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夜は眠って朝が来るようです
113
:
名無しさん
:2022/01/25(火) 22:19:34 ID:Y433IWt20
慌ただしく電話を切る。
こんなことは今までなかったので、少し心臓がバクバクした。
川; ゚ -゚)「モナーさん、大丈夫だといいな…」
.
114
:
名無しさん
:2022/01/25(火) 22:20:33 ID:Y433IWt20
本日の投下は以上です。
乾燥しますね、お気をつけておやすみなさい。
115
:
名無しさん
:2022/01/26(水) 00:35:16 ID:t1y/SldI0
乙乙
116
:
名無しさん
:2022/01/26(水) 01:28:08 ID:pnvd/JHQ0
おやすみ〜〜〜
117
:
名無しさん
:2022/01/26(水) 08:37:53 ID:WihX5WAM0
孫娘かわいい
118
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:29:09 ID:7o11NZnY0
6:30②
.
119
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:29:39 ID:7o11NZnY0
川 ゚ -゚)(……次のお客様に電話しなきゃ)
モナーさんとの電話を切ってから、そわそわと落ち着かなかったけれどもうじき6時半になる。
電話に指を滑らせ、相手を確認して通話ボタンを押した。
キュートさんというお客様は、電話に出るまでが他の人より長めだった。
川 ゚ -゚)(…7、8、9……)
心の中でコール音を数える。
10回目で、ようやく彼女の可愛らしい声が聞こえてきた。
『おはよお、おはよう屋さん…』
川 ゚ -゚)「おはようございます、キュートさん」
今日は早い方だ。以前、コール音を35回数えたことがある。
キュートさんは朝が苦手らしい。けれど、恋人のために早く起きている。
会ったことはない。でも彼女の可愛い声と明るい性格から、素敵な女性なのだと思う。
120
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:30:10 ID:7o11NZnY0
『今日は、ふぁぁ…あっ、アクビごめんね!今日は早く起きれたぁー!』
川 ゚ -゚)「そうですね、今日はいつもよりも早かったです」
んふふ、と耳元で笑い声が聞こえる。
朝が苦手だと言うけど、彼女は朝から機嫌が良い人なので電話をしていて怖い気持ちになったことはなかった。
『おはよう屋さんに話したいことがあったからさ!ワクワクして早く目が覚めたの!』
川 ゚ -゚)「話したいこと、ですか?」
.
121
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:30:41 ID:7o11NZnY0
『あのねぇー、今日の話はね、自信あるんだぁ!』
一際楽しそうな声でキュートさんが言う。
鈴のような笑い声が跳ねるので、私も嬉しくなった。
彼女は毎朝面白い話をしてくれる。今日はどんな話なんだろう。
『あのね?ふふ…いざ話すとなると、変な感じ』
川 ゚ -゚)「ふふ」
笑い方がうつる。あのね、を3回ほど続けて言うのを静かに聞いた。
『──あのね、アタシの彼氏、アタシの他に6人も彼女がいるんだぁ!』
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「…え?」
『7股してるの。すごくない?ね、笑えるよね!』
彼女の声は変わることなくずっと明るかった。
これまで、真相はわからないが嘘や冗談を言うことはなかった。
明るくて、まっすぐな女の人──
.
122
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:31:12 ID:7o11NZnY0
───アタシは2番目で良いんだ別に。だって彼が───
.
123
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:31:49 ID:7o11NZnY0
川; ゚ -゚)「っ、」
『おはよう屋さん?聞こえてる?』
何かが口から出そうになって、堪らずに手で塞いだ。
言ってはいけない言葉が漏れそうになった。
また、繰り返すつもり?
今の私は「おはよう屋さん」だ。
川; ゚ -゚)(おはよう屋さんなんだから…)
『もしもし、大丈夫?』
.
124
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:32:23 ID:7o11NZnY0
川; ゚ -゚)「痛…」
『どうしたのおはよう屋さん、大丈夫?』
慌てたキュートさんの声が聞こえて、咄嗟に返事をしようとした。
けれどこめかみの辺りが酷く痛んで、言葉らしい言葉が出なかった。
川; ゚ -゚)「……ごめんなさい、大丈夫…大丈夫です」
『どっか痛い?すごく辛そうな声してるよ!?』
川; ゚ -゚)「…大丈夫です…少し頭が痛いだけだから…」
先程のモナーさんとの電話のようだった。
やはり顔が見えない電話は、その分不安が増す。
ごめんなさい、キュートさん。
心配しないで、キュートさん。
これは、多分、あれが切れてるからだと思う。
そんなことすらも口から出せない。
.
125
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:32:57 ID:7o11NZnY0
『わー!あっ、ごめん大きな声出しちゃった…大変だよそれ、アタシの電話はいーから、早く切って横になりな!?』
川; ゚ -゚)「ご、ごめんなさい…」
『こういう時はね、ありがとう で良いんだよ!また明日ね、お大事にね!』
川; ゚ -゚)「ありがとうございます…また、明日…」
.
126
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:33:39 ID:7o11NZnY0
川; ゚ -゚)「……」
川;- -)「……」
電話を切って大きく息を吐く。ズキズキとした痛みが治まりつつある。
川; ゚ -゚)(ちゃんと返事できなかったけど、…6人他に恋人が…)
私はお客様のことを何も知らない。
声と、話してくれる内容でどんな人かを想像するくらいしか出来ない。
けど、けれど。
キュートさんは明るくて優しい人だと思う、から。
川; ゚ -゚)「…キュートさんはそれで…辛くないのかな…」
.
127
:
名無しさん
:2022/01/27(木) 23:34:48 ID:7o11NZnY0
本日の投下は以上です。
書き溜め分が終わってしまったのでまたゆっくりになります、頑張ります。
良い夢を。
128
:
名無しさん
:2022/01/28(金) 00:13:09 ID:cszEJF2Y0
乙です
129
:
名無しさん
:2022/01/28(金) 00:18:53 ID:uWpDHhLU0
おつおつん
130
:
名無しさん
:2022/01/29(土) 23:18:28 ID:P0V3i6LY0
みんな幸せであれ……
乙
131
:
名無しさん
:2022/02/12(土) 22:56:43 ID:/Z.3KEJc0
頼む!幸せになってくれ…
※擬人化注意
https://i.imgur.com/wGrpqPX.jpg
132
:
名無しさん
:2022/02/13(日) 10:49:29 ID:/5Rv2zg.0
>>131
おはよう屋さん〜!綺麗で良い絵だ…
133
:
名無しさん
:2022/02/13(日) 15:37:10 ID:a65QGKhU0
>>131
目線も肌チラ具合もスマホから手が離れてるとこも全部好き…
134
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:31:23 ID:7WP71O/I0
7:00②
.
