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( ^ω^)|ムシヨ|ニクヨ、と──のようです

126 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:33:35 ID:bTADR6Gs0

ξ*゚⊿゚)ξ「遅くなってごめんなさい! レモナ先生、聞いて聞いて!」

|゚ノ ―∀―)

ξ*゚⊿゚)ξ「ここのところ、いつもとちがうことばっかり起きるの!
     まるで長い夢を見てるみたいだわ!」

|゚ノ ―∀―)

ξ*゚⊿゚)ξ「鳳蜘蛛の子も斑蜂の子も、みんなシィのイノチを探すお手伝いしてくれた、ってお話しはしたわよね?
     みんなキズついたタカラモノを持って、シィに会いにきてくれたのよ」

|゚ノ ―∀―)

ξ*゚⊿゚)ξ「目をつむってシィに触ると、シィのほんとのカタチが分かる、ってお話しもしたわね?
     子供達みんなシィのお話しを聞くのが大好きみたい。 目かくしして秘密基地に集まるのよ」

|゚ノ ―∀―)

ξ゚⊿゚)ξ「ママってこんなかんじなのかな?」

|゚ノ ―∀―)

ξ゚⊿゚)ξ「でもね、どうしてかしら」

ξ゚⊿゚)ξ「教会の地図がぜんぶ真っ赤になって、子供達みんなのタカラモノも調べたのに、
    シィのイノチはどこにも見つからないの」

|゚ノ ―∀―)

ξ゚⊿゚)ξ「せめてシィが秘密基地から出られたらいいのに。
    レモナ先生に会ったらなにか思い出すかもしれないのに」

|゚ノ ―∀―)

ξ゚⊿゚)ξ「ちいさなママったら、まだ出たらいけないって言うのよ。
    ほんっとに分からずやなんだから!」

コツンッ

( <◯><◯>)「誰が分からずやですって?」

ξ;゚⊿゚)ξ「ぴゃっ!?」

.

127 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:33:55 ID:bTADR6Gs0

( ・∀・)「キズつくじゃないか」

ξ;゚⊿゚)ξ「なんでここに!?」

( <◯><◯>)「ただお友達に会いにきただけですよ、いけませんか?」

( ・∀・)「オレたち二人は仲がよくないのさ、でもオレたち三人は仲よしなのさ」

ξ;゚⊿゚)ξ

ξ;゚⊿゚)ξ「お、お願い! シィをここに連れてきてもいい?
     せめてレモナ先生に会わせてあげたいのよ!」

( ・∀・)「シッポの生えた少女、言っただろう?
       レモナとは仲よしなのさ、どうして危ないことを許せるんだい?」

ξ;゚⊿゚)ξ「いまここに、ちいさなママがいるから! それなら安心でしょう?」

( <◯><◯>)「ワタシたちはちいさなママですよ、まだ子供なんですよ。
        あんなおぞましい魔女相手に、なにができるとでも?」

ξ゚⊿゚)ξっ「シィは魔女でも怪物でもないわ! いいから、こっちに来て!」

ガシッ

( <◯><◯>)「離しなさい。 ぶちますよ」

( ・∀・)「どこにいくつもりだい?」

ξ゚⊿゚)ξっ「目をつむって触れば、ほんとのシィが分かるんだから!」

グイグイ

.

128 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:34:55 ID:bTADR6Gs0

ξ゚⊿゚)ξ「ただいま!」

( ^ω^)「おかえり、お?」

( <◯><◯>)

( ・∀・)

(..'A`)「げげげっ。 なんてもん持って帰ってきたんだ」

( <◯><◯>)「好きできたわけではありません」

( ・∀・)「キミたちの秘密基地もだいぶもとどおりになってきたね」

(;;*゚ー゚)「縺?i縺」縺励c縺」

( ・∀・) ビクッ

( <◯><◯>) ビクッ

(*゚ー゚)「諤悶′繧峨↑縺?〒」

ξ゚⊿゚)ξ「目をつむって、手をのばして。 シィのお顔をさわって」

( ・∀・)

( ―∀―)っ

( ―∀―)っ(゚ー゚*;;) スッ

( ―∀―)っ

( ―∀―)っ(……なんだ)

( ・∀・)っ(オレたちとおんなじ人じゃないか)

(;;*゚ー゚)

( ・∀・)「すまなかったね、ごめんなさいを言わせておくれ」

(;;*゚ー゚)「分かってくれたならそれでいい」

( <◯><◯>)「正気ですか?」

.

129 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:35:41 ID:bTADR6Gs0

( ^ω^)っ

(..'A`)っ

ξ゚⊿゚)ξっ

( <◯><◯>)「なにするんです」

( ^ω^)「怖くないように、ボクたちが目かくししてあげるお!」

(..'A`)「オマエさん体に目いっぱいあるから、
    他の人よりよっぽど怖かったんじゃねーか?」

ξ゚⊿゚)ξ「ほらほら、手をのばして」

( <◯><◯>)「バカバカしい」

(;;*゚ー゚)「縺翫>縺ァ」

( <◯><◯>)

( ^ω^)っ

(..'A`)っ

ξ゚⊿゚)ξっ

( <◯><◯>)(ワタシは手のひらにだって、目があるんですけどねぇ)

( <―><―>)(いまだけはつぶっておいてあげましょうか)

( <―><―>)っ

( <―><―>)っ(゚ー゚*;;) スッ

( <―><―>)(目がふたつ、鼻がひとつ、口がひとつ、あったかい手がふたつ)

( <―><―>)(ワタシたちと違って、なんにも変わったところのない、つまらない人)

( <―><―>)(これまでワタシが見ていた、たくさんの絵本の魔女がまざりあったおぞましいカタチと違う)

(;;*゚ー゚)

( <―><―>)「……ああアナタ、ワタシよりも背が高かったんですねぇ」

.

130 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:36:25 ID:bTADR6Gs0

( <◯><◯>)「『怪物ではないシィ』が秘密基地から出ることを許します」

(*^ω^)「やったぁ!」

ξ*゚⊿゚)ξ「わあ!」

( <◯><◯>)「ただし、ワタシたち『ちいさなママ』が一緒にいるときだけです」

(..'A`)「ケチんぼ!」

( <◯><◯>)「だまらっしゃい」

( ・∀・)「すまないね、もう少しだけ待っておくれ」

(;;*゚ー゚)「縺九∪繧上↑縺?o」

( ・∀・)「だれかを信じるのも、こわいものに勝つのも、
       どうしたって時間がかかるんだ」

( ^ω^)「おう?」

ξ*゚⊿゚)ξ「ともかくレモナ先生のところにいきましょ!」

.

131 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:38:06 ID:bTADR6Gs0

コンコン
ガチャッ

ξ*゚⊿゚)ξ「せんせえ、せんせえ! シィを連れてきたわ!」

|゚ノ ─∀─)

(;;*゚ー゚)「縺ェ縺懈」コ譯カ縺ョ荳ュ縺ォ縺?k縺ョ」

(*^ω^)「ブーンもいるお!」

(..'A`)「よっ、センセ」

( <◯><◯>)「おじゃましますよ」

( ・∀・)「やあやあ、ごきげんよう、レモナ!」

ξ*゚⊿゚)ξ「おほんっ。 紹介するわね、レモナ先生デス!」

(;;*゚ー゚)「縺薙?蟄舌′繝ャ繝「繝」

ξ*゚⊿゚)ξ「不思議だわ。 先生が二人いるだなんて」

(;;*゚ー゚)「縺薙?蟄舌↓隕九∴縺ヲ縺溘?縺ュ」

(..'A`)「おう。ツンにはオマエさんがレモナ先生に見えてるんだぜ」

( ^ω^)「どう? なにか思い出したかお?」

(;;*゚ー゚)「縺?>縺医?ゅ↑縺ォ繧」

(..'A`)「なんにもか」

|゚ノ ─∀─)

(;;*゚ー゚) ギュッ

(;;*゚ー゚)「繧医°縺」縺溘? 謇九?√≠縺溘◆縺九>縲 逕溘″縺ヲ繧」

(..'A`)「『手があたたかい』だって? そりゃあまあ、眠ってるだけだからな」

「〜♪」

.

132 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:39:04 ID:bTADR6Gs0

(;;*゚ー゚)「縺薙?豁後??」

ξ;゚⊿゚)ξ「先生にさわってはいけないわ!」

グイッ

(;;*゚ー゚)「縺ェ縺」

ξ;゚⊿゚)ξ「どうしてか分からないけど、先生に触れてるとね、
     どこからか夢で聞いた歌が聞こえてきて、触ってる人まで眠っ……ちゃ……」

「〜♪」

(* ー ) フラッ

ξ ⊿ )ξ フラッ

ξ ⊿ )ξ(どうして、ワタシ、先生にさわってない、のに)

ξ ⊿ )ξ(ああ、レモナ先生に触ってるシィに触ってる、から)

( ^ω^)「シィ? ツン?」

(..'A`)「どうしたってんだ?」

コツンッ

( <◯><◯>)「さがりなさい」

( ・∀・)「ふたりはシャキンさんを呼んできたまえ!」

(;^ω^)「でも!」

( ・∀・)「ここはちいさなママに任せて、さあいくんだ!」

(;..'A`)「くっそぅ! いくぞ、ブーン!」

(;^ω^)「おん!」

.

133 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:39:26 ID:bTADR6Gs0

ドクン
ドクン

ξ-⊿-)ξ

ドクン
ドクン

「〜♪」

(*゚ー゚)

ξ゚⊿゚)ξ(またあの子の夢だわ)

(*^ー^) ニコッ

ξ゚⊿゚)ξ(でもこの夢は見たことがある)

(*゚ー゚)『大丈夫なのです』

ξ゚⊿゚)ξ(おんなじ夢を見るのははじめてだわ)

(*゚ー゚)『ツンちゃんのお花、きっと咲きます!』

ξ゚⊿゚)ξ

(*゚ー゚)『綺麗なお水をあげてくださいね、温かい光をあげてくださいね。
    いっぱい声をかけて、いっぱい笑って。それから、それから……』

ξ゚⊿゚)ξ(やっぱり声がでないわ)

(*゚ー゚)『きっととっても綺麗なのです!どんなお花が咲いたかあとで教えてくださ……

(    )っ

ξ゚⊿゚)ξ

|゚ノ ^∀^)っ「起きて」

.

134 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:39:47 ID:bTADR6Gs0

ξ゚⊿゚)ξ

ξ゚⊿゚)ξ「せん、せ……?」

|゚ノ ^∀^)「起きてください、ツンちゃん。こんなところにいてはいけませんよ」

ξ*;⊿;)ξ「せんせえ!!」

ギュッ!!

ξ*;⊿;)ξ「せんせえ、せんせえ! せん、せっ……せんせい、先生だ……レモナせんせえ……!」

|゚ノ ^∀^)「はい、レモナ先生ですよ。 ほらほら泣かないの」

ξ*;⊿;)ξ「だって、せんせえ、ずっと! ワダジ、ずっと! ずっどぉ……!」

|゚ノ ^∀^)「そうですよね、ボクは夢の中でしか、
       ツンちゃんは夢の外でしか、会えませんでしたもんね」

|゚ノ ^∀^)「ぜんぶ聞こえてましたよ、お話ししてくれたことぜんぶ」

|゚ノ ^∀^)「ずっと待っていてくれたんですよね? 待たせてしまってごめんなさいね」

ξ*;⊿;)ξ「う゛、うう……」

ξ*;⊿;)ξ(言いたいこと、いっぱいあるのに)

ξ*;⊿;)ξ(もしも先生に会ったらこう言おうって、ああ言おうって)

ξ*;⊿;)ξ(何度も何度も、レンシュウしたのに、だのに)

|゚ノ ^∀^)ノ「よしよし」

ξ*;⊿;)ξ「う゛わ゛あ゛あああああああああああああああん!!」

.

135 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:42:05 ID:bTADR6Gs0

タタタタタッ

(;;*゚ー゚)「繝?Φ?」

|゚ノ ^∀^)「よしよし。 泣かないで」

ξ*;⊿;)ξ「うえぇ……っく、ひっく……」

(;;*゚ー゚)「繝?Φ繧偵>縺倥a縺ェ縺?〒」

|゚ノ ^∀^)「あら、はじめまして。 アナタがシィちゃん、いいえ、シィさんですね?」

ξ*;⊿;)ξ「あっ、シィ! よかった、会えた!」

(;;*゚ー゚)「繧医¥縺ェ縺?? 豕」縺?※繧」

|゚ノ ^∀^)「あれあれ? ひょっとして、勘違いされてるかな?」

ξ*ぅ⊿;)ξ「シィ! 大丈夫よ、この人がレモナ先生よ!」

|゚ノ ^∀^)「ボクはレモナ。 モララーやワカッテマスと一緒に、はじめにママに連れてこられた子供です。
       先生だなんてたいそうなものじゃないんですけどね、いつからかそう呼ばれてます」

|゚ノ ^∀^)「よろしくお願いしますね?」

(;;*゚ー゚)「縺薙?蟄舌?∬カウ縺」

|゚ノ ^∀^)「ああ、この足かな? これは生まれつきですよ、
       長いこと夢の中にいたせいじゃありません」

【 |゚ノ ^∀^) レモナ 】
【 足が無数の蔓になっている少年?少女? 】

|゚ノ ^∀^)「ボクたちみたいな変わったカタチの人、
       外の世界じゃあんまり見ないでしょう? びっくりさせちゃいましたね」

(;;*゚ー゚)「隕九↑縺?o縲 逡ー蠖「縺ァ逕溘∪繧後◆蟄蝉セ帙?縺ソ繧薙↑縲
     螟ァ莠コ縺ォ縺ェ繧区ョコ縺輔l縺ヲ縺励∪縺??」

(;;*゚ー゚)「縲主喧迚ゥ縲上→蜻シ縺ー繧後※」

|゚ノ ^∀^)「……?」

.

