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彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大物芸術家や」

372名無しさん:2024/06/22(土) 20:29:53 ID:U2Mn3lZA0
(っω-`)「ん……もう……今日はこの辺で……」
彡(●)(●)「なに言っとんのや!今いいとこやろうが!!!」

ドン!!
「うっせえぞ!何時だと思ってんだ!」

彡(●)(●)「あん?」
(。゚ω゚)「落ち着いてアドルフ…ちゃんと付き合うから」

(;´・ω・` )「でも、声は小さくね」

(´・ω・`) .。oO(なにやってんだろ……)
こんな一円にもならないことをやって……
大学の勉強をしていた方がよっぽど有意義なのに
……
でも、アドルフとこうやって何かを創作するのは

(´^ω^`) .。oO(とても楽しいや)

373名無しさん:2024/06/22(土) 20:30:17 ID:U2Mn3lZA0
それからもボクとアドルフのオペラ創作は続いた
でも、ボクは音大の勉強、アドルフにも緊急を要する問題で忙しくなり
いつしか、話題にすら上がらなくなってしまった

こうしてボクとアドルフの共同制作オペラ
『鍛冶屋ヴィーラント』は未完成のまま終わった

374名無しさん:2024/06/22(土) 20:30:38 ID:U2Mn3lZA0
今回はここまで

375名無しさん:2024/06/22(土) 22:04:34 ID:8FviI0KI0


376名無しさん:2024/06/22(土) 22:06:42 ID:Y5MuqNs20
乙乙
現代の学生で言うところのオールナイトか
誰かと過ごすのは楽しいよね

377名無しさん:2024/06/22(土) 23:36:24 ID:t8DMU8vI0
群集心理………着々と聞こえてくるんだよな総統閣下の足跡が。

378名無しさん:2024/06/22(土) 23:37:18 ID:t8DMU8vI0
>>377ミスった。正確には足音が、でした。

379名無しさん:2024/06/22(土) 23:50:25 ID:anXrMZLg0
乙乙

380名無しさん:2024/06/23(日) 21:36:28 ID:nX3jRR8Y0
彡(゚)(゚)「カー世の中アホばっかやで!」
(´・ω・`)「どうしたんだよ急に?」

彡(゚)(゚)ノ「これ見てみいや」
新聞を手渡された

(´・ω・`) .。oO(ふむ、なになに)
『オーストリア全国音楽協会が音楽活動普及のため小学校にピアノを寄贈』
と書かれていた

(´・ω・`)??
(´・ω・`)「これの何が悪いの?」

(;´・ω・` )「いいニュースじゃない…」

381名無しさん:2024/06/23(日) 21:36:50 ID:nX3jRR8Y0
彡(゚)(゚)「あのな、やっとることはよくてもな」
彡(•)(•)「やり方がアホなんや!」

彡(-)(-)「こんなちまちま回りくどいやり方しよって」

(;´・ω・` )「普及活動はそういうものだよ…」
(;`・ω・´)「それにそんなに言うなら 君ならどうするつもりなの?」

彡(゚)(゚)「そんなん決まっとる!」
彡(^)(^)「移動帝国歌劇団や!!」

(;´・ω・` ).。oO(はぁ?)
アドルフの悪い癖だ
彼は自分が作った造語をさも当然のように使ってくる

382名無しさん:2024/06/23(日) 21:37:39 ID:nX3jRR8Y0
(;´・ω・` )「えっと、その移動大帝キャラバンは」
彡(•)(•)「移動帝国歌劇団や!」

(;´・ω・` )「ごめん、ごめん その移動帝国歌劇団ってなに?」
彡(゚)(゚)「ハァ…ほんまにクビチェクは何も知らんな…」

( ;´-ω-` )「分かるわけないじゃん……」
彡(゚)(゚)「ええわ 教えたる」

383名無しさん:2024/06/23(日) 21:38:06 ID:nX3jRR8Y0
(;´・ω・` )「えっと、その移動大帝キャラバンは」
彡(•)(•)「移動帝国歌劇団や!」

(;´・ω・` )「ごめん、ごめん その移動帝国歌劇団ってなに?」
彡(゚)(゚)「ハァ…ほんまにクビチェクは何も知らんな…」

( ;´-ω-` )「分かるわけないじゃん……」
彡(゚)(゚)「ええわ 教えたる」

384名無しさん:2024/06/23(日) 21:38:52 ID:nX3jRR8Y0
アドルフの説明によると移動帝国歌劇団は
国の辺境隅々までオーケストラを派遣して
ベートーヴェンの『運命』や『第九』いった名曲を
多くの人々に届ける事業のようだ

(`・ω・´)「へぇー アドルフにしてはいい案じゃない」
彡(^)(^)「やろ!」

彡(゚)(゚)「ん?ワイにしてはってどういう…」
(´ᴖωᴖ`;)「いやいや、最高の案だよ さすがだよアドルフ!」

彡(^)(^)「せやろ!」
彡(^)(^)「楽器の持ち運びにはな……」   
 
アドルフは鼻息荒く詳細な構想を語りだした

385名無しさん:2024/06/23(日) 21:39:33 ID:nX3jRR8Y0
(´・ω・`)……
ほんとに誰に頼まれたわけでもないのによくここまで考えるよ
でも、ここまで事細かに練ってあるってことは…
前から考えてたってことだよね

(;´・ω・` )「ねえ、アドルフ」
彡(`)(´)「なんや、今いいとこやのに!」

(´・ω・` )「君は建築家になるんだろ?音楽にかまけてていいの?」
(´・ω・`)「音楽はボクの分野なのに」

彡(゚)(゚)「だからやろ」
(´・ω・`)「え?」

彡(^)(^)「お前がそばにおるから考えるんや」
(´・ω・`)「ボ、ボクのために…」

386名無しさん:2024/06/23(日) 21:40:25 ID:nX3jRR8Y0
(;`・ω・´)「じゃあ!もしかしてそのオーケストラの指揮をするのは…」
彡(゚)(゚)「そんなん決まっとる」

(´・ω・`)「アドルフ…」
彡(゚)(゚)「クビチェク お前でないことは確かや!」

(;´・ω・` ) .。oO(え?)
っとガッカリしたとたんアドルフは彡(^)(^)と笑みをみせた

ピキツ
(ꐦ`•ω•´)「アドルフ!ボクをからかったな!!」

(ꐦ`•ω•´)「ひどいじゃないか!!!」
彡;(゚)(゚)「そ、そんなに怒こんなや…」

387名無しさん:2024/06/23(日) 21:40:54 ID:nX3jRR8Y0
(ꐦ`•ω•´)「いいや怒るね!君はボクの夢を笑ったんだ!!」
彡;(゚)(゚)「わ、わかった ちゃんと指揮者になれたら呼んだるさかい」

