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( ^ω^)|ムシヨ|ニクヨ、と──のようです
26
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:38:20 ID:bTADR6Gs0
( ・∀・)「眠れないんだね?」
( ・∀・)「この鳳蜘蛛のちいさなママ、モララーがお話しを聞かせてあげようじゃないか!
みんなが大好きなお話しさ。 何度でも聞きたいお話しさ」
( ・∀・)「みにくい怪物と戦ったうつくしい魔女の物語さ。
自分の命とひきかえに世界を救った魔女の物語さ」
( ・∀・)「みんなに幸せを分け与えた、魔女の名前は『シィ』」
( <◯><◯>)「お話しの時間ですよ」
( <◯><◯>)「さて。 明かりを消して、口と目を閉じなさい。
そして斑蜂のちいさなママ、このワカッテマスの声に耳をかたむけなさい」
( <◯><◯>)「これはみにくい魔女と戦ったうつくしい怪物の物語。
これは自分の命とひきかえに世界を救った怪物の物語」
( <◯><◯>)「みんなに幸せを分け与えた、怪物の名前は『シィ』」
.
27
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:38:53 ID:bTADR6Gs0
(`-ω-´) スウスウ
(´-ω-`) スヤスヤ
( ^ω^)
( ^ω^)(目が覚めちゃったお)
( ^ω^)(ボクらの秘密基地、どうなってるんだろう?
血まみれだったってショボンが言ってたけど)
( ^ω^)
( ^ω^)(ちいさなママとのヤクソク……『夜はお部屋の外に出たらいけません』)
( ^ω^)(もうちょっとで朝になるけど、どこまでが夜なんだお?)
( ^ω^)(でもちょっとだけ、ちょっと見にいくだけなら
もしママが帰ってきたとしても、許してくれるかな)
( ^ω^)(それにきっと、ドクオとツンだって)
カチャッ...
パタン...
( ^ω^) ペタペタ
( ^ω^)(夜の教会を歩くのって、生まれてはじめてだお)
( ^ω^)(ずっとここにいるのに、なんだか知らないところみたい)
( ^ω^) ペタペタ
( ^ω^)(ボクらの秘密基地、中まで真っ赤だお)
( ^ω^)(お肉はないのに、まるでお肉の中にいるみたいだお)
( ^ω^)
( ^ω^)(あれ? 蝶のお花が一個もなくなってるお?)
( ^ω^)(あんなにいっぱい、お部屋を埋めちゃうくらい咲いてたのに)
( ^ω^)(お肉まみれになっちゃったから切っちゃったのかな)
.
28
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:40:44 ID:bTADR6Gs0
( )
( ^ω^)(おっ?)
( ^ω^)(誰かがお部屋のまんなかで丸くなってる)
( )
( ^ω^)「ツン?」
( ^ω^)「ドクオ?」
(* )
( ^ω^)「おっ?」
(*- -)
( ^ω^)
(*゚ー゚)
(*゚ー゚)「縺?繧」
( ^ω^)「ママ?」
(*゚ー゚)「縺セ縺セ?」
( ^ω^)「おん? ボクとキミ、知ってる言葉が違うみたい」
( ^ω^)「ひょっとして、お外の世界からきたんだお?」
(*゚ー゚)「繧上°繧峨↑縺」
<あっ。 いたいた。
<おーい、ブーン!
(..'A`)「やっぱり来てると思ったぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「体は? もう大丈夫なの?」
(*^ω^)「ドクオ、ツン! やっぱり来てた!」
.
29
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:43:33 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)
ξ;゚⊿゚)ξ「ひっ!?」
(;..'A`)「おいおい、どうなってんだ?」
( ^ω^)「ボクもついさっき、ここにいるのを見つけたんだお」
(*゚ー゚)
( ^ω^)「もしかして、あのお肉の中にキミもいたのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「そんな、まさか」
(*゚ー゚)「縺ゅ↑縺溘?√□繧鯉シ」
(..'A`)「オマエさんこそ誰だ?」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励?ゅo縺溘@縲√□繧鯉シ」
ξ゚⊿゚)ξ「なんていうお名前なの?」
(*゚ー゚)「繧上°繧峨↑縺」
( ^ω^)「お家はどこだお?」
(*゚ー゚)「繧上°繧峨↑縺」
(..'A`)「なんにも分からないんだな」
( ^ω^)「ドクオにはこの子の言ってることが分かるのかお?」
(..'A`)「分かるもなにも、ちゃんとしゃべってるだろ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ワタシたちには、なにかの鳴き声みたいに聞こえるわ」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励?螢ー縺鯉シ」
(..'A`)「どうやらこの子にオマエさんたちの言葉は分かるけど、
オマエさんたちにこの子の言葉は分からないみたいだな」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺?@縺ヲ縺九@繧」
.
30
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:44:52 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「なんて言ってるんだお?」
(..'A`)「困ってるみたいだぜ」
ξ;゚⊿゚)ξ「そりゃそうよ、なんにも分からないんだもの」
( ^ω^)「ボクたちでなにかしてあげられないかお?」
(..'A`)「ツン、さっきっからどうしたんだ?」
(..'A`)(シッポが下がりっぱなしになってる)
ξ;゚⊿゚)ξ「なっなんでもないわ! ただ、」
(*゚ー゚)
ξ゚⊿゚)ξ「ただ、この子があんまりにも先生にそっくりだったから、つい」
(..'A`)「似てるかぁ?」
(*゚ー゚)「?」
( ^ω^)「まずボクたちのこと教えてあげるお!」
(*^ω^)「ボク、ブーンっていうんだお! これからずっと、よろしくだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ツンよ。 なんでも頼ってちょうだいね?」
(..'A`)「ドクオだ。 まあ、よろしくな」
(*゚ー゚)「繧医m縺励¥」
(..'A`)「よろしく、だってよ」
(*^ω^)「これでひとつ分からないことがなくなったお!」
ξ゚⊿゚)ξ「アナタの名前は……あっでも、なんにも分からないのよね?」
(..'A`)「こうしたらいいんじゃねーか?
オレたちでオレたちが呼ぶ名前をつけてやるんだよ」
(*^ω^)「人に名前をつけるなんて、ボクはじめてだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「みんなでイッショウケンメイ考えましょ。
この子のほんとの名前とおんなじくらい、ステキな名前を!」
.
31
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:48:22 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)「蜷榊燕縺ェ繧薙※縺?i縺ェ縺?o」
ξ゚⊿゚)ξノ「デレ!」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺?@縺ヲ」
(..'A`)ノ「ミセリ」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励↑繧薙°縺ョ縺溘a縺ォ縲√≠縺ェ縺溘◆縺。縺ッ」
(*^ω^)ノ「『シィ』!」
(*゚ー゚)「!」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタ、バカなのかしら?」
(..'A`)「その名前はさすがに……」
( ^ω^)「あれ? どうしたんだお?」
(。*゚ー゚) ポロッ
(;^ω^)「泣かないで、泣かないでお」
ξ;゚⊿゚)ξ「よしよし。 ゆっくり息して」
(..'A`)「そんなに嫌だったのか?」
(。*゚ー゚) ポロポロ
(。*゚ー゚)「蛻?°繧峨↑縺?o 縺イ縺ィ繧翫〒縺ォ縺ァ縺ヲ縺上k」
(..'A`)「『分からない』?」
(。*゚ー゚)「縺ァ繧ゅo縺溘@縲√%縺ョ蜷榊燕縺ィ縲√し繝ィ繧ヲ繝翫Λ縺励◆縺上↑縺」
(..'A`)「これがいいってことか?」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励?『繧キ繧」』、『繧キ繧」』縺ォ縺ェ繧」
(..'A`)「『シィ』になっちまった」
ξ;゚⊿゚)ξ「『ちいさなママ』がなんて言うかしら?」
.
32
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:49:32 ID:bTADR6Gs0
(..'A`)「きっとワカッテマスに杖でひっぱたかれちまうだろうよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「そのあとモララーにオシオキ部屋に閉じ込められちゃうわ」
(..-"A-)「うーん」
ξ;-"⊿-)ξ「ううー」
(..'A`)「それもこれもブーンのせいだ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうよそうよ!」
(..'A`)「オレは知らないぜ? 知るもんかよっ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「しらんぷりしちゃうんだからねっ」
(*^ω^)「『シィ』っていうのはね、世界を救ったエイユウの名前なんだお!」
(*゚ー゚)「縺医>繧?≧?」
(*^ω^)「はじめてキミを見たとき、『ママみたいだ』って思ったんだお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「そう、かしら?」
(*^ω^)「でもボクたちはね、ママのこと覚えてないんだ。
ボクたちよりちょっぴりお兄さんな三人は、ちょっぴりだけ覚えてるみたいだけど」
(*^ω^)「『ブーン』って名前しか持ってなかったんだお」
.
33
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:50:46 ID:bTADR6Gs0
(*^ω^)「ボクね、ママの名前も知らないんだお。
でもママとおんなじくらい思ってる、エイユウの名前は知ってるんだお」
(*^ω^)「だから、キミは『シィ』なんだお!」
(*゚ー゚)「繧キ繧」」
(*- -)「縺薙?荳也阜縺ョ縺ゥ繧薙↑蜷榊燕繧医j繧ゅ?∫エ?謨オ縺ェ蜷榊燕縺?繧」
(..'A`)「…………」
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
( ^ω^) クルッ
(..'A`)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
( ^ω^)「ボクはたったいま、ひとりで名前をつけたお!」
( ^ω^)「だから大丈夫だお、ツンとドクオは関係ないんだお!
ちいさなママにはちゃんとそう言うお!」
(..'A`)「……ちぇっ。 そんな水くさいこと言うなよ」
ξ゚ー゚)ξ「しかられましょ、三人一緒にね」
(*^ω^)「ふたりとも!」
.
34
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:52:30 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「気持ちのいい朝だおー!」
(..'A`)「これなら部屋の外に出ても大丈夫だな」
ξ゚⊿゚)ξっ「立てるかしら?」
(*゚ー゚)「?」
ξ゚⊿゚)ξっ「どうしたの、手をとって。 起こしてあげるわ」
(*゚ー゚)「!」
(*゚ー゚)っ
ξ゚⊿゚)ξ∞(゚ー゚*) グイッ
ξ゚⊿゚)ξ「ワタシが先を歩くわ。 ついてらっしゃい、シィ」ダッ
(*゚ー゚)「!」ダッ
(..'A`)「オレはいっちゃん後ろから見ててやんよ」ダッ
( ^ω^)「シィ、教えてあげるお! ボクたちのいる教会のこと!」ダッ
(*゚ー゚)「縺医∴縲 謨吶∴縺ヲ」
バタバタ
バタバタ
( ^ω^)「はやくはやく! こっちにおいでお!」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタに見せたいもの、いっぱいあるんだから!」
(..'∀`)「けけけ。 ぼうっとしてると置いてかれちまうぞ」
(*゚ー゚)「鄂ョ縺?※縺九l繧九?縺ッ繧ゅ≧雖」
バタバタ
バタバタ
( ^ω^)「見てごらんよ! これがボクらの教会だお!」
(*゚ー゚)「縺薙s縺ェ縺ョ隕九◆縺薙→縺ェ縺?o」
ξ゚⊿゚)ξ「なかなかすごいもんでしょ? おっきな木とお家がまざってひとつになってるのよ」
(..'A`)「さっきまでいたのは教会のてっぺん。 オレたちの秘密基地だぜ」
.
35
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:54:27 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)「蠕。莨ス蝎コ縺ョ邨オ譛ャ縺ソ縺溘>縺ェ縺ィ縺薙m」
( ^ω^)「ボクたちみんな、ここでなかよく暮らしてるんだお!」
(*゚ー゚) ピタッ
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」
(*゚ー゚)「縺?¢縺ェ縺?o」
ξ゚⊿゚)ξ「はやくこっちにおいでなさいな」
(*゚ー゚)「雜ウ蜈?↓縲∬攜縲?′」
( ^ω^)「ドクオ、なんて?」
(..'A`)「足もとに蝶がいっぱいいるから進めないんだとよ」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなこと言ってたら、この教会のどこにもいけないわ」
(..'A`)「踏んづけたって足が汚れたりしないぜ。
これは蝶々って生き物じゃない、ただの花だ」
(*゚ー゚)「闃ア?」
(..'A`)「ほら、これ」
ヒラヒラ
(..'A`)「先生が言ってたぜ、この花びらって蝶の羽みたいなんだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「あっちこっちにふわりと舞って、いつもあっちこっちに蝶が飛んでるみたいでしょ?」
( ^ω^)「ボクたちは『蝶の花』って呼んでるお!」
(*゚ー゚)「縺薙s縺ェ縺ォ縺溘¥縺輔s」
.
36
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:56:00 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ「花びらは踏んだり触ったり、ちょっとしたことで
すぐに落っこちるけど、すぐまた花びらをつけるのよ」
(..'A`)「何度だって咲くから、気にしなくっていいぜ」
( ^ω^)「このでっかい木の周りになら、どこにだって咲いてるんだお!」
(*゚ー゚)「縺昴s縺ェ闃ア縲∬ヲ九◆縺薙→繧り◇縺?◆縺薙→繧ゅ↑縺?o」
(..'A`)「考えてみりゃあ、ちょっと教会から出たところには
咲いてなかったから、外の世界にない花なのかもな」
ξ;゚⊿゚)ξ「ほんとは子供は教会から出たらダメなんだから。
このことはここだけのヒミツにしてよね?」
(*゚ー゚)「邏?據縺吶k」
ξ゚⊿゚)ξ「一歩、足を出してごらんなさい」
(*゚ー゚) チョン
フワッ
ξ゚⊿゚)ξ「ほら。 アナタが通ったあと蝶の花びらが舞いあがるの。
……ステキだと思わない?」
(*゚ー゚)「邏?謨オ縺?縺ィ諤昴≧」
(..'A`)「ステキだとよ」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふふふ!」
.
37
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:56:34 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「さあさ、お待ちかね!」
(*゚ー゚)
( ^ω^)「このトビラの向こうが、みんなで『ママ』にお祈りするところだお」
( ^ω^)「今なら二人の『ちいさなママ』も、みんなも、ここでお祈りしてるお」
(*゚ー゚)
( ^ω^)「キミがこの教会にきたってこと、みんなにも教えてあげなくっちゃ」
(*゚ー゚)
( ^ω^)「ボクが『いち、にの、さん』でトビラを開けるお」
( ^ω^)「そしたらキミは、みんなの前でおじぎをして、
にっこり笑って、ジブンの名前をいうんだお」
( ^ω^)「いいね?」
(*゚ー゚)
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫かしら? その子ったら……」
(..'A`)「たしかに心配だ。 そいつの顔ときたら……」
( ^ω^)「いち」
ξ゚⊿゚)ξ「『先生』にそっくりなんだもの」
(..'A`)「ぐちゃぐちゃに黒く塗りつぶされてるんだもんな」
( ^ω^)「にの」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ? ぐちゃぐちゃに?」
(..'A`)「はあ? 誰が『先生』に似てるって?」
( ^ω^)「さん!」
ガチャッ
.
38
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:58:21 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)
「ひっ……」
(*- -) ペコリ
「きゃああああああああああああああああああああああ!!!」
ザワザワ
ザワザワ
(;´_ゝ|★)「なんだ、あれ……」(☆|<_`;)
从; ゚∀从「バケモノだ!!!」
川;⁂々゚)「逃げなくっちゃ! 食べられちゃう!」
ザワザワ
ザワザワ
(*゚ー゚) ニコッ
ザワザワ
ザワザワ
(;-_-)「ママ、ママ! どうかお助けを!」
o川*;ー;)o「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいひどいことしないでください」
( <◯><◯>)「なんとみにくい生き物でしょう……」
ザワザワ
ザワザワ
(*゚ー゚)「縺ッ縺倥a縺セ縺励※縲『繧キ繧」』繧」
.
39
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 21:59:35 ID:bTADR6Gs0
ザワザワ
ザワザワ
( ^ω^)「?」
( ^ω^)「どうしてみんな、逃げるんだお?」
( ^ω^)「どうして、泣いてるんだお? 怖がってるんだお?」
( ^ω^)「こんなにキレイな子なのに!」
ザワザワ
ザワザワ
( <◯><◯>)「子供達、落ち着きなさい。とにかくここへ、ワタシのもとへ!」
「聞きたまえ! いっこくもはやく、この部屋から出るんだ!」(・∀・ )
( <◯><◯>)「おだまりなさい、モララー。 メイレイはワタシが出します」
( ・∀・)「ワカッテマス、なにを言ってるんだい?
