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( ^ν^)四月、僕は泥棒になったようです

163名無しさん:2024/08/04(日) 01:45:03 ID:ZRamFMRU0

( ^ν^)「…………なぁ」

遠慮がちに声をかける。
隠れていたデレの左目だけと視線が合う。

一瞬の躊躇いが生じた。
こんなものを作って、何の意味があるのだろうかと。
こんなもので、彼女は喜んでくれるのだろうかと。

けれど生憎、デレを少しでも喜ばせられるものが、他に思いつかなかったのだ。
うちは決して裕福ではない。僕が持っている中で一番高い服は制服だし、古本屋でしか本を買ったことがない。そんな家庭だ。
とても年頃の女子が喜びそうな物は買えないし、用意も出来ない。
そんな中、唯一、思いついたものがこれだった。

( ^ν^)「……僕なりに、あの話の続きを書いてみたんだ」

紙袋の中から現れたのは、紙の束だった。

店で売っているような文庫本じゃない。
それどころか、あの夏祭りでおじさんが作った、絵本のような形にもなっていない。
ただ、文章が印刷されただけの紙の束。
それを、ホッチキスで無理やり綴じた、不格好にも程がある代物だ。


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