(`-ω-´)「いいや遠慮しとくね!」
(ꐦ`•ω•´)「誰がそんなオーケストラに参加するもんか!」

彡(•)(•)「そんなとはなんや!」
彡(●)(●)「そん時になって泣いて頼んでも遅いんやで!!」

(ꐦ`•ω•´)「絶対にお断りだね!!」

388名無しさん:2024/06/23(日) 21:41:17 ID:nX3jRR8Y0
ちなみに
彡(>)(<)ノ「ワイが作詞作曲したこれも一緒に届けるんや!」

(´・ω・`) .。oO(ふむ、どれどれ)
走れー♪ 光速のー♩ 帝国歌劇団♫
唸れー♪ 衝撃のー♩ 帝国歌劇団♫

彡(゚)(゚)「どや?ええやろ」
(;`・ω・´)「アドルフ これはダメだ」

彡;(゚)(゚)「な、なんでや!いい出来やろ!」
(;`・ω・´)「あまりにも前衛的すぎる 色々問題がでるよ」

彡;(゚)(゚)「いや、でも…」
(ꐦ`•ω•´)「分かったね!!!」

彡(-)(-)「……はい」

389名無しさん:2024/06/23(日) 21:41:46 ID:nX3jRR8Y0
彡(゚)(゚)「カー世の中アホばっかやで!」
( ;´-ω-` )「はぁ…次はなんだい?」

彡(゚)(゚)ノ「これ見てみいや」
アドルフから新聞を手渡された

(´・ω・`) .。oO(ふむ、なになに)
ライト兄弟の記事だ
確か、ライト兄弟は空飛ぶ機械
飛行機を作って飛ばした最初の人だったかな?

記事の一面には
『ライト兄弟!飛行機による射撃実験を開始!!』
と書かれていた

390名無しさん:2024/06/23(日) 21:42:24 ID:nX3jRR8Y0
(;´・ω・` )「確かに物騒な記事だね…」
彡(•)(•)「新しい発明をすぐに戦争の道具にしよってからに!」

彡(●)(●)「ふざけんなや!」

彡(゚)(゚)「戦争を命じるのはいつも王や支配者や」
彡(-)(-)「自分らは安全な場所から莫大な富を得るくせに…」

彡(•)(•)「何もしらない平民は犠牲になるだけや!」
彡(●)(●)「ほんま世の中狂っとるわ!!」

(;´・ω・` ) .。oO(前は戦争を望んでいたのに……今は戦争を憎んでいる)
どちらもきっと彼にとって本心なんだろうけど…
ボクとしては戦争を憎むアドルフでこの先もあって欲しいな

391名無しさん:2024/06/23(日) 21:42:55 ID:nX3jRR8Y0
彡(゚)(゚)「カー世の中アホばっかやで!」
( ;´-ω-` )「……次の関心事はなんだい?」

彡(゚)(゚)ノ「これ見てみいや」
アドルフから新聞を手渡された

(´・ω・`) .。oO(ふむ、なになに)
『失業率増加、経済成長率過去最低、自殺者増』と書かれていた

( ;´-ω-` )「不景気で嫌な世の中だね……」

392名無しさん:2024/06/23(日) 21:43:25 ID:nX3jRR8Y0
彡(•)(•)「政治家も資本家も役人も誰もかも………」
彡(●)(●)「自分のことしか考えとらん!!」

彡(•)(•)「故郷を失い、職を失い、希望を失っとる……貧民のことを…」
彡(●)(●)「誰もが他人事やと思っとる!!」

彡(●)(●)「そんなんじゃアカン!!」

(´・ω・`)………
アドルフは全身全霊を込めて運命に見放された人々
貧困者たちについて
どうしたらよいかとひたすらに考え、憤っていた

(´・ω・`) .。oO(たしかに…)
ボクたちも貧しい生活をしているから
貧困者たちの苦しみも理解できる
でも、同情だけでそこまでの力は出ない

393名無しさん:2024/06/23(日) 21:43:46 ID:nX3jRR8Y0
( ;´-ω-` ) .。oO(きっと自分の運命を切り開こうとしてるんだ……)
時代はアドルフを含め、多くの人を貧困へと追い込んでいた
そのような強大な力に個人で太刀打ちできるはずがない

(;´・ω・` ) .。oO(だから、彼は考えるだ……)
一人で敵わないなら、数を集めればいい
そしたら僅かでも打開策が見えてくる
少しでも希望があれば、人は精神のバランスを保つことができる
そして、暗い展望と意気消沈した日々から抜け出し
明日に向かって生きていけるんだ……と思う

394名無しさん:2024/06/23(日) 21:44:10 ID:nX3jRR8Y0
でも……矛盾していることに
アドルフは大衆とは常に距離を取り
彼らの中に入っていくことを拒んでいた
だからきっと、恐ろしいまでの燃えるようなアドルフの想いが
困窮している人々に燃え移っていくことはないだろう

( ;´-ω-` ) .。oO(それが幸か不幸か、ボクには分からない……)

395名無しさん:2024/06/23(日) 21:44:35 ID:nX3jRR8Y0
今回はここまで

396名無しさん:2024/06/23(日) 22:04:18 ID:TNeG6PYA0


397名無しさん:2024/06/23(日) 22:14:24 ID:4UB9j0EU0
乙乙
確かにその曲はいけない


その曲はいけない

398名無しさん:2024/06/24(月) 20:17:12 ID:armf4McQ0
劇場
彡(^)(^)「やっぱりワーグナーは最高や!」

(`-ω-´)「リンツの劇場でも何回も見たけど…」
(´^ω^`)「やっぱり都会のものは格が違うね!」

彡(-)(-)「ワイはいつかドイツ民族の巡礼の地・バイロイトに訪れるで…」
彡(゚)(゚)「ヴァーンフリート館を見て、ワーグナーの墓参りをするんや…」

彡(゚)(゚)/「そしてワーグナー自身が作った劇場でワーグナーの作品を見る!」
彡(>)(<)「くぅ〜夢が広がるで!」

(´・ω・`) .。oO(まーた始まった……)
バイロイトで行われるワーグナーの劇は
成功者の中でもさらに一握りの選ばれた人しか見る事ができない
立ち見席が常連のボクたちには夢のまた夢の話だ
とは言いつつ……口にはだせないけど
ボクもアドルフと同様に夢見る住人の一人だったりする

399名無しさん:2024/06/24(月) 20:17:37 ID:armf4McQ0
|⌔•..)チラ……チラ…

(´・ω・`) .。oO(なんだ、視線を感じる)
向こうの女性がこっちを見てる……?

|⌔•..)チラ……チラ…

(。゚ω゚) .。oO(え!もしかして……ボクのことを……)
(,,>ω<,,)ドキドキ

|⌔•..)チラ……チラ…           彡(゚)(゚)

( ´-ω-` ) .。oO(違う…)
この視線はアドルフに向けられたものだ……

400名無しさん:2024/06/24(月) 20:18:04 ID:armf4McQ0
彡(゚)(゚)←コレは質素な服装で素っ気ない控え目な態度……
ボクと大して変わらないのに……
一体どこに差があるんだろう?