このオレについてくれば間違いはないのさ!」
ザワザワ
ザワザワ
(☆|<_ ;)「うぶっ……、げほ、げほっ……」
(`・ω・´)「誰か手を貸してくれ! オトジャが吐いた!」
(☆|<_`;)「はあ、はあ……げほっ……」
(*゚ー゚)っ「謇九r縺ィ縺」縺ヲ縲 襍キ縺薙@縺ヲ縺ゅ£繧」
(;´_ゝ|★)「オレの弟に触るな! どこかにいってしまえ!」
(*゚ー゚)
.
40
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:02:03 ID:bTADR6Gs0
バシッ
(*゚ー゚)「縺」」
( <◯><◯>)「さがりなさい。 みにくい魔女め」
(*゚ー゚)「逞帙>繧」
( <◯><◯>)「それとも、もっと杖でぶたれるのがお望みですか」
(*゚ー゚)「繧?a縺ヲ」
( <◯><◯>)「何を言ってるのか、さっぱり分かりませんね」
(*゚ー゚)「窶ヲ窶ヲ縺昴≧」
( ・∀・)「動かないでくれたまえ。 これからキミをオシオキ部屋に閉じこめる」
( ・∀・)「許しておくれ、みにくい怪物よ」
(*゚ー゚)
(;^ω^)「やめてお!!」
(*゚ー゚)「!」
( <◯><◯>)「ブーン少年、なんのつもりですか?」
( ・∀・)「どきたまえ、枝の生えた少年」
(;^ω^)「シィはいけないことなんてしないお! お願いだからお話しを聞いてお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうよそうよ! この子のどこがバケモノだっていうのよ!」
(;..'A`)「なにしたっていうんだよ、ただアイサツしただけじゃねーか」
(*゚ー゚)「邏?據縺吶k繧」
( <◯><◯>)「言葉すら忘れた生き物なのに?」
(*゚ー゚)「蟄蝉セ幃#縺ォ縺イ縺ゥ縺?%縺ィ縺ェ繧薙※邨カ蟇セ縺ォ縺励↑縺?o」
(..'A`)「オレには分かるぜ! ヤクソクするって言ってる。
子供達にひどいことなんかゼッタイにしないって!」
.
41
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:03:17 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)
( ^ω^)「お願いだお!」
ザワザワ
ザワザワ
「あ……ああ……あ……」
「だれかこの子を助けて! さっきっからずっと震えてるの! 話しかけてもなんにも言わないの!」
「しょ、しょうがない、よ、あんなにおっかないものを、み、見たんだ……」
ザワザワ
ザワザワ
ξ;゚⊿゚)ξ「ワタシからもお願い!」
ザワザワ
ザワザワ
「こわいよ……こわいよ……」
「ここにママがいてくれれば……」
「っく……ひっく……うえぇ……」
ザワザワ
ザワザワ
(..'A`)「……お願いだ」
ザワザワ
ザワザワ
「怪物だよ、怪物がきたよ」
「きっとあれが魔女なんだ」
「もうおしまいだぁ……」
ザワザワ
ザワザワ
(*゚ー゚)「縺ゅ≠縲 遏・縺」縺ヲ繧九o縲√%縺ョ蜀キ縺溘&」
(*゚ー゚)「縺セ繧九〒螟悶?荳也阜縺ィ蜷後§」
ザワザワ
ザワザワ
.
42
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:05:12 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)「繝悶?繝ウ縺ョ譫昴?鮖ソ縺ソ縺溘>」
(..'A`)「ブーンのエダは『シカ』だとよ」
( ^ω^)「シカ?」
(*゚ー゚)「繝峨け繧ェ縺ョ閧後?陷・陷エ」
(..'A`)「オレのハダはトカゲ?」
(*゚ー゚)「繝?Φ縺ョ蟆サ蟆セ縺ッ迢舌→迢ク縺ィ迢シ」
(..'A`)「ツンのシッポはキツネとタヌキとオオカミ」
ξ゚⊿゚)ξ「それってよろこんでいいの?」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺?°縺励i縲 遘√?縺九o縺?>縺ィ諤昴≧」
(..'A`)「かわいい、とよ」
ξ*゚⊿゚)ξ「あら、そう?」パタパタ
(*^ω^)「ツンがシッポふってる! うれしいってことだおね?」
ξ;*゚⊿゚)ξ「言わなくっていいのよ! そういうことは!」
(*゚ー゚)「譛ャ蠖薙↓縺九o縺?>縲 縺薙s縺ェ蟄蝉セ幃#縺後>繧九↑繧薙※」
リィンッ
(´・ω・`)「にゃあ」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ショボンちゃん」
.
43
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:06:23 ID:bTADR6Gs0
(´・ω・`)「三人共モララーのオシオキ部屋に行ってきたんでしょ?
知らない子をママの教会に入れた罰として!」
(´・ω・`)「ふふんっ、どうだった? 久しぶりのオシオキの感想は?」
(;^ω^)「おーん……」
ξ;゚⊿゚)ξ「思い出したくないわ……」
(..'A`)「やなヤツめ」
(*゚ー゚)「縺斐a繧薙↑縺輔>縲 繧上◆縺励?縺帙>縺ァ」
(..'A`)「シィが謝ることじゃないだろ」
(´・ω・`) ビクッ
(*゚ー゚)
(´・ω・`) ササッ
( ^ω^)「ショボン? なんでボクのうしろに隠れるんだお?」
(´・ω・`)「隠れてなんかないやい」
ξ゚⊿゚)ξ「隠れてるじゃない」
(..'A`)「隠れてる隠れてる」
(*゚ー゚)
(´・ω・`)「君達にはこの子がどう見える?」
(*^ω^)「桃色の女の子だお! まるでママみたい!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ワ、ワタシには先生に見えたわよ? 目を覚ました先生にそっくりの子!」
(..'A`)「オレには顔がぐちゃぐちゃに塗りつぶされた子供だぜ。 白と黒の、色がない子供」
(´・ω・`)「僕には別の形に見えるんだ。
手がうじゃうじゃある、ううん、手しかないおっかない化物だよ」
(´・ω・`)「他の子らもみんな、違う形をこの子に見てる」
(*゚ー゚)
.
44
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:08:03 ID:bTADR6Gs0
(´・ω・`)「ねぇ、これってどういうことなの?
君はいったい誰? どれが本当なの?」
(*゚ー゚)「繧上°繧峨↑縺」
(..'A`)「コイツ迷子なんだよ、なーんも分かんないんだ」
(´・ω・`)「外の世界からきたって本当?」
(*゚ー゚)「縺昴l縺ッ譛ャ蠖」
(..'A`)「思い出したのか? しかも『外の世界からきた』って?」
(´・ω・`)「へぇ……」
(´・ω・`)「その子にはしばらくこの秘密基地の中にいてもらうよ。
これはちいさなママが話し合って決めたことだ」
(*^ω^)「やったぁ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ワタシたち一緒にいられるわね」
(*゚ー゚)「縺薙%縺ォ縺?※縺?>縺ョ」
(..'A`)「よかったじゃねーか」
(´・ω・`)「ブーン、ツン、ドクオ。
君達は夜になったら一人ずつ、鳳蜘蛛と斑蜂と僕達の部屋で寝てよね」
(;..'A`)「おえぇっ」
ξ゚⊿゚)ξ「どうして?」
.
45
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:09:19 ID:bTADR6Gs0
(´・ω・`)「簡単な理由だよ。 僕達は君達のことを信じてる、
でもまだ、その子のことは信じちゃあいないんだ」
(*゚ー゚)
(´・ω・`)「誰かを信じるのってすっごく時間がいることなんだよ。
夜は秘密基地から出られないようにするけど、悪く思わないでよね?」
ξ゚⊿゚)ξ「ひとりぼっちにするだなんて……」
(*゚ー゚)「諷」繧後※繧九o」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよね。ひとりぼっちは怖いもんね」
( ^ω^)「どうしたらみんな、シィのこと信じてくれるんだお?」
(´・ω・`)「シィねぇ」
(..'A`)「いい名前だろ? まるでエイユウみたいで」
(´・ω・`)「猫ちゃんにだって分からないことはあるさ」
(*゚ー゚)
(´・ω・`) ビクッ
(´・ω・`)「ゆ、夕暮れどきになったら迎えを寄越すよ」
(..'A`)「失礼なヤツだな、いちいちビビりやがってさ」
(´・ω・`)「しょうがないだろ、体が勝手に動いちゃうんだから!」
(*゚ー゚)「縺昴l縺ッ莉墓婿縺後↑縺」
(´・ω・`)「それじゃあ、またね。来るなって言われても来るから」
リィンッ
.
46
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:11:14 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「よいしょ、っと」
( ^ω^)「いいおー! のぼっておいでおー!」
(..'A`)「いつもこうやって、三人で秘密基地の屋根の上にのぼるんだ」
(*゚ー゚)「鬮倥☆縺弱k繧」
ξ゚⊿゚)ξ「いいのかしら? 秘密基地から出ちゃって」
(..'∀`)「けけけ。 秘密基地からは一歩も出てないぜ、秘密基地の中からは出たけどな」
ξ゚⊿゚)ξ「んまあ! わるいお顔だこと!」
(*゚ー゚)「關ス縺。縺溘i縺イ縺ィ縺溘∪繧翫b縺ェ縺」
(..'A`)「大丈夫大丈夫。 ブーンなんてよくここから落っこちるんだぜ」
(*゚ー゚)「縺ゅ↑縺溘◆縺。縲∝、峨o縺」縺ヲ繧」
( ^ω^)「シィのことは落っことしたりしないお!」
( ^ω^)っ「さあほら、つかまってお!」
(*゚ー゚)
(*゚ー゚)∞(^ω^ )
ギュッ
グイッ
(*゚ー゚)「縺ゅj縺後→縺」
( ^ω^)「どういたしまして!」
(..'A`)「ブーン、もしかしてオマエさんも?」
( ^ω^)「分かんないけど、なんとなく分かったんだお!」
.
47
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:13:43 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)
ξ゚⊿゚)ξ「いい景色だと思わない?」
( ^ω^)「この秘密基地からは、教会がよく見えるんだお!」
(..'A`)「さっきっからずっと、なにを見て……」
( ・∀・)
(..'A`)「って、ありゃあ鳳蜘蛛じゃねーか! あんなもん、見ちゃいけません!」
(*゚ー゚)「縺ゅ?蟄舌?」
(..'A`)「モララーだ」
ξ゚⊿゚)ξ「鳳蜘蛛の『ちいさいママ』よ」
(*゚ー゚)「縺。縺?&縺ェ繝槭??」
(..'A`)「ママが分からないのか?」
( ^ω^)「ママっていうのは、ボクたちを守ったり育てたり、
名前を呼んでくれる人のことを言うんだお!」
(*゚ー゚)「縺ゅ↑縺溘◆縺。縲√d縺」縺ア繧雁、峨o縺」縺ヲ繧九o」
(*゚ー゚)「閾ェ蛻?→蜷後§縺上i縺??蟄舌r『繝槭?』縺ィ蜻シ縺カ縺?縺ェ繧薙※」
(..'A`)「変わってる? それってどういう?」
ξ゚⊿゚)ξ「真っ黒い服の子供達はみんな鳳蜘蛛なのよ」
( ^ω^)「そんでもって、真っ白い服の子たちはみんな斑蜂だお!」
(..'A`)「鳳蜘蛛はいつもこの時間、ブタイってやつの練習してるんだ」
⊂( ^ω^)⊃「こんな風に踊ったり歌ったりするんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「完成したら一回だけ見せてもらえるのよ、それがブタイっていうものなんですって」
(..'A`)「ああいうのはよく分からねーが、まあ、なかなかうまいもんだよな」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ。 ムネをはって言えるわ、『楽しみにしていて』ってね!」
(*゚ー゚)「縺昴≧」
.
48
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:15:41 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「あっ! モララーたちの練習が終わったみたいだお!」
(..'A`)「いまにワカッテマスたちと戦いをはじめるだろうぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「もうそんな時間になるのね」
ξ゚⊿゚)ξノシ「それじゃあ、いってくるわ」
( ^ω^)ノシ「ばいぶー」
(..'A`)ノ「ういー」
(*゚ー゚)「繝?Φ縲√←縺薙↓縺?▲縺溘?」
( ^ω^)「おん? もしかしてツンのことかお?」
(..'A`)「ツンなら先生のところだぜ、教会のちょうどあそこらへんだ」
(*゚ー゚)「蜈育函」
(..'A`)「先生っていうのは、ワカッテマスとモララーとおんなじ、
はじめにママのところにきた三人の子供のうちの一人だよ」
(*^ω^)「すっごく優しい子なんだお! いっつも本を読んでいて、
いろんなこと知ってて、いろんなこと教えてくれるんだお!」
(..'A`)「そういう人のこと『先生』って呼ぶんだとさ」
(*^ω^)「だからみんな先生って呼んでるんだお!」
(*゚ー゚)「雉「縺?ュ舌↑縺ョ縺ュ」
( ^ω^)「シィにも会わせてあげたいけど、まだ会わせてあげられないおね」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励′菴呎園閠?□縺九i」
(..'A`)「違う違う。 先生はずっと眠ってるんだ」
.
49
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:18:23 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「きっとよっぽどいい夢を見てるんだお」
(*゚ー゚)「逞?ー暦シ」
(..'A`)「シャキンが言うには、眠ってるだけなんだと」
( ^ω^)「ツンがいつも蝶のお花いーっぱい持ってってあげてるんだお!
だから先生の入ってる箱はいつもキレイなお花でいーっぱい!」
( ^ω^)「秘密基地のお外にでられたら、先生にも会いにいってあげてお?」
(*゚ー゚)「莨壹∴縺溘i縺?>繧上?」
(..'A`)「すぐ外にでられるだろうし、すぐ会えるだろうに」
(*゚ー゚)「諤昴>蜃コ縺励◆縺薙→縺後≠繧」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励?√↑縺上@繧ゅ?繧呈爾縺励↓縺薙%縺ク譚・縺」
(..'A`)「『思い出した』? 『なくしものを探しにきた』?」
( ^ω^)「なくしものって、ひょっとして、お肉のカタマリ?」
(*゚ー゚)「縺?>縺」
(..'A`)「違うそうだ」
( ^ω^)「なんだろう? とっておきの蝶の花びら? それとも、お気に入りのオモチャ?」
(*゚ー゚)「縺ェ縺上@縺溘b縺ョ縺ッ縲∝多」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励?螟ァ蛻?↑縲∝多繧」
(..'A`)「なんじゃそりゃあ?」
( ^ω^)「なになに? どんなものだって見つけてみせるお!」
(..'A`)「こう言ってる、なくしたものは『イノチ』だって」
.
50
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:19:36 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「イノチ?」
( ^ω^) スッ
(..'A`)「あっ、おい」
( ^ω^)
(*゚ー゚) トクントクン
( ^ω^)「シィのイノチ、ちゃんとここにある……」
グイッ
( ^ω^)「おっ?」
(..'A`)っ「バカブーンめ! いきなりシィの体に耳くっつけるやつがあるか」
(;^ω^)「ごめんお」
(..'A`)「わるかったな。 おどろかせて」
(*゚ー゚)「蟷ウ豌」
ピシッ...
( ^ω^)「シィ? お顔どうしたんだお?」
(..'A`)「どうした?」
( ^ω^)「ほっぺたの横んところ。 キズがついてるんだお」
(*゚ー゚)
(..'A`)「オレには顔がぐちゃぐちゃに塗りつぶされて見えるからなぁ」
( ^ω^)「どっかいたいかお?」
(*゚ー゚)「逞帙¥縺ェ縺」
(..'A`)「『いたくない』って。 ブーンにしか見えないキズなのかもな?」
.
51
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:21:42 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「おお? それならよかった、お?」
(*゚ー゚)「縺ェ縺上@縺溘b縺ョ縺ッ縲√o縺溘@縺ェ繧薙°縺ョ蜻ス繧医j繧ゅ?∝、ァ蛻?↑繧ゅ?」
(*゚ー゚)「縺昴l縺ッ閾ェ蛻??縲主多縲上◎縺ョ繧ゅ?縺ィ縺?▲縺ヲ繧ゅ>縺?s縺倥c縺ェ縺?°縺励i」
(..'A`)「『なくしものは自分のイノチより大切なもの。
だから自分のイノチそのもの』……なんだとさ」
(*^ω^)「どんなイノチだおね?