136 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:43:23 ID:bTADR6Gs0

ξ*゚⊿゚)ξ「先生! 一緒に帰りましょう?」

|゚ノ ^∀^)

ξ*゚⊿゚)ξ「みんな先生が目を覚ますの待ってるわ!」

|゚ノ ^∀^)「……ごめんね? それはできません」

ξ;゚⊿゚)ξ「そんな! どうして?」

|゚ノ ^∀^)「ボクにはね、まだここでやらなくてはいけないことがあるんです」

ξ゚⊿゚)ξ「ここって、ここは……」

ξ゚⊿゚)ξ(夢で見た暗いメイロの中だわ!)

ξ゚⊿゚)ξ(右からも左からも、上からも下からも。
    あっちこっちから太い木が伸びてきていて、ほんのちょっと先も見えない)

ズズズ...

(;;*゚ー゚)「!」

ξ;゚⊿゚)ξ「なに!? なにかが木から出てくる!」

( <―><―>)

( ―∀―)

ξ;゚⊿゚)ξ「モララー? ワカッテマス?」

|゚ノ ^∀^)「アナタたちを心配して、ここまできたんでしょうね」

ξ;゚⊿゚)ξ「眠ってるの? おかしなカタチの袋に閉じこめられてるわ」

|゚ノ ^∀^)「これは蝶のサナギです」

(;;*゚ー゚)「陜カ縺ョ陋ケ窶ヲ窶ヲ」パキッ

.

137 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:45:29 ID:bTADR6Gs0

|゚ノ ^∀^)「キミたちもさっきこうして夢の中に入ってきたんですよ」

|゚ノ ^∀^)「眠ってる子供達はみんな、夢の中で半透明の蛹になります」

( <―><―>)

( ―∀―)

|゚ノ ^∀^)「二人には申し訳ないな。 『ちいさなママ』とはいえ
      まだまだ子供なのにね、夢の外の世界のことをまかせっぱなしで」

「〜♪」

ξ゚⊿゚)ξ「あっ! これ!」

|゚ノ ^∀^)「優しい声でしょう?」

(;;*゚ー゚)「縺薙?豁悟」ー縺ッ窶ヲ窶ヲ」パキッ

|゚ノ ^∀^)「この子守歌を聞いてると、みんなここで眠ったままになってしまうんです。
       だれかが起こして夢の外に帰してあげなくてはね」



(    )っ『起きて』

https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208803/112_hlxrqp.jpg



ξ゚⊿゚)ξ「……あれは先生だったのね」

|゚ノ ^∀^)「ママがいなくなって、教会の子供達が
      おんなじ夢を見るようになって、すぐのことでしたね」

|゚ノ ^∀^)「ボクがここにいること、何度も伝えようとして、
      でも出来なくて……ツンちゃんたちには心配かけてしまいましたね」

ξ゚⊿゚)ξ「いったいなにが起きてるの?」

.

138 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:50:06 ID:bTADR6Gs0

|゚ノ ^∀^)「それはボクにも分かりません」

|゚ノ ^∀^)「分かってるのは……ママがトビラの向こうにいってから、
       なにもかも変わってしまったということだけ」

ξ゚⊿゚)ξ「先生はずっとここにいるの? こんなところで、ひとりぼっちで」

|゚ノ ^∀^)「ツンちゃん、ボクはひとりぼっちなんかじゃありませんよ。
       夜になれば子供達が眠って、ここに来てくれますからね」

ξ゚⊿゚)ξ「でも」

|゚ノ ^∀^)「ときどきね、お話ししたりもするんですよ?
       目を覚ましたときに子供達がそのこと忘れてしまうのが残念ですけど」

|゚ノ ^∀^)「でもいいんですよ、ボクがちゃんと覚えてるから」

ξ゚⊿゚)ξ「でも、でも」

|゚ノ ^∀^)「それにね? これは本当にときどきですけど、
       あの子とお話しすることもあるんですよ」

ξ゚⊿゚)ξ「あの子?」

|゚ノ ^∀^)「この森のまんなかに、もうひとりだれかがいるんです。
       いまだに顔も名前も知らない子なんですけどね」

ξ゚⊿゚)ξ「もしかして、その子がコモリウタを……」

|゚ノ ^∀^)「かもしれませんね。 あの子は泣いて謝るばっかりで、それ以外はなんにも」

|゚ノ ^∀^)「さてツンちゃん、アナタはもうあのお姉さんとお帰りなさい」

.

139 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:51:18 ID:bTADR6Gs0

ξ゚⊿゚)ξ「まだここにいたい」

|゚ノ ^∀^)「いけません。 モララーとワカッテマスは、
       もうしばらくしたらボクが起こしておきますから」

ξ゚⊿゚)ξ「……はーい」

|゚ノ ^∀^)「ありがとうね? 会いにきてくれて嬉しかったですよ、ほんとに」

ξ゚⊿゚)ξ「!」

ξ゚⊿゚)ξ「待っててね、レモナ先生! きっと、
    ううん、ゼッタイ! どうにかしてみせるわ!」

ξ゚⊿゚)ξ「シィ、シィ! いったん帰りましょ!」

「〜♪」

(;;* ー )

ξ゚⊿゚)ξ「シィ? どうしたの?」

「〜♪」

(;;*;ー;) ポロポロ

ξ゚⊿゚)ξ「泣いてるの?」

「〜♪」

|゚ノ ^∀^)「いってらっしゃい、ボクの子供達」

|゚ノ ^∀^)「……なんてね。 ボクだってまだまだ、子供なのにね」

|゚ノ ^∀^)っ「さあ、起きて」

.

140 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:52:36 ID:bTADR6Gs0

ξ- ⊿゚)ξ「ん……」

(。;;*゚ー゚)「…………」

(*^ω^)「ツン! シィ! 目を覚ましたんだおね!」

(;..'A`)「ったく、ヒヤアセかいたぜ……シィ? どうした?」

(;;*ぅー゚)「縺ェ繧薙〒繧ゅ↑縺」

ξ゚⊿゚)ξ「ここはどこ?」

リィンッ

(´・ω・`)「まったくもう! キミたちといると、ほんっと飽きないよね!」

(..'∀`)「だろぉ?」

(´・ω・`)「褒めてないんだけど?」

(..'A`)「分かってるんだけど?」

( ^ω^)「ここはシャキンとショボンのお部屋だお!」

(..'A`)「二人が眠っちまったあと、シャキンとショボンを呼んだんだ。
    んでもって、戻ってきたらなんかモララーとワカッテマスまで寝てやがってさ」

(..'A`)「どうにかこうにかオマエさんたち四人をここに運んで、
    シャキンはいつもの見回りに出かけて、いまにいたるってわけだ」

.

141 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:53:56 ID:bTADR6Gs0

( <―><―>) スウ...

( ―∀―) クークー

(;;*゚ー゚)「繝「繝ゥ繝ゥ繝シ縺ィ繝ッ繧ォ繝?ユ繝槭せ縲 縺ゥ縺?↑繧九°蛻?°繧峨↑縺??縺ォ縲
     繧上◆縺励◆縺。縺ョ縺ゅ→繧定ソス縺」縺ヲ縺阪※縺上l縺溘?縺ュ」

(´・ω・`)「運ぶのは他の子供達に手伝ってもらったんだよ。
     ボクとシャキン兄さんじゃあ、どうしたって運べやしないからね」

ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう、みんな」

( ^ω^)「ツンとシィが起きたって、シャキンに教えてくるお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「待って!」

ξ;゚⊿゚)ξ「大切なお話しがあるの! ワタシたち、夢でレモナ先生に会ったの!」

( ^ω^)「先生に?」

(..'A`)「くわしく聞かせてくれ」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっとね、えっと!」

(;;*゚ー゚)「關ス縺。逹?縺?※縲 繧上◆縺励b荳?邱偵↓隧ア縺」

.

142 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:54:57 ID:bTADR6Gs0

(..'A`)「あの手はレモナ先生だったのか」

( ^ω^)「先生、元気だったお?」

ξ゚ー゚)ξ「いつもどおりだったわ。 みんなに心配かけてごめんなさい、ですって」

ξ゚⊿゚)ξ「なんにも変わってなくて、ワタシの覚えてる先生のまんまで、ほんとによかった」

(;;*゚ー゚)「諤悶°縺」縺溘?縺ュ縲√ヤ繝ウ」

(..'A`)「……ああ、いつもとおんなじでよかったな」

ξ゚⊿゚)ξ「どうにかしてママがいったトビラの向こうにいかなくっちゃ!」

( ^ω^)「トビラの向こうにママがいるんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「分かんない!」

(..'A`)「でもカギかかってるんだろ、どうやっていくんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「分かんない! でもいかなくっちゃ!」

( ^ω^)「いますぐいくお! シャキンが戻ってくる前に!
       モララーとワカッテマスが起きる前に!」

(..'A`)「シィのイノチも見つかってないのに、トビラのカギも探さないといけないのか」

(;;*゚ー゚)「縺昴≧繧医??嵯縺?繧」

.

143 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:56:09 ID:bTADR6Gs0

(..'A`)「なにか分かったのか?」

(;;*゚ー゚)「骰オ縺ョ蝣エ謇?繧堤衍縺」縺ヲ縺?k縲√°繧上>縺上※鬆シ繧ゅ@縺?サイ髢薙′縺?k縺ョ」

(..'A`)「『鍵の場所を知ってる』? 『かわいくて頼もしい?』
    ……なんだかやな予感がするぜ」

リィンッ

(´・ω・`)「ふふんっ。待ってましたぁ!」

(;..'A`)「うへぇ。やっぱりやな予感だった」

(;;*゚ー゚)「縺ゥ繧薙↑縺ォ謔ェ縺上※繧よア壹¥縺ヲ繧ゅ°縺セ繧上↑縺」

(´・ω・`)「さあ良い子のみんな、悪い子になる準備はいいかい?」

(*^ω^)ノ「はーい!」

ξ;゚⊿゚)ξノ「は、はいっ」

(;;*゚ー゚)「繧医¥縺ェ縺?∩縺溘>」

(..'A`)「いい子のお返事しやがって」

(´・ω・`)「おほんっ、大変結構! じゃあまずは、シャキン兄さんに
     あどけなく『ごめんなさぁい』する練習しようか?」

.

144 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:56:10 ID:bTADR6Gs0

(..'A`)「なにか分かったのか?」

(;;*゚ー゚)「骰オ縺ョ蝣エ謇?繧堤衍縺」縺ヲ縺?k縲√°繧上>縺上※鬆シ繧ゅ@縺?サイ髢薙′縺?k縺ョ」

(..'A`)「『鍵の場所を知ってる』? 『かわいくて頼もしい?』
    ……なんだかやな予感がするぜ」

リィンッ

(´・ω・`)「ふふんっ。待ってましたぁ!」

(;..'A`)「うへぇ。やっぱりやな予感だった」

(;;*゚ー゚)「縺ゥ繧薙↑縺ォ謔ェ縺上※繧よア壹¥縺ヲ繧ゅ°縺セ繧上↑縺」

(´・ω・`)「さあ良い子のみんな、悪い子になる準備はいいかい?」

(*^ω^)ノ「はーい!」

ξ;゚⊿゚)ξノ「は、はいっ」

(;;*゚ー゚)「繧医¥縺ェ縺?∩縺溘>」

(..'A`)「いい子のお返事しやがって」

(´・ω・`)「おほんっ、大変結構! じゃあまずは、シャキン兄さんに
     あどけなく『ごめんなさぁい』する練習しようか?」

.

145 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:57:11 ID:bTADR6Gs0

バタンッ‼︎

(´・ω・`)「ねっ? なかなかいい作戦だったでしょ?」

(..'A`)「オマエさんにしてはなかなかなんじゃないか?」

(´・ω・`)「どうして素直に褒められないかな?」

(..'A`)「へーへー、ショボンが手伝ってくれたらカンペキだったな」

(´・ω・`)「猫にだってできないことはあるよ」

(;;*゚ー゚)「菫。縺倥i繧後↑縺?o縲 縺?▽繧ゅ%繧薙↑縺薙→縺励※繧九?」

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの、シィ? なにかびっくりしてるみたい」

(´・ω・`)「そんなにびっくりすることかな?」

(´・ω・`)「手と足を切ってお仕置き部屋に閉じ込めるだなんて、
     ママが僕や子供達によくやってたことじゃないか!」

(´・ω・`)「それにシャキン兄さんなら大丈夫だよ、知ってるでしょ?」

(´・ω・`)「この教会の子供達と僕達の傷や病は、
     時間があれば絶対に治るようになってるんだから」

(;;*゚ー゚)「縺?縺九i繝悶?繝ウ縺後ヰ繝ゥ繝舌Λ縺ォ縺ェ縺」縺ヲ繧ゅ?√げ繝√Ε繧ー繝√Ε縺ォ縺ェ縺」縺ヲ繧よイサ縺」縺ヲ縺溘?縺ュ」

(´・ω・`)「しばらくもしたら兄さんもキレイさっぱり元どおりさ」

( ^ω^)「シャキンはおハナがいいんだお。 追いつかれる前に、はやくいこうお!」

(´・ω・`)「こうでもしなくっちゃ、兄さんは鍵をくれたりしないもん。
     きっとあの扉の鍵を開けたら、世界が終わるとでも思ってるんだろうよ」

.