(´・ω・`) .。oO(確かに、アドルフには謎の魅力がある)
あの婦人なんて振り返ってまでアドルフを見つめている
劇場で振り返るのはマナー違反だって誰でも知っているのに…

彡(`)(´)「なんや 今日は客層が悪いな!行くでクビツェク」
(´・ω・`)「う、うん」

(´・ω・`)……
アドルフはなにも朴念仁でなければ天然ジゴロでもない
ちゃんと彼女たちの熱意をキャッチしているし
思わせぶりな態度なんて絶対に取らない

J(„❛⌄❛„)を好きなようにノンケ、同性愛者でもない
なのにアドルフは何もしなかった

彡(゚)(゚)「全く、なっとらん、なっとらんなぁ」

401名無しさん:2024/06/24(月) 20:18:33 ID:armf4McQ0

(´・ω・`)「アドルフってモテるよね?」
彡(゚)(゚)「ん……なんのことや? それより来週の公演は〜」

(´・ω・`)……
アドルフは強い女運を持っている
なのに、その幸運を利用しようとしない

恋人でもいれば……
自分で『犬のような生活』と呼んでいる惨めな生活も
少しは美しく彩られることになるだろうに

402名無しさん:2024/06/24(月) 20:18:57 ID:armf4McQ0
魅力だけじゃない、彼には……
読書で知り得た膨大な知識
スケッチや演説といった技
そして何にでも真剣に取り組む情熱
アドルフには普通の人にはないたくさんの才能があった
でも彼は頑なにチャンスを掴もうとしない

行動力がないわけでもない…
有りすぎるくらいだ
それなのに何も起きない
本当に不思議だ……

403名無しさん:2024/06/24(月) 20:19:18 ID:armf4McQ0
彡(゚)(゚)「そろそろ後半が始まるで 戻ろうや」
(´・ω・`)「うん」

|⌔•..)つ「あの……これ……」
彡(゚)(゚)「はぁ…どうも」

女性はアドルフの袖を引っ張り、カードを一枚手渡し
|彡サッとすぐ、駆けて行った

(`・ω・´) .。oO(おお!秘密を解き明かす絶好の機会!!)
それにそうだ…
視線だけを送られたからって奥手の
彡(゚)(゚)←コレが反応するはがずない!
でも、これだけ明確に愛を伝えられたんだ
きっとアドルフにもロマンスが始まるに違いない!

404名無しさん:2024/06/24(月) 20:19:40 ID:armf4McQ0
彡(-)(-)「ハアー」
(。゚ω゚) .。oO(え、ため息?)

彡(゚)(゚)「またや」
(。゚ω゚)「え…!」

彡(゚)(゚)ノ「見てみいや、これ……」
(;´・ω・` )「う、うん……恋文みたいだね」

彡(゚)(゚)「お前やったらこの意味ありげな誘いに応じるか?」
(;`・ω・´)「これはボクの問題じゃなくて、君の問題じゃないか」

(;´・ω・` )「…でもボクなら、あの娘を失望させたくないかな」
彡(゚)(゚)「そか」

405名無しさん:2024/06/24(月) 20:20:05 ID:armf4McQ0
ヴー
Σ彡(゚)(゚)「お、そろそろ始まるで」スタスタ

(。゚ω゚) .。oO(え!それだけ!!)

( ´-ω-` )でも、仕方ない…
アドルフが変なのは今に始まったことじゃない
でもいったい、女性たちはアドルフのどこに惹かれているんだろう?

たしかに彡(゚)(゚) ←コレは均整のとれた顔立ちでスラリとしている
でも一般的に「美男子」と呼ばれる容姿ではない

彡(゚)(゚)「あの主役、なかなかええ男やんけ」

(;´・ω・` ) .。oO(え!やっぱり同性愛者だったの!?)
ど、どうしようボクはいたって普通なのに……
君の想いに応えることはできないよ……

406名無しさん:2024/06/24(月) 20:20:30 ID:armf4McQ0
彡(゚)(゚)「なにを考えてるかよう分からんが…」
彡(●)(●)「断じて違う!!」

彡(゚)(゚)「とだけは言っとくで」
(´・ω・`)「あ、そう」

( ;´-ω-` ) .。oO(よかった……)
(;`・ω・´)じゃない!

アドルフの魅力についてだ
あの舞台の上で踊ってる美男子とアドルフの違いはなんだろう…?
考えられる線といえば……並外れた大きな目……?彡(⦿)(⦿)
妙に厳しく、禁欲的な表情……?彡(゚)(゚)

(´•ω•).。oO(う〜ん……)
考えてても分かんないや
それとなく聞いてみようっと

407名無しさん:2024/06/24(月) 20:20:55 ID:armf4McQ0
帰り道
(´・ω・`)「そういえば……」
(´・ω・`)「アドルフはステファニー以外に好きになった人っているの?」

彡(゚)(゚)「おらん ステファニー以外の女なんて眼中にもないで」

(´・ω・`) .。oO(あーなるほど)
一人の女性を愛し続けるジェントルマンだったんだアドルフは
これで謎が……

408名無しさん:2024/06/24(月) 20:21:19 ID:armf4McQ0
彡(-)(-)「ステファニーこそドイツ女性の理想像なんや…」
彡(゚)(゚)「ステファニー以外の女にうつつを抜かすなんてことは……」

彡(●)(●)「ドイツ民族に対する冒涜や!!!」

(;´・ω・` ) .。oO(ん?)
一人の女性を愛すとかそんな話じゃないぞ
もっと信念……いや…コレは……信仰だ……

ステファニーはアドルフの心の中で神格化、偶像化、聖人化されて
彼の道徳観の拠り所になっている
だからアドルフは他の女性に目もくれない
でも女性たちは女性たちで自分たちに素っ気ない態度をとるアドルフに……
女のプライドからつい試したくなってしまう

409名無しさん:2024/06/24(月) 20:21:39 ID:armf4McQ0
(;´・ω・` ) .。oO(これが答え…?)