きっとすっごく、シアワセなカタチしてるんだろうな」
(..'A`)「明日から探しはじめようぜ、ツンも巻きこんじゃってさ」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺?@縺ヲ縲√≠縺ェ縺溘◆縺。縺」
(..'A`)「おっとシィ、オマエさんはルスバンだぜ。
しばらく秘密基地から出られねーって、ショボンが言ってただろ?」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺?@縺ヲ縲√◎縺薙∪縺ァ」
(*^ω^)ノ「がんばるおー! えいえいおー!」
(..'A`)「はりきりすぎてまた落っこちるなよ?」
(*^ω^)ノ「大丈夫だ、おうっ?」グラッ
(..'A`)「あっ」
(*゚ー゚)っ「縺?繧」
( ^ω^)(おちる)
ヒュルルルルルル...
グチャッ
「……あーあ。だから言ったのに」
.
52
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:22:10 ID:bTADR6Gs0
ξ*゚⊿゚)ξ「先生、お待たせ! 蝶のお花かざり終わったわ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「やっぱり先生はキレイね、絵の中から出てきたみたい」
( )「…………」
ξ*゚⊿゚)ξ「ねぇ、先生! あのね、おどろかないで聞いてね?」
ξ*゚⊿゚)ξ「なんとなんと! お外の世界から女の子がやってきたのよ!」
( )「…………」
ξ*゚⊿゚)ξ「こんなのってはじめてだわ。 なんだかドキドキしちゃう!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふふふっ。いつか先生がワタシに言ってくれた、
『兄弟ができたみたい』ってきっと、こんな気持ちなのね?」
( )「…………」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっぴり変わってる子なのよ、お人形さんみたいな不思議な子」
ξ゚⊿゚)ξ「ワタシには見た目は先生そっくりに見えて、
声はおっかない鳴き声みたいに聞こえるの」
( )「…………」
ξ゚⊿゚)ξ「みんなには違うカタチに見えるみたい」
ξ゚⊿゚)ξ「どうしてかしら? 先生だったら分かるのかしら?」
( )「…………」
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、レモナ先生?」
|゚ノ ─∀─)
【 |゚ノ ^∀^) レモナ 】
【 ???の少年?少女? 】
.
53
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:23:47 ID:bTADR6Gs0
(..'A`) カキカキ
(*゚ー゚)「縺ェ縺ォ縺励※繧九?」
(..'A`)「日記」カキカキ
( ^ω^)「これがドクオのいつものお決まりなんだお」
(*゚ー゚)「遏・繧峨↑縺?枚蟄」
(..'∀`)「けけけ。 これはオレが作った、オレにしか読めない字だぜ」
( ^ω^)「名づけて『ドクドク文字』だお!」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺上←縺上b縺」
(..'A`)「おかしな名前つけるなっつーの」
(..'A`)「ここじゃあママと先生しか文字を読めなかったんだよ」
(..'A`)「レモナ先生め、オレに字を教えてくれるって言ったのに、
グースカピーヒャラ眠っちまいやがってさ、ケッ!」
ξ゚⊿゚)ξ「つまり先生にはやく目を覚まして欲しいってことね?」
(..'A`)「いや、あー、うん」
ξ゚ー゚)ξ「スナオじゃないんだからっ」
( ^ω^)「日記帳いっぱいだもんね、それでいくつめくらいだお?」
.
54
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:25:33 ID:bTADR6Gs0
(..'A`)「さてね? さっぱり数えてないんだわ」
( ^ω^)「今日はなんて書いたんだお?」
(..'A`)「聞きたいか?」
(..'A`)「『ブーンがまーた秘密基地のてっぺんから落っこちた。
じつにどんくさいヤツである。 おかげさまで、ナクシモノ探しが明日からになった。
もういちど言う。 ブーンとはじつに、どんくさいヤツなのである』ってな」
(;^ω^)「おーん!」
(..'∀`)「ウソだって。 シィがきたことだ」
(*゚ー゚)「繧上◆縺」
( ^ω^)「なんて書いたんだお?」
(..'A`)「知りたければドクドク文字を覚えることじゃ」
( ^ω^)「やっぱりドクドク文字だ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふふふ。 きっとこれからの日記には、シィがいっぱい増えていくのね!」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励r譖ク縺?※繧よ・ス縺励¥縺ェ縺?→諤昴≧縺代←」
(..'A`)「おっと! そいつはオレが決めることだぜ?」
ξ*゚ー゚)ξ「ドクオが思わず日記に書きたくなっちゃうような、
楽しい思い出いっぱい作りましょうね? シィ!」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励〒縺?>縺ョ縺九@繧」
.
55
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:26:44 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)「縺薙%縺ァ繧ょ、慕┥縺醍ゥコ縺ッ襍、縺??縺ュ」
(..'A`)「へぇ。 外の世界でも夕やけは赤いんだな」
コンコン
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、どなた?」
ガチャッ
( |★)(☆ )
ξ;゚⊿゚)ξ「きゃあ!」
( ´_ゝ|★)人(☆|<_` )
(..'A`)「なんだなんだ?」
( ^ω^)「あー!アニジャとオトジャだ!」
( ´_ゝ|★) クルクル
(☆|<_` ) クルクル
( ─ゝ|★) ペコリ
(☆|< ─ ) ペコリ
(..'A`)「うっへぇ。 ほんとにきやがった」
(*^ω^)「いらっしゃいお! 珍しいお客さんだおね?」
( ´_ゝ|★)「こんばんは、枝の生えた少年」
(☆|<_` )「おむかえにあがりました」
(..'A`)「ええい、いちいちポーズをきめるんじゃあない!」
(*^ω^)「ボクのことを?」
ξ゚⊿゚)ξ「アニジャとオトジャがブーンをむかえにきたってことは、
今日ブーンがお世話になるところは……」
( ´_ゝ|★)「そのとおり、オレら」
(☆|<_` )「鳳蜘蛛(あげはぐも)です」
.
56
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:28:44 ID:bTADR6Gs0
\( ´_ゝ|★)「さあ、いきましょう」
(☆|<_` )/「ちいさなママ、モララーさまがおまちです」
( ^ω^)「おー! いきましょー!」
ξ゚⊿゚)ξ「いってらっしゃい」
(..'A`)「ブーン、また明日な」
(*゚ー゚)「縺輔h縺?↑繧」
( ^ω^)「いってきますお!」
パタンッ
(..'A`)「なんでツンはいつもあの双子にびっくりしてるんだ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「だってトビラを開けたらいきなりへんてこなお面があるんですもの!」
ξ;- ⊿-)ξ「アニジャとオトジャは苦手じゃないけど、
あのお面はいつまでたっても得意になれないわ」
(*゚ー゚)「縺ゅl縺ッ驕灘喧蟶ォ縺ョ莉ョ髱「」
(*゚ー゚)「縺イ縺ィ縺、縺ョ莉ョ髱「繧堤悄繧謎クュ縺ァ蛻?▲縺ヲ縲√?繧薙?繧薙%縺励※繧」
ξ゚⊿゚)ξ「シィ、なんて?」
(..'A`)「ありゃあ『ドウケシのカメン』?だと。
『ひとつのカメンをまんなかでちょん切って、はんぶんこしてる』とさ」
ξ*゚⊿゚)ξ「シィはとってもものしりなのね?」
(*゚ー゚)「縺昴s縺ェ縺薙→縺ェ縺?? 繧上◆縺励↑繧薙※」
(..'A`)「そういうときは『ありがとう』でいいんだぜ」
(*゚ー゚)「窶ヲ窶ヲ縺ゅj縺後→縺」
.
57
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:29:09 ID:bTADR6Gs0
( ´_ゝ|★)「つきました」
(☆|<_` )「どうぞ、中へ」
( ^ω^)「おん!」
( ^ω^)(なんだろう? トビラの向こうから楽しそうな音が聞こえるお?)
ガチャッ...
( ^ω^)「!」
( ・∀・)「待っていたよ、枝の生えた少年!」
ズンチャッチャー
ズンチャッチャー
(*^ω^)「わあ!」
( ・∀・)「さあさあ! よってらっしゃい、みてらっしゃい!」
( ・∀・)「これはキミのためのブタイ! オレたちは小宵、
キミのために歌い、キミのために踊り、キミのために演じる!」
o川*゚ー゚)o「〜♪」
川 ⁂々゚)「〜♪」
(*^ω^)「このお歌は……」
( ・∀・)「大切なオレたちのおきゃくさま!
そんなすみっこにいないで、どうぞブタイノまんなかへ!」
.
58
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:29:35 ID:bTADR6Gs0
( ´_ゝ|★)「オドリコたちのまんなかを歩いて、」
(☆|<_` )「ちいさなママのところへいってください」
(*^ω^)「おん!」
ズンチャッチャー
ズンチャッチャー
( ´_ゝ|★)「お部屋のかざりつけはカンペキ」
(☆|<_` )「小道具のできばえもカンペキ」
( ´_ゝ|★)「ちいさなママの指揮も、」
(☆|<_` )「肌の溶けた少女と触手の生えた少女の歌も、」
( ´_ゝ|★)「みんなの踊りも、ハナレワザもカンペキ」
(☆|<_` )「オレらのゴショウタイもカンペキ」
( ´_ゝ|★)人(☆|<_` )「さすがだよな、オレら」
ズンチャッチャー
ズンチャッチャー
(*^ω^)「おお!」
( ・∀・)「トクトウセキへようこそ! 鳳蜘蛛のブタイは楽しんでいるかな?」
(*^ω^)「あのね、あのね! ボクの動きに合わせて、まわりの子が動いてくれてるんだお!」
(*^ω^)「ボクまでブタイのひとつになったみたいで楽しいお!」
( ・∀・)「いつでもオレについてきたまえ! ただしくカンペキな歌い方と踊り方を教えよう!」
( ・∀・)「さあ、フィナーレだ!」
.
59
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:30:00 ID:bTADR6Gs0
ジャンッ♪
( ・∀・)「ウタヒメとオドリコたちに拍手を!」
(*^ω^) パチパチ
( ・∀・)「今日もオレの鳳蜘蛛のブタイは素晴らしい!
そうは思わないかい、アニジャ、オトジャ?」
( ´_ゝ|★)「そのとおりです」
(☆|<_` )「ちいさなママ」
(*^ω^)「すごいすごい! みんなおじょうずだお!」
( ・∀・)「レンシュウのタマモノというやつさ!
いつママが帰ってきても、楽しませてあげられるように」
( ・∀・)「もうオレらを置きざりにしたいだなんて思わないはずさ!」
(*^ω^)「今日ってなんかのお祝いなんだお?」
( ・∀・)「そう、これはお祝いさ! キミがここへきてくれたお祝い!」
(*^ω^)「ボク?」
( ・∀・)「もっと知ってもらいたいのさ!
枝の生えた少年に、尻尾の生えた少女に、鱗の生えた少年に、キミたちに!」
( ・∀・)「オレたち鳳蜘蛛のことを!」
.
60
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:30:25 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「鳳蜘蛛のことなら知ってるお! ちいさなママはモララーだお!
そんでもって、アニジャとオトジャがちいさなママのお手伝いしてるお!」
( ・∀・)「そんなもんかい?」
( ^ω^)「みんなでおんなじ黒いお洋服を着てるお! 鳳蜘蛛しか着られないって言ってたお!」
( ・∀・)「もっと!」
( ^ω^)「いつも歌ったり踊ったりしてるお! あとおっきい玉にのったり、火をふいたり、
棒につかまったり、すごいんだお! ときどきボクたちに見せてくれるお!」
( ・∀・)「もっと! もっと!」
( ^ω^)「キュートとクルウは歌がじょうずなんだお!」
o川*゚ー゚)o「きゃー! キューちゃんかわいいってほめられちゃった!」
川*⁂ 々゚)「クルウちゃん、おじょうず? うれしい、うれしい!」
( ^ω^)「アニジャとオトジャはハナレワザするのがじょうずなんだお!」
( ´_ゝ|★)「空中ブランコは」ブラン
(☆|<_` )「おてのもの」ブラン
( ^ω^)「鳳蜘蛛はみんなみんな、歌ったり踊ったりするのがじょうずなんだお!」
( ・∀・)「ではなぜ、教会の子供達が『鳳蜘蛛』と『斑蜂』の二つに分かれたか覚えてるかい?」
( ^ω^)「えっとね、えっと、忘れちゃったお。
ボクはママを待つってはじめに決めちゃったから」
.
61
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:30:55 ID:bTADR6Gs0
( ・∀・)「聞きたまえ! 枝の生えた少年よ、そして鳳蜘蛛の子供達よ!
これはオレたちの物語! オレたちの御伽噺!」
( ・∀・)「オレたちにはママがいた。
きっととっても優しくて、きっととってもうつくしいママ!」
( ・∀・)「けれどもある日、なんにも言わずにいなくなってしまった。
教会のトビラにひとつだけカギをかけて、どこかにいってしまった」
( ・∀・)「子供にはママがいなくっちゃダメなのさ、ママがそう言ってたのさ」
( ・∀・)「だからこのオレ、『モララー』」
【 ( ・∀・) 】
( ・∀・)「『ワカッテマス』」
【 ( <◯><◯>) 】
( ・∀・)「『レモナ』」
【 |゚ノ ^∀^) 】
( ・∀・)「三人で新しいママになろうとしたのさ」
( ・∀・)「なんせははじめにこの教会へつれてこられた三人の子供!
他の子らよりは少しばかり大きいけれど、
まだまだママよりは小さい『ちいさなママ』だ」
( ・∀・)「やがて教会の子供達がおんなじ夢を見るようになった頃、ヒゲキが起きてしまった。
そう、レモナが夢を見たまま目を覚まさなくなったのさ!」
【 |゚ノ ─∀─) 】
( ・∀・)「三人だった『ちいさなママ』が二人になってしまった。
そしてモララーとワカッテマスはごらんのとおり、まるで合わないったら合わないのさ」
( ・∀・)「大きな声では言えないけれど、オレはだね……
『ワカッテマス』は『ワカラズヤデス』に名前を変えた方がいいと思ってる!」
( ・∀・)「キミたちもそう思うだろう、アニジャ、オトジャ?」
( ´_ゝ|★)「おっしゃるとおりです」
(☆|<_` )「ちいさなママ、モララーさま」
.
62
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:31:23 ID:bTADR6Gs0
( ・∀・)「モララーは『新たなママとなり、みんなを新しいカタチへ導きながら、本当のママの帰りを待つ』」
ワカッテマスは『ママの代理人として、ママが作ったオキテを守りながら、本当のママの帰りを待つ』。
( ・∀・)「こうしてモララーは『鳳蜘蛛(あげはぐも)に、
ワカッテマスは『斑蜂(まだらばち)』に分かれたというわけさ!」
( ・∀・)「お分かり? 枝の生えた少年?」
( ^ω^)「ブーンだお!」
( ・∀・)「ブーンだね、覚えたよ」
( ・∀・)「子供にはママがいなくっちゃダメなのさ。
なのにキミにはまだママがいない、それどころかあんな……」
( ・∀・)「とにかくオレらは心配してるのさ」
( ^ω^)「おん? ありがとうだお?」
川 ⁂々゚)「ちいさなママ! エダのはえた少年、まだ?まだ?」
o川*゚ー゚)o「エダくんのお顔を見てよ、ちいさなママ!
あれは『はやくキューちゃんとあそびたいな〜』ってお顔だよ!」
( ・∀・)「そろそろ眠る前のお話しをする時間じゃないかい?」
川 ⁂々゚)「えー!」
o川*゚ー゚)o「ちいさなママ、このとおり! おねがーい!」
川 ⁂々゚)「がーい!」
( ´_ゝ|★)「おねがーい」(☆|<_` )
( ・∀・)「アニジャ、オトジャ、キミたちまで」
( ・∀・)「やれやれ。 ほんのすこしだけだよ、ブ、ブン? ……枝の生えた少年に教えてあげたまえ」
.