135
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:32:06 ID:7WP71O/I0
キュートさんとの電話を切ってしばらくが経った。
もうすぐ7時になる。
最後のお客様の時間だ。
川 ゚ -゚)(電話、しないと……)
横になったおかげでいくらか頭痛は良くなっていた。
起き上がって、電話を触る。
──こういうことを言うのは良くないけれど、次のお客様が1番電話し辛い相手だった。
怖い人というわけではない。むしろ、気の優しい人だと思う。
ただ彼は──
136
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:32:45 ID:7WP71O/I0
川 ゚ -゚)、「……」
2コール目でプツ、という音が聞こえた。
『おはようだよぅ、おはよう屋さん』
川 ゚ -゚)「おはようございます、いようさん」
いようさんの声は静かだけど、聞きにくいわけではない。今日はいつもより少しだけ声が明るい気がした。
『今日はね、1位だったよぅ!』
なるほど、明るい声なのは占いの結果が良かったかららしい。
彼は契約の時間より少し前にテレビでやっている、星座占いの結果を教えてくれる。
川 ゚ -゚)「1位、おめでとうございます…というのも違うんですかね…」
『ううん、嬉しいよぅ、ありがとう!おはよう屋さん』
137
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:33:36 ID:7WP71O/I0
彼は前述の通り、気の優しい人だ。ありがとうが言える人。
今は本当に嬉しい気持ちなのか、力のある声は聞いていて心地良くて、毎日そうであって欲しいと思ってしまう。
いつもの声が嫌だとか、そういう意味ではない。
『昨日はね、昨日もね2位だったからいい日だったんだよぅ。いつもの上司が出張でいなかったから、殴られたり蹴られたりもしなかったし、怒鳴られもしなかったよぅ!渡された書類も終電前には終わったからタクシーで帰らないで済んだんだ!ちょっと感動しちゃったよぅ!』
川; ゚ -゚)「…」
川;-″-)ギュ「…」
138
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:34:12 ID:7WP71O/I0
『今日も何もないといいなぁ。どんなに行きたくなくても足が会社に向かうの、なんなんだろうね?タイムカードを切って、ああもう逃げられないって気持ちでデスクに向かう時が1番嫌なんだぁ…』
川;-″-)「……そう、なんですね…」
知らない体で相槌を打つ。本当はよくわかる、けど。
こういった話をする時、“わかります″なんて同意が欲しいわけでないこともわかっていた。
自分がどれだけしんどくて辛いかなんて、自分以外がわかるはずがない。わかるだなんて簡単に言われたくない。
いようさんもそんな気持ちかもしれないので、こういう時に″そうなんですよね″と同意したことはない。
聞くのが、きつかった。
いようさんの話を聞くのは、とても苦しくて辛かった。
中でも1番辛いことがある。
139
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:34:47 ID:7WP71O/I0
『あー……そろそろ行かないとだよぅ。おはよう屋さん、お願いだよぅ』
川; ゚ -゚)「……」
川; ゚ -゚)「はい」
川;- -)
川; ゚ -゚)「……″頑張ってください″」
『…うん。″頑張る″よぅ…』
140
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:36:15 ID:7WP71O/I0
呪いのような、べったりとしたこの言葉を言わなくてはいけなかった。
いようさんとの契約だ。
彼はモーニングコールの前にもう起きている。
あまり眠れなくて、7時よりだいぶ前に目が覚めているらしい。
何故おはよう屋さんを頼むのか。
″頑張って″と背中を押して欲しいからだそうだ。
『ありがとうだよぅ、おはよう屋さん。じゃあ、また明日もよろしくね』
川; ゚ -゚)「……はい」
141
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:36:51 ID:7WP71O/I0
通話を切った電話を、そのまま床に落としてしまった。
手に力が入らない。
泣きそうになってしまう。
あんなに苦しそうで辛そうで、それでもまだ頑張ろうとするいようさん。
話を聞く限り、良くない環境にいるのに、逃げずに毎日毎日毎日毎日働いている。
川 ゚ -゚)(いや…逃げないんじゃなくて、逃げられないんだ…)
142
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:37:17 ID:7WP71O/I0
″頑張れ″なんて私が言って良いはずがなかった。
何も頑張っていない私に、そんなことを言う資格がない。
何よりいようさんは──
思い出して、辛くなる。
川 ゚ -゚)(いようさんは似てるから……辛い)
頑張れ、だなんて言いたくなかった。
川 -)(もう、たくさん頑張ってるのに…)
143
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 21:41:54 ID:7WP71O/I0
本日の投下は以上になります。
>>131
さん
素敵な支援絵をありがとうございます。夢の中みたいに綺麗で何処か儚げなクーも、夜から朝になるようなグラデーションもとても素晴らしいです。
すごく嬉しいです。
どうぞ良い夢を。おやすみなさい。
144
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 22:48:12 ID:efNV6J3g0
乙
145
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 22:56:02 ID:PlBykxAY0
乙、
146
:
名無しさん
:2022/02/14(月) 23:07:00 ID:Pr3hdfT20
おつおつおやすみなさい
147
:
名無しさん
:2022/02/15(火) 00:20:18 ID:E6J4Y.220
つらい…
おやすみなさい
148
:
名無しさん
:2022/03/16(水) 15:56:34 ID:6ix1iPEE0
めちゃめちゃ面白い
おつ
149
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:39:56 ID:jTxKzCh.0
17:00
.