彡(-)(-)「彼女がウィーンにいたなんて信じられんな」
彡(゚)(゚)「この都市は売春が蔓延るドイツ女性の敵や」

彡(•)(•)「全てはこの国の多民族性が悪いんや!」
彡(●)(●)「チェコ人、マジャール人、クロアチア人、イタリア人が〜!」

( ;´-ω-` ) .。oO(ま〜た始まった)
この話しになったらもうどうしようもないや

410名無しさん:2024/06/24(月) 20:22:04 ID:armf4McQ0
今回はここまで

411名無しさん:2024/06/24(月) 20:34:54 ID:7DyFKIGI0


412名無しさん:2024/06/24(月) 20:38:25 ID:7YWOZSOQ0
乙乙
アドルフのキャラ濃過ぎるな…ラノベの主人公じゃん
それからショボンの心の中の声がなんだか詩的で好き

413名無しさん:2024/06/24(月) 22:38:30 ID:JiiA8lhg0
乙乙

414名無しさん:2024/06/25(火) 20:43:04 ID:x.scKDhw0
交差点
彡(゚)(゚)「この都市の性は乱れきっとる! 例えばバ……」
(´・ω・`)「バ?」

彡(゚)(゚) (´・ω・`)??         (◦灬•)ピタっ
なんだ?急に前の男性が立ち止まったぞ

彡(-)(-)「…いや、お前は知らんでええ」
(´・ω・` )「え、そうなの…」

彡(゚)(゚) (´・ω・`)??         (◦灬⦿)ジー
紳士っぽい人がじっとボクたちを見ている

415名無しさん:2024/06/25(火) 20:43:30 ID:x.scKDhw0
(◦灬•)「君たち、最近の暮らしぶりは如何かね?」

(´・ω・`) .。oO(おっ近くでみると、やっぱり身なりが上流階級のそれだ)

彡(゚)(゚)「いいとは言えませんな なにせ貧乏学生なもので」
(´・ω・`)「彼は建築を学び、ボクは音楽を学んでいます」

(◦灬•)「なるほど、ならば未来のオーストリアを担う若者という訳だ」
(◦灬¯)「……この近くにホテルがあるんだ」

(◦灬⦿)「どうだろう夕食を食べていかない……か?」

(´ᴖωᴖ`)「えっ、本当ですか!?」
彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「アドルフ、たまにはこういうのもいいんじゃない?」
彡(-)(-)……

416名無しさん:2024/06/25(火) 20:43:52 ID:x.scKDhw0
(´・ω・`)「アドルフ?」
彡(゚)(゚)「……せやな」

ホテル前
(。゚ω゚)「うわぁ……大きいところですね 屋上があんなに高い」
彡(゚)(゚)「ほう、中々ええ建築やな」

(◦灬⦿)「……」

(´・ω・`; ) .。oO(なんだろうお尻を見られてる気がする……)

(◦灬¯)「おっと失礼 さあ、さっそく中にイこうか」

417名無しさん:2024/06/25(火) 20:44:25 ID:x.scKDhw0
ホテル内
(◦灬^)「さぁ、好きなものを注文するといい」

(*>ω<*)「じゃあボクは…」
彡(゚)(゚)「……」

(´ᴖωᴖ`)「ふふ、ボクこんなところに来たことないよ!」
(´・ω・`)「アドルフは何を食べる?」

彡(゚)(゚)「…………」
(´・ω・`)「さっきからどうしたの?」

彡(-)(-)「……まあ、気をつけてればええか」
彡(゚)(゚)「クビチェクも楽しんでるみたいやし」

(;´・ω・` )「お腹、痛いの?」
彡(^)(^)「なんでもないで…じゃあワイは」

418名無しさん:2024/06/25(火) 20:44:46 ID:x.scKDhw0
食後

(´ᴖωᴖ`)「ああ〜美味しかった 本当に今日はありがとうございます」

(´・ω・`)「って、あの紳士の方は?」
彡(゚)(゚)「いつの間にかいなくなったな」

(◦灬^)「おまたせ デザートはケーキしかなかったんだけどいいかな」

(´^ω^`)「デザートまで!」
彡(>)(<)「おっ、甘い物はワイの好物や」バクバクバク

(;´・ω・` )「あっ!一人で全部、食べないでよ……」
( ;´-ω-` )「あー空っぽだ……もう……」

(◦灬^)「ははは、君はこっちのアイスティーでも飲みなさい」
( ;´-ω-` )「ありがとうございます」

419名無しさん:2024/06/25(火) 20:45:17 ID:x.scKDhw0
(´^ω^`)「ああ〜もうお腹いっぱいだ」
(`・ω・´)「すっかりご馳走になりました」

(◦灬¯)「いやいや、若者を応援することが大人の務めというものさ」
(◦灬⦿)「先程交差点で君たちの話を聞いたらイても立ってもいられずにね」

(◦灬•)「しかし、アドルフ君は最近の若者にしては鋭い考えを持っている…」

(´ᴖωᴖ`)「そうなんです!」
(´ᴖωᴖ`)「それにアドルフはすっごく女の人にモテるんですよ!!」

( ˘ω˘ ; )「でも、全然……女性に興味を示さないんです…」

彡(゚)(゚)「おいおい、よせって」
(◦灬⦿)「ほう…実に興味深いね」

420名無しさん:2024/06/25(火) 20:45:58 ID:x.scKDhw0
(´-ω-`)「さっきだって女の人からお誘いのカードを貰ったのに」
(´・ω・`)「チラっと見ただけで それでお終いなんです」

彡;(゚)(゚)「クビチェク 本当にもうやめて」

(◦灬^)「ははは、君は私の若い頃にそっくりだね」
(◦灬•)「私はフェクラブルックの工場主をしていてね」

(◦灬¯)「最近は金目当ての婦人ばかりに寄られて 困っているんだ」

彡(-)(-)「最近のウィーンは欲にまみれてますからな」
彡(゚)(゚)「かつての英雄がいた時代が輝かしいばかりです」

(◦灬¯)「本当にね… 筋骨隆々の男達が戦場で合間見えていた時代は……」
(◦灬¯)「もう遠い昔だ……」

421名無しさん:2024/06/25(火) 20:46:25 ID:x.scKDhw0
(◦灬^)「君の方は音楽を学んでいるんだってね」
(◦灬•)「私は最近、室内音楽に凝っているんだが」

(´ᴖωᴖ`)「本当ですか! 室内での音響は〜」

喋ること数分

(´-ω-`)「うーん、少し眠くなってきたかな……?Zzz」

彡(^)(^)「はは、彼は毎朝早いのでこの時間はもうベッドの上なんです」
彡(-)(-)「ではそろそろ、この辺で……」

(◦灬•)「ああ、今日は実に楽しかったよ」
(◦灬⦿)「ところで君……」

422名無しさん:2024/06/25(火) 20:47:00 ID:x.scKDhw0
彡(゚)(゚)「クビツェク、起きろや」
(っω-`)「うーん」

(´・ω・`)「あれ、ボクいつの間にか寝ちゃってた?」
彡(゚)(゚)「全く、お前を背負って来るのは大変やったで」

彡(゚)(゚)「ところでクビツェク、お前あの紳士を気に入ったか?」
(´^ω^`)「申し分ないよ! 芸術を好み、とても教養ある人だ」

彡(゚)(゚)「他には?」
(´・ω・`)「他に何があるんだい?」

彡(-)(-)「クビツェク、どうやらお前は肝心なことを何もわかっとらんな」
(´・ω・`)?

