:2010/06/11(金) 21:04:38 ID:Y1a78MZw0
ここは、みんなでせかいをつくるスレのひなんじょです▼

現スレ:http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1275122105/
wiki:http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/286.html

ほんスレではなせせないようなこともこっちではなしてね!ふぇふぇ▼

432狸よ躍れ、地獄の只中で:2010/08/10(火) 00:13:52 ID:MqhQA7uY0
 第四話『刀語、でござる……だ、題名考えるのが面倒だっただけでござる! パクリとかじゃござらんし!』


 愛刀を佩いて藤ノ大姐の元へと戻った迅九郎は、屋敷の玄関先にぼってりとうずくまっている奇怪
な物体を見とがめ、眉をひそめた。 

「……大姐様、何でござるか? このぶくぶくのぱんぱかぱんに膨れ上がった虎柄の毛玉は」
「何を言うておるのじゃ狸……というのは流石に酷かのう。こうまで大きく変化してしまってはな。ほ
れ、さっきのあの猫じゃよ。同じ模様をしておるじゃろ」
「あの猫……? 確かアカトラとかいうあの無礼な? いやいやお待ちください大姐様。確かに無礼な
猫ではありましたが、こんなはち切れる寸前の水風船のような体型ではなかったはず」

「アホ狸! 大姐様のお話聞いとらんかったんかニャ! これは変化の術なのニャ! ちょ、ちょっと
失敗しちゃって、こんなぱんぱんになっちゃったけどニャ」

 ぶくぶくの毛玉が喋っている。その声もまたややふくよかな感じになってはいるものの、確かにあの
甲高くてよく通る、さっき聞いたばかりの声だとわかった。最後のほう、だいぶ自信なさげにぼそぼそ
なってはいたが。

「アカトラよ、術の鍛錬は日々怠ってはならんと言っておいたはずじゃよ?」
「ご、ごめんなさいニャ大姐様……」
 咎める、というよりは優しく諭すような藤ノ大姐に、毛玉は素直に謝る。さすが、年季が違うななど
と、迅九郎は勝手に得心した。

「まあよいよい。さて、では狸よ。乗れ」
「は?」
「は? じゃのうて。なんじゃその妙に心がささくれ立つ声色と表情は。この毛玉の背に乗れと言うて
おるのじゃ。ほれ早く」

 ぱんぱんに膨れ上がり、もはや本来猫であるとは思えない大きさにまで達している毛玉。とは言って
もやはり本来は所詮猫。背に乗ったりして大丈夫なのだろうか。柄にもなく冷静な思考を回そうとした
迅九郎だったが、それを許さないのが鬼のババア。

「まったくもう、何を躊躇しておるのじゃこの狸めは。わしが乗れと言ったらさっさと乗るのじゃ。ほ
れどすーん! なんちてな」
 考え込む迅九郎にほぼ不意打ちの形で、ガラ空きの背後に渾身の体当たりをかます鬼のババア。奇襲
を受けた迅九郎は赤い虎柄の毛玉へ目がけ、声を上げることもできずに崩れ落ちていった。

433狸よ躍れ、地獄の只中で:2010/08/10(火) 00:14:45 ID:MqhQA7uY0
「成程。やはりこのアカトラとやらは化け猫の類でござったか。しかしこの背中、ふかふかとしてなか
なか心地よいなあ」
「こ、こら狸! あんまりもふもふしちゃダメニャ! くすぐったいのニャ! バランス崩して落っこ
ちても知らんニャ!」 
「わしもアカトラの背に乗るのは久しぶりじゃが、ほんにそなたの背は落ち着くのう。毛並みもよいし、
柔らかいし」
「大姐様までもふもふしちゃダメニャ! ダメニャ!!」

 屋敷の玄関先での悶着から数刻。迅九郎は藤ノ大姐とともに、アカトラの背に跨って地獄の空の人と
なっていた。この「空を飛ぶ」というのも、化け猫アカトラが持つ術の一つだそうだ。地獄の化け猫は
結構多才なのだなと、迅九郎は少し感心していた。

 しかし何より、その背の心地よいこと。あまり速度は出せないらしく、ふわふわのんびりと揺られる
その感覚と相まって、眠りの世界に誘われることすでに数度。早くも自分がなぜ今この背に乗っている
のか忘れそうになっている迅九郎だった。

 もう何度目かもわからない睡魔の襲撃にいよいよ屈服しかけた、ちょうどその時。
「狸よ」
 背後にいる藤ノ大姐が声をかけてきた。眠気を振り切って答える。

「何でしょう」
「退屈じゃ。何か面白い話を聞かせよ」
「は?」
「は? じゃのうてえ。なんでそなたの「は?」はこうも神経を逆なでられるのじゃ? ほれ、なんか
あるじゃろ? 面白い話。例えば……」

 藤ノ大姐はそこで、思いっきりわざとらしい溜めを作った。こういうわざとらしさというのは、相手
も次の言葉をうすうすは感づいているだろうという前提があって意味をなすのだが、ぼんやり狸の迅九
郎の場合は話が別だ。迅九郎は次の言葉が何かなど考える気さえなかった。すでにまた眠気に襲われか
けてすらいた。

「そなたの持つ刀について、とかな」
「……この刀。童子切について、でござるか」
「そうそう。その『童子切』についてじゃ」

 眠気は、すっかりと覚めていた。

434狸よ躍れ、地獄の只中で:2010/08/10(火) 00:15:23 ID:MqhQA7uY0
 ふわふわと浮遊するように飛ぶアカトラの背中の上で、迅九郎は背後にいる藤ノ大姐のほうに体ごと
向き直る。空の上なのだが、彼はその辺意識していないのか、臆することもなくひょいひょいと身軽な
身のこなし。おそらく何も考えていないだけなのだろう。

「まず、先に申し上げておくべきことがござる。実はこの刀……」
「う、うむ」

 わざわざ空の上で体の向きを変えて、真摯な表情で語る迅九郎に、藤ノ大姐も少し身構える。迅九郎
の尻のあたりから、ごくりと唾を呑むような音がする。アカトラだ。両者とも、迅九郎の次の言葉を聞
き逃すまいと構えている。

「この刀、刀身がないのですよ」
「は?」
「ニャ?」
「おや、聞き逃したんでござるか? この刀、刀身がないのですよ。刀身がないのです、この刀」

 藤ノ大姐、「は?」と言った表情からまるで動かない。それはきっとアカトラも同じだろう。おそら
く迅九郎の言葉は聞こえていない。
 空気の読めない侍、迅九郎。追い打ちをかけるように、
「証をお見せするでござる。じゃじゃん! どうでござる? 刀身ないでござろう?」

 となぜか愉快気に言って、鞘から柄を引き抜いて見せる。その言葉通り、ぎらりと鈍く揺らめく、数
多の妖物の血を吸ってきたいわくつきの刀身など、そこには存在しなかった。

 藤ノ大姐はいまだに「は?」の表情のまま凍りついていた。ぱちぱちと瞬きをしていることから、と
りあえず生きてはいるようだと、迅九郎は無用の納得をした。

 かちん、と小さな音を鳴らして、刀身のない刀を鞘へと戻す。ふっと一つ、小さな息をつく。

「言うまでもないことですが、『童子切安綱』という銘の刀は、この世……ではなく、現世に一振しか
ございませぬ。まあ厳密にいえば『童子切』などというのは銘ではなく……いやそれはいいとして。由
緒ある武家、源氏のさるお方が鬼退治に使われたとされるのが、童子切安綱でござる。大姐様であれば
勿論、御存知でいらっしゃいますね」

「む、無論じゃ。あの頃は酒呑の一族も……あ、なんでもないぞ。ほれ、続けよ」
「源氏の御名と輝かしい名声に泥をかけるつもりは毛ほどもありません。ただ、真の童子切安綱は、拙
者が持っているこの刀なのです」
「ほうほう。謎がみすてりいというやつかの。面白いのう、続けるのじゃ」

435狸よ躍れ、地獄の只中で:2010/08/10(火) 00:15:58 ID:MqhQA7uY0
 刀身ない発言の衝撃もようやく薄れてきたか、藤ノ大姐は迅九郎の話にずいと身を乗り出す。はだけ
た着物の中が見えかけて、さすがに焦った迅九郎は、腰にさした愛刀に目をやる。

「源氏の御大将が使われた安綱の刀身は、もともとこの刀の刀身でした。いつ、どうしてこの刀の刀身
だけが失われたのかは拙者存じません。ですが拙者がこの刀を手にした時、この刀もまた『童子切』と
呼ばれていました。そしてまた、そう呼ばれるにふさわしい力を持つ刀だったのですよ、こいつは」

 真剣な表情で綴られる迅九郎の言葉に、ふむふむと納得しかけていた藤ノ大姐だったが、ここであか
らさまな矛盾に気付く。
「待つのじゃ狸。その刀、刀身がないじゃろうが。刀身がない刀に力も宝もあるものか」
「あ、さすがです大姐様。あっさりばれてしまいました」

 てへ、という表情でうそぶく狸。藤ノ大姐、大噴火寸前である。
「されど、拙者の持つこの『童子切』にはちょっとした秘密があるのです。この刀の――」
「お喋りはそこまでニャ! 鬼婆、近いニャ!」

