したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

錬金術師は遂せるようです

93 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 22:03:05 ID:YLCyI6VU0
***


次に入間が目を覚ましたのは、己が名前を呼ぶ声が聞こえたからだ。
言わずもがなそれは、來狂のものだった。

川 ゚ 々゚)「おはよぉ」

ニコリと微笑む來狂を確認し、入間は溜息を吐いた。
というのも今二人がいるのは、居心地のいい私室ではなかったからだ。

( ^ν^)「また俺の部屋を、塗り潰したな……?」

入間に分け与えられた空間も、元を正せば來狂のものである。
空間を構成する要素を分解し、再構成することなど、來狂にとっては朝飯前だった。

川 ゚ 々゚)「心配しなくとも、あとで部屋は戻してあげるよ」

削がれた気を接着剤でくっつけるように、來狂は入間を慰めた。

( ^ν^)「それで、用件は?」

手元に用意されていたコーヒーを飲み、入間はそう言った。
黒々とした液体は、甘じょっぱい味がした。
角砂糖三個に塩を小さじ半分、それが入間の好むコーヒーであった。

川 ゚ 々゚)「やっとこ手術が終わったよ」

くぁー、と彼はあくびを洩らす。
曰く都子の手術は、丸一日かかったらしい。
もっともその数字は、心臓の算出を含めた時間だろうと入間は考えた。

( ^ν^)「都子は?」

川 ゚ 々゚)「まだスヤスヤ眠っているよ」

來狂もまた、コーヒーを口にした。
挽いた豆ごとお湯を被せたそれを、造作もなく彼は飲み込んでいく。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板