146 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 23:59:04 ID:bTADR6Gs0

(;;*゚ー゚)

( ^ω^)

( ^ω^)(シィも、お空も、いまにも割れちゃいそうだお)

ヒラヒラ

( ^ω^)「おっ」

(..'A`)「ブーン? なに見てるんだ?」

( ^ω^)「シィのヒビからでてきた蝶々が」

(..'A`)「オマエさんにだけ見えるやつか?」

( ^ω^)「蝶々がボクたちとおんなじところに向かってるんだお」

ヒラヒラ

( ^ω^)「あっ」

(´・ω・`)「ママの扉についた!」

( ^ω^)「トビラの向こう側にいっちゃったお」

(..'A`)「それってつまり、どういうことだ?」

(;;*゚ー゚)「繝?Φ縲?嵯繧」

ξ;゚⊿゚)ξ「開けるわ! せーのっ」

ガチャリッ
ギィ...

https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208781/22_jpvbtc.png

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ……?」

.

147 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:00:17 ID:CUWIUCZM0

( ^ω^)「お外へのトビラじゃないのかお?」

(´・ω・`)「下におりられるみたい」

(;;*゚ー゚)「蝨ー荳句ョ、縺ュ」

(..'A`)「『チカシツ』? ママの部屋か?」

(´・ω・`)「中はまっくらだ。だれか灯りを持ってきて」

(..'A`)「たまには自分で持ってこいや」

(´・ω・`)「このかわいい肉球に言ってるの?」

( ^ω^)「持ってきたおー!」

トントン
トントン

( ^ω^)「ねぇ、知ってるお?」

(;;*゚ー゚)「縺ェ縺ォ」

( ^ω^)「ママのお部屋では息をしたらいけないんだって」

ξ゚⊿゚)ξ「どうして?」

( ^ω^)「『セイイキ』だから」

(..'A`)「だれがそんなこと言ったんだ?」

( ^ω^)「うんとね、ワカッテマス!」

(´・ω・`)「そういえば兄さんがワカッテマスにそんなこと言ってた気がする」

ξ゚⊿゚)ξ「知らなかったわ」

.

148 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:01:40 ID:CUWIUCZM0

トントン
トントン

(´・ω・`)「階段はここでおしまい」

(..'A`)「ここがママの部屋か?」

( ^H^)「むぐっ」

(;;*゚ー゚)「縺ェ縺ォ縺励※繧九?」

(..'A`)「シィの言うとおりだ。 なにしてるんだ?」

( ^H^)「息していいのかお?」

(´・ω・`)「あたりまえ!」

ξ゚H゚)ξ「えっ」

ξ゚⊿゚)ξ プハッ

ξ゚⊿゚)ξ「そうよそうよ、いいに決まってるでしょっ」

(;;*゚ー゚)「縺阪▲縺ィ蟄蝉セ幃#繧偵%縺薙↓蜈・繧後↑縺?◆繧√?蝌倥□縺」縺溘?縺ュ」

(´・ω・`)「ママはどこかな?」

ξ゚⊿゚)ξ「よく分からないものばっかりね、これはなにに使うのかしら?」

(;;*゚ー゚)「遏・繧峨↑縺上※縺?>縲 鄒主ョケ縺ィ諡キ蝠上?驕灘?縺ー縺九j」

(..'A`)「本がこんなにたくさん。 ああくそっ、文字が読めたらな」ペラッ

(;;*゚ー゚) ペラッ

( ^ω^) ペラッ



「むかしむかしあるところで、二人の少女が手をつないで生まれました」

「二人の少女は他の人とはちょっぴり変わってるところがありました」

.

149 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:02:52 ID:CUWIUCZM0

「一人はただそこにいるだけで、周りに癒しと蘇生の力をふりまきました。
 一人はただそこにいるだけで、周りに腐りと破壊の力をふりまきました」

「蘇生の力を持つ少女は『魔女』と呼ばれました。 蘇生の力を持つ少女は『怪物』と呼ばれました」

「けれども、大丈夫です。 二人でいれば、大丈夫です」

「二人でいれば、お互いの力をかき消すことができるのです。
 二人でいれば、二人はなんでもない少女でいられるのです」



( ^ω^) ペラッ

ξ゚⊿゚)ξ「なに見てるの?」

( ^ω^)「本だお!」

ξ゚⊿゚)ξ「なにか分かった?」

( ^ω^)「さっぱりだお」

ξ゚⊿゚)ξ「だと思った!」

(´・ω・`)「ちょっと見せてみて」

(´・ω・`)「モララーとワカッテマスが眠る前に読み聞かせてくれるお話しがあるでしょ?
     魔女と怪物のお話し。 たぶんだけど、これはそのお話しの元になった本だね」

(´・ω・`)「んんんっ? でもなんだかちょっと、違うみたい?」

(..'A`)「ショボン、オマエさん字が分かるのか?」

(´・ω・`)「ほんのちょっとだけ。僕をいくつだと思ってるの?
     モララーやワカッテマスより、よっぽどお兄ちゃんなんだから!」

(;;*゚ー゚) ペラッ

ξ゚⊿゚)ξ「シィはなにを読んでるの?」

(;;*゚ー゚) 「縺ェ繧薙〒繧ゅ↑縺」

( ^ω^)「みんなー!こっちこっちー!」

(´・ω・`)「部屋の奥にもうひとつ扉があるんだ」

.

150 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:04:13 ID:CUWIUCZM0

ξ゚⊿゚)ξ「カギかかってる?」

(´・ω・`)「ドクオ、扉を開けてよ」

(..'A`)「自分でやりなさい」

(´・ω・`)「むっ」

(#´・ω・`)「フーッ、フーッ」ガチャガチャ

ξ;゚⊿゚)ξ「ああっ! ワタシが開けるわ!」

ガチャッ
ギィ...

( ^ω^)「わあ……」

ξ゚⊿゚)ξ「ここ、見たことあるわ」

(;;*゚ー゚)「繝ャ繝「繝翫?螟「縺ョ荳ュ縺ァ隕九◆蝣エ謇?」

(..'A`)「ああ。 夢で見た、緑のメイロだ」

ドクン
ドクン

ξ゚⊿゚)ξ「この音はいったいどこから?」

(´・ω・`)「まるで木のイノチの音みたい」

「〜♪」

(;;*゚ー゚)「縺ゅ≠縲√%縺ョ豁悟」ー窶ヲ窶ヲ」

ξ゚⊿゚)ξ「まちがいないわ、コモリウタ!」

( ^ω^)「いつも夢で聞いてる歌だお!」

ξ゚⊿゚)ξ「レモナ先生が言ってたわ!
    この木のまんなかに、コモリウタを歌ってる子がいるのよ!」

(..'A`)「コモリウタ?」

.

151 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:05:07 ID:CUWIUCZM0

ξ゚⊿゚)ξ「その子の歌をとめれば、先生が目を覚ますにちがいないわ!」

(;;*゚ー゚)「縺ゅ?豁後?縲√≠縺ョ螢ー縺ッ」

(..'A`)「シィ? どうした?」

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」

(..'A`)「様子がおかしいんだ」

( ^ω^)「よーし、まんなかを目指していくおー!」

(..'A`)「しかしこれは、ひどいメイロだぜ?」

(´・ω・`)「待って待って、くれぐれもはぐれないでよね?
     迷子になった君達を探すのは僕なんだから!」

( ^ω^)「みんなでいれば大丈夫だお!」

(´・ω・`)「みんなで迷子になるなんて、最悪の中の最悪だ!」

(;;*゚ー゚) パキッ

ヒラヒラ

( ^ω^)(シィのキズから蝶々が!)

( ^ω^)「みんな! ボクについてきてお!」

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」

( ^ω^)「蝶々だお!」

(..'A`)「ブーンにだけ見える蝶々か!」

( ^ω^)「追いかけなくっちゃ! 見うしなっちゃうお!」

(´・ω・`)「どういうこと? 説明してくれる?」

.

152 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:05:45 ID:CUWIUCZM0

タッタッタッタッタッ

( ^ω^)「蝶々がいったところに!」

タッタッタッタッタッ

( ^ω^)「蝶々が消えるところに!」

タッタッタッタッタッ

( ^ω^)「きっと、そこに、シィのイノチが!」

ヒラヒラ
フワッ

( ^ω^) ピタッ

( ^ω^)(蝶々が消えたお)

( ^ω^)(ううん。 あの中に入っていったんだお)

( ^ω^)(あの、光っててすけてる、へんてこなカタチをした、木の中に)

ドクン
ドクン

(*^ω^)「キラキラしてキレイだお!」

(..'A`)「あれがこの木のまんなかか?」

ξ゚⊿゚)ξ「レモナ先生が言ってた蝶のサナギみたいだわ」

(´・ω・`)「知らなかったや、教会の下にこんなところがあっただなんて」

(..'A`)「なんだあれ?」

( ^ω^)「おっ?」

(´・ω・`)「!」

(;;*゚ー゚)「!」

.

153 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:06:16 ID:CUWIUCZM0

( ^ω^)(光ってる木の、蝶のサナギの、まんなかに、なにかが)

( ^ω^)(小さく丸まった、まるで人みたいな、カタチをした、なにかが)

ドクン
ドクン

(    )「〜♪」

( ^ω^)(あれは)

(*- -)「〜♪」

( ^ω^)「シィ?」

(;;*゚ー゚)

(..'A`)「シィが、ふたり?」

ξ゚⊿゚)ξ「どうしてサナギの中のシィがコモリウタを?」

(*- -)「〜♪」

( ^ω^)「おーい、おはようだおー! 起きておー!」

ξ゚⊿゚)ξ「起きなさーい! もうひとりのシィー!」

(..'A`)「だめだこりゃあ。 たたいてもゆすっても、サナギの中までは届かないぜ」

(´・ω・`)っ「もうこの蝶の蛹を破るしか……」

(;;* ー ) バッ

(..'A`)「なんだなんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「いきなりどうしたの?」

( ^ω^)「シィ?」

( ^ω^)(こんなシィ、はじめてだお)

.

154 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:06:48 ID:CUWIUCZM0

(;;* ー ) ブチブチッ

( ^ω^)(夢中でサナギを壊してる)

( ^ω^)(自分の手がよごれることも、キズつくことも考えてない)

( ^ω^)(ボクたちがいるってことすら、忘れちゃったみたいだ)

(;;* ー ) ブツンッ

( ^ω^)(見えた)

( ^ω^)(サナギの中から、もうひとりのシィが)

(;;* ー ) ズルッ...

(*- -)「〜♪」

(..'A`)「眠りながら歌ってるのか……」

ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、ひょっとして。 シィのイノチって、ひょっとして!」

( ^ω^)「あっ!」

(;;*゚ー゚)っ パキパキ

( ^ω^)(シィのヒビが体ぜんぶに広がっていく)

(;;*゚ー゚)っ パラパラ

( ^ω^)(肌がこなごなになって、はがれ落ちていく)

ヒラヒラ
ヒラヒラ

( ^ω^)(なにが起きてるんだお?)

( ^ω^)(シィからはがれたカケラが、蝶のカタチになって、
       つぎつぎと、もうひとりのシィの体に入っていく)

( ^ω^)「おう……?」

(;..'A`)「げほげほっ! うわっ、なんだこれ!」

.

155 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:07:24 ID:CUWIUCZM0

ヒラヒラ
ヒラヒラ

( ^ω^)「なんでボクたちの口から蝶が出てきたんだお?」

(;..'A`)「知るもんかよ、いつのまにオレとブーンの体の中に入ったんだ」

( ^ω^)「もうひとりのシィの方に飛んでいくお!」

ヒラヒラ
ヒラヒラ

(;;* ー )

(*- -)「〜♪」

ξ;゚⊿゚)ξ「シィ!」

(´・ω・`)「危ない! 離れて!」

( ^ω^)(たくさんの桃色の蝶にかこまれて、まるでサナギみたいで)

( ^ω^)(ああどうしよう! ふたりのシィが見えなくなっていく!)

ヒラヒラ
ヒラヒラ

(*- -)「〜♪」

(;;*;;ー;;)「ああ」

(;;*;;ー;;)「思い出したわ」

(;;*;;ー;;)「ぜんぶ」

.

156 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:07:54 ID:CUWIUCZM0










パリンッ...










.

157 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:08:49 ID:CUWIUCZM0
     「むかしむかしあるところで、二人の少女が手をつないで生まれました」
     「二人の少女は他の人とはちょっぴり変わってるところがありました」

(あの日もあなたは笑っていた)

(無理やり連れて来られて、体を縛られながら、涙をこらえながら、唇を震わせながら)

(その声は恐怖と慈愛に満ちていた)

(*^ー^) ニコッ

     「一人はただそこにいるだけで、周りに癒しと蘇生の力をふりまきました。
      一人はただそこにいるだけで、周りに腐りと破壊の力をふりまきました」

     「蘇生の力を持つ少女は『魔女』と呼ばれました。 蘇生の力を持つ少女は『怪物』と呼ばれました」

(* ー )『大丈夫、なのですっ……』

     「けれども、大丈夫です。 二人でいれば、大丈夫です」
     「二人でいれば、お互いの力をかき消すことができるのです。
      二人でいれば、二人はなんでもない少女でいられるのです」

(* ー )『███のお花……きっと咲きます……!』

     「『幸せを分け合いましょう、みんなで幸せになりましょう』と、蘇生の少女は言いました」

     「自分の力を困ってる誰かのために使うことをいといませんでした。
      世界中のだれもかれもが、蘇生の少女のことを知りました」

(* ー )『綺麗なお水をあげてくださいね、温かい光をあげてくださいね。
     いっ、いっぱい声をかけて、いっぱい笑って……。それから、それから……』

     「人々は蘇生の少女の草花を育て、傷や病を治し、命の時を遅くさせる力を欲しがり、やがて争うようになりました」
     「あるとき人々は気付きました。 みんなが幸せになる方法を。 そうです、争う必要なんてなかったのです」

(*;ー;)『きっと、とっても、綺麗なのです……! どんなお花が咲いたか、あとで教えてくださ……

     「『幸せを分け合いましょう!』『みんなで幸せになりましょう!』」
     「『幸せを分け合いましょう!』『みんなで幸せになりましょう!』」

ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ

(* ー )『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああああああああああああああああああああ!!』

ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ

     「『幸せを分け合いましょう!』『みんなで幸せになりましょう!』」
     「『幸せを分け合いましょう!』『みんなで幸せになりましょう!』」

158 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:09:12 ID:CUWIUCZM0

     「人々は幸福を何十にも何百にも細かく切り刻んで、みんなで分け合いました」
     「そのときです。幸福のひとつひとつが、美しい蝶の羽に形を変えました」

     「まるで神話のようだと、人々は腹を抱えて笑いました」

(    )((シィ))

(    )((シィ、シィ、シィ))

(    )((花は蕾のまま枯れたわ、蝶は蛹のまま死んだわ))

(    )((あなたが、いないから))

     「こうしてみんな、幸せになりましたとさ」
     「めでたしめでたし」

(    )(そうよ、私は)

(    )(世界中に散りばめられてしまった、貴女の欠片を探していたんだわ)

(    )(そして……やってはいけないことをしたんだわ)

(    )(シィの欠片の最後のひとつが捕らえられている、この教会の空間に入るために。
       ここは誰かの願いで守られていた場所だから、願いに守られた人しか入れなかったから)

(    )(私が貴女ならば中に入れるから。
       あのとき私の破壊と正反対の蘇生を持つ、シィの欠片を自分の体にまとったんだわ)

(    )(あのとき……)

.