423名無しさん:2024/06/25(火) 20:47:28 ID:x.scKDhw0
彡(゚)(゚)ノ「このカードを見てみいや」
(´・ω・`)「何のカード? 名刺?」

(◦灬•)『また、今日と同じホテルにおいで』

(´・ω・`)「これがどうしたの??」

彡(-)(-)「はぁ……」
彡(゚)(゚)「つまり、あいつはホモや」

(。゚ω゚)「ええ……!?」
(´•ω•)「何それ……?」

彡;(-)(-)「ノンケは知っといてホモは知らんのかい……」
彡;(゚)(゚)「ホモってのはな……」

・・・男と男でボーイミーツボーイになりチューすることである

424名無しさん:2024/06/25(火) 20:48:10 ID:x.scKDhw0
:(´ºωº`):「ひええ……」
(;´・ω・` )「アドルフ、まさかまた行くの……?」

彡(●)(●)「行くわけないやろ、このドアホ!」
彡(゚)(゚)ノ「こんな名刺はストーブにポイーや」

アドルフが恋愛に消極的な理由
彼は大都市のさまざまな性的倒錯に強い嫌悪感をもって立ち向かっていた

( ;´-ω-` )「うう…なんかショックだよ」
彡(゚)(゚)「まだまだクビツェクは田舎もんやな」

堕落した都市ウィーンの真ん中で
アドルフは自身の周囲に堅固な防壁を築いていた

425名無しさん:2024/06/25(火) 20:48:50 ID:x.scKDhw0
彡(-)(-)「…まあええ、これに関して悪いのはウィーンや」
彡(゚)(゚)「でもここきてだいぶ経つんやぞ」

彡(•)(•)「ええ加減に都会の怖さを知らんと痛い目あうから気いつけや」

だから周囲から独立して内面的自由の中に
自分の身を置くことができたのだ

彡;(゚)(゚)グーギュルギュル

(´ᴖωᴖ`)「はは、アドルフまた空腹でお腹が鳴ってるよ」
(´ᴖωᴖ`;)「……あれ? さっきご馳走食べたばかりなのになんで? 」

426名無しさん:2024/06/25(火) 20:49:13 ID:x.scKDhw0
彡;(^)(^)「さ、さあ?なんでやろうな……」

彼は孤独であり続け、修道士のような禁欲生活の中で
自分の存在を守っていた

(。゚ω゚) .。oO(というか……)
アドルフがいなかったらボクどうなってたんだろ……

:(´ºωº`):アワワワワ

427名無しさん:2024/06/25(火) 20:49:36 ID:x.scKDhw0
今回はここまで

428名無しさん:2024/06/25(火) 21:26:56 ID:QfQbeYhI0
乙です

429名無しさん:2024/06/26(水) 21:54:06 ID:09.lD5Vg0
一九〇八年四月

(´・ω・`)「あ!ボクに手紙が来てる」
(´・ω・`)「何かな」

(´・ω・`)ふむふむ……

( ;´-ω-` )
彡(゚)(゚)「どしたクビツェク」

( ;´-ω-` )つ「これ…よんでみて」
彡(゚)(゚)「どれどれ」

彡(゚)(゚)……
彡(●)(●)「はあああん!徴兵やと!ふざけんなや!!」

430名無しさん:2024/06/26(水) 21:54:36 ID:09.lD5Vg0
彡;(゚)(゚)「クビツェク、絶対に行ったら駄目や!」
彡;(゚)(゚)「もし行ったらおまえは……」

彡;(●)(●)「クソが!こんな令状、破り捨てたる!」

(;`・ω・´)「あっ、駄目だよ!」
バッと素早くアドルフから手紙を取り戻した

(;´・ω・` )「全く、ヒヤヒヤさせないでよ」
彡;(゚)(゚)「くそ、一体どうすれば……」

(;´・ω・` )「まだ適合になるとは決まってないよ 去年肺病になったし」

431名無しさん:2024/06/26(水) 21:55:00 ID:09.lD5Vg0
彡;(-)(-)「せやな、とにかく、リンツに戻って兵役検査は受けた方がええ」
彡;(゚)(゚)「でも、もし適合した場合はこっそり越境してドイツに行くんや」

彡;(•)(•)「絶対にハプスブルク家の兵隊になったらアカン!」
(;´・ω・` )「そんなことできるのかな…」

彡(-)(-)「もう少ししたらワイも二十や」
彡(゚)(゚)「その時がきたらワイはそうするで」

(;´・ω・` )「とにかく、音楽院の先生に相談してみるよ」

432名無しさん:2024/06/26(水) 21:55:20 ID:09.lD5Vg0
音楽院

(◎෴◎)「君は音楽院生だから、1年志願兵になる資格がある」
(◎෴◎)「でも職人の息子である君は後備兵に志願したほうがいい」

(;´・ω・` )「兵役を逃れる為にドイツに行くという方法はどうでしょうか」

Σ(◎෴◎)「!?誰がそんなバカげたことを……」
(;◎෴◎)「悪いことは言わないからやめておきなさい……」

(◎෴◎)「とにかく、ご両親に手紙を出すんだ」
(;´・ω・` )「はい」

433名無しさん:2024/06/26(水) 21:55:40 ID:09.lD5Vg0
数日後
父から手紙が届いた

『徴兵のことは分かった。
だが、お前はなんてことを言い出すんだ!
国境越えなんてしてみろ、脱走とみなされ罰せられるぞ。
そしたらお前は二度と故郷に帰ることができなくなる。
もう私達と会うこともできなくなるのだぞ。
悪いことは言わない、校長先生の言う通りにしなさい。
母さんもそれを望んでいる。
父と母より( ¯灬¯ ) (∗ 'ω' ∗) 愛する息子へ』

