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彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大物芸術家や」
1
:
名無しさん
:2024/06/02(日) 21:22:07 ID:mr2D2pCQ0
注意
この作品は元ネタ
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」
を筆者が改変、加筆したものです
それでもよければお読みください
523
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:52:56 ID:vej3OpOc0
彡(•)(•)「お前はワイの計画を実現不可能やと疑っとったが……」
彡(^)(^)「今こそあれを実現するで!」
彡(^)(^)「まずはどでかいオーケストラからや!」
アドルフは青春時代に企てたすべての計画を再び披露した
まるであの頃から三十年ではなく
せいぜい三年しか経っていないかのようだった
524
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:53:46 ID:vej3OpOc0
彡(゚)(゚)「ところで、お前は何になったんや?」
(´・ω・`)「私は地方官司になり、助役になりました」
彡(゚)(゚)「助役とはどういうもんや?」
(;´・ω・` )「え、ええと…つまり、役人です」
(;´・ω・` ) .。oO(し、しまった!)
役人は禁句だ!!
これだけは口にしちゃいけないと決めていたのに!
つい口が滑った
( ; ›ω‹ ) .。oO(くるか来るか!?)
525
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:54:11 ID:vej3OpOc0
彡(゚)(゚)「そか、役人か……そか」
(´・ω・`) .。oO(あれ……?)
彡(゚)(゚)「せやけど、お前には合わんやろ」
彡(゚)(゚)「お前の音楽的才能はどこにいったんや?」
(;´・ω・` )「えーと…」
僕はありのままを話した
戦争によって僕の音楽家の道は途絶えたこと
飢え死にしたくなかったこと
母の勧めから役人になったこと
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「せや、戦争のせいや」
526
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:54:52 ID:vej3OpOc0
それからもアドルフは僕のプライベートを聞きたがった
正直に話した
今は家庭を持って大変ながらも落ち着いていること
そして規模は小さいがオーケストラを作ったことを
彡(-)(-)「……町で小さなオーケストラを…」
彡(゚)(゚)「素晴らしいことや」
彡(^)(^)「さすがやクビチェク」
彡(゚)(゚)「で?どんな交響曲を演奏しとるんや?」
(´・ω・`)「シューベルトの『未完成』」
(´・ω・`)「ベートーヴェンの『英雄』『運命』」
(´・ω・`)「モーツァルトの『ジュピター』などです」
527
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:55:17 ID:vej3OpOc0
彡(-)(-)「そかそか……ワイも直接 聞きに行きたいで…」
(。゚ω゚)「本気ですか?」
彡(•)(•)「もちろん本気や!」
彡(^)(^)「あれからどんだけ上手くなったか楽しみやわ!」
彡(-)(-)「……まあ、さっきも言ったが無理なんやけどな……」
(;´・ω・` )「そうですよね…」
528
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:55:42 ID:vej3OpOc0
彡(゚)(゚)「よっしゃ決めたで! ワイが援助したる!」
彡(゚)(゚)「報告書を作って送ってくれや」
彡(゚)(゚)「それと、何か悩んだでることはないか?」
彡(^)(^)「ワイがパパーッと解決したるで!」
(;´・ω・` )「い、いえ…つつましながらも十分生活は出来てるので……」
(´・ω・`)「特に希望はありません」
彡;(゚)(゚)「ファ!?大抵の奴は喜んで頷くんやで!」
(´・ω・`)「そうですか…」
529
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:56:15 ID:vej3OpOc0
彡;(゚)(゚)「だったら…」
彡(゚)(゚)「せや!クビツェク、子供がおる言うとったやろ?」
(´・ω・`)「ええ、3人います」
彡(•)(•)「3人もか!」
彡(-)(-)「ええな……ワイには家族がおらん…」
彡(゚)(゚)「一人ぼっちや……」
530
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:56:35 ID:vej3OpOc0
(´・ω・`) .。oO(あれ?)
