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( ゚д゚ )絵描きとヴィオラのようですミセ*゚ー゚)リ

84 ◆gMoTB8ciTo:2024/04/29(月) 02:14:07 ID:fCDwqofo0

ミセ*゚ー゚)リ「…ちょっと、何を黙りこくってるのよ」

形の良い眉が歪み、さっきまでは少しご機嫌そうだった目が僅かに鋭くなる。
「アンタの話も聞かせなさいよ」と続けられた言葉に、僕は残念ながら拒否権はないようだった。

といっても、僕はお嬢様と違って、特に面白みのある人間じゃない。
ごく普通の家庭に生まれ、何の才能も持たず、ただ流されてるように生きてこの地に辿り着いただけの凡人だ。
そんな自分が果たして彼女が満足するような話が出来るかと問われれば全く自信がない。
かといって、彼女からの申し出に「無理です」と答える勇気は更に無い。

( ゚д゚ ;)「僕はその、実家が花屋をやってて、昔から、そういう花とかを絵に描くのが好きで…」

ミセ*゚ー゚)リ「それはもう聞いたわ。他の話」

( ゚д゚ )「え、えっと…あ、今授業でやってる課題は、”ペンクロッキー”っていうやつなんです。クロッキーっていうのはスケッチよりもラフにさらっと描くみたいな感じで、僕の学科には本来ない授業なんですけど、これが結構楽しくて…」

ミセ*- -)リ「しょーもない。他」

なんとか捻り出した話題が、片っ端からバッサリと切られては捨てられる。
江戸時代の特権階級の武士ですらもう少し手心があると思うのだが、そんななけなしの慈悲を期待しても仕方ない。
寧ろ、そんな詰まらない人生を歩んできた自分が悪いとまで思うようになってきた。
僕はもう、お嬢様に相当毒されているのかもしれない。


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