150
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:40:49 ID:jTxKzCh.0
川 ゚ -゚)(…本当にもう秋なんだな…)
半月ぶりに出た外は、すっかり季節が変わってしまっていた。
今年は寒い秋だとお客様達から聞いていたはずなのに、私の季節は初夏で止まっている。何だか変な感じだ。
陽が落ちて、辺りは暗い。
家を出るまでに時間がかかってしまった。
でもこのくらいの方が落ち着く。日が出ている時間は、人の目が気になる。
川 ゚ -゚)「…着いた」
目の前の建物は看板もなく、ただの一軒家のように見える。
だから初めてここに来た時は場所を間違えたかと焦ってしまった。
何度か通ううちに、こういった見た目の方が入りやすい人もいるのかもと思うようになった。
151
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:41:36 ID:jTxKzCh.0
( ‘∀‘)「こんにちは、素直さん」
ドアを開くと、中は普通の一軒家とは違って受付がある。
病院だからだ。
受付の女性はいつも優しく迎えてくれる。
人と対面するのが久しぶりで、毎回目を逸らしてしまうのが心苦しい。
川 ゚ -゚)「こ、こんにちは…あの、予約…」
( ‘∀‘)「大丈夫です。どうぞ、そのままお部屋に入ってくださいね」
川 ゚ -゚)「はい…」
初めてこの病院に来て以降、予約の連絡を直接したことはなかった。
兄者さんが来るかどうかを聞いてくれて、そこから話が通っている、らしい。
というのも、
川 ゚ -゚)コンコン
川 ゚ -゚)「失礼します…」
(´<_` )「こんにちは、クーさん」
川 ゚ -゚)「こんにちは、弟者先生」
この病院の先生、流石弟者さんは兄者さんのご兄弟だから。
152
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:42:44 ID:jTxKzCh.0
(´<_` )「座って待っててください、今お茶淹れますね」
川 ゚ -゚)「あ、ありがとうございます」
ソファーに腰掛ける。部屋には大きな机とソファー、それからたくさんの缶が並んだ棚がある。
以前何の缶か聞いたら、紅茶や緑茶などが入っていると教えてくれた。お茶が好きらしく、いつもオススメのものを淹れてくれる。
ゆっくりお茶を淹れる先生に目がいく。先生は背が高く、がっしりした体格だ。
初めて会った頃に比べると、なんとなく痩せた気がする。半月に一度会う程度だから本当にそうかはわからないけど。
兄者さんも先生に似ているのだろうか。
……兄者さんといえば。
川; ゚ -゚)「あの、いつも予約をお兄さんにお願いしてしまってすみません…」
(´<_` )「大丈夫、兄もモーニングコールをお願いしてるしウィンウィンだから」
川; ゚ -゚)(そうなんだろうか)
目の前に可愛らしいカップを置かれ、お茶を注がれる。
湯気が揺らめく。思考がぼんやりする。
153
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:43:28 ID:jTxKzCh.0
おはよう屋さんという仕事と、兄者さんを紹介してくれたのは弟者先生だった。
5ヶ月前。
私は眠るのが怖くて、ずっと朝がこなれば良いと願っていた。
その願いが叶ってしまったのだ。
目を瞑っても何をしても、眠れなくなってしまった。市販の睡眠薬を飲んでも効かない。
ただただ身体が重くて、瞼も重くて、頭に分厚い靄がかかったかのように身動きができなくなってしまった。
このままじゃ駄目だと病院を探した。
それがここだ。
(´<_` )『素直さん…クーさんはどうしたいですか?』
川 ゚ -゚)『わ、わたし働かなきゃ、私だけ休めない申し訳なさすぎます、私、私のせいで……』
川 ゚ -゚)『眠れるようにして下さい、眠ったらまた働ける、お願い、お願いします先生』
(´<_` )『……ううーん…あのねクーさん。『おはよう屋さん』やってみませんか』
川 ゚ -゚)『……なん、ですか?』
154
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:45:39 ID:jTxKzCh.0
(´<_` )『うちの兄が朝弱いんです。そのくせ朝の早い仕事に就いていて。歳の離れた妹が毎朝起こしてたんですけど、中学生になって部活の朝練があるとかで兄が起きる前に家を出ちゃうんですよ』
(´<_` )『それで、きっとそういう人ってたくさんいるから、お仕事にしてみたら良いかなって。モーニングコールをするお仕事です』
川; ゚ -゚)『え、い、いや、私、私は元の会社の仕事を……』
(´<_` )『ああ、副業禁止かな?』
川; ゚ -゚)『いえ、確か禁止ではない、です、けど…』
(´<_` )『サイトとかは作りますよ。そこでお客さんの依頼があったらクーさんにお願いする。お客様からはとりあえず通話料だけ貰う形にしようか?そしたら変なプレッシャーにはならないと思う』
(´<_` )『本当に、ただ朝起きれない人を起こしてあげるだけ』
(´<_` )『朝起きれない人からしたら、朝起きてる人に起こしてもらうのってすごくありがたい事ですよ』
(´<_` )『今すぐに眠ることも、会社に戻ることも難しいと思います。それなら、それならね。逆手にとって今クーさんにしか出来ない事、してみませんか?』
あの時、先生の強引さに折れてしまったのだ。
私なんかが誰かの役に立つわけがない。そう思いながらも、もし本当なら、という考えがよぎってしまった。
私なんかでも、誰かの役に立てるなら───
そうして始めたおはよう屋さん。最初は兄者さんだけだったお客様も、今は6人になった。
一度先生から給与という形で報奨が欲しいかと聞かれたけど、貯金もあるし先生が書類を書いてくれて元の会社の休業補償が出ているので、生活は出来るから充分だった。
155
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:46:30 ID:jTxKzCh.0
川 ゚ -゚)(もう5ヶ月も経ったのか…)
(´<_` )「おはよう屋さんは、どうですか」
反対側のソファーに先生が座って、問いかけてくる。
差し出されたカップを見つめながら口を開く。
──おはよう屋さん。今の私が唯一、出来る仕事。
ありがたい。6人のお客様は皆良い人達だ。
川 ゚ -゚)「…皆さん、優しい人達です。優しくて、……良い人達ばかりで、」
(´<_` )「はい」
川 ゚ -゚)「……良い人達だから、……苦しい……」
.
