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( ^ω^)|ムシヨ|ニクヨ、と──のようです

1 ◆EINyjQHjEo:2020/05/06(水) 21:22:56 ID:bTADR6Gs0

(  ω )「さあさ、お待ちかね!」

(*゚ー゚)

(  ω )「このトビラの向こうが、みんなで『ママ』にお祈りするところだお」

(  ω )「今なら二人の『ちいさなママ』も、みんなも、ここでお祈りしてるお」

(*゚ー゚)

(  ω )「キミがこの教会にきたってこと、みんなにも教えてあげなくっちゃ」

(*゚ー゚)

(  ω )「ボクが『いち、にの、さん』でトビラを開けるお」

(  ω )「そしたらキミは、みんなの前でおじぎをして、
       にっこり笑って、ジブンの名前をいうんだお」

(  ω )「いいね?」

(*゚ー゚)

(  ω )「いち」

(  ω )「にの」

(  ω )「さん!」

ガチャッ

.

377 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:43:49 ID:5H281t8g0

     「人々は幸福を何十にも何百にも細かく切り刻んで、みんなで分け合いました」
     「そのときです。幸福のひとつひとつが、美しい蝶の羽に形を変えました」

     「まるで神話のようだと、人々は腹を抱えて笑いました」

(    )((シィ))

(    )((シィ、シィ、シィ))

(    )((花は蕾のまま枯れたわ、蝶は蛹のまま死んだわ))

(    )((あなたが、いないから))

     「こうしてみんな、幸せになりましたとさ」
     「めでたしめでたし」

(    )(そうよ、私は)

(    )(世界中に散りばめられてしまった、貴女の欠片を探していたんだわ)

(    )(そして……やってはいけないことをしたんだわ)

(    )(シィの欠片の最後のひとつが捕らえられている、この教会の空間に入るために。
       ここは誰かの願いで守られていた場所だから、願いに守られた人しか入れなかったから)

(    )(私が貴女ならば中に入れるから。
       あのとき私の破壊と正反対の蘇生を持つ、シィの欠片を自分の体にまとったんだわ)

(    )(あのとき……)

.

378 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:44:37 ID:5H281t8g0

ギュッ...
ドロッ

(    )((お互いの力を拒絶して、私の体が溶けていく))

ドロドロ

(  ;;)((からっぽの肉の塊になっていく))

ドロドロ

(;;;;)((貴女の欠片だけは綺麗ね。蝶の羽の形をしてるの))

ビキッ
ビキビキッ...

バリィンッ‼︎

( ^ω^)((お空が、割れて))

( ^ω^)((なにかが。 おっきな、なにかか))

( ^ω^)((上から、ぼくに。 おっこちて))

( ^ω^)

( ^ω^)『…………あっ』

ドチャッ‼︎

.

379 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:45:34 ID:5H281t8g0

((自分の形をなくしても))

(*゚ー゚)『なまえなんていらないわ』

ξ゚⊿゚)ξノ『デレ!」

(*゚ー゚)『どうして』

((名前をなくしても、記憶をなくしても))

(..'A`)ノ『ミセリ』

(*゚ー゚)『わたしなんかのために、あなたたちは』

((世界をなくしてもいいわ))

(*^ω^)ノ『シィ!』

(。*゚ー゚) ポロッ

((私にはシィ、貴女が残ればそれでいいの))

(;^ω^)『泣かないで、泣かないでお』

(。*゚ー゚) ポロポロ

((からっぽの中に、貴女がいてくれれば))

((シィ))

(;;*;;ー;;)(……だめね)パラパラ

(;;*;;-゚)(貴女が命をかけて守ってくれた『私』のことまで忘れちゃうだなんて)パラパラ

(;;゚;;-゚)(私は)パラパラ

(#゚;;-゚)(私の本当の名前は)

.

380 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:46:31 ID:5H281t8g0

(*- -)

(*゚ー゚) スッ

(#゚;;-゚)

(*゚ー゚)「ディ、ちゃん?」

(#゚;;-゚)

(。#゚;;-゚)「あっ……」

ポロッ

(。#゚;;-゚)「ああ、あ……」

ポロポロ

(*゚ー゚)「大丈夫、ですか……? 泣いてるのですか……?」

(。# ;;- )「シィ!シィ、シィ! シィ……!!」

ギュッ!!

(。# ;;- )「うっ……ううう……!」

(*゚ー゚)「よしよし。 ディちゃん、大丈夫ですよ」

(。# ;;- )「う゛っ、うううううう……」

(。# ;;- )(貴女はいつもそうね。 なんにも変わってないわ。 なんにも、なにひとつ)

(*゚ー゚)「ディちゃん、よかった……、また会えたんですね……」

(。# ;;- )(私ね、世界中を旅したのよ。 貴女の欠片を探して。 もう一度、会いたくて)

(。# ;;- )(ぜんぶ集めるのに、100年かかってしまったけれど)

(*゚ー゚)「ごめんなさいね、私、弱虫だから。 また、助けてくれたんですよね?」

(*^ー^)「ありがとう、ディちゃん」

(。# ;;- )「あああっ……あ゛ああああああっ……っ、……あああああ……」

.

381 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:47:57 ID:5H281t8g0

ヒラヒラ
ヒラヒラ

( ^ω^)「おっ!」

ξ゚⊿゚)ξ「見て! 蝶が消えていくわ!」

(..'A`)「あそこにいるのは……」

(。#゚;;-゚)

(*゚ー゚)

(#ぅ;;-゚)「シィ、どこも足りないところはない?
     貴女はぜんぶ揃ってる? 傷ひとつない?」

(*゚ー゚)「うんっ。 ディちゃんが頑張ってくれたおかげなのです!」

(*゚ー゚)「ディちゃんこそ、お耳が。 それに、傷だらけなのです。
    まさか欠片を外の世界に? 探しにいかなくっちゃ!」

(#゚;;-゚)「どこにもいかないで。 貴女は何も心配しなくていいの」

(*^ω^)「シィだ!」

ξ*゚⊿゚)ξ「シィー!!」

(..'A`)「おーい、シィー!」

(´・ω・`)「ああ、待ってっ」

バタバタ
バタバタ

(#゚;;-゚)「!」

(*゚ー゚)「?」

.

