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( ゚д゚ )絵描きとヴィオラのようですミセ*゚ー゚)リ
24
:
◆gMoTB8ciTo
:2024/04/29(月) 00:51:26 ID:fCDwqofo0
過去を想起しながらぼんやりと空を見上げる。
上空にはまるで、絵本に出てくるような満月が煌々と光っているのが見えた。
そうか、街灯がないのにここまで歩けたのは、あの月明かりのお陰か。
心の中で感謝しながら、ここで立ち止まっていても仕方がないと立ち上がる。
ある程度の疲れは取れた。それに、ここまで結構歩いた。目的地はそう遠くはないだろう。
そう思って再び一歩を踏み出そうとする。その瞬間だった。
( ゚д゚ ;)「………ん?」
何か、綺麗な音が聞こえた。
春の夜風に乗って、ふわりとした低音が微かだが鼓膜を揺らす。
決して派手ではない。太陽のような光はない。
けれど、そう、ちょうど今夜の満月のような、確かな輝きを持った音だ。
気が付けば、僕は早足で歩きだしていた。
夜の街灯に誘われる羽虫のように、花の蜜に誘われる蝶のように、ふらふらと歩を進めていく。
こんなことをしている場合なのか。行くべき場所があるんじゃなかったのか。
冷静に己を客観視している自分が、音を聞くにつれ薄れていく。
さっきまで自分の足を動かしていた理由がすっかりすげ変わる。
道を歩く。草木を押しのける。ただ只管、遮二無二、音が鳴る方へ。音色が聞こえる方へ。
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