156
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:47:28 ID:jTxKzCh.0
ポロッと出た言葉をきっかけに、栓が壊れたように気持ちが溢れ出した。
川 ゚ -゚)「苦しいです先生、苦しい、みんなが寝て起きて一日を過ごしてまた寝て、人間らしい生活を送って良い日も悪い日も寝てリセットしてまた新しい日を過ごしてる、なのに私は、私はずっとずっとずっと同じ日だ、終わらない一日がずっと、ずっと。朝が来ないんです、助けて、助けてください、苦しいんです」
(´<_` )「そうか、ごめんね。苦しくなってしまうのか」
先生は表情も声も変わること無く話を聴いてくれる。
だからなのか、言葉は止まらなかった。
:川∩-∩)「違う、違います、先生の案は何も悪くない、みんなにおはようと言ってみんなからおはようを返してもらえると私も普通の人みたいに一日を始められそうな気になれた、嬉しかった。みんなの話を聞くのは楽しいです、楽しいけど」
川∩ -゚)∩「これで良いのか、わからなくなるんです…」
川 ゚ -゚)「みんなに置いてかれている気がして、声を聞きながら叫びそうになるんです、私だけ夜に置いて行かないで、私も朝に行きたい、助けてって」
(´<_` )「うん」
川 ゚ -゚)「私なんかが、みなさんの朝を、1日の始まりを任されていて良いのかって考えてしまうんです……」
157
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:49:43 ID:jTxKzCh.0
胸の奥にあった黒い重たいものを、ごっそり取り出したような気持ちだった。
おはよう屋さんはありがたかった。
けど、けれど、本当に私でいいのか不安だった。
(´<_` )「少なくとも兄はおはよう屋さん……貴女に朝起こしてもらえて助かってますよ。他の人も…このご時世、朝起こす機械なんていくらでもあるのに、わざわざ人に頼んでいるのはきっとその人に朝を連れてきて欲しいんじゃないかな」
川 ゚ -゚)「朝を、連れてくる…」
(´<_` )「それに夜がなければ、朝もないです。皆さんに朝が来ているのなら、夜も来てるんじゃないでしょうか」
川 ゚ -゚)「……?」
先生がゆっくりお茶を飲んだので、私も頂いた。
少し熱の冷めたお茶が喉を通って、一口で体が温まった気がする。
(´<_` )「まだ、続けられそうかな」
川 ゚ -゚)「…続けても良い、でしょうか…」
(´<_` )「もう辞めたいって思ったら遠慮なく言ってください。無理をさせたい訳ではないので」
川 ゚ -゚)「……はい…」
カチャリとカップを置く音が響く。
話したからか、気持ちがほんの少し軽くなった気がする。
(´<_` )「あと、ひとつだけ良い?」
(´<_` )「うちの兄になら叫んでも良かったよ。叫んだ方が、相手は目が覚めそうだからね」
158
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:50:15 ID:jTxKzCh.0
それから先生とは体調の事などをぽつりぽつりと話した。
先生は表情が変わらないけど怖い人ではない。話しやすい先生だと思う。
兄者さんとはテンションが違うけど、やはり声は似ている。
( ‘∀‘)「素直さん、お薬出てます。いつもと同じ量です」
川 ゚ -゚)「ありがとうございます……あの」
( ‘∀‘)「どうかしましたか?」
川 ゚ -゚)「あ、の…弟者先生、痩せられた気がして…その、ご病気とかじゃ……」
川; ゚ -゚)「す、すみません立ち入ったこと聞いてしまって」
( ‘∀‘)「ぜーんぜん!良いんですよぉ、何でも聞いてくださいね!先生ね、元気ですよ!痩せましたよねぇ、聞いたらね最近ジョギングを始められたんだそうですよ、若いですよねえ」
川 ゚ -゚)「そ、そうなんですか……教えてくださってありがとうございます」
( ‘∀‘)「ええ、またお話しましょうね!」
159
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:50:56 ID:jTxKzCh.0
川 ゚ -゚)(外、暗…)
そんなに都会でもないのに、星があまり見えない夜空は自分のように暗くて、ずっと夜のままなんじゃないかとすら思ってしまう。
少なくとも、私はずっと夜のまま。
川 ゚ -゚)(薬、もらえたけど……身体が怠くなるだけであまり効かないんだよなぁ…)
家に着いて、薬を飲む前に何かお腹に入れようと思ったけど何もなかった。
川 ゚ -゚)(ネットスーパーは明日届くんだっけ…)
川 ゚ -゚)(先生のところでお茶飲んだからいいか)
薬を飲んで横になってみる。
このままどろりと溶けたらいいのに。
目を瞑る。
今日は久しぶりに外に出た。ああ、シャワー浴びれば良かった。衣替えをしないと、もう流石に肌寒い。受付の人と目を合わせてお話が出来た。そういえば先生の目は見れるな、眼鏡かけてるからかな。ジョギングしてるんだ先生。仕事が終わったら走っているのだろうか。今日のお茶はなんていうお茶だったんだろう。
ああ、今日は大丈夫じゃないか。
このままどろりと溶けるんじゃないか。
どろり、ぐらり、ゆらり。
うつら、うつら、うつら……。
160
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:51:47 ID:jTxKzCh.0
──お前のせいで!!!!!
川 - - )
川 ゚ -)
川 ゚ -゚)
川∩-⊂)"
駄目だった。
今日も眠れなかった。
朝はまだこない。
もう、そろそろ時間だ。
スマホを握りしめる。
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「…おはようございます、兄者さん」
『おはよう、おはよう屋さん』
私に、朝は来るのだろうか。
.
161
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:52:51 ID:jTxKzCh.0
本日の投下は以上になります。
地震大丈夫でしたでしょうか。
ゆっくりおやすみなさい。
162
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 21:54:43 ID:JwSpWWgI0
リアタイ遭遇できて嬉しかった 乙
作者も地震気をつけてくれ
163
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 22:07:38 ID:0zS1OgsM0
おつ
クーは強迫性障害?
どう展開していくのか楽しみです
164
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 23:38:51 ID:JSV/kcRU0
クー…
早くクーにも朝がきたらいいのに…
乙!
165
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 00:33:44 ID:A8CVzGRI0
乙です
166
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 02:20:10 ID:5Ko0jKMg0
おつおつ
167
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:54:38 ID:GMSFLEpI0
5:00③
.
168
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:55:09 ID:GMSFLEpI0
暗い暗い、真っ暗な場所にいる。
(,,゚Д゚)「どこ?…今何時だろう」
呟いた声がエコーになって、あちらこちらから自分の声が聞こえてきた。
何でこんなに真っ暗なんだろう。
明かりがほしい。
いつまでも終わらない、真っ暗な場所。
(,,゚Д゚)(歩いたら落ちちゃうかもしれない)
落ちる?どこにいるかもわからないのに、どこからどこに落ちるというのだろう。
それすらもわからない。
暗すぎて何も見えない。
どこまで続いているのか、はたまた何もないのか。
ただただ暗いこの場所が、怖い。
嫌だ 怖い
(,,゚Д゚)(誰か)
助けて!