 アカトラの緊迫した声が、迅九郎ののんびりした言葉を遮った。アカトラの発言で迅九郎はようやく
当初の目的を思い出した。鬼婆退治。確かそうだったはずだ。

 屋敷からどれほど飛んできたのだろうか。時間で言えば結構長かったように思うが、なにぶん毛玉と
化したアカトラはただ浮遊しているだけで、速度などないに等しかった。それを考えれば、距離は大し
て離れていないのかもしれない。

 真っ黒の厚い雲に覆われた空と、灰色の濃い霧に覆われた、眼下に広がる沈みこんだ大地。華やかで
きらびやかな花の蔵屋敷が、幻であったかのようにも思えてくる。

 地獄。ここは、やはり地獄。誰もが厭うその地へと、自分は落ちた。

 ――無意味なことなど何もない。何かを無意味だと思うかどうかは、己の気持ち一つだ。

 生前、そんな言葉を誰かから聞かされたような気がする。
 自分はこの言葉に賛成はしなかった。でも今、少しだけ――

「死でさえも、意味はあるのだろうか。地獄に落ちたこと、心ならずもそこに留まっていること。それ
ら全て、意味があるというのだろうか」

 少しだけ、信じてみようかと思った。


 第四話『刀語、でござる……だ、題名考えるのが面倒だっただけでござる! パクリとかじゃござらんし!』終

436名無しさん@避難中:2010/08/10(火) 00:16:51 ID:MqhQA7uY0
投下終わりです

437名無しさん@避難中:2010/08/10(火) 00:41:49 ID:dFMuojjcO
空飛ぶ猫バス乗りたいです(^p^)

438名無しさん@避難中:2010/08/10(火) 15:31:25 ID:5e.31WbQO
規制中で代行できないけど、こちらに感想をば

なんか迅九郎と藤の大姐っていいコンビだなw いや、アカトラ含めてトリオかw 次回鬼婆登場に大期待!!

439名無しさん@避難中:2010/08/10(火) 17:41:32 ID:RJDrlwoQ0
アカトラー!俺だー!モフモフさせてくれー!

440名無しさん@避難中:2010/08/14(土) 21:12:10 ID:KKETLjLoO
戦場に散った日本兵の英霊が、
60年の時を経て日本に帰って来るっつーまるで地獄世界みたいなドラマやってるぞ

441名無しさん@避難中:2010/08/14(土) 22:22:12 ID:F3lNBr2MO
『帰国』だね

442名無しさん@避難中:2010/08/14(土) 22:37:56 ID:HZggZ3X20
それと僕的にはあれは日本じゃなくて『ジャポネ・ジャーパン・ジパング』と呼びたい

443名無しさん@避難中:2010/08/14(土) 22:39:04 ID:QAq6Jz0Y0
お前ら生きてたのか

444名無しさん@避難中:2010/08/14(土) 23:07:22 ID:KKETLjLoO
全然死んでないんだけど、規制で投下出来ないよね

445名無しさん@避難中:2010/08/14(土) 23:12:16 ID:HZggZ3X20
生きているけど投下する人間じゃないんだ
そして規制されている

446名無しさん@避難中:2010/08/14(土) 23:41:45 ID:QAq6Jz0Y0
そうなのか……
俺はあんまりにも過疎だから他所に浮気しつつある……

447名無しさん@避難中:2010/08/14(土) 23:50:47 ID:F3lNBr2MO
盆正月は忙しい境遇なのと、執筆環境を変えたらパタリと書けなくなった次第で
でも盆明けたら本気出す

448名無しさん@避難中:2010/08/17(火) 21:55:43 ID:Ohx1K2LIO
白狐と青年投下きてりゅうぅぅぅぅっっ
何だろう、俄然やる気が出てきた

449名無しさん@避難中:2010/08/18(水) 14:49:31 ID:sa4/bHXs0
投下あったし久々に本スレに書き込みたいけど
おのれ規制ーーーーーーーーー!

450名無しさん@避難中:2010/08/23(月) 23:55:38 ID:QxpDSxdw0
さみしいな

451名無しさん@避難中:2010/08/24(火) 07:04:08 ID:XpqGBk7s0
ああ……

452名無しさん@避難中:2010/08/24(火) 07:30:30 ID:Xle96pj2O
少しは書き溜まってるが書き込めない
もういっそここに書こうかな

453名無しさん@避難中:2010/08/24(火) 19:12:05 ID:jDuGbbkcO
シェアワスレはいつでもウェルカム

454名無しさん@避難中:2010/08/25(水) 02:59:33 ID:3I/lFtq20
かつて一日一回は投下のあったみんなで世界を創るスレというものがあってな…

455名無しさん@避難中:2010/08/25(水) 04:29:04 ID:NQR8kIsU0
しかしそのスレは移転クライシスの煽りを受けてしまったんじゃよ…

456名無しさん@避難中:2010/08/27(金) 20:32:36 ID:l9JpREucO
執筆環境が復旧。さあ書くぞ!!
相変わらず本スレにゃ書き込めないが……

457名無しさん@避難中:2010/08/27(金) 23:44:18 ID:kFo/st9UO
誰か投票スレでキャラ解説してあげようぜ
にわかの自分は書くべきじゃないと思うので

458名無しさん@避難中:2010/08/27(金) 23:46:55 ID:34VJSA620
kwsk

459名無しさん@避難中:2010/08/27(金) 23:51:04 ID:34VJSA620
自己解決しますた

460名無しさん@避難中:2010/08/28(土) 00:34:00 ID:UAV0OUdw0
本日は創作発表板の2周年記念日です!

現在、創作発表板の2周年企画として行っていた「キャラクター人気投票」の結果発表にあたり
その際に読み上げる、簡単なキャラクター紹介文を募集しております
もちろん、創作物という形での紹介も大歓迎です!

お隣さんと絡む機会の少ない板ですが、2周年のこの日は板の世界を楽しんでみませんか?

会場
【2周年記念】創発キャラクター人気投票アピール会場
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1280318388/

創作発表板@wiki−人気投票
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/801.html
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/851.html


紹介する時のテンプレート
欲しい情報としては
【キャラクター名】
【登場するスレ】
【キャラの説明】
【スレッドの内容】

らしいです
トエル・大賀美夜々重・湯乃香・クズハが投票所に名前があったのでよろしかったら紹介文等書いてみてはいかがでしょう

461名無しさん@避難中:2010/08/28(土) 03:20:45 ID:GDc96FjA0
うおおおおおおおおおおおおババアアアアアアアアアアアア!!
藤のおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!
俺だあああああああああ!!ご飯よそってくれええええええええええええええ!!

462名無しさん@避難中:2010/08/28(土) 09:40:52 ID:KFBQR9f.0
それを猟師が鉄砲で撃ってさ
煮てさ焼いてさ食ってさ

463名無しさん@避難中:2010/08/31(火) 17:07:05 ID:6pc0tbQc0
最後の最後で規制入ったよ↓代行誰か頼みます…


―次回予告。
水萌を襲う怪事件。その事件に立ち向かうは我らが再生機関!
「ふえぇ、おおいそがしですし」
なぜ歌姫から声が消えるのか、犯人は一体…!?
「これって、金田一的に言ったら犯人死ぬパターンだよね」
刻々と迫る声魂祭までの時間。そして現れる謎の男……
「僕達の周りを嗅ぎまわってるみたいだけど、計画の邪魔はさせないよ?」
「特別に見せてあげよう……僕の力をねッッ!!変身!」『"Fusion Load"』
次回・正義の定義第十一話
     『NEXTフェイズ』
君にこの謎が解けるか!?


投下終了。
最後二人は物語の本筋に関わってくるであろうグループの一員です。
本来出す予定のなかったキャラですけど、過疎とかモチベーションとかの問題で投げ出してしまいそうなので
投げ出すよりかは展開早めにして早期決着すべきと思い、二人を出しました。でも、もうちょっとだけ続くんじゃよ。
これを気に人が戻ってきてくれればいいな,カムバックみんつくスレ民!

464名無しさん@避難中:2010/08/31(火) 17:08:54 ID:6pc0tbQc0
とか言ってるけど自分もかなり投下サボってたって話なんだけどね。
以前の勢いを取り戻せたらいいな。

465名無しさん@避難中:2010/08/31(火) 20:54:02 ID:nXC0pxRIO
規制中なのでこちらで投下乙!!
声を奪う異形ってよくいそうで意外と思いつかないw
さて、俺も頑張って続き書こうかw

466名無しさん@避難中:2010/09/01(水) 17:46:08 ID:VGHwK95.0
落書きクズハちゃん!
ttp://a-draw.com/contents/uploader2/src/a-draw1_24104.jpg
前に書いたのからずいぶんで髪型が変わったようなそうでないような
あと自分の中の桃太郎のイメージはこんなん
ttp://a-draw.com/contents/uploader2/src/a-draw1_24105.jpg

467名無しさん@避難中:2010/09/01(水) 17:55:45 ID:zm3OTISY0
うおおおおおクズハたぁぁぁぁぁん髪の毛もふもふさせろおおおおおおおお

468名無しさん@避難中:2010/09/01(水) 20:46:10 ID:BVQdu7goO
ぐっじょぶだが桃がww

469名無しさん@避難中:2010/09/01(水) 22:09:44 ID:2mbwKB.k0
おお、GJ!
だがしかし桃太郎がなぜか鬼に見えるww
某高木さん扮する緑色の鬼のせいだろうか

470名無しさん@避難中:2010/09/01(水) 23:01:31 ID:v7IzUaTA0
クズハかわいいよクズハ

桃太郎の表情www

471 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:41:28 ID:ukeca/Hg0
NEMESIS 第8話 回想〜クラウス・ブライト、セフィリア・ブライト