アドルフには長年付き合っている恋人がいるって週刊誌で……
でも、それはステファニーではない
彼女は別の人と結婚したはずだ
もしかしてまだステファニーを引きづっているなんてことはないよね?
それだと、あまりに交際相手が可哀そうだよ……
531
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:56:57 ID:vej3OpOc0
彡(-)(-)「未来ある子供にはワイらみたいに貧困で苦しんでほしくないんや」
彡(゚)(゚)「お前と別れてから、ワイは最悪の日々を送った」
彡(゚)(゚)「若い才能が困窮のために破壊されるようなことがあってはならんのや」
彡(•)(•)「だからクビチェクの子に援助させてくれや!」
彡(^)(^)「リンツのブルックナー学院に入れさせたるで」
僕は断った
でも、彼はそれでも食い下がった
532
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:57:24 ID:vej3OpOc0
彡;(゚)(゚)「頼むわ、それくらいはさせてくれや!」
彡;(゚)(゚)「他ならぬ、クビツェクの子や 遠慮するなや…」
彡(-)(-)「このとおりや」
(;´・ω・` )「えと…やはりそういう訳には…」
彡(•)(•)「頑固やな……まあ、ええ ちょっと待っとれ」
アドルフは立ち上がるとドアに向かって歩いて行った
そして偉そうな人( ´_ゝ`)を呼び寄せ何か話していた
きっと子供の援助についてだろう
(´・ω・`) .。oO(どっちが頑固なんだか……)
533
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:57:59 ID:vej3OpOc0
僕とアドルフは気づけば一時間以上も話し込んでいた
( ´_ゝ`)「総統、そろそろ時間が……」
彡;(゚)(゚)「ファ!? もうこんな時間か!」
(´・ω・`) .。oO(あ、忘れてた!)
アドルフに手紙やスケッチを返さなくちゃ!
(´・ω・`)「そうでした! これを!」
彡(゚)(゚)「これは…ワイが贈った画材や絵葉書…」
彡(゚)(゚)「そして、ワイが設計した邸宅か………」
彡(゚)(゚)………
534
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:58:43 ID:vej3OpOc0
彡(゚)(゚)「クビツェク、これらはお前だけの物や…」
彡(゚)(゚)「これをどうしようとワイは一切関与する気はあらへん」
彡(゚)(゚)「最近になってワイの作品は脚光を浴びるようになった」
彡(•)(•)「ワイが書いた絵だと言って高値で贋作を売るアホまで出る始末」
(´・ω・`)……
彡(•)(•)「覚えとるか!?ワイが学生時代に肖像画のペアを組まされたやつを!」
彡(•)(•)「あのドアホ、ワイとほとんど喋ったこともない癖に…」
彡(•)(•)「ワイの伝記を書きよったんやで!!」
535
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:59:21 ID:vej3OpOc0
彡(゚)(゚)「そういうものはワイのことを本当に知っとる人物が書くべきや」
彡(-)(-)「もし…そういう人物がいるとすれば……」
彡(゚)(゚)「それはお前や、クビツェク」
彡(゚)(゚)「ヘス副総統、このことを直ちに記録しておくように」
( ´_ゝ`)「はい総統」
(´・ω・`) .。oO(僕に伝記を…?)
嫌だよ面倒くさい
536
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 18:59:52 ID:vej3OpOc0
彼はヘスって言うんだ…落ち着いてていい人そうだな
……え、副総統って言わなかった?
もしかして僕はこの国のトップ二人と一緒にいるの?