自分の声だけが響く
涙が出そうになる
── 、
(,,゚Д゚)「!」
何かが聞こえた瞬間、光が見えた
明るい まるで、
169
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:55:42 ID:GMSFLEpI0
(,,゚Д゚)「はっ!」
『ギコさん?』
握りしめたスマホから声が聞こえる。おはよう屋さんの声。
寝ぼけながらもモーニングコールを取っていたみたいだ。
『ギコさん、もしもし、大丈夫ですか?』
夢だった。現実ではなかった。カーテンから日の光が漏れている。
手汗でスマホが滑りそうだ。
(,,゚Д゚)
(,,;Д;)ダバー
(,,;Д;)「おっおはよううおはよう屋さん…起こしてくれてありがとううう」
『そういう契約ですので…大丈夫ですか、ギコさん』
170
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:56:09 ID:GMSFLEpI0
いつもとは違って、おはよう屋さんの声が焦ってる。
無理もない。電話の相手が泣き出したら、俺もそうなる。
頑張って涙を止めて、ふーーと呼吸をする。
(,,;Д⊂)"「大丈夫…めちゃくちゃ怖い夢見てたんだ、暗くて誰もいなくて、いつ終わるのかわからないような…」
『それは怖いですね…』
話していてふと気づいた。
いつ終わるのかわからない、に既視感があることに。
あれはもう、昔の話。
もう、昔のことだと思える話。
(,,゚Д゚)「……昨日ちょこっと昔の話をしたから夢に出てきたのかなぁ」
『怖い夢が昔と…関係あるんですか?』
うん、あるよ。
うなづいて、声を出さないと電話の向こうのおはよう屋さんにはわからないんだったと気付く。
(,,゚Д゚)「俺ね、一回死んでるんだ」
『……え?』
171
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:56:36 ID:GMSFLEpI0
おはよう屋さんが珍しい声を出した。
俺、説明が下手なんだ。言葉が足りないよね。
(,,゚Д゚)「ごめん、比喩っていうか!寝ぼけてるとかじゃなくて!」
大きく息を吸って、ゆっくり吐いた。
おはよう屋さんが電話の向こうで心配してるだろう気配が伝わってくる。
(,,゚Д゚)「俺ね、昔めちゃくちゃ忙しい飲食店で働いてたことあってさ、朝も昼も夜もわからなくなるくらいぐちゃぐちゃに働いてて、何年もやってたら流石に倒れちゃったんだ」
(,,゚Д゚)「病院に行って検査して、随分仰々しいなぁって思ってたら、お医者さんがさ、すっごい顔して言ったんだよ」
懐かしい話をする。
懐かしいといってもそこまで月日は経っていないはずなのに。
誰かに話したことはなかった。
だけど、おはよう屋さんは聞いてくれる気がして、おはよう屋さんに聞いてほしい気がして、俺の口は止まらなかった。
(,,゚Д゚)「『貴方の余命はあと半年です』って」
172
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:56:58 ID:GMSFLEpI0
白い天井を見上げる。昔話してる時って、目はどこかを見てるはずなのに、映像が流れてくるの不思議だなぁ。
(,,゚Д゚)「俺家族いないからさ、なんか1人でパニクっちゃって、そのまま仕事辞めて家でずーっと泣いてた。
そんでずっと死んだみたいに生きてた。何で俺なんだろうとか、何で半年なんだろとか考えながら」
その時の感情は何となく思い出せるけど、何をどうしてどうやって生活できていたのかは覚えてなかった。
腹は減らなくて、寝てるんだか起きてるんだかもわからない。さっきまで泣いてたのに今度は苛々してきて、荒れに荒れて。
(,,゚Д゚)「でね、気が付いたら1年経ってたんだよ。余命半年って言われてから1年経ってて、あれ?って。俺死んでないけど大丈夫?って思って」
(,,゚Д゚)「診断された病院行ってみたら潰れてて、他の病院行ってみたら『栄養失調気味だけど、大きな病気はありませんよ』って言われた」
『そんな、それは…』
(,,゚Д゚)「何だったんだろうなあ」
173
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:57:27 ID:GMSFLEpI0
あの時の、頭の中が真っ白になる感覚を今でも覚えてる。
真っ暗だった世界が真っ白になって、そのまま『何で?』『どうして?』『何だったんだ?』がぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる、鉛筆で塗り潰していくように線がこんがらがる、目の回るような感覚も。
(,,゚Д゚)「元の診断が嘘だったとか、病気が治ったのかとか、そういうのはもう今となってはわからないんだけどね、俺は一回死んだんだって思うようにした。一回死んで、生まれ変わった」
『生まれ変わった…』
(,,゚Д゚)「そう。せっかく生まれ変わったなら、何をしようかって考えた時にさ、久しぶりに腹が減ったんだよ。それで、美味しい朝ごはんを食べたいって思ったんだ」
(,,゚Д゚)「朝が来るのって、すごいよね。沈んでた時はずーっと夜みたいで、いつ終わりがくるのかわからなくてただただ怖かったけど、生まれ変わって朝が来た時、ほっとしたんだ」
『………』
(,,゚Д゚)「美味しいものを作って食べて、1日を始めるんだ。そのために俺はおはよう屋さんにお願いしてる」
『そう、だったんですね』
174
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:58:40 ID:GMSFLEpI0
(,,゚Д゚)「あのさ、おはよう屋さんはさ、ただ『おはよう』って言うだけの仕事って思ってるかもだけどね」
(,,゚Д゚)「俺にはすっごいありがたい一言なんだ」
朝起きるのは元々苦手だった。
前働いていたとこは寝てたら殴られるような場所だった。
スマホのアラーム機能じゃなくて『誰か』に起こしてもらいたかった。
俺にはその『誰か』がいなかった、もう随分長い間。
朝を始めるのに大事な言葉を、人と交換してみたかった。
(,,゚Д゚)「昨日は鯛茶漬け、一昨日はスプーンコロッケ、その前はガリバタ卵かけご飯」
(,,゚Д゚)「朝、おはよう屋さんにおはようって言って、おはようって返されて、よっしゃ朝ご飯食うぞって用意して、美味しいご飯食べるでしょ、そうするとさ、めっちゃ良い朝だなぁって思うんだよね」
(,,゚Д゚)「だから、ありがとう」
(,,゚Д゚)「いつも俺に良い朝をくれて、ありがとうね」
(,,゚Д゚)「さっきの夢もね、沈んでた時の夜に似てたから怖かったんだけど」
(,.^Д^)「おはよう屋さんが朝を連れてきてくれたから助かったんだ!改めてありがとう!」
『………、』
『……こ、こちらこそ…ありがとうございます』
175
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 22:59:26 ID:GMSFLEpI0
長々と話してしまった。おはよう屋さんは引いてやしないだろうか。
ちらっと時計を見ると結構な時間が経っていた。俺は良いけどおはよう屋さんは次のお客さんがいるんだった。
(,,゚Д゚)「ごめんおはよう屋さん!なんかいっぱい話しちゃったね!」
『いえ、ギコさんのお話聞けて良かったです。…話してくれて、それから、いつも嬉しい言葉を言ってくれて、ありがとうございます』
(,,゚Д゚)「…??」
(,,゚Д゚)「あ、じゃあまた明日もよろしくね!」
『はい、また明日』
(,,゚Д゚)「……」
(,,゚Д゚)(俺なんか言ったっけ)
恥ずかしいことならいっぱい言った気がするけど、おはよう屋さんに礼を言われるようなことを言ったかはわからなかった。
(,,゚Д゚)「…お腹空いたな、今日は何作ろうかな」
自己満足も甚だしいが、誰かに話したかったのか、おはよう屋さんに話せてスッキリ清々しい気持ちだった。
(,,゚Д゚)「おはよう屋さんにもいつか、朝ごはんご馳走したいなぁ」
もし作れるなら何を作ろう。
考え出したらわくわくしてきた。まず自分の朝ごはん考えなきゃだ。
.