ある晴れた日の昼下がり、クラウスとセフィリアは聖ニコライ孤児院にいた。赤ちゃんが捨てられていたあの日、8人全員、セフィリアを含めると
9人全員で孤児院を何らかの形でバックアップしていくことをシオンが提案し、残る8人もそれに同調した。
話し合いの結果、シオンは孤児院の子供たちの医療費の全額免除、シュヴァルツは資金援助、アスナはブクリエのケーキを全品半額、
フィオは周辺の孤児院周辺の警備強化、セオドールはブルー・スカイハイの無料ライブと作詞作曲に興味がある子供たちのための、作詞作曲講座や
古今東西の様々な楽器を使った音楽教室を実施、クラウス、セフィリア、ベルクト、アリーヤも何かできることは必ずあるはずと模索しつつ、
2週間に一度の9人による劇に参加していた。今日はその第一回目公演の日である・孤児院には10歳にも満たない幼児や大学生とその年齢層はピンキリなので、
万人を飽きさせない演目を選ぶ必要があった。そこで白羽の矢を立てたのが、「3150万秒と、少し」である。そのあらすじはというと、次のようなものである。

高校3年生の冬、卒業も間近だということで主人公の2人の少女、アスカとオトハは友人たちや学校の教師たちとスキー旅行に出かけることになった。
だが、楽しいはずのその旅行の最中起きた雪崩にバスが飲み込まれ、アスカとオトハを残して友人たちは全てこの世から去ってしまう。
家族や医者の言葉がむなしく響き、ショックと絶望、喪失感からオトハが街外れにある岬の灯台に行こうと言い出した。その岬から落ちた人はほとんど生きては帰れない。
そんな時、アスカはオトハにある提案をするのである。

「一年だけ、一年だけ待ってくれないかな?やりたいことがあるの。オトハと二人で一年間やりたいことが。それが終わったら一年後にここに来よう」

かくして、アスカの作ったやることリストに従い、二人の「生きる」が始まるのだった―というものである。

配役は、年が近いという理由でアスカをフィオ、オトハをセフィリアが演じることとなった。フィオは自警団の仕事の傍ら練習に参加していたので
うまく演じられるか不安要素はぬぐえなかったのだが、当の彼女はその持前の呑み込みの速さでセリフや動きなどの振付をどんどんマスターしていった。
そして劇は孤児院のホールにて開かれることとなり、滞りなく進み最後には子供たちの拍手喝采とともに幕を閉じた。
そして劇も終わり、9人はそれぞれ孤児院の子供たちや職員たちと交流の時間を持つ。まずアスナは、ローゼ、クララといったブクリエのケーキを楽しみに
している子供たちから今後どんなケーキが食べたいか意見を拝聴しているところだった。こんなケーキが食べたいという子供たちの要望に対して
丁寧にノートにメモを取り、ペンを握る右手を顎に当てて考え込む。どうやらこの段階ですでにレシピなどの構想を練っているようだった。

「うんわかった。試作品ができたらみんなのところに一番に持ってくるからね」

フィオは孤児院の元気な子供たちと庭にて鉄砲ごっこに興じていた。BB弾が目に入らないようにゴーグルを着用させるという配慮をするフィオだったが、
数で圧倒してくる子供たちの集中砲火を受けて逃げ惑っていた。

「いたっ、ちょっと君たちそれは反則だって、あいたっ!」

セオドールはと言うと、モニカやドラギーチといったハイスクールに通うティーンエイジャーの子供たちからサインを求められていた。
彼はスラムを拠点としながらも閉鎖都市全体を通して絶大な人気を誇るロックバンド、ブルー・スカイハイのボーカルであり、3日後には
この孤児院で初の無料ライブを控えていた。ブルー・スカイハイのスケジュール上、ライブよりも先に告死天使たちによる劇のほうが先に公演されることになったのだ。
よって、セオドールが孤児院に来るのはこれが初めてであり、先ほどの劇に出演した時にはどよめきと歓声が巻き起こったものだった。
サインと言っても彼が来ることなど子供たちには事前に知らされておらず、セオドールは彼らの着ている衣服の上に油性マジックでサインを施してゆく。

472 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:42:32 ID:ukeca/Hg0
彼らの人気の秘密はその奏でる楽曲もさることながらファンをとても大事にすることだった。スラムで行うライブの後にはメンバー全員で観客と握手を
交わしてゆくことなど当たり前。さらにファンレターはメンバー6人全員で手分けして返事を書き、その最後にはメンバー全員の直筆のサインが入るという
凝りようであった。そんなセオドールとブルー・スカイハイについて語るのはまた後日。
シオンはやはり孤児院で育ったという黒人の大男、ポープと何か話をしている。

「ポープさん、私の見立てではどうやらあなたは喉と肺を悪くしているようだが…治す気はないか?手術をすればあなたの喉も肺も健康を取り戻せるのだが」
「オゥ、本当デスカ?ソレナラ是非オ願イシタイデス」

シュヴァルツはというとチューダーと何かお互い通じるところがあったらしく意気投合し、通信機器の話で盛り上がっていた。ベルクトはミシェルにからかわれていた。

「あら、かわいい坊や。お姉さんが大人の魅力をたっぷり教えてあげましょうか?」

妖艶な口調で語りかけ、ベルクトの肩に腕を回すミシェルだが、未成年をたぶらかすんじゃないとゲオルグに止められた。
一方、ベルクトはと言うと苦笑いを浮かべていた。アリーヤはイレアナと世間話をしている。

「いつもあの子供たちの世話で大変だろう。赤子から学生まで様々な年齢の子供の面倒をみるというのは」
「あらあら、私だってこの孤児院で育った身だし、あの子たちの笑顔や生き生きとした姿を見ていれば少しくらいの苦労はすぐに吹き飛ぶから」

そして、クラウスとセフィリアは…ゲオルグと話していた。子供たちがブクリエのケーキを楽しむあの部屋のテーブルについてアスナが持ってきたケーキと
シオンが持ってきた紅茶を淹れてティータイムの傍ら様々な話をしている。クラウスとセフィリアが初めてゲオルグと出会ったときに託した赤ちゃんが
この孤児院で元気に暮らしていることを先ほど確認し、このゲオルグという男が誠実かつ信頼できる人物だということをクラウスとセフィリアは知った。

「ゲオルグさん、約束を守ってくださってありがとうございます」
「気にするな。君たちの友人たちには世話になっているからこれくらいのことは当然だ」

セフィリアが感謝の言葉を述べて、ゲオルグがそれに答える。セフィリアもクラウスも衣装から着替えていたが、セフィリアは孤児院に来る時は
常にクラウスからもらったあの白いコートを身に纏うことにしている。シオンがそう思うようにセフィリアにとっても孤児院の子供たちは大切な存在。
この殺伐としたスラムにおいて聖ニコライ孤児院だけがそこから隔絶された空間であり、多くの人間が住んでいてもさながら一つの家族のような雰囲気を醸し出している。
そんな存在と触れ合うのに継ぎ接ぎだらけのぼろぼろの服を着ていく訳にはいかず、故にこの純白のコートを身に纏うようにしているのだ。
一方、クラウスはと言うと…あの告死天使の黒装束を身に纏っていた。赤ちゃんを引き渡したあの日以来クラウスとセフィリアは何度か聖ニコライ孤児院に
出入りする機会があったのだが、ゲオルグはどうやら告死天使の存在を信じてはいないようだった。あの時アリーヤが広げた8人の直筆のサインが入った
誓約書をゲオルグとアレックスにも目の当たりにしたというのに。そこで、クラウスとセフィリアは今日一つずつの決めごとを持ってこの孤児院にやってきた。
まずクラウスは、自分が告死天使だということをゲオルグに信じてもらうことだった。だが、それはこの孤児院に二度と足を踏み入れられなくなるという可能性も
孕んでいた。自分は貴族を3人、聖ヘスティア学院の女生徒たち6人、計9人もの命を奪った殺人鬼だ。それがたとえ自分が生まれ育ったスラムを守るため、
傷つけられた仲間の敵を討つためとはいえ、人の命を奪ったという事実に変わりはない。だが、目の前の誠実かつ心優しいこの男に対してこれ以上
自らの素性を隠すことなどできなかったのだ。明るい笑顔でゲオルグと言葉を交わすセフィリアとは対照的に神妙な面持ちを浮かべてクラウスは切り出した。

「あの、ゲオルグさん。今日は一つお話したいことがあるんです。今僕が着ているこの服、あなたと初めて会ったときにも身に纏っていましたが、
 実はこの服こそがあなたがその存在を疑う告死天使が身に纏う装束なんです。僕だけじゃなく、セフィリアを除いた全員が告死天使のメンバーです」

473 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:44:08 ID:ukeca/Hg0
そしてクラウスはこの装束が黒い理由は、夜間迷彩としてだけではなく、犠牲者に対する喪服としての意味合いも含めていることを語る。
これで告白は終わった。クラウスは固唾を飲んでゲオルグの答えを待つ。ゲオルグがたとえ二度と目の前に現れるなという言葉を口にしてもこれなら後悔はない。
だが、次にゲオルグの口から出た言葉は意外なものだった。

「クラウス君…君が何者であろうがそんなことは関係ない。ただこの二週間、君たちと接した子供たちは口をそろえてまた来てほしいと言っていた。
 君たちは俺たちにできないことができる。だから、これからも孤児院に来てくれるとありがたい」
「ゲオルグさん…ありがとうございます…」