382 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:48:59 ID:5H281t8g0

(*^ω^)「こっちがボクたちのシィだおね?」

ξ*゚⊿゚)ξ「ようやく会えたわ!」

(..'∀`)「それがほんとのシィのカタチか」

(#゚;;-゚)「どう、して、私だって?」

(*^ω^)「分かんないけど、分かるんだお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「分からないわけないでしょ、あんなに一緒だったんだから!」

(..'∀`)「オマエさん、こんな声してたのかぁ」

(#゚;;-゚)「……どうして」

(*゚ー゚)「まあ。 かわいい子供達ですね」

(*^ω^)「ブーンだお! はじめまして、イノチ!」

ξ*゚⊿゚)ξ「はじめまして、シィのイノチ! ワタシはツンよ!」

(..'A`)「いやシィのイノチにも名前はあるだろ。
    ああ、オレの名前はドクオだぜ」

(´・ω・`)「僕はショボン。 よろしくね、イノチさん」

(*゚ー゚)「イノチ?」

(#゚;;-゚)「聞かないで。 あとで話すわ」

(*゚ー゚)「?」

.

383 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:49:57 ID:5H281t8g0

(#゚;;-゚)「紹介するわ、こっちが本当のシィ」

(*゚ー゚)「はじめまして、『シィ』っていいます。
    えへへ、みんなと仲よくできたら嬉しいのです」

(#゚;;-゚)「本当の私は『ディ』よ」

(*^ω^)「よろしくだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「シィがディ?」

(..'A`)「ややこしいな」

(#゚;;-゚)「きっと私が体にまとっていたシィの欠片を
     シィに返したから、本当の私の形が見えるようになったんだわ」

( ^ω^)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

(..'A`)「オレたちの口からシィの蝶が出てきたのは?」

(#゚;;-゚)「私が形をなくして中の世界に来たとき、
     ブーンとドクオを潰してしまったでしょう」

(#゚;;-゚)「きっとそのとき、シィの欠片を飲み込んでしまったのね」

( ^ω^)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

(..'A`)「あー……」

(´・ω・`)「なるほどなるほど、分かった分かった」

.

384 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:50:50 ID:5H281t8g0

(´・ω・`)(結局、ママなんてどこにもいなかったな)

(*^ω^)「はやいとこみんなのとこに戻ろうお!」

(..'∀`)「けけけ。 ちいさなママどものびっくりした顔が目に浮かぶぜ」

(´・ω・`)(……まっ、これはこれでいっか)

ξ゚⊿゚)ξ「ディとシィは、ずっとこの教会にいるわよね?」

(#゚;;-゚)

ξ゚⊿゚)ξ「いなくなったりなんか、しないわよね?」

(#゚;;-゚)

トクン...
トクン...

( ^ω^)「あれ?」

(..'A`)「どうした?」

( ^ω^)「木のイノチの音が小さくなってるお」

ξ゚⊿゚)ξ「言われてみれば。 いまにも消えちゃいそう」

(..'A`)「いったいぜんたい、なんの音なんだ?」

(*゚ー゚)「!」

(*゚ー゚)「ディちゃん、あの子は?」

(#゚;;-゚)「誰」

(*゚ー゚)「私が目を覚ましたということは、あの子は……」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

( ^ω^)「おうっ?」

(;..'A`)「なんだこれ? 地面がゆれてるぞ!」

.

385 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:52:09 ID:5H281t8g0

グラグラッ

(;*゚ー゚)「っ」

(#゚;;-゚)「シィ、大丈夫?」

(;*゚ー゚)「大丈夫ですよ。 私より子供達を先に」

ξ;゚⊿゚)ξ「きゃっ!?」

(#゚;;-゚)っ「ツン、手をとって」

ξ;゚⊿゚)ξ「だ、大丈夫! ゆれてるのとまったみたい!」

(..'A`)「なんだったんだ?」

( ^ω^)「地面がグラグラするなんて、こんなのはじめてだお」

(` ω ´)「子供達!」

( ^ω^)「おっ?」

(;´・ω・`)「ひっ」

(`・ω・´)「なんてことをしたんだ!」

(..'A`)「シャキンだ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ごめんなさぁい!!」

(`・ω・´) グチャ...

(;´・ω・`)「に、兄さん、まだ手足がちゃんとくっついてないよ、そんな無理に」

(`・ω・´)「ショボン、お兄ちゃんに言うことは?」

(;´・ω・`)

(;´ ω `)「……ごめんなさい」

.

386 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:53:16 ID:5H281t8g0

(`・ω・´)「あとでゆっくり話そう」

(;*゚ー゚)「ひどい怪我……、ちょっと見せてください」

(`・ω・´)「君は、ママの」

(*゚ー゚)っ フワッ

(*゚ー゚)「よっぽどひどいめに遭ったのですね。 これでもう大丈夫ですよ」

(`・ω・´)「……すまない」

(#゚;;-゚)「シャキン、そういうときは『ありがとう』よ」

(`・ω・´)「……そうだね、ありがとう」

(*^ω^)「シィ、すごいお! キズを治しちゃったお!」

(*゚ー゚)「私、ちょっとだけ傷や病を治せるんです。
     だからなにかあったら言って欲しいです!」

(#゚;;-゚)「『ちょっとだけ』じゃないわ」

(;*゚ー゚)「ちょっとですよう。 ディちゃんのことだけは治せないのですもの」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎
ガタガタッ‼︎

(`・ω・´)「まずいぞ! 今にも天井が崩れそうだ!」

(;*゚ー゚)「わ、わっ! はやく地下室から出なくっちゃ!」

(#゚;;-゚)「子供達、先にいって。 誰も置き去りにしない」

(;^ω^)「おん!」

ξ;゚⊿゚)ξ「はいっ」

(;..'A`)「お、おう」

.

387 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:54:09 ID:5H281t8g0

タッタッタッタッタッ

(`・ω・´)「こっちだ! みんな頑張れ! もうすぐ外だ!」

バタンッ‼︎

(*^ω^)「ついたお! これでもう、だいじょう……」

( ^ω^)「ぶ……?」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(..'A`)「大丈夫なもんかよ……」

ξ゚⊿゚)ξ「ね、ねぇ、分からないの。 どうしてかしら?」

ξ゚⊿゚)ξ「どうして、お空が、割れてるの?」

(´・ω・`)「……僕が地下室にママを探しにいこうなんて言ったせいだ。
     バカみたい、結局ママはいなかったのに」

(#゚;;-゚)「私のせいね。 私が外の世界から無理やりここに来たから」

(;*゚ー゚)「それは違うのです! 私が目を覚ましたからなのです!」

(`・ω・´)「君達はなんにも悪くないさ! ただ、ママが約束を守っただけだ!」

(´・ω・`)「……兄さん?」

ガラガラッ‼︎

(`・ω・´)「気をつけろ! 床が崩れるぞ!」

(;´・ω・`)「わわ、わっ!」

.