176
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 23:00:15 ID:GMSFLEpI0
本日の投下は以上になります。
眠たいです、おやすみなさい。
177
:
名無しさん
:2022/03/28(月) 23:47:59 ID:3retLYsw0
乙
ギコさんも辛いなあ
178
:
名無しさん
:2022/03/29(火) 04:31:16 ID:rwBjhtfw0
乙です
179
:
名無しさん
:2022/03/30(水) 22:34:41 ID:YzsLnyds0
ギコ1番好き
180
:
名無しさん
:2022/03/31(木) 02:00:18 ID:tRYCgMsI0
ギコ……
めっちゃいい
181
:
名無しさん
:2022/04/22(金) 00:03:33 ID:UnHZySss0
雰囲気いいですね
182
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 00:57:47 ID:1PxTu9720
5:30③
.
183
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 00:58:25 ID:1PxTu9720
いつもは着信音で目が覚めるけど、今日はなんだかソワソワして早く目が覚めてしまった。
('、`*川(……電話が来るまでストレッチでもしてようかな)
ソワソワの理由はわかっていた。
今日は、というか昨日から、が正しい。
身体を動かして数分後、スマホが鳴り出す。
5時30分ぴったりだ。
('、`*川「その時間に契約してるから当たり前といえば当たり前かぁ」
いつも寝ていたから確認したことはなかったけど、時間通りなのが何となく彼女らしいと思う。
──何も、知らないけど。
('、`;川「ってボーっとしてないで電話取らないとよね」
スマホに手を伸ばして応答ボタンを押す。
('、`;川「おはよう、おはよう屋さん。出るの遅れちゃってごめんなさいね」
『おはようございます、ペニサスさん。全然、大丈夫ですよ。でも珍しいですね』
184
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 00:58:51 ID:1PxTu9720
いつだっておはよう屋さんは優しい声をしている。
それが昨日はちょっとだけ、揺れた。それがずっと引っかかっている。
──今日は、早くに目が覚めたの。
というかモヤモヤして眠れなくて。
というかというか、ねぇ、おはよう屋さん、あのね。
('、`;川「、……」
『ペニサスさん?』
言いたいことはたくさんあった。でもそれを言って良いのか、聞いて良いのかがわからず閉口してしまう。
('、`*川「……あーだめ。ダメダメ。我慢はね、美容に良くないのよ」
『はい?』
おはよう屋さんにというよりは自分に言い聞かせるように、呟いてみた。うん、そう、良くないの。
('、`;川「ごめんねおはよう屋さん。誰だって聞かれたくない事情はあると思うんだけど、でもどうしても気になって…答えたくなかったら答えなくて全然良いんだけど、モヤモヤするから言いたいの」
『なん、でしょうか』
185
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 00:59:14 ID:1PxTu9720
もしそうだったらと、昨日一日中考えていたこと。
何ができるわけでもない。だけど、もし、そうだとしたら。
それがずっと頭の中でぐるぐるしていた。
('、`*;川「おはよう屋さん、親が厳しい人なの!?」
『えっ』
('、`*;川「昨日、ネイルの話の時に会社の規則だって言ってたけど、なんだか様子がおかしかったから気になっちゃって…そのあともずーっとそのことを考えて…」
('、`*川「昨日は眉毛を忘れて出勤しちゃったわ」
『それはすみません…』
('ー`*川「……笑うとこよ、今の」
真面目に答える彼女は、やっぱり優しい人なのだろう。
電話越しに困った顔をしている彼女を想像する。
会ったことはないけど、なんとなくはわかる。
186
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 00:59:39 ID:1PxTu9720
えっとですね、と彼女が一拍置いて話し出すのを静かに聞く。
『あの…私、私の親は厳しくはなかったです…高校の時に両親とも事故で亡くなって、もういないんですけど…』
意外な答えが返ってきて驚いてしまった。
('、`*川「そう、なの…ごめんなさい…思い出させてしまった上に変な風に言ってしまって」
『いえっ、心配してくれたんですよね、ペニサスさん…ありがとうございます』
電話越しでもお辞儀をしていそうなおはよう屋さんの声に少しだけほっとした。
思っていたような事じゃないなら良かった。
『私、がその……爪を塗ることに、…なんていうか…えっと…』
('、`*川(ああ、おはよう屋さん困らせちゃってる)
187
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:00:10 ID:1PxTu9720
心配。先程彼女が言ったことが頭の中でこだまする。
心配なのだろうか。これはただの私のエゴなんじゃないだろうか。
そうだったらどうしようと、思い立った理由がある。
誰かに話したことはない、理由が。
('、`*川「……」
('、`*川「……私」
『はい』
('、`*川「私のすっぴんね、ものっすごいのぺーーーとしてるの」
『え、』
('ー`*川「ふふ」
電話から聞こえる彼女の声があまりに間の抜けたものだったのでつい笑ってしまった。
いきなりそんなこと言われても、よね。
('、`*川「女の子は父親に似るって言うけど、実父の顔は見たことないの。生まれる前に亡くなったんだって。でも、母親はすっごい美人だった、すれ違った人が絶対振り向く美女」
('、`*川「私、母の顔が大好きだった。大人になったら母みたいに色んなオシャレをしてキラキラしたいなって、メイクを楽しむんだって夢見てたのよ」
188
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:00:37 ID:1PxTu9720
『それで、お化粧をする為に早起きをしてるんですか?』
('、`*川「うーん…まぁ結果的に言えばそう、ね」
自分の指先を見る。
綺麗な空色がそこにはあって、胸が温かくなる。
おはよう屋さんの好きな色。
('、`*川「私が小学校に入る前に母は再婚したの。でも小学校に入ったら他の男の人のとこに行っちゃった。養父は…悪い人じゃなかったから、血が繋がってるわけじゃないのに私を置いてくれて育ててくれたの」
悪い人ではない。けれど良い人だったかは……わからない。
('、`*川「養父は『母親みたいになっちゃダメだよ』って髪を伸ばすこと、スカートを履くこと、オシャレに興味を持つことを私に禁じたわ」
写真に写るのが嫌いな子どもだった。
卒業アルバムで私を探すのは、ウォーリーより難しいと思う。
写りたくなかった。あんな姿でいたことの記録を残すのに抵抗があった。
('、`*川「中高は私服の学校を選ばれた。育ててもらってる身だから文句を言う気はなかったわ。でもね、ずっと母みたいにキラキラすることが夢だったから、周りの子たちがオシャレしてるのを見るのが辛かった」
同級生が走るとヒラヒラ動くスカートが、サラサラと流れる長い髪が、キラキラ光る爪先や目が羨ましくて仕方なかった。
でも自分自身、母のようになるのも怖くて養父の希望通りにしてた。
189
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:01:03 ID:1PxTu9720
('、`*川「でも高校の時に変わるきっかけがあったの。オレンジ色のネイルポリッシュ」
『マニキュア…ですか?』
('、`*川「お店に並んでるのを見て、どうしても欲しいって思ってね。こっそりバイトして買ったわ」