(。゚ω゚) .。oO(はえー)
彡(゚)(゚)「ほなまた会おうな、クビツェク」
こうして会見は終了した
どうやって帰ったかまったく覚えていない
537
:
名無しさん
:2024/07/02(火) 19:00:16 ID:vej3OpOc0
今回はここまで
538
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 12:40:16 ID:mQlLlEgU0
乙
うまく言えないけど、本当に楽しんで読んでます
539
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:30:30 ID:ES5HwQfQ0
あれから、僕の静かで目立たない生活は急に騒がしくなった
アドルフの作品を狙う不良隊員や欲深な連中がよく家にきた
こういった輩にはこう言って追い返した
(´・ω・`)「それについてはヒトラー閣下と個人的に話したいと思います」
(´・ω・`)「ところであなたのお名前は?」
効果はてきめんだった、誰もがこの一言で黙って帰った
540
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:31:01 ID:ES5HwQfQ0
役所
(;;;゚Д゚;)「あの、この書類についてなんですが」
(´・ω・`)「はい…なんでしょうか…」
明らかに怖がられてる…たまにそうでない人がいてもコネ狙い…
でも新たな知り合いもできた
副総統のヘス( ´_ゝ`)だ
彼は他の隊員や高官と違い
興味深そうにアドルフのことについて聞きたがった
(´ᴖωᴖ`)「そこで彼は言ったんですよ『彼女と一緒にドナウ川に飛び込む』って」
( ´_ゝ`)「ははは、女性に対しては昔からそうだったんですねぇ…実は…」
(´ᴖωᴖ`;)「あはは、付き合った女性3人が自殺未遂……!ははは……は…」
541
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:31:45 ID:ES5HwQfQ0
ある日、アドルフから招待状が送られてきた
リヒャルト・ワーグナーの祝賀劇の招待状だ!
その公演は見たい!見たい!!どうしても見たいと
夢に見ていた公演だった!
でも経済的な理由で…ってこんなことを言うのは無粋だよね
数日後 ヴァンフリート館
(´-ω-`) .。oO(とても素晴らしい演劇だった)
まるで魔法にかけられたようだった
美しい名曲、夢にまで見たワーグナーの息吹!
まさか夢が現実になるなんて…!
ありがとう!神様、仏様……アドルフ様!!
なんてね!
542
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:32:11 ID:ES5HwQfQ0
(´・ω・`) .。oO(でも……)
アドルフはいなかった……
彼は多忙だった
噂では、大きな戦争がまた始まるのではないかとさえ言われている……
( ;´-ω-` ) .。oO(……昔のように起きっこないなんてもう言えない)
(´・ω・`)……
あーあ、夢は叶ったけど…なんだかな……
どんなに素晴らしい芸術もアドルフがいない溝を埋めることはできなかった
このまま残っていても不完全燃焼なもどかしい気持ちが積もるだけだ
家族のもとに帰ろう
543
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:32:32 ID:ES5HwQfQ0
(´・ω・`) .。oO(でも、どうなんだろう?)
アドルフがそばにいてもあの頃のように語れたのかな……
( ;´-ω-` ) .。oO(うーん…無理だろうなぁ)
(´・ω・`)「今日はありがとうございます。とても素晴らしい演奏でした!」
( ´_ゝ`)「もう帰られるのですか?」
( ´_ゝ`)「あと一日いると、よいことがあるかもしれませんよ」
(´・ω・`)「へ?」
544
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:32:55 ID:ES5HwQfQ0
翌日
⊂(゚)(゚)ミ⊃三三3ブーンキキッー
彡(゚)(゚)/「待たせたなクビチェク!!」
アドルフは遠方からわざわざ飛行機に乗ってやってきた
彡;(゚)(゚)「すまん、時間がないんや!」
アドルフはボクの腕をつかむと歩き出した
彡(゚)(゚)っ(´・ω・`)「え…え?」 三三3
彡(●)(●)「お前らはええ 付いてくんなや!」
(;*■_■) (;⌐■_■) ;⌐■_■) ;⌐■_■)ザワザワザワ
ああ、皆、動揺しちゃって…なんというか…御愁傷様…
545
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:33:33 ID:ES5HwQfQ0
アドルフは庭に通じるドアを開け、石段を下った
手入れの行き届いた小路を抜け、鉄柵のドアが開かれた
するとそこにはリヒャルト・ワーグナーの墓があった
(´・ω・`)人(゚)(゚)ミ
アドルフは僕の手を握った
彼の感動がひしひしと伝わってくる
彡(-)(-)「ワイらにとってここは最も神聖な場所や……」
彡(゚)(゚)「あの頃に語り合った夢がこうして叶って……」
彡(^)(^)「ワイは満足や!!」
ボクの隣には頬のこけた青白い大きく特徴的な目をした
あの頃のアドルフがいた
546
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:34:15 ID:ES5HwQfQ0
その後、僕たちは劇場に向け歩き出した
だが、階段の所までくるとアドルフは止まった
(´・ω・`)??