159 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:09:33 ID:CUWIUCZM0

ギュッ...
ドロッ

(    )((お互いの力を拒絶して、私の体が溶けていく))

ドロドロ

(  ;;)((からっぽの肉の塊になっていく))

ドロドロ

(;;;;)((貴女の欠片だけは綺麗ね。蝶の羽の形をしてるの))

ビキッ
ビキビキッ...

バリィンッ‼︎

( ^ω^)((お空が、割れて))

( ^ω^)((なにかが。 おっきな、なにかか))

( ^ω^)((上から、ぼくに。 おっこちて))

( ^ω^)

( ^ω^)『…………あっ』

ドチャッ‼︎

.

160 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:09:56 ID:CUWIUCZM0

((自分の形をなくしても))

(*゚ー゚)『なまえなんていらないわ』

ξ゚⊿゚)ξノ『デレ!」

(*゚ー゚)『どうして』

((名前をなくしても、記憶をなくしても))

(..'A`)ノ『ミセリ』

(*゚ー゚)『わたしなんかのために、あなたたちは』

((世界をなくしてもいいわ))

(*^ω^)ノ『シィ!』

(。*゚ー゚) ポロッ

((私にはシィ、貴女が残ればそれでいいの))

(;^ω^)『泣かないで、泣かないでお』

(。*゚ー゚) ポロポロ

((からっぽの中に、貴女がいてくれれば))

((シィ))

(;;*;;ー;;)(……だめね)パラパラ

(;;*;;-゚)(貴女が命をかけて守ってくれた『私』のことまで忘れちゃうだなんて)パラパラ

(;;゚;;-゚)(私は)パラパラ

(#゚;;-゚)(私の本当の名前は)

.

161 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:10:18 ID:CUWIUCZM0

(*- -)

(*゚ー゚) スッ

(#゚;;-゚)

(*゚ー゚)「ディ、ちゃん?」

(#゚;;-゚)

(。#゚;;-゚)「あっ……」

ポロッ

(。#゚;;-゚)「ああ、あ……」

ポロポロ

(*゚ー゚)「大丈夫、ですか……? 泣いてるのですか……?」

(。# ;;- )「シィ!シィ、シィ! シィ……!!」

ギュッ!!

(。# ;;- )「うっ……ううう……!」

(*゚ー゚)「よしよし。 ディちゃん、大丈夫ですよ」

(。# ;;- )「う゛っ、うううううう……」

(。# ;;- )(貴女はいつもそうね。 なんにも変わってないわ。 なんにも、なにひとつ)

(*゚ー゚)「ディちゃん、よかった……、また会えたんですね……」

(。# ;;- )(私ね、世界中を旅したのよ。 貴女の欠片を探して。 もう一度、会いたくて)

(。# ;;- )(ぜんぶ集めるのに、100年かかってしまったけれど)

(*゚ー゚)「ごめんなさいね、私、弱虫だから。 また、助けてくれたんですよね?」

(*^ー^)「ありがとう、ディちゃん」

(。# ;;- )「あああっ……あ゛ああああああっ……っ、……あああああ……」

.

162 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:11:38 ID:CUWIUCZM0

ヒラヒラ
ヒラヒラ

( ^ω^)「おっ!」

ξ゚⊿゚)ξ「見て! 蝶が消えていくわ!」

(..'A`)「あそこにいるのは……」

(。#゚;;-゚)

(*゚ー゚)

(#ぅ;;-゚)「シィ、どこも足りないところはない?
     貴女はぜんぶ揃ってる? 傷ひとつない?」

(*゚ー゚)「うんっ。 ディちゃんが頑張ってくれたおかげなのです!」

(*゚ー゚)「ディちゃんこそ、お耳が。 それに、傷だらけなのです。
    まさか外の世界に? 探しにいかなくっちゃ!」

(#゚;;-゚)「どこにもいかないで。 貴女は何も心配しなくていいの」

(*^ω^)「シィだ!」

ξ*゚⊿゚)ξ「シィー!!」

(..'A`)「おーい、シィー!」

(´・ω・`)「ああ、待ってっ」

バタバタ
バタバタ

(#゚;;-゚)「!」

(*゚ー゚)「?」

.

163 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:12:01 ID:CUWIUCZM0

(*^ω^)「こっちがボクたちのシィだおね?」

ξ*゚⊿゚)ξ「ようやく会えたわ!」

(..'∀`)「それがほんとのシィのカタチか」

(#゚;;-゚)「どう、して、私だって?」

(*^ω^)「分かんないけど、分かるんだお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「分からないわけないでしょ、あんなに一緒だったんだから!」

(..'∀`)「オマエさん、こんな声してたのかぁ」

(#゚;;-゚)「……どうして」

(*゚ー゚)「まあ。 かわいい子供達ですね」

(*^ω^)「ブーンだお! はじめまして、イノチ!」

ξ*゚⊿゚)ξ「はじめまして、シィのイノチ! ワタシはツンよ!」

(..'A`)「いやシィのイノチにも名前はあるだろ。
    ああ、オレの名前はドクオだぜ」

(´・ω・`)「僕はショボン。 よろしくね、イノチさん」

(*゚ー゚)「イノチ?」

(#゚;;-゚)「聞かないで。 あとで話すわ」

(*゚ー゚)「?」

.

164 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:12:49 ID:CUWIUCZM0

(#゚;;-゚)「紹介するわ、こっちが本当のシィ」

(*゚ー゚)「はじめまして、『シィ』っていいます。
    えへへ、みんなと仲よくできたら嬉しいのです」

(#゚;;-゚)「本当の私は『ディ』よ」

(*^ω^)「よろしくだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「シィがディ?」

(..'A`)「ややこしいな」

(#゚;;-゚)「きっと私が体にまとっていたシィの欠片を
     シィに返したから、本当の私の形が見えるようになったんだわ」

( ^ω^)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

(..'A`)「オレたちの口からシィの蝶が出てきたのは?」

(#゚;;-゚)「私が形をなくして中の世界に来たとき、
     ブーンとドクオを潰してしまったでしょう」

(#゚;;-゚)「きっとそのとき、シィの欠片を飲み込んでしまったのね」

( ^ω^)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

(..'A`)「あー……」

(´・ω・`)「なるほどなるほど、分かった分かった」

.

165 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:13:14 ID:CUWIUCZM0

(´・ω・`)(結局、ママなんてどこにもいなかったな)

(*^ω^)「はやいとこみんなのとこに戻ろうお!」

(..'∀`)「けけけ。 ちいさなママどものびっくりした顔が目に浮かぶぜ」

(´・ω・`)(……まっ、これはこれでいっか)

ξ゚⊿゚)ξ「ディとシィは、ずっとこの教会にいるわよね?」

(#゚;;-゚)

ξ゚⊿゚)ξ「いなくなったりなんか、しないわよね?」

(#゚;;-゚)

トクン...
トクン...

( ^ω^)「あれ?」

(..'A`)「どうした?」

( ^ω^)「木のイノチの音が小さくなってるお」

ξ゚⊿゚)ξ「言われてみれば。 いまにも消えちゃいそう」

(..'A`)「いったいぜんたい、なんの音なんだ?」

(*゚ー゚)「!」

(*゚ー゚)「ディちゃん、あの子は?」

(#゚;;-゚)「誰」

(*゚ー゚)「私が目を覚ましたということは、あの子は……」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

( ^ω^)「おうっ?」

(;..'A`)「なんだこれ? 地面がゆれてるぞ!」

.

166 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:13:35 ID:CUWIUCZM0

グラグラッ

(;*゚ー゚)「っ」

(#゚;;-゚)「シィ、大丈夫?」

(;*゚ー゚)「大丈夫ですよ。 私より子供達を先に」

ξ;゚⊿゚)ξ「きゃっ!?」

(#゚;;-゚)っ「ツン、手をとって」

ξ;゚⊿゚)ξ「だ、大丈夫! ゆれてるのとまったみたい!」

(..'A`)「なんだったんだ?」

( ^ω^)「地面がグラグラするなんて、こんなのはじめてだお」

(` ω ´)「子供達!」

( ^ω^)「おっ?」

(;´・ω・`)「ひっ」

(`・ω・´)「なんてことをしたんだ!」

(..'A`)「シャキンだ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ごめんなさぁい!!」

(`・ω・´) グチャ...

(;´・ω・`)「に、兄さん、まだ手足がちゃんとくっついてないよ、そんな無理に」

(`・ω・´)「ショボン、お兄ちゃんに言うことは?」

(;´・ω・`)

(;´ ω `)「……ごめんなさい」

.

167 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:13:57 ID:CUWIUCZM0

(`・ω・´)「あとでゆっくり話そう」

(;*゚ー゚)「ひどい怪我……、ちょっと見せてください」

(`・ω・´)「君は、ママの」

(*゚ー゚)っ フワッ

(*゚ー゚)「よっぽどひどいめに遭ったのですね。 これでもう大丈夫ですよ」

(`・ω・´)「……すまない」

(#゚;;-゚)「シャキン、そういうときは『ありがとう』よ」

(`・ω・´)「……そうだね、ありがとう」

(*^ω^)「シィ、すごいお! キズを治しちゃったお!」

(*゚ー゚)「私、ちょっとだけ傷や病を治せるんです。
     だからなにかあったら言って欲しいです!」

(#゚;;-゚)「『ちょっとだけ』じゃないわ」

(;*゚ー゚)「ちょっとですよう。 ディちゃんのことだけは治せないのですもの」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎
ガタガタッ‼︎

(`・ω・´)「まずいぞ! 今にも天井が崩れそうだ!」

(;*゚ー゚)「わ、わっ! はやく地下室から出なくっちゃ!」

(#゚;;-゚)「子供達、先にいって。 誰も置き去りにしない」

(;^ω^)「おん!」

ξ;゚⊿゚)ξ「はいっ」

(;..'A`)「お、おう」

.

168 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:14:27 ID:CUWIUCZM0

タッタッタッタッタッ

(`・ω・´)「こっちだ! みんな頑張れ! もうすぐ外だ!」

バタンッ‼︎

(*^ω^)「ついたお! これでもう、だいじょう……」

( ^ω^)「ぶ……?」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(..'A`)「大丈夫なもんかよ……」

ξ゚⊿゚)ξ「ね、ねぇ、分からないの。 どうしてかしら?」

ξ゚⊿゚)ξ「どうして、お空が、割れてるの?」

(´・ω・`)「……僕が地下室にママを探しにいこうなんて言ったせいだ。
     バカみたい、結局ママはいなかったのに」

(#゚;;-゚)「私のせいね。 私が外の世界から無理やりここに来たから」

(;*゚ー゚)「それは違うのです! 私が目を覚ましたからなのです!」

(`・ω・´)「君達はなんにも悪くないさ! ただ、ママが約束を守っただけだ!」

(´・ω・`)「……兄さん?」

ガラガラッ‼︎

(`・ω・´)「気をつけろ! 床が崩れるぞ!」

(;´・ω・`)「わわ、わっ!」

.

169 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:14:51 ID:CUWIUCZM0

ガラガラッ‼︎

(;*゚ー゚)「あっ」

(#゚;;-゚)っ「シィ!」

グイッ

(;*゚ー゚)「ありがとう、助かったのです」

(#゚;;-゚)「貴女が無事ならそれでいい」

(;*゚ー゚)「床に大きな穴が空いちゃったのです」

(#゚;;-゚)「危うく地下室に逆戻りするところだったわね」

(`・ω・´)「なんてこった! ショボンだけ穴の向こうにいるぞ!」

( ^ω^)ノシ「ショボーン! 聞こえるかおー!」

(..'A`)ノシ「大事ないかー?」

(´・ω・`)ノシ「聞こえるよー! こんなんへっちゃらだよー!」

(`・ω・´)「こっちに来れそうかー?」

(´・ω・`)「ちょっと別の部屋を回れば戻れそうー! すぐいくから待っててー!」

タッタッタッタッタッ

ξ;゚⊿゚)ξ「でも、でも! 空が割れたからって、それがなんだっていうの?」

( ^ω^)「そうだおね。 わるいことなんか、起きないおね?」

(.. A ) フラッ

(#゚;;-゚)っ「だめ」

(.. A ) ドサッ

( ^ω^)

( ^ω^)「ドクオ?」

(;.. A )「はあ、はあ……」

.

