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(´・ω・`) すくいきれないもの('A`)(^ω^)
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STZ NMITIME
LDA #BLANKING
STA INIDSP
EL ELOHIM ELOHO ELOHIM SEBAOTH
ELION EIECH ADIER EIECH ADONAI
JAH SADAI TETRAGRAMMATON SADAI
AGIOS O THEOS ISCHIROS ATHANATON
AGLA AMEN
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小さな部屋の中で鳥居を設置する男がいる。
十字架に張り付けられた白い少女と、その前に立つスーツの女達がいる。
僕の部屋まで上がってきた、エプロン姿の母がいる。
高級そうな大部屋に独り立つアメリカ人らしいブロンドの男がいる。
二柱の鉄筋の間に、鎖で繋がれた女性の姿がある。
次々と目まぐるしく変わる光景の後に、一面の壮大な曼陀羅が視界を覆う。
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ
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曼陀羅の上から大量の文字が降ってきて、おそらく夢の中だというのに僕は気を失う。
次に目が覚めた時には明るい光に包まれてどこかの通路に立っていた。
壁は触れないし勝手に足が進んでいく。
それはいいのだが、通路を包む赤い光のせいで目が痛い。
数歩進むと、僕の目の前を通路一面の壁が遮って足が止まる。
その奇妙な壁─中心部に妙な顔とぐるっと円状に列をなした文字がついた壁が止めたのだと思った。
「ここを通らんとするは何者ぞ」
「名乗らぬものを通すわけにはいかん」
「汝の名を名乗れ」
言い表せない厳かな声が誰かに問いかける。
僕に対してかは分からないが、左右にも後ろにも首を動かせないので他に人がいるか確認ができない。
「汝の名を名乗れ」
「あ、ああああああああ」
厳かで威圧的な声に思わず反応的に叫んでしまう。
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NO GOOD!
頭の中に文字が浮かんでくる。
今の叫びが名乗りだと思われたのだろうか、そんな名前ありえないと拒絶の信号が頭に送られてきた。
「ショボンです」
「汝はショボンというのか?」
ああ、融通利かないなぁ。
「ショボン」
「ショボンなら 秘められし力あるはず」
「自分のあるべき力 思い浮かべよ」
まぁどうせ夢だし望むだけ望んでみようか。
僕はインドア派のパソコンオタクだから、力と体力が欲しい。
瞬発力、素早さもバランスよくほしいな。
昔は陸上方面に進むのが夢だった。
それが挫折してインドアに傾倒してしまったわけだけど。
「ショボンよ 扉くぐりし汝を待ち受けるは」
「光の下に選ばれし民の 法と秩序か」
「力を頼る者共が あい争う混沌か」
「汝の天秤に二つを乗せこぼれ落とさぬよう歩むがよい」
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それだけ言うと壁は重い音を立てて引っ込んだ。
なんだ、壁じゃなくて扉だったのか。
足は無機質にも進んでいく。
また数歩進むと、木でできたような色の十字架が回転しながらやってきて足を阻む。
十字架には人型らしい何かが磔になっている。
その傍らに、音も立てずに青い法衣の人が現れて言った。
「これは神に捧げられし魂」
「あなたが名前を呼べば 目を覚ますでしょう」
いきなり言われても名前なんてわjからない。
とりあえず人型のなにかを観察してみると、おぼろげに表情は見えた。
磔になっているのに笑って呑気に寝ている。
いびきがぶうううん、ぶううんと豪快なので心の中で少し笑ってしまった。
どうせ名前なんてわからないから適当に当てずっぽうで言ってみよう。
「ブーン」
「彼をブーンと呼びましたね?」
当てずっぽうなのに正解だったようだ。
というかこの姿じゃわからんが男だったのか。
法衣の人と十字架がふっと消えたが、男は投げ出されずすっくと立った。
「ここは、どこだろうお・・・」
「僕は何かを成し遂げるはずだったんだお・・・」
「おっお!君が助けてくれたんですかお?」
「君といれば答えが見つかるかもお!一緒に連れて行ってくださいお」
男はいきなり陽気な口調で話しかけ、僕の横に並んできた。
そして足並み揃えて一緒に歩きだした。
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二人で歩き始めて数歩、一本道の突き当たりを右に曲がる。
二度曲がったところで足が止まった。
うつ伏せの半透明な人型が現れたと思ったら、耳の尖った薄茶色の人型の何かが。
悪魔と形容してもいいようなものが半透明の上に乗って踏んでいる。
半透明の人型は苦しそうだ。
「これは力を求める乾いた魂」
「貴様が名前を呼べばこいつは目を覚ますであろう」
「さあ 名前を呼ぶのだ」
また透明な人型の顔を観察してみると、幼稚園だか小学校の頃まで一緒だった友達にどことなく似ていた。
「ドクオ」
「こいつをドクオと呼んだな?こいつにはまだまだ力がある」
フッと悪魔のような人型が消えると、重石のなくなった透明人型がゆっくりと体を起こす!
「・・・」
「何故!俺を起こしたッ!」
「せっかくいい夢を見ていたのに・・・」
「クソッ、とにかくここから連れ出してもらうぜ」
ドクオはショボンの隣に並び、三人揃って歩き始めた。
途方もない時間をずっと直進していくと、唐突に扉が現れた。
勝手に扉が開くと、岩肌に囲まれた青い泉が目の前に広がった。
これが現実ならひたすら歩いた後だから喉が渇いて泉に飛びついていただろう。
足が止まっていたのもあるが、泉のもっと近くに寄れない理由はあった。
一糸纏わぬ女が、尻が少し見えるくらいまで泉の水に使って髪をとかしているのだ。
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扉の開いた音に気付いたのか、女の人はこっちも向かずに声を出す。
「誰?そこにいるのは」
たちまち僕は謝罪と弁解しようとしたが、その前に女の人が振り返って矢継ぎ早に話す。
「あら・・・あなた、ショボンね・・・」
「私の名はゆりこ。あなたのことずっと待っていたのよ・・・」
「永遠のパートナーとしてね・・・」
泉と女の人が視界から消えたと思うと、僕らはまた通路を歩いていた。
同じ景色を何度か曲がっていくと、行き止まりの扉の奥に何もない部屋があった。
「ショボン いつまで寝てるの?休みだからって寝坊はダメよ」
「早く起きてらっしゃい・・・」
母の声で夢から徐々に覚醒し、通路と薄赤い明りが消えていく。
泉の女の人の妖艶な笑みに、母性と慈しみと魔性じみた何かを感じながら・・・。
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第一章
家の二階の彼─ショボンの部屋。
高くも安くもないベッドと勉強机とPCがあるごく普通の部屋だ。
休みの朝食を下階でゆっくり取る前に、ショボンはコンピューターを起動する。
何とかマンデーやら年末大安売りのメールに混ざって、セールではなさそうなメールが一件来ているが
差出人のドメインが文字化けしていてわからない。
(´・ω・`) 「DDS-NET・・・?」
幸いにもアンチウィルスソフトは入れているのでメールを開いてみる。
DATE:20XX-10-XX
NAME:STEVEN
このNETに接続しているすべての人へ
現在・・・我々人間に深刻な危機が迫っている
伝説の悪魔たちが闇から目覚めたのだ
すぐにも悪魔が襲って来るだろう
悪魔と戦う為に悪魔の力を利用することだ
このプログラムがあればできるだろう
勇気ある者が受け取ってくれることを
祈っている・・・・悪魔と戦い
人々を救うために
メールを見ると、リンクも踏んでいないのに勝手にソフトのダウンロードが始まった。
そもそもメール内にリンクが貼られていなかったのだが。
添付ファイルを勝手にダウンロードするとは恐ろしい仕様だ。
アンチウィルスソフトは反応を示さないので、怪しいソフトではないのだろうか。
モンスター・・・この場合は悪魔か。
それと遭遇して戦うみたいなRPG風ソフトなら面白いと思い、削除せずにパソコンに入れたままにしておく。
念の為スマホにも入れておくかと思い、PCにUSBケーブルでスマホを繋げ転送してみる。
ご丁寧にマニュアルも添付しているようだ。
从´・ω・`从「ショボンー、いつまで寝てるの?」
(´・ω・`) 「ちょっと待ってて―、すぐ行く」
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下の階に降りると、トーストとサラダとハムエッグが並んでいた。
食べながら、マニュアルを読んでみる。
悪魔召喚プログラムを受け取った人へ
次のプログラムはまだ出来ていない、もうすこし待ってくれ
その代わりに悪魔召喚プログラムのマニュアルを送るので
正しい使い方を覚えておいてくれ
ダウンロードします マニュアルを出力します
このプログラムは悪魔と会話して仲魔にし
その悪魔を呼び出すことが出来ます
使用方法
1:悪魔と遭遇したら-TALK-を選んで
2:次に会話の態度を選びます
・友好的 ・威圧的のいずれかです
悪魔に対しての反応は 2つのコマンドで示され
・・・・・・・・・
マニュアルは途中で終わっている。
从´・ω・`从「ねぇショボン、この前の模試はどうだったの?」
(´・ω・`) 「ネットで見たら7割くらい合ってたから志望校にはいけそうかな」
从´・ω・`从「お金ならあるから勉強内容が問題ないなら私立でもlいいからね」
(´・ω・`) 「ありがとう」
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ショボンの家は数年前から父親がいない。
当時としては高名な研究者をしていたらしいが、研究所が大爆発して行方不明となった。
若いころから父がコツコツ貯めたお金と、行方不明で死亡扱いされて出た保険金で普通の生活はできているし
中型犬も飼えているし大学にも行く余裕はある。
从´・ω・`从「昨夜はよく眠っていたみたいね・・・パトカーの音があんなに凄かったのにね」
从;´・ω・`从「気付かないで寝てるんだから」
从´・ω・`从「きっと大きな事件ね・・・あれは」
从´・ω・`从「そうそうショボン、今日は何か予定はあるの?」
(´・ω・`) 「いや今から考えようと思ってるよ」
今は休日とはいえ午前10時。少し遅い目覚めだったようだ。
从´・ω・`从「アーケードのカフェで珈琲豆買ってきてちょうだい」
从´・ω・`从つ¥10000
从´・ω・`从「これ今月のお小遣いね、無駄遣いはダメよ」
从´・ω・`从「珈琲豆のお金は立て替えておいてね」
(´・ω・`) 「分かった。食べ終わったから行ってくるよ」
悪魔召喚プログラムが入ったスマホをポケットに入れ家を出る。
玄関にいるシベリアンハスキーのパスカルをなでてやる。
(∪^ω^)「わんわんお!ばうわうお!」
从´・ω・`从「気を付けてねショボン、あまり遅くならないようにね」
从´・ω・`从「日曜にはパスカルの散歩も少ししてあげてね」
(´・ω・`) 「はーい」
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ショボンの住んでいる家から、キチジョウジのアーケードまでは二丁程度しか離れていない。
中学の頃に足を大きく負傷してしまったショボンとしては、休日のいいリハビリになる。
アーケードの北口から入ってすぐの馴染みのカフェに入る。
入口でウェイターが出迎え、そのままレジまで向かう。
( ^?^ ) 「いらっしゃいショボンくん。コーヒーはいつものやつだね?」
(´・ω・`) 「はい、2キロで5000円でいいですか?」
( ^?^ )「お金?お店終わった後に家に届けてやるからその時頂くよ、いいってお得意さんだから」
ショボンが物心ついてから家族でよくコーヒーを飲みに来ていたので、すっかり顔馴染みである。
( ^?^ )「昨夜のパトカーのサイレン凄かったね!えっ!知らなかったのかい?」
(´・ω・`) 「ははは・・・ずっと寝てまして」
( ^?^ )「寝付きがいいのは若い証拠、羨ましいよ。また来いよな!」
( ^?^ )「そうだ、いつも豆頼みに来てくれてるしなんか一杯奢るから飲んでいきなよ」
お言葉に甘えてショボンはブルーマウンテンをお願いした。
コーヒーを持ってレジ外の適当な席に座ると、年が同じくらいの女の子が話しかけてきた。
同級生のベニサスさんだ。
('、`*川「あらショボン君じゃない、学校の外で会うのは珍しいわね?」
(´・ω・`) 「ああうん、家の近くなんだ」
('、`;川「あらそう、じゃあ昨日ここらでサイレンが凄かったらしいけどちゃんと寝られたの?」
(;´・ω・`) 「いや昨日は疲れてて正直全然起きなかったよ」
何度目だ、とちょっとうんざりする。
('、`;川「すぐ南のイノガシラ公園で殺人事件が起こったらしいんだけど」
('、`;川「私達が中学の頃の担任の鴨志田って先生居たでしょ?被害者らしいの」
(´・ω・`) 「えっ・・・」
鴨志田スグル。
ショボンの中学時代の担任を三年間務め、更に当時所属していた陸上部の顧問であった。
父が行方不明になりそんなしないうちの中二の頃に、ショボンは立て続けに運悪い出来事に遭遇してしまった。
休日に散歩しているうちに、運転手不明の軽トラックが突っ込んできてショボンの右足首を轢いた。
幸い歩く事ができないほどではなかったがリハビリには時間がかかったし
社用車だったらしく所有元の会社から結構な慰謝料をもらえたが
ショボンは陸上選手の夢を捨てねばならなかった。
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地獄なのはそれからだった。
鴨志田は元金メダル選手で、自分の運動能力に絶対の自信を持っていて。
運動ができない奴もしくは運動ができなくなった奴は生きる価値のないクズだという持論を持っていた。
事故まではショボンに優しかったのだが、足の怪我からようやく復帰してきた途端にハイキックで頭を蹴り飛ばした。
更には鴨志田と進路相談で二人きりになった時なんかは
完全な再起不能にしてやると言いながら、右足首を思いっきり捻ってきた。
ショボンが大声を上げてたまたま近くにいた教師が入ってきた瞬間、鴨志田は姿勢を正し
「陸上を諦めねばならないとショボンくんが急に発狂して暴れて右足首から崩れ落ちたのを助けた」と嘘をついたのだ。
ショボンから相談を聞いた母は怒り、ショボンが密かに録音していた携帯の音声を提出し
中学校に乗り込んだり近隣の警察に駆け込んだ。
しかし鴨志田は外面がとてもよく、元金メダル選手ということで中学校は事件を揉み消した。
母はすぐにショボンを少し離れた別の中学校に転校させた。
ショボンは足の治療をしつつ、勉強を頑張りいい高校に入った。
そして父譲りの柔軟な頭を活かすことにし、工学系の大学を志望している。
('、`;川「鴨志田先生って他の先生からの評判はよかったけど結構生徒に依怙贔屓するッ感じだったもんね・・・」
('、`;川「言い方は悪いけど自業自得な気がするし、ショボン君の留飲も下がったでしょ?」
(;´・ω・`) 「先生には色々嫌がらせされたけど、殺されたからってざまぁと思えるかというと複雑だよ・・・」
('、`;川「何にしても怖いわね。私駅で友達との待ち合わせ時間がそろそろだから行くね」
('、`;川「ショボン君も公園近く住みなら気を付けてね」
(´・ω・`) 「ありがとう。伊藤さんも気を付けてね」
無難な言葉を交わし、ベニサスは去っていった。
ガヤガヤと騒がしい客同士の話の中では
駅の南東の病院の院長が最近おかしいだとか、
使われてないハズの廃ビルから人が出入りしているだの
イノガシラ公園の殺人事件の様子が酷かっただの死体が消えただの
例の悪魔召喚プログラムを手に入れたけど気味悪くてすぐに消しただの
そんな話ばっかりが聞こえた。
熱いコーヒーも少し冷めてぐっと飲み干し帰ろうとすると
店の端っこの席から誰かがじっとショボンを見つめていた。
从*゚∀从「あら、また会ったわねショボン」
(´・ω・`) 「何故僕の名を?・・・あっ」
从*゚∀从「あたしはゆりこ。こんなとこで会えるなんて夢みたいね、ウフフフフ」
夢の中の泉で出会った女の人そっくりだ。
しかしいつの間にか女の人の姿は消えていた。
僕はカフェを出てアーケードを少しぶらつこうとした。
歩き疲れたら家でゲームか勉強でもしようか。
ドラッグストア前まで来た時に、裏の方から
苦し気でくぐもったような呻き声が聞こえてきた。
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(;´・ω・`) 「大丈夫ですか!?」
思わず足が走る。
足首の痛みも今は不思議と感じない。
ドラッグストア裏路地には、脂汗をかいたハンチング帽の中年の男が震えながら立っていた。
(;;-@∀@)「お・・・俺に・・・な・・・なにか用か!?」
(;;-@∀@)「ち・・・近寄るな!」
(;;-@∀@)「そ・・・それ以上近くに来たら
(;;-@∀@)お・・・俺のナイフで・・・」
(;;-@∀@)「うっ!?」
男が早口でまくし立てたかと思うと、いきなり嗚咽した。
(;;-@Д@)「うえっうえええっぐえええっ」
すごい勢いで嘔吐し始めた。
何やら人間のものらしい指やらなんやらをすごい勢いで吐き出して
ショボンもつられて吐きそうになった。
(-@Д@)「ぐぇぇぇぇぇぇあああああアアアア!!!!!」
決して高くない男の背がバキバキと音を立てながら縮んでいく。
服や帽子はドロドロと溶け出し、腹だけが飢餓の子供のように丸くなっていく。
肌はだんだん紫に染まり顔も鬼のように牙が生えてくる。
これはまるで・・・仏教の絵巻にあるような・・・餓鬼だ!