その頃は黒か紺か灰色のものしか身につけることを許されなかった。自分の世界だけ色が足りない。
新商品と並べられたオレンジ色のマニキュアが、欲しくて欲しくてたまらなかった。
('、`*川「父親にバレないように、家だとまずいから駅のトイレで爪を塗ったのよ。初めてだし場所も場所だから震える手で、はみ出すしムラは出来るしよれて手のひらにつくしで散々」
('、`*川「…なのに、すっごく綺麗だったの」
('、`*川「自分の指先が宝石みたいにキラキラ輝いてるように見えた」
('、`*川「私、キラキラして良いんだ、私はキラキラしたいんだって思ったのよ」
190
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:02:03 ID:1PxTu9720
('、`*川「それからバイト代貯めて、高校卒業と同時に家を出たの。育ててもらったのは感謝してる。でも、私がやりたいことを出来ない場所に私はずっといる必要はない」
『そう…だったんですね』
静かで落ち着く彼女の声にハッとする。
長々と話し込んでしまった。
ミ('、`*川「……ってごめん、急にこんな話」
('、`*;川「……だから、えーっと…おはよう屋さんの家の人が厳しくてネイルも出来ないんならね、私に何かできることないかなって…思ったんだけど…」
('、`;川「早とちりしてごめんなさいね」
『…いえ、あの』
『…前の、とこで』
ゆっくりゆっくり、おはよう屋さんが言葉を繋いでくれているのを聞く。
('、`*川「うん」
『爪を磨いて、会社に行ったんです。その時、に 仕事も出来ないくせにオシャレなんかしやが って、って…言わ、れて……笑われたことがあって。それがすっごく、怖かった から…拒絶するような態度を取ってしまって、…ごめんなさい』
191
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:02:44 ID:1PxTu9720
('、`*川「なにそれ」
『あっ、お、おはよう屋さんじゃないです、ごめんなさい昨日は嘘を…嘘つきました…別の会社で…』
('、`#川「オシャレ なんか しやがって?はー!そういうこと言うやつほど仕事できないのよね!」
『そん……なことは…あったの、かな』
少しだけおはよう屋さんの声に明るさが出てホッとした。
『…ペニサスさんは、優しいですね』
('、`*川「…違うわ。…3時間かけてメイクするのは母そっくりになれるからなの、すごいのメイクって。惚れ惚れしちゃう」
('、`*川「これはね、私の戦いなの。母みたいな美しい顔になりたい。でも母みたいにはならない。大好きなメイクをして、好きに生きるために必要な戦い」
('、`*川「おはよう屋さんは私の戦友。おはよう屋さんがくれる朝に感謝してるのよ、だから貴女を困らせる奴がいるなら暴力沙汰も辞さないってだけ。優しさとはまた違うのよ」
優しいというよりはお節介だと自分でも思う。
『暴力は駄目です…でも、ありがとうございます』
('ー`*川「…どういたしまして」
192
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:03:14 ID:1PxTu9720
長々話してごめん、また明日ねと無理矢理通話を切った。
顔が熱い気がする。
('、`*川「……」
(∩、∩川「年甲斐もなく自語りしちゃっ…た…うぁぁ」
('、`*川「……でも、まぁいいか」
もう一度爪を見て笑う。
今日は描き忘れないように、1番はじめに眉に取り掛かった。
.
193
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:03:44 ID:1PxTu9720
.
194
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:04:14 ID:1PxTu9720
6:00③
.
195
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:05:22 ID:1PxTu9720
電話が鳴っている。
これは夢だろうか。それとも、先の話だろうか。
夢を見た。
とても良い夢だ。
悪い時もあったが、総括すれば良い夢だった。
手紙を書いた。
息子と孫と、おはよう屋さんに。
顔も見たことのないおはよう屋さんが夢に出てきた。
不安そうな顔をした子だった。
泣かないで、大丈夫、もう、大丈夫。
声をかける。
大丈夫、大丈夫モナ。
ほら、と指を指す。
その先に明るい光が差していて、おはよう屋さんは眩しそうな顔をして、その後笑った。
大丈夫、大丈夫モナ。
電話が鳴っている。
時計の音がして、孫娘のあの歌を思い出す。
──今もまだ──
ごめんモナ、その歌詞ではもう歌えないモナね。
電話が鳴っている。
夢を見ている。
これは、先の話だろうか?
196
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:06:00 ID:1PxTu9720
以上です。
おやすみなさい。
197
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:07:25 ID:WlZ/EGYs0
エモ
198
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 01:57:01 ID:J8x97.9A0
化粧で武装する女の子マージで好き!乙!
199
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 13:20:07 ID:XmkcsoKw0
乙
ペニサスは良い人で、良い女だなあ
200
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 18:02:19 ID:IK.DnduE0
おつです
201
:
名無しさん
:2022/05/15(日) 23:47:21 ID:606p9sTg0
乙
ペニサスさんの話を聞いていると、心の強さとか自由とかについて考えてしまうな
おはよう屋さんを戦友と呼んだことになんだか嬉しくなった
202
:
名無しさん
:2022/07/04(月) 10:53:25 ID:.monu4qA0
静かに展開が進んでいくのが好きです
おつでした
203
:
名無しさん
:2022/07/08(金) 09:35:33 ID:lh.6qxz.0
ペニサスいい…
204
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:04:17 ID:Z0lTOZeo0
6:30③
.
205
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:04:47 ID:Z0lTOZeo0
また嫌いな曲が鳴ってる。
でも好きな音楽だったらずっと聞いちゃうから、やっぱり嫌いなやつのが良いのかも。
o川*-〜-)o「ん〜…」
o川*=ー=)o「何だっけ……」
o川*゚ー゚)o「あ、おはよう屋さんだあ」
意識がはっきりしてくると、モーニングコールの音楽だってわかってくる。
ぼうっとした頭を振って、スマホに手を伸ばす。
あくびを我慢しながら電話に出た。
.
206
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:05:20 ID:Z0lTOZeo0
o川*゚ー゚)o「おはよー!おはよう屋さん!」
o川; ゚ー゚)o「あっごめん、大きな声出しちゃった」
つい電話が嬉しくて声を大きくしてしまう。
昨日あたしの声うるさいって彼氏に言われたばっかだった。
声が高いからキンキン響くんだって。反省して、そのあとおはよう屋さんとの電話でも気をつけようっていまし…いましめ?戒めたんだった。
『お、おはよう…ございます……ズズ…』
背筋がビッ!ってなった。電話から聞こえるおはよう屋さんの声は震えていて、鼻を啜る音も聞こえた。
o川;*゚ー゚)o(え?泣いてる?泣いてるの?そんなにうるさかったかな?!)
