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( ゚д゚ )絵描きとヴィオラのようですミセ*゚ー゚)リ
25
:
◆gMoTB8ciTo
:2024/04/29(月) 00:52:00 ID:fCDwqofo0
いつの間にか、広い草原に出ていた。
さっきまで大量にあった木や、足元のアスファルトはなくなっていた。
視線の先、草原のずっと奥に、大きな影と小さな影が一つずつ見えた。
大木だ。それも、相当に大きな。
その下に、ひどく朧気ではあるが人影があった。
雲一つない上空に輝く満月が、その存在を辛うじて証明している。
あれだ。あそこが、あの人が音の発生源だ。
迷うことなく、僕は人影に向かって歩き出していた。
距離が近くなるにつれ、耳に届く音はより鮮明に、より大きくなっていく。
たまにテレビから流れてくるような、今までの人生で積極的に聞いたことのないようなクラシック音楽。
だが、それは僕が「クラシック」と言われて想像するような音とは少し違っていた。
音色からして、間違いなく弦楽器だ。音楽に疎い自分でもそれくらいは分かる。
だが、今聞こえる音色のそれは、僕が弦楽器と聞いて思う高い音程ではなかった。
この星さえ包み込んでくれるような柔らかい音、どんな焦燥も戦争も忽ち止みそうな落ち着いた音。
僕の二十年ぽっちの人生では、一度も聞いたことのない、美しい音だった。
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