(@Д@)「食わせろ、よぉぉぉぉ」
(´・ω・`) 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
足がすくんで動けない。
男だったものは飛びかかってきた。
内臓を食おうとするのか、ショボンの胸と腹筋に向かって引っかいてくる。
(´;ω;`)「あああああああああああ!!」
餓鬼が牙でこちらの腹を抉ろうとしている隙に、左足を屈めて思いっきり伸ばして腹にキックをした。
(;@Д@)「うが、ぁぁぁぁぁぁ」
餓鬼と化した男はどこかへと逃げ去った。
ショボンの足元には男が持っていたナイフが落ちている。
あのナイフを拾ってあの男を追いかけないと。
休日のアーケードは人がごった返しで、あの化け物のターゲットになってしまう。
だが腹部と胸から流れ出る血を見て、ショボンは昏い眠りへと落ちていく。
だが足は痛まない。
(´-ω-`) 「うう・・・止め・・・ないと」
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「やあショボン君!また会いましたおね」
「ようショボン!また変な夢見ちまったな」
(´・ω・`) 「やあ」
また夢の通路だ。今度は水色の明かりが灯っている。
また三人で並んで進む。
今回は迷路のようにひたすらくねっている。
何度か曲がっていると、あの女ゆりこが現れる。
从*゚∀从「また会えてうれしいわショボン」
从*゚∀从「私はずっとあなたの傍にいるのよ 忘れないでね・・・」
ゆりこは消えた。
ショボン達がまた少し直進すると、突き当たりの扉を開いた。
篝火が四つに怪しい青装束の男が三人。
脇二人が剣を持って佇み、真ん中の司祭らしき男は
ショボン達と同じような半透明の人間を宙に浮かせている。
半透明は髪が伸びていて体の輪郭に膨らみがあるので女のようだ。
「なんだ?この気味悪い儀式は?」
「悪魔を呼びだそうとするんでしょうかお?」
司祭「・・・深きに眠る、我が暗黒の王よ」
司祭「この若き魂を受け取り給え!」
司祭が高らかに叫ぶと、左右の男が剣を掲げて切っ先を女に向ける。
こういう場面はオカルト映画だと大抵、生贄の女を串刺しにして血を悪魔に捧げたりする。
(´・ω・`) 「こちらにはまだ気づいてないようだ、助けよう!」
「おい後ろの奴は剣持ってるぜ・・・こっちは丸腰だ 無茶だぜ!」
「あの子を見殺しにするんですかお!?」
「といっても夢の中じゃ進まされるだけで動けねえだろ、どうしろっていうんだ!」
(;´・ω・`) 「うおおおおおおおおおおおお!」
ショボンは一番に動いた。
夢だからか右足首にも支障はない。
現実で拾った、あのナイフを左手に持っている。
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どうせあの餓鬼にやられてショボンは死んでいるのかもしれない。
それならやれるだけやってから死のうという吹っ切れからの動きであった。
司祭「何者だ!我が儀式を邪魔するのは!」
司祭がショボンに向かって手をかざすと、司祭の護衛の真ん前でまたショボンは動けなくなった。
「ショボンさん!助けに来てくれたのね!」
「早く私の名前を呼んで!」
(´・ω・`) 「ーーーー!!!!!」
護衛二人に剣を振り下ろされるのを見ながら。頭に浮かんだ名前を思いっきり叫ぶ。
司祭「なにっ!この少女の名前は・・・」
司祭「そっ!その名前は・・・・・・・・グッ!グワーッ!」
三人の装束の男は消え去った。
一糸纏わぬように見える少女は身を庇いながらこちらに振り向く。
「ありがとうショボンさん、もう少しで生贄にされるところでした」
「私が生贄になっていたら恐ろしい魔王が呼び出されていたことでしょう・・・」
「あなたに会えるのはまだ遠いこと、そして一度は別れる定め・・・」
「いつか私に会いに来て・・・」
魔王だなんていきなり言われてまるでファンタジーRPGのようだといつもなら内心笑っていただろう。
だがあの人間から変じた餓鬼を思うと、少女の法螺とも断じきれないのであった。
そして自分は今現実でどうなっているのだろうとふと思った。
あんなヘンテコなバケモノにちょっと引っかかってきただけで18年の人生終わりだなんて
母やカフェのマスターや色んな人達、パスカルに申し訳なさすぎる。
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(;´・ω・`)「ハッ!?」
気が付けば 家のベッドの中だった。
どこまでが夢でどこからが現実なのか?
だが餓鬼に引っかかれた時の服の傷は残っている。
血は止まっている。というか出ていない。
从´・ω・`从「ショボンいつまで寝てるの?休みだからって寝坊はだめよ」
妙に気だるくてパソコンをつける気にはならない。
スマホを見ると充電満タンだ。
いつの間にか悪魔召喚プログラムが更新されていたらしく
履歴には「オートマッピングプログラムを追加しました」というメッセージがある。
見る限り、大手検索エンジンが配布しているようなものと同じようなマップアプリ機能らしかった。
(´・ω・`) 「目的地に殺人事件があったっていうイノガシラ公園がマーキングされてる・・・」
服を着替えて一階へ降りる。
从´・ω・`从「おはようショボン、夕べはどうしたの?
从´・ω・`从「うなされて誰かを呼んでたわよ」
从´・ω・`从「確か・・・女の子の名前は・・・」
从´・ω・`从「隣のツンデレさんだったような・・・」
从´^ω^`从「なに赤くなってるの?ウソよ」
(´・ω・`) 「僕昨日いつ家に帰ってきたんだっけ?」
从´・ω・`从「夕方くらいだったかしら、料理してる時に急に帰ってきて」
从;´・ω・`从「無言でご飯も食べずお風呂も入らず今まで寝てたのよ!」
ショボンはほっとする。食事も取らず寝たということは
少なくとも昨日の餓鬼に憑依されたとかでもなさそうだからだ。
餓鬼は言い伝えによると、いくら食べても口の中で食物が炎となって消えて飢餓感が満たされないらしいから。
(´・ω・`) 「ご飯食べてからお風呂入って散歩行って来るよ」
从´・ω・`从「しかし隣の先生も娘さんが年頃で心配が多いわよね
从´・ω・`从「ショボンが男の子で良かったわ」
从´・ω・`从「とはいえ一応ショボンは受験生なんだからほどほどにね、でも男の子は元気な方がいいか」
早めに食事と風呂を済ませて家を出る。
一応、餓鬼のようなバケモンとまた出会ってもいいように腕にリストバンドをつけてスマホをセットする。
いわゆるハンドヘルドコンピュータみたいにスマホをすぐ触れるようにしておくのだ。
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悪魔召喚プログラムを100%信じているわけじゃないが、
本物ならあのバケモノ、悪魔が出たら会話して戦わずに済むかもしれない。
もしただのお遊びゲームアプリだったら悪魔に出会ったら110番で警察にかければいい。
一応、昨日の餓鬼に襲われた傷が気になるんでお隣の先生に診てもらおう。
(。´┏ω┓`) 「おおショボンくんか!うちの娘なら部屋にいるよ」
(。´┏ω┓`) 「おーいツンデレ!ショボンくんが来とるぞ」
「はーい!聞こえてるわよ」
小さな診療所兼家になっている。
(゚⊿゚)「あらショボン!どうしたの?えっ夢?」
(゚⊿゚)「あたし夢なんか見てないわよ」
(#゚⊿゚)「今日はデートだったのに警察のせいでどこにも行けないわ」
(゚⊿゚)「相手?誰と付き合おうとあたしの勝手でしょ!」
(´・ω・`) 「お前のノロケ話なんか興味ねえよぶち殺すぞ」
玄関付近の診療部屋に行く。
ツンデレの父に診てもらった結果、傷は全く見つからなかった。
アーケード街のドラッグストアで傷薬を数個買い、サバイバルショップで丈夫な上着を買っておく。
イノガシラ公園に、餓鬼のような悪魔がいてもおかしくはないからだ。
道中では小さな妖精みたいなやつらがポツポツと見えたが、あちらから近寄ってくる事はなかった。
気付かれていないのだろうか。
イノガシラ公園前は相変わらず封鎖されている。
だが封鎖のバリケードの前にみすぼらしい老人が寝ていた。
/ ,' 3 `ヽ「お前がショボンか」
/ ,' 3 `ヽ「大いなる力を使いこなせるかもしれんな」
(´・ω・`) 「大いなる力?まず聞きたいのはあなたがここにマップで僕を呼びだしたんですか?」
/ ,' 3 `ヽ「光と闇、法と混沌・・・世界のバランスが崩れようとしておる」
/ ,' 3 `ヽ「何れに傾こうと結果は同じじゃ、お前ならどうする?」
/ ,' 3 `ヽ「いずれにせよ引き返すことはできぬ、とりあえず力を見せてもらおうか」
老人が手をかざすと、激しい光がショボンを包む。
(´・ω・`) 「しまった!こいつも餓鬼の仲間ーー」
何か大きなうねりを感じて、ショボンの意識が吹き飛んだ。
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「今度は何があるんでしょうお?」
「マジかよ!昼間から夢見てるなんて」
ブーンとドクオがいる。どうやら夢のようだ。
だが今までと違うのは、今までのぼんやりした通路ではなく
明確に現実の建物の中だと分かる事だ。
またいつものように勝手に足が動いて三人並びで階段をひたすら上っていく。
夢のスタートが一階だとすれば、今は五階まで来たところか。
ある部屋の前まで来た時に、ショボンの母が現れた。
从´・ω・`从「ダメよ!ショボン、この先は危険なの!みんなもやめて!
从;´・ω・`从「止めても無駄なのはわかってるの、でも」
从´;ω;`从「「あなたがいなくなったら、私はどうすればいいの・・・」
ショボン母の幻影は消え、三人は奥へ進む。
いつか夢で見たような、室内に鳥居があって男が佇んでいる場所。
鳥居の両端には巫女が一人づついて、神社にあるような御幣を振り祈祷を行っているようだ。
真ん中の白衣の男は何かの大きな機械にプログラムを打ち込んでいるとショボンは理解した。
(o-o、)「我が同胞よ!今こそ魔界より来れ!」
(o-o、)「むむっ?一体何用で此処に足を踏み入れたるか?」
(o-o、)「そもそも表には厳重に封印をしていたような・・・」
「あなたはいったい何をしているんですかお?」
(o-o、)「まぁいい、儀式を見たからにはお前達を生かしては帰さんぞ」
(;´・ω・`) 「異様な雰囲気だ!逃げよう!」
「同意だぜ!なんかこいつはヤバい!」
三人揃って部屋から抜け出すが、白衣の男は三人に先回りして道をふさいだ。
(o-o、)「ふむ右の小僧、召喚術が使えるのか?」
(゚┏Д┓゚ )「だが平安の世から呪符と式神を使ってきた芦屋道満の足元にも及ぶと思うな!」
白衣の男は一瞬で赤白のエリマキを巻いた異様な服装のハゲヒゲ男に変貌した。
(´・ω・`) 「召喚術・・・悪魔召喚プログラムのことか?」
左腕のスマホをタップしてアプリをクイック起動すると、いつの間にか見知らぬ悪魔の名前がいくつか出ていた。
(´・ω・`) 「仲間にするどころか会話だってしたことないのに・・・」
(´・ω・`) 「力試しのチュートリアルとして貸すってことかな?おじいさん・・・」
-
(´・ω・`) 「とにかくやらなきゃ殺られるだけだッ!」
今回の夢は明らかに現実味を帯びすぎている。
少女を救った夢の謎の司祭ですら妙にファンタジーじみてはいた。
だが今回の芦屋道満を名乗る男は夢や幻ではない本物の殺気をピリピリと感じる。
本当にショボン達を生かして帰す気はないのだろう。
(;´・ω・`) 「サモン!ちんぴら、ゾンビ!」
(;´;ω;`) 「あああああああああああああっ!?」
ナイフを持ったちんぴらとシャツ一枚のゾンビを召喚した瞬間、ショボンの体が痺れに襲われた!
