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( ゚д゚ )絵描きとヴィオラのようですミセ*゚ー゚)リ
54
:
◆gMoTB8ciTo
:2024/04/29(月) 01:28:41 ID:fCDwqofo0
( -д- )「……………はぁ」
思考が明確なノイズになったことを自覚して、手を止めた。
もう少しで完成という所で終わった絵を一度俯瞰する。
悪くない。だが、良くもない。
仮に僕が個展でこの絵を見て、買わなきゃいけないと思ったとして、一体いくらの値をつけるだろうか。
ふと、乾いた笑みが漏れた。
一体いつから僕は愛していた芸術を金銭で評価するような浅ましい人間になったのか。
そういう人間にはなりたくないと、ならないと、誓って絵を描いていた筈なのに。
まぁ、特段大した話ではない。僕も所詮、”凡人“だったというだけだ。
生まれながらの才能もない。かと言って、その限界を破れるほどの研鑽を詰めるほどの怪物にだって成れやしない。
今までだってそうだ。僕はずっと、”妥協”で人生を決めてきた。
行きたかった国立や市立の芸大に落ち、金銭を理由に筆やキャンバスを選び、現実を理由に理想に背を向けて、運命を理由に人生のゴールを決めた。
きっと、人生最後の日まで、僕はずっとこうなのだろう。
( ゚д゚ )「……ん?」
ふと、草木を踏む足音が聞こえたような気がした。
こんな時間だ。住み込みの使用人たちは流石に屋敷にいるだろうし、旦那様は今海外に出張中である。それに何より、庭の隅であるここまでわざわざ来る人がいるとは思えない。
少し不安になりながら後ろを見る。
鹿の先の暗がりで、シロツメクサのようにサラサラと揺れる髪が見えた。
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