434名無しさん:2024/06/26(水) 21:56:24 ID:09.lD5Vg0
(;´・ω・` )「ということなんだよ」
(;`・ω・´)「だからボクは後備兵に志願する」

(;´・ω・` )「今期の授業と学期末コンクールが終わったら一旦リンツに帰るよ」

彡;(゚)(゚)「……たとえ数ヵ月といえどもハプスブルクの兵隊に……」
彡;(-)(-)……

彡(゚)(゚)「まっ、ワイと違ってお前は家族があるからしゃあないな」
(´・ω・` )「やっぱり自分の時はやるつもりなんだね……」

彡(゚)(゚)「それはそのときに考えるわ」

彡(゚)(゚)「それより、期末のコンサートが近いんやろ?」
彡(゚)(゚)「指揮者への進路が決まる大事なイベントや言うてたやないか」

彡(゚)(゚)「まずはそれに集中や!」
彡(^)(^)「兵役なんて忘れてまえ」

(´・ω・`)「うん そうするよ」

435名無しさん:2024/06/26(水) 21:57:00 ID:09.lD5Vg0
今回はここまで

436名無しさん:2024/06/27(木) 00:37:01 ID:15qLIdi.0
乙!

437名無しさん:2024/06/27(木) 12:49:40 ID:BahOcBiE0


438名無しさん:2024/06/27(木) 21:45:15 ID:WpPSSs4U0
期末コンサート本番

(`-ω-´)/♪〜♪〜♪〜

よし、カールもソリストも練習どうりにやれてる
簡単な演奏じゃないけど…このままミスなくいってくれ…!

パチパチパチパチ

(;´・ω・` ) .。oO(ふぅ、なんとか無事に終わった)

(`・ω・´;) .。oO(でも本当の難関は次…!)
ボクの作曲したオーケストラ曲がプロの宮廷歌手に歌われるんだ…!
これにボクの音楽家人生がかかっている…!
でもボクならやれる!!
これまで努力してきたんだ!

(;`・ω・´)やってやる!!!

439名無しさん:2024/06/27(木) 21:45:48 ID:WpPSSs4U0
( ´-ω-` )/♬〜♪〜♪〜
(`・ω・´)/♬〜♩〜♪〜
(`-ω-´)/♫〜♪〜♪〜

(`-ω-´)/……
お、終わった…

パチパチ
Σ(´・ω・`)!

パチパチパチパチ
Σ(´・ω・`)!!

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
Σ(´・ω・`)!!!

(´^ω^`) .。oO(やった、拍手喝采。大成功だ!)

440名無しさん:2024/06/27(木) 21:46:19 ID:WpPSSs4U0
楽屋

ガチャ
彡(^)(^)「おークビt」

(◎灬◎)「凄い反響だったぞ 指導したものとして鼻が高いぞ」
(´ᴖωᴖ`)「教授! ありがとうございます」

(◎෴◎)「いやー期待以上だ 主席卒業も夢じゃないよ」
(´ᴖωᴖ`;)「またまたそんな…」

(*´0`)´0`)。´0`)『おーいクビチェク!』
(´ᴖωᴖ`)「あ、みんな!」

           ワイワイガヤガヤ    ワイワイガヤガヤ
彡(゚)(゚)      (*´0`)´0`)。´0`) (´ᴖωᴖ`) (◎灬◎) (◎෴◎)

441名無しさん:2024/06/27(木) 21:46:46 ID:WpPSSs4U0
(。´0`。)「とてもすごかったよ」
(´ᴖωᴖ`)「ありがとう」

(*´0`*)「私、感動して泣いちゃった…」
(。゚ω゚)「え、本当に!」

(´0`)「どうだいこの後、みんなで飲みにいかないかい?」
(´・ω・`; )「え、この後…」

           ワイワイガヤガヤ    ワイワイガヤガヤ
彡(゚)(゚)      (*´0`)´0`)。´0`) (´・ω・`; ) (◎灬◎) (◎෴◎)

442名無しさん:2024/06/27(木) 21:47:11 ID:WpPSSs4U0
(;´ᴖωᴖ`)「ご、ごめん…この後は用があるんだ また今度」
(*´0`)´0`)。´0`)『えー主役が不在じゃ盛り上がらないじゃん』

(`・ω・´;)「ごめん、本当にごめんね」

彡(゚)(゚)  (・ω・`)三3      (´0`(´0`(´0`*) (◎灬◎) (◎෴◎)

(;´・ω・` )「待たせてごめん アドルフ」
(´・ω・` )「ここじゃ騒がしいから外に行こうよ」

彡(゚)(゚)……

(´・ω・` )「アドルフ?」
彡(-)(-)「せやな」

443名無しさん:2024/06/27(木) 21:47:49 ID:WpPSSs4U0
ほこりっぽい椅子張り職人見習いだったボクが…
都会のことを何も知らない田舎者だったボクが…
そしてなにより臆病なボクがここまでこれたのは
誰がなんと言おうとアドルフのおかげだ
感謝してもしたりないよ

彡(^)(^)「おめでとさん クビチェク」
(´^ω^`)「ありがとう!アドルフ!」

444名無しさん:2024/06/27(木) 21:48:30 ID:WpPSSs4U0
(´・ω・`)「来週には、ボクはリンツに戻って兵役検査を受けるよ」

彡(゚)(゚)「久々の故郷や 休日と思って両親と過ごしてこいや」
(◦灬¯)「そうだよ 里帰りして親孝行しないと」

(´・ω・`) .。oO(なんでこの人がいるんだろう?)

(◦灬^)「ところで、君の指揮は迫真の出来だったらしいじゃないか」
(◦灬⦿)「どこかのオーケストラから推薦もウケたんじゃないのかね?」

彡(゚)(゚)「…そうなんか?」

(;´・ω・` )「えっと…まぁ紹介はされたけど」
(´・ω・` )「…………うん」

彡(゚)(゚)ノバシン!!
(。゚ω゚) .。oO(痛っ!)

強く背中を叩かれた

445名無しさん:2024/06/27(木) 21:49:04 ID:WpPSSs4U0
彡(゚)(゚)「何をためらっとるんや!」

彡(^)(^)「よかったなクビツェク、夢が叶ったんや!」
彡(^)(^)「やったやんけ!」

(◦灬¯)「で、これからどうするんだい?」

(´・ω・` )「どうするって… とりあえず故郷に帰って… 兵役をうけて…」
(`・ω・´)「いずれにせよ、ボクとアドルフはずっと一緒です」

(◦灬^)「ハッハッハ、君たちは本当に仲がいいんだね」

彡(゚)(゚)……

446名無しさん:2024/06/27(木) 21:49:26 ID:WpPSSs4U0
今回はここまで

447名無しさん:2024/06/27(木) 21:56:11 ID:vMUg.aBw0


448名無しさん:2024/06/28(金) 12:31:57 ID:fLnQXgRc0

仲良いのに距離が開いていくのが切ない……

449名無しさん:2024/06/28(金) 20:35:11 ID:iCgCMp.s0
乙乙
>(´・ω・`) .。oO(なんでこの人がいるんだろう?)