ショボンは思い出していた。後日追加された悪魔召喚プログラムの追加マニュアルを。
悪魔の召喚にはそれに応じたお金が必要で、悪魔の戦線維持にはマグネタイトというものが必要だと。
確かマグネタイトは人間の体内にある血の鉄分でも緊急時に代用可能だと。
だがショボンは道中の悪魔と戦って倒してすらいないので、マグネタイトなど持っていない。
よってショボンの体内の鉄分が悪魔召喚の代償で失われたということだ。
「ショボン君!?」「ショボン!」
(;´・ω・`) 「かまうな・・・僕含め全員突撃だッ!」
(#´・ω・`) 「生き残れッ!!!!!」
三人とゾンビ、ちんぴらは全力疾走でドウマンに近づき全力の一撃を放とうとする。
(゚┏Д┓゚ )「ふは、ふははは!召喚できたと思えばくだらぬ屍傀儡とゴロツキ程度か!」
(゚┏Д┓゚ #)「一瞬で全員焼き尽くすことで笑わせてくれた礼としよう!マハラギ!」
ドウマンが両手をかざすと、ショボン達の周囲が炎に包まれた。
ゴーストとちんぴらは断末魔すら出せずに一瞬で蒸発し、三人も大火傷を負う。
(゚┏Д┓゚ )「フンまだ息があるか、しかし全身を焼かれては数秒と息は持つまい」
(#´ω`#) 「アァ・・・いきて・・・るか・・・みんな・・・」
(゚┏Д┓゚ )「ムッ!?誰だ!邪魔をするな!」
いきなりドウマンが狼狽し始めた。
うっすら眼を開くと、ブーンとドクオらしきものは消え失せつつある。
二人は大丈夫だといいんだがとショボンは案ずる。
(゚┏Д┓゚ ;)「おのれぇ、ターミナルシステムを逆利用して小僧どもの・・・」
(゚┏Д┓゚ )「どこぞの誰か知らぬがこんな小僧どもを遣いに寄越して!」
(゚┏Д┓゚ )「ーーーーの復活と現世へのーーを止められると・・・!」
-
(;#´・ω・`) 「エ゛ッハァ゛!!!!!」
夢から覚めてまずは何度も大きく呼吸をする。
あの大火傷は現実ではないと安心する。
/ ,' 3 `ヽ「どうやら今のお前では無理のようじゃ」
(;´・ω・`) 「なんなんですか?一体僕に何をさせたいんですか?」
/ ,' 3 `ヽ「運命ならば奴ともう一度相まみえようぞ」
/ ,' 3 `ヽ「敵を倒すばかりでなく、大いなる力で味方に引き入れ同志を増やすのだ」
/ ,' 3 `ヽ「同志が増えたら一つの力に集束して更なる力を求めよ」
/ ,' 3 `ヽ「だが力を求めるのみでは奴と同じで暗黒面に飲み込まれよう、心してかかれ・・・」
(´・ω・`) 「ちょっと!!」
ショボンが色々聞こうとする前に老人の姿は掻き消えた。
(´・ω・`) 「とりあえずマップの目的地は消えたし今日は家に帰ろうかな・・・」
(´・ω・`) 「公園の横に建物がある、あんなのあったかな?」
警戒もせずに建物に入っていく。
建物は一階建てで大して広くもないが、目を引いたのが奇妙なテナントだ。
髭をたくわえた奇妙な老人のいる邪教の館。
悪魔同士を合体で強化する施設らしいが、全く悪魔を仲間にしていないショボンは追い払われた。
また向かい側にあったのは道場だった。
何の道場か聞いても「回復道場」としか言われない。
今は無傷なので回復は必要ないが、品物を売っているというので見るだけ見ることにした。
この道場の破魔矢は高いが特別な力を込めているのでお買い得だというので3000円で一つ買ってみた。
(;´・ω・`) 「役に立つのかなぁ・・・まぁ最近物騒だしお守りで母さんにあげてもいいか」
更に空き部屋で傷薬とマグネタイト(!)を見つけた。
砂鉄をドロドロにしたようなものが部屋に落ちており、ショボンが近づくとそれはスマホに吸い込まれていった。
そしてスマホ上の悪魔召喚プログラムのMAGカウンターというものが0から400に増えた。
あの老人はいずれショボンとドウマンが再戦すると言っていた。
また夢で連れていかれるのか、自分から現実で乗り込んでいくのかは不明だが。
その為に力をつけなければいけないのかとショボンは思い始めていた。
片手にアタックナイフを忍ばせながら街の人気のない場所をうろつく。
日が暗くなりなってしばらくすると、よたよたと歩いている女性を発見した。
だが様子が尋常ではない。
全裸で、皮膚が赤黒く妙な臭いが漂って来る。
夢の中で召喚したようなゾンビを連想させたが、万が一一般人であればまずい。
イノガシラ公園の事件のせいで、一昨日から警察によって包囲網が敷かれているのだから。
いきなり戦闘する事はなく、しばらく後をつけて様子を見ることにした。
-
何分かすると、ジョギング中の人間を見てゾンビらしき女性が急にすばしっこくなった。
川д川「ア゛ーー」
「うわぁなんだ!助けてくれー!」
(´・ω・`) 「でィヤァ!」
(;´・ω・`) 「うっ!」
昔見てた仮面のヒーローの必殺技みたいに、ゾンビをドロップキックで吹き飛ばした。
異臭がひどくて目も生気がない。やはりゾンビ確定か。
(´・ω・`) 「早く逃げてッ!」
一般人を逃がすと、ナイフを構えてゾンビと対峙する。
逃がした一般人が通報でもして駆けつけてこられたら厄介だからできればすぐにカタをつける。
(´・ω・`) 「くらえッ!」
ゾンビの胸を袈裟のように斬る。
ドブの腐ったような血の臭いが広がり目を覆う。
その隙にゾンビに掴みかかられて膝蹴りで突き飛ばして距離を取る。
(´・ω・`) 「元はきっと素敵な女性だったのかもね・・・」
(´・ω・`) 「きっとドウマンみたいな悪い奴に殺されて玩具にされているんだろう」
(;´・ω・`) 「気をしっかり持て・・・楽にしてやるんだ・・・!」
ゾンビが飛びかかってくるのを半身で避け、ローキックで転ばす。
驚いたことに、事故にあった右足でやってしまったが痛みがこない。
というよりショボンが謎の扉に夢で会った後から足の痛みが引いたのだ。
秘められし力とやらのおかげかもしれない。
(´;ω;`) 「ごめん・・・ごめんね・・・!」
(´;ω;`) 「このッ!このッ!」
うつ伏せに倒れたゾンビの頭にナイフを刺し、足で踏んで杭のように突き刺していく。
やがて根元まで入ってドロッとしたものが流れた頃にはゾンビは動かなかった。
(´・ω・`) 「これは・・・」
崩れゆくゾンビの体内から模造刀が出てきた。
ゾンビとして動かすために触媒として使ったのか?
(´・ω・`) 「不気味だけどもらっておこう」
-
「ア゛ァ゛ー!!!!!!」
(´・ω・`) 「!」
数十メートル離れた先だ。
「助け・・・助け・・・」
先ほど助けた一般人が天に手を伸ばしもがいている。
やがてミイラのようにシワシワになった。
ショボンは見逃さなかった。一般人の抜け殻からうっすらとした何かが出てくるのを。
(´・ω・`) 「人間に憑りついて生気を吸い尽くすのか・・・」
人を結局助けられなかったのと、自分も餓鬼との遭遇でああなっていたかもしれないと震える。
勇気を振り絞って、両手で模造刀を構える。
(;´・ω・`) 「こい低俗な悪霊!僕のほうがもっと強い気を持ってるぞ!」
(д)「マグネ・・・タイト・・・ホシイ・・・マグネ・・・タイト・・・スゥ・・・」
悪霊らしきものが真っすぐ飛んできた。
ショボンは野球のバッターのように、ボールにするように悪霊に振りかぶった!
(д)「ギャアアアアアアアアア」
物理的なものは幽霊には効きづらいと思っていたショボンはあっけにとられた。
大きい火の玉のような悪霊の下半分を見事に切り落として消滅させたからだ。
生物なら下半身切り落とされた時点で即死なので、霊には効きづらいのは変わりないようだが。
半分以上小さくなった悪霊は逃げていく。
(д)「ウォマエ・・・キケン・・・」
(´・ω・`) 「待て!逃がすか!」
(д)「ザ・・・ん」
悪霊が何か呟くと、どこかから鋭い衝撃が優位なショボンを襲う。
(;´・ω・`) 「ぎゃああああああああ!」
腕が軽く切り裂かれ、血が滲む。
ドウマンが使ったのとは別系統の魔法だろうか。
しかもショボンが痛みに呻く間に、悪霊は実体を希薄化させて姿を消してしまった。
(;´・ω・`) 「に・・・逃げるのか!たかがお前らの餌に過ぎない人間相手に!」
挑発するとまた衝撃波を打ってくるのでスレスレで避ける。
通算四回ほど打ってくると、詠唱の声すら聞こえなくなった。
思った通りだ、とショボンは内心勝利を確信した。
-
魔法を使えるといえど、ゲームなどと同じで行使するには魔力などの何らかの源があるはずだ。
失礼な物言いになるが、対峙している程度の低級霊ならさほど魔力はないだろうと踏んだのだ。
(´・ω・`) 「ヘイ悪霊ちゃん!たかが人間に魔法使って仕留めきれないってどんな気持ち?」
(´・ω・`) 「ただ僕も避けるのに精いっぱいでかすりまくったからもう大きく動けないんだよね」
(´・ω・`) 「僕は這いつくばって家なり施設なりに行けば回復できるけど、君の体は再生できるの?」
(´・ω・`) 「バッサリ斬っちゃって悪いと思うしさ、僕の体を貸すよ」
(´・ω・`) 「できるもんなら乗っ取って僕の体をモノにしてもいいしさ、どう?」
(;´・ω・`) 「もし僕なんかじゃ嫌なら断ってくれればこの刀で首切って果てるからさ」
(д)「イイ・・・ホシィ・・・」
悪霊は警戒しているようで、話している最中にも移動しまくって声が飛び飛びだ。
(´-ω-`) 「んじゃ抵抗しないからゆっくり入ってきて、どーぞ」
ショボンは目を閉じて模造刀を手と一緒に下げる。
(´-ω-`) 「心構えできてなくて怖いから一応入る時声かけてね」
30秒ほど互いの沈黙が続く。
そして・・・
(д)「ヨォコォセェェェェェェ!!!!!」
ランダムにジャンプしつつ悪霊がショボンに突進してくる。
(´-ω-`) 「ありがと」
(;´・ω・`) 「お試し回転斬り!!!!!」
模造刀の刃を水平にしつつ、ジャイアントスイングの要領で一回転。
薄い紙のようなものを切り裂く音と、とても低い断末魔の声が木霊した。
見ると残った頭部分を縦二つに切り裂かれた悪霊が、恨みのような視線を向けて消え失せていく。
悪霊の足元?には、キラキラと輝く不格好な鉱石が落ちていた。
(´・ω・`) 「宝石・・・?」
手に取ってギュッと抱きしめると、鉱石が消え体が楽になっていく。
(´・ω・`) 「傷が・・・消えた・・・?」
更に鉱石と同じ場所に小さい石が落ちているので拾う。
とりあえずアタックナイフの反対側のズボンのポケットへ。
ひとまず一般人の仇は取れた。
-
(´・ω・`) 「誰だ!」
羽根がこすれる音と気配を感知し、背後に刀を向けて威嚇する。
ピク;゚ー゚)シ「ちょ、危な、あぶな!やめてよぉ!」
手のひら大くらいの女の子がレオタードを着て空中を飛んでいる。
(´・ω・`) 「悪魔か・・・さっきの奴らと違って理性的に話せるかな?」
ピク*゚ー゚)シ「あたしは大丈夫だよぉ。ゾンビや外道みたいに破壊衝動ないもん」
(´・ω・`) 「破壊衝動?」
ピク*゚ー゚)シ「そ。さっきあんたが戦ってた連中は精神がダークサイドなの」
ピク*゚ー゚)シ「ゾンビだったら人殺して食べたいとか仲魔増やしたいとか」
ピク*゚ー゚)シ「ついさっき戦ってた外道ならひたすら破壊とか生気吸い取って強くなりたいとかね」
ピク*゚ー゚)シ「基本的にあたしらニュートラルやあんたら人間とは合わないから仲良くなっても食い殺されちゃうよ」
ピク*゚ー゚)シ「でももうちょっと頭がよければダークサイドでも理性的なお話できちゃう奴はいるから気を付けないとね」
(´・ω・`) 「なるほど・・・でお前は何しに来た?」
ピク*゚ー゚)シ「あんたなかなか強そうだから仲魔になってあげてもいいかなと思って」
(´・ω・`) 「すぐには信用できないな。僕の持ってるプログラムのマニュアルでは交渉時にお金などを渡すと書いてあった」
(´・ω・`) 「君は小さくてすばしっこそうだから、仲魔とやらになる前に取るだけ取って逃げるんじゃないのか?」
そうなら失せろ、さもなくば斬り殺すといったように刀を更に近づける。
ピク;゚ー゚)シ「ちょっ、違うし!あたしはこんなとこから脱出したいだけ!」
(´・ω・`) 「どういう・・・事かな?」
ピク*゚ー゚)シ「あのエコービルのハゲ男がね!世界各国からこの街に悪魔呼んでんのよ!」
(;´・ω・`)「!」
ピク*゚ー゚)シ「召喚すんのはいいけどサ、あいつケチで活動用のマグネタイトすらくんないの!」
ピク;゚ー゚)シ「だからあたしみたいなのはそこらの人間からちょっとだけマグ分けてもらえば生きれるけど・・・」
ピク*゚ー゚)シ「あたしより燃費悪い悪魔なんかは人間直に襲って血肉からマグ摂取したり」
ピク*゚ー゚)シ「あんまひどいと悪魔同士で殺しあう地獄絵図になっちゃうんだから!」
-
(´・ω・`) 「じゃあこの街が嫌なら出て祖国に帰ればいいじゃないか」
ピク;゚ー゚)シ「あたしの国イングランドでチョー遠いし、そもそもこの街結界張られてんのよ!」
(;´・ω・`) 「結界・・・?そこまでする意味とは・・・?」
ピク*゚ー゚)シ「わかんないけどあのハゲは親友兼ライバルを蘇らすのとハクドウなんたらへの復讐って言ってたわ」
(´・ω・`) 「その男は普段白衣の研究者を装ってないかい・・・?」
ピク*゚ー゚)シ「そうそいつよ!人の目は誤魔化せるだろうけど悪魔にはバレバレなんだから!」
ピク;゚ー゚)シ「今はまだいいけどアイツがもっと力をつけたらこの街丸ごと魔法陣にされるでしょうね・・・」
(´・ω・`) 「魔法陣?」
ピク#゚ー゚)シ「にぶいわね!街丸ごとハゲの親友のアベノなんとかを蘇らす生贄になるって事よ!」
(;´・ω・`) 「なんでこんな静かな町でそんな悪魔のような計画が・・・」
ピク*゚ー゚)シ「んであんた腕っぷし強いけど魔法とか使えなさそうだし」
ピク;゚ー゚)シ「あたしを仲魔として連れてこの街から出してくんないかな?」
(´・ω・`) 「利害は一致というわけか。僕もその男には借りがある」
(´・ω・`) 「しかもそいつを倒すように脅されてね。聞かなきゃまた強制的に飛ばされて死ぬ寸前までやらされるだろうな」
(´・ω・`) 「で、条件として何が欲しいんだい」
ピク*゚ー゚)シ「さっき魔石拾ったでしょ?契約の証としてそれでいいよ」
(´・ω・`) 「魔石?これのことかな」
ポケットに入れた小さい石を見せる。
ピク*゚ー゚)シ「そうそう!悪魔にとってのごちそうよ!」
(´・ω・`) 「じゃあこれをあげるから・・・」
ピク*^ー^)シ「私は妖精ピクシー。こんごともヤサシクしてね!」
(´・ω・`) 「ところで君はどんな技が使えるの?」
ピク*゚ー゚)シ「相手を幸せにさせる魔法と回復魔法と電撃魔法だよ」
