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錬金術師は遂せるようです

98 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 22:17:15 ID:YLCyI6VU0
來狂が振り向くよりも早く、扉が開く。

『ちゃーっす』

深淵のように深い山の向こうから、軽快な声が掛けられた。

川 ゚ 々゚)「どうぞ」

遅れて來狂が言うと、声の主は無遠慮な足取りでやってきた。
喪服に身を包むその人は、

川 ゚ 々゚)『どーもどーも』

來狂と変わらぬ姿を持ち、同じ声をし、
均しい所作を振る舞い、同程度の狂気を纏っていた。
彼は、並行世界の來狂である。
時空間を操作する來狂は、数多ある並行世界の自分と同盟を組んでいた。
彼らは錬金術を行使できないものの、幅広い職業や地位を築いている。
錬金術師の來狂は、彼らに報酬を支払う代わりに、彼らと入れ替わる権利を得ていた。

( ^ν^)(たしか参倍郷に入会した來須は、
       有名コンビナートの役員だったっけ)

來狂の錬金術は仕組みを看破されない限り、
常人には來狂が入れ替わったことすら気付かれない。
よって來狂は、入れ替わった自分の持つ経歴や
技能をそのままに、安全かつ巧妙に工作活動が出来た。
とはいえ今やって来た彼は、どうも様子が違っていた。
喪服と馴染む色合いの袋を背負い、額には汗が滴っている。

川 ゚ 々゚)『例のブツになります』

床に置かれた長細い袋は、いかにも重々しい音を鳴らす。
席を立つ錬金術師に釣られ、入間も袋に近付くことにした。
一足早く中身を拝んだ來狂二人は、神妙に手を合わせた。


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