388 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:55:15 ID:5H281t8g0

ガラガラッ‼︎

(;*゚ー゚)「あっ」

(#゚;;-゚)っ「シィ!」

グイッ

(;*゚ー゚)「ありがとう、助かったのです」

(#゚;;-゚)「貴女が無事ならそれでいい」

(;*゚ー゚)「床に大きな穴が空いちゃったのです」

(#゚;;-゚)「危うく地下室に逆戻りするところだったわね」

(`・ω・´)「なんてこった! ショボンだけ穴の向こうにいるぞ!」

( ^ω^)ノシ「ショボーン! 聞こえるかおー!」

(..'A`)ノシ「大事ないかー?」

(´・ω・`)ノシ「聞こえるよー! こんなんへっちゃらだよー!」

(`・ω・´)「こっちに来れそうかー?」

(´・ω・`)「ちょっと別の部屋を回れば戻れそうー! すぐいくから待っててー!」

タッタッタッタッタッ

ξ;゚⊿゚)ξ「でも、でも! 空が割れたからって、それがなんだっていうの?」

( ^ω^)「そうだおね。 わるいことなんか、起きないおね?」

(.. A ) フラッ

(#゚;;-゚)っ「だめ」

(.. A ) ドサッ

( ^ω^)

( ^ω^)「ドクオ?」

(;.. A )「はあ、はあ……」

.

389 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:56:15 ID:5H281t8g0

( ^ω^)「どうしたんだお? どっかいたいのかお?」

(;.. A )「ははっ……なんか、チカラ入んねー……、ど、なってんだ……?」

(;^ω^)「ドクオ、その手、どうしたんだお?」

ξ;゚⊿゚)ξ「どうして、右手が干からびて……?」

(#゚;;-゚)「……老いてる」

(;*゚ー゚)「!」

(;.. A )「う、う……」

(;*゚ー゚)っ「お願い、戻って!!」フワッ

(;..'A`)「!」

ξ;゚⊿゚)ξ「よ、よかった……」

(;..'A`)「も、戻った! オレ、どうなってた?」

(;^ω^)「手が細くなって枯れてたお!
      それがどんどん、体に広がっていったお!」

(`・ω・´)「事情が変わったぞ! はやく地下室に戻るんだ!
     あそこにはママがいる、少しはしのげる!」

( ^ω^)「ママが?」

(..'A`)「チカシツに?」

タッタッタッタッタッ

(´・ω・`)「ただいま」

(`・ω・´)「おかえり」

(#゚;;-゚)「子供達が教会に残ってるわ。 置いていくつもりなの」

.

390 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:57:12 ID:5H281t8g0

(*゚ー゚)「そんな、助け、にっ」

(* ー ) フラッ

(#゚;;-゚)っ ガシッ

(#゚;;-゚)「シィ、怪我は」

(;*゚ー゚)「ごめんなさい、まだ体がいうことをきかなくて」

(#゚;;-゚)「無理しないで」

(`・ω・´)「長いこと眠ってたせいだろうね、
     まだ満足には体を動かせないだろうさ」

ξ゚⊿゚)ξ「!」

ξ゚⊿゚)ξ ダッ

( ^ω^)「ツン!? 待ってお!」ダッ

(;..'A`)「バカふたりっ! どこいくんだ!?」ダッ

(´・ω・`)「ああもう! 僕が連れ戻してくる!」

(`・ω・´)「待つんだショボン! お前は地下室にいきなさい!」

(#´・ω・`)「子供扱いしないでくれる!? 僕だってみんなよりお兄さんなんだから!」

(`・ω・´)「ショボン!! 君にしかできないんだ!!」

(´・ω・`)「……?」

(`・ω・´)「ショボン、ママは地下室にいる。」

(`・ω・´)「君はずっと一緒にいただろう、あの部屋に入った瞬間から、
     出ていく瞬間まで、ずっと一緒に」

(´・ω・`)「……えっ?」

トクン...
トクン...

.

391 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:58:22 ID:5H281t8g0

(    )っ「起きて」

( ・∀・) パチッ

( <◯><◯>)  パチッ

( ・∀・)「ワカッテマス、起きてるかい? この天井はどこだろうね?」

( <◯><◯>)「はあぁ……話しかけないでください。
       シャキンさんとショボンくんの部屋ですね」

( ・∀・) ムクッ

( ・∀・)「枝の生えた少年と、鱗の生えた少年と、尻尾の生えた少女は?」

( <◯><◯>)「ブーン少年とドクオ少年とツン少女です。
       いい加減に子供達の名前を覚えなさい」

( ・∀・)「覚えようとしても覚えられないのさ。
      そういうキミこそ、子供達のカタチを覚えてあげたまえよ」

( <◯><◯>)「ザンネンながら、ワタシもどうしたって
       覚えられないんですよ。 不思議なことに」

( ・∀・)「まあ、焦ることはないさ。 これだけやって
       覚えられないなら、きっとそこだけ成長するのがおそいんだろうよ」

( <◯><◯>) ベシッ

( ・∀・)「いま杖でぶったかい?」

( <◯><◯>)「いいえ。 蹴ったんです」

( ・∀・) ベシッ

( <◯><◯>)「いたいですよ、仕返しなんてサイテイです」

( ・∀・)「あはははは! 一回は一回というやつさ!
       これでウラミッコなしにしようじゃないか!」

( <◯><◯>) ムクッ

( <◯><◯>)「アナタと話していてもつまらない。
       はやくあのイタズラっ子たちを探しましょう」

.

392 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 21:59:23 ID:5H281t8g0

ザワザワ
ザワザワ

( ・∀・)「やややっ? なにやらお庭がさわがしいぞ?」

( <◯><◯>)「いったいなにを見上げてるんでしょうか」

「見て見て! あんなのはじめて見た!」
「ちいさなママに知らせなくっちゃ!」
「あっ! あそこにちいさなママがいるよ!」

( ・∀・)「やあやあ! みんなで集まってなにしてるんだい?」

ビキビキ

o川*゚ー゚)o「ねーねー! ちいさなママー!」

( ・∀・)「なんだい?」

ビキィッ

o川*゚ー゚)o「どうしてお空にヒビが入ってるの?」

( ・∀・)



バリィンッ‼︎



(*><)「お空が割れたんです! キレイですね、ポッポちゃん!」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」

.