(´・ω・`) 「幸せにさせてどうするんだい?」
ピク*゚ー゚)シ「相手に幸せな幻影を見せつけて行動をにぶらせるのよ」
-
ピク*゚ー゚)シ「あとあたしの電撃はかなり強いけど加減効かないし燃費悪いから気を付けてね」
ピク*゚ー゚)シ「魔力まんたーんから一回電撃使ったらほぼ空っぽになっちゃう感じかな」
ピク*゚ー゚)シ「あと必要ないときは基本仲魔は召喚機にしまっといたほうがいいよ」
(´・ω・`) 「僕で言うとこのスマホの事かい」
ピク*゚ー゚)シ「そそ。悪魔って本来魔界の生物だから、人間界にいると酸素みたいにマグネタイト使わなきゃいけないの」
ピク*゚ー゚)シ「まぁあたしはかわいくて燃費いいけど、最上級悪魔の魔王や魔神になると万単位でもあっという間じゃない?」
ピク*゚ー゚)シ「まぁ召喚の度にお金は発生しちゃうけど、調達の難しいマグよかマシと思うわけよ」
(´・ω・`) 「マグネタイトはどうやって手に入れるんだい?」
ピク*゚ー゚)シ「まぁ手っ取り早いのは悪魔を殺す事でしょうね」
ピク*゚ー゚)シ「でも基本的温和なあたしたちニュートラルは自分で使うギリギリの分しか保有してないわ」
ピク*゚ー゚)シ「ニュートラルでもたまに貯め込んでる個体はいると思うから喜ばせれば気前よくくれるかもね」
ピク*゚ー゚)シ「あとは他悪魔や人間を殺して過剰にマグを溜めてるダーク系を殺して奪うか」
ピク*゚ー゚)シ「まあ殺すのは抵抗感あるかもしれないけど、どうせダークの奴らも人殺し悪魔殺しだし」
ピク*゚ー゚)シ「基本的に会話で仲魔になるの嫌がるから後腐れはないわね!」
(´・ω・`) 「見た目の割りにえぐい悪魔だなぁ。とりあえず一度戻すね」
(´・ω・`) 「あ、そうそう」
(´・ω・`) 「ドウマンのハゲの計画は今日中に終わるとかそんなんないよね?」
ピク*゚ー゚)シ「今日中はさすがにないわね。でも日に日に召喚されてくる悪魔も増えてるから・・・」
ピク*゚ー゚)シ「一週間は少なくとも猶予があるんじゃない?」
ピク*゚ー゚)シ「ほんじゃま、危ない時や怪我したら呼んでねぇ」
スマホをタップしてピクシーを選ぶと、デジタルの記号のように消えていった。
(´・ω・`) 「今日中じゃないなら大丈夫だろう、今日は家帰って寝よう」
(´・ω・`) 「しかしブーンやドクオはドウマンとの戦いの後大丈夫だったろうか?」
(´・ω・`) 「いつも夢で一緒に召集されるってことは、彼らもキチジョウジ住みなのかな」
(´・ω・`) 「悪魔が本当に存在するのはわかったし、早く行動を起こさなければ」
-
(´・ω・`) 「カフェはもう閉まってるだろうし、今日はツンデレん家だけでも悪魔の注意喚起しに行こうかな」
(´・ω・`) 「こんにちはー」
(;??? )「おおショボン君か」
(; ??? )「ツンデレが昼に出かけたっきり帰ってこないんだ、携帯も電源が切られてる」
(;´・ω・`) 「なに!?」
( ;??? )「どこか心当たりがあったら一緒に探してくれんかね?頼むよショボン君」
(;??? )「ツンデレはシンジュクに行くと言って出て行ったんだが・・・」
(´・ω・`) 「しかしシンジュク行きの電車は今日の午後からずっと運航休止のはずです」
(;??? )「まさかタクシーでも拾って封鎖の隙間から行ったのでは・・・あのバカ娘!」
(´・ω・`) 「でもこんな事態ですから逆に言えば大胆に動いてもバレないって事ですよね」
(´・ω・`) 「地下鉄とか最悪下水の中を歩いてシンジュクまで行ってみますよ。でも疲れてるので少し仮眠取っていいですか」
( ??? )「おお・・・申し訳ない、助かるよ」
(´・ω・`) 「あと街中にゾンビやら妙なモノがうろついているので必要最低限は外に出ないでくださいね」
ツンデレ父と話をしてショボンは家に帰った。母は外出でいないようだ。
ツンデレの安否が気になったが、早朝までしっかり寝た。
階段を下りるが母はまだ帰ってないようだ。
玄関を出た途端に警察官、いや機動隊に呼び止められた。
「ちょっと待て、お前ショボンだな。」
(´・ω・`) 「はぁ、なんでしょう」
「逮捕する!それっ取り押さえろ!」
(;´・ω・`) 「なッ!?」
「昨日市民からの通報でお前が人を斬り殺しているという目撃があった!」
「武器を持っているぞ!ナイフに・・・刀まで!?」
「イノガシラ公園の事件もこいつかもしれん!」
「跡が残ってもいい!抵抗できなくなるまで殴るんだ!」
(´ω`) 「があああああああああ!!!!!!」
ショボンの意識は闇に沈んだ・・・。
-
真1か懐かしい
-
(#;´-ω-`#)「うぅ・・・」
意識がなくなるまで機動隊にタコ殴りにされ、謎の場所に運ばれたショボン。
一度目が覚めてから、警官に「そこに入ってろ!」という怒号と共に牢に投げ入れられまた気絶した。
家を出た直後にこんな目に遭うなら、朝食をしっかり食べておくんだったと後悔した。
(;^ω^)「あの・・・大丈夫ですかお?」
(;^ω^)「君も捕まったんですかお・・・?」
(#;´・ω-`#)「きうぃも・・・?」
手酷く殴られて口をあちこち切っている。
うまく発音できない。
( ;ω;)「こんなになるまで・・・ひどい事を」
( ;ω;)「ちょっと待ってて下さいお」
( ^ω^)「ディア!!」
男が手をかざすと、まばゆい光がショボンの全身を包み癒す。
( ^ω^)「妙な化物が襲ってきて大怪我した時に使えるようになったんですお」
(´・ω・`) 「ありがとう。楽になったよ」
( ^ω^)「本当に、よかったですお!」
男は屈託なく笑う。
きっと裏表もなくいい奴で誰からも好かれる性格だろうなとショボンは思った。
(´・ω・`) 「化物は悪魔って総称で呼ばれてる。君は怪我だけで済んで良かったよ」
(´・ω・`) 「悪魔にはただの回復魔法や傷薬では治せないような魔法や特殊攻撃を持つ奴もいる」
(´・ω・`) 「悪魔と対話できるようなスキルでもない限りは逃げた方が無難だよ」
(;^ω^)「ありがとうございますお。でも何で君はそんな詳しく・・・?」
(´・ω・`) 「百聞は一見に如かずだね」
(;´・ω・`) 「あれ?」
左腕のバンドにスマホをつけたもの─アームターミナルが無い。
武器も丸ごとなくなっている。
(´・ω・`) 「当然と言えば当然か。危険物は没収されている」
(´・ω・`) 「僕はスマホで悪魔を味方に引き入れたり呼びだしたりできる」
-
(´・ω・`) 「君のように才能はなかったのか、魔法は一切使えないみたいだが」
(´・ω・`) 「あとは武器の扱いはそこそこ慣れてきた」
(;´・ω・`) 「そのせいで悪魔との戦闘を見られて捕まってしまったわけだけど」
( ^ω^)「悪魔を操れたり、武器を扱えるだけですごいですお!」
(´・ω・`) 「ありがとう。君は本当にポジティブでいい奴だな」
(;^ω^)「そうだ聞いてくださいお!僕の彼女が行方不明になってしまったんですお!」
(;^ω^)「僕は彼女を捜しているうちに悪魔が襲ってきて・・・」
(;^ω^)「戦っていたら警察に捕まったんですお」
(´・ω・`) 「君も災難だったな。人を捕まえるより悪魔をどうにかしろよぶち殺すぞ」
(;^ω^)「彼女をはやく捜さないと・・・」
(;^ω^)「僕の彼女を捜すのを手伝ってくれませんかお!?」
(´・ω・`) 「初見で判断するのもアレかもしれんが、君がすごく優しくていい奴なのは伝わってくる」
(´・ω・`) 「しかし僕にも探さなければいけない人がいるんだ。」
(´・ω・`) 「固まって行動した方が安全で安心するがそんなに時間はないかもしれないんだ」
(´・ω・`)「ただ生き残れるように悪魔召喚プログラムをコピーして分けてあげる事はできるかもしれない」
(´・ω・`) 「今は何か携帯とか通信機器は持ってる?」
(;^ω^)「スマホはあなたと一緒で没収されてしまいましたお」
(´・ω・`) 「なるほど、この施設内で見つかったらコピーできるか試してみてあげるよ」
(´・ω・`) 「お互い戦えるしこの施設を脱出するまでは協力した方がいい。」
(´・ω・`) 「だがその先は別行動かな。回復してもらって感謝してるよ」
(;^ω^)「そうですか・・・すみませんお」
(:^ω^)「つい夢のつもりで気安く頼んでしまったんですお」
(´・ω・`) 「夢!?どういうことだ?」
(;^ω^)「ここ数日、僕と二人の男の人でそこら辺をブラブラ歩く夢をよく見るんですお」
( ;ω;)「最後の夢なんか三人で仲良く焼かれて・・・夢とはいえ死ぬかと思いましたお!」
-
(;´・ω・`) 「君の名前は?僕はショボンだ」
( ゚ω゚)「あっ・・・君は・・・」
( ^ω^)「ショボン君ですかお!夢じゃないんですねお!」
( ^ω^)「僕はブーンですお!覚えていますかお?ショボン君」
(´・ω・`) 「ああ、あのクソッタレ平安ハゲに仲良く丸焦げにされた夢は忘れないさ」
( ^ω^)「クソッタレ平安ハゲですかお?」
(´・ω・`) 「ああ、話せば長くなるから概要を言うと」
(´・ω・`) 「この街キチジョウジはあと一週間もせずにあの夢の男の儀式の生贄に使われる」
(;^ω^)「!!!!!」
(´・ω・`) 「知り合って味方にした悪魔から聞いたから半信半疑ではあるけどね」
(´・ω・`) 「あのハゲが何か呪術的なことを企んでるのは夢で見る限り・・・」
( ^ω^)「静かにお・・・!」
ブーンが指を立てる。
何か足音が近づいてくるようだ。
(・□・)「手術の時間だ!出てもらおう」
白衣のマスク男がショボン達の牢の鉄格子を開ける
(#^ω^)「だぁぁぁりゃああああああ!!」
ブーンが紳士的な態度に似合わず、白衣の男に飛びかかる。
(;・□・)「何を!」
(-□-)「うっ」
男は頭を打ち、気を失ったようだ。
(;^ω^)「さあ今のうちに外へ出ましょうお!」
(´・ω・`) 「ありがとう、助かったよ」
(´・ω・`) 「その勇気と魔法の力があれば病院の外でも大丈夫そうだね」
(;^ω^)「病院?なんでわかるんですかお?」
(´・ω・`) 「あの男が手術って言ってたからね。予想だよ」
-
(;^ω^)「なるほど、鋭いですねお。しかしなんで犯罪者をいきなり病院に?」
(´・ω・`) 「警察病院で犯罪抑止の為にロボトミーでもやるつもりだったのかね?」
(´・ω・`) 「しかしロボトミーなんて半世紀以上前に人道的ではないって事で禁止になったはずだが」
( ^ω^)「人を殴って気絶させて押し込むような病院ですお。極論だけど何したっておかしくないですお」
(´・ω・`) 「確かにね。街で聞いた噂だとキチジョウジのある病院の院長は最近おかしいらしいし」
(´・ω・`) 「まぁとりあえず病院の外に出る方法を考えよう」
( ^ω^)「僕もツンを早く探したいですお・・・!」
(´・ω・`) 「ん?ツンだって?キチジョウジ住みかい?」
( ^ω^)「彼女の名前はツンデレですお。何か知ってるんですかお?」
(´・ω・`) 「その子の親は開業医かな?」
かくかくしかじか
(;^ω^)「えっ!ショボン君はツンデレの家のとなりに住んでいたんですかお」
(´・ω・`) 「僕が探してる人もそのツンデレなんだよ」
(´・ω・`) 「利害一致はしたみたいだし病院を出てからも行動を共にできそ」
(;^ω^)「ショボン君っ!」
ブーンと向き合っていたショボンの背後に、牙をむいた茶色のゾンビが迫っていた。
(#^ω^)「ザンッ!!!!!」
ブーンが指を二本立ててゾンビの方に向けると、ゾンビが吹き飛んで塵へと変わった。
(;´・ω・`) 「ありがとう。攻撃魔法も使えたんだね」
(*^ω^)「どういたしましてですお!実戦で使ったのは初めてですお!」
(;^ω^)「街と同じように病院にも悪魔がいるようですお。慎重に進みながら話をしましょうお」
(´・ω・`) 「そうだね。病院だから医療器具はあるかもしれないが高校生の僕らじゃ使い方が限定されるだろうし」
(´・ω・`) 「怪我しない事にこしたことはないよね」
( ^ω^)「マッパー!」
(´・ω・`) 「マッパ?全裸?何を言い出すんだ?」
-
(;^ω^)「いきなりごめんなさいお。頭の中にしばらく建物の地図を浮かばせる魔法ですお」
(´・ω・`) 「いいね。おや、僕の場合はスマホのオートマッピングに地図が書き込まれていくよ」
(´・ω・`) 「悪魔の抽象的な居場所も分かるみたいだから、建物の角だったら不意打ちもできそうだ」
(;^ω^)「ただある程度時間が過ぎると効果が切れて少しの間再発動できないみたいですお」
(;^ω^)「僕はそれで迷って悪魔と戦いになって捕まりましたお・・・」
(´・ω・`) さてこの階の悪魔はそんないないみたいだから、外へ出る手がかりを探しながら進もう」
( ^ω^)つ「そうだ、これをどうぞお」
(´・ω・`) 「拳銃かい?」
( ^ω^)「捕まる前に倒した悪魔から拾ったんですお。弾もまだありますお」
( ^ω^)「ポケット奥に入れておいたから没収されずに済んだみたいですお」
(;´・ω・`)「暴発しなくてよかったね」
( ^ω^)「僕は魔法が使えますから手近な武器やスマホが使えるまでショボンさんどうぞお」
(´・ω・`) 「助かるよ。地獄に仏かな?」
ショボン達はゾンビや体育座りの幽霊を倒しながら慎重に進んでいった。
拳銃でゾンビの頭を打ち抜くのにショボンはゲーム的な興奮を少し感じたようだ。
幽霊には銃が全く当たらないので、ブーンが衝撃魔法で処理していった。
所々にある牢にはショボン達と同じように恐らく冤罪の人達が閉じ込められていた。
ショボン達と同じように、逮捕したのに何故病院に入れるのか疑問を持つ人や
改造手術なんて嫌だ!と発狂してしまっている人もいた。
(´・ω・`) (まさかドウマンの奴、計画の為に改造人間を作って手駒にするつもりか?)
やがて奥の方の鉄格子を覗くと、車椅子の男がいた。
(ー□ω□)「鉄格子は開いているよ。入っておいで」
(´・ω・`) 「他の人達と違って落ちついている。罠か?」
(ー□ω□)「落ちついているのは君達もだろう、それにこんな場所で罠にかけて楽しむ人間ではないよ」
(ー□ω□)「この独房に悪魔は入ってこれない。さあ」
(;^ω^)「じゃあ、失礼しますお」
男は七三分けの銀髪にメガネをかけて、目立つ赤のスーツを着ていた。
両足を器用に組んで、その上にノートパソコンを置いている。
見るところこの病院で悪魔に襲われたような外傷はないし、罠でなければ退魔の力でもあるのだろうか?
