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The Demon Village.

222 ◆L6OaR8HKlk:2024/11/17(日) 21:37:05 ID:HcLXXAEI0
[何も悪いことなどしていないのに]


片腕を捥がれ、行く宛もなく泥の中を這いずるワンダーは、自らに身に降り掛かった災難へ恨言を吐いた
『裁断女』と呼ばれた彼、あるいは彼女は、『表』と狭間を行き来していたワンダーだった
誰にも見られることなく深夜の学校に残っている『悪い子』を連れ去っては、棲家で弄んだ後にゆっくりと食す
そんな慎ましやかで幸せな生活を送っていただけであった


[あの二匹が、あの虫が]


全身を苛む痛みは眠りに就くことを許さず、触れる泥の感触は一片の安らぎも与えなかった
堕ちていく最中、焼きついたヒトの姿が頭から離れない。これまで愉しい事だけ味わっていた裁断女に芽生えた『憎悪』の感情が、行く宛もない彼女の手足を動かしていた


[ ]


満たされた憎悪の中で時折、彼女にとって言語化出来ない感情が湧いては消えていく
その正体は、ヒトの言葉で言うところの『祈り』であった。それは尊きものとして扱われるが、相反して届く確率は低い、呪いよりもアテにならない代物だった




「可哀想になぁ」




届かぬからこそ、祈りは尊い。だがこの瞬間、彼女にとって百発百中の魔法のようなものと化した

223 ◆L6OaR8HKlk:2024/11/17(日) 21:40:21 ID:HcLXXAEI0
彼女の前に立つモノは独りだった。しかし、そのモノの後には無数の足跡が続いていた
泥に刻まれているのは革靴の底であったり、大小様々なヒトの素足であったり、あるいは鳥や獣の足跡であったり
中には、足ではなく『手』の跡であったりと、そのモノが不可視の存在と歩んできた道のりの軌跡が、長い列を成して続いていた


「いい出会いってもんはどこに落ちているかわからない。だから旅は良い」


そのモノは泥など厭わずに地面に膝を付き、裁断女の頬に手を添えた
孤独だった彼女にとって、初めて与えられた『慈悲』の仕草。憎悪で満たされた胸中に、新たな色が混じる


「安心しろ。これからは俺たちが救いとなり、導き手となってやる」

「捨てられたお前の存在を、活かしてやる」


一目見ただけで感じた、異形を率いるカリスマへの『心酔』である


「俺たち『拾う神』が、お前の復讐の一助となってやる」


嚥下の音と共に、裁断女は暖かな光に飲み込まれる。気づけば、『偉大なるモノ』の列へと加わっていた
もはやその身を苛む痛みは無く、偉大なるモノの威光に安らぎを覚え、彼に続く足取りはこれまでに無いほど軽かった
変わりゆく自らの存在の中で、唯一不変のものがあるとするならば



【(´ _ `)】 【/ 、  /】



彼女に憎悪を芽生えさせた、二人への執念だけだった

224 ◆L6OaR8HKlk:2024/11/17(日) 21:42:48 ID:HcLXXAEI0




『狭間 “In The Backrooms.”』



END

225 ◆L6OaR8HKlk:2024/11/17(日) 21:45:14 ID:HcLXXAEI0
裁断女のモデルはこちらです
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-909.html

いつかぶっ殺してやろうとずっと思ってました
次回はまたブスとデブの合宿に戻ります

226名無しさん:2024/11/17(日) 22:10:17 ID:jNFoN1Nk0
おつおつ

227名無しさん:2024/11/17(日) 22:30:09 ID:4bdryv0A0
おつ

228名無しさん:2024/11/18(月) 06:47:19 ID:9HqF1qUQ0
おつ

229名無しさん:2025/02/02(日) 23:40:10 ID:/RzzjASY0
面白かった!裁断女のリベンジ楽しみにしてる


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