63
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:31:52 ID:bTADR6Gs0
o川*゚ー゚)o「やったぁ!」
川 ⁂々゚)「キューちゃんとクルちゃんが、おうたおしえたげる!」
( ^ω^)「それって夢の中の誰かさんが歌ってたお歌だお?」
川 ⁂々゚)「うんうんうん! ママのおうた!」
( ^ω^)「ママ?」
川 ⁂々゚)「うたってるの、きっとママ! だからママのおうた!」
o川*゚ー゚)o「がんばって覚えてレンシュウしたんだもんねー?」
川 ⁂々゚)「ねー!」
o川*゚ー゚)o「〜♪」
川 ⁂々゚)「〜♪」
o川*゚ー゚)o「ほらほら、少年も! さんはいっ」
( ^ω^)「……、〜♪」
川 ⁂々゚)「エダくん、へたっぴ!」
o川*゚ー゚)o「もっとキューちゃんたちのお歌を聞いてベンキョウしなさい!」
(;^ω^)「おーん……」
グイッ
( ´_ゝ|★)「枝の生えた少年」(☆|<_` )
( ^ω^)「おっ、アニジャにオトジャ!」
( ´_ゝ|★)「ちょっとこの箱に入ってくれませんか」
(☆|<_` )「新しいハナレワザのレンシュウです」
.
64
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:32:35 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「これでいいのかお? どんなハナレワザなんだお?」
( ´_ゝ|★)「いまからこの二つのツルギをオレらで」
(☆|<_` )「『いっせーの!』でキミの箱に刺します」
( ^ω^)「おっ?」
( ´_ゝ|★)「けれどもキミは」
(☆|<_` )「キズひとつないはずです」
( ´_ゝ|★)「オレたちがツルギをぬいて」
(☆|<_` )「少年がゲンキに箱からでたら」
\( ´_ゝ|★)「ダイセイコウ!」(☆|<_` )/
(*^ω^)「そんなんできるのかお?」
( ´_ゝ|★)「字はなんにも読めませんが」
(☆|<_` )「ママの本に絵がありました」
(*^ω^)「なんだかすごそう!」
( ´_ゝ|★)「では」
(☆|<_` )「いきます」
(*^ω^)「おん!」
( ´_ゝ|★)「いっせーのっ」(☆|<_` )
ザシュッ
ザシュッ
ドロ...
「「しまった。 こんなはずじゃなかったのに」」
.
65
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:33:00 ID:bTADR6Gs0
ドクン
ドクン
( ─ω─)
ドクン
ドクン
「〜♪」
( ─ω─)(またおんなじ夢の中だお)
( ―ω―)(誰かさんのムネの中の音と、誰かさんの歌だけが聞こえてくる)
ドクン
ドクン
(* ー )っ
( ─ω─)(だれかさんの手が、ボクのアタマを……)
( ─ω─)
( ─ω─)(?)
( ─ω^)(おっ? おおお?)
( ^ω^)(いつもとちがうお。 夢の中で目が開けられ……)
(*゚ー゚)
( ^ω^)(シィ?)
(*^ー^) ニコッ
( ^ω^)
(*゚ー゚)『大丈夫なのです』
( ^ω^)(だれ?)
.
66
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:33:37 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)『ブーンくんのお花、きっと咲きます!』
( ^ω^)「…………」
(*゚ー゚)『綺麗なお水をあげてくださいね、温かい光をあげてくださいね。
いっぱい声をかけて、いっぱい笑って。 それから、それから……』
( ^ω^)「…………」
( ^ω^)(声がでないお)
(*゚ー゚)『きっととっても綺麗なのです! どんなお花が咲いたかあとで教えてくださ……
( )っ
( )っ「起きて」
ドサッ
o川*>ー<)o「おっきろー!」
川 ⁂々゚)「あーさー!」
(;^ω^)「ぐえっ!?」
川 ⁂々゚)「おはよ! エダくん、おはよ!」
o川*゚ー゚)o「キューちゃんに起こしてもらえるなんて、エダくんってばじつに運がいいぞ!」
(;^ω^)「おはようだお、キュート、クルウ」
(;^ω^)「夢のことについて……うぐぐっ、
それよりベッドの上からどいて欲しいお」
o川*゚Д゚)o「ひっどーい! クルちゃんのこと太ってるって言ったー!」
.
67
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:34:13 ID:bTADR6Gs0
川; ⁂々゚)「クルッ!? ふ、ふとってないもん!」ニョロニョロ
(;^ω^)「ぐえっ! ニョロニョロでクビしめるのやめておー!
クルちゃんじゃなくって、ふたりともだおー!」
o川*゚Д゚)o「キューちゃんのことも太ってるって言ったー!」
o川*>Д<)o「あーん! キューちゃんキズついちゃったー!」ドロドロ
川 ⁂々゚)「あー! なかしたー!」
(;^ω^)「泣かないでおー、ぬれちゃうおー」
( ´_ゝ|★)「また肌の溶けてる少女がウソ泣きしてるぞ、オトジャ」
(☆|<_` )「また肌の溶けてる少女がウソ泣きしてるね、アニジャ」
(;^ω^)「アニジャ、オトジャ! お願いだお、キュートとクルウを」
( ´_ゝ|★)「それより枝の生えた少年!」
(☆|<_` )「昨日の夜はすみませんでした!」
ドサッ
(;^ω^)「おおん! さらに重いっ!」
o川*゚ー゚)o「そういえば、聞いて聞いて! キューちゃんね、夢の中でママに会ったの!」
( ・∀・)「おはよう、諸君!」
( ´_ゝ|★)「おはようございます、」
(☆|<_` )「ちいさなママ」
( ・∀・)「準備ができたら子供達の集会にいこうじゃないか。
まだ目を覚ましていない子には、アニジャとオトジャがくすぐりの刑だ!」
\( ´_ゝ|★)/「起きてない子」
\(☆|<_` )/「だーれだっ?」
o川*゚ー゚)o「きゃー!」
川⁂ 々゚)「じゅんびー、じゅんびー♪」
.
68
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:34:42 ID:bTADR6Gs0
( ・∀・)「枝の生えた少年」
( ^ω^)「ブーンだお!」
( ・∀・)「そうだったね、ブーン」
( ^ω^)「ねぇねぇ、ボクのアタマのお花、咲いてるかお?」
( ・∀・)「いつもとおんなじさ」
( ^ω^)、「そっかぁ」
( ・∀・)「ブーン、キミはどうする? 集会のあと一緒にレンシュウするかい?
それともいつもどおり、秘密基地のてっぺんにのぼるのかい?」
( ^ω^)「ううん。 やくそくしたんだお、シィのなくしものを見つけたげるって!」
( ・∀・)「シィ、シィ、ああ、あの子! オレたちに怒ってたかい?」
( ^ω^)「ううん。 ただ、秘密基地のお外に出たがってるお。
シィはただ、なくしものを探しにきただけなんだお!」
( ・∀・)「……そろそろ集会時間だ。 ついておいで、アニジャ、オトジャ」
( ´_ゝ|★)「ちいさなママの」
(☆|<_` )「おおせのままに」
.
69
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:35:11 ID:bTADR6Gs0
バタバタ
バタバタ
(*^ω^)「ドクオはやく! 秘密基地でシィが待ってるお!」
(..'A`)「やいブーン、昨日の夜の鳳蜘蛛どうだったよ?」
(*^ω^)「おん! はじめにジャーンってして、おつぎはラララーってして、
おしまいにグサーってしたお!」
(..'A`)「ぐ……?」
( ^ω^)「ドクオは……シャキンとショボンのお部屋だおね?」
(..'∀`)「あらやだ、分かっちゃう? もうサイッアクだったぜ!」
(..-A`)「起きたらこっちのホホをショボンに、こっちのホホはシャキンに
ニクキュウでプニプニプニプニ押されてるんだもんよォ」
(*^ω^)「おっおっ! だからほっぺたに二人のおててのあとがついてるんだおね?」
(..'A`)「それを言ってくれるな」
( ^ω^)「それからね、いつもとおんなじじゃない夢を見たんだお」
(..'A`)「ブーンもか」
( ^ω^)「ドクオも?」
(..'A`)「知らない女の子が出てきてさ、オレのアタマをなでてさ、
やさしく笑って、そんで言うんだよ、『大丈夫』だって」
( ^ω^)「みんなもおんなじ夢を見たかな?」
(..'A`)「かもな。 ありゃあ誰だったんだ?」
( ^ω^)「わかんないお」
(..'A`)「ほれ、秘密基地についたぜ」
.
70
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:37:36 ID:bTADR6Gs0
(*^ω^)「シィ! ただいまだお!」
(..'A`)「おはようさん、シィ」
(*゚ー゚)「繝悶?繝ウ縲√ラ繧ッ繧ェ」
(..'A`)「うぉっ。 なにしてんだ?」
( ^ω^)「蝶の花びらを床にならべてるんだお?」
(*゚ー゚)「縺薙l縺ッ繧「繧イ繝上メ繝ァ繧ヲ縲√%繧後?繧エ繝槭ム繝ゥ繝√Ι繧ヲ縲
縺薙l縺ッ繧ケ繧ウ繝ォ繧ケ繝輔く繝シ繝「繝ォ繝輔か繝√Ι繧ヲ」
(..'A`)「『あげはちょう、ごまだらちょう、なんとかもるふぉ……』
もるふぉなんだって? いったいなんの話してるんだ?」
( ^ω^)「蝶の花びらに名前をつけてたんだおね」
(*゚ー゚)「繝?Φ縺ッ?」
(..'A`)「ツンならすぐに来るだろうぜ。 ウワサをすれば、ほら」
ξ゚⊿゚)ξ「シィ、おまたせ! ごはん持ってきたわよ」
(*゚ー゚)「縺薙l縺ッ縺ェ縺ォ」
(..'A`)「なにって、ごはんだぜ」
( ^ω^)「ひょっとしてお外の世界じゃごはん食べないのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ごはんが二日に一回じゃあ多いのかもしれないわ」
(*゚ー゚)「莠梧律縺ォ荳?蝗槭□縺鯛?ヲ窶ヲ」
(..'A`)「食べ方が分からないのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「こうするのよ、お皿に入った蝶の花びらをね、フォークでさしてね」
ξ゚⊿゚)ξ「はい、あーん」
.
71
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:39:03 ID:bTADR6Gs0
(*゚ー゚)「縺?i縺ェ縺?o」
(..'A`)「いらないみたいだぜ」
( ^ω^)「やっぱりごはん食べないんだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「ザンネンだわ。 食べるとあまくっておいしくって、
あったかい気持ちになって、しあわせになるのよ」
(*^ω^) ジー...
ξ゚⊿゚)ξ「はい、あーん」
(*^ω^) パクッ!
ξ゚⊿゚)ξ「ごはん欲しくなったらいつでも言いなさいよね?
ワタシを頼ってくれていいんだから!」
(*゚ー゚)「鬆シ繧翫↓縺ッ縺励※繧九o」
( ^ω^)「よーし! シィのイノチを探しにいくおー!」
ξ゚⊿゚)ξ「イノチってどんなカタチ?」
( ^ω^)「しあわせなカタチだお!」
(..'A`)「しあわせってどんなカタチだ?」
( ^ω^)「うーん……」
ξ゚⊿゚)ξ「うーん……」
(..'A`)「うーん……」
( ^ω^)「ママのカタチだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「蝶のお花のカタチかしら?」
(..'A`)「カタチなんてあるのか?」
(*゚ー゚)「縺斐a繧薙↑縺輔>縲 蛻?°繧峨↑縺上※」
(..'A`)「いいってことよ」
.
72
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:42:03 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ「イノチについて、覚えてることはないかしら?
なんだっていいのよ、ちいさいとか、あったかいとか」
(*゚ー゚)「蜻ス」
( ^ω^)「がんばって思い出してお!」
(*- -)「繧上◆縺励?縲∝多」
ピシッ
( ^ω^)「あ、いまシィの手にキズが」
ξ゚⊿゚)ξ「どこどこ?」
( ^ω^)「やっぱりボクにしか見えてないんだおね」
(*゚ー゚)「窶ヲ窶ヲ螢翫l縺ヲ縺」
(..'A`)「『こわれてた』?」
(*゚ー゚)「縺?∴縲∝す縺後▽縺?※縺溘?√°繧」
(..'A`)「『キズがついてた』?」
(*゚ー゚)「谺?迚?r謖√▲縺ヲ繧九?よ戟縺」縺ヲ縺溘?縺壹?√↑縺ョ縺ォ」
(..'A`)「イノチのカケラを持ってたのに、なくしちまったのか」
(*゚ー゚)「縺ェ縺上@縺ヲ縺ェ縺?o縲∝?縺九i縺ェ縺上↑縺」縺溘?」
(..'A`)「『なくしたんじゃなくて、わからなくなった』? なんじゃそりゃあ?」
ξ゚⊿゚)ξ「シィはここにきたとき、なんにも持ってなかったはずよ」
( ^ω^)「とにかくこわれてるものや、キズついてるものを持ってくればいいんだおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「シィと一緒に落っこちてきたなら、
ワタシたちが教会で見たことないものを探せばいいのよね?」
(*゚ー゚)「縺薙%縺ォ縺ゅk縺ィ蛻?°縺」縺溘°繧峨?√%縺薙↓繧?▲縺ヲ縺阪◆縺ョ」
(*゚ー゚)「縺壹▲縺ィ譏斐°繧峨?√%縺薙↓縺ゅ▲縺溘?縺」
.
73
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:43:34 ID:bTADR6Gs0
(..'A`)「『ここにあるってわかったから、ここにやってきた』」
(..'A`)「『ずっとむかしから、ここにあったはず』だって?」
( ^ω^)「それなら話ははやいお!」
ξ゚⊿゚)ξ「見つけたら持ってきて、すぐさまシィに見せてあげましょ!」
(..'A`)「いっさいがっさい覚えちゃあいないのに、どれがなくしものか見てわかるのか?」
(*゚ー゚)「蛻?°繧九? 邨カ蟇セ縺ォ」
(..'A`)「『ぜったいわかる』ね、頼もしいことで」
( ^ω^)「ゼッタイ見つけてみせるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「夕ぐれになったら秘密基地に帰ってこなくっちゃね」
(..'A`)「そうだな。 猫や蜘蛛や蜂なんかの、おむかえがくる前によ」
( ^ω^)ノ「よーし、やるおー! えいえいおー!」
ξ゚⊿゚)ξノ「おー!」
(..'A`)ノ「おー」
(*゚ー゚)
( ^ω^) ジ-...
ξ゚⊿゚)ξ ジ-...
(..'A`) ジー...
(*゚ー゚)「縺ェ縺ォ」
(..'A`)ノ「『おー』だ、シィ、『おー』」
(*゚ー゚)ノ「縺薙≧?」
(*^ω^) パァァ
ξ*゚⊿゚)ξ パァァ
(..'A`)「よし」
.
74
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:45:10 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「まずどこから探すお?」
ξ゚⊿゚)ξ「教会の中!」
(..'A`)「教会の外!」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺」縺。?」
(..'A`)「やっぱりこういうのは、いつもと違うところにあるもんだろ?」
( ^ω^)「さてはお外に出たいだけだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いけないわ、教会のお外だなんて。 ちいさなママが知ったらなんて言うかしら?」
( ^ω^)「えっとね、モララーにオシオキ部屋に閉じこめられて、
ワカッテマスに杖でこっぴどくひっぱたかれるお!」
(*゚ー゚)「縺ゅ↑縺溘◆縺。縺ォ縺ッ髢「菫ゅ↑縺?? 繧上◆縺嶺ク?莠コ縺ァ縺?¥繧」
(..'A`)「いんや、そっと出かけてみようぜ。 ゼッタイにバレやしないって」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなこと言って! 前は教会からちょこっと出ただけでバレちゃったじゃない。
シャキンはおハナがいいんだから!」
(`・ω・´)「あおーん!」
( ^ω^)「あっ! シャキン!」
(`・ω・´)「はっはっは! 今のは『そのとおり!』の『あおーん』だ!」
(*゚ー゚)「縺励c縺ケ繧狗堪」
(`・ω・´)+「好奇心旺盛なのはいいことだが、
教会の番犬として、子供達が危険な外に行くのを見逃すわけにはいかない!」
ξ゚⊿゚)ξっ「シャキンくん!」ナデナデ
(..'A`)っ「シャキンだ」ナデナデ
(`・ω・´)「んんんっ? いいぞ、存分にもふもふしていいぞ!
肉球だってぷにぷにしていいんだぞ!」
.