-
(ー□ω□)「君は私が作ったプログラムを持っているな。役に立っているかね?」
(;´・ω・`)「・・・!」
男は銀の髪色と雰囲気が妙に
(ー□ω□)「どうかしたかね?」
(´・ω・`) 「あんたはショボンという名前に聞き覚えはあるか?」
(ー□ω□)「どうかな?君が知っていると思えば知っているんじゃないか?」
(´・ω・`) 「私の作った、ということはあんたが悪魔召喚プログラムの作者STEVEN?」
(ー□ω□)「そうだ、かつて私はターミナルシステムの開発をしていた」
(ー□ω□)「ところが、実験中に悪魔を呼び出してしまったのだ」
(ー□ω□)「私は悪魔をなんとか倒したが、この通り大怪我を負ってしまった」
(ー□ω□)「その苦い経験から、悪魔を仲魔にする事ができる悪魔召喚プログラムを作ったのだ」
(ー□ω□)「ターミナルが魔界へ繋がった事を知ったゴトウという男が悪魔を呼び出して操ろうとしている」
(ー□ω□)「私は、悪魔召喚プログラムを大勢の人間に送ってみた」
(ー□ω□)「悪魔を操れる人間を増やしゴトウを止めようとしたが・・・」
(ー□ω□)「使いこなすのは難しいようだな」
(ー□ω□)「私の話が分かったかね?」
(´・ω・`) 「経緯は分かった。だが質問いいかな?」
(ー□ω□)「どうしたかね?」
(´・ω・`) 「あんたは悪魔召喚プログラムを配布してそのゴトウって奴を倒させようとしてるのか?」
(ー□ω□)「そんなことはない。命は尊いものだから人を殺さずに済めばそれはそれでいいじゃないか」
(´・ω・`) 「そのゴトウというのは人間なのか?」
(ー□ω□)「そうだね。悪魔を使えるとはいえまだ一応人間だよ。人間離れしてはいるが」
(;^ω^)「ゴトウとは自衛隊のゴトウ一等陸佐ですかお?」
(ー□ω□)「ほう、よく知っているね」
( ^ω^)「いつだったか新聞の記事にとても優秀な人で、次期国防長官かもと特集されてましたお」
-
(´・ω・`) 「僕の父のシャキオって名前に聞き覚えはない?昔の同僚だったとか」
(ー□ω□)「あるかもしれない」
(´・ω・`) 「!!!!!」
(;´・ω・`) 「教えてくれ!父は爆発事故で生きてるのか?死んでるのか?」
(ー□ω□)「今はそんな事話している場合ではないのではないかね?」
(ー□ω□)「もたもたしていると異変に気付いた院長が係員・・・」
(ー□ω□)「いや、兵士の軍隊を組織して一階にやってくるかもしれない」
(ー□ω□)「成功例は僅かだが、院長は人間を悪魔化する実験で自分好みの兵士を得ている」
(ー□ω□)「失敗例は一階のそこらにいたゾンビや亡霊どもだ」
(ー□ω□)「2Fの院長室へのオートロックはハッキングで解除しておいた」
(ー□ω□)「院長が直々に気付いてかけなおす前に、さあ行きたまえ」
(´・ω・`) 行きたいのはやまやまだけど」
(ー□ω□)「君らの分の装備などは取り戻しておいたよ」
押収物を入れる袋がSTEVENの隣にあった。
袋から武器やスマホを取り出す。
(ー□ω□)「それでは君にこのプログラムもあげよう。といってもインストール済みだがね
(ー□ω□)「出会った悪魔のデータを分析・記憶していつでも見る事ができるデビルアナライズだ」
(ー□ω□)「そっちの君のスマホにも、余計なお世話かもしれんが悪魔召喚プログラム一式を入れておいた」
(ー□ω□)「何か怪我したり困った事があったらここに来なさい」
(´・ω・`) 「ありがとう。まだあんたはここにいるのか?」
(ー□ω□)「まだいるさ。君達が院長室内のオートロックを切って出入り口をアンロックするまでね」
(´・ω・`) 「終わって帰ってきたら父さんの事を色々聞くから」
(ー□ω□)ノシ
(´・ω・`) 「そうだ、拳銃を返しておくよ。僕は直接殴る武器の方がしっくりくるんだ」
( ^ω^)「了解しましたお、武器にスマホが取り戻せてよかったお」
(;■□■)「院長は無敵の兵士を造る実験をしているのです!私も実験台になってしまう・・・」
-
二階に上がり、独房に捕らえられている係員に出会った。
どうやらこの病院の人間も一枚岩ではないらしい。
小人のような悪魔を先制で撃とうとしたが命乞いをしてきたので話を聞いた。
少しのマッカとマグネタイトを差し出すと、その地霊ノッカーとブラウニーは仲魔になった。
ピク*゚ー゚)シ「やったね!新しい仲魔!」
(´・ω・`) 「勝手に出てこないでよ。戦闘中だったら危ないじゃないか」
(´・ω・`) 「というか機動隊に襲われた時に君を召喚していればよかったね」
ピク;゚ー゚)シ「無理無理無理無理カタツムリ!あの数じゃ電撃一発撃っても足りないわよ!」
(´・ω・`) 「・・・スマホの中から外の様子見えるんだね」
ピク*゚ー゚)シ「そうね。あのおじさんなかなか快適なもの作ってくれるじゃない」
(´・ω・`) 「アップデートで悪魔の弱点とか見れるようになったのもでかいよね」
ピク*゚ー゚)シ「あんたがあたしと会う直前に戦ってた亡霊みたいなモウリョウ、本来なら当時かなり格上だったみたいね」
ピク*゚ー゚)シ「知らなかったとはいえよく挑んだわー」
(´・ω・`) 「目の前で逃がしたと思った人が殺されて・・・ついカッとなった」
(;^ω^)「・・・」
(´・ω・`) 「ああごめんねブーン。僕の最初の仲魔の妖精ピクシーです」
ピク*゚ー゚)シ「よろしくお願いしまーす!」
(;^ω^)「よろしくですお。悪魔ってこんなかわいい子もいるんですおね・・・」
(;^ω^)「うっ!どっからかツンの視線が僕を貫いているような・・・」
(´・ω・`) 「ははは」
(´・ω・`) 「無理にとは言わないけどブーンも悪魔と話してみたら?」
(´・ω・`) 「自分が持ってない魔法を持った悪魔なんかいると便利そうだよね」
(=゚ω゚)ノ「ヒャッハァー!!!!!」
-
棍棒を持って褌を巻いた、全身赤色の犬顔の男が殴りかかってきた。
(´・ω・`) 「危ないッ!!!!!」
ショボンはピクシーをかばって刀を構えた。
だが奇襲だったため迎撃態勢が十分ではなく、刀が吹き飛び腕を負傷する。
(;´・ω・`) 「ぐぅ・・・僕としたことが」
(#^ω^)「ザンッ!!!!!」
(;゚ω゚)ノ「うがっ!」
ブーンの機転の奇襲仕返しにより、衝撃波をもろにくらい男はすっころぶ。
(#゚ω゚)ノ「なにすんだぃょぅ!お前らが脱走して暴れるせいでこちとら休出だょぅ!!!!」
(=゚ω゚)ノ「ヒャッハァーというわけで俺は今日血に飢えてんだ!」
(##゚ω゚)ノ「今すぐ地獄に送ってやるぜぇぇぇぇー!」
(#^ω^)つ パン!パン!
ブーンが男に威嚇射撃する。
(=゚ω゚)ノ「あぶねえな!そのくらいじゃ強化人間の俺は死なねぇょぅ!だがもう一度チャンスをやろう」
(#^ω^)つ チャキッ
ブーンはすかさず男に忍び寄り、こめかみに銃口を当てる。
(;゚ω゚)ノ「おい・・・マジ?人を殺すのかい?」
(#^ω^)「先に殺そうとしたのはあなたですお?」
(#^ω^)「それに僕は今、大事な友達を傷つけられて怒ってますお」
(#^ω^)つ 「僕の初めての仲魔に・・・なってくれますかお?」
(=;ω;)ノ「だーっ!今のはナシ!な、なんでも致します!」
獣人 ワードッグが仲魔になった!
(=;ω;)ノ「勘弁してくれよなぁ!俺は元々ここの係員だったんだょぅ!」
(=;ω;)ノ「なのに急に院長は人が変わってそこらで殺してきた動物を病院内で持ち込んで!」
(=;ω;)ノ「俺で何人目か知らんが次々と係員を動物の死体と合体させやがった!」
(;^ω^)「なんてことを・・・」
-
(´・ω・`) 「胸糞の悪い話だね。人の上に立つ人間の行動とは思えない」
(=;ω;)ノ「同僚はほとんど実験失敗で死ぬかどろどろぐちゃぐちゃの何かになっていった・・・」
ピク;゚ー゚)シ「そりゃあ、生きてる者同士ならともかく生者と死体の合体なんて何が起こるか・・・」
ピク*゚ー゚)シ「あの邪教の館だって基本生きてる悪魔同士しか合体させないもの」
(=;ω;)ノ「挙句の果てには動物か死んでった同僚か知らんが霊やゾンビが院内に出てきやがった!」
(=;ω;)ノ「お前ら脱走者に下ったなんて知れたら俺はコロサレル!!!!!」
(=;ω;)ノ「ああああもういっそ殺してくれええええええええ!!!!!」
やけになったワードッグは棍棒を振り回しブーンに殴りかかる。
ピク;゚ー゚)シ「ジオンガッ!!!!!」
(ω)ノ「ゴフッ」
ワードッグは黒焦げと化して息絶えた。
ピク;゚ー゚)シ「ご・・・ごめん・・・」
(´・ω・`) 「まぁ死にたがってたからある意味望みの結末ではあるのかな。でも・・・」
(´・ω・`) 「ブーン。スマホにワードッグの契約残ってる?」
(;^ω^)「ま・・・まだ残ってますおね」
(´・ω・`) 「てことは契約がまだ切れてない、つまり完全に魂が死んでいないって事かもね」
(´・ω・`) 「院長室手前まで来たし、一度STEVENの所まで戻らないか?」
ピク*゚ー゚)シ「そうね、あたしも今の一撃で魔力ほぼ空だし・・・」
(;^ω^)「何とか・・・できるのかお・・・?」
-独房-
(ー□ω□)「ああ、できるよ?」
(;^ω^)「できるんだ!?お」
(ー□ω□)「まぁ私がやる場合は企業秘密なんだが・・・」
(ー□ω□)「君達がやる場合はどこかの回復施設に頼むといい。死ぬほど高いが」
(ー□ω□)「あとは失敗の可能性もあるがリカーム、サマリカームという魔法でもいい」
-
(ー□ω□)「あと治療に長けた施設でも絶対はありえない」
(ー□ω□)「失敗すればロスト、つまり肉体の永久消失という場合にもなりえるから」
(ー□ω□)「死なないに越したことはないってことだね」
(´・ω・`) 「ありがとう。じゃあ万全で行くよ」
(ー□ω□)「行ってらっしゃい。この病院が平穏を取り戻せるかは君らにかかっているよ」
(ー□ω□)ノシ
(=;゚ω゚)ノ「すまねえょぅ、手間取らせて・・・」
(´・ω・`) 「いいよ、どっちにしろ院長室突入前で戻るつもりだったし」
(´・ω・`) 「この道中で、仲魔と同種族の悪魔と話すと色々くれてウハウハなのも分かったし」
ピク*゚ー゚)シ「でも貧弱な人間と違って悪魔みたいな力と耐久性を得たのになんで死にたいの?」
(=;゚ω゚)ノ「そりゃおめぇ、この見た目で人間の女にモテると思うかい?」
(=;゚ω゚)ノ「そりゃまぁこのバカ力なら無理矢理やっちまえるだろうが俺もそんな外道じゃない」
(=;゚ω゚)ノ「それにな、実験成功体になったら・・・消されてたんだ。人としての戸籍とか」
(;´・ω・`) (;^ω^)「!?」
(=-ω-)ノ「まァどうせある意味死んだ身だ、人に戻る事もできやしねぇ・・・」
(=゚ω゚)ノ「一蓮托生!!一度は降参した身だしお前らと一緒に院長へ突撃だ!!」
(´・ω・`) 「人としての尊厳を奪ってまで実験なんて許せないな・・・」
(#^ω^)「僕達が倒してきたゾンビや悪霊の仇を取りましょうお!!」
(=-ω-)ノ「あぁそれなんだけどな、エロい姉ちゃんに黒焦げにされてた間」
(=-ω-)ノ「俺の体に同僚の霊達が大量に入ってきてな」
(=-ω-)ノ「倒して開放してくれてありがとうって伝えてと言いながら消えてったよ」
(=-ω・)ノ「死者の声が聞けるなんて、このクソッタレな肉体も少しは使えるじゃねェか」
( ^ω^)「そうですかお!感謝してもらえるならますますやる気が出ますお!」
-
(´・ω・`) 「ところでいくつか成功例があるって聞いたんだけど、君の他にワードッグは何人いるの?」
(=゚ω゚)ノ「お?何体もたぁそいつぁフカシてんな。俺ともう一人の二人だけだぜ」
(;^ω^)「予想以上に成功例少なすぎですお・・・」
(=゚ω゚)ノ「言ってたヤツは多分ゾンビも頭数に入れてたんじゃねえか?」
(=゚ω゚)ノ「希薄な霊体よりかは、まぁ肉体残ってるだけ成功と言えるんじゃねえか兵士としては」
(=゚ω゚)ノ「もう一人の奴は俺より気弱な係員としての後輩なんだが」
(=゚ω゚)ノ「気弱すぎて兵士として使えないからどっかの独房に幽閉されてたよーな・・・」
(=゚ω゚)ノ「でな、お前らに一つ頼みたいのが・・・」
-院長室-
バァン
(#^ω^)「院長ォォォ!ッ!」
(*^^)v「おやおや、お前達は改造手術を済ませたのか?」
(=゚ω゚)ノ「ええ院長、俺がどうにか鎮圧して脳去勢と改造手術を済まさせました」
(*^^)v「フフフフ、ポーカーフェイスは上手くなったが嘘は下手だな」
(*^^)v「お前達の行動は全て監視カメラでお見通しだ」
(*^^)v「誰も入れていない独房に入ってお前達が話しかけていたのは不可解だったがな・・・」
(#^ω^)「受けるわけないおッ!あなたがまず受けてみろおッ!」
(*^^)v「そうか・・・ならばお前達は」
(*^^)v「まだ私の言う事を聞かぬ邪悪な人間なのだな」
(*^^)v「お前達を」
(≡・ェ・≡)「デク人形に改造してやる」
-
院長の姿が、後ろ足が蛇の宙に浮いた馬に乗ったライオンのような顔の悪魔に変じる。
馬に乗った悪魔自体も、そこにあるべき両腕が蛇になっているという異形だった。
冷静にショボンはデビルアナライズをこっそり起動してみる。
駄目だ。堕天使 オリアスという情報以外何もわからない。
(≡・ェ・≡)「怖気づいたか?逃がさんぞ」
冷徹な声と同時に両腕の蛇を伸ばしてくる。
蛇ということは毒があるかもしれない。
(´・ω・`) 「みんな固まれ!身を守れ!」
(´・ω・`) 「行くぞブーン!」
( ^ω^)「了解!」
ショボンとブーンがしんがりを引き受け、オリアスの蛇をパリィする。
流石に悪魔の一部だけあって、切り払っただけでは殺せないようだが。
(≡・ェ・≡)「なかなかやるな。プリン・・・」
(;´・ω・`) 「魔法か!?散開だ!」
ショボンは院長戦前に、ピクシーから基本的な状態異常魔法の名を聞いておいた。
その中の一つプリンパに違いないとショボンは確信し、
固まっているとまとめて食らう可能性があるので(≡・ェ・≡)「やっぱやめた」
オリアスはいつの間にか地面に伸ばしていた両腕でパーティを薙ぎ払った。
( ゚ω゚)「ヒグッ!!!!!」
ブーンが胸から真っ逆さまに落ちて息を止める。
宙を浮くピクシー以外の全員が転ばされて行動を中断していた。
馬の蛇が一際小柄な地霊ブラウニーを噛んで捕まえる。
(´・ω・`) 「体制を立て直せ!ブーンはディレイ援護を!」
(#´・ω・`) 「どおおおおおおお!」
ショボンは仲魔を救うのが義務とばかりに、正眼の構えでオリアスに突っ込んだ。
(;^ω^)「ザ・・・ン!!!!!」
ショボンに噛み付こうとする両腕に、呼吸を整えきれていないブーンが魔法を放つ
(≡・ェ・≡)「お望みはこうかね?」
ザンの射程内に馬蛇が捕まえたブラウニーをサッと盾として使う。
-
「ギャアアアアアアアアア」