クラウスの告白に対するゲオルグの解答を得た瞬間、彼は目頭を押さえてゲオルグに頭を下げた。セフィリアから白いハンカチを手渡され、クラウスは目を拭う。
そして、ハンカチをセフィリアに返すと、それを合図と言わんばかりに今度はセフィリアがゲオルグに切りだすのだった。

「ゲオルグさん、私もあなたに聴いていただきたい話があるんです。私と…クラウス兄さんの過去についてです」

セフィリアの思いがけない言葉にクラウスは驚きの表情を浮かべて彼女のほうを向くが、その瞳には不退転の強い決意が宿っていた。
彼女のそんな瞳にクラウスはふっとひとつ鼻で息をついてゆっくりと頷いた。それを皮切りとし、セフィリアは語り出す。

クラウス・ブライトとセフィリア・ブライトがともにこの世に生を受けたのは今から20年前。当時このスラムで小さな酒屋を営んでいた父・カルロスと
その酒屋の一番の常連客だった母・アリシアとの間に生まれる。アリシアは25年前、14歳のときにに初めてカルロスの酒屋を訪れたのだが、
当時彼女はスラムのバーで下働きをしていてよくこの酒屋に買い付けにきていたのだ。週に3回ほど通ううちに彼女はカルロスの穏やかな人柄と容姿に触れて、
だんだんと彼に惹かれていった。カルロスもアリシアの美しい容姿、ブロンドの髪、そして何よりその心優しい性格に触れ、彼女に惹かれていくのだった。
そして21年前、4年間の交際を経て晴れて二人は結ばれることとなった。その新婚初夜、二人は身体を交わらせた。そうしてアリシアが18歳のときに身籠ったのが、
クラウスとセフィリアである。ただ、2人を身籠ったアリシアは産まれた後の2人を育てるために仕事を続けた。カルロスもそんなアリシアを心配しながら
彼女とともに2人を育てるために今まで以上に仕事に励むのだった。そして、アリシアのお腹が膨れて目立ってきたころ、産休としてアリシアは休みを取った。
スラムの病院に入院したアリシアにカルロスは仕事の傍ら付き添い、2人は幸福の真っただ中にいた。

「君のお腹、だいぶ大きくなってきたね。産まれてくる二人の子供にはなんて名前をつけようか?」
「二人で決めましょう。男の子にはあなたが、女の子には私が名前を付けるのはどうかしら?」
「いいね。じゃあ僕は、そうだね…クラウス、なんてどうかな?クラウス・ブライト」
「いい名前ね。それじゃあ私は…セフィリア。セフィリア・ブライト」

474 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:45:12 ID:ukeca/Hg0
こうして産まれてくる二人の名前はクラウスとセフィリアに決まり、そして二人が身体を交わらせてからおよそ10カ月が経ったころ、
ついにクラウスとセフィリアがこの世界に産み落とされる日がやってきた。双子と言うことで難産が予想されたが、神様が助けてくれたのだろう。
医師の予想とは裏腹にすとんと産み落とされるのだった。その出産に立ち会ったカルロスは産まれたばかりの2人を腕に抱いてこの世界でもっとも幸福
であるかのような、そんな笑顔を持ってアリシアに見せる。出産の疲労で疲れ切った表情を浮かべるアリシアも、カルロスの腕の中で産声を上げる
クラウスとセフィリアの姿に微笑を浮かべるのだった。だが、運命は最後の最後に残酷な結末を用意していた。
幸せいっぱいという表情を浮かべる2人とは裏腹に焦った表情を浮かべる医師。その理由は、アリシアの胎盤がいつまでたっても娩出されないことにあった。
通常、赤ちゃんが産まれた後お母さんのお腹の中で赤ちゃんのベッドの役割を果たす胎盤は外に自然に娩出されるのだが、
何らかの理由で胎盤の絨毛組織が子宮の筋層に侵入していた場合、胎盤が子宮から剥がれずに、医師が直接剥がさない限り出産の進行が不可能になる。
これを癒着胎盤という。幸せに水を差すようで悪いのですが…と前置きをしたうえで医師がカルロスとアリシアにそれを説明する。

「治せるんですよね。ならすぐに治してください」

確かに医師の手を加えれば胎盤を剥がすことはできる。だが、癒着胎盤の問題はこの先にある。胎盤を剥がすときに大量の出血を伴い、それを原因として
最悪の場合、失血死の可能性もある。それをカルロスとアリシアに説明する医師。そして、医師は説明を終えてある書類を彼に手渡した。
それは…誓約書だった。万が一、アリシアが死ぬようなことになっても自警団当局の捜査の結果医療ミスが見つからなかった場合、
医師を提訴することはしないという内容であった。手術にはどうしても必然的リスクは付きまとうのだが、そこにまで重箱の隅をつつくかのように
やれ提訴だやれ裁判だなどと吹っかけてくる輩が後を絶たず、医師不足の原因の要因の一つになってしまっているという現実がある。
それを防ぐために、医師はあらかじめ家族にこのような誓約書を用意し、サインを求めるのだ。医師がこの書類の趣旨を説明し、それに納得しサインするカルロス。
その書類を金庫に保管するようにと看護師に手渡して、医師は胎盤を剥がす手術に入る。まずアリシアに麻酔を投与して眠らせ、
それを確認した後帝王切開で彼女の腹部を開き、子宮に張り付く胎盤を剥がそうと試みる医師。慎重に剥がしていき、ようやく胎盤を完全に娩出することができたのだが
やはり大出血がおこる。すかさず止血に移行する医師だったが、出血は収まらない。この場合、子宮そのものを摘出する必要があり、出血によって失われた血を
補うために輸血を行いながら、彼女の腹部から子宮は摘出された。血圧も安定し、アリシアは分娩室を後にし、病室のベッドにその身を横たえた。
しかし、医師から麻酔の効力が切れて覚醒するであろうと告げられた時間を過ぎてもアリシアは目覚めなかった。カルロスは麻酔の過多投与を疑ったが、
手術チームの麻酔科医が指示して書記に書かせたカルテに記載された麻酔の量は正常なものであり、過多投与は考えられなかったのだが、
結局その後アリシアが目を覚ますことはなかった。その悲しみの矛先も、カルロスが書いた誓約書、ならびにカルテが医療ミスではないことを証明している以上
医師たちに向けることも出来ずにカルロスは悲しみに打ちひしがれた。だが、カルロスには生きる希望がしっかりと残されていたのだ。
眠りに就いたアリシアが残した、クラウスとセフィリアである。二人が産まれてからおよそ2週間、カルロスは病院から二人を引き取り、
自宅を兼ねた酒屋で育てることとなった。といってもカルロスは育児など当然したこともなく、最初のうちは育児書を見ながら悪戦苦闘の日々を送ることになる。
しかし、カルロスはそれでも虐待や育児放棄など決してすることなく極めて献身的に2人を育てた。その姿は酒を買いに来る客からも好意的に映り、
酒屋の売り上げも安定し二人の養育費には事欠かなかった。しかし、二人が物心ついたころ、カルロスはクラウスとセフィリアから当然の疑問を投げかけられる。

「お父さん、なんで僕達にはお母さんがいないの?」
「うん、友達は暗くなってくるとお母さんが迎えに来るけど私たちにはいないから」

カルロスは少し悩んだ末に、二人の疑問に対してこう切り返した。

「お母さんはね、クラウスとセフィリアが生まれてすぐに遠いところにいっちゃたんだ。二人をよろしくって言い残してね。多分もう戻って来ないだろうな…」

475 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:46:10 ID:ukeca/Hg0
周りの友人たちに母親がいるのに自分たちにはいないという悲しさ、寂しさを抱えながらもその母親の分の愛情を注いでくれるカルロスの言うことを
二人は素直に聞いた。そして二人が小学校に入学し、カルロスの負担も軽くなりこれまで育児で疲れていた身体、精神をようやく休められることとなった。
一方、クラウスとセフィリアは学校の計らいで6年間常に同じクラスとなった。最初の3年間こそ周囲と仲良く過ごせていたものの、
4年生となり、だんだんと大人に向けての成長のプロセスの中で心が成長していくのだが同時に不安定になりがちな時期でもある。
そんな中で、「性」に興味を持ち始めた男子、女性としての「美しさ」をまだ幼いながらに意識し始めた女子からセフィリアは興味と嫉妬の対象となり、
毎日のようにからかいやいじめの対象となった。しかし、そんな妹を常に守りつづけたのが、クラウスだった。
男子からのからかいに対しては、当時ボクシング、キックボクシング、空手、ムエタイ、テコンドーなどあらゆる立ち技格闘技を織り交ぜた総合格闘技
「R(リング)-1」のミドル級チャンピオン、アルバート・サワー選手を模倣したキックで応戦、嫉妬から浴びせられる女子たちからの心ない言葉に対しては、
閉鎖都市で毎年11月の初頭に開催される「ディア・デ・ムエルトス」というフェスティバルの出し物の一つである、
バカみたいに笑う骸骨(エスケレト)を模倣しながら、彼女たち以上の暴言を浴びせた。そのため、逆に泣いてしまう女子が続出し、担任教師からしばしば
叱責を受けたが、クラウスのこの行動が見事に功を奏して一月足らずでセフィリアに対するからかいやいじめはなくなった。
これら一連のクラウスの行動が8年後アスナから「サディスティッククラウス」と呼ばれドン引きされた行動の前身であった。
だが家ではそんなクラウスの行動もセフィリアはカルロスに誇らしげに語るのだった。