ほんそれw

450名無しさん:2024/06/28(金) 21:29:34 ID:IXRCVJqg0
コンサートも終わり、授業もなく、兵役検査の日までヒマだった
なのでボクは旅行を計画した

(´・ω・`)「ねえアドルフ、旅行に行こうよ」
彡(゚)(゚)「そんな金はない……」

(´・ω・`)「お金はボクが出すから大丈夫」
彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「こんな狭くて、かびてて、油臭い部屋に引き籠ってないでさ」
(´・ω・`)「柔らかい春の日差しが降り注ぐ、草原や森、山々に行こうよ」

彡(゚)(゚)「……そこまで言うならしゃーない、行ってやるわ」
(´ᴖωᴖ`)「うん、ありがとう」

(´・ω・`) .。oO(なんでお金を出すボクがお礼を言ってるんだろう?)
まあ、付いてきてくれるなら、それでいいや
第一関門は突破!
さっそくお弁当やその他諸々の準備に入ろう

451名無しさん:2024/06/28(金) 21:30:04 ID:IXRCVJqg0
翌日
(´・ω・`)「うん!雲一つない快晴の旅行日和……」
(`・ω・´)「さあ!出発だ!」

彡()()Zzz…Zzz…

( ;´-ω-` ) .。oO(そして……第二関門)
旅行の計画は伝えていたのに
なにがあっても早起きだけはしたくないって豪語してたから

(;´・ω・` ) .。oO(やっぱり起きてこない……)
『寝ている子を起こすな!』じゃないけど
寝ているアドルフを起こすのはとても危険だ
彼を無理やり起こすと、とても不機嫌になる
でも、起こさないと旅行に行けない……

452名無しさん:2024/06/28(金) 21:30:28 ID:IXRCVJqg0
(;´・ω・` )つ「ねえ、アドルフ…起きてよ」ユサユサ
彡(•)(•)「なんや?」

彡(●)(●)「なんでこんな朝早くに起こすんや!!」
(;´・ω・` )「ほら、外を見てよ……もう陽は高いよ」

彡(-)(-)「そんなもん知らん。ワイは寝る」
(ꐦ^ω^)「……」

(`・ω・´)「くらえ!太陽の光!!」ピカー
彡;(-)(-)「ぐぬぬぬ……」

彡(-)(-)Zzz…

(ꐦ^ω^).。oO(この甲斐性なしの無職のゴミが!)
もういい、こうなったら最後の手段だ

ε=ε=彡;(゚)(゚)⊂(;`・ω・´)「力強くだ!!」

453名無しさん:2024/06/28(金) 21:30:56 ID:IXRCVJqg0
電車の中
彡(゚)(゚)「……」

(;´・ω・` ) .。oO(不機嫌そうに黙ってる……)
こんなんで旅行になるのかな……

ジーフェリング駅
(´^ω^`)「自然がいっぱいで気持ちいいね!」
彡(゚)(゚)「……」

( ;´-ω-` ) .。oO(どうしよう……まだ不機嫌みたいだ)

彡(゚)(゚)「いい景色や……」
彡(゚)(゚)「来てよかったわ」

(。゚ω゚)!
(´^ω^`)「うん!よかった!!」

454名無しさん:2024/06/28(金) 21:31:19 ID:IXRCVJqg0
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`)┓三三3
それからボクたちは大自然の中を歩き回った

木々は花開き、ブドウ畑は新緑に覆われ、若葉が茂っていた
アドルフもウィーンの喧騒から解放され

彡(^)(^)(´^ω^`)
本当に喜んでいるようだ

彡(゚)(゚)「こうしとると……」
彡(-)(-)「リンツの頃を思い出すな……」

(´・ω・`)「なんだい、ホームシックになったのかい?」
彡(゚)(゚)「……そうかもしれんな」

こうして旅行初日は終わった

455名無しさん:2024/06/28(金) 21:31:47 ID:IXRCVJqg0
二日目
彡(゚)(゚)「はえーこれがメルク修道院か……」
(´・ω・`)「すごいね……まるで、岩山から生えているみたい」

三時間後
彡(゚)(゚)「はえー」
( ;´-ω-` )「ねえ、そろそろ中に入ろうよ……」

彡(゚)(゚)「どうやったら、こんな断崖に修道院を建てれるんやろ」スタスタ

(。゚ω゚)「アドルフ、ダメだよ!」
(。゚ω゚)「危険だから立ち入り禁止って書いてあるじゃないか!!」

ε=ε=彡;(゚)(゚)⊂(;`・ω・´)「勝手にウロチョロしないの!!」

メルク修道院の中
彡(>)(<)「お!図書館があるやんけ!」
彡(゚)(゚)「ふむふむ……」

( ;´-ω-` )「旅行にきてまで読書ってどうなの……」

456名無しさん:2024/06/28(金) 21:32:17 ID:IXRCVJqg0
三日目
彡(^)(^)「ひゃっほう!!」
(;´・ω・` )「アドルフ、はしゃぎすぎだよ…他のお客さんに迷惑だよ」

ボクたちは汽船に乗って、ドナウ川を下っていた
しばらくするとヴァッハウ渓谷にさしかかった
左側にヴァイテンエック城、右側にシェーンビュール城
さらに奥には険しい岩山の上にそびえるアックシュタイン城が見えた

彡;(゚)(゚)「スケッチが間に合わん!」
(´ᴖωᴖ`)「ははは、ホラホラ急いで!」

457名無しさん:2024/06/28(金) 21:32:49 ID:IXRCVJqg0
渓谷を抜けるとシュピッツとヴァイセンキルヒェンの町が見え
急斜面に植えられたブドウ畑の牧歌的な景色が広がっていた

(´・ω・`)「すごいロマンチック……」
(´・ω・`)「アドルフ……この風景を絵にしてよ」

・・・

(´・ω・`) .。oO(あれ??)
反応がないと思ったら
どこにもいない……

(・ω・`;≡;´・ω・)「また…勝手にウロチョロして……」

(。゚ω゚)「あ!あんな所に!!」

アドルフは船首に立ち、景色に見とれていた

(;´・ω・` )「なにやってるの!危ないからはやくこっちに」
彡(゚)(゚)「I’m the king of the world!」

(´・ω・`)「なにそれ?」
彡(゚)(゚)「なんか知らんが……叫びたくなった……」

458名無しさん:2024/06/28(金) 21:33:14 ID:IXRCVJqg0
それから船は東へと進路を変え工業地帯に入った
倉庫、製油所、資材置き場に粗末な小屋、放浪の民の集落もあった