多くの攻撃に少し耐性のある地霊ではあったが、衝撃魔法にはほぼ無耐性でむなしく断末魔を上げ消える。
(≡・ェ・≡)「こんなものかね?まぁにわか悪魔使いにしては上出来な方と言ってほしいか?」
(≡・ェ・≡)「将は実に頭がキレるようだ。一号よ、よくいい実験材料を連れてきた」
(;´・ω・`) 「えっまさか・・・」
ショボンの脳裏に、土壇場での裏切りという最悪のシナリオがよぎる。
(≡・ェ・≡)「デマカセだ。プリンパドルミナーハピルマ」
一同「うわあああああああああああ」
オリアスの一斉の状態異常乱舞により、パーティは半壊へと陥った。
ショボンは眠り、ブーンは混乱、ワードッグは幸せ、ピクシーだけは知恵が高いからかかからなかった。
ピクシーは必死にオリアスの三本の蛇から逃げ回る。
(≡・ェ・≡)「卑しい妖精よ、逃げてばかりで勝機が見えるのか?」
ピク;゚ー゚)シ「言ってなさい!勝てば官軍よ!」
ピク*゚ー゚)シ「起きてよ、ショボン!」
ピクシーは薙ぎ払いの時に落ちたショボンのスマホを拾う。
ブーンとワードッグは無抵抗のまま蛇に蹂躙され少しづつ傷ついていった。
ピク;゚ー゚)シ「えっまさか・・・信じるわ」
(´-ω-`) 「zzz」
(≡・ェ・≡)「愚かな将よ。後ほど改造兵士として蘇る為に今は眠れ」
ひときわ太い蛇、馬側の蛇が大きく口を開きショボンを飲み込
(´・ω・`) 「眠るのはそっちさ」
なかった。
とっさに床にささって、いや刺していた刀を拾い馬蛇の首を切り落とす。
(≡・ェ・≡)「ほう、狸寝入りというやつか?」
(´・ω・`) 「どうだかね」
ショボンは格好つけてオリアスに刀の切っ先を向ける。
-
実はショボンはドルミナーを撃たれていたが、催眠のガスをすんででかわしていた。
そして薙ぎ払いの時に落としたスマホに、メモ帳アプリであらかじめメッセージを打っていた。
「拾ったら ノッカー召喚」
そしてノッカーには院長室前でスマホの向こう側から、召喚されたらひたすら物理強化魔法タルカジャ連打するように指示を出していた。
状態異常でパーティを半壊させたオリアスは余裕を見せており、
ブラウニーと同型の地霊ノッカーが召喚された事は気付きもしなかったし
ピクシーも上手くブーンとワードッグの後ろに隠れるようなポジションに召喚していた。
(´・ω・`) 「でさ、一太刀浴びせたお礼に色々聞いてみたいんだけど」
(≡・ェ・≡)「いいだろう、申してみよ」
オリアスは内心焦っていた。
まさかたかが人間と弱小悪魔のコンビで自分の愛馬を斬れるなどとは予想していなかったからだ。
目の前の侮った将との問答をしつつ奇襲で仕留める考えをまとめる。
(´・ω・`) 「あんたはゴエティアにも名前が載ってる高名な悪魔でしょう?」
(´・ω・`) 「なんでわざわざ弱い人間なんか改造して戦力を欲しがるかいまいちわからないな」
(´・ω・`) 「こんなちっぽけな人間世界なんか、ゴエティア仲間と一緒に侵攻すればすぐ落ちるんじゃ?」
(≡・ェ・≡)「どうやら私の名前を知っているとは、ただの莫迦な小僧ではなさそうだな」
(≡・ェ・≡)「私はただの侵攻が目的ではない。それに侵攻するにも厄介なのだよ」
(´・ω・`) 「厄介?」
(≡・ェ・≡)「我ら堕天使が一斉に人の世に降臨すれば天の御遣いどもも対抗して現れるだろう」
(≡・ェ・≡)「それに我らのような強大な悪魔は人の世に出てきたくても魔が絡め捕られる」
(≡・ェ・≡)「お前達の道具で例えるならばコーヒーのフィルターか」
(´・ω・`) 「強大すぎる魔力は世界の境目でこされてしまうってわけかい(ボソボソ)」
(≡・ェ・≡)「まぁマルクトが霊的な場として厄介なだけであって、土地そのものの性質を変えてしまえばいい」
(´・ω・`) 「つまりあんたはエコービルのドウマンの仲間?」
(≡・ェ・≡)「私はあのような男の仲間ではないし関わり合いはない」
(≡・ェ・≡)「だが奴がこの地に貼りつめた結界は役には立つかな」
(´・ω・`) 「やっぱ結界貼ってあるんだ」
(≡・ェ・≡)「おいそれと外部の者が入ってこれないゆえ、私の実験物のいい飼育場にもなる」
(´・ω・`) 「あんたも部外者じゃん。じゃあ─」
-
(´・ω・`) ( ^ω^)「消えていいよ・お!!!!!」
(≡・ェ・≡)「なッ!?」
起きていたブーンとノッカーがザンの波状攻撃を加え馬をボロボロにする。
間髪入れずショボンが刀で馬をナマス斬りにしてトドメを刺す。
(≡・ェ・≡)「あまりにも卑劣ではないのか?」
(´・ω・`) 「人の事ボコボコに殴らせて収監して挙句に実験に使おうとする奴に言われたくはないかなぁー」
(´・ω・`) 「あんたドウマンと違って掠め手は豊富だけど火力魔法がないのが残念だよねー」
( ^ω^)「ショボン君!こっそりみんなの回復OKですお!」
(´・ω・`) 「ありがと。んじゃまいよいよラストワンで大詰めかな?」
(≡・ェ・≡)「甘いぞ、我が2号がここからは相手だ」
オリアスが言うと、ワードッグが院長室の奥から出てくる。
(≡・ェ・≡)「まぁできれば途中経過なので使いたくはなかったが」
(≡・ェ・≡)「どうだ一号。半端なお前と違い二号は立派な狂戦士となったぞ?」
(=゚ω゚)「ガァァァァァァァ」
(;=゚ω゚)ノ「まぁ・・・な。やっぱりか」
(≡・ェ・≡)「私の馬の代わりに働け。あばれまわり」
(=゚ω゚)「ウガアアアアアアアアア!」
一号と明らかに桁違いの棍棒を只管振り回していく二号。
ピクシーは当たるどころかいつの間にか消えていた。
(≡・ェ・≡)「おやあの妖精はとっくに死んで消えていたのか?」
(≡・ェ・≡)「まぁいい。まず裏切り者一号から消すとしようか」
(≡・ェ・≡)「私がお前のようなチンピラをただ雇い入れるだけと思ったか?」
(≡・ェ・≡)「目先の金に目がくらんだ愚かな」
(#^ω^)「黙れおっ!」
ブーンが怒り心頭で斬りかかる。
(≡・ェ・≡)「無駄だ」
-
立ちはだかった二号の太い腕の裏拳で壁まで吹き飛ばされる。
( xω^)「まだだおッ!」
手持ち武器のマチェットを投げ、オリアスの片腕に突き刺さる。
(≡・ェ・≡)「武器を捨てるとは愚かだな。肉弾戦で私と二号に勝てるとでも?」
すかさず一号が躍り出て二号と取っ組み合う。
(=゚ω゚)ノ「すまねェな二号・・・俺の相手してくれや」
( ^ω^)つ「まだ僕には銃があるお!」
何発か勢いよく撃つものの、オリアスの鎧にめり込むだけで聞いていない。
(´・ω・`) 「僕のこと忘れてない?」
ショボンは破魔矢をつがえ、投げる動作をする。
(≡・ェ・≡)「なんだ、ついに玩具に頼るのか愚かな人間よ」
(#´・ω・`) 「一度離れろ二号!」
瞬間、投擲された破魔矢の見た目からは想像もできない閃光と爆音がつんざく。
(;≡・ェ・≡)「おおおおおおォォォッ!?」
(=゚ω゚)「グオオオオオオオ!」
二号はプログラミング通りオリアスを庇うが、神の炎は軽減できない。
(≡・ェ・≡)「な・・・なんだと・・・人間の道具如きがメギドだと!!!!!」
(=ω)「ォオオオオオオォォォオ・・・?」
(=゚ω゚)ノ「こんな終わり方ですまねえな、二号・・・。」
(=゚ω゚)ノ「でも俺の一応悪魔として強化された肉体と、ラクカジャかかってても痛かったよお前の攻撃」
(=;ω;)ノ「生き残った俺もこんな身だ・・・生まれ変わったらお互いこんな仕事には騙されないようにしようぜ」
一号が棍棒で二号の頭を潰す。
(#≡・ェ・≡)「おおおおおおおおおお私の馬と自慢の二号!!!!!」
(;≡・ェ・≡)「ここまで犠牲を出して始末できたのが弱小悪魔二体・・・?ははは」
ピク*゚ー゚)シ「誰を始末できたですって?」
-
(;≡・ェ・≡)「なッ・・・天井」
ピク*゚ー゚)シ「ジオンガ!!」
(≡゚ェ゚≡)「ウオオオオオオオオ!!!!!」
ブーンのマチェットと銃弾、オリアスの鎧が避雷針となってピクシーの必殺の電撃をなかなか逃がさない。
(´・ω・`) 「哀れなもんだ。最初から気取ってないで本気で戦えば結果は違ったかも」
刀で両腕の蛇を斬る。
(≡´ェ`≡)「私は・・・オリアスだぞ・・・こんな僻地で・・・」
( ^ω^)つ「ドタマぶち抜いても効かないですかお?」
(≡・ェ・≡)「待・・・」
実験好きな異形は額を撃ち抜かれついに倒れる。
(≡^ェ^≡)「はははは!今更無駄だ、無駄だ・・・」
(≡^ェ^≡)「我ら悪魔を排除しても人間の欲望が悪魔をまた呼ぶ」
(≡^ェ^≡)「これは戦争だ・・・」
(≡^ェ^≡)「私は強化兵士のデータをある場所に送った」
(≡^ェ^≡)「スパイ・・・だった・・・の・・・だ・・・よ」
悪魔の躯はようやく塵に変わっていく。
-
(;^ω^)「あ、院長室のスイッチ押さないと出られませんお?」
独房
(;´・ω・`) 「くそっ!あの男!」
(;^ω^)「いなくなっちゃいましたお・・・」
(´・ω・`) 「あの車椅子で移動したのか。悪魔の餌食になってないといいんだが」
( ^ω^)「しかし謎に謎が残りますおね。スパイ・・・」
(´・ω・`) 「消える間際の負け惜しみのデマカセかもしれないよ」
(´・ω・`) 「でも送ったとしたら例のゴトウって男のとこか・・・?」
( ^ω^)「だとしたらゴトウ氏はトウキョウで一体何を・・・?」
ピク*゚ー゚)シ「世界セーフクよ!悪魔軍団を使って!」
(´・ω・`) 「まぁ少し黙ろうか」
ピク*゚ー゚)シ「むぅ」
(´・ω・`) 「色んな情報が出てきてややこしいから、メモがてらスマホに日記つけとくか」
(´・ω・`) 「とりあえず病院は出れたけど、ブーンはどうする?」
(;^ω^)「もちろんツンを探しに行きますお!」
(´・ω・`) 「だが電車は止まってるしキチジョウジ自体封鎖と結界で出れないよ?」
(´・ω・`) 「あとツンデレのお父さんによると、彼女は電車が止まる前にシンジュクに向かったらしい」
( ^ω^)「となれば線路や地下鉄沿いで・・・!」
(´・ω・`) 「まぁとりあえず今日は疲れたからイノガシラで回復して僕んち泊まらない?」
(=゚ω゚)ノ「あざとーす!とりあえず夕飯は肉多めで!」
(;^ω^)「君はいいのかお?僕らについてきて・・・」
(=゚ω゚)ノ「あんたらは俺の頼みを聞いて、二号にトドメを刺させてくれた」
(=゚ω゚)ノ「本当は戦い自体にならない方がよかったが、薬打たれまくって正気を失っちゃあの方がよかったろ」
(=゚ω゚)ノ「人としての人生捨てた身だァ!合体でもなんでも使ってくれィ!」
(´・ω・`) 「頼りにしてるよラクカジャ君」
-
ユリコはユリコのまんまなんだな
-
なんか読んでて昔のブーン系を思い出した
-
本来のブーン系を見た
-
( ∀)
(A)
ちくしょう・・・
ちくしょう・・・
なんでオレだけが・・・
あいつが勝手なことを言うから、言い返しただけじゃねぇか。
寄ってたかってみんなで殴りやがって・・・
仲間がいないとなにもできないくせに・・・
いや、あいつらだって仲間だなんて本当は思ってないはずだ。
力を向けられるのが怖いから、自分がやられるのが怖いから加担してるだけだ。
オレは違うぞ・・・
一人で何でもやってやる・・・
ケンカでも誰にも負けないぐらいになるんだ・・・
でも空手やボクシングじゃ駄目だ
今に何か起こる・・・
オレには判るぞ・・・
力がいるんだ、生き延びるためにも
負けないためにも
ヒトに頼るヤツは生き残れない時代が来る・・・
力が欲しい・・・
ちきしょう・・・
オレは負けないぞ・・・
力がいる・・・
誰にも負けないぐらいに・・・
もっと強くなりたい・・・もっと強く・・・
-
「すべての傷つき苦しむ者に救いの手を差し伸べようぞ。回復道場に何の用だ?」
(´・ω・`) 「全員全回復とあと売り物見せてください」
公園の館にやってきたショボン達は回復と買い物を済ませた。
ブーンにも少し資金を出してもらい、破魔矢を数本買った。
(´・ω・`) 「ありがとうございました」
「ではまた会おう」
(´・ω・`) 「ブーンありがとう。事態が収束して平和が戻ったらお金返すよ」
( ^ω^)「いいんですお。これもツンを助けるためですお!」
( ^ω^)「僕の家はセタガヤでお小遣いは結構もらってるから大丈夫ですお!」
(=゚ω゚)ノ「ニクいねえ、金持ち坊ちゃん!」
( ^ω^)「両親からも人の為になる事をしなさいと言われているし、お金もきっと喜んでいますお!」
(;^ω^)「あとはあのドウマンという男もですかお・・・?」
(´・ω・`) 「まぁあいつを倒せばキチジョウジの結界が解けるかもしれないし」
(´・ω・`) 「このまま奴の目論見通りに生贄にやるのは嫌だからね」
(´・ω・`) 「でも正直勝算があるかは分からない、それに君はキチジョウジの人間じゃないんだろう?」
(´・ω・`) 「どうにかキチジョウジを抜けるルートさえ見つけられれば別行動でも構わないよ」
(´・ω・`) 「すまないピクシー。駅の周辺を偵察してきてきてもらえないかな」
ピク*゚ー゚)シ「別料金になりまーす!」
(;^ω^)「お支払いしますお!」
ピク;゚ー゚)シ「冗談よ。あなた生真面目ね・・・」
(´・ω・`) ノシ 「すまないね。気を付けて、危ないと思ったら戻ってくるんだよ」
ピクシーは小さな羽を羽ばたかせ離れていった。
( ^ω^)「先ほどのお話なんですけどお・・・」
( ^ω^)「僕もドウマンを倒すのに同行しますお!」
(´・ω・`) 「いいのかい?夢じゃなく本当に死ぬかもしれないよ?」
(;^ω^)「それは怖いけど、ショボン君と僕どっちかが生きて勝って道場まで引きずっていけばいいんですお!」
-
(#^ω^)「それに見過ごしたらショボン君やツンのお父さん、キチジョウジの人達も生贄にされてしまうのは嫌ですお」
ショボン達は邪教の館に来ていた。
(´・ω・`) 「ありがとう。もちろん僕もむざむざ無策でやられるつもりではないよ」
(´・ω・`) 「とりあえず破魔矢のストックは十分だ」
(;^ω^)「こんな神社で買えそうな破魔矢にあんな力があるなんて・・・しかもたった3000円ですお」
(´・ω・`) 「ただドウマンは魔法と呪術の名手だ。言い伝えでも夢で見た時でもね」
(´・ω・`) 「魔法への抵抗力とか、何かしら対策をしていてもおかしくない事を前提に話をしよう」
( ^ω^)「僕らも何度か戦ってきて体が慣れてきた感はありますおね?」
(´・ω・`) 「そうだね。右も左もわからないような夢みたいな無様な負け方はしないと思いたい」
(´・ω・`) 「ただ僕らが奴の魔法に耐えれても仲魔達がどうなのか・・・」
(;^ω^)「そこでこの邪教の館って所へ・・・?」
ブーンは館全体から感じる異様な魔と背徳感を感じ取って緊張した。
(´・ω・`) 「そう。ここは悪魔同士を合体させて更に強い別の悪魔にできるらしい」
(■┏┓■) 「改めて、悪魔が集いし邪教の館へようこそ。何をするかね?」