「お父さん、今日もお兄ちゃんが助けてくれたの。すごくかっこよかった」
「偉いなクラウス。よし、今日は二人の大好きなカレーを作ろうか」

それから2年がたち、二人は6年生になった。不安定だった周囲の少年少女の心も落ち着きを見せ始め、二人はその後トラブルに巻き込まれることなく
無事に小学校卒業の日を迎えることになる。体育館で開かれた卒業式にて卒業証書を受け取り、一月後に待ち受ける中学校入学の日を心待ちにしながら
二人は帰路に就いた。しかし、その道の中で事件が起こるのだった。当時、スラムでもきっての武闘派として名を馳せていた高校生の不良グループ3人と
運悪く鉢合わせしてしまったのだ。治安の悪いこのスラムで名を馳せるだけあり、3人とも筋肉隆々とした身体つきに見るものを圧倒させる威圧感ある
出で立ちとなっていた。当時から同学年の男子からは憧れ、女子からは羨望の眼差しで見つめられるほど綺麗だったセフィリアをその不良3人が放っておく
はずもなく、2人は襲われてしまうのだった。
クラウスは当然のようにセフィリアを守ろうとするが相手は体格が自分とは2回りも違う筋肉隆々とした高校生。勝てるわけもなく一蹴され、
取り押さえられてしまうのだった。それでも必死にもがいて抵抗するクラウスを地面にうつ伏せに押さえつける不良。
そして、下卑た笑いを浮かべてクラウスにタバコ臭い吐息とともに言い放つのだった。

「ヘッヘッへ。お前の可愛い大事な妹は俺たちがたっぷり可愛がってやるからなぁ」

取り押さえられながらもその眼前で残る二人の不良に組敷かれながらも必死に抵抗するセフィリアをなんとか助けようとクラウスはもがいた。
しかし、その抵抗に腹を立てた不良に後頭部を思い切り殴られて気絶してしまう。朦朧とする意識の中、クラウスは何故か自分の背が軽くなったのを感じた。
だがそれも薄れゆく意識の中での錯覚か何かだろうと認識し、そしてクラウスの意識は深い闇へと落ちて行った。
その闇の最中、彼は夢を見た。場所は自宅だろうか。いつも父親とセフィリアの三人で食卓を囲むリビングで、そのテーブルに就いているのだが、
今自分の眼前にいるのはセフィリアでもカルロスでもなく、真っ黒な服、そうたとえるなら喪服に身を包んだ20歳くらいの青年だった。
その青年がクラウスに語りかける。

「クラウス君、君はついさっきそうしたようにこれからも大切な人を守りたいかい?」

476 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:46:59 ID:ukeca/Hg0
青年がなぜ自分の名を知っているのかは分からないがクラウスはその問いに頷いてYESという意思表示を彼に見せた。すると青年はニコっと笑顔を見せてまた口を開いた。

「それなら君が目覚めたあと最初に現れる老人についていくといい。きっと君にその力を授けてくれるだろうさ。そしてこれは僕からの贈り物。
君が大切な人を守りたい、助けたいと思ったときに使うといいよ。ただし、決して自分のためには使っちゃいけないよ?」

と言ってその青年はクラウスに何かを手渡した、のだがそこで目が覚めてしまった。目を覚まし身体を起こすとそこにいたのは、
見慣れない2人の少女と白髪頭の老人がいた。場所はどこだろう。クラウスはあたりを見回した。ここは…僕の家?
クラウスは自宅の寝室のベッドに寝かされていたのだ。そして、隣のベッドに目を向けると、
ところどころ破れ下着が見えてしまっている服を纏ったセフィリアが目を閉じて横たわっていた。彼女もクラウスと同じようにあの直後、気を失ったのだ。

「すいません。危ないところを助けていただいて。それにしてもあなたたちは一体何者なんですか?」
「ほほほ、自己紹介がまだだったようじゃな。儂はケビン・ケールズ。この廃民街に本社を構えるCIケールズ社の創業者じゃよ。そしてこの2人が…」
「アリーヤ・シュトラッサーだ。歳は17。ケビン様の一番弟子だ。そしてこの銀髪の娘が…」
「シオン・エスタルク。16歳。君にのしかかっていたゲスを払ったのは私だ。君のような誇り高き少年にあのようなゲスがいつまでも乗っていていい訳はないだろう?」

クラウスが気を失う直前感じた背中が軽くなったような感覚。あれは錯覚ではなかったのである。シオンによると不良がクラウスを殴りつけたその直後、
彼の顔面に強烈な回し蹴りを叩き込み、一撃のもとにKOしたというのだ。セフィリアを組敷いていた残る二人の不良はというと、
ケビンとアリーヤが背後から頸部めがけて手刀を繰り出して一撃のもとに気絶させた。そして、クラウスの通学カバンに記されていた彼の住所を元に
クラウスとセフィリアを彼らの自宅まで運んできたという訳だ。ケビンたちがたどり着いた時カルロスは店頭で店番をしていたのだが、
見慣れない老人とどこかの学校の制服を身に纏う2人の少女に抱えられたわが子の姿を見て、事態がよく飲み込めずに混乱していたが、
ケビンが彼に一から事情を説明し、ようやくカルロスは事態を把握することができた。そして愛する息子と娘を救ってくれたケビンとアリーヤ、
シオンに深く頭を下げるのだった。その後カルロスは3人を家の中へと案内し、気を失ったままのクラウスとセフィリアをベッドの上へと横たえた。

「息子と娘のそばにいてやりたいのですがこれから配達がありまして…申し訳ないのですが2人のそばについてやってくださいませんか?」
「大丈夫じゃよ。乗りかかった船じゃ、2人は儂らが見守っておるから安心して仕事に行ってくるとよい」

よって今カルロスは配達中であり、部屋の中にカルロスの姿が見えないのはそれが理由であった。クラウスが少し口ごもりながらも再び口を開く。

477 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:47:46 ID:ukeca/Hg0
「あの、助けてもらったお礼…しないといけませんよね…僕はなにをすればいいのでしょうか?」

そのクラウスの問いにケビンはただ微笑み、クラウスに鼻先と鼻先とが触れ合うほど顔を近づける。そして彼の瞳を覗き込み、言った。

「クラウス君…と言ったかの。よい瞳をしておるな。唐突で悪いのじゃが、儂のもとで修業する気はないかの?
 さすれば先刻の暴漢に襲われてもおぬし自身、あるいはおぬしの大切な人を守れるようになるでの」

ケビンのその提案にクラウスは考えこむ。このお爺さんは優しそうだが修業は大変そうだ。僕にその修業は耐えきれるのだろうか。正直自信はない。
しかし、ここでクラウスは先ほどの夢に出てきた青年の言葉を思い出す。そうだ、僕は大切な人を守りたい。セフィリアを二度とこんな目にあわせちゃいけない。
そのためには僕自身が強くならなくちゃいけない。ならば、答えは決まっている。

「わかりました。ケビンさん…でしたね。あなたの弟子にさせてください」

クラウスの答えに満足した様子のケビンは再び微笑み、クラウスと握手し言った。

「決まりじゃの。儂の修業は厳しいがしっかりとついてくるのじゃぞクラウス君。さて、君のお父さんが帰ってきたら話を通しておかねばならんの」
「お前がケビン様の3番目の弟子と言うことになるな。これからよろしく頼む、クラウス」
「私からもよろしく頼むよ、クラウス君。誇り高き君とともに修行することができて光栄に思うよ」

そして、アリーヤ、シオンとも握手を交わすクラウス。それからおよそ30分後、配達業務から戻ってきたカルロスにケビンはこう話した。

「カルロスさん、ここはスラムじゃ。また今日みたいなことが起こらないと断言できん。そこで儂がクラウス君を鍛えて、自分の身を自分で守れるように
 してやりたいのじゃが、どうじゃろうか。すでにクラウス君の同意は得ておるでな」

そのケビンの提案にカルロスもまた考える。修業だって?僕のいない間にそんな話が出来上がってたんだ。修業と言うのだから当然危険な目に遭うことも
あるのだろう。今も眠り続けているアリシアから託されたクラウスをそんな目に遭わせるわけにはいかない、と言いたいところだけど
相手はそのクラウスとセフィリアを危険を顧みず助けてくれた恩人だ。しかもとてもじゃないけど悪い人には見えない。そして何より、
クラウスがやりたいというのなら僕はその意志を尊重するだけだ。

「わかりました。クラウスを…よろしくお願いします」
「ほほほ、そういってもらえると思っておったよ。それではクラウス君、君さえよければ早速今日からでも稽古をつけてみるかの?」
「はい、お願いできるでしょうか」

では早速準備をということで、アリーヤとシオンを一度自宅へと返し、クラウスに2,3質問する。その内容とは、
1、 どのようなスタイルで戦いたいか。
2、 コミュニケーションは得意か。
3、 好き嫌いはないか。
である。クラウスはその問いに、尊敬するアルバート・サワー選手と同じキックを主体とした戦闘スタイルで戦いたい、
コミュニケーションは、割かし得意なほうである、好き嫌いに関してはそもそもこのスラムで好き嫌いができるほど贅沢はできないと答えた。

