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( ゚д゚ )絵描きとヴィオラのようですミセ*゚ー゚)リ
75
:
◆gMoTB8ciTo
:2024/04/29(月) 02:02:39 ID:fCDwqofo0
あぁ、本当に彼女は凄い人なのだ。
この屋敷で働いている時、気まぐれに遠くから聞こえてくる音色を思い出す。
音楽の素養なんて毛ほどもない僕でも、思わず手を、いや、呼吸すら止めてしまうほどに人の心を奪う演奏。
こうしていざ楽器を構える本人と相対すると、よりそれが色濃く感じられた。
屋敷の人たちからお嬢様の話を聞いて、気まぐれに自分でも彼女のことを調べたことがある。
“堂島ミセリ”。東京にある、日本で唯一の国立総合芸術大学に現役で合格し、数多のコンクールに出場。
数えるのも馬鹿馬鹿しいほどの実績を残した、「二十代で最も有名なヴァイオリニスト」。
彼女の演奏を、それもソロなんて、本来ならどれだけの金を出したところで聞ける代物じゃない。
それこそ、僕みたいな何の才能もコネもない美大生なんかでは、一生かけても聴けないほどの。
その価値は十二分に理解している。
これほどお嬢様が上機嫌なのも珍しい。きっと、今この時を逃せば、彼女のソロ演奏を堂々と聞ける日なんて二度とこない。
初めてここに来た日のことを思い出す。
月光よりも、春の陽気な夜風よりも、何よりも魅力的に思えた彼女の音色。
ミセ*゚ー゚)リ「ほら、リクエストがあるなら早くしなさい?パガニーニ?ラフマニノフ?私の機嫌が変わる前に……」
( ゚д゚ )「―――いや、いいです」
それを断るなんて阿呆は、きっと世界でも僕くらいだろう。
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