館の主は青い帽子とローブを身につけ、サングラスをかけたオカルトチックな怪しい出で立ちだ。
(´・ω・`) 「だが・・・」
(=゚ω゚)ノ「気が乗らねえかい?合体しても死ぬわけじゃねえんだろ?」
(´・ω・`) 「そうかもしれないね。でもやっぱり・・・」
( ^ω^)「悪魔といえども大事な仲間だから合体で別のものにしてしまうのは嫌ですかお?」
(;^ω^)「正直僕も同じ気持ちですお・・・」
(=゚ω゚)ノ「二人ともやけに弱気だなぁ!」
(=゚ω゚)ノ「俺っちはむしろ、次はどんな悪魔になれるのかとかワクワクするけどな」
(=-ω-)ノ「あーできればイケメンで強い悪魔がいいゼ!」
(;´・ω・`) 「優先順位はイケメンなんだ・・・」
ピク*゚ー゚)シ「あんたには無理よどうせ」
-
(=゚ω゚)ノ「なんだい早いな。俺っちと合体するかい?」
ピクシーの体躯では考えられないような、肌を叩く大きい音が二度響いた。
(=##ω##)ノ「ごめんなひゃいまた電撃だけはゆるひて」
ピク*゚ー゚)シ「偵察結果を報告するわね。電車はやっぱり動いてなかったわ」
(;^ω^)「だめですかお・・・」
ブーンが大きく息をつく。
ピク*゚ー゚)シ「線路上も途中から強い結界が張ってあって通れないわね」
(´・ω・`) 「君みたいな小さい悪魔でも無理なんだ?」
ピク*゚ー゚)シ「魔界とマルクトの境目とはまた違うのよ。結界って」
ピク*゚ー゚)シ「そりゃあ魔王かそれに準ずるクラスの悪魔なら力任せに破れるでしょうけど」
ピク*゚ー゚)シ「今までそれをしに来る悪魔がいないって事は、ここは打ち捨てられてるんじゃない?」
(´・ω・`) 「もしくは日本は魔界から大物悪魔が直に上陸できる土壌ではないとかかな」
(´・ω・`) 「昔から日本は優れた霊能力者とか陰陽師が活躍してたからそれと関係があるのかも」
( ^ω^)「あと授業で出たから読んでみたけど、古事記にもたくさんの強そうな日本の神々が出てきましたお」
(■┏┓■) 「日本には天津神や国津神といった古来の神がおる。優れた悪魔使いなら仲魔にできるやも・・・」
(´・ω・`) 「ブーンにもびっくりだけどあなたも詳しいですね」
(■┏┓■) 「悪魔を扱う職業柄な。で合体はせんのか?」
(´・ω・`) 「・・・もうちょっと考えさせてください」
(=゚ω゚)ノ「所で姉ちゃんよ、院ちょ・・・オリアスもほざいてたがマルクトってなんなんだ?」
ピク*゚ー゚)シ「あんたは元人間だから知らないか。魔界言語で人間の世界って意味よ」
ピク*゚ー゚)シ「人間の世界や人間界だと長いかと思ってこっちを使ってみたの」
ピク*゚ー゚)シ「で、ケーカンが足止めしてる近くの建物の地下にも行ってみたんだけど」
ピク;゚ー゚)シ「悪魔がウヨウヨしてるだけで、途中から結界で遮られてダメだったわ」
ピク*゚ー゚)シ「時間は無限じゃないし、やっぱりあのハゲを懲らしめた方が手っ取り早いんじゃないかしら?」
(´・ω・`) 「やっぱり避けられない戦いか・・・」
-
ピク;゚ー゚)シ「てかあんた、あんな目にまで遭った奴を院長って・・・」
(=;゚ω゚)ノ「へへ、バレた?すまねえなつい・・・」
(=-ω-)ノ「なんだかんだで最初は優しく接してくれたからよ・・・」
ショボンは心の中で鴨志田を思い浮かべて、分かるよ・・・と呟いた。
豹変してからは嫌いになったが、何も殺されるまではないと思った。
(■┏┓■) 「合 体 は ?」
(;^ω^)「ひぃぃぃぃぃっ!」
(´・ω・`) 「すいません、今回はやりません」
(■┏┓■) 「ほう、いいのか?」
(■┏┓■) 「仲魔をどんどんためていくだけではいずれCOMPの容量もかさんでくるぞ」
(´・ω・`) 「COMP?」
(■┏┓■) 「ああ失礼。お主らのはスマートフォンじゃな」
(■┏┓■) 「本来なら耐久性のある小型のパソコン、ハンドヘルドコンピュータを使うのが一番なんじゃが・・・」
(■┏┓■) 「携帯端末に悪魔の容量は無視できない程度にあり、同時に色々操作するならメモリも馬鹿にできぬ」
(■┏┓■) 「悪魔合体とは、悪魔の容量を減らし召喚機の負担を減らす為でもあるのだ」
(´・ω・`) 「でも僕には受け入れられないや・・・意思のある悪魔同士を別のものに変えるなんて」
ピク*゚ー゚)シ「あら、弱い悪魔のまま戦いに出されて犬死にするよりマシだけど?」
(;´・ω・`) 「うっ・・・」
先のオリアス戦で、ピクシーを結果的に囮に使ってしまったりしたのを思い出す。
( ^ω^)「手に負え無そうだったら僕らが前線で仲魔を守って戦いますお!ね、ショボン君?」
(´・ω・`) 「そうだね、ありがとう」
( ^ω^)「僕らだって大物悪魔一体倒して自信つけたんだお!」
(´・ω・`) 「約束する。絶対とはいえないけど戦いに参加してもらうんだから君達の事は僕が守る」
(=゚ω゚)ノ「それに紅一点の姉ちゃんが合体でブス悪魔になっちまったらそれこそ士気が」
ピクシーにポカポカ殴られるワードックを見て笑いながら、ショボン達は岐路につく。
(´・ω・`) 「そうだ、アーケード街で拾った物を売って買い物していこうよ」
-
オリアスの体から出てきた宝玉や、取得した武器などスペアを残して骨董屋で売る。
(*^ω^)「すごいお!宝玉や武器なんかがだいたい一つ5000円!」
(・ε・)「ガラクタは買い取れんがこれらはまぁなかなかだな」
(・ε・)「悪いが入口にカギをかけてくれよ」
(;´・ω・`) 「まさかあなたも悪魔の・・・」
(・ε・)「ちげーよ。今おまえ達が欲しい物を売ってやろうってだけだ」
(・ε・)「どうやらこいつが入り用になる世の中らしいからな」
そういうと骨董屋の店主は店の奥にショボン達を案内する。
人の多いアーケード街では一応悪魔達は格納してある。
ピクシーは頬を膨らませたが、カフェで色々テイクアウトするからと約束した。
(・ε・)「どれも役に立つ代物だ」
店の事務所の壁には、拳銃や機関銃のような様々な銃がずらりと並んでいる。
( ^ω^)「ショボン君も銃を一丁持っておいた方がいいですお」
( ^ω^)「僕がキチジョウジに来る前だと空を飛ぶ鳥みたいな悪魔もいるから・・・」
(´・ω・`) 「そうだね。そういう奴らには届かない武器じゃどうにもできなさそうだ」
(*^ω^)「ショボン君の初銃の祝いで今回は僕が出しますお!」
ブーンは店で高めのバレッタ92Fと弾丸のショットシェルを求めた。
(・ε・)「しめて22000円だ。危ない橋渡って手に入れたんだ、ちゃんと金は払ってくれよ?」
( ^ω^)つ□
(;・ε・)「カード払いかよ!金のあるガキで羨ましいよ」
(;^ω^)「まだ高校生だからデビッドカードですお。早くクレカ作ってかっこつけたいお」
(;^ω^)「でもいいんですかお?爽快感のあるマシンガンとかじゃなくて・・・」
(´・ω・`) 「一応人の目とかあるし馬鹿じゃないからね。僕も懐に忍ばせる拳銃がいい」
(・ε・)「まぁどっちにしろ、少し前にうちの最高級品のMP5マシンガン買っていったガキがいたから品切れだけどな」
(・ε・)「だが見せ出てそうそうオラついた複数の声とモメてたな。カツアゲか?」
(;´・ω・`) (;^ω^)(いたよ馬鹿が)
-
( ^ω^)「放ってはおけませんお。ありがとうございましたお」
(´・ω・`) 「失礼します」
(・ε・)ノシ 「最後に頼れるのは、自分の腕とよい銃だ。せいぜい命を大切にな」
(・ε・)「まぁでもあのマシンガンで脅せばカツアゲも逃げるだろうし無用の心配だと思うけどな・・・?」
骨董店を出てそう遠くないうちに、何かを打ち据える音と怒号が響いていた。
どうやら空きテナントの一室らしい。
ドゴォ
「だからその必死に隠してる何かを見せてくれれば今日んとこはやめてやるっつってんだろうが!」
「まぁ見せてもらったらいただいちゃうんですけどねギャハハハハ!!」
(´・ω・`) ( ^ω^)つ ガラッ
(#・∀・)「この野郎調子くれてんじゃねえぞ!何が悪魔だぁ!」
( ・∀・)「寝言こきやがって、てめえらもっと痛めつけてやれ!」
バキッ
ドゴッ
部屋の中では、一人の少年が大勢に取り囲まれて殴られている。
(#^ω^)「なんてことお・・・卑怯な奴は許せませんお」
( #゚ω゚)「何をしている!やめろお!」
( ・∀・)「ちっ!邪魔が入ったか」
リーダー格らしき男がブーンに詰め寄る。
髪をオールバックにし、鼻の頭にテーピングをしいかにもワルといった風貌だ。
( ・∀・)「なんだテメエこいつの知り合いか?」
( ・∀・)「テメエここらを仕切ってる俺のグループTURTLE-HEADを知っててつっかかってんのか?」
(´・ω・`) 「そんな田舎臭いグループ知らないね。兜合わせでもしあってるのかい?」
男がワナワナと拳を震わせる。
(#・∀・)「俺の親父や曾祖父は政治家だぜ?わかってんのか?」
-
( ^ω^)「初めて会う人の血筋なんか分かるわけないですお」
( ^ω^)「それにあなたのような乱暴者を身内に持ってお父上方はきっと嘆きますお」
( ^ω^)「自慢するほどの血筋ならばあなたも大学や大学院に通って政治家を志せばいいですお」
( ・∀・)「・・・テメエら、こいつらからだ」
(*ー"ー)( -_-)( ´)Д(`)「おう!!!!!」
一触即発。リーダーもジャケットのポケットから十徳ナイフを出す。
(´・ω・`) つ 「ごめん、僕の事忘れてない?」
男の手下どもの頭上をあえて撃つ。乾いた音。
(;ー"ー)(;-_-)(;´)Д(`)「オザワさんこいつヤベェ!頭イッてる!」
(;・∀・)「テメェ・・・本気か?こんな事して警察がタダで済ますと」
(´・ω・`) 「警察は大抵このキチジョウジの封鎖で手が空いてないと思うけど」
( ^ω^)「それにこの暴力事件は途中からだけど録音と録画させてもらいましたお」
( ・∀・)「チッ!いいかドクオ!二度とふざけたまねすんじゃねえぞ」
(#^ω^)僕の前から消えろお!二度と現れるなッ!!」
( ・∀・)「てめえらの顔は覚えた。いつか会ったらその顔刻んでやるよ甘ったれた御曹司さん」
( ゚ω゚)「失せろッ!!」
男グループは逃げていき、後には迷彩服を来た少年が蹲っていた。
(#)A(#)「・・・お・おまえらみたいな・・・下衆野郎には・・・負けない・・・絶対に負けないぞ・・・」
(;^ω^)「ひどい怪我をしてますお・・・ディア!」
(;^ω^)「大丈夫ですかお?」
('A`)「うるさい!何を今更・・・」
('A`)「俺に力さえあればお前らなんか・・・」
ショボンとブーンは向き合う。
(;^ω^)「どうしようショボン君?まだあんな事言ってますお」
(´・ω・`) 「ひどい殴られようだったし仕方ないね」
-
('A`)「・・・」
(;'A`)「お、おい!今!なんて言った?」
('A`)「ショボン・・・って言ったな」
('A`)つ□-□ 「ちょっと失礼するぜ」
少年は懐からメガネケースを出し、メガネを取り出しかけた。
(□A□)「さっきかけてたのは割れちまったけど伊達さ。本物はこっちでスペアもある」
(□A□)「おまえ・・・小学校以来疎遠だったショボンなのか?」
(´・ω・`) 「ああ、小学生の頃と夢ぶりだね」
(□A□)「やっぱりあれはただの夢じゃなかったんだ」
(□A□)「するとお前がブーンだな・・・」
( ^ω^)「君は・・・ドクオ君ですねお?」
(□A□)「そうか!どうやら助けてもらったらしいな」
(□A□)「恥ずかしい・・・」
ドクオは急に眼鏡を外し目をこする。
('A`)「ああ・・・ちくしょう!」
('A`)「俺にもっと力があれば・・・」
('A`)「俺一人の力じゃあんな奴らにさえ勝てない」
('A`)「オザワ一味にも勝てないのに悪魔に勝てるわけがない」
(;□A□「)頼む!俺も仲間に入れてくれ!」
(□A□)「いやだと言ってもついていくからな」
(;^ω^)「いきなりですおね・・・僕はいいけどショボン君どうしましょうお?」
(´・ω・`) 「僕は構わないよ。ドクオは銃だって持ってるし自衛も大丈夫でしょ」
(□A□)「なんでそれを?」
ドクオはジャケットの下に隠していたマシンガンを見せた。
(;^ω^)「おー・・・なんでそれを彼らに向けて追い払わなかったんですお?」
-
く(*□A□)「情けねえことに弾丸を買うのを忘れてたんだ」
(;□A□)「それで奴らの足元に威嚇射撃しようとしたときに思い出して・・・」
(´・ω・`) 「うろたえて奴らに気付かれてしまったわけか。ドクオらしいね」
(□A□)「フン。小学校時代によくお前に背中に毛虫入れられて驚かされてたな」
(´・ω・`) 「でも悪魔の存在がわかるなら話は早いね」
ショボンは部屋の一角に捨て置かれていた、釘が無数に打たれた木のバットをドクオに渡した。
(´・ω・`) 「奴らの忘れ物なのか元々あったのかわからないけど丁度いいじゃない」
(´・ω・`) 「銃の扱いすらそんなんだから近接武器は触ったことすらなさそうだし」
(´・ω・`) 「いきなりで刃物は危ないだろうからこれで慣れて?」
(;□A□)「フツー銃の扱いの方が慣れねえだろ・・・何なんだお前は」
(´・ω・`) 「中学生時代、まだ意欲があった頃にサバゲ―やってた名残さ」
(□A□)「そうか・・・お前・・・」
ドクオもショボンの事故の事は知ってるらしい。新聞にも当時取り上げられたくらいだ。
( ^ω^)「実戦にまで応用できるなんてすごいですお!」
(´・ω・`) 「もう会ってるかもしれないが、悪魔の中には肉体を持たず銃がすり抜ける奴もいる」
(´・ω・`) 「対抗手段がないなら逃げるのもいいけど、逃げる途中で憑り殺された人を僕は知ってるからね」
(□A□)「自分の身は自分でなんとか守ってみせるさ」
( ^ω^)「とりあえず日も落ちてきたし外は危険ですお。どこかでお茶にしましょお」
(´・ω・`) 「僕の行きつけのカフェがあるよ。時間に余裕はあるけど閉まる前に行ってみよう」
( ^ω^)「傷は癒えたけど心をいやすことも大事ですお!」
(□A□)「明るい奴だな・・・いつもこんなんなのか?」
(;^ω^)「そうですお?」
(□A□)「うらやましいな・・・きっと学校でも人気者だろう」
(´・ω・`) 「僕もそう思う。ブーンの明るさの行動力には救われているよ」
(´・ω・`) 「カフェで一段落したら薬とかも買って、ドクオも僕の家に泊まっていきなよ」
-
(*□A□)「小学校以来だな。美人のおばさん元気か?」
(´・ω・`) 「もちろんだよ。眠くなるまでまたみんなでゲームやってもいいね」
(□A□)「S〇Kのゲームまだある?」
(´・ω・`) 「あるっちゃあるけど僕はストフ〇イの方が得意だな。怖いのかい?」
(#□A□)「馬鹿言え俺のゲーム魂なめんな!」
( ^ω^)「二人とも」