(´・ω・`)「汚ったない所だな……」

(´・ω・`)「ボクたちの知るライン川とは思えないね」
彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`)「アドルフ?」
彡(゚)(゚)「……」

(´・ω・`) .。oO(どうしたんだろう?)
アドルフは黙ったまま物想いにふけっていた

459名無しさん:2024/06/28(金) 21:33:52 ID:IXRCVJqg0
四日目
ボクたちは列車に乗って、山岳地帯に来た

(´・ω・`)「青い空、緑に輝く草原、雪をかぶった山々……」
(´・ω・`)「いい景色だね」

彡(゚)(゚)「さらに登ったら、もっとよく見えるんとちゃうか?」
(´・ω・`)「まあ、たしかに…そうだろうけど」

(´・ω・` )「登山の準備なんてしてきてないよ……」
彡(゚)(゚)「道はあるんやし、歩いていけばいいだけやろ」

彡(゚)(゚)「よし、いくで」
(。゚ω゚)「ちょっと、待ってよ!」

460名無しさん:2024/06/28(金) 21:34:16 ID:IXRCVJqg0
┗(゚)(゚)ミ┓┗(‘・ω・`; )┓三三3

ボクとアドルフはろくな準備もなく出発した
そしてしばらく行くと、頂上と思われる平地に到着した

彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)「……」

(´・ω・`) .。oO(あまりの壮大な景色に言葉が出ない)
天国から見る地上ってこんな感じなんだろうな
人間がどれほど小さな存在かを、まざまざと見せつけられた気分だ

461名無しさん:2024/06/28(金) 21:34:51 ID:IXRCVJqg0
感激のあまり時間を忘れていた
すると太陽が黒雲に隠れ、霧が立ち昇り、雷雨が降り注いだ

急いで山道を下った
全身ずぶ濡れ、靴の中まで水浸し、冷たい風も吹いてきて
ボクはあまりの寒さに震えた
でも、どういう訳かアドルフは上機嫌だった

┗(^)(^)川┓┗:(´ºωº`):┓三3

(。゚ω゚)「あそこに小屋がある!」
(;`・ω・´)「ひとまず避難だ!」

462名無しさん:2024/06/28(金) 21:35:21 ID:IXRCVJqg0
小屋の中
(;´・ω・` )「止みそうにない、一晩ここに泊まるしかなさそうだ」
川(゚)(゚)「干し草と亜麻布があったで」

(;´・ω・` )「二人で寝るにはそれで十分だね……」
(* >ω<)、;'.・くちゅん

川(゚)(゚)「濡れたままやと風邪ひくで」
:(´ºωº`):「そ、そうだね」

ボクたちは服を脱ぎ、亜麻布にくるまり、干し草をベットにした

(´・ω・`) .。oO(一時はどうなるかと思ったけど……)
二人だけ、暗闇の中、雨音だけが聞こえる小屋の中は……
とても神秘的な世界だった
でも……

463名無しさん:2024/06/28(金) 21:36:03 ID:IXRCVJqg0
(´・ω・`)「お腹が空いたね」グーギュルギュル
彡(゚)(゚)「せやな」グーギュルギュル

彡(-)(-)「……でも」
彡(゚)(゚)「苦しみも二人で分け合えば半分になるわ」

(´・ω・`)「これまでもそうだったよね……」

体も温まってきて、想いで話に花が咲いた

464名無しさん:2024/06/28(金) 21:36:30 ID:IXRCVJqg0
彡(゚)(゚)「クビチェク……」
(´・ω・`)「なんだい?」

彡(-)(-)「いや、なんでもないわ……」
(´・ω・`)「なんだよ……気になるじゃないか」

彡(-)(-)「なんや……その……」
彡(゚)(゚)「ありがとな……」

(´・ω・`)「旅行のお礼かい?」
(´・ω・`)「そんなのいいよ……ボクも楽しかったし」

(´・ω・`)「また来ようね」
彡(゚)(゚)「せやな……」

こうしてボクたちの旅行は幕を閉じた

465名無しさん:2024/06/28(金) 21:36:55 ID:IXRCVJqg0
今回はここまで

466名無しさん:2024/06/28(金) 23:08:22 ID:4rO1IiVM0
乙乙

467名無しさん:2024/06/28(金) 23:22:10 ID:VraLCGfk0
乙です

468名無しさん:2024/06/29(土) 18:54:47 ID:g7K//bD20
一九〇八年七月


(´・ω・`)「じゃあ、暫くの間お別れだね」
(´・ω・`)ゞ「ステファニーのこと、ちゃんと調べておくよ」

彡(゚)(゚)「いや、ステファニーのことは調べんでもええ」

(;´・ω・` )「え、なんで……?」
彡(^)(^)「兵役で大変なのにそんなことさせれんわ」

(;´・ω・` )……
この時、ボクはどことなく違和感を覚えた
しかし、それが何を意味しているかを気付くことはできなかった

469名無しさん:2024/06/29(土) 18:55:08 ID:g7K//bD20
彡(゚)(゚)「お前は優しすぎるからな」
彡(゚)(゚)「軍隊でいじめられんよう気をつけるんやで」

彡(-)(-)「特に、ユダヤ人にはな」

『都会には卑怯者しかいない 英雄が生まれるのは田舎だ
そして、田舎にユダヤ人はいない』

後にアドルフが残すことになる言葉だ

470名無しさん:2024/06/29(土) 18:55:38 ID:g7K//bD20
彡(゚)(゚)「じゃあなクビツェク」

     ガシッ!
(´・ω・`)つ⊂(゚)(゚)ミ

アドルフは両手でボクの手をしっかり握りしめた

(´・ω・`) .。oO(あれ?)
アドルフは両手で握る握手を滅多にしない
なにか特別に感動を覚えたときぐらいにしかしないはずなのに
……たかだか数ヵ月の間いなくなるだけなのに大げさだよ

471名無しさん:2024/06/29(土) 18:56:03 ID:g7K//bD20
(´・ω・`)「うん、またね」

\( )ミ三三3
それからアドルフは回れ右して、一度も振り向かずに
少し早足で出口に向かった

(´・ω・`) .。oO(もう、少しは振り向いてくれてもいいのに……)
ま、アドルフらしいといえばらしいか

こうして、ボクはリンツへ帰郷した


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