「ほほほ、これは愚問であったの。それではクラウス君、儂の道場についてくるがよい。ここから歩いて10分のところにある所じゃ」

そして、クラウスはケビンの道場へ着いてゆくこととなり、これがクラウスとケビンの出会いであった。
着いていった道場には、すでにアリーヤとシオンが制服から私服に着替えて待っていた。アリーヤは、黒い綿生地の長ズボンに黒い長そでのジャケットを身に纏っていた。
一方のシオンは薄水色まで色あせたジーンズに、アリーヤとお揃いの黒いジャケットを羽織っていた。
道場に入ってきたケビンに2人は会釈にて挨拶を交わし、クラウスのほうに目を向け、口を開いた。

478 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:48:37 ID:ukeca/Hg0
「先ほども自己紹介したがこれから先ともに同じ道を歩むのであればお前にも伝えておかねばならないな。アリーヤ・シュトラッサー。このスラムのハイスクールの
 2年生だ。戦闘スタイルは剣術。一年前ようやくケビン様から一人前と認められ、授けられたのがこの妖刀『鬼焔』だ」

と、彼女は左手に握る漆黒の鞘に納められたその刀身を引き抜く。その刀身は青白く鋭く光り、吸い込まれそうなほど輝くその刃にクラウスは思わず恍惚した。
そして、アリーヤが鬼焔を再び鞘に納めると同時にシオンがクラウスに語りかける。

「さて、私も改めて。シオン・エスタルク。聖ヘスティア学院の1年生だ。戦闘スタイルは暗殺。アリーヤさんと違って私はまだ一人前とは認められていないから
 武器はこのような模造の2本のナイフだ。ちなみに私はキリスト教徒でもあるが…これについてはあまり触れないでくれると助かるよ」

この閉鎖都市において、宗教等の規制などは一切行われておらず、故に各々がどんな宗教を信仰しようが全くの自由なのだが、なぜシオンは
触れないでくれと言うのだろうか。何か釈然としないものを感じながらもクラウスはそのシオンの言葉を聞き流すのだった。
そして話はいよいよ本題に映るのだった。広さおよそ50畳ほどの道場の中心に腰を下ろし、クラウスの今後について協議を行う。

「さて、クラウス君。先ほどの質問にて君はキックを主体として戦いたいと言っておったが…一度君の腕を見せてもらえるかの。
 それによってどのレベルから君を鍛えればよいか判断するでの。シオンさん、相手になってやってくれるかの?」
「承知いたしました。さて、それではクラウス君、どこからでも掛かってくるがいい。私が女だからといって遠慮することは…」

シオンが言い終わるよりも先にクラウスは彼女に蹴りかかる。まずは牽制の右ミドルキック。すかさずにシオンはそれを左腕で受け止めて間合いを取る。
その開いた間合いをストライドの大きなワンステップで瞬時に縮め、今度は左ミドルを打ち込む。それを右腕で防ぎ、クラウスが左脚を引いたところに彼の顔めがけて右フックを見舞う。戦闘経験など皆無であろうこの少年に私のパンチが見切れるわけがない。
痛いだろうが許してくれ。シオンはそう思いこのパンチを放った。しかし…クラウスは身をそらすことでそのパンチを見事に回避する。
バカな、と驚愕するシオン。そのフックが空振りし、隙ができたところをすかさずクラウスの上段後ろ回し蹴りがシオンの顔面を捉えた。さらにその回し蹴りに
よる遠心力を利用し、ほとんど間を開けることなく左ハイキックを彼女の顎に命中させる。顎にハイキックの直撃を受けてシオンは大きく態勢を崩して後ろへとよろける。その機を逃さずクラウスは大きく前進し、その勢いのまま右ハイキックを
彼女の顎にクリーンヒットさせる。そして、畳に倒れ伏すシオン。

「それまで!」

ケビンが演習を止め、倒れたままのシオンに歩み寄る。クラウスも彼女のことが心配になり、駆け寄った。まさか戦闘経験皆無の自分が先輩をKOしてしまうなど
夢にも思わなかった。当然最後には本気を出して自分をあっけなく組伏すものだとばかり思っていたし、シオンさんもケビンさんもアリーヤさんも
そう思っていただろう。だが、現実は今目の前にある光景がすべてだ。シオンさんは畳の上に倒れ、僕はいまだに立っている。
シオンを介抱するケビンの元へ駆け寄り、彼女の顔を覗き込む。その瞳にはしっかりと光が宿っていた。それを見て、安堵をおぼえるクラウス。

「クラウス君、君はもうすでに誰かに格闘技を習っているのではないか…?素人の動きじゃなかったぞ…」

シオンはそういうものの、クラウスは誰かに格闘技を習ったことなど一度もなく、強いて言うならやはりアルバート・サワー選手の試合を録画して何度も観察し、
それを模倣した程度である。それを聞いたシオンはフッと微笑えんで言った。

「なるほどな…君は1を聞いて10を知るというタイプの人間だな。素晴らしい観察力とその呑み込みの速さ、大したものだ…」

クラウスが思っていた通りシオンはやはり手加減していていた。彼のキックを受け止めた後即座に反撃、ないしは彼のキックに合わせてカウンターを
打ち込むこともシオンには十分にできた。だが今回の演習の目的はクラウスの力量を確かめること。故にシオンはそれをせず攻撃をガードしても間合いをとるだけだったのだ。

479 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:51:49 ID:ukeca/Hg0
だが、ひとつだけ言うならば…所詮模倣は模倣。君のキックには確かにキレがある。それも抜群の。ただ、重さが全くない。今後の課題はそこだろうな」
「ほほほ、これからの目標が定まったようじゃの。さてクラウス君、シオンさんも言っておるようにこれからは君のキックに重さをもたらすために
 君の脚を鍛えてゆくことになるの。じゃが身体がまだ未成熟の君にいきなり厳しい筋肉改造を施す訳にはいかんでな。少しずつ、進めて行こう」

こうして、クラウスの筋肉トレーニングはスタートした。初めのうちはスクワットなどから入り徐々にセット数を上げて行く。ある程度筋肉ができてくると
それだけでは効率が悪くなるので、空気椅子という壁に背をつけて中腰になることで脚だけで全体重を支えることで筋肉を鍛える方法も採用。
さらに、クラウスが修業を始めてから一週間後にはアスナが、一月後にはセオドール、半年後にはシュヴァルツが、一年後にはベルクトが、
そして大きく時間が空いて四年後にはフィオが加入し、クラウスの修業相手もどんどん増えていった。
修業相手が増えるのに正比例して彼の脚力増強計画も効率化されていき、フィオが加入したころにはトップアスリートにも引けをとらない
強靭な脚を持つに至るのだった。ちょうどそのころ、クラウスはケビンからある提案を持ちかけられるのだった。

「クラウス君のその脚も随分と立派になったものじゃな。さて、クラウス君、今日は君に一つの提案をしたいのじゃが…」

ケビンの提案。それはクラウスにカポエイラというキックを専門とした格闘技を習得してはどうかというものだった。
カポエイラにはヘジォナウ(Regional)、アンゴーラ(Angola)という二つの流派があり、
ケビンはその両方を極めていた。
ヘジォナウは激しくアクロバットな動きが特徴、アンゴーラは儀式的でゆったりとした動きが特徴であり、ケビンはクラウスの俊敏さを生かすならば
ヘジォナウ派を会得してはどうかと勧め、彼もそれに同意した。そして貴族粛清のその日までクラウスはカポエイラの修業に明け暮れる。
ジンガというカポエイラの基本的なステップをまず習得し、次いでアウー、マカーコという側転、バク転を一月足らずでマスターした後、
いよいよカポエイラの真骨頂であるキックの修業へと入っていく。アルマーダという回し蹴り、ケイシャーダという顎をめがけたハイキック。
マルテーロという「ハンマー」を意味する上段蹴り。ベンサォンという前方押し蹴り。ケビン曰くカポエイラの最高奥義である「フォーリャ」。
そして2年前の貴族粛清の直前、ケビンが高齢のため入院することになった時には彼にコンソラ・メストーレ(準師範)並みの実力を備えていると
認められるまでに至るのだった。そんな折、ケビンの息子、ジョセフ・ケールズが貴族たちの計画の一端を掴む。
そして、クラウスは貴族たちの大粛清を経るのだが、一方この6年間セフィリアは何をしていたかというと、至って平和な学校生活を送っていた。
宿題を見せたり見せてもらったり、仲のいいクラスメートたちと弁当のおかずを交換したり、中学から高校まで6年間通して活動したオーケストラ部では、
バイオリンを弾き、廃民街内の学校のコンクールで金賞を受賞したりもした。高校では、学校の中で彼女に告白しなかった男子生徒はクラウス以外にいない
という伝説を作り上げたこともある。ちなみに彼女はその全てを断ったのだが、その際の常套句がこれだ。

「ごめんなさい。あなたの気持はすごく嬉しいのですが…私には好きな人がいるんです…」

彼女の好きな相手が誰であるかは言わずもがなであるとして、そうして高校を卒業し、3年前に酒屋を知人に譲渡し酒場の雇われ店長として働いている
父・カルロスの帰る場所を守り続けていた。しかし、19歳のときにセフィリアをあの時と同じ悪夢が襲う。

「ああしまった。ライムとレモンを切らしてた。セフィリア、悪いけどお金を渡すから買ってきてくれないかな」
「うん、わかった。いってくるね、父さん」

この日クラウスは頭痛のためエスタルク医院に出かけていたため、セフィリアしかいなかった。
二つ返事でそれを引き受け、購入資金を受け取り最寄りの八百屋に足を運ぶのだが…その道中事件は起こる。