170 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:15:13 ID:CUWIUCZM0

( ^ω^)「どうしたんだお? どっかいたいのかお?」

(;.. A )「ははっ……なんか、チカラ入んねー……、ど、なってんだ……?」

(;^ω^)「ドクオ、その手、どうしたんだお?」

ξ;゚⊿゚)ξ「どうして、右手が干からびて……?」

(#゚;;-゚)「……老いてる」

(;*゚ー゚)「!」

(;.. A )「う、う……」

(;*゚ー゚)っ「お願い、戻って!!」フワッ

(;..'A`)「!」

ξ;゚⊿゚)ξ「よ、よかった……」

(;..'A`)「も、戻った! オレ、どうなってた?」

(;^ω^)「手が細くなって枯れてたお!
      それがどんどん、体に広がっていったお!」

(`・ω・´)「事情が変わったぞ! はやく地下室に戻るんだ!
     あそこにはママがいる、少しはしのげる!」

( ^ω^)「ママが?」

(..'A`)「チカシツに?」

タッタッタッタッタッ

(´・ω・`)「ただいま」

(`・ω・´)「おかえり」

(#゚;;-゚)「子供達が教会に残ってるわ。 置いていくつもりなの」

.

171 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:15:37 ID:CUWIUCZM0

(*゚ー゚)「そんな、助け、にっ」

(* ー ) フラッ

(#゚;;-゚)っ ガシッ

(#゚;;-゚)「シィ、怪我は」

(;*゚ー゚)「ごめんなさい、まだ体がいうことをきかなくて」

(#゚;;-゚)「無理しないで」

(`・ω・´)「長いこと眠ってたせいだろうね、
     まだ満足には体を動かせないだろうさ」

ξ゚⊿゚)ξ「!」

ξ゚⊿゚)ξ ダッ

( ^ω^)「ツン!? 待ってお!」ダッ

(;..'A`)「バカふたりっ! どこいくんだ!?」ダッ

(´・ω・`)「ああもう! 僕が連れ戻してくる!」

(`・ω・´)「待つんだショボン! お前は地下室にいきなさい!」

(#´・ω・`)「子供扱いしないでくれる!? 僕だってみんなよりお兄さんなんだから!」

(`・ω・´)「ショボン!! 君にしかできないんだ!!」

(´・ω・`)「……?」

(`・ω・´)「ショボン、ママは地下室にいる。」

(`・ω・´)「君はずっと一緒にいただろう、あの部屋に入った瞬間から、
     出ていく瞬間まで、ずっと一緒に」

(´・ω・`)「……えっ?」

トクン...
トクン...

.

172 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:15:59 ID:CUWIUCZM0

(    )っ「起きて」

( ・∀・) パチッ

( <◯><◯>)  パチッ

( ・∀・)「ワカッテマス、起きてるかい? この天井はどこだろうね?」

( <◯><◯>)「はあぁ……話しかけないでください。
       シャキンさんとショボンくんの部屋ですね」

( ・∀・) ムクッ

( ・∀・)「枝の生えた少年と、鱗の生えた少年と、尻尾の生えた少女は?」

( <◯><◯>)「ブーン少年とドクオ少年とツン少女です。
       いい加減に子供達の名前を覚えなさい」

( ・∀・)「覚えようとしても覚えられないのさ。
      そういうキミこそ、子供達のカタチを覚えてあげたまえよ」

( <◯><◯>)「ザンネンながら、ワタシもどうしたって
       覚えられないんですよ。 不思議なことに」

( ・∀・)「まあ、焦ることはないさ。 これだけやって
       覚えられないなら、きっとそこだけ成長するのがおそいんだろうよ」

( <◯><◯>) ベシッ

( ・∀・)「いま杖でぶったかい?」

( <◯><◯>)「いいえ。 蹴ったんです」

( ・∀・) ベシッ

( <◯><◯>)「いたいですよ、仕返しなんてサイテイです」

( ・∀・)「あはははは! 一回は一回というやつさ!
       これでウラミッコなしにしようじゃないか!」

( <◯><◯>) ムクッ

( <◯><◯>)「アナタと話していてもつまらない。
       はやくあのイタズラっ子たちを探しましょう」

.

173 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:16:21 ID:CUWIUCZM0

ザワザワ
ザワザワ

( ・∀・)「やややっ? なにやらお庭がさわがしいぞ?」

( <◯><◯>)「いったいなにを見上げてるんでしょうか」

「見て見て! あんなのはじめて見た!」
「ちいさなママに知らせなくっちゃ!」
「あっ! あそこにちいさなママがいるよ!」

( ・∀・)「やあやあ! みんなで集まってなにしてるんだい?」

ビキビキ

o川*゚ー゚)o「ねーねー! ちいさなママー!」

( ・∀・)「なんだい?」

ビキィッ

o川*゚ー゚)o「どうしてお空にヒビが入ってるの?」

( ・∀・)



バリィンッ‼︎



(*><)「お空が割れたんです! キレイですね、ポッポちゃん!」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」

.

174 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:16:43 ID:CUWIUCZM0

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(;><)「ぎゃあっ!?」

⊂(*‘ω‘ *) グイッ

(;><)「あ、ありがとうなんです! ポッポちゃん!」

( <◯><◯>)「訳がわかりませんね。
       空が割れたかと思えば、お次は大地がゆれるだなんて!」

(;-_-)「ひぃひぃー! お、お、お、お助けをー!」

川⁂ 々゚)「おー、おー、ゆれるー?」

( ・∀・)「みんな教会の中に入りたまえ!」

「全員、そのまま動かないでください!」(<◯><◯> )

( ・∀・)「同時に話さないでくれたまえ!」

( <◯><◯>)「それはこちらのセリフです」

从; ゚∀从「ママ! ママ! 助けてくれ!!」

( <◯><◯>)「ハインリッヒ少年、その手はどうしたんです?」

从; ゚∀从「さわっても、つねっても、なんにもかんじねーんだ!」

( ・∀・)「枯れてる……?」

从; ∀从「ママ、ママ! オレの手……ゴホゴホッ、ひっ、息がっ……」

(;<◯><◯>)「ハインリッヒ少年! 許しませんよ、しっかりしなさい!」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(;・∀・)「ああっ! また地面が!」

(;´_ゝ|★)「オトジャ、無事か?」

(☆|<_`;)「アニジャ、大丈夫か?」

.

175 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:17:03 ID:CUWIUCZM0

(;<◯><◯>)「シャキンさんを呼んできなさい!」

「羽の生えた少年を運ぶんだ!」(・∀・;)

(;<◯><◯>)「…………」

(;・∀・)「…………」

(;<◯><◯>)「いっそワタシとアナタは仲がいいのかもしれませんね」

(;・∀・)「おもしろい! キミでもつまらないジョーダンを言うんだね」

( <◯><◯>)「ええ!」

( ・∀・)「よし!」

( <◯><◯>)「全員! ふたりのちいさなママに注目しなさい!」

( ・∀・)「動けない子には動ける子が手を貸してあげたまえ!」

( <◯><◯>)「ちいさなママ、手を貸してください」

( ・∀・)「一緒に乗り越えるんだ、ちいさなママ!」

.

176 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:17:26 ID:CUWIUCZM0

タッタッタッタッタッ

(;^ω^)「みんなー! こっちだおー!」

(;..'A`)「ママのトビラの向こう側にいくぞー! あそこにはママがいるんだー!」

( ・∀・)「聞いたかい? みんなオレについてきたまえ!」

( <◯><◯>)「ワタシはイチバンうしろから。
       ビロード、ハインリッヒ少年に肩をかしなさい」

(;><)「はあ、はあ……わ、かっ、……くん……」

( <◯><◯>)「ビロード?」

(   ) ドサッ

( <◯><◯>)「ビロード、起きなさい!」

(  _ゝ|★) ドサッ

(☆|<_  ) ドサッ

(;・∀・)「アニジャ、オトジャ! ああなんてことだ!」

ドサッ
ドサッ

( ^ω^)「子供達がみんな、倒れていくお……」

(..'A`)「ああ……」

.

177 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:17:51 ID:CUWIUCZM0

ズル...ズル...

|゚ノ ;^∀^)「はあ、はあ……」

ズル...ズル...

|゚ノ ; ∀ )「ああ、これは、困ったな……」

|゚ノ;  ∀ )(目を覚ましたのはいいものの、体ってこんなにも重いものだったかな)

|゚ノ ; ∀ )(地べたをはっていくのもままならない)

ガチャッ‼︎

ξ;゚⊿゚)ξ「レモナ先生!」

|゚ノ; ^∀^)「ツンちゃん……? おはようございます、
        すみませんね、だらしないかっこうで……」

ξ;゚⊿゚)ξっ「やっぱり体が動かないのね? むかえにきたわ!」

|゚ノ ^∀^)「……いけませんよ、アナタだけでも逃げてください」

ξ;゚⊿゚)ξ っ「手をかすわ。 よいしょっ、と」

ズシッ

|゚ノ ^∀^)「重いでしょう? ツンちゃんの体でボクを支えるのはムリです」

ξ; ⊿ )ξ「う゛うっ……むりじゃ、ないっ」

.

178 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:18:15 ID:CUWIUCZM0

ズリ...ズリ...

|゚ノ ^∀^)「ボクを置いてってください。 大丈夫ですよ、
       きっといい方法をひらめいてみせますから」

ξ; ⊿ )ξ「おいて……か、ないぃ……」

ズリ...ズリ...

|゚ノ ^∀^)「……ツン、先生のいうことをききなさい。
       怒りますよ? ボク、怒ったら怖いですよ?」

ξ; ⊿ )ξ「こわく、ないっ……!」

ズリ...ズリ...

|゚ノ ^∀^)「……お願いですから、ツンちゃん」

ξ; ⊿ )ξ「ほら、もうすぐ、部屋の、外にっ」

ガクンッ

ξ; ⊿ )ξ ドサッ

ξ; ⊿ )ξ「?」

ξ; ⊿ )ξ(やめてよ)

ξ; ⊿ )ξ(なんでこんなときに、ワタシの足)

ξ; ⊿ )ξ(なんにも感じないの)

.

179 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:18:38 ID:CUWIUCZM0

トクン...
トクン...

(´・ω・`)「ここってさっきディがシィの蛹を見つけた場所だよね?」

(´・ω・`)「兄さん、僕にウソついたの? ママなんてどこにもいなかったじゃないか」

(`・ω・´)「初めて教会に来た日のことを覚えてるかい?」

(´・ω・`)「ううん。まだ小さすぎたから」

(`・ω・´)「ママの本当の名前は? 本当の姿は?」

(´・ω・`)「ううん。話しかけても返してくれなくて、
     まともに話したことすらなかったから」

(`・ω・´)「俺がママにした一生に一度のお願いは?」

(´・ω・`)「……『この小さな世界を自分達以外の
     誰も入ってこられないように閉じて欲しい』?」

(`・ω・´)「そうだ。 ママが俺にお願いするように命じたのはそれだ」

(`・ω・´)「だが兄ちゃんはな、せめてもの抵抗をしてしまったんだ。
     俺の一生をかけた願い事なのに、本当にしたい願い事を
     できないだなんて、そんなのは不公平だと思ったんだ」

(´・ω・`)「なんてお願いしたの?」

(`・ω・´)「『この小さな世界を自分達以外の
     誰も入ってこられないように閉じて欲しい、
     ……シィの欠片が再び揃う日まで』」

(´・ω・`)「!」

(`・ω・´)「ママはそりゃあもう怖かったんだろうさ。
     手に入れたはずの『永遠』を手放さないといけない」

(`・ω・´)「だからママは、シィの欠片を呑み込んでしまったんだ。
     他の誰にも奪われてしまわないように」

.

180 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:19:04 ID:CUWIUCZM0

(`・ω・´)「本来なら体が耐えきれずに死んでしまうはずだった、でもママは生きていた。
     少女が死なさないようにとしたのか、ママがお願いしたのかは分からない」

(`・ω・´)「とにかく蘇生の少女が子守歌でママを眠りにつかせたからだ」

(`・ω・´)「蘇生の少女はママの腹の中で歌い続けた。
     そして、中の世界の時間はそのまま止まってしまった」

トクン...
トクン...

(´・ω・`)「にい、さん」

(`・ω・´)

(´・ω・`) 「初めて教会に来た日のことを覚えてる?」

(`・ω・´)「覚えているぞ! シャキンとショボンとママの三人だったな!
     やがてモララーとワカッテマスとレモナをさらってきた」

(`・ω・´)「子供達が少しずつ増えていって、シィの欠片を見つけてきて、
     俺の願い事で世界を閉じたんだ」

(`・ω・´)「いまからもう、100年くらい前のことだね」

(´・ω・`)「ママの本当の名前は? 本当の姿は?」

(`・ω・´)「名前は知らないが、本当の姿なら知ってるぞ!」

(`・ω・´)「ママは醜い醜いと嫌っていたな。 ほんのりと
     緑色の暗い光を放つ、大きな大きな百足の悪魔だった」

(´・ω・`)「!!」

トクン...
トクン...

(´・ω・`)(地下室のイノチの音は……)

(´・ω・`)(ディが破ったシィの蛹は……)

.

181 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:19:26 ID:CUWIUCZM0

(`・ω・´)「……ショボン」

(`・ω・´)「音が止まってしまう前に、願い事をしなさい。
     君には一生に一度のお願いがまだ残ってる」

(*´・ω・`)「!」

(*´・ω・`)「ついにこの日がきたんだね!
     僕、お願い事はとっくの昔にもう決めてあるんだ!」

(`・ω・´)「ショボン、兄ちゃんの一生に一度のお願いを聞いてくれないかい」

(´・ω・`)「なに言ってるの、兄さん? 兄さんらしくないよ?」

(`・ω・´)「もう一度、中の世界を閉じてくれないか」

(´・ω・`)「はっ……?」

(`・ω・´)「お願いだ」

(´・ω・`)「……やだ」

(`・ω・´)「ショボン! 聞いてくれ!」

ガラガラッ‼︎

(`・ω・´)「くっ! ガレキがっ」

(´ ω `)「やだやだやだ! 絶対やだ!!」

(`・ω・´)「待つんだショボン! 話を聞いてくれ!!」

トクン...
トク...ン...