彡(-)(-)「すまんな」
彡(゚)(゚)「ワイは他にやることがあるから一緒に見れへんのや…」
(´・ω・`; )「え…」
彡;(゚)(゚)「そんな顔すんなや……でもな…」
彡(゚)(゚)「若いワイらがあれだけ熱狂したワーグナーの劇や!」
彡(^)(^)「ちゃんと楽しむんやでクビチェク」
ガシッ!
(´・ω・`)つ⊂(゚)(゚)ミ
アドルフは両手でボクの手をしっかり握りしめた
\( )ミ
そして回れ右して、振り向かずに、少し早足で出口に向かおうとした
547
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:34:50 ID:ES5HwQfQ0
(´・ω・`)「ア……」
彡(゚)(゚)「ん、なんや?」
(;´・ω・` )「あ、え、えーと…」
彡(゚)(゚)「……」
(´・ω・`)「もしかして戦争の……こと?」
彡(゚)(゚)「お!」
彡(^)(^)「せや お前も少しは政治に関心を持つようになったんやな!」
彡(゚)(゚)「クビツェク、お前も知っとるやろ」
彡(゚)(゚)「どれ程ワイに建設したいものがあるかを」
548
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:35:42 ID:ES5HwQfQ0
彡(●)(●)「戦争なんて糞や!」
彡(●)(●)「ワイの建築計画を邪魔しおってからに……」
彡(-)(-)「この戦争のせいで……」
彡(゚)(゚)「ワイの建設事業は何年も後戻りしてしまったんや」
彡(-)(-)「残念や」
彡(-)(-)「ワイは戦争をするために帝国宰相になったんやない…」
(´・ω・`)……
彡(゚)(゚)「闘争の日々が終わったら、ワイはお前を呼ぶ」
彡(゚)(゚)「そしたらまた……」
彡(^)(^)「芸術について語ろうや」
彡(^)(^)「お前はずっとワイのそばにおらなアカンのやからな!」
549
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:36:20 ID:ES5HwQfQ0
ヴー
解放者リエンツィは高らかに宣言した
トランペットの響きが
長く鳴り響くのを聞いたら
起き上がって駆けつけるのだ
そのとき私は諸君に自由を宣言する
貴族マドリアーノが問う
リエンツィ、君は何をする気だ?
君は強大だ。言ってくれ、
権力をどこに向けて使う気なのだ?
リエンツィは答える
私はこの国を偉大で自由にする
……
私はそのために法を作りたいだけだ
その法に民衆も貴族も従うのだ!
550
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:36:57 ID:ES5HwQfQ0
民衆は狂喜する
彼こそ、我ら民衆のためにいるのだ
それゆえ、我らの言うこと聞いて、賛成してくれ
我らは彼の民衆、彼は我らの王だ!
リエンツィは叫んだ
私は王ではない!
だが、諸君らは私を守護者に選んだ
民衆に法を知らしめる守護者
諸君らの先祖に倣って
護民官と私は名乗ろう!
民衆は歓喜して答える
ハイル リエンツィ、我らの護民官!
551
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:37:25 ID:ES5HwQfQ0
貴族ステファノは吐き捨てる
奴は民衆の偶像だ
民衆を欺瞞している
・・・
貴族に扇動された民衆がわめく
裏切り者!俺たちは奴に尽くした
奴の功名心のために、俺たちの血が犠牲になった
奴は俺たちを破滅に追い込んだ
復讐だ!