480 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:53:54 ID:ukeca/Hg0
7年前クラウスとセフィリアを襲撃したあの3人組と再び鉢合わせしてしまったのだ。24歳になった彼らは7年の歳月を経ても彼らの精神は
少しも成長することはなく、セフィリアの姿を見るなり3人がかりで襲いかかってきた。7年の時を経て背丈の差は埋まったとはいえその筋力には雲泥の差があり、
いとも簡単にセフィリアは薄暗い路地裏に連れ込まれ道路に組み伏せられてしまう。彼女の身に纏う服を引きちぎる役、彼女の手を押さえつける役、
脚を押さえつける役と分担してセフィリアを拘束する。その中の一人、彼女の上着を引きちぎった男が目を血走らせながら言った。

「お前、どこかで見たことあると思ったら7年前のあのかわい子ちゃんじゃねえか。また会えてうれしいよ。俺らに犯られるためにそんなに綺麗になったのか?
 あの時の違ってうざってえお前の兄貴はいねえし、ここなら邪魔も入らねえし思う存分楽しめるってわけだよ。ヒャヒャヒャヒャヒャ!」
「へぇ〜、何を楽しもうというのかな?」

その刹那、背後から聞きなれない声がし、振り返る不良。しかし、薄れゆく意識のなかセフィリアにはその声によく聞きおぼえがあった。

「ああ〜なんだ?痛い目見たくねえならさっさと失せ…」

振り返った3人はそこにいた男の姿を見るなり絶句してしまう。彼らの眼前にはあの告死天使メンバーの一人、クラウス・ブライトが狂気の笑みを浮かべて
立ちつくしていたからだ。その狂気に満ちた笑顔に戦慄する8人。その表情を一切崩すことなく、クラウスは再び口を開く。

「ねえ、質問したんだけど。今から君たち3人はなにを楽しもうっていうのかな?」
「い…いや…あの…その…」
「答えられないのかい、なら当てて見せよう。レイプするつもりだったんだろう?僕の妹を。あの時君が地べたに押さえつけて頭を殴りつけた少年、
さっき君が言ってたうざったい兄貴、それが僕だよ。さて、お手洗いにはもう行った?神様へのお祈りは済ませたかい?
道路の隅でガタガタ震えて命乞いをする心の準備はできたかな?」
「あ……あ……あ……」

恐怖のあまり声も出ない三人。ガチガチと歯を鳴らして腰を抜かして後ろへと後ずさるが、ここは路地裏。行き止まりにぶつかってしまった。
壁に背をつけてガタガタ震える3人のチーマーの前にしゃがみ込み、やはりそのままの表情で語り続ける。

「皮肉なものだよね…7年前僕を蹂躙した君たちがその僕に殺されることになるなんてね。さあ、最期の言葉を聞こうか?」
「あ…頼む…命だけは…た…助けてくれ…」
「うん、当然却下」

そしておよそ9か月前の聖ヘスティア学園虐殺事件以来となる、告死天使による殺戮劇場の幕が開いた。
身体だけではなく、人間の尊厳をも蹂躙するクラウス。跪く男の頭部めがけて踵を振り下ろし、まるでサッカーボールを蹴るかのごとく
その頭を蹴り飛ばす。首がありえない方向に曲がっていて、たとえ命を取り留めたとしても植物人間化は確実であった。

481 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:54:26 ID:ukeca/Hg0
残りの二人も同様の方法で殺害し、その死体を足元にあったマンホールの蓋を開き、ゴミを捨てるかのごとく落としてゆく。
彼らの姿が2度と目撃されることはなかったのはこれが理由であった。マンホールのふたを閉め、クラウスは傍らで気を失っているセフィリアを介抱する。
5分ほど時間が流れただろうか、クラウスの両腕に抱えられたセフィリアがゆっくりとその目を開いた。上着のTシャツは引きちぎられブラジャーが露わとなって
しまっていて、それに気付いたセフィリアはあわてて両腕で胸元を隠す。

「兄さん…これは一体?確か私はあの人たちに襲われて…」
「彼らなら僕が御退場願ったよ。もう二度と君の前に姿を現すことはないから安心するといいよ」
「そう…7年前と同じだね…また兄さんに助けてもらったんだね…いつも私は守られてばかり。私も…強くならないと」
「何を言ってるんだい?君はもう十分強いじゃないか。この貧しい廃民街で泣き言も愚痴も言わずに暮らしてる。その心の強さ…それこそが本当の強さだよ」
「ううん…そういう気持の問題じゃなくて、身体的な…」
「セフィリア…」

彼女の瞳を見てクラウスは思う。セフィリアの気持ちは本物であると。ならばその強くなりたいという彼女の願いを叶えてやりたいと思う。
しかし…師・ケビンはもうこの世にいない。あれだけ優れた指導者はそうそういるものではない。故にセフィリアを鍛錬するのであれば…
告死天使きっての格闘戦のスぺシャリストであるクラウスとアスナがそれを行うのがベターだろう。ならば…

「わかった。君の願いを叶えられるように僕の友人たちと相談してみるよ。それまでは待っていて欲しい」
「うん…ありがとう、兄さん。あ、そういえば父さんからお使いを頼まれてたんだっけ」

しかし、セフィリアの上半身は下着が露出してしまっているので、クラウスの羽織っていた半袖の上着を借りることになった。
ただ、胸が大きいためその部分だけボタンが取れそうになっていたが。そうしてお使いも済ませ、セフィリアの着替えを取りに家に戻り、
先ほどの騒動で汚れてしまった髪を洗うために大衆浴場へと行き、それから夕食の準備に取り掛かるまでにおよそ3時間、クラウスは自室の
ところどころカバーが破れたベッドに仰向けになりながら天井を見上げ、セフィリアの言葉を反芻していた。
(強くなりたい…君の口からそんな言葉が出てくるなんて…ケビンさん、僕はどうしたらいいんでしょうか?)

そして目を閉じる。今は亡きケビンに問うが、もちろん答えが返ってくることなど…

(ホホホ…君が思った通りにすればいいんじゃよ。君はいつだってそうして行動してきたじゃろう?)

耳元でケビンの声が聞こえた気がし、目を開いてあわてて起き上がるが、広さ4畳ほどの狭い自室には彼以外にだれもいなかった。
気のせいか…と一つため息をついて、腰を起したまま再び考える。そんな時だった。

「兄さん、いる?」

唐突に扉の向こうからセフィリアの声が聞こえた。何の用だろうと思いつつも、クラウスは返事をした。

「入ってもいいかな?」
「もちろんだよ」

そして扉を開いてクラウスの部屋へと入ってくるセフィリア。彼の腰掛けるベッド、その隣に彼女も腰を下ろす。そして、微笑みを浮かべてクラウスの顔を直視する。

482 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:54:52 ID:ukeca/Hg0
「どうしたのセフィリア。僕の顔に何かついてる?」
「ううん、兄さんの顔はいつもと同じ素敵な顔よ。今日はありがとう。ところで…ねえ、兄さんは…私のこと…どう思っているのかな…?」
「どう思うって、僕の双子の妹としてかけがえのない大切な存在だと思っているよ」
「うん、ありがとう…でもね…私は違うんだ…私は兄さんのことを…愛しているの…兄としてではなく…一人の男性として…」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってセフィリア。話がつかめないんだけど」
「だから…私は兄さんのその優しい瞳…その身体…その心…兄さんの全てを私のものにしたいの…だから兄さん…私を受け止めて!」

そんな彼女の告白に話しの流れが全くつかめていないクラウスをベッドに押し倒すセフィリア。そして、クラウスと唇を重ねる。
一分ほどの口づけの後、セフィリアはゆっくりと唇を離してにっこりと笑う。かたや戸惑いと混乱の表情を浮かべるクラウス。

「セフィリア…これは何の真似だい?」
「言ったでしょう?兄さんの全てを私のものにしたいって。だから私を…」

その先彼女が言おうとしている意味は彼にもよくわかっていた。しかしそれを行うことは究極の背徳に他ならなかった。
しかし、セフィリアがクラウスを想うようにクラウスもセフィリアを異性としてみたことは何回かあった。
兄としての理性、男としての欲望、それが彼の心の中で渦を巻き葛藤する。そしてその後、二人はその身体を交わらせることになるのだった…

「兄さん…愛してる…」
「僕もだよ、セフィリア…」

そしてそれから一年後、父・カルロスがマフィア同士の抗争に巻き込まれて命を落とし、自分たちは父親を殺したマフィアに復讐をする、
ということをゲオルグに伝えるのだった。しかし、話を聞き終えたゲオルグの顔はどこか青白かった。心配したセフィリアがゲオルグに声をかける。

「あの、ゲオルグさん。顔色が悪いですが…大丈夫ですか?」
「きっと孤児院での仕事で疲れがたまっているんだよセフィリア。シオンを呼んできますから、ちょっと待っていてくださいね」

そういいつつ、クラウスは先ほどのホールでポープと談笑していたシオンを呼びに行った。しかし、その心の中では何故か釈然としないものを抱えていた。
ゲオルグは、カルロスが殺された話題になった途端顔色を悪くしたからだ。ゲオルグのような心優しい男があの事件に関与しているはずがない、
いや、していてはいけないのだが…そしてシオンの診察の結果、やや疲労がたまり気味であるが特に健康には問題はないという診断が下ったあとも
クラウスの心のもやは晴れないままであった。

483 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/01(水) 23:59:17 ID:ukeca/Hg0
投下終了です。終盤のあれについては軽く受け流してくれると助かりますwあと、ゴミ箱の中の子供たちの
作者さんへ。冒頭の話は僕にとってかなり都合のいいものになっていますので
気に入らないなら廃棄してしまって構いません。

正義の定義が投下されて、この勢いに乗れ!的な感じで執筆を急いだため、あらが目立っていますが
ご了承ください。

484名無しさん@避難中:2010/09/02(木) 20:25:48 ID:3X9ndoU2O
久々の投下乙
おいィッ!肝心なネチョ部分がカットとは…どういう事だよ!