75
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:46:27 ID:bTADR6Gs0
モフモフ
プニプニ
(`・ω・´)「……満足したかい、少年少女? おほんっ、それじゃあ改めて」
(`・ω・´)+「教会の番犬として、子供達が危険な外に行くのを見逃すわけにはいかない!」
(..'A`)「ちぇっ」
ξ゚⊿゚)ξ「仕方ないわよ。 教会の中から探しましょ」
(`・ω・´)「落とし物でも探してるのかい?」
( ^ω^)「ナクシモノをさがしてるんだお! シィのイノチだお!」
(`・ω・´)「はっはっはっ! イノチか、それはいい! 絶対に見つけてあげなくっちゃいけないね!」
(*゚ー゚)「謨吩シ壹?螟悶↓縺ッ繧上◆縺励′縺?¥繧」
(..'A`)「外の世界にはシィがいく、ってさ」
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇシャキン、ワタシたちがお外に出られないなら、
シィをお外に出してあげてもいいでしょ? ねっ?」
(`・ω・´)「むっ」
( ^ω^)「ひとりぼっちになったらダメだお!」
(`・ω・´)「むむむっ」
(*゚ー゚)「鬧?岼縺ィ險?繧上l縺ヲ繧ゅ>縺上o」
(..'A`)「どうしてもいきたいそうだ」
(`・ω・´)「君達の想いは受け取った! いいだろう、俺が彼女と一緒にいこう!」
ξ゚⊿゚)ξ「シャキンちゃんが?」
( ^ω^)「ほんとに?」
(..'A`)「いいのか?」
(`・ω・´)「太陽犬に二言はないさ! それにだ、止めても君達勝手に外に行くだろう?」
.
76
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:47:54 ID:bTADR6Gs0
(..'A`)「うん」
(`・ω・´)「ならいっそ外に行って満足してもらおう、ってなわけだ!
子供達が大きくなるのを見届けるのが、俺達兄弟とママの契約だからね!」
(..'A`)「さっすがシャキン! 話が分かるねぇ」
(`・ω・´)「なにより俺は鼻がよく利くからな! 探しもの、いや、
ナクシモノなんておちゃのこさいさいだ! あっはっはっ!」
(*゚ー゚)「縺ゅ↑縺溘?繧上◆縺励′諤悶¥縺ェ縺??」
(..'A`)「ほんとだ。 シャキンはシィを見てもなんともないんだな」
ξ゚⊿゚)ξ「どんなふうに見えてるの?」
(`・ω・´)「花の集合体さ!」
(*゚ー゚)
(`・ω・´)「ああ、花っていうのは綺麗だけどおっかないね、なんせ俺は花粉症なもんでね!」
( ^ω^)「キレイだお?」
(`・ω・´)「あははっ! 見る人が見たら綺麗かもしれないね!
顔も体もない肉の塊を埋め尽くすように、花がひしめきあって咲いてるぞ!」
(*゚ー゚)「縺。縺」縺ィ繧らカコ鮗励§繧?↑縺?o」
(`・ω・´)「そうと決まったら出かけよう! 言葉の壁なんてなんのそのだ!
戻るまで教会を頼んだぞ、ママの子供達!」
ξ゚⊿゚)ξ「まかせてちょうだい!」
(..'A`)「外の世界なんてうらやましいぜ。 しっかりやってこいよ?」
( ^ω^)「お外の世界から帰ってきたら、いっぱいお話し聞かせてお!」
(*゚ー゚)「繧上°縺」縺」
.
77
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:48:24 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ「ガラクタ置き場にきてみたはいいものの」
(..'A`)「こりゃあガラクタの山だな」
( ^ω^)「おーい! シィのイノチやーい! どこだおー?」
ガサガサッ
(..'A`)「アイツいつのまにかガラクタ山のてっぺんにのぼってら」
ξ;゚⊿゚)ξノシ「あぶないわブーンー! くずれちゃったらどうするのー!」
(..'A`)「こないだここで穴だらけになったの、すっかり忘れてるんだろうなぁ」
( ^ω^)ノシ「大丈夫だおー!」
タタタタタッ
(#><)「こらー! いっこも大丈夫じゃないんです!
いますぐおりてきやがれコンチクショウなんです!」
(..'A`)「でたっ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ビロード!」
(#><)「ガラクタ置き場はタチイリキンシなんです!
このことはワカッテマスくんにゴホウコクさせてもらうんです!」
(..'A`)「でもポッポものぼってるぜ」
.
78
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:48:48 ID:bTADR6Gs0
(*‘ω‘ *)「ぽっ!」
( ^ω^)「おっ! てっぺんにようこそ、ポッポちゃん!」
(;><)「ポッポちゃんんん!? 異端児のマネしたらだめなんです!
ホコリタカキ斑蜂はそんなハシタナイことしないんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽ?」
( ^ω^)「よくわかんないって顔してるお」
(#><)「おのれ異端児め! よくもポッポちゃんにわるいことさせましたね!
異端児め! 異端児め異端児め異端児め!」
(☆|<_` ) タタタタタッ
ギュッ
(;><)「はっ!! しまったんです!」
(☆|<_` )「ビロード、シケイ!」
ゴーンゴーン
ゴーンゴーン
(;><)「あああああああああああああああ!!」
( ´_ゝ|★)「教会のカネが鳴ったぞ!」
(☆|<_` )「戦いおしまいの時間だ!」
( ´_ゝ|★)「今日はオレら『鳳蜘蛛』の勝ちだな」
(☆|<_` )「モララーさまがゴホウビをくださるぞ」
(;><)「どうしよう、どうしよう、どうしよう! ワカッテマスくんにしかられるんです!」
(*‘ω‘ *;)「ぽう……」
.
79
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:49:12 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「今日はなにして戦ってたんだお?」
( ´_ゝ|★)「怪物ごっこです」(☆|<_` )
( ><)「魔女ごっこなんです!」
( ´_ゝ|★)「ひとりが怪物役で、あとは子供役」
( ><)「魔女役!」
(☆|<_` )「聖なる水の入った小さなビンを持って」
( ´_ゝ|★)「子供役のみんなを追いかけます」
(☆|<_` )「怪物役に抱きつかれて、」
( ><)「魔女役!」
( ´_ゝ|★)「ムネに小さなビンをくっつけられて、」
(☆|<_` )「『◯◯◯(名前)、シケイ!』と言われたら、」
( ´_ゝ|★)「次はその子供が怪物役です」
( ><)「魔女役!」
\( ´_ゝ|★)「教会のカネが鳴ったらはじまり、」
(☆|<_` )/「教会のカネが鳴ったらおしまい」
.
80
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:49:38 ID:bTADR6Gs0
( ´_ゝ|★)「終わったときに怪物役だったビロードがいる」
( ><)「魔女役!」
(☆|<_` )「斑蜂が今日は負け、というわけです」
(#><)「ええい、うっとうしい! しゃべるたんびに踊るんじゃあないんです!
これだから鳳蜘蛛は! 鳳蜘蛛は!!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」クルクル
(*^ω^)「楽しそうな遊びだお!」
(#><)「戦いなんです!!」
(..'A`)「オマエさんたち、いつもいろんな戦いしてるよな」
( ><)「斑蜂のがママのこと分かってるって、ショウメイするんです!」
( ´_ゝ|★)「キミたちは」
(☆|<_` )「なにをしてるのですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「シィのイノチを探してるの」
( ´_ゝ|★)「魔女のシィ?」(☆|<_` )
( ><)「怪物のシィ?」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽぃ?」
( ^ω^)「ボクたちの『シィ』だお!」
.
81
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:51:53 ID:bTADR6Gs0
スタスタ
スタスタ
(`・ω・´)「やあやあ、久しぶりの外だ! 天気も清々しい!
イノチを探すついでに、楽しくお散歩といこうじゃないか!」
(*゚ー゚)「縺頑淵豁ゥ縲∝ャ峨@縺?シ 縺励▲縺ス謖ッ縺」縺ヲ繧」
(`・ω・´)「この秘密のお散歩、ショボンにはヒミツにしといてくれよ?
あれは外の世界に憧れていてね、兄ちゃんばかりずるいずるいとむくれるだろうから」
(*゚ー゚)「濶イ縺ョ縺、縺?◆迥ャ繧?賢縺悟、悶?荳也阜縺ォ縺?◆繧画ョコ縺輔l縺ヲ縺励∪縺?o」
(`・ω・´)「ははっ! 表情も言葉もさっぱり分からないな!」
(`・ω・´)「さては太陽色の犬は初めてかい? 外の世界じゃ犬や猫は白がほとんどだと聞くからね!
色のついた犬は話すことができるんだ。 まさに今、こんな風に!」
(*゚ー゚)「蛻昴a縺ヲ縺倥c縺ェ縺?? 謨ー蜊∝ケエ縺カ繧翫h」
(`・ω・´)「おっと! いきなり牙をむいて噛みつきやしないから安心していいぞ!
ごらんのとおり、俺は無口でおとなしい犬なんだ! はっはっはっ!」
(*゚ー゚)「逕溘″谿九j縺ッ縺阪▲縺ィ縲√≠縺ェ縺溘◆縺。縺?縺」
(`・ω・´)「君の名前はシィ、だったね? 君のイノチはどんな形をしてるんだろうね?」
(*゚ー゚)「繧上°繧峨↑縺」
(`・ω・´)「ブーン達から話は聞いたよ! なくしものはイノチで、
『壊れてるもの、傷ついてるもの、そして大切なもの』だと」
(`・ω・´)「それを見つけるためにこの教会にやって来たんだと。
せして自分に関する記憶をなくしてしまったんだと」
(*゚ー゚)「縺昴≧」
.
82
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:53:18 ID:bTADR6Gs0
(`・ω・´)「外の世界から人が来たのは初めてのことだ。
こんな日がくるだなんて、本当に、本当に、いまだ夢のようさ!」
(`・ω・´)「焦らなくていいんだぞ? ゆっくりとゆっくりと思い出せばいいんだ!
なんせ時間はたっぷりあるんだからね! はっはっはっ!」
(*゚ー゚)「縺昴≧縺?縺ィ縺?>縺代l縺ゥ」
スタスタ
スタスタ
(*゚ー゚) ピタッ
(`・ω・´)「どうしたんだい?」
(*゚ー゚)「陜カ縺ョ闃ア縺後↑縺上↑縺」縺」
(`・ω・´)「気付いたかい? 教会の敷地から出ると、蝶の花がとんとなくなるんだ。
(`・ω・´)「ここからは生えてる植物も変わって、森が一気に険しくなる。
朝だと言うのにこの暗さと寒さだ。目印なんてないから鼻がきかなけりゃあ迷子にだってなる」
(`・ω・´)「子供達に知られたくないという気持ち、君なら分かってくれるかい?」
(*゚ー゚)
(`・ω・´)「おっかないかい? 引き返すかい?」
(*゚ー゚)「諤悶¥縺ェ縺?o」
(`・ω・´)「行くんだね」
.
83
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:54:50 ID:bTADR6Gs0
スタスタ
スタスタ
(`・ω・´)「そろそろかな。前方にご注意を」
(*゚ー゚)「?」
スタスタ
トンッ
(*゚ー゚)「?」
(`・ω・´)「中の世界はここまでだ」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺?@縺ヲ」
(`・ω・´)「いま何かにぶつかっただろう?
それは教会を囲むようにして広がっている、見えない壁だ。
壁の向こう側に見えてる景色が本当なのかも、もう分からない」
(*゚ー゚)「驕輔≧繧」
(`・ω・´)「俺達はずっと、もうずっと、この中の世界から出てないんだ」
(*゚ー゚)「螢√?蜷代%縺??縺ョ譎ッ濶イ縺ッ縺薙s縺ェ繧薙§繧?↑縺」
(`・ω・´)「なぜ話したかって? 望まない形で知られてしまうくらいなら、
望んだ形で教えてしまった方がいいと思ったからさ!」
(*゚ー゚)「闕峨b闃ア繧ら函縺医↑縺??エ謇?縺ォ縺ェ縺」縺ヲ縺励∪縺」縺」
(`・ω・´)「子供達に知られたくないという気持ち、君なら分かってくれるかい」
(*゚ー゚)
.
84
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:56:47 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ カキカキ
(*゚ー゚) ジー
ξ゚⊿゚)ξ「できた! いい、シィ? この絵を見て」
(*゚ー゚)「縺医∴」
ξ゚⊿゚)ξ「まずは鳳蜘蛛ね」
【 ( ・∀・) 】
ξ゚⊿゚)ξ「モララーはアタマからツノが生えてる子よ。
まるで絵本の中から出てきたみたいでしょう?
ブーンのエダとはまた違うカタチをしてるわね」
(*゚ー゚)「螻ア鄒」
【 ( ´_ゝ|★)(☆|<_` ) 】
ξ゚⊿゚)ξ「アニジャとオトジャは体のはんぶんが青色と緑色になってる子。
色が違う方には仮面をつけたり洋服や手袋で隠したりなんかして、
あんまり見えないようにしてるみたい。 大切だからなんですって」
(*゚ー゚)「繧「繝九ず繝」縲√が繝医ず繝」」
【 o川*゚ー゚)o 】
ξ゚⊿゚)ξ「キュートは体のあちこちがドロドロにとけてる子。
泣きマネにゴヨウジン! ワタシみたいにすぐ引っかからないでよね?
とけて落ちたものはしばらくもしたらウソみたいに消えちゃうみたい」
(*゚ー゚)「繧ュ繝・繝シ繝」
【 川 ⁂々゚) 】
ξ゚⊿゚)ξ「クルウはかたっぽの目からニョロニョロが生えてる子。
いつもは短いけどほんとは長いんですって。
かまって欲しくてよくクビつかんでくるから、気をつけてちょうだいね」
(*゚ー゚)「繧ッ繝ォ繧ヲ」
.
85
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 22:58:41 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ「そして斑蜂」
【 ( <◯><◯>) 】
ξ゚⊿゚)ξ「ワカッテマスは体のあっちこっちに目がある子。
ワタシたちとおんなじところにある、お顔の二つの目は見えてないんですって。
だからいつも杖を持ってるのよ。でもそれ以外の目は見えてるみたいだから、
体のあっちこっちにある目と、目の下にある目は見えてるんじゃないからしら?」
(*゚ー゚)「繝ッ繧ォ繝?ユ繝槭せ」
【 ( ><) 】
ξ゚⊿゚)ξ「ビロードは口が耳まである子。
いつもはそんなことないんだけど、おっきな声を出すときだけおっきく口が開くの。
教会のどこにいたって聞こえるようなおっきい声が出せるのは、この子だけね」
(*゚ー゚)「繝薙Ο繝シ繝」
【 (*‘ω‘ *) 】
ξ゚⊿゚)ξ「チンポッポは足が虫の足になってる子。
はねる力がすごくって、ちょっと見てない間にあっちこっち
ぴょんぴょんいっちゃうから、なんだかほっとけないわ」
(*゚ー゚)「繝√Φ繝昴ャ繝」
【 从 ゚∀从 】
ξ゚⊿゚)ξ「ハインリッヒはアタマから虫の羽が生えてる子。
怒ってるときに羽を広げたりはばたいたりするの、おっかいないからやめて欲しいわ。
お空は飛べないけどちょっぴり浮くことができるみたい」
(*゚ー゚)「繝上う繝ウ繝ェ繝?ヲ」
【 (-_-) 】
ξ゚⊿゚)ξ「ヒッキーはウデがよっつある子。
恥ずかしがり屋でいつもウデでお顔を隠してるの。 体は見えてるんだけどね。
アタマの中がてんやわんやなときは、ウデがこんがらがっちゃうみたいだわ」
(*゚ー゚)「繝偵ャ繧ュ繝シ」
ξ゚⊿゚)ξ「次の子は……」
.
86
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:00:05 ID:bTADR6Gs0
(..'A`)「なにしてるんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「シィにワタシたちのことを教えてあげてるのよ」
( ^ω^)「この絵ツンがかいたんだお? おじょうずだお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ほめてもなんにも出ないわよ?」パタパタ
(*゚ー゚)「縺励▲縺ス謖ッ縺」縺ヲ繧」
(..'A`)「しっかし今日は見つからなかったな、シィのイノチ」
ξ゚⊿゚)ξ「シィとシャキンもザンネンだったわね、せっかく外の世界までいったのに」
(*^ω^)「お外はどんなところだった?」
(*゚ー゚)「縺ェ繧薙↓繧ゅ↑縺九▲縺溘o」
(*^ω^)「楽しかった? 広かった? 好きなものはあった?」
(*゚ー゚)「縺?>繧ゅ?縺ェ繧薙※縺イ縺ィ縺、繧ゅ↑縺九▲縺溘o」
(..'A`)「マジかよ」
ξ゚⊿゚)ξ「なんて?」
(..'A`)「外の世界にはいいものなんてひとっつもなかった、とさ」
ガチャ‼︎
バタンッ!!
( ><)「ブーン少年! 時間なんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ひゃっ!?」
( ^ω^)「おっ?」
(..'A`)「なーんだ、ただのビロードとポッポか」
.