.

182 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:19:48 ID:CUWIUCZM0

ズリ...ズリ...

(;^ω^)「よいしょ、よいしょ! ハインー、寝たらダメだおー!」

从 ∀从「ひっ……はっ……」

(;^ω^)「おーん、どんどん枯れていってる、おー」

(;-_-)「ば、バチが、あたったんだ……ボクたちが、わるいこだから……
     シィのこと、バケモノだって、こわがったから……」

(;..'A`)「怖いもんは怖いだろ、オマエさんは怖くても
     仲よしになりたいって思ったんだろ? いまでも怖いのか?」

( _ ) 「こ、こわい……よ、こわいけど、でも……
      シィのこと、キライじゃ……な……、…………」フラッ

( _ ) ガクッ

(;..'A`)「おいヒッキー!? くっそー!
     動けるのはオレとブーンとモララーとワカッテマスだけかよ!」

(  ω ) ドサッ

(..'A`)

(..'A`)「……ブーン?」

(  ω )

(..'A`)「ウソだろ、やめてくれ」

.

183 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:20:17 ID:CUWIUCZM0

ズリ...ズリ...

(;・∀・)「アニジャ、オトジャ、もう少しの、シンボウ、だ!」

(  _ゝ|★)「モララーさま……オレら……」

(☆|<_  )「どう、なっちゃうのかな……」

(;・∀・)「あはははは! このモララーにまかせたまえ!
       なんにも、なんにも心配は、いらないさぁ!」

(  _ゝ|★)「モラ、さま、が……」

(☆|<_  )「そ、いうなら、だい、じょ……」

(;・∀・)「あは! あははは、ははは! あはははは、は、ははははは!」

(  _ゝ|★) ガクッ

(☆|<_  ) ガクッ

( ;∀;)「あは、は……いやだ、……はは、はははっ……
       ああどうしよう、いやだぁ……」フラッ

(  ∀ ) ドサッ

ズリ...ズリ...

( <◯><◯>)

(。><)「うっ、うっ……もうおしまいなんです……」

( <◯><◯>)「だまらっしゃい」

(* ω *)「ワカッテマスくん……たすけてっぽ……」

( <◯><◯>)「ナキゴトなんて聞きたくありません。
       助かることだけ考えてなさい」

(;><)「ママが、いてくれれば、いいのに……」

(* ω *)「ママ……ママ……」フラッ

( <◯><◯>)「……そうですね」

.

184 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:20:50 ID:CUWIUCZM0

(   ) ガクッ

(* ω *) ガクッ

( <◯><◯>)「こら。 目を開けなさい、許しませんよ。 かってに、
       許さない……許さない……、ワタシの……こどもたち……」フラッ

( < >< >) ドサッ

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎
ガラガラッ‼︎

(;..'A`)「くそっ、くそくそっ! 道がふさがっちまった!
     これじゃあもう、どこにもいけやしねー!!」

(  ω )「うっ……」

(;..'A`)「バカブーンめ……まるで絵本に出てきたロージンみたいだぜ……?」

(  ω )

(;..'A`)「オレたちまで……たおれて、どうすんだよ……」

(  ω )「マ……マ……」

(;..'A`)「ママなんて……いないんだ……、
     もう、……帰ってこないんだよ……ママなんて……!」

(.. A )「ママなんて……」

(.. A )「ママ……」

(.. A ) ドサッ

.

185 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:21:11 ID:CUWIUCZM0

(  ω )

(.. A )

(  ∀ )

( < >< >)

(  _ゝ|★)(☆|<_  )

(   )

(* ω  *)

o川* ー )o

川 ⁂々 )

从  ∀从

( _ )

.

186 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:21:33 ID:CUWIUCZM0

フワッ

(    )っ「……起きて!」

( ^ω^) ハッ

(    )っ「もう大丈夫ですよ、よく頑張りましたね」

(    )「あとのことは任せて」

( ^ω^)「……ママ?」

(*゚ー゚)っ

(#゚;;-゚)

( ^ω^)「……シィ? ディ?」

(;..'∀`)「ははっ……マジかよ……」

(*゚ー゚)っ「私の力でみんなを元に戻します! ほんの少しなら保つはずです」

(..'A`)「でもよ、教会があちこちくずれて、道がふさがっちまったんだ」

(#゚;;-゚)「私の力でみんなの道を開けるわ。 いまのうちに地下室へいこう」

川*⁂ 々゚)「……ママ? ママだ」

o川*゚ー゚)o「ふたりのママだ!」

.

187 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:21:56 ID:CUWIUCZM0

(#゚;;-゚)「みんなついてきて。 誰も置き去りにはしない」

( <◯><◯>)「お待ちなさい」

( ・∀・)「何者だい?」

(*゚ー゚)

( ・∀・)「キミ、夢の中の?」

(#゚;;-゚)「説明してる時間はないわ」

( <◯><◯>)っ「信用できません。 こっちへ来なさい」

ガシッ

グイッ

(#゚;;-゚)「離して」

( <◯><◯>)「!」

( <◯><◯>)(この傷だらけの手には覚えがあります)

( <◯><◯>)(あたたかくて、つまらない手)

( <◯><◯>)「『シィ』なのですね」

(*゚ー゚)「はい! そうなのですっ」

(#゚;;-゚)「ええ、そう」

.

188 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:22:17 ID:CUWIUCZM0

ズリ...ズリ...

|゚ノ ;^∀^)「ツンちゃん、起きて。 起きてください、お願いだから」

ξ ⊿ )ξ

|゚ノ ;^∀^)「ああ、そんな……わるい夢だと言って……」

ξ ⊿ )ξ

|゚ノ  ∀ )「どうか、ママ……みんなを、子供達を……どうか……」

|゚ノ  ∀ ) ガクッ

|゚ノ  ∀ )

|゚ノ  ∀ )

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(  ∀ )っ「起きたまえ!」

( < >< >)っ「起きなさい!」

|゚ノ ^∀^)「!」

( ・∀・)

( <◯><◯>)

|゚ノ ^∀^)「ああ……」

( ・∀・)「ごきげんよう、レモナ! ずいぶんと長いお昼寝だったじゃないか!」

( <◯><◯>)「さんっざん人のこと起こしておいて、自分だけ眠りほうけるだなんてなさけない!」

|゚ノ ;∀^) ポロッ

|゚ノ ぅ∀^)「えへへ……なつかしいなぁ、変わってないなぁ……」

(;^ω^)「よかったお! 間に合ったお!」

.

189 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:22:40 ID:CUWIUCZM0

(;..'A`)「シィ! こっちこっち! レモナとツンを頼む!」

(*゚ー゚)っ フワッ

(*゚ー゚)「さあ、起きて」

ξ;゚⊿゚)ξ「ぷはっ!!」

( ^ω^)「ツン!」

(..'A`)「よっ、ツン」

ξ;゚⊿゚)ξ「先生は?」

|゚ノ ^∀^)「おかげさまで。 ありがとうございますね、イノチのオンジンです」

ξ*゚⊿゚)ξ「よかった……」

ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、ふたりとも? どうしてここに?」

( ^ω^)「ツンがこっちに走っていったのを思い出して、
       シィとモララーとワカッテマスを連れてきたんだお!」

(..'A`)「あの二人ならレモナ先生を運ぶなんてちょちょいのちょいだ」

ξ*゚⊿゚)ξ「ありがと。イノチのオンジンだわ!」

(..'A`)「いまディと子供達がチカシツに向かってる。 オレたちも一緒にいこうぜ」

ξ゚⊿゚)ξ「ディだけで大丈夫なの?」

( ^ω^)「大丈夫だお! みんなつよい!」

.

190 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:23:01 ID:CUWIUCZM0

(#゚;;-゚)「ワタシが前を歩いてガレキを壊すわ」

( ´_ゝ|★)「オレら兄弟は」

(☆|<_` )「ディさまの」

( ´_ゝ|★)「お手伝いを」(☆|<_` )

o川*゚ー゚)o「だぁれも迷子にならないように、キューちゃんの
      溶けた肌をメジルシにたらして歩くねっ」ドロドロ

川⁂ 々゚)「ちっちゃい子! クルウ、いっぱいもってく!」ニョロニョロ

(-_-)「う、動けない子は、ボクの手で、で、
   連れていくけど、も、モンク言わないでよ……」ブツブツ

( ><)「ポッポちゃんはヒッキーくんと一緒に、動けない子をお願いするんです!」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」

从 ゚∀从「オレはイッチャン後ろで飛んで、だれひとり
     はぐれないように見てるぜ!」ブブブブブッ

( ><)「後ろでなにかがあったときは、ボクの声で
      すぐイチバン前に知らせられるようにするんです!」

(#゚;;-゚)「みんな、こわい?」

( ´_ゝ|★)「こわいけど、」

(☆|<_` )「へっちゃら!」

o川*゚ー゚)o「こわくても、がんばるもん!」

川⁂ 々゚)「こわいのこわいの、とんでけー!」

(#゚;;-゚)「いい子ね」

.

191 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:23:24 ID:CUWIUCZM0

タッタッタッタッタッ

(`・ω・´)「はあ、はあ、ショボン! 隠れてないで出ておいで!」

(´・ω・`)「やだ」

(`・ω・´)「なんだって? もっと大きな声で言ってくれ! さっぱり聞こえないんだ!」

(´・ω・`)「やだ」

(´・ω・`)「聞いてくれ! 君が外の世界に憧れてることは知ってる! 」

(´・ω・`)「外の世界にいきたいわけじゃない。
     兄さんったら、なんにも分かってないんだから」

(`・ω・´)「俺達兄弟は長寿だ! もしも世界が開いたら、外の世界にいけるだろう!
     きっとたくさんの楽しいことと、それよりたくさんの悲しいことがあるだろう!」

(´・ω・`)「外の世界の人はどんなカタチをしてるの? 外の世界の人はどんなことをして遊ぶの?」

(`・ω・´)「でも教会の子供達は、子供達はみんなここまでだ! 全てが元に戻ってしまう!」

(´・ω・`)「外の世界では、猫が人になるっておかしいことかな?」

(`・ω・´)「幸福だった100年の年月が、子供達を追ってくるんだ!」

リィンッ

(´・ω・`)

(`・ω・´)「ショボン、見つけたぞ! ああ逃げないでくれ、
     話し合いをしよう! 言いたいことがあるなら聞こう!」

(´・ω・`)「この鈴……大っ嫌い」

(`・ω・´)「うん」

(´・ω・`)

(´・ω・`)「ねぇ、兄さん。ボクね、人になりたい」

.

192 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:23:51 ID:CUWIUCZM0

(`・ω・´)「うん」

(´・ω・`)「みんなと怪物ごっこがしたい。魔女かくしもしたい」

(´・ω・`)「簡単に扉だって開けたい、瓶だって自分で閉めたい、フォークでごはんを食べたい」

(´・ω・`)「みんなと肩を並べて歩きたい、小さい子を抱っこしてあげたい」

(`・ω・´)「うん」

(´・ω・`)「みんなみたいに優れた形してなくていい。普通の形の人だってかまわない」

(´・ω・`)「……ダメかな?」

(`・ω・´)

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(`・ω・´)「ショボン、ごめんな」

(´・ω・`)

(`・ω・´)「そうだよな、みんなと一緒がよかったんだよな。
     兄ちゃんなんにも知らなかったよ。 ……悪い兄ちゃんだったな」

(´・ω・`)「……別に」

(`・ω・´)「教会のことだって、ママのことだって、なんにも教えようとしなかった。
     なんにも知らない子供のまんま、幸せでいて欲しかったんだ」

(`・ω・´)「教会の子供達とおんなじように」

(´・ω・`)

(`・ω・´)「いいぞ、ママとの契約はもうおしまい。ショボンの好きにしていいんだ。
     兄ちゃんはその選択を尊重する。 どんな未来になったって、俺達兄弟はいつもとおんなじだ」

(`・ω・´)「なっ?」

(´・ω・`)

(´・ω・`)「……ありがと。そんな風に言って欲しかったんだ」

.

193 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:24:12 ID:CUWIUCZM0

(#゚;;-゚)「シィ!」

(*゚ー゚)「ディちゃん!」

(#゚;;-゚)「無事でよかった」

(*゚ー゚)「みんな地下室まで戻ってこれたのです。
    ここならまだあの子のお願いの力が効いてるはずです」

(#゚;;-゚)「長くは保たないわ」

(*゚ー゚)「そのときは、私が」

(#゚;;-゚)「やめて」

(*゚ー゚)「ごめんなさいね? そうですよね、
    これからのことを考えないと、ですっ」

(#゚;;-゚)「これからのこと」

(*゚ー゚)「ディちゃんはどんなディちゃんになりたいですか?」

(#゚;;-゚)「……なれるかしら」

(#゚;;-゚)「怪物にも魔女にも英雄にもなれなかった私が、
     誰かになれるかしら」

(*゚ー゚)「ふふふっ。 もうなってるじゃないですか!」

(#゚;;-゚)「……うん」

.

194 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:24:34 ID:CUWIUCZM0

|゚ノ ^∀^)「全員みんなそろってますか?」

( ^ω^)ノ「ブーン!」

(..'A`)「いきなりどうした?」

( ^ω^)ノ「自分の名前を叫ぼう!なんだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよね、そうだわ!」

ξ゚⊿゚)ξノ「ツンー!」

(..'A`)ノ「ドクオ!」

|゚ノ ^∀^)「ふふふ、素晴らしいひらめきですね?」

( ・∀・)「さあさ子供達、おっきな声で自分の名前を叫ぼうじゃないか!」

( <◯><◯>)「ええ、ええ。 やりましょう、いつもどおりに」

( <◯><◯>)ノ「ワカッテマス!」

( ><)ノ「ビロード!」

(*‘ω‘ *)ノ「ちんぽっぽー!」

(-_-)ノ「ヒッキー!!」

从 ゚∀从ノ「ハインリッヒ!」

( ・∀・)ノ「モララー!」

\( ´_ゝ|★)「アニジャ!」

(☆|<_` )/「オトジャ!」

o川*゚ー゚)oノ「キュートちゃん!」

川 ⁂々゚)ノ「クルウー!」

|゚ノ ^∀^)ノ「レモナ!」

(#゚;;-゚)ノ「ディ」

(*゚ー゚)ノ「シィ!」

.