485名無しさん@避難中:2010/09/02(木) 20:51:40 ID:AO.flCUEO
乙でした!!
ようやく再起動の兆し……

486名無しさん@避難中:2010/09/02(木) 22:41:39 ID:mr8UXyTM0
代行行くけどなんかギリギリ連投規制されそうで切なすぎてー…こーわーいー

487名無しさん@避難中:2010/09/02(木) 23:00:41 ID:mr8UXyTM0
おしまーい。
途中文字数引っかかったから適当に区切っておいたよ少年

488 ◆p3cfrD3I7w:2010/09/02(木) 23:03:18 ID:RYScdvN20
代行感謝いたします。ちなみに今年21なんでもう少年という年ではないですねw

489名無しさん@避難中:2010/09/02(木) 23:06:34 ID:mr8UXyTM0
年上だったゆ…ごめんなさいなのお兄ちゃん。

490名無しさん@避難中:2010/09/02(木) 23:23:38 ID:3X9ndoU2O
幼女がいたぞー!取り囲めー!

491名無しさん@避難中:2010/09/03(金) 00:23:08 ID:.9ZqPElc0
>>490を取り囲みましたがどうしましょう、隊長

492名無しさん@避難中:2010/09/03(金) 00:24:42 ID:gN7GXkfoO
通報しますた

493名無しさん@避難中:2010/09/03(金) 00:40:20 ID:jE3Qeqco0
では私が保護するとしよう
大丈夫大丈夫、なぁんにも怖くないから

494名無しさん@避難中:2010/09/03(金) 00:47:13 ID:1EydqVcM0
お前等まとめて温泉界行きな

495名無しさん@避難中:2010/09/03(金) 05:15:43 ID:whDswoEMO
>>494
ちょっと桃花さんのおっぱい拝んでくるわ

496名無しさん@避難中:2010/09/04(土) 00:07:23 ID:47OWjwH20
そろそろまとめwikiの方も何とかせにゃいかんのう…
編集とかさっぱり分かんぬ

497名無しさん@避難中:2010/09/04(土) 00:14:13 ID:xG8JfzZ60
ゲストログイン用のIDあるなら短い時間でもちゃちゃっとできるんだけどね
いちいち文字列記入してるとうち間違えてうわあああああああってなるんだよなー
うわあああああああああって

498名無しさん@避難中:2010/09/04(土) 01:49:38 ID:47OWjwH20
編集オワタ
皆意外と自分で追加してるのね…追加して無い分だけとりあえず入れといたよ
ログインID無しでやるのはめんどいね

499名無しさん@避難中:2010/09/04(土) 01:52:49 ID:xG8JfzZ60
乙です!
みんつく超決戦吹いたww

500名無しさん@避難中:2010/09/04(土) 02:13:40 ID:r2hp6ELk0
しかしこの観測者。仕事をしない
そろそろお上から叱咤の声が飛びそうだな

501名無しさん@避難中:2010/09/04(土) 15:56:41 ID:ZaQ4Pn..O
Wiki編集大変乙でした!!
超決戦は解決編書かなきゃな……

502名無しさん@避難中:2010/09/05(日) 00:30:54 ID:aJ0M7lDI0
本スレに投下きた! と思ったら寄生獣が登場していたの巻
最近投下が増えてきていい調子になってきたな!

503名無しさん@避難中:2010/09/05(日) 22:31:08 ID:wSno/HnoO
投下乙!!
でも最初に浮かんだのは寄生獣つか、『てな〇』という単語だったw

504名無しさん@避難中:2010/09/08(水) 21:01:54 ID:TBggTSisO
エリカ様ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!

505名無しさん@避難中:2010/09/08(水) 22:21:31 ID:YXJNjf6wO
お前ら他のことも喋れww

506名無しさん@避難中:2010/09/08(水) 22:24:20 ID:TBggTSisO
すっきりした…………

507名無しさん@避難中:2010/09/09(木) 15:34:43 ID:vua24kl6O
それにしても吸血鬼に和服ってあんまり似合わないなww

508名無しさん@避難中:2010/09/09(木) 16:26:32 ID:q4PkXv6k0
いや、自分も書いてる時コレじゃない感が酷かった。
一応下はスカートにして和洋折衷を狙ったけど駄目だったですよ。
もっと上手く描ければ……

最近自分のキャラを自分で描いてモチベーションあげてたけどなんか虚しくなってキマシタワ

509名無しさん@避難中:2010/09/09(木) 18:42:01 ID:vua24kl6O
人はそれを永久機関という

510名無しさん@避難中:2010/09/09(木) 22:08:25 ID:iydl5TG60
オルタロダにあった画に魅かれたので、参考にさせていただきつつwikiの設定とプロロー
グまでを読んで描かせていただきましたが…如何なものでしょうか?
http://loda.jp/mitemite/?id=1369.jpg

511名無しさん@避難中:2010/09/09(木) 22:45:10 ID:q4PkXv6k0
これはエリカ様!?
断然うまいじゃないかあああああ…と、元の絵を描いた奴が申しております。
因みにあたいはハイカラみっくすの作者じゃないのよ。正義の定義なのよね。紛らわしいね!

エリカ様バンザイ!タバサにゃんバンザイ!作者さん帰って来ーーーーい!うほほーい!

512名無しさん@避難中:2010/09/09(木) 23:05:22 ID:PX5EcYR6O
うおおこちらもGJ!!
ハイカラも早く続き読みたい!!

513名無しさん@避難中:2010/09/09(木) 23:29:57 ID:vH3rhHOI0
エリカ様ああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

514名無しさん@避難中:2010/09/09(木) 23:37:24 ID:q4PkXv6k0
触発されていきおいでタバサにゃん描いちまったにゃん……

タバサちゃんにガイアメモリ使わせたかったそれだけなんだ……

515名無しさん@避難中:2010/09/10(金) 00:21:35 ID:m/52Lv7MO
>>510
うおおおおようこそいらっしゃいませええええ!!
やっぱ人外絵うめー!

516名無しさん@避難中:2010/09/10(金) 11:25:46 ID:UsicApvM0
>>510
いいな、これ
蝙蝠色よく出てる
いい目元だ



そして、いいブーツだ
踏まれたい

517名無しさん@避難中:2010/09/11(土) 00:23:43 ID:sJEIpo2c0
連れられて。
http://loda.jp/mitemite/?id=1371.jpg

518名無しさん@避難中:2010/09/11(土) 00:26:46 ID:2P.rzc2Q0
タバサちゃんかわいいよタバサちゃん
でもエリカ様も捨てがたい
俺はどうすればいいんだ!

519名無しさん@避難中:2010/09/11(土) 01:13:13 ID:8l1LsNhQ0
>>517
ヤバイどっちもカワユイ
タバサちゃん凛々しいのにカワイイ
おなかモフモフしたい……

520名無しさん@避難中:2010/09/11(土) 01:36:53 ID:ZxStoj1Q0
>>517
これはすごいぞ……うまい…しっくり来る…
こんな絵がかけるようになりたいですわ

521名無しさん@避難中:2010/09/11(土) 04:31:35 ID:ZaJIC1K6O
なんというスペシャリスト
タバサにゃんかあいいよタバサにゃんおなかモフモフしたい

522名無しさん@避難中:2010/09/13(月) 22:58:44 ID:oyT90.Eo0
あまり読み込まずに描いてみましたが…
http://loda.jp/mitemite/?id=1381.jpg

523名無しさん@避難中:2010/09/13(月) 23:19:55 ID:d1JY1Hoo0
ふぇ!

524名無しさん@避難中:2010/09/14(火) 01:28:45 ID:0VReLRkE0
だいたいあってる

525名無しさん@避難中:2010/09/14(火) 01:31:18 ID:qfJA5rFU0
>>522
ふえええええええええええええええええええええ
うまいいいいいいいいい
ありがとおおおおおこれで後十話はかけるうううううううう

526名無しさん@避難中:2010/09/14(火) 01:45:41 ID:ZO/Ng6fo0
ふぇええええええええええええ!

いやいやそれにしても幼女にだぶだぶの軍服きせて(ry
なんて人、このスレにそんなに居るはず無いじゃいですかww

……な? そ、そうだよ……な?
俺? 俺はほら、紳士だし!

527名無しさん@避難中:2010/09/14(火) 21:41:30 ID:GeB4DRRAO
トエルの爪先が涙モノwww

528名無しさん@避難中:2010/09/15(水) 00:51:36 ID:wzVf8d4s0
人獣中間形態
http://loda.jp/mitemite/?id=1389.jpg

529名無しさん@避難中:2010/09/15(水) 01:03:21 ID:bpRKwbsg0
ふつくしい

530名無しさん@避難中:2010/09/15(水) 12:26:18 ID:95tIg4SY0
すばらしい

531名無しさん@避難中:2010/09/15(水) 16:47:04 ID:OjZtsV.M0
これすごい雰囲気でてるよね
だいたいイメージ通りだ


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