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The Demon Village.

223 ◆L6OaR8HKlk:2024/11/17(日) 21:40:21 ID:HcLXXAEI0
彼女の前に立つモノは独りだった。しかし、そのモノの後には無数の足跡が続いていた
泥に刻まれているのは革靴の底であったり、大小様々なヒトの素足であったり、あるいは鳥や獣の足跡であったり
中には、足ではなく『手』の跡であったりと、そのモノが不可視の存在と歩んできた道のりの軌跡が、長い列を成して続いていた


「いい出会いってもんはどこに落ちているかわからない。だから旅は良い」


そのモノは泥など厭わずに地面に膝を付き、裁断女の頬に手を添えた
孤独だった彼女にとって、初めて与えられた『慈悲』の仕草。憎悪で満たされた胸中に、新たな色が混じる


「安心しろ。これからは俺たちが救いとなり、導き手となってやる」

「捨てられたお前の存在を、活かしてやる」


一目見ただけで感じた、異形を率いるカリスマへの『心酔』である


「俺たち『拾う神』が、お前の復讐の一助となってやる」


嚥下の音と共に、裁断女は暖かな光に飲み込まれる。気づけば、『偉大なるモノ』の列へと加わっていた
もはやその身を苛む痛みは無く、偉大なるモノの威光に安らぎを覚え、彼に続く足取りはこれまでに無いほど軽かった
変わりゆく自らの存在の中で、唯一不変のものがあるとするならば



【(´ _ `)】 【/ 、  /】



彼女に憎悪を芽生えさせた、二人への執念だけだった


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