393 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:00:32 ID:5H281t8g0

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(;><)「ぎゃあっ!?」

⊂(*‘ω‘ *) グイッ

(;><)「あ、ありがとうなんです! ポッポちゃん!」

( <◯><◯>)「訳がわかりませんね。
       空が割れたかと思えば、お次は大地がゆれるだなんて!」

(;-_-)「ひぃひぃー! お、お、お、お助けをー!」

川⁂ 々゚)「おー、おー、ゆれるー?」

( ・∀・)「みんな教会の中に入りたまえ!」

「全員、そのまま動かないでください!」(<◯><◯> )

( ・∀・)「同時に話さないでくれたまえ!」

( <◯><◯>)「それはこちらのセリフです」

从; ゚∀从「ママ! ママ! 助けてくれ!!」

( <◯><◯>)「ハインリッヒ少年、その手はどうしたんです?」

从; ゚∀从「さわっても、つねっても、なんにもかんじねーんだ!」

( ・∀・)「枯れてる……?」

从; ∀从「ママ、ママ! オレの手……ゴホゴホッ、ひっ、息がっ……」

(;<◯><◯>)「ハインリッヒ少年! 許しませんよ、しっかりしなさい!」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(;・∀・)「ああっ! また地面が!」

(;´_ゝ|★)「オトジャ、無事か?」

(☆|<_`;)「アニジャ、大丈夫か?」

.

394 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:01:22 ID:5H281t8g0

(;<◯><◯>)「シャキンさんを呼んできなさい!」

「羽の生えた少年を運ぶんだ!」(・∀・;)

(;<◯><◯>)「…………」

(;・∀・)「…………」

(;<◯><◯>)「いっそワタシとアナタは仲がいいのかもしれませんね」

(;・∀・)「おもしろい! キミでもつまらないジョーダンを言うんだね」

( <◯><◯>)「ええ!」

( ・∀・)「よし!」

( <◯><◯>)「全員! ふたりのちいさなママに注目しなさい!」

( ・∀・)「動けない子には動ける子が手を貸してあげたまえ!」

( <◯><◯>)「ちいさなママ、手を貸してください」

( ・∀・)「一緒に乗り越えるんだ、ちいさなママ!」

.

395 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:02:14 ID:5H281t8g0

タッタッタッタッタッ

(;^ω^)「みんなー! こっちだおー!」

(;..'A`)「ママのトビラの向こう側にいくぞー! あそこにはママがいるんだー!」

( ・∀・)「聞いたかい? みんなオレについてきたまえ!」

( <◯><◯>)「ワタシはイチバンうしろから。
       ビロード、ハインリッヒ少年に肩をかしなさい」

(;><)「はあ、はあ……わ、かっ、……くん……」

( <◯><◯>)「ビロード?」

(   ) ドサッ

( <◯><◯>)「ビロード、起きなさい!」

(  _ゝ|★) ドサッ

(☆|<_  ) ドサッ

(;・∀・)「アニジャ、オトジャ! ああなんてことだ!」

ドサッ
ドサッ

( ^ω^)「子供達がみんな、倒れていくお……」

(..'A`)「ああ……」

.

396 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:03:27 ID:5H281t8g0

ズル...ズル...

|゚ノ ;^∀^)「はあ、はあ……」

ズル...ズル...

|゚ノ ; ∀ )「ああ、これは、困ったな……」

|゚ノ;  ∀ )(目を覚ましたのはいいものの、体ってこんなにも重いものだったかな)

|゚ノ ; ∀ )(地べたをはっていくのもままならない)

ガチャッ‼︎

ξ;゚⊿゚)ξ「レモナ先生!」

|゚ノ; ^∀^)「ツンちゃん……? おはようございます、
        すみませんね、だらしないかっこうで……」

ξ;゚⊿゚)ξっ「やっぱり体が動かないのね? むかえにきたわ!」

|゚ノ ^∀^)「……いけませんよ、アナタだけでも逃げてください」

ξ;゚⊿゚)ξ っ「手をかすわ。 よいしょっ、と」

ズシッ

|゚ノ ^∀^)「重いでしょう? ツンちゃんの体でボクを支えるのはムリです」

ξ; ⊿ )ξ「う゛うっ……むりじゃ、ないっ」

.

397 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:04:12 ID:5H281t8g0

ズリ...ズリ...

|゚ノ ^∀^)「ボクを置いてってください。 大丈夫ですよ、
       きっといい方法をひらめいてみせますから」

ξ; ⊿ )ξ「おいて……か、ないぃ……」

ズリ...ズリ...

|゚ノ ^∀^)「……ツン、先生のいうことをききなさい。
       怒りますよ? ボク、怒ったら怖いですよ?」

ξ; ⊿ )ξ「こわく、ないっ……!」

ズリ...ズリ...

|゚ノ ^∀^)「……お願いですから、ツンちゃん」

ξ; ⊿ )ξ「ほら、もうすぐ、部屋の、外にっ」

ガクンッ

ξ; ⊿ )ξ ドサッ

ξ; ⊿ )ξ「?」

ξ; ⊿ )ξ(やめてよ)

ξ; ⊿ )ξ(なんでこんなときに、ワタシの足)

ξ; ⊿ )ξ(なんにも感じないの)

.

398 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:05:07 ID:5H281t8g0

トクン...
トクン...

(´・ω・`)「ここってさっきディがシィの蛹を見つけた場所だよね?」

(´・ω・`)「兄さん、僕にウソついたの? ママなんてどこにもいなかったじゃないか」

(`・ω・´)「初めて教会に来た日のことを覚えてるかい?」

(´・ω・`)「ううん。まだ小さすぎたから」

(`・ω・´)「ママの本当の名前は? 本当の姿は?」

(´・ω・`)「ううん。話しかけても返してくれなくて、
     まともに話したことすらなかったから」

(`・ω・´)「俺がママにした一生に一度のお願いは?」

(´・ω・`)「……『この小さな世界を自分達以外の
     誰も入ってこられないように閉じて欲しい』?」

(`・ω・´)「そうだ。 ママが俺にお願いするように命じたのはそれだ」

(`・ω・´)「だが兄ちゃんはな、せめてもの抵抗をしてしまったんだ。
     俺の一生をかけた願い事なのに、本当にしたい願い事を
     できないだなんて、そんなのは不公平だと思ったんだ」

(´・ω・`)「なんてお願いしたの?」

(`・ω・´)「『この小さな世界を自分達以外の
     誰も入ってこられないように閉じて欲しい、
     ……シィの欠片が再び揃う日まで』」

(´・ω・`)「!」

(`・ω・´)「ママはそりゃあもう怖かったんだろうさ。
     手に入れたはずの『永遠』を手放さないといけない」

(`・ω・´)「だからママは、シィの欠片を呑み込んでしまったんだ。
     他の誰にも奪われてしまわないように」

.