変に心臓がバクバクしてる。これが電話じゃなかったら思いっきりぎゅーってするんだけど電話だから出来ないし、あたしが出来るのはお話しすることだけ。
.
207
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:07:21 ID:Z0lTOZeo0
o川;*゚ー゚)o「ど、どうしたのおはよう屋さん!?何で泣いてるの??もしかしてまだ具合悪かった?」
『い、いえ、キュートさんも……出なかったらどうしようって思ってしまって…ごめんなさい、泣いてはないですまだ…』
o川;*゚ー゚)o「あっ電話?ごめんね出るの遅くて!相手が出ないと不安になるよねぇ、あたしも彼氏が出てくれないとソワソワしちゃうもん」
『いえ、違うんですキュートさんは何も悪くなくて……びっくりさせてごめんなさい」
おはよう屋さんの声はまだ震えているような気がしたけど、それでも綺麗で、あたしこの声好きだなぁなんて思った。
聞いてて安心する。泣きそうな人に言うのもおかしいか。
o川*゚ー゚)o「んーん!目ぇバッチリ覚めたから結果オーライだよ!」
『……キュートさんは優しいですね』
o川;*゚ー゚)o「えっ!初めて言われたそんなこと!」
.
208
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:08:22 ID:Z0lTOZeo0
それこそびっくりしちゃってまた大きな声出しちゃった。
反省が長続きしないの良くないよ。
でもそれだけ驚いたから、仕方ない気がする。
『初めて…ですか?その、彼氏さん…とかには言われたことないです?』
o川*゚ー゚)o「んあー、彼氏にはよくキュートはバカだなって言われるよ〜実際そうなんだけどね」
『そう、ですか……あの、彼氏さんは一夫多妻制の国とかの人、ですか?』
o川;*゚ー゚)o「いっぷ…?なぁにそれ…あっ、ちょっと待って調べるね!いっ、いっぷ?」
『いっぷたさいせい』
o川*゚ー゚)o「ありがと!いっぷたさいせー………こんなせーあるんだね!?」
スマホは便利で、わからない言葉をすぐ調べられる。
あたしは知らない事だらけだから、わからない言葉があったらすぐ調べるようにしてる。
出てきたいっぷたさいせーは、つまりハーレム??ちょっと違う?
209
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:09:03 ID:Z0lTOZeo0
o川*゚ー゚)o「でも違うよ、こんなちゃんとしたのじゃないの…他の子には、言ってないみたいだし……」
o川*゚ー゚)o「あたしはね、…キュートはバカだから言ってもいーかって他に6人いるって教えてくれたんだけど、他の子はバカじゃないから本当のこと知ったら傷つくから言ったりするなよって言われて、て」
話しながら自分でも思う。バカだなあ、本当。
o川*゚ー゚)o「……やっぱバカだよね、おはよう屋さんも引いちゃったかな。でもあたしこんなんだから、何かで1番になれたことないんだあ」
o川*゚ー゚)o「おねーちゃん達も弟も優秀なの、頭良くてピアノも上手くてね。友達もみんな賞取ったり何かしら学年一位だったりする子達ですごいの!あたし、周りの人達がすごいって事だけが自慢なの」
o川*゚ー゚)o「…自分の自慢出来ることなーーんにもなくて」
o川*゚ー゚)o「でも彼氏は、そんなキュートでも良いよって言ってくれたんだ」
.
210
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:09:59 ID:Z0lTOZeo0
──キュートはバカだから言ってもいいか。えー?違う違う、キュートだから言うんだよ、俺他にも女の子6人いるんだ。キュートは今7番目だけど、頑張ったら1番にしてあげるかも。
嬉しかった。
勉強もピアノも運動もたくさんたくさん頑張ったけど1番になれたことはなくて、誰からも選んでもらえないと思ってた。
でもこれは、これくらいは、頑張ったら1番にしてもらえる。
じゃあ。
──あたし、がんばるね!!
.
211
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:10:29 ID:Z0lTOZeo0
最初にふわふわした気持ちになった時のことを思い出す。嬉しいとか、楽しい気持ちが強かった。強かった、のに。何で今はこんなに……。
o川*゚ー゚)o「……」
『キュートさんは、辛くないですか』
o川;*゚ー゚)o「えっ?」
おはよう屋さんの声が、さっきまでと違くなった気がした。
聞かれた内容が一回で理解できなくて、もう一度頭の中で繰り返してみる。
辛い?辛いって、何が?
『好きな人に順位をつけられて』
なんとなくだけどおはよう屋さんが言いたいこと、わかった気がする。
でも他の人にはわからない事なのかも。1番になることが大事だっていっぱい言われてきたあたしが、1番が欲しいって思う気持ち。
o川*゚ー゚)o「……辛くは、ないよ。順位がなかったらあたし1番になれないもん」
『…1番になったらどうするんですか?』
o川*゚ー゚)o「え……」
1番に、なったら。
わかんない、だって1番になったことないもん。
1番になることだけ頑張ったらいいんだって思ってた。……違うの?
.
212
:
名無しさん
:2022/07/17(日) 01:11:17 ID:Z0lTOZeo0
『1番になった後、彼氏さんは他の女の子と別れるんでしょうか。今1番の人がいても6人彼女がいるわけですから、……。そしたら次は他の子たちに1番の座を取られないよう頑張らなきゃいけなくなりませんか』
o川*゚ー゚)o「そん、なそんなこと……」
『……私の、…知り合いに2番でいいって言ってた人がいました。お付き合いしてる人に他の方がいて、自分は2番でもいい、一緒にいられるならって』
『でも、段々1番になりたい気持ちが大きくなって、1番の人を蹴落とそうと頑張って、辛そうだった……キュートさんは、キュートさんにはそんな風になって欲しくない、です…』
o川*゚ー゚)o「わ…」
o川*゚ー゚)o「わか んない、よ…あたしバカだからそんな難しい話…」
考えたことなかった。
考えなかった?
1番になりたかったくせに、1番になったあとのこと。
『…ごめんなさいキュートさんの気持ち考えずに喋ってしまって…でも……ごめんなさい、もう一つだけ言わせてください』
o川*゚ー゚)o「…なぁに?」
『キュートさんは、馬鹿なんかじゃ決してないです。…会った事はないけど 人の心配が出来て、わからないことはわからないと言えて、いつも明るくて優しい、素敵な女性です。馬鹿なんて、言わないで…』
o川*゚ー゚)o「……………」
o川- -)o「…また明日ね」
『……はい、また 明日』
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