87
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:00:53 ID:bTADR6Gs0
ξ;゚⊿゚)ξ「お部屋に入るときはトビラをコンコンしてから開けなさいよね!」
(;><)「ああっ! ゴアイサツを忘れてたんです! このままじゃあワカッテマスくんに
『斑蜂にあるまじきオギョウギの悪さ』ってしかられちゃうんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽ?」
( ><)「こんばんは、ごきげんよう、おじゃまします!
そして見つけたんです、ブーン少年!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」
( ^ω^)「今日はボクが斑蜂なんだおね?」
( ><)「これからテメェサマをちいさなママ、
ワカッテマスくんのところに連れていくんです!」
( ^ω^)「おっ」
( ><)「ちいさなママのケッテージコーなんです!
テメェサマの返事は聞いてないんです!」シュルシュル
(;^ω^)「おっ? おっ? おっ?」
( ><)「ポッポちゃん、お願いします!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」ヒョイッ
(;^ω^)「おわー! さらわれるー!」
(..'A`)「うわあ、あれオレもやられたわ」
ξ゚⊿゚)ξ「ワタシもやられたわ」
(..'A`)「ビロードに手と足をしばられて、ポッポにかつがれていくやつな」
ξ゚⊿゚)ξ「ポッポったらちっちゃいのにこの教会イチバンのチカラもちよね」
(*゚ー゚)「縺翫°縺励↑蟄宣#」
.
88
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:01:17 ID:bTADR6Gs0
( ><)「いいですか、ポッポちゃん?
ロウカはこうやって、右側を歩くんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽ?」
( ><)「ロウカの右側はボクたちが、左側はいまいましい
キャツらが歩く、そう決まってるんです」
(*‘ω‘ *)「ぽぽぽ?」
( ><)「決まってるったら決まってるんですよ、
ママのダイリニンであるワカッテマスくんがそう言ってたんです」
( ><)「ママの言うことはゼッタイなんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽー?」
ガチャ‼︎
( ><)「ちいさなママ! ただいまなんです!」
(*‘ω‘ *) コンコン
(*‘ω‘ *)「ぽぽいまー!」
( <◯><◯>)「おかえりなさい、ワタシのかわいい子供達」
( <◯><◯>)「そして」
コツンッ
(;><)「あうっ」
( <◯><◯>)「ビロードくん、あれほど言ったでしょう?」
コツンッ
( <◯><◯>)「お部屋に入るときはトビラをノックしなさいと」
コツンッ
( <◯><◯>)「斑蜂にあるまじきオギョウギの悪さですよ」
(;><)「あばばばば! ごめんなさい! ワカッテマスくん!
もうしないんです! 杖でオデコつっつかないで欲しいんです!」
( <◯><◯>)「よろしい」
.
89
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:01:39 ID:bTADR6Gs0
(*‘ω‘ *)「ぽー!」
( <◯><◯>)「ビロードくん、ポッポちゃん、ありがとうございます。
ブーン少年をここまでご案内してくれて」
(;^ω^)「おーん」
( <◯><◯>)「おやおや。 ナワでしばられてユカにころがっている、
いまのアナタまるで絵本で見たイモムシみたいですね?」
(;^ω^)「はやくほどいて欲しいおー」
( <◯><◯>)「ワタシまだ怒ってるんですよ。
かってに怪物の名前を、『シィ』の名前を使ったこと!」
( <◯><◯>)「しばらくそのまま地べたをはってなさい」
(;^ω^)「おーん、おーん」
( <◯><◯>)「お待たせ、斑蜂のかわいい子供達」
( ><)
(*‘ω‘ *)
从 ゚∀从
(-_-)
( <◯><◯>)「ビロードくん、灯りを消しなさい」
( ><)「はい、ワカッテマスくん!」
( <◯><◯>)「ポッポちゃんはロウソクに火を」
(*‘ω‘ *)「ぽい!」
( <◯><◯>)「ハインリッヒくん、ワタシのイスを部屋のまんなかに」
从 ゚∀从「まかせてくださいよ、ワカッテマスくん!」
.
90
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:02:02 ID:bTADR6Gs0
( <◯><◯>)「子供達、ワタシの声が聞こえるように集まりなさい。
そのまま地べたに座りなさい」
(*^ω^)「なんだかわくわくしてきたお! なにがはじまるんだお?」
( <◯><◯>)「さあ、ちいさなママの本を開いて」
ペラ..,
( <◯><◯>)「ヒッキーくん、ブーン少年のナワをほどいて、一緒に本を見せてあげなさい」
(-_-)「ひゃいっ!? あっ、ちいさなま、ままま、まま」ブツブツ
( ^ω^)「なんの本だお?」
(-_-)「ちいさなママの本、だ。 なんでボクが見せてあげなくっちゃいけないんだっ」ブツブツ
( ^ω^)「絵だけの本なんだおね」
(-_-)「ちちいさなママ、でも、字はかけない、から」ブツブツ
( ^ω^)「絵だけでもわかるお!」
(-_-)「も、だまって、だまれよ。 ボクまでちいさなママに、しかられる、だろ」ブツブツ
( <◯><◯>)「ママに祈りを捧げましょう。 ワタシたちの物語を語りつぎましょう。
忘れてしまわないように、何度も何度も、くりかえしましょう」
( <◯><◯>)「そうすればママが帰ってきたとき、きっと喜んでくださるはずだから。
これだけが、ママの名前もお顔も知らないワタシたち
教会の子供に残された、ママとのさいごのつながりなのだから」
( <◯><◯>)「さて、昨日はどこまで読みましたか?」
( ><)ノ「はい! じゅういちぺーじ、までなんです! ワカッテマスくん!」
( <◯><◯>)「ははぁ、今日は十二ページですか。 ワタシが大ッキライな十二ページですか」
(;><)「なんかごめんなさいなんです!!」
( <◯><◯>)「はあ? なんでアナタが謝るんです? 意味が分からない……」
.
91
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:02:23 ID:bTADR6Gs0
( <◯><◯>)「十二ページ目、ママがいなくなった日。
トビラの向こうにいったまま、ママは帰ってきませんでした」
从 ゚∀从
( ^ω^)
( <◯><◯>)「それからです。 教会の子供達がみんな、おんなじ夢を見るようになったのは」
从 ゚∀从 ウツラウツラ
( ^ω^)
( <◯><◯>)「それからです。 レモナが眠ったまま、
いいえ、夢を見たまま目を覚まさなくなったのは」
从う∀从 ゴシゴシ
( ^ω^)
( <◯><◯>)「それからです。 教会中に蝶のお花が咲きはじめたのは」
从 -∀从 フラフラ
( ^ω^)っ「寝たらだめだお、ハインくん」ユサユサ
( <◯><◯>)「それからです。ひもじいのが、くるしいのが、
死ぬほどいたいのが、ワタシたちからなくなったのは」
从 -∀从 グラッ
(;^ω^)「あ,あぶなっ」
ガチャンッ
メラメラ
.
92
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:02:46 ID:bTADR6Gs0
从; ゚∀从「はっ!!」
(;^ω^)「あちあちっ」
(#><)「ハインくん!! なんてことしてくれやがるんですか!?
ワカッテマスくんがお話ししてるでしょうが!!」
从; ゚∀从「まーたやっちまった! わるい、ワカッテマスくん!!」
( <◯><◯>)「アナタへのオシオキはあとです。 それより火を」
(;^ω^)「あついお! 火が、火が!」
( <◯><◯>)「ポッポちゃん、たおれたロウソクを起しなさい。
ワタシは燃えてるブーン少年を消します」
( <◯><◯>)「ビロードくん、刃物を」
( ><)「はい、ワカッテマスくん!」
(;^ω^)「あちちっ」
( <◯><◯>)「燃えてるのはカタですか、ならクビにしましょうね」
ザシュッ
ジュウ...
「いけないいけない、言い忘れてましたね。 ちょっと痛いですよ」
.
93
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:03:10 ID:bTADR6Gs0
ドクン
ドクン
( ─ω─)
ドクン
ドクン
(*゚ー゚)
( ^ω^)(また知らない子だお)
(*゚ー゚)『どうしたのですか?』
( ^ω^)(どうして、ボクの手の上に蝶のお花が?)
( ^ω^)(ちょっぴり動いてるお。 これはお花じゃない蝶だお?)
( ^ω^)『これ。 蝶々が』
( ^ω^)(どうなってるんだお?)
( ^ω^)(ボクの体が、口が、ひとりでに動く)
(*゚ー゚)『この子すごく弱ってるのです……』
( ^ω^)『ボクの指にとまったせいだお。 このまま死んじゃうのかな』
(*゚ー゚)『大丈夫なのです。 手を貸してください』
( ^ω^)(だれかさんの手が、ボクの手をつつむようににぎる)
( ^ω^)(とってもあったかいお)
フワッ
( ^ω^)(あっ。 蝶が)
ヒラヒラ
( ^ω^)(元気になった? お空に飛んでいくお!)
(*゚ー゚)『いってらっしゃい、元気でね」
( ^ω^)(キミはだれなんだろう? シィによく似てるけど)
.
94
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:03:50 ID:bTADR6Gs0
( )っ
( )っ「起きて」
トントン
( ^ω―)「おっ……」
(-_-)「あ、朝なんだけどっ!?」
( ^ω^)「おはようだお、ヒッキー」
(-_-)「ああやだやだ、人を起こすのキンチョウする。 わるいことしか起きない。
ずっとウデの中にひきこもりたい。 ……ああでも、夢の中の女の子はキレイだったなぁ」ブツブツ
( ^ω^)「ヒッキーもおんなじ夢を見たんだおね」
从 ゚∀从「はよ起きろや。 掃除のジャマだぜ、ブーン」
( ^ω^)「おはようだお、ハイン。ボクのアタマのエダ、お花咲いてるかお?」
从 ゚∀从「あ゛あん? いつもとおんなじだっつーの」
( <◯><◯>)「ヒッキーくん、ハインリッヒくん。 忘れ物、わかってます?」
コツンッ
(;-_-)「ひゃいっ!? あ、あ、あ!
『おはようございます』!『おはようございます』ううう!!」
从; ゚∀从「忘れてたァ!! ブーンくんおはよう!
昨日はわるかった!ごめん!このとおりだ!」
( <◯><◯>)「よろしい」
( ^ω^)「おはようだお。 気にしないでお」
.
95
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:04:16 ID:bTADR6Gs0
( <◯><◯>)「おはようございます、ブーン少年。 ワタシからもごめんなさいを
させてください、火を消すとき言い忘れた言葉がありましたね」
( ^ω^)「びっくりしたけど大丈夫だお、ワカッテマス」
(#><)「『ワカッテマスくん』なんです! 『くん』をつけやがれなんです!」
( <◯><◯>) ジー
( ;><)「……あっ!! 『おはようございます』なんです!!」
(*ぅω‘ *)「ぽう……」
( <◯><◯>)「集会にいく前に、ひとつお話しを」
( <◯><◯>)「今日は『箱の日』です。
鳳蜘蛛との戦いが終わったあと、夕ぐれまでには集会のお部屋にいること」
( <◯><◯>)「斑蜂の子供達ならば、遅れることも、忘れることもしません。
鳳蜘蛛とはちがうんです。 ……いいですね?」
( ><)「はい!」
(*‘ω‘ *)「ぽい!」
( <◯><◯>)「ブーン少年、秘密基地にいるアレはどうですか?」
( ^ω^)「シィだお!」
( <◯><◯>)「それは世界を救った怪物の名前です」
( <◯><◯>)「で? どうなんです?」
( ^ω^)「秘密基地のお外に出たがってるお、
なくしものを探したいって言ってるお」
( <◯><◯>)「それはだめです」
( <◯><◯>)「ワタシはちいさなママ、この教会の子供達を守らなくてはいけませんから」
.
96
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:05:32 ID:bTADR6Gs0
(..'A`)「今日の夢のこと覚えてるか?」
( ^ω^)「もちろんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「教会の子供達みんながウワサしてるわ」
(*゚ー゚)「縺ゥ繧薙↑螟「?」
(..'A`)「それがさ……」
『どうしたのですか?』
『大丈夫なのです。手を貸してください』
『いってらっしゃい、元気でね』
(..'A`)「そんな夢だ」
(*゚ー゚)「!」
(..'A`)「見たことない子だったよな?」
( ^ω^)「知らない子だお」
ξ*゚⊿゚)ξ「ひょっとして、あの子がワタシたちのママ?」
(..'A`)「だったらいいな」
(*゚ー゚)「縺」」
ピシッ
( ^ω^)(またシィの体にヒビがひとつ増えたお)
ヒラヒラ
( ^ω^)「えっ?」
( ^ω^)(シィのキズから蝶々が出てきた?)
( ^ω^)(あの蝶々、すけてるお?)
.
97
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:06:59 ID:bTADR6Gs0
ヒラヒラ
( ^ω^)(どこに飛んでいくんだお?)
( ^ω^)
( ^ω^)(あれ)
( ^ω^)(またお空にヒビが?)
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、なにしてるの?」
(;^ω^)「ツン、ツン! お空が、お空に! 見えるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええっと、いつもどおりの青い空だけど?」
(..'A`)「そうだシィ、外の世界の字は分かるか?」
ξ゚⊿゚)ξ「これって……シャキンとショボンの部屋にあったママの本じゃない!
ドクオ、アンタまさかくすねてきたんじゃないでしょうね?」
(..'∀`)「はてさて、なんのことやら?」
( ^ω^)「これってなんの本だお?」
(*゚ー゚)「闍・縺輔→鄒弱@縺輔↓髢「縺吶k譛ャ縺ー縺九j」
(..'A`)「オレたちが帰ってくるまで、これでも読んでたらどうだ?」
(*゚ー゚)「縺薙l縺ォ縺ッ闊亥袖縺ェ縺?o」
(..'A`)「そうか、読まないか」
(*゚ー゚)「繝峨け繧ェ縺御ス懊▲縺滓枚蟄励?蜍牙シキ縺ィ縲√ヤ繝ウ縺ョ謠上>縺溽オオ縺ァ謨吩シ壹?蜍牙シキ縺励※繧」
(..'A`)「『オレが作った文字のベンキョウと、
ツンのかいた絵で教会のベンキョウしてる』だとさ」
ξ゚⊿゚)ξ「ワタシたちはなくしものを、シィはベンキョウを、一緒にがんばりましょうね」
.
98
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:07:30 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「おーい!なくしものー!」
ξ゚⊿゚)ξ「呼んででてくるわけないでしょっ」
ブランッ
( ´_ゝ|★)「なにを」
(☆|<_` )「してるんですか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぴぎゃあ!!」ブワッ
( ´_ゝ|★)b「シィーッ」
d(☆|<_` )「シィーッ」
ξ;゚ぺ)ξ「もごっ」
( ´_ゝ|★)「魔女かくしのまっさいちゅうです」
(☆|<_` )「おしずかに、おしずかに」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぷはっ! だっていきなりサカサマで目の前にあらわれるんですもの!」ブワワッ
(..'A`)(シッポすっげぇふくらんでるな)
ξ;゚⊿゚)ξ「ああ、木のエダにぶら下がってたのね? びっくりさせるんじゃないわよっ」
( ^ω^)「魔女かくし?」
( ´_ゝ|★)「ひとりが怪物役で、あとは魔女役」
(☆|<_` )「怪物が蝶の花の花びらを」
( ´_ゝ|★)「九つむしり終わったら、」
(☆|<_` )「教会のあちこちにかくれている」
( ´_ゝ|★)「魔女を見つけて、ジュモンをとなえて」
( ´_ゝ|★)「つかまえます」(☆|<_` )
.
99
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:07:52 ID:bTADR6Gs0
( ´_ゝ|★)「教会のカネが鳴ったらはじまり、」
(☆|<_` )「教会のカネが鳴ったらおしまい」
( ´_ゝ|★)「ぜんぶを見つけたら怪物役がいる組が、」
(☆|<_` )「見つけられなかったら魔女役がいる組が、」
( ´_ゝ|★)「今日の勝ちです」(☆|<_` )
(*^ω^)「ボクたちもやりたいおー!」
ξ゚⊿゚)ξ「いつも楽しそうな戦いしてるわよね」
( ´_ゝ|★)「鳳蜘蛛はいつでも」
(☆|<_` )「少年少女を待ってます」
(..'A`)「ちなみに今日の怪物は?」
( ´_ゝ|★)「アタマからハネの生えた少年」
(☆|<_` )「すっごくおっかないんです」
( ´_ゝ|★)「ずっとはばたき音が聞こえます」
(☆|<_` )「ずっと怒ってる声が聞こえます」
从# ゚∀从「オラオラァ!出てこいやー!!」ブブブブブ
ξ;゚⊿゚)ξ「やっぱり楽しそうじゃないわ」
( ´_ゝ|★)「キミたちは」
(☆|<_` )「なにしてるんですか?」
( ^ω^)「シィのイノチを探してるんだお!」
.