399 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:06:52 ID:5H281t8g0

(`・ω・´)「本来なら体が耐えきれずに死んでしまうはずだった、でもママは生きていた。
     少女が死なさないようにとしたのか、ママがお願いしたのかは分からない」

(`・ω・´)「とにかく蘇生の少女が子守歌でママを眠りにつかせたからだ」

(`・ω・´)「蘇生の少女はママの腹の中で歌い続けた。
     そして、中の世界の時間はそのまま止まってしまった」

トクン...
トクン...

(´・ω・`)「にい、さん」

(`・ω・´)

(´・ω・`) 「初めて教会に来た日のことを覚えてる?」

(`・ω・´)「覚えているぞ! シャキンとショボンとママの三人だったな!
     やがてモララーとワカッテマスとレモナをさらってきた」

(`・ω・´)「子供達が少しずつ増えていって、シィの欠片を見つけてきて、
     俺の願い事で世界を閉じたんだ」

(`・ω・´)「いまからもう、100年くらい前のことだね」

(´・ω・`)「ママの本当の名前は? 本当の姿は?」

(`・ω・´)「名前は知らないが、本当の姿なら知ってるぞ!」

(`・ω・´)「ママは醜い醜いと嫌っていたな。 ほんのりと
     緑色の暗い光を放つ、大きな大きな百足の悪魔だった」

(´・ω・`)「!!」

トクン...
トクン...

(´・ω・`)(地下室のイノチの音は……)

(´・ω・`)(ディが破ったシィの蛹は……)

.

400 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:07:45 ID:5H281t8g0

(`・ω・´)「……ショボン」

(`・ω・´)「音が止まってしまう前に、願い事をしなさい。
     君には一生に一度のお願いがまだ残ってる」

(*´・ω・`)「!」

(*´・ω・`)「ついにこの日がきたんだね!
     僕、お願い事はとっくの昔にもう決めてあるんだ!」

(`・ω・´)「ショボン、兄ちゃんの一生に一度のお願いを聞いてくれないかい」

(´・ω・`)「なに言ってるの、兄さん? 兄さんらしくないよ?」

(`・ω・´)「もう一度、中の世界を閉じてくれないか」

(´・ω・`)「はっ……?」

(`・ω・´)「お願いだ」

(´・ω・`)「……やだ」

(`・ω・´)「ショボン! 聞いてくれ!」

ガラガラッ‼︎

(`・ω・´)「くっ! ガレキがっ」

(´ ω `)「やだやだやだ! 絶対やだ!!」

(`・ω・´)「待つんだショボン! 話を聞いてくれ!!」

トクン...
トク...ン...

.

401 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:08:33 ID:5H281t8g0

ズリ...ズリ...

(;^ω^)「よいしょ、よいしょ! ハインー、寝たらダメだおー!」

从 ∀从「ひっ……はっ……」

(;^ω^)「おーん、どんどん枯れていってる、おー」

(;-_-)「ば、バチが、あたったんだ……ボクたちが、わるいこだから……
     シィのこと、バケモノだって、こわがったから……」

(;..'A`)「怖いもんは怖いだろ、オマエさんは怖くても
     仲よしになりたいって思ったんだろ? いまでも怖いのか?」

( _ ) 「こ、こわい……よ、こわいけど、でも……
      シィのこと、キライじゃ……な……、…………」フラッ

( _ ) ガクッ

(;..'A`)「おいヒッキー!? くっそー!
     動けるのはオレとブーンとモララーとワカッテマスだけかよ!」

(  ω ) ドサッ

(..'A`)

(..'A`)「……ブーン?」

(  ω )

(..'A`)「ウソだろ、やめてくれ」

.

402 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:09:37 ID:5H281t8g0

ズリ...ズリ...

(;・∀・)「アニジャ、オトジャ、もう少しの、シンボウ、だ!」

(  _ゝ|★)「モララーさま……オレら……」

(☆|<_  )「どう、なっちゃうのかな……」

(;・∀・)「あはははは! このモララーにまかせたまえ!
       なんにも、なんにも心配は、いらないさぁ!」

(  _ゝ|★)「モラ、さま、が……」

(☆|<_  )「そ、いうなら、だい、じょ……」

(;・∀・)「あは! あははは、ははは! あはははは、は、ははははは!」

(  _ゝ|★) ガクッ

(☆|<_  ) ガクッ

( ;∀;)「あは、は……いやだ、……はは、はははっ……
       ああどうしよう、いやだぁ……」フラッ

(  ∀ ) ドサッ



ズリ...ズリ...

( <◯><◯>)

(。><)「うっ、うっ……もうおしまいなんです……」

( <◯><◯>)「だまらっしゃい」

(* ω *)「ワカッテマスくん……たすけてっぽ……」

( <◯><◯>)「ナキゴトなんて聞きたくありません。
       助かることだけ考えてなさい」

(;><)「ママが、いてくれれば、いいのに……」

(* ω *)「ママ……ママ……」フラッ

( <◯><◯>)「……そうですね」

.

403 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:10:44 ID:5H281t8g0

(   ) ガクッ

(* ω *) ガクッ

( <◯><◯>)「こら。 目を開けなさい、許しませんよ。 かってに、
       許さない……許さない……、ワタシの……こどもたち……」フラッ

( < >< >) ドサッ

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎
ガラガラッ‼︎

(;..'A`)「くそっ、くそくそっ! 道がふさがっちまった!
     これじゃあもう、どこにもいけやしねー!!」

(  ω )「うっ……」

(;..'A`)「バカブーンめ……まるで絵本に出てきたロージンみたいだぜ……?」

(  ω )

(;..'A`)「オレたちまで……たおれて、どうすんだよ……」

(  ω )「マ……マ……」

(;..'A`)「ママなんて……いないんだ……、
     もう、……帰ってこないんだよ……ママなんて……!」

(.. A )「ママなんて……」

(.. A )「ママ……」

(.. A ) ドサッ

.

404 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:11:20 ID:5H281t8g0

(  ω )

(.. A )

(  ∀ )

( < >< >)

(  _ゝ|★)(☆|<_  )

(   )

(* ω  *)

o川* ー )o

川 ⁂々 )

从  ∀从

( _ )

.

405 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:12:18 ID:5H281t8g0

フワッ





(    )っ「……起きて!」





.