リエンツィは嘆く
……私が引き上げてやった民衆たちも
私を見捨てた
私の幸運に集まってきた友たちも
私を見捨てた……
552
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:37:48 ID:ES5HwQfQ0
貴族は嘲笑する
しょせん、愚かな暴徒どもだ!
リエンツィが奴らを騎士にしたのだ
リエンツィを奴らから奪えば、奴らは本来の群衆に戻る!
民衆は怒り狂う
集まれ!集まれ!急いでこっちに来い!
石を持って来い!たいまつを持って来い!
リエンツィは呪われた。奴は破門された!
奴は俺たちを裏切った!!
リエンツィは問いかける
言ってくれ、誰が諸君らを偉大で自由にしたか?
私が自由と平和を与えたとき
諸君らは私に歓喜して挨拶してくれたではないか
あの歓喜のことをもう思い出してくれないのか?
もう私の名を呼んではくれないのか?
553
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:38:16 ID:ES5HwQfQ0
誰もリエンツィに耳を傾けようとしない
……何ということだ!これが人間なのか?
人間とは、これほど惨めで無価値なのか?
私はお前たちを呪うぞ!
こんな世界は呪われ、破滅するがよい!
腐敗し、干からびた世界!
お前たちがそれを望んだのだ!
パチパチパチパチパチパチパチパチ
554
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:38:42 ID:ES5HwQfQ0
彡(゚)(゚)/「ワイのすべてはここから始まったんや!」
(´・ω・`)「…うん、初めてリンツでこの劇を見た時も……」
(´・ω・`)「君はそう叫んだよね」
(。゚ω゚)「え!?アドルフ?」
慌てて横を振り向くと怪訝そうな顔をした老年の紳士が
(◦灬⦿)ジトォーと僕のことを凝視していた
(;´・ω・` ) .。oO(あれ?この人…)
どこかで見たことがあるような気が……
(◦灬¯)「ゴホン!」
(;´・ω・` )「す、すみません!」
(;´・ω・` )「あまりに感銘を受けてしまってその一人ごとを……」
(;´・ω・` )「……本当にすみません」
なんだ空耳か…
555
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:39:20 ID:ES5HwQfQ0
演目がすべて終わり僕は見送りの最前列に立っていた
眼の前には黒光りのベンツがゆっくり通りすぎようとしている
こんな車に乗れるのは要人に決まっている
そしてそれがアドルフ・ヒトラーだと誰でも知っている
誰もが歓声を上げて彼を送り出そうとしていた
僕も皆と同じように手を振った
すると、アドルフがきづいたようだ
運転手に何か合図をだしている
キキッ
車が止まった
ウィーン
窓が開いた
556
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:39:46 ID:ES5HwQfQ0
彡(^)(^)つスッ
微笑んだアドルフが握手を求めてきた
つ⊂
彡(^)(^)「ほななクビチェク、また!」
(´・ω・`) .。oO(うん、またね アドルフ)
つ ⊂
ウィーン
窓が閉まった
557
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:40:24 ID:ES5HwQfQ0
一九三九年 第二次世界大戦勃発
一九四〇年 ドイツ・イタリア・日本三国同盟締結
一九四一年 ドイツ ソ連に宣戦布告
一九四三年 スターリングラードの戦い ドイツ敗北
一九四四年 連合国軍 ドイツに侵攻
一九四五年 アドルフ・ヒトラー自殺
彡(゚)(゚)
┏┛墓┗┓
第二次世界大戦終結
558
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:40:57 ID:ES5HwQfQ0
終戦後、僕はアドルフ・ヒトラーの関係者として逮捕された
「あなたはヒトラーから何かもらいましたか?」
(´・ω・`)「いいえ」
「何も?」
(´・ω・`)「はい」
「お金も?」
(´・ω・`)「はい」
「食糧などは?」
(´・ω・`)「もらってません」
「車は?家は?」
(´・ω・`)「もらってません」
559
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:41:27 ID:ES5HwQfQ0
「美女を紹介されたりは?」
(`・ω・´)「ありえません」