100
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:08:16 ID:bTADR6Gs0
( ´_ゝ|★) ビクッ
(☆|<_` ) ビクッ
ξ゚⊿゚)ξ「教会の中でこわれたものや、キズついてるものを見なかった?」
( ^ω^)「ガラクタ山もかたっぱしから見たんだけど、見つからなかったんだお」
(..'A`)「オマエさんたちも探すの手伝ってくれねーか?」
( ´_ゝ|★)「イヤだ」
(☆|<_` )「ムリだ」
(..'A`)「モララーサマにしかられるってか?」
( ´_ゝ|★)「違う」
ξ゚⊿゚)ξ「ワタシたちが鳳蜘蛛じゃないから?」
(☆|<_` )「違う」
( ^ω^)「じゃあ、なんで?」
( ´_ゝ|★)
(☆|<_` )
( ´_ゝ|★)「オレらにはあの子が死体に見えるんです」
(☆|<_` )「『むごたらしくされた兄弟の死体』に」
.
101
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:09:23 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ カキカキ
ξ゚⊿゚)ξ「ここはおしまい、っと」
( ^ω^)「これ教会だお?」
ξ゚⊿゚)ξ「教会の地図よ。 探したところは
こうやって赤色でぐちゃぐちゃに塗っていくの」
ξ゚⊿゚)ξ「教会がぜんぶぐちゃぐちゃになったころには、
シィのイノチが見つかってるってわけ!」
(*^ω^)「おー! アッタマいいおー!」
ξ*゚⊿゚)ξ「べつに? そんなことないんじゃない?」パタパタ
(*゚ー゚)「繝?Φ縺ョ邨オ縺ッ縺九o縺?>縲らオオ譛ャ縺ソ縺溘>」
(..'A`) カキカキ
ξ゚⊿゚)ξ「あら? 今日の日記はイチダンと長いのね?」
(..'A`)「これは日記じゃないぜ。
アニジャの言ってたことが気になってさ、シィのカタチについてまとめたんだ」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励??」
( ^ω^)「読んで聞かせてお!」
(..'A`)「いいぜ、待ってろ。 シィは人によって見えるカタチがちがうだろ?」
(..'A`)「ブーンには『桃色のキレイな女の子』、ツンには『目を覚ましたレモナ先生』、
そんでもって、オレには『顔がぐちゃぐちゃに塗りつぶされた子』」
(..'A`)「シャキンには『花のシューゴータイ』、ショボンには『手のシューゴータイ』」
(..'A`)「アニジャには『むごたらしいオトジャの死体』、オトジャには『むごたらしいアニジャの死体』、
キュートには『膿がつまったデキモノのカタマリ』、クルウには『燃えて溶けて剥けて焦げてる生物』」
(..'A`)「ビロードには『全身が刃物でできたカタマリ』、ポッポには『頭だけがおぞましい木の実になってる子』、
ヒッキーには『全身ところせましと目がひしめいてる人』、それから……」
…
…
.
102
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:10:26 ID:bTADR6Gs0
(..'A`)「……とまあ、こんなところだ」
ξ;゚⊿゚)ξ「こんなふうに見えてたなんて」
(..'A`)「だからみんな、あんなに泣いて逃げたんだろうよ」
( ^ω^)「モララーやワカッテマスは?」
(..'A`)「教えてくれなかったんだ、まったくケチンボだぜ」
(*゚ー゚)「蟄蝉セ幃#縺ォ諤悶′繧峨l縺ヲ繧ゅ@繧?≧縺後↑縺?o縺ュ」
(..'A`)「やっぱり見る人の『こわいもの』に見えるのか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「それだとおかしいわ。
レモナ先生を怖いだなんて、いっぺんも思ったことないもの!」
( ^ω^)「ツンのこわいものって?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ワタシは……いろいろあるけど、イチバンは……、
レモナ先生がこのまま目を覚まさなかったらどうしよう、って」
(..'A`)「やっぱり先生のことか」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンとドクオのこわいものはなに?」
( ^ω^)「よく分からないんだお。 でもシィはこわくないお」
(..'A`)「オレは自分がこわいもんはっきりと分かるぜ、でもシィとは違うカタチなんだよな」
( ^ω^)「おーん……」
ξ- ⊿-)ξ「むう……」
(..'A`)「うーん……」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励?縺ェ縺ォ?」
(..'A`)「オマエさんはオマエさんだろ」
.
103
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:11:18 ID:bTADR6Gs0
リィン
(´・ω・`)「やあ」
( ^ω^)ノ「いらっしゃいだお、ショボン」ナデナデ
ξ゚⊿゚)ξノ「ショボンちゃん、今日ももふもふね」ナデナデ
(´-ω-`) ゴロゴロ
(..'A`)ノ スッ
(´・ω・`) ササッ
(..'∀`)「よけるなよ。 どうしたってんだ?」
(´・ω・`)「今日が『箱の日』だってこと、忘れてるんじゃないかと思ってさ」
(*゚ー゚)「縺ッ縺薙?縺イ?」
(´・ω・`) ビクッ
(´・ω( ^ω^) ササッ
( ^ω^)「ショボン? ボクのうしろになにかあったお?」
(´・ω・`)「べつにっ」
(..'A`)「シィは箱の日も知らないのか」
ξ゚⊿゚)ξ「よくある日よ。 ほら、シィも手をだして」
(*゚ー゚)「?」
スッ
ξ゚⊿゚)ξ「そうじゃなくって、もっと祈るみたいに」
(*゚ー゚)「?」
スッ
ξ゚⊿゚)ξ「よしよし。 そのまんま動いたらだめだからね?」
.
104
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:13:14 ID:bTADR6Gs0
ジャラッ
ジャラジャラ
ξ゚⊿゚)ξ「こうやって祈ったまんま、手ごと体をクサリでグルグルまくのよ」
( ^ω^)「それからおたがいがおたがいを、ちいさな箱の中にしまっちゃうんだお!」
(..'A`)「とは言っても、子供達は箱みたいなちいさな部屋なんだがな。
はじめの子供達は……ワカッテマスは檻の中、モララーは箱の中、
レモナ先生は鞄の中に、それぞれママに入れられてたんだぜ」
( ^ω^)「このまま夜になるまで待つんだお」
(*゚ー゚)「縺?▲縺溘>菴輔?縺溘a縺ォ」
(..'A`)「ママがそう言ったんだから、なんかしら意味があるんだろ」
(´・ω・`)「それじゃあ、いっておいで子供達」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺薙↓縺?¥縺ョ」
(..'A`)「子供は全員集合なんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「シィはここで待っててね」
( ^ω^)「いってくるおー!」
(*゚ー゚) ポツン...
(*゚ー゚)「繧上◆縺励?√%縺ョ縺セ縺セ縺ェ縺ョ」
(´・ω・`)「にゃあ」
(*゚ー゚)「縺昴i縺?m縺ョ縺ュ縺」
(´・ω・`)「この教会の居心地はどう? なんてね、
鎖で縛られて閉じ込められてる子に言うことじゃないよね」
(*゚ー゚)「隱俶巨縺輔l縺溷ュ蝉セ帙?豌怜?繧」
(´・ω・`)「『箱の日』にはママが外の世界におでかけするんだ。
ママがいなくなる前のお話しだよ」
(*゚ー゚)「隱俶巨縺輔l縺溷ュ蝉セ帙?豌怜?繧」
.
105
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:15:42 ID:bTADR6Gs0
(´・ω・`) 「ここはいいところだよ。 なんもかんも、ここから見える景色だって、蝶のお花だって、
子供達の笑った顔だって、なんだって、初めてみたいに輝いて見えるんだ。
いいところだよ。気まぐれな猫だってずっといたくなっちゃうような、そんなところだよ」
(*゚ー゚)「縺薙%縺ッ縺ェ縺ォ縺九′縺翫°縺励>」
(´・ω・`)「太陽色の犬と空色の猫のお話しは知ってる?」
(*゚ー゚)「遏・縺」縺ヲ繧九o縲∵が鬲斐?菴ソ縺??」
(´・ω・`)「うーん」
(*゚ー゚)「謔ェ鬲斐↓荳?縺、縺?縺鷹。倥>縺斐→繧貞掌縺医※繧ゅi縺?サ」繧上j縺ォ縲
閾ェ蛻??荳?逕溘r謔ェ鬲斐↓謐ァ縺偵k窶ヲ窶ヲ縺昴s縺ェ螂醍エ?r縺吶k繧薙〒縺励g縺」
(´・ω・`)「さっぱり分からないや」
(*゚ー゚)「谿句ソオ縺?繧」
(´・ω・`)「ちぇっ。 外の世界がどんなところか聞きたかったのに」
(*゚ー゚)「縺?>縺ィ縺薙m縺ァ縺ッ縺ェ縺?o繧」
(´・ω・`)「行ってみたいな、一度でいいから。
外の世界の人ってどんなかんじなんだろう」
リィンッ
(´・ω・`)「実はね、色の違う獣は魔法が使えるんだ。
たった一度だけだけど」
(*゚ー゚)「遏・縺」縺ヲ繧九o」
(´・ω・`)「シャキン……僕の兄の太陽色の犬ね。
この教会は兄さんの願いで閉じた、小さな世界なんだよ」
(*゚ー゚)「縺昴≧」
.
106
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:17:47 ID:bTADR6Gs0
(´・ω・`)「だから子供達をこの教会から出すわけにはいかないんだ。
たとえ教会の外に出られたって、小さな世界の外には出られない」
(´・ω・`)「そんなことなら、知らないままのが幸せだと思わない?」
(*゚ー゚)「縺ェ繧薙↓繧りィ?縺医↑縺」
(´・ω・`)「勘違いしないでよね?」
(´・ω・`)「兄さんがそんなこと自分からお願いするわけないでしょ。
ママが兄さんに命令したんだ。 一生に一度のお願いで、この世界を閉じるように」
(*゚ー゚)「縺イ縺ゥ縺」
(´・ω・`)「僕はやだよ、絶対にお断りだ。
絶対に。 兄さんとおんなじにはならない」
(´・ω・`)「だって一生に一度のお願いだよ?
お願いごとだって、昔から決めてあるんだから!」
(*゚ー゚)「縺ァ繧よが鬲斐↓隗ヲ繧峨↑縺?→鬲疲ウ輔r菴ソ縺医↑縺」
(´・ω・`)「でもママがいないと、お願いができないんだ」
(*゚ー゚)「螂醍エ?′縺ェ縺上↑縺」縺ヲ縺ェ縺?↑繧峨?
縺昴≧驕?縺上?縺ェ縺?→縺薙m縺ァ逕溘″縺ヲ繧九s縺倥c縺ェ縺?°縺励i」
(´・ω・`)「なんで君にこんな話したと思う?」
(*゚ー゚)「蛻?°繧峨↑縺」
(´・ω・`)「ふふふ。一緒に悪い子になってくれないかなって思ってさ」
(*゚ー゚)「繧上◆縺励′?」
.
107
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:19:22 ID:bTADR6Gs0
リィン
(´・ω・`)「僕の首輪に鈴がついてるように、兄さんの首輪には鍵がついてる。
君にはその鍵をなんにもなかったかのようにお借りしてきて欲しいんだ」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺薙?骰オ」
(´・ω・`)「どこの鍵かって聞いてる?
あれは子供達がいつもお祈りしてる扉の、ママが最後に出ていった扉の鍵だ」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺薙∈縺、縺ェ縺後▲縺ヲ繧九?」
(´・ω・`)「あとは詳しいことは分からないんだよね。兄さんはいつだって優しいけれど、
ママのことも鍵のことも外の世界のことも、なんにも教えてくれないんだ」
(´・ω・`)「いくらなんでも過保護すぎると思わない?
歳が離れてるからってさ、もうこんなに大きくなったのに!」
(*゚ー゚)「濶イ縺ョ縺ゅk迯」縺ッ髟キ蟇ソ縺?繧ゅ?縺ュ」
(´・ω・`)「扉の向こうで君のナクシモノも見つかるかもしれないよ?」
(*゚ー゚)「!」
(´・ω・`)「どうする? 悪い子になれば、どこにだっていけるよ?」
(*゚ー゚)「繧?k繧」
(´・ω・`)「それってどっちなのかな?」
(´・ω・`)「分かんないけど、考えておいてね。
かわいくて頼もしい仲間がいること忘れないでね」
(*゚ー゚)「縺ゅ↑縺溘→隧ア縺帙◆繧峨h縺九▲縺溘?縺ォ」
(´・ω・`)「そろそろ戻らなくっちゃ。 またね、期待してるよ」
リィンッ
.
108
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:19:49 ID:bTADR6Gs0
ドクン
ドクン
( ─ω─)
ドクン
ドクン
(*゚ー゚)
( ^ω^)(また、あの子の夢)
( ^ω^)(なにしてるんだろう? お水をあちこちにまいてる?)
( ^ω^)(ここには見たことないお花がいっぱいあるお)
(*゚ー゚)『〜♪』
( ^ω^)(!)
( ^ω^)(この歌っていつもの夢で聞いてた?)
( ^ω^)『ごきげんだおね』
(*゚ー゚)『見てください、蛹が』
( ^ω^)(?)
( ^ω^)(周りのお花とは違う。 この草だけお花がなくて、器に入ってるお)
( ^ω^)っ スッ
( ^ω^)っ(また体が、ひとりでに)
(*゚ー゚)『あのう、その手は?』
.
109
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:20:11 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)っ『ボクとキミが育ててる草に虫がついてたから。
取っちゃおうと思って』
(*゚ー゚)『お花のことを考えてくれたんですね。
ブーンくんは優しいのですね』
( ^ω^)『そんなんじゃないお』
(*゚ー゚)『ふふふ。 でももう少しだけ、このままにしてあげていいですか?』
( ^ω^)『キミがそう言うなら』
(*゚ー゚)『きっともうすぐ、立派な蝶々になるのです』
( ^ω^)『蝶々。好き?』
(*^ー^)『はいっ、大好きですよ」
( ^ω^)『キミの好きなものなら壊さないお』
(*^ー^)『ありがとうございます』
(*゚ー゚)『この蝶々の名前、なんていうんでしょう?
お花のことならちょっとは分かるんですけど、虫さんのことはからっきしで』
( ^ω^)『名前を知れたら嬉しいお?』
(*゚ー゚)『嬉しいです』
(*゚ー゚)『 ブーンくんの鉢植えを羽化に選んだんですもの、お目が高い子なのです!
ああでも、出てくるまで知らないままでいるのも、楽しみですね?」
( ^ω^)『わざわざ待たなくても」
(*゚ー゚)「この子が蝶々になる頃には、この鉢植えの蕾もきっと咲くのです』
( ^ω^)「キミの力ならいますぐにでも……
( )っ「起きて」
( ^ω^) パチッ
( ^ω^)(やっぱりシィには似てないお)
.
110
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:21:21 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)ノ「よーし、はじめるおー!」
ξ゚⊿゚)ξノ「おー!」
(..'A`)ノ「おう!」
(*゚ー゚)ノ「縺翫?」
…
…
( ^ω^)「持ってきたお! これは?」
(*゚ー゚)「驕輔≧」
ξ゚⊿゚)ξ「これでしょ?」
(*゚ー゚)「驕輔≧」
(..'A`)「これだろ」
(*゚ー゚)「驕輔≧」
…
…
(..'A`)「これでぜんぶだぜ。 今日も見つからなかったか」
(*゚ー゚)、
( ^ω^)「元気だしてお! 明日はきっと見つかるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「今日はここと、ここ、探した、っと」カキカキ
( ^ω^)「おお! 教会の地図がはんぶんくらい真っ赤に!」
(..'∀`)「まるで燃えてるみたいだな」
.
111
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:21:42 ID:bTADR6Gs0
o川*>ー<)o「くやしいよう、くやしいよう!
斑蜂に負けちゃったよう!」ドロドロ
川⁂ 々゚)「むむむっ。 あしたは、かつ! クルちゃん、かつ!」
ξ゚⊿゚)ξ「キュート、クルウ! いいところに!」
川⁂ 々゚)「シッポの少女!」
o川*゚ー゚)o「キューちゃんに会いにきたんだね?