195 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:24:56 ID:CUWIUCZM0

トクン...
トクン...

(´・ω・`)「ママ、ひさしぶり」

(´・ω・`)「ショボンだよ、知らないだろうけど」

「ブーン!」

(´・ω・`)(!)

(´・ω・`)(遠くからみんなの名前が聞こえてくる)

「ツンー!」
「ドクオ!」

(´・ω・`)「さようなら」

「ワカッテマス!」
「ビロード!」
「ちんぽっぽー!」

(´・ω・`)「さようなら」

「ヒッキー!!」
「ハインリッヒ!」

(´・ω・`)「さようなら、ママ」

「モララー!」
「アニジャ!」
「オトジャ!」

(´・ω・`)「さようなら、世界」

.

196 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:25:20 ID:CUWIUCZM0

「キュートちゃん!」
「クルウー!」

(´・ω・`)

「レモナ!」
「ディ」
「シィ!」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(´-ω-`)(たとえば人の形になれたって、みんながいなくなっちゃうなら、
     いったいだれと怪物ごっこすればいいの、だれと魔女かくしすればいいの)

(´-ω-`)「ママ、ママ。 僕の一生に一度のお願いです」

(´-ω-`)「なにもかもいつもどおりに戻してください。
     もう一度、僕達の世界を閉じてください」

(´-ω-`)「今度は、永遠に」

(´・ω・`)「……でも次はもうちょっと広い方がいいな、なんてね」

トクン...
トッ...

......
......

「おやすみ、ママ」

.

197 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:25:45 ID:CUWIUCZM0

ブワッ

(*^ω^)「おお! 蝶の花びらが飛んでるお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「それもこんなにいっぱい! こんなのはじめてだわ!」

(;..'A`)「どういうことだ? 枯れてた蝶の花が、
     崩れてた教会が、もとどおりになっていくぞ!」

(#゚;;-゚)「ここにいたら建物の修復に巻き込まれる」

( ・∀・)「任せてくれたまえ! 子供達は俺についてくるんだ!」

( <◯><◯>)「私は後ろからみんながはぐれないよう見てます」

|゚ノ ^∀^)「僕はまんなかにいますね、なにかあったらモララーとワカッテマスに知らせます」

|゚ノ ぅ∀^) グイッ

ξ゚⊿゚)ξ「レモナ先生、どうしたの?」

|゚ノ ^∀^)「なんでしょうね、ちょっぴり、寂しくなっちゃっただけですよ」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

(#゚;;-゚)「シィ、私達もいきましょう」

(* ー )「……いってしまったのですね」

(#゚;;-゚)「どうしたの」

(*;ー;) ポロポロ

(#゚;;-゚)「貴女が泣いてると私も悲しい」

(*ぅー;)「ごめんね、なんでもないのです。 すぐ泣き止みます、すぐ泣き止みますからね」

.

198 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:26:35 ID:CUWIUCZM0

ヒラヒラ
ヒラヒラ

(*^ω^)「おっおー!」

ξ*゚⊿゚)ξ「すごいわ! どこもかしこも、もとどおりよ!」

(..'∀`)「もとどおりどころか、キレイになってねーか?」

ξ゚⊿゚)ξ「あら? ブーン、そのアタマ!」

(*^ω^)「おっ?」

(..'A`)「花だ! オマエさん、エダに花が咲いてるぜ!」

(*^ω^)「ほんとに!?」

(..'∀`)「おめでとさん。 二つだけだけど、ゴリッパなもんだぜ」

ξ*゚⊿゚)ξ「おめでとう! もっとよく見せなさいよ!」

(*^ω^)「どんなお花が咲いてるお?」

ξ*゚⊿゚)ξ「えっとね、桃色と緑色のかわいいお花だわ!」

.

199 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:27:08 ID:CUWIUCZM0

( <◯><◯>)「アナタばっかり仕切らないでください」

( ・∀・)「こうしようじゃないか! 次の戦いで勝った方が偉いと!」

|゚ノ ^∀^)「まあまあ。 ケンカしないで、モララー、ワカッテマス」

( <◯><◯>)「止めないでください」

( ・∀・)「レモナの言うことはごもっともさ。 オレにイチャモンつけるのやめたまえ!」

|゚ノ ^∀^)「ああそうだ、夢の中でも何度か聞いたんですけどね、気になってたことがあって」

|゚ノ ^∀^)「どうして子供達の洋服が白と黒で分かれてるんでしょうか?」

( <◯><◯>)

( ・∀・)

|゚ノ ^∀^)「クラスで分けるのかな? だとしたら、ときどき
      クラス替えしてみるのもいいんじゃないかな、って」

( <◯><◯>)「…………」

( ・∀・)「…………」

|゚ノ ^∀^)「あ、あれあれ? なに? まずかったでしょうか?」

.

200 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:27:40 ID:CUWIUCZM0

(´・ω・`)

(`・ω・´)「ごらんよ、英雄! これが君の守った世界だ! あれが君の守った子供達だ!」

(´・ω・`)「よしてよ、英雄だなんて。僕はただのかわいい猫ちゃんだよ」

(`・ω・´)「君はショボンだ! そして俺の弟!」

(`・ω・´)「いいことを思いついたぞ、レモナに頼み込んで君の勇気を物語にしてもらおう!
     寝る前のお話しは必要だからね、いもしない魔女と怪物の物語の代わりに! うんうん、それがいい!」

(`・ω・´)「小さな世界を救った猫のお話し!」

(*´・ω・`)「なにそれ? ふふふっ、悪くないかもね?」

(`・ω・´)「新しい遊びも必要だ! 外の世界の本にあった、『鬼ごっこ』や『かくれ鬼』なんてどうだろう?
     あれはルールがシンプルでいいぞ、今度は俺達も一緒にやろう! きっと楽しいに違いないぞ!」

川*⁂ 々゚)「あたらしいあそびのおはなし!?」

o川*゚ー゚)o「とうとうショボンちゃんも一緒に遊んでくれるんだ!」

(;´・ω・`)「えっ、いや、僕は」

从 ゚∀从「ハッハァ、待ってたぜ! ギッタンギッタンにしてやる!」

(-_-)「ショ、ショボン、なら、……ボク、勝てる、かも……?」

(´・ω・`)

(*´・ω・`)「いいよ、遊んであげる! 言っとくけど、僕は強いよ!」

.

201 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:28:42 ID:CUWIUCZM0

(#゚;;-゚)「綺麗な場所でしょう」

(*゚ー゚)「はい、とても。 こういうのって、楽園っていうのでしょうか」

(#゚;;-゚)っ「シィ、手をとって。 私が先を歩くわ」

(#゚;;-゚)∞(゚ー゚*) ギュッ

(#゚;;-゚)「教えてあげる。 私達のいる教会のこと」

(*゚ー゚)「ついていくよ、ディちゃん」

(#゚;;-゚)「みんなの前でおじぎをして、にっこり笑うの」

(#゚;;-゚)「いいわね?」

(*゚ー゚)「はいっ」

(#゚;;-゚)

(*゚ー゚)

「ママ」
「ママだ」
「ママ!」

(#- ;; -) ペコリ

(*-  -) ペコリ

「おかえり、ママ!」
「ママおかえり! みんな待ってたよ!」
「100年ずっと、アナタを待ってたよ!」

(#゚;;-゚) ニコッ

(*゚ー゚) ニコッ



「「ただいま」」





( ^ω^)|ムシヨニクヨ、と夢を見る百年|のようです 終
.

202 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:29:39 ID:CUWIUCZM0
蝶よ花よと夢を見る十九年

遅刻してごめんなさい
絵を貸してくださった方、読んでくださった方、ありがとうございました

お借りした絵→ No.18、No.22、No.112
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208782/18_evv8ua.png
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208781/22_jpvbtc.png
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208803/112_hlxrqp.jpg

.

203 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:30:08 ID:CUWIUCZM0

【 ( ^ω^) ブーン 】
【 頭から二本の木の枝が生えた少年 】

【 ξ゚⊿゚)ξ ツン 】
【 三本の異なる尻尾が生えた少女 】

【 (..'A`) ドクオ 】
【 体のあちこちに鱗が生えた少年 】

【 (´・ω・`) ショボン 】
【 おしゃべりする空色の猫 】

【 (`・ω・´) シャキン 】
【 おしゃべりする太陽色の犬 】

【 ( ・∀・) モララー 】
【 頭から角が生えている少年 】

【 ( <◯><◯>) ワカッテマス 】
【 体のあちこちに目がある少年 】

【 |゚ノ ^∀^) レモナ 】
【 足が無数の蔓になっている少年?少女? 】

.

204 ◆EINyjQHjEo:2020/05/07(木) 00:30:33 ID:CUWIUCZM0

【 ( ´_ゝ|★) アニジャ 】
【 体の左半分が緑の肌になっている少年 】

【 (☆|<_` ) オトジャ 】
【 体の右半分が青の肌になっている少年 】

【 ( ><) ビロード 】
【 口が耳まで裂けている少年 】

【 (*‘ω‘ *) チンポッポ 】
【 膝から下が虫の足になっている少女 】

【 o川*゚ー゚)o キュート 】
【 肌のあちこちが溶けている少女 】

【 川 ⁂々゚) クルウ 】
【 右目から複数の触手が生えた少女 】

【 (-_-) ヒッキー 】
【 四本の腕が生えている少年 】

【 从 ゚∀从 ハインリッヒ 】
【 頭から虫の羽が生えている少年 】

【 (#゚;;-゚) ディ 】
【 腐りと破壊の力をふりまく少女 】

【 (*゚ー゚) シィ 】
【 癒しと蘇生の力をふりまく少女 】

.

205 ◆S/V.fhvKrE:2020/05/07(木) 00:34:24 ID:QROYTO7Y0
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206名無しさん:2020/05/07(木) 06:46:45 ID:DltOIjUU0
otsu

207名無しさん:2020/05/07(木) 14:48:19 ID:AJeEMR0c0
あぁ^〜良いわぁ〜
オツ!

208名無しさん:2020/05/08(金) 20:24:52 ID:t5mqNcSo0
独特な世界観がよかった乙乙

209名無しさん:2020/05/16(土) 18:18:41 ID:1YjGGnAc0
正直何が何だかさっぱりわからんが、それはそれとして面白かった乙

210 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 17:56:55 ID:5H281t8g0
忘れた頃に再放送を投下します。
文字化けしていたシィのセリフと、ママに届いたお手紙が読めるようになってます。

211 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 17:57:32 ID:5H281t8g0

(  ω )「さあさ、お待ちかね!」

(*゚ー゚)

(  ω )「このトビラの向こうが、みんなで『ママ』にお祈りするところだお」

(  ω )「今なら二人の『ちいさなママ』も、みんなも、ここでお祈りしてるお」

(*゚ー゚)

(  ω )「キミがこの教会にきたってこと、みんなにも教えてあげなくっちゃ」

(*゚ー゚)

(  ω )「ボクが『いち、にの、さん』でトビラを開けるお」

(  ω )「そしたらキミは、みんなの前でおじぎをして、
       にっこり笑って、ジブンの名前をいうんだお」

(  ω )「いいね?」

(*゚ー゚)

(  ω )「いち」

(  ω )「にの」

(  ω )「さん!」

ガチャッ

.

212 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 17:59:14 ID:5H281t8g0

(*゚ー゚)

「ひっ……」

(*-  -) ペコリ

「きゃああああああああああああああああああああああ!!!」

ザワザワ
ザワザワ

「なんだ、あれ……」
「バケモノだ!!!」
「にげなくっちゃ! たべられちゃう!」

ザワザワ
ザワザワ

(*゚ー゚) ニコッ

ザワザワ
ザワザワ

「ママ、ママ! どうかお助けを!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいひどいことしないでください」
「なんとみにくい生き物でしょう……」

ザワザワ
ザワザワ

(*゚ー゚)「はじめまして、『しぃ』よ」

.

213 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:00:17 ID:5H281t8g0

(* ー )

(  ω )

(.. A )

ξ ⊿ )ξ

|ムシヨ|

(  ∀ )

(  _ゝ|★)(☆|<_  )

    ニクヨ、

( < >< >)

(   )

(* ω *)

        と――

(´ ω `)

(` ω ´)

|゚ノ  ∀ )

           のようです

(   )

.

214 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:01:49 ID:5H281t8g0

( ─ω─) スヤスヤ

(..-A-) グウ

ξ- ⊿-)ξ スウスウ

ゴーンゴーン

( ─ω─) スヤスヤ

(..-A-) グウ

ξ゚⊿゚)ξ パチッ

ゴーンゴーン

ξぅ⊿゚)ξ「ドクオ、カネが鳴ったわよ」ユサユサ

(..'A-)「ふあーあ……、はいはい……」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、もう起きる時間よ」ペチペチ

( ─ω─) スヤスヤ

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンったら、はやく起きなさい。 もう夢の中の子にサヨウナラして?」

( ぅω─)「おー? サヨウナラだお……」

( ^ω^)「……うん、よし! ばっちり起きたお!」

【 ( ^ω^) ブーン 】
【 頭から二本の木の枝が生えた少年 】

.