「何かに招待されたことは?」
(´・ω・`)「ワーグナーの祝賀劇に招待されました」
「ヒトラーはあなたを歓迎しましたか?」
(´・ω・`)「はい」
「よく会いましたか?」
(´・ω・`)「ほんの数回です」
「どうやって彼に会ったのですか?」
(´・ω・`)「僕から会いに行きました」
「その時、ヒトラーはあなたのそばにいましたか?」
(´・ω・`)「はい、すぐそばにいました」
「二人だけで?」
(´・ω・`)「二人だけです」
「警護もなしで?」
(´・ω・`)「警護もなしです」
「それならあなたはヒトラーを殺すこともできたでしょう?」
(;´・ω・` )「…はい、できたと思います」
560
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:42:12 ID:ES5HwQfQ0
「最後にひとつ聞きます」
ではなぜ、あなたはヒトラーを殺さなかったのですか?
彼を殺していれば…あなたは英雄になれたのに
それは…
僕とアドルフは友人だから
でも…こんなこと言えるわけがない……
彼は戦勝国の人々から
そして……
あんなに熱狂していた国民からも
史上最悪の独裁者と称される極悪人となっていた
そんな男を友だなどと口が裂けても言えるはずがない
………
………
……でも
561
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:42:49 ID:ES5HwQfQ0
あの時、いやあの時、それともあの時
それとも……あの時
アドルフにちゃんと向き合っていたら
アドルフに君は間違っているって言えたなら
激怒するアドルフに言い返してたら
そしてとことんアドルフと言い争ってたら
どうなってたんだろう…
二人がおじいちゃんになっても一緒に劇場に足を運んでいたのかな?
そして芸術について語り合うんだ!
ボクが聞き役でアドルフが話す役なのはきっと変わらないんだろうけど
……
562
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:43:34 ID:ES5HwQfQ0
まあでも、そんなことできるわけないんだけどね
言えるわけないじゃん!
だって、あのアドルフ・ヒトラーにだよ!!
だから何を思ったって
過去は変わらないし、未来も変えられない
彼が許されない罪を犯したことも変わらないし、変えられない
……
でも……
ボクとアドルフが友達だってことも変わらないし、変えられない
だからアドルフには言えなかったけど
今ならはっきりと言える
563
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:44:01 ID:ES5HwQfQ0
(´・ω・`)「そんなの決まってるだろ」
(´・ω・`)「ヒトラーはボクの友達だからさ」
564
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:44:38 ID:ES5HwQfQ0
おしまい
565
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 21:45:06 ID:ES5HwQfQ0
長い間、読んで頂きありがとうございました
566
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 22:41:17 ID:I3O.V2ac0
最高でした!
567
:
名無しさん
:2024/07/03(水) 23:28:22 ID:mQlLlEgU0
乙乙乙乙乙乙乙乙
568
:
名無しさん
:2024/07/04(木) 22:17:49 ID:2UK1gPpY0
ひとまず乙じゃ!
あとでよむ
569
:
名無しさん
:2024/07/04(木) 22:44:09 ID:7ocQAWpM0
乙乙乙
クビツェクからしたらめっちゃ切ない思い出だよね
いやぁ文体がずっとエモーショナルで良かった。良かった。
570
:
名無しさん
:2024/07/04(木) 22:55:26 ID:EGLUWAq60
乙です
571
:
名無しさん
:2024/07/05(金) 12:37:48 ID:GPR/6pDc0
すごい良かった
ヒトラーへの認識が180度変わったわ
乙
572
:
名無しさん
:2025/06/10(火) 02:13:23 ID:9.NnSh.g0
乙乙
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