(´・ω・`) 「ああごめんねつい久々だから内輪で話しちゃって・・・」
(□A□)「・・・悪魔だな?」
今いるここはアーケード街の隅。助けは呼べないだろう。
見るとボロボロのマネキンが何体か並んでいる。
顔の半分は割れているが、残った眼が鋭い眼光でこちらを見つめているような気がする。
腕も片方取れているが、もう片腕は健在で手がそのままだったり何かしら凶器が取り付けられている。
(´・ω・`) 「デビルアナライズ起動」
マシンクグツ。
まだ倒した経験がないからか詳細なデータは表示されないが
素体がマネキンだけあって大して苦戦はしなさそうだ。
(´・ω・`) 「ちょうどいい。ドクオ、見ててよ」
(´・ω・`) 「僕らの戦いぶりを」
ショボンは唐突に走り出す。
(;^ω^)「ショボン君!?」
(´・ω・`) 「フッ!ハァ!」
模造刀で一体に斬りかかり上下の半身を裂断する。
すかさずマネキンの頭部を踏み割りトドメを刺す。
(´・ω・`) 「悪いがブーンが手を出さないでくれ。すぐ殲滅したらお手本にならない」
(´・ω・`) 「あ、そうか。ドクオのスパイクロッドは打撃武器だから刀じゃ参考にならないか」
(´・ω・`) 「ごめんドクオ、さっきの武器ちょっと貸して」
(□A□)つ 「おう」
ドクオが弧を描いて投げたバットを器用に柄を掴んでキャッチする。
-
(´・ω・`) 「後で拾えばいいか」
模造刀をポイッと床に放り投げる。
(´・ω・`) 「基本は振り下ろしの殴打!」
メキィと鈍い音が鳴り、二体目のクグツの頭が陥没する。
二体ほど横並びで近づいてくる。
(´・ω・`) 「まとめてやってきたら薙ぎ払う!!」
大きく振りかぶってのスイングを放ち、二体まるごと勢いよく吹き飛ばす。
(´・ω・`) 「基本はこんなとこかな。あとは状況に応じて─」
(´゚ω゚`) 「ん゛!?」
ショボンの脇腹に鋭い痛み。模造刀が刺さっている。
見ると新手のクグツが、さっき投げて置いた刀を持って器用に背後からショボンを刺していた
(;^ω^)「ショボン君ッ!!」
(;^ω^)「くっ・・・」
すかさずショボンを回復しにいこうとするが、ブーン達の前にまた数体クグツが立ちはだかる。
ショボンがトドメを刺さず遊んでいたクグツが増援を呼んでいたのだ。
( ^ω^)「ドクオ君下がってて!」
( ^ω^)「ザン!」
さしものマネキンも耐魔法用には設計されているはずもなく、衝撃でバラバラになる。
ブーンはバラバラになったマネキンの頭部の中から、バラバラになった機械を見つけた。
(;^ω^)「頭部に大きな発信機がついているんですお!これで多分仲間を呼んで・・・」
(;^ω^)「くそっ仲魔が呼べない!スマホアプリが起動しないお!」
(;´・ω・`) 「おちけつ!恐らく発信機からジャミング電波も出ているんだろう」
そういうショボンは、半分倒れながらクグツ軍団をバットで振り回し牽制している。
しかし深く刺されたのか出血が少なくはなく、呼吸も荒い。
模造刀を持ったクグツは不器用に振り回してるだけだが、それの牽制対応で他のクグツがじわじわ包囲している。
時間の問題だろう。
(;´・ω・`) 「各個撃破してもまた救援を呼ばれるだけだ!」
-
(;´・ω・`) 「あまりのみすぼらしさに、壊れたマネキンに悪魔が融合してるだけだと思ったが!」
(;´・ω・`) 「通信機器を妨害するジャミング電波兼救援信号まで搭載されているということはッ!」
(;´・ω・`) 「これは意図的に製造された、『対人間用』だッ!!!!!」
なんということだ。
プログラムを使い悪魔に対抗する者が現れる事を見越したドウマンの対抗策なのか。
よりにもよって人目を気にして悪魔を格納するしかない街中の死角に配置するとは。
(;´・ω・`)「ぐぅっ!」
ショボンが胸元を斬られた。サバイバーベストによって守られた部位なのが幸運か。
(;´・ω・`)「二人とも僕を置いて逃げろ!まだ間に合う!」
(;^ω^) 「置いていけませんお!それに僕達も包囲されましたお!」
ショボンの話を聞いているうちに、二人側のクグツも八体ほどに増え包囲していた。
(´・ω・`) 「ブーンのザンなら一、二体くらい倒せるだろう!その隙間を抜けて逃げろ!!!!」
(;´・ω・`) 「これはドウマンの巧妙な罠だッ!全員でハマったら全滅だ!」
(□A□)「チッ・・・」
言われなくとも、ブーンは魔法で包囲網を突破しショボンを助けるだろう。
だが二人を包囲するクグツには、強化エアガンなどの投擲武器を持つものがいた。
ブーンが魔法を詠唱する度に狙い撃ち、詠唱を中断させ邪魔するのだ。
他にはインパクトドリルや金属バットを装備したクグツもいる。
外野から何かの助けがなければじわじわと嬲り殺されて終わりだろう。
(´・ω・`) 「このキチジョウジにも、僕やブーンと同じ悪魔召喚プログラムを持つ人がいるはず!」
(´・ω・`) 「その人たちを集めてドウマンを倒しこの悪夢を終わらせてくれ!!」
(□A□)「どうだかな。ここ数日、外で奇特にも悪魔と話そうとしてるやつは何人か見たが」
(□A□)「どいつもこいつも怒らせたか話が通じないかで殺されてたり必死に逃げだしてたぜ」
(;´・ω・`) 「そんな・・・」
(□A□)「どけ。俺の歩く道だ」
ドクオは唐突に歩き出し二体のクグツを乱暴に掻き分けて包囲網から出る。
(;^ω^)「ドクオ君ッ!走って誰か救護を」
(□A□)「こいつらには期待してたが、もういい」
-
(;^ω^)「なッ・・・!」
裏切りか機械を操る黒幕か。そんな絶望感をブーンが味わったのも束の間。
ブーンの周囲のクグツが一斉に炎上、爆散した。
(#´・ω・`) 「ちくしょう自爆か!?大丈夫かブーン!」
(;´・ω・`) 「何度も言ってる!ドクオは逃げるんだ!」
(□A□)「そこを動くなよショボン。楽にしてやる」
(;´・ω・`) 「まさかドクオ・・・君は」
(□A□)「誰が魔法を使えないなんて一言でも言った?」
そしてショボンに指を指し
(□A□)ニア 「マハラギ」
ブーンの周囲にいるマネキン軍団も爆破、炎上した。
-
乙!
めっちゃ面白い!
これからどうなってくのか気になる
-
このペースだと簡潔までに結構スレ消化しそう
-
乙乙!アトラスゲー好きとして期待大
-
ドクオは傷薬をショボンに使った。
(;´・ω・`) 「ドクオ、君は一体・・・?」
(□A□)「最初は少しワクワクしたが、とんだ期待外れなマネキンどもだったな」
(□A□)つ 「血は止まったか。動けるか?」
(;´・ω・`)つ 「あ、ありがとう。ひとまず大丈夫」
ドクオがショボンを引っ張り起こす。
(;´・ω・`)「あちちち!柄も熱い!」
(;□A□)「・・・武器使いならサバイバルショップでグローブを買っておこうな」
(´・ω・`) 「そうだ、ブーンは無事かい!?」
(;^ω^) 「大丈夫ですお。ドクオくんがうまく近くの敵を離してくれて爆発には巻き込まれてないお」
(□A□)「ならよかった。ショボンを回復したら勝利の美酒と洒落こもうか」
(;´・ω・`) 「ドクオ?僕らまだ未成年・・・」
(□A□)「わーってるよ野暮なツッコミすんな。コーヒーだろコーヒー」
ドクオは迷彩の胸ポケットからタバコを出し、一本取って燃えるクグツにくぐらせて吸い始めた。
(;^ω^)「タバコ・・・」
(□A□)y- 「俺はお前らと違ってお行儀良く育ってはないもんでね。停学はめんどいから学校じゃ我慢してるが」
(´・ω・`) 「腐れ縁だから言うが吸いすぎるなよ。走るスタミナなくなるぞ」
ブーンに手当てをしてもらったショボンが心配そうに言う。
(□A□)y- 「いいんだよ、俺は昔から運動系はからっきしだ」
(□A□)y- 「あの妙な夢で俺は誰とも違うような力が欲しいと強烈に願った。」
(□A□)y- 「それが多分俺の魔道の才を伸ばしたのかね?」
(□A□)y- 「まぁこれからどうなるかわからんが、今んとこは代わりにブーンみたいな回復魔法は使えない」
( ^ω^)「うーん・・・僕はあの夢では人を助けられる力が欲しいと思いましたお」
(□A□)y- 「まっこれから期待してるぜ。気配り上手そうなブーンなら大丈夫だろ」
(□A□)y- 「まっあと2、3分でずらかるか。勘違いされたら面倒だ」
-
(  ̄┏┓ ̄ )「いらっしゃいショボン君。あんまり遅くいたらお母さん心配するからダメだよ」
ショボン達は人目がつかないようにアーケード街を遠回りして馴染みのカフェに来た。
(´・ω・`) 「はい。あとコーヒー豆届けていただいてありがとうございます」
(  ̄┏┓ ̄ )「言ったろ、お得意さんだって。おや・・・」
(  ̄┏┓ ̄ )「君はドクオ君かな?何年ぶりだろうね」
(□A□)「ども。ご無沙汰してます」
(  ̄┏┓ ̄ )「ブーン君と昔よく背伸びしてコーヒー飲みに来てくれてたよね」
(´・ω・`) 「まぁドクオは結局お子様カフェオレの方が多かったけど」
(;□A□)「昔の話だろ!小学生でブラック飲めてたお前がやばい!」
(  ̄┏┓ ̄ )「まぁせっかくだしゆっくりしていけよ。君は新しい友達かい?」
( ^ω^)「ブーンと申しますお。よろしくお願いいたしますお」
(  ̄┏┓ ̄ )「よろしくな。色んな豆が揃ってるから好みのコーヒーが見つかるといいな」
(  ̄┏┓ ̄ )「そういえばショボン君聞いたかい?」
(  ̄┏┓ ̄ )「駅の南口のエコービルは何年も使われてないの知ってるだろう?」
(´・ω・`) 「あの廃ビルともいえない、なんとも微妙なビルですよね」
(  ̄┏┓ ̄ )「あそこから化け物が出て来たって噂、聞いたかい?」
(´・ω・`) 「もしかするとあそこに奴が・・・」
(  ̄┏┓ ̄ )「何か言ったかい?」
(;´・ω・`) 「いえ何でもないです」
(  ̄┏┓ ̄ )「公園で殺人事件があってびっくりしたと思ったら立て続けにそんな噂怖いねぇ」
(  ̄┏┓ ̄ )「そのせいで立ち入り禁止だったのが今は解除されたらしいけどね」
(  ̄┏┓ ̄ )「じゃあ、ゆっくりしていってくれよ」
ショボン達はテラス席の中でも他の客と離れた場所に席を取った。
(´・ω・`) 「しかしなんでドクオはあんな強い魔法が使えるのに奴らのいいように?」
(;□A□)「悪魔はともかく人焼き殺したら犯罪だろ。まだ捕まりたくはねぇんだよ」
-
(´・ω・`) 「そこら辺は法を守ってるんだね」
(□A□)「そこら辺はってなんだよ。まぁきっとそのうちさ」
( ^ω^)「そのうち?」
(□A□)「そのうち悪魔の氾濫も収まりつかなくなってトウキョウは混乱するだろう」
(□A□)「そのドサクサに紛れて奴をやるつもりさ」
(;^ω^)「なかなか過激ですおね・・・」
(□A□)「今はまだ政府も悪魔なんて傍から聞けば馬鹿らしい存在をひた隠しにしておけるけど」
(□A□)「主に被害にあってんのは政府が庇護すべき一般市民なんだ」
(□A□)「どうあがいたって苦情や救援要請は殺到するだろ」
(□A□)「シンジュクの方じゃ国を守るはずの自衛隊がシンジュクを封鎖して逃げ場をなくしてるって聞くしな」
(;^ω^)「ツン・・・無事でいてくれお」
(;^ω^)「しかしあんな下衆な人達といえど、殺しはまずいですお」
(□A□)「お前らだってやられそうになったんだろ?しかも顔も覚えられた」
(□A□)「奴はバックとも言える身内に政治家どもがいるからな」
(□A□)「奴自身の躊躇の無さもあるが、殺す気でかからないとまずいだろ」
(□A□)「まぁ死体は都合のいい事に、ほっといて悪魔に食わせればいいだろう」
(´・ω・`) 「まだ君も17だったか18だろう・・・?」
(□A□)「万が一捕まることになっても、別にいいさ」
(□A□)「うちは両親が酒浸りのクソ親父のせいで離婚して、残された俺は親父に殴られてばっかり」
(□A□)「人生にあんま希望なんて残ってないのさ、多分な」
(;^ω^)「お・・・」
(□A□)「次はお前らの事情でも聞きたいな。ツンって誰だよ?」
( ^ω^)「かくかくしかじかお」
(#□A□)ニア 「彼女を探してる・・・ねぇ。リア充爆発しろ」
(´・ω・`) 「最後の夢で戦った魔術的ハゲ男を覚えてる?」
-
(□A□)「奴がキチジョウジをどうにかしてるって安いオチじゃ・・・」
m9(´・ω・`) 「話が早くて助かるね」
(;□A□)「マジかよ!あいつを倒しに行くって事じゃねえよな?」
(;^ω^)「キチジョウジの外から出るならそうするしかなさそうなんですお・・・」
(´・ω・`) 「警察の封鎖の他にも、あの男が強い結界を張っているみたいなんだ」
(´・ω・`) 「君は奴と同じ火炎系魔法の使い手らしいから、対抗できるかもしれない」
(□A□)「餅は餅屋ってことかい。だが俺達三人とも戦いのイロハも知らん頃とは違う」
(´・ω・`) 「あとは僕達は悪魔と契約交渉して悪魔を扱える」
(□A□)「ほう。上手く使えば百人力だな」
(´・ω・`) 「おや。噂をすれば悪魔召喚プログラムにアップデートだ」
(´・ω・`) 「といってもマニュアル追加だけか」
(;^ω^)「読んでみてくださいお」
(´・ω・`) 「悪魔召喚プログラムを受け取った人へ
悪魔召喚プログラムには注意すべき点がある
満月の時に悪魔は興奮していて会話はできない
次に
仲魔になりうる種族でもプログラム使用者との属性が異なると仲魔にならない
同時に召喚しておける悪魔は3体まで
以上の点に気をつけてくれ
まだ送るプログラムはあるが一気に通信は出来ない
直接会えれば早く渡せるのだが私の身にも危険が・・・・」
( ^ω^)「満月の・・・」
(´・ω・`) 「夜はダメ・・・?」
(#´・ω・`)(#^ω^) 「先に言えや!!」
(□A□)「そういや3日ほど前は満月か。俺が見た失敗者どもはそれを知らなかったんだろうな」
(□A□)「昔から満月は狼男が興奮して凶暴化するとか言われてるからな。悪魔もその影響を受けるのか」
( ^ω^)仲魔になりうる種族っていうのは、ゾンビとかはダメって事ですかお?」
(´・ω・`) 「恐らくね。あとピクシーが前言ってたようにダークサイドの精神を持つ悪魔もダメそうだ」
(´・ω・`) 「悪魔も一枚岩じゃなく、オリアスみたいに人を道具や餌としてしか思ってない奴もいるだろうから」
-
(□A□)「オリアス?ピクシー?」
(´・ω・`) 「ピクシーは僕の仲魔さ。後で紹介するね」
( ^ω^)「オリアスは駅南の病院を牛耳って人間を改造していた悪魔ですお」
( ^ω^)「僕の仲魔はオリアスに改造された元人間ですお」
(□A□)「改造人間か。力が手に入るのなら興味深い」
「やめといたほうがいいぜ!俺っちは戸籍も何もかもなくしたってもんだ」
(;□A□)「わぁっ!」
(;^ω^)「失礼しましたお。スマホ越しで仲魔が喋れるみたいですお」
(´・ω・`) 「そろそろ眠くなってきたし出ようか?」
(  ̄