406 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:13:10 ID:5H281t8g0

( ^ω^) ハッ

(    )っ「もう大丈夫ですよ、よく頑張りましたね」

(    )「あとのことは任せて」

( ^ω^)「……ママ?」

(*゚ー゚)っ

(#゚;;-゚)

( ^ω^)「……シィ? ディ?」

(;..'∀`)「ははっ……マジかよ……」

(*゚ー゚)っ「私の蘇生の力でみんなを元に戻します! ほんの少しなら保つはずです」

(..'A`)「でもよ、教会があちこちくずれて、道がふさがっちまったんだ」

(#゚;;-゚)「私の破壊の力でみんなの道を開けるわ。 いまのうちに地下室へいこう」

川*⁂ 々゚)「……ママ? ママだ」

o川*゚ー゚)o「ふたりのママだ!」

.

407 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:14:20 ID:5H281t8g0

(#゚;;-゚)「みんなついてきて。 誰も置き去りにはしない」

( <◯><◯>)「お待ちなさい」

( ・∀・)「何者だい?」

(*゚ー゚)

( ・∀・)「キミ、夢の中の?」

(#゚;;-゚)「説明してる時間はないわ」

( <◯><◯>)っ「信用できません。 こっちへ来なさい」

ガシッ
グイッ

(#゚;;-゚)「離して」

( <◯><◯>)「!」

( <◯><◯>)(この傷だらけの手には覚えがあります)

( <◯><◯>)(あたたかくて、つまらない手)

( <◯><◯>)「『シィ』なのですね」

(*゚ー゚)「はい! そうなのですっ」

(#゚;;-゚)「ええ、そう」

.

408 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:15:31 ID:5H281t8g0

ズリ...ズリ...

|゚ノ ;^∀^)「ツンちゃん、起きて。 起きてください、お願いだから」

ξ ⊿ )ξ

|゚ノ ;^∀^)「ああ、そんな……わるい夢だと言って……」

ξ ⊿ )ξ

|゚ノ  ∀ )「どうか、ママ……みんなを、子供達を……どうか……」

|゚ノ  ∀ ) ガクッ

|゚ノ  ∀ )

|゚ノ  ∀ )

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(  ∀ )っ「起きたまえ!」

( < >< >)っ「起きなさい!」

|゚ノ ^∀^)「!」

( ・∀・)

( <◯><◯>)

|゚ノ ^∀^)「ああ……」

( ・∀・)「ごきげんよう、レモナ! ずいぶんと長いお昼寝だったじゃないか!」

( <◯><◯>)「さんっざん人のこと起こしておいて、自分だけ眠りほうけるだなんてなさけない!」

|゚ノ ;∀^) ポロッ

|゚ノ ぅ∀^)「えへへ……なつかしいなぁ、変わってないなぁ……」

(;^ω^)「よかったお! 間に合ったお!」

.

409 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:16:12 ID:5H281t8g0

(;..'A`)「シィ! こっちこっち! レモナとツンを頼む!」

(*゚ー゚)っ フワッ

(*゚ー゚)「さあ、起きて」

ξ;゚⊿゚)ξ「ぷはっ!!」

( ^ω^)「ツン!」

(..'A`)「よっ、ツン」

ξ;゚⊿゚)ξ「先生は?」

|゚ノ ^∀^)「おかげさまで。 ありがとうございますね、イノチのオンジンです」

ξ*゚⊿゚)ξ「よかった……」

ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、ふたりとも? どうしてここに?」

( ^ω^)「ツンがこっちに走っていったのを思い出して、
       シィとモララーとワカッテマスを連れてきたんだお!」

(..'A`)「あの二人ならレモナ先生を運ぶなんてちょちょいのちょいだ」

ξ*゚⊿゚)ξ「ありがと。イノチのオンジンだわ!」

(..'A`)「いまディと子供達がチカシツに向かってる。 オレたちも一緒にいこうぜ」

ξ゚⊿゚)ξ「ディだけで大丈夫なの?」

( ^ω^)「大丈夫だお! みんなつよい!」

.

410 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:17:07 ID:5H281t8g0

(#゚;;-゚)「ワタシが前を歩いてガレキを壊すわ」

( ´_ゝ|★)「オレら兄弟は」

(☆|<_` )「ディさまの」

( ´_ゝ|★)「お手伝いを」(☆|<_` )

o川*゚ー゚)o「だぁれも迷子にならないように、キューちゃんの
      溶けた肌をメジルシにたらして歩くねっ」ドロドロ

川⁂ 々゚)「ちっちゃい子! クルウ、いっぱいもってく!」ニョロニョロ

(-_-)「う、動けない子は、ボクの手で、で、
   連れていくけど、も、モンク言わないでよ……」ブツブツ

( ><)「ポッポちゃんはヒッキーくんと一緒に、動けない子をお願いするんです!」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」

从 ゚∀从「オレはイッチャン後ろで飛んで、だれひとり
     はぐれないように見てるぜ!」ブブブブブッ

( ><)「後ろでなにかがあったときは、ボクの声で
      すぐイチバン前に知らせられるようにするんです!」

(#゚;;-゚)「みんな、こわい?」

( ´_ゝ|★)「こわいけど、」

(☆|<_` )「へっちゃら!」

o川*゚ー゚)o「こわくても、がんばるもん!」

川⁂ 々゚)「こわいのこわいの、とんでけー!」

(#゚;;-゚)「いい子ね」

.

411 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:18:43 ID:5H281t8g0

タッタッタッタッタッ

(`・ω・´)「はあ、はあ、ショボン! 隠れてないで出ておいで!」

(´・ω・`)「やだ」

(`・ω・´)「なんだって? もっと大きな声で言ってくれ! さっぱり聞こえないんだ!」

(´・ω・`)「やだ」

(´・ω・`)「聞いてくれ! 君が外の世界に憧れてることは知ってる! 」

(´・ω・`)「外の世界にいきたいわけじゃない。
     兄さんったら、なんにも分かってないんだから」

(`・ω・´)「俺達兄弟は長寿だ! もしも世界が開いたら、外の世界にいけるだろう!
     きっとたくさんの楽しいことと、それよりたくさんの悲しいことがあるだろう!」

(´・ω・`)「外の世界の人はどんなカタチをしてるの? 外の世界の人はどんなことをして遊ぶの?」

(`・ω・´)「でも教会の子供達は、子供達はみんなここまでだ! 全てが元に戻ってしまう!」

(´・ω・`)「外の世界では、猫が人になるっておかしいことかな?」

(`・ω・´)「幸福だった100年の年月が、子供達を追ってくるんだ!こうしてる今にも、みんな老いて死んでしまう!」

リィンッ

(´・ω・`)

(`・ω・´)「ショボン、見つけたぞ! ああ逃げないでくれ、
     話し合いをしよう! 言いたいことがあるなら聞こう!」

(´・ω・`)「この鈴……大っ嫌い」

(`・ω・´)「うん」

(´・ω・`)

(´・ω・`)「ねぇ、兄さん。ボクね、人になりたい」

.