困っちゃうなー、キューちゃんかわいいからなー?」
ξ゚⊿゚)ξ「お願いよ。 シィのイノチを探すの、手伝ってくれない?」
o川*゚ー゚)o「!」
川⁂ 々゚)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「ひょっとしたら、誰かが持ってるものがそうなんじゃないかと思って」
o川;*゚ー゚)o「キューちゃん、しーらない!
ちいさなママにしかられちゃうもーん!」スタスタ
川⁂ 々゚)「……? クルちゃん、わかんなーいっ」スタスタ
ξ゚⊿゚)ξ「あっ……」
.
112
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:22:03 ID:bTADR6Gs0
ガッ
( ^ω^)「おっ?」
ベシャ
( <◯><◯>)「おやおや、おやおや?」
(;^ω^)「あうっ。 鼻から血が」
( <◯><◯>)っ「さあ、手を。 お怪我はありませんか?」
( ^ω^)っ「ありがとうだお、ワカッテマス」
( <◯><◯>)「どうやらアナタ、ワタシの杖につまずいてしまったようですね。
決して、決してわざとではないんですよ、恨まないでくださいね」
( <◯><◯>)「家の中を走り回ると危ないですよ。
なにかにつまずいて転んでしまうかもしれませんから」
( <◯><◯>)「こんな風に、ね?」
( ^ω^)「うん、わかったお!」
.
113
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:22:25 ID:bTADR6Gs0
(-_-)「ボクは木……ボクは石……、ひひひ……これなら見つからない見つからない……」ブツブツ
( ^ω^)「ヒッキー! 」
(;-_-)「ひぇっ。 ななっ、なん、なんでぇ?
ボクの怪物かくしはカンペキだったはず……」
从# ゚∀从「どこがだっつーの! いつもみたいに手で顔かくしてるだけだろうが!」
( ^ω^)「ハイン!」
从 ゚∀从「あん?」
(;-_-)「ひぇっ、ひえぇ……」
( ^ω^)「お願いがあるんだお! 一緒にシィのイノチを探してお!」
从 ゚∀从「そんなことしてたら鳳蜘蛛のヤローに負けちまうだろ!」
(-_-)「ボ、ボクたち、いま、鳳蜘蛛と怪物かくしで戦ってる、から……」ブツブツ
( ^ω^)「おーん……」
.
114
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:22:47 ID:bTADR6Gs0
(..'A`)「よっ。ほっ」コロコロ
( ・∀・)「なかなか大玉に乗るのがうまくなってきたじゃないか!
そうは思わないかいかね、アニジャ、オトジャ?」
( ´_ゝ|★)「そのとおりです、」
(☆|<_` )「ちいさなママ」
(..'A`)「そりゃどうも。 ここんとこ三日に一回やらされてるからな、
いやでもじょうずになっちまうぜ」コロコロ
( ´_ゝ|★)「お次はその上で」ポイポイ
(☆|<_` )「お手玉をどうぞ」ポイポイ
(;..'A`)「できるかっ」
( ・∀・)「どうだい? このまま鳳蜘蛛の子供に!」
(..'A`)「そんなことよりシィを秘密基地の外に!」
( ・∀・)「オレの鳳蜘蛛の素晴らしいブタイに参加を!」
(..'A`)「いやいやシィのイノチ探しに参加を!」
( ´_ゝ|★)「またやってるよ、オトジャ」
(☆|<_` )「なかよしだよな、アニジャ」
.
115
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:23:09 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、ドクオー、見つかったー?」
( ^ω^)「見つかりすぎだおー!」
(..'A`)「いっぱいありすぎて、こりゃあ運びきれないぜ」
( ^ω^)「でも、やらなくっちゃ!」
ξ゚⊿゚)ξ「ひとつずつシィのところまで持ってってあげましょ」
(;..'A`)「くっそぉ、こいつはしんどいぞぉ」
从 ゚∀从「オイ!」
(..'A`)「なんだよ? 見世物じゃねーぞ?」
从 ゚∀从「ハッハァ! テメェらが弱っちぃから助けにきてやったんだよ!」
(-_-)「う゛、あ……ボ、ボクはハインくんに、おどされて……き、きただけ……」ブツブツ
从 ゚∀从「うるせえ! たまにはそのムダに多い手、顔かくす以外に使えや!」
ξ*゚⊿゚)ξ「お手伝いしてくれるの?」
(*^ω^)「ありがとうお!」
(..'A`)「オイオイどういうことだ? こんなんいつもと違うぜ」
.
116
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:24:21 ID:bTADR6Gs0
リィン
(´・ω・`)「やあ」
(..'A`)「出たな」
(´・ω・`)「オバケみたいな言い方やめてもらえる?
それよりシィ、また外の世界のお話し聞かせてよ」
(..'A`)「昨日も聞かせてもらっただろ。 なんだっけ、星の話」
(´・ω・`)「『星座』」
(´・ω・`)「ちょっとくらい覚えたらどう? 外の世界にはいきたがるくせに!」
(..'A`)「聞くのと覚えるのは別もんだろ? それにオレはいけないことがしたいだけ」
(*゚ー゚)「縺ェ繧薙?隧ア縺吶k? 蜍慕黄? 讀咲黄? 髻ウ讌ス?」
(..'A`)「なんの話が聞きたいんだ?」
(´・ω・`)「外の世界の人間はどんなことして遊ぶの?」
(*゚ー゚)「驕雁恍蝨ー縲∵丐逕サ鬢ィ縲∝虚迚ゥ蝨」
(..'A`)「遊び方の名前だけ言われても分かんねーって」
(´・ω・`)「ドクオだけずるいんだ。 どうしてキミにだけ言葉が分かるの?」
(*゚ー゚)「縺ゥ縺?@縺ヲ?」
(..'A`)「そんなんオレのが聞きたいぜ」
.
117
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:25:11 ID:bTADR6Gs0
( ^ω^)「今日こそボクのエダのお花咲いてるかお?」
(..'A`)「いんや、いつもとおんなじだな」
( ^ω^)、「そっかぁ」
「今日もあの子が夢に出てきたよ!」
「まるでママみたいだね」
「あの子がママだったならいいな」
ξ゚⊿゚)ξ「みんな夢のあの子のウワサしてるわね」
( ^ω^)「どうしてシィだけおんなじ夢を見ないんだろう」
(;;*゚ー゚)「閨槭°縺帙※縲 螟「縺ョ隧ア」
(..'A`)「今日の夢はあの子がオレに蝶の本を見せてくれた。
オレは蝶にもひとつひとつ種類の名前があったって知るんだ」
(..'A`)「そんでもって、蝶が好きって言ったあの子のために、
オレはイッショウケンメイ蝶の名前を覚えるんだ」
(;;*゚ー゚)
ピシッ
ヒラヒラ
( ^ω^)(夢のお話しを聞くたんび、シィの体のヒビが多くなっていくお)
( ^ω^)(はがれ落ちたカケラは蝶になって、どっかに飛んでいく)
( ^ω^)(これがボクにしか見えないシィのカタチなんだお)
ビキィ...
( ^ω^)(そしてシィの体のヒビが増えるたんび、お空のヒビも大きくなっていく)
( ^ω^)(お空が割れちゃったら、またお肉のカタマリがふってくるんだお?)
.
118
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:26:13 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ カキカキ
ξ゚⊿゚)ξ「もうすぐ教会の地図が真っ赤になっちゃうわ」
( ^ω^)「探せるところも減ってきちゃったお」
(..'A`)「やっぱりだれかさんが持ってるもんなのかねぇ?」
(;;*゚ー゚)「繧上◆縺励′螟悶↓蜃コ繧峨l繧後?」
コンコン
ガチャッ
o川*゚ー゚)o「みんなー! 鳳蜘蛛のニンキモノ、キュートちゃんがきたよー!」
川⁂ 々゚)「クルウちゃんもいまーす!」
(;;*゚ー゚)
o川;*゚ー゚)o ビクッ
川;⁂ 々゚)「キューちゃん、クルちゃんこわい」
o川;*- -)o「ふたりで手つないで、目をつむってれば大丈夫!」ギュッ
川;⁂ 々-) ギュッ
.
119
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:27:03 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ「落ち着いて。どうしたの?」
(..'A`)「オマエさんたちが秘密基地にくるなんて珍しいこった」
o川*- -)oっ「……これ!!」ズイッ
川⁂ 々-)っ「これぇ!」ズイッ
ξ゚⊿゚)ξ「これは?」
o川*- -)oっ「キューちゃんとクルちゃんのタカラモノ!」
川⁂ 々-)っ「ボロボロのおにんぎょうさんと、ボロボロのぬいぐるみ!」
o川*- -)oっ「キズついてるもの探してるって聞いたから……」
(*^ω^)「!」
ξ*゚⊿゚)ξ「!」
(..'A`)「!」
(*゚ー゚)っ「縺ゅj縺後→縺」
チョンッ
o川*- -)oっ「ツンちゃんの手って、すっごくあったかいね?」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ? ちがうわ、いまの手はワタシじゃないわ」
(..'A`)「待てよ? ひょっとしたら……」
.
120
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:28:32 ID:bTADR6Gs0
(;;*゚ー゚)「縺ァ縺阪◆」
ξ゚⊿゚)ξ「うんうん、じょうずにかけてるわ!」
( ^ω^)「ボクもドクドク文字教えてもらいたいお!」
(..'A`)「よかろう」
( ^ω^)「これでドクオがこれまで書いた日記読めるようになるおね!」
(..'A`)「よくない」
(;;*゚ー゚)「縺薙%縺ォ縺ゅk縺ョ縺ァ縺懊s縺カ縺倥c縺ェ縺??」
(..'A`)「いんや、もっとあるぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「いっぱいすぎて秘密基地の床の下に置いてあるの」
( ^ω^)「ここだお。 よいしょ、っと!」
ゴトッ
(;;*゚ー゚)「!」
(;;*゚ー゚)「縺薙s縺ェ縺ォ縺溘¥縺輔s縲 縺?▲縺溘>縺?▽縺九i」
(..'A`)「『いつから日記を書いてるか』って?
そんなんむかしからだよ、ずっとむかしから」
(;;*゚ー゚)「縺ゅ↑縺溘◆縺。縲√>縺上▽縺ェ縺ョ」
(..'A`)「んん? そりゃあ、ひとりだろ」
.
121
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:29:35 ID:bTADR6Gs0
コンコン
( ^ω^)「おっ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ワタシにまかせて! はーい、いま開けるわー」
ガチャッ
ξ;゚⊿゚)ξ「びゃあっ!!」ブワッ
(..'A`)「アニジャとオトジャが来たな?」
(==_ゝ|★)人(☆|<_==)
(==_ゝ|★)「おじゃま」
(☆|<_==)「します」
( ^ω^)「どうしちゃったんだお?」
(..'A`)「なんで目かくしなんかしてんだ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「びっくりしたぁ……」
(==_ゝ|★)「ふたりで手をつないでいれば」
(☆|<_==)「目かくしで歩くのもなんのその!」
\(==_ゝ|★)人(☆|<_==)/
ξ゚⊿゚)ξ「ひょっとして、目かくししたまんまここまできたの?」
(..'A`)「なにしにきたんだよ? また夜にはならないぜ?」
.
122
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:30:26 ID:bTADR6Gs0
(==_ゝ|★)「肌の溶けた少女と」
(☆|<_==)「触手の生えた少女から聞きました」
(==_ゝ|★)「目かくししたまんま」
(☆|<_==)「『シィ』に触れば」
(==_ゝ|★)「ほんとの『シィ』に会えると」(☆|<_==)
(*^ω^)「!」
ξ*゚⊿゚)ξ「!」
(==_ゝ|★)「シィがオレらのことを」
(☆|<_==)「許してくれればですが」
(==_ゝ|★) ペコリ
(☆|<_==) ペコリ
(==_ゝ|★)「怖がってごめんなさい」(☆|<_==)
ξ*゚⊿゚)ξ「ですって! ねぇシィ? どうかしら?」
(;;*゚ー゚)「繧上◆縺励〒縺?>縺ョ」
(..'A`)「オマエさんがいいに決まってるだろ」
.
123
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:31:28 ID:bTADR6Gs0
リィンッ
(´・ω・`)「なぁにこれぇ?」
(`・ω・´)「はっはっはっ! いやはや驚いた驚いた! まさかこんなことになるなんてね!」
(;;*゚ー゚)「髱吶°縺ォ縺励※縲 襍キ縺阪■繧?≧」
(..'A`)b「シィーッ」
( ─ω─) スヤスヤ
ξ- ⊿-)ξ スウスウ
川⁂ 々=)〜 スヤスヤニョロニョロ
o川*=ー=)o「むにゃ……キューちゃんかわいい……キューちゃんかわいい……
キューちゃんかわいい……むにゃむにゃ」スウスウ
(;=_=)「う゛ううっ……きゅーちゃん……かわいい……?」スウスウ
从=皿从 ギリギリスヤスヤ
(´・ω・`)「ボクたちよりハインの歯ぎしりどうにかしたら?
それとあちこちニョロニョロしてるクルウの触手も」
(`・ω・´)「うんうん、いいねいいね、青春だね! みんなで秘密基地でお昼寝かい?」
(´・ω・`)「ちょっと呑気すぎじゃない? そろそろイノチ探索の
お手伝いが必要かなー、って来てみたらこれだよ!」
(´・ω・`)「よくもこんな真っ赤な部屋でくっついて寝られるよね。
まるで肉の中で寝てるみたい」
(..'A`)「目かくししないとシィといられないけど、
目かくししてると眠くなっちまうんだとさ」
(´・ω・`)「なにそれ? みんなおこちゃまなんだから!」
(´・ω・`)「シィ、キミ。 嫌なら嫌って言いなよね?」
(;;*゚ー゚)「雖後§繧?↑縺?o」
.
124
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:32:48 ID:bTADR6Gs0
(´・ω・`)「ここんところ教会の子供達の間じゃあ、
キミが『ママ』ならよかったのにって、もっぱらの噂だよ?」
(..'A`)「そういやブーンとツンのヤツも言ってたな。 オレはまあ、シィに任せるけどよ」
(´・ω・`)「そんなの嫌だよね?」
(;;*゚ー゚)「蟄蝉セ幃#縺ッ縺九o縺?>縲ゅ〒繧ゅo縺溘@縺ォ縺ッ縺ェ繧薙↓繧ょ?譚・縺ェ縺??
繝槭?縺ォ縺ッ縺ェ繧後↑縺」
(..'A`)「『みんなのことはかわいいけど、ママにはなれない』ってさ」
(´・ω・`)「そらみたことか! 兄さんもそう思うでしょ?」
(`・ω・´)「いや、名案だ!」
(´・ω・`)「えっ?」
(`・ω・´)「うんうん、そうだ、それがいい!」
(´・ω・`)「えっ? えっ?」
(`・ω・´)「どうだろうか、シィ?イノチを探すのはもうやめにして、
このままここにいてくれないか?」
(;´・ω・`)「だめだめ! イノチを探すの諦めるだなんて、とんでもないよ!」
(;;*゚ー゚)「蜻ス繧偵↑縺上@縺ヲ縺励∪縺?¥繧峨>縺ェ繧峨?√o縺溘@縺ッ菴戊??↓繧ゅ↑繧峨↑縺」
(..'A`)「……はあ。こじれちまった」
.
125
:
◆EINyjQHjEo
:2020/05/06(水) 23:33:13 ID:bTADR6Gs0
ξ゚⊿゚)ξ カキカキ
ξ゚⊿゚)ξ「教会の地図、ぜんぶ真っ赤になっちゃったわね」
(..'A`)「シィは?」
( ^ω^)「屋根の上にいるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「真っ赤な教会を見て悲しそうなお顔してたわ」
(..'A`)「これ以上どこ探したらいいんだか」
( ^ω^)「シィのヒビ、もう体ぜんぶに広がってるんだお」
( ^ω^)「お空のヒビだって、まるで、シィが落っこちてきた日みたいだお」
(..'A`)「どうにかなる前にはやく見つけてやりたいもんだな」
ξ゚⊿゚)ξ「……見つかって欲しいけど、ちょっとだけ、見つかって欲しくないわね」
( ^ω^)「どうしてだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「もしもそれを見つけたなら、シィ、お外の世界に帰っちゃう気がして」
( ^ω^)「えっ」
(..'A`)「あー……」
( ^ω^)「そんなの、考えても、なかったお」
.
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