215 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:03:00 ID:5H281t8g0

( ^ω^)「おはようだお、ツン!」

ξ゚⊿゚)ξ「おはよう」

ξ゚⊿゚)ξ「まったくもう、ふたりともワタシがいなくっちゃダメなんだから!」

【 ξ゚⊿゚)ξ ツン 】
【 三本の異なる尻尾が生えた少女 】

( ^ω^)「おはようだお、ドクオ!」

(..'A`)「へい。おはようさん」

(..'A-)「ふあーあ、今日はめんどくさいことがないといいなぁ」

【 (..'A`) ドクオ 】
【 体のあちこちに鱗が生えた少年 】

(*^ω^)「 ボクのアタマ、どうなってる?」

ξ゚⊿゚)ξ「うーん、これは……」

(*^ω^)「うんうん!」

ξ゚⊿゚)ξ「どっからどう見ても、いつもとおんなじね」

( ^ω^)、「そっかぁ」

(..'A`)「まーだ悩んでたのかよ、エダに花が咲かないって」

(*^ω^)「じゃあ、じゃあ、夢の中の子! 今日こそ覚えてるかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「いつもとおんなじよ」

ξ-⊿-)ξ「暗いメイロの中にいて、誰かさんのムネの中の音と、
    誰かさんの歌が聞こえて、誰かさんにアタマを触られて」

ξ゚⊿゚)ξ「そこで目を覚ますの」

(..'A`)「なんだってこの教会の子供達はみんな、おんなじ夢を見るのかねぇ」

リィンッ

.

216 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:04:08 ID:5H281t8g0

( ^ω^)「おっ? この音は……」

(´・ω・`)「にゃあ」

(*^ω^)ノ"「ショボンのスズの音! おはようだお、おはようだお!」ナデナデ

ξ゚⊿゚)ξノ"「おはよう、ショボンちゃん」ナデナデ

(´-ω-`) ゴロゴロ

(..'∀`)ノ"「オハヨウ、ショボンちゅわぁん」グワシグワシ

(´>ω・`)「わ、ぶ! もみくちゃにしないでくれる?」

(´・ω・`)「あーもー、毛づくろいが台なしなんだけど!」

【 (´・ω・`) ショボン 】
【 おしゃべりする空色の猫 】

(´・ω・`)「わざとやってるでしょ? そうなんでしょ?」

(..'∀`)「めっそうもない。 オレはいつもマジメだぜぇ」

(´・ω・`)「よく言うよ」

( ^ω^)「珍しいおね? ショボンがこんな早くに、ボクらの秘密基地にくるだなんて」

ξ;゚⊿゚)ξ「ということは、まさか!」

(´・ω・`)「そのまさかだよ、問題児くん達」

(´・ω・`)「君達はいつもとおんなじく、子供達の集会に遅刻まっさいちゅうってわけさ」

ξ;゚⊿゚)ξ「そんなぁ!」

(..'A`)「まーたやらかしちまったか」

( ^ω^)「ごめんなさいしなくっちゃだお」

(´・ω・`)「いつもお迎えにきてあげてるんだから、このお猫さまに感謝してほしいものだね?」

.

217 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:05:21 ID:5H281t8g0

ξ;゚⊿゚)ξ「ちゃんとカネが鳴る時間に起きたのに!」

(´・ω・`)「『鐘の鳴る時間に集合』だよ、しっかり者のうっかり屋さん」

( ^ω^)「はやくいかなくっちゃ!」

(´・ω・`)「誰か抱っこしてくれない? 僕も一緒に戻らなくっちゃだからさ」

(..'A`)「自分の足があるだろ」

(´・ω・`)「このかわいい猫の足をごらんよ、君達よりよっぽど短いんだから」

(っ'∀`)っ「しょうがねぇなぁ」

(´・ω・`)「ドクオ以外で。 誰かはやく」

(..'A`)「ワガママなヤツめ」

(´・ω・`)「どうせイタズラする気だろ」

ξっ゚ー゚)ξっ「しょうがないわね。 おいで、ショボンちゃん」

(´・ω・`)「にゃあ」

ピョンッ

(..'∀`)「かけっこしようぜ? その方がはやく走れるに違いないぞ!」

(*^ω^)「ドクオったらアッタマいいんだお!」

(..'∀`)「イチバン以外はバツゲームだかんな。 よーいどんっ」ダッ
(*^ω^)「よーし! 負けないおー!」ダッ

ξ;゚⊿゚)ξ「もう、もう! こんなときに勝ち負けだなんて!」ダッ

(´・ω・`)「さあさあ、走って走って」

.

218 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:06:51 ID:5H281t8g0

タタタタタッ

(*^ω^)「見えたお! 集会のお部屋だお!」

(;..'A`)「はあ、はあ。 やっぱり足の速さじゃブーンにゃかなわねーや……」

ξ;゚⊿゚)ξ「待ちなさいよブーン! そのまま入ったら……」

ガチャッ!!

(*^ω^)「やったぁ!イッチバーン!」

( ・∀・)

( ´_ゝ|★)

(☆|<_` )

( ^ω^)「あっ」

( <◯><◯>)

( ><)

(*‘ω‘ *)

(`・ω・´)「おかえり」

(´・ω・`)「ただいま」

ξ;゚⊿゚)ξ「ばかばか! ヤクソクを守れなかったら、
     まずは『ごめんなさい』でしょ! 『ごめんなさい』!」

(;^ω^)「ごめんなさいお! つい夢中になって!」

(;..'A`)「反省してまーす」

( ・∀・)「あはははは! かまわない!」

( <◯><◯>)「はあ……」

( ・∀・)「さあさ子供達、いつもどおり自分の名前を叫ぼうじゃないか!」

( <◯><◯>)「しきらないでくださいよ。
        アナタに言われなくとも、いまやろうと思ってました」

.

219 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:08:23 ID:5H281t8g0

( <◯><◯>)「斑蜂(まだらばち)の『ちいさなママ』、ワカッテマス」

【 ( <◯><◯>) ワカッテマス 】
【 体のあちこちに目がある少年 】

( ><)「斑蜂、ビロード!」

【 ( ><) ビロード 】
【 口が耳まで裂けている少年 】

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽー!」

【 (*‘ω‘ *) チンポッポ 】
【 膝から下が虫の足になっている少女 】

(-_-)「まっ斑蜂、ヒ、ヒヒッ、ヒッ、キキキキィ……」

【 (-_-) ヒッキー 】
【 四本の腕が生えている少年 】

从 ゚∀从「斑蜂! ハインリッヒさまだァ!」

【 从 ゚∀从 ハインリッヒ 】
【 頭から虫の羽が生えている少年 】

...
...

( ><)「以上、斑蜂15人!」

(*‘ω‘ *)「ぽ!」

( ><)「気をつけ!」

(*‘ω‘ *)「ぽ!」

( ><)「ワカッテマスくんにお祈りを!」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」

( <◯><◯>)「ごくろうさま。 ワタシのかわいい子供達」

.

220 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:09:32 ID:5H281t8g0

( ・∀・)「鳳蜘蛛(あげはぐも)の『ちいさなママ』、モララー!」

【 ( ・∀・) モララー 】
【 頭から角が生えている少年 】

( ´_ゝ|★)「鳳蜘蛛、アニジャ」

(☆|<_` )「鳳蜘蛛、オトジャ」

【 ( ´_ゝ|★) アニジャ 】
【 体の左半分が緑の肌になっている少年 】

【 (☆|<_` ) オトジャ 】
【 体の右半分が青の肌になっている少年 】

o川*゚ー゚)o「鳳蜘蛛のニンキモノー! キュートちゃんでーす!」

【 o川*゚ー゚)o キュート 】
【 肌のあちこちが溶けている少女 】

川 ⁂々゚)「あげはぐもー! えっと、えっとね、クルウですー!」

【 川 ⁂々゚) クルウ 】
【 右目から複数の触手が生えた少女 】

...
...

( ´_ゝ|★)「ちいさなママ、」

(☆|<_` )「モララーさま」

( ´_ゝ|★)「鳳蜘蛛、15人」

(☆|<_` )「そろってます」

( ・∀・)「ああ! 今日もオレの鳳蜘蛛は素晴らしい!
       そうは思わないかい、アニジャ、オトジャ?」

( ´_ゝ|★)「もちろんです、」

(☆|<_` )「ちいさなママ」

.

221 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:10:45 ID:5H281t8g0

( ^ω^)「ブーンだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「ツンよ!」

(..'A`)「ドクオだ」

(..'A`)「これで全員だぜ、とっとと次いってくれや」

( ・∀・)「異端児の少年少女!」

( ^ω^)「おん?」

ξ゚⊿゚)ξ「次にいきそうにないわね」ヒソヒソ

(..'A`)「またいつものめんどくさいヤツだぜ」コソコソ

( ・∀・)「もしも鳳蜘蛛に入りたくなったなら、このオレに言ってくれたまえ!
       最高のブタイをヤクソクしようじゃないか!」

( <◯><◯>)「あんなうさんくさいのよしなさい。
       ワタシの斑蜂にきて、ワタシの子になりなさい。 悪いようにはしませんよ」

( ・∀・)「ひどいことを言うじゃないか、キズついてしまうよ。
       オレたちはおんなじママの帰りを待つ教会の子供だろう?」

( <◯><◯>)「おだまりなさい。 アナタたちとは違うんです。
       今日こそぎったんぎったんに叩きのめしてあげましょう」

( ・∀・)「おもしろい! 君達こそハンカチの用意をお忘れなく!」

( <◯><◯>)「それで? ブーン少年、ツン少女、ドクオ少年、お返事は?
       ワタシの子になるかときいてるんです」

( ^ω^)「ううん。 やっぱりボク、まだママを待っていたいんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ワタシも。 『先生』が目を覚ますまで、おそばにいたいの」

(..'A`)「オレもイヤです」

( <◯><◯>)「ははぁ。 可哀想な子たち!」

( ・∀・)「お話しを戻そうか」

.

222 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:11:40 ID:5H281t8g0
.

( ・∀・)「子供達よ、あのトビラをご覧よ。
       あれはいまは閉じられて開かない、外の世界へのトビラだと言われてる」

( <◯><◯>)「ママはあそこから外へいきました。 そして二度とここへ帰りませんでした」

( ・∀・)「子供達よ、目を閉じたまえ、手を組みたまえ」

( <◯><◯>)「祈りなさい」

( ・∀・)「祈ろうじゃないか!」

( <◯><◯>)「このトビラからまた、ワタシたちのママが帰ってきますようにと」

( ・∀・)「このトビラからまた、オレたちのママが帰ってきますようにと!」

( -_人|★)

(☆|人_- )

( >人<)

(*-人- *)

( ─人─)

ξ-人-)ξ

(..-人-)

(`・ω・´)

(´・ω・`)

.

223 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:12:29 ID:5H281t8g0

ヒラヒラ
ヒラヒラ

( ^ω^)

「ブーン」

( ^ω^)

「ブーン」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンったら! やっぱりここにいたのね」

( ^ω^)「ツン?」

(*^ω^)「わあ! 蝶のお花いっぱいだお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「ふふんっ。 先生のベッドをお花でいっぱいにしてあげるのよ!」

(*^ω^)「きっと喜んでくれるお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「先生のアタマにかざるお花、今日は何色がいいかしら?」

(*^ω^)「どのお花もキレイで迷っちゃうおね?」

ξ*゚⊿゚)ξ「昨日は白色、昨日の昨日は紫色、昨日の昨日の昨日は黄色だったわ」

(*^ω^)「それじゃあ今日は、この緑のお花!」

ξ*゚⊿゚)ξノシ「先生にきっと似合うわ。 ありがとう、ブーン!」

(*^ω^)ノシ「ばいぶー」

.

224 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:13:18 ID:5H281t8g0

ヒラヒラ
ヒラヒラ

( ^ω^)

(..'A`)「ブーン!オレを隠してくれ!」

( ^ω^)「ドクオ? なにかあったのかお?」

(..'A`)「ちょっとばかり追われてるもんでね、ニンキモノってのはつらいもんだ」

( ^ω^)「またショボンにイタズラしたんだお?
       それともキュート? はたまたハイン?」

(..'A`)「まあまあそんなことより、今日こそいいもん降ってきたか?」

( ^ω^)「ううん、いつもとおんなじ」

ヒラヒラ
ヒラヒラ

( ^ω^)「お空からやってくるのは、蝶の花びらばっかりだお」

(..'A`)「だと思ったぜ。 なんもかんも、いつもとおんなじだな」

.

225 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 18:14:29 ID:5H281t8g0

(*^ω^)「いつもとおんなじ、いい一日だお!」

(..'∀`)「だな。 オマエさんのアタマが、いろんな色でにぎやかなのもな?」

(;^ω^)「おーん、蝶の花びらってすぐアタマに引っかかっちゃうんだおー」

(..'∀`)「ドジめ。 屋根がないところに座ってるからだ。
     ここにいるかぎり、オマエさんには雨のように花びらが降ってくるだろうよ」

(..'A-)「たまにはいつもと違うところで待ってみるってのは?
    いつもと違うもんが降ってくるかもしれねーぜ? どうだ?」

( ^ω^)「でもボク、いつもとおんなじのが好きなんだお」

( ^ω^)「ボクらの秘密基地の屋根のてっぺんはね、
       ここはね、お空にいっちばん近いところだから」

(..'A`)「よくもまあ、来るか分からんもんをずっと待ってられるな。 ゴリッパなもんよ」

(*^ω^)「ドクオだって、むかしっから日記つけてるお? ゴリッパなもんだお!」

(..'∀`)「けけけ。 オレの書いたウラミツラミがゴリッパってか」

(..'A`)「よいしょ、っと。 そろそろ戻ってモララーサマーに叱られてくるとしますか」

( ^ω^)「やっぱりイタズラしたんだおね」

(..'A`)「ブーン、オマエさんもカネの音がする時間には下りてこいよな?」

( ^ω^)「おん!」

.


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