412 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:19:40 ID:5H281t8g0

(`・ω・´)「うん」

(´・ω・`)「みんなと怪物ごっこがしたい。魔女かくしもしたい」

(´・ω・`)「簡単に扉だって開けたい、瓶だって自分で閉めたい、フォークでごはんを食べたい」

(´・ω・`)「みんなと肩を並べて歩きたい、小さい子を抱っこしてあげたい」

(`・ω・´)「うん」

(´・ω・`)「みんなみたいに優れた形してなくていい。普通の形の人だってかまわない」

(´・ω・`)「……ダメかな?」

(`・ω・´)

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(`・ω・´)「ショボン、ごめんな」

(´・ω・`)

(`・ω・´)「そうだよな、みんなと一緒がよかったんだよな。
     兄ちゃんなんにも知らなかったよ。 ……悪い兄ちゃんだったな」

(´・ω・`)「……別に」

(`・ω・´)「教会のことだって、ママのことだって、なんにも教えようとしなかった。
     なんにも知らない子供のまんま、幸せでいて欲しかったんだ」

(`・ω・´)「教会の子供達とおんなじように」

(´・ω・`)

(`・ω・´)「いいぞ、ママとの契約はもうおしまい。ショボンの好きにしていいんだ。
     兄ちゃんはその選択を尊重する。 どんな未来になったって、俺達兄弟はいつもとおんなじだ」

(`・ω・´)「なっ?」

(´・ω・`)

(´・ω・`)「……ありがと。そんな風に言って欲しかったんだ」

.

413 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:20:38 ID:5H281t8g0

(#゚;;-゚)「シィ!」

(*゚ー゚)「ディちゃん!」

(#゚;;-゚)「無事でよかった」

(*゚ー゚)「みんな地下室まで戻ってこれたのです。
    ここならまだあの子のお願いの力が効いてるはずです」

(#゚;;-゚)「長くは保たないわ」

(*゚ー゚)「そのときは、私が」

(#゚;;-゚)「やめて」

(*゚ー゚)「ごめんなさいね? そうですよね、
    これからのことを考えないと、ですっ」

(#゚;;-゚)「これからのこと」

(*゚ー゚)「ディちゃんはどんなディちゃんになりたいですか?」

(#゚;;-゚)「……なれるかしら」

(#゚;;-゚)「怪物にも魔女にも英雄にもなれなかった私が、
     誰かになれるかしら」

(*゚ー゚)「ふふふっ。 もうなってるじゃないですか!」

(#゚;;-゚)「……うん」

.

414 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:23:19 ID:5H281t8g0

|゚ノ ^∀^)「全員みんなそろってますか?」

ξ゚⊿゚)ξ「どうかしら……、分からないわ……」

( ^ω^)ノ「ブーン!」

(..'A`)「いきなりどうした?」

( ^ω^)ノ「自分の名前を叫ぼう!なんだお!いつもみたいに!」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよね、そうだわ!」

ξ゚⊿゚)ξノ「ツンー!」

(..'A`)ノ「ドクオ!」

|゚ノ ^∀^)「ふふふ、素晴らしいひらめきですね?」

( ・∀・)「さあさ子供達、おっきな声で自分の名前を叫ぼうじゃないか!」

( <◯><◯>)「ええ、ええ。 やりましょう、いつもどおりに」

( <◯><◯>)ノ「ワカッテマス!」

( ><)ノ「ビロード!」

(*‘ω‘ *)ノ「ちんぽっぽー!」

(-_-)ノ「ヒッキー!!」

从 ゚∀从ノ「ハインリッヒ!」

( ・∀・)ノ「モララー!」

\( ´_ゝ|★)「アニジャ!」

(☆|<_` )/「オトジャ!」

o川*゚ー゚)oノ「キュートちゃん!」

川 ⁂々゚)ノ「クルウー!」

|゚ノ ^∀^)ノ「レモナ!」

(#゚;;-゚)ノ「ディ」

(*゚ー゚)ノ「シィ!」

.

415 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:24:38 ID:5H281t8g0

トクン...
トクン...

(´・ω・`)「ママ、ひさしぶり」

(´・ω・`)「ショボンだよ、知らないだろうけど」

「ブーン!」

(´・ω・`)(!)

(´・ω・`)(遠くからみんなの名前が聞こえてくる)

「ツンー!」
「ドクオ!」

(´・ω・`)「さようなら」

「ワカッテマス!」
「ビロード!」
「ちんぽっぽー!」

(´・ω・`)「さようなら」

「ヒッキー!!」
「ハインリッヒ!」

(´・ω・`)「さようなら、ママ」

「モララー!」
「アニジャ!」
「オトジャ!」

(´・ω・`)「さようなら、世界」

.

416 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:25:39 ID:5H281t8g0

「キュートちゃん!」
「クルウー!」

(´・ω・`)

「レモナ!」
「ディ」
「シィ!」

ゴゴゴゴゴゴ...‼︎

(´-ω-`)(たとえば人の形になれたって、みんながいなくなっちゃうなら、
     いったいだれと怪物ごっこすればいいの、だれと魔女かくしすればいいの)

(´-ω-`)「ママ、ママ。 僕の一生に一度のお願いです」

(´-ω-`)「なにもかもいつもどおりに戻してください。
     もう一度、僕達の世界を閉じてください」

(´-ω-`)「今度は、永遠に」

(´・ω・`)「……でも次はもうちょっと広い方がいいな、なんてね」

トクン...
トッ...

......
......

「おやすみ、ママ」
.

417 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:27:03 ID:5H281t8g0

ブワッ

(*^ω^)「おお! 蝶の花びらが飛んでるお!」

ξ*゚⊿゚)ξ「それもこんなにいっぱい! こんなのはじめてだわ!」

(;..'A`)「どういうことだ? 枯れてた蝶の花が、
     崩れてた教会が、もとどおりになっていくぞ!」

(#゚;;-゚)「ここにいたら建物の修復に巻き込まれる」

( ・∀・)「任せてくれたまえ! 子供達は俺についてくるんだ!」

( <◯><◯>)「私は後ろからみんながはぐれないよう見てます」

|゚ノ ^∀^)「僕はまんなかにいますね、なにかあったらモララーとワカッテマスに知らせます」

|゚ノ ぅ∀^) グイッ

ξ゚⊿゚)ξ「レモナ先生、どうしたの?」

|゚ノ ^∀^)「なんでしょうね、ちょっぴり、寂しくなっちゃっただけですよ」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

(#゚;;-゚)「シィ、私達もいきましょう」

(* ー )「……いってしまったのですね」

(#゚;;-゚)「どうしたの」

(*;ー;) ポロポロ

(#゚;;-゚)「貴女が泣いてると私も悲しい」

(*ぅー;)「ごめんね、なんでもないのです。 すぐ泣き止みます、すぐ泣き止みますからね」

.

418 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:27:43 ID:5H281t8g0

ヒラヒラ
ヒラヒラ

(*^ω^)「おっおー!」

ξ*゚⊿゚)ξ「すごいわ! どこもかしこも、もとどおりよ!」

(..'∀`)「もとどおりどころか、キレイになってねーか?」

ξ゚⊿゚)ξ「あら? ブーン、そのアタマ!」

(*^ω^)「おっ?」

(..'A`)「花だ! オマエさん、エダに花が咲いてるぜ!」

(*^ω^)「ほんとに!?」

(..'∀`)「おめでとさん。 二つだけだけど、ゴリッパなもんだぜ」

ξ*゚⊿゚)ξ「おめでとう! もっとよく見せなさいよ!」

(*^ω^)「どんなお花が咲いてるお?」

ξ*゚⊿゚)ξ「えっとね、桃色と緑色のかわいいお花だわ!」

.

419 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:28:24 ID:5H281t8g0

( <◯><◯>)「アナタばっかり仕切らないでください」

( ・∀・)「こうしようじゃないか! 次の戦いで勝った方が偉いと!」

|゚ノ ^∀^)「まあまあ。 ケンカしないで、モララー、ワカッテマス」

( <◯><◯>)「止めないでください」

( ・∀・)「レモナの言うことはごもっともさ。 オレにイチャモンつけるのやめたまえ!」

|゚ノ ^∀^)「ああそうだ、夢の中でも何度か聞いたんですけどね、気になってたことがあって」

|゚ノ ^∀^)「どうして子供達の洋服が白と黒で分かれてるんでしょうか?」

( <◯><◯>)

( ・∀・)

|゚ノ ^∀^)「クラスで分けるのかな? だとしたら、ときどき
      クラス替えしてみるのもいいんじゃないかな、って」

( <◯><◯>)「…………」

( ・∀・)「…………」

|゚ノ ^∀^)「あ、あれあれ? なに? まずかったでしょうか?」

.

420 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:29:16 ID:5H281t8g0

(´・ω・`)

(`・ω・´)「ごらんよ、英雄! これが君の守った世界だ! あれが君の守った子供達だ!」

(´・ω・`)「よしてよ、英雄だなんて。僕はただのかわいい猫ちゃんだよ」

(`・ω・´)「君はショボンだ! そして俺の弟!」

(`・ω・´)「いいことを思いついたぞ、レモナに頼み込んで君の勇気を物語にしてもらおう!
     寝る前のお話しは必要だからね、いもしない魔女と怪物の物語の代わりに! うんうん、それがいい!」

(`・ω・´)「小さな世界を救った猫のお話し!」

(*´・ω・`)「なにそれ? ふふふっ、悪くないかもね?」

(`・ω・´)「新しい遊びも必要だ! 外の世界の本にあった、『鬼ごっこ』や『かくれ鬼』なんてどうだろう?
     あれはルールがシンプルでいいぞ、今度は俺達も一緒にやろう! きっと楽しいに違いないぞ!」

川*⁂ 々゚)「あたらしいあそびのおはなし!?」

o川*゚ー゚)o「とうとうショボンちゃんも一緒に遊んでくれるんだ!」

(;´・ω・`)「えっ、いや、僕は」

从 ゚∀从「ハッハァ、待ってたぜ! ギッタンギッタンにしてやる!」

(-_-)「ショ、ショボン、なら、……ボク、勝てる、かも……?」

(´・ω・`)

(*´・ω・`)「いいよ、遊んであげる! 言っとくけど、僕は強いよ!」

.

421 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:31:52 ID:5H281t8g0

(#゚;;-゚)「綺麗な場所でしょう」

(*゚ー゚)「はい、とても。 こういうのって、楽園っていうのでしょうか」

(#゚;;-゚)っ「シィ、手をとって。 私が先を歩くわ」

(#゚;;-゚)∞(゚ー゚*) ギュッ

(#゚;;-゚)「教えてあげる。 私達のいる教会のこと」

(*゚ー゚)「ついていくよ、ディちゃん」

(#゚;;-゚)「みんなの前でおじぎをして、にっこり笑うの」

(#゚;;-゚)「いいわね?」

(*゚ー゚)「はいっ」



(#゚;;-゚)

(*゚ー゚)

「ママ」
「ママだ」
「ママ!」

(#- ;; -) ペコリ

(*-  -) ペコリ

「おかえり、ママ!」
「ママおかえり! みんな待ってたよ!」
「100年ずっと、アナタを待ってたよ!」

(#゚;;-゚) ニコッ

(*゚ー゚) ニコッ



「「ただいま」」





.

422 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:32:26 ID:5H281t8g0










( ^ω^)|ムシヨニクヨ、と夢を見る百年|のようです 終










.

423 ◆EINyjQHjEo:2020/09/20(日) 22:34:49 ID:5H281t8g0
‪一周目は何も知らない子供のまま。‬
‪二周目で何も知らない子供のままではいられない。‬



お借りした絵→ No.18、No.22、No.112
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208782/18_evv8ua.png
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208781/22_jpvbtc.png
https://res.cloudinary.com/boonnovel2020/image/upload/v1588208803/112_hlxrqp.jpg

424名無しさん:2020/09/21(月) 07:28:18 ID:CrfzQq8M0
改めて一気読みしたよ!乙!
ただ美容と拷問ってどゆこと?ママの趣味?

425名無しさん:2020/09/21(月) 07:32:30 ID:yTwS1HEs0

でぃの言葉のおかげで、謎が解けていって面白かった

426名無しさん:2020/09/21(月) 18:26:53 ID:1hSHYtyk0
改めて面白かった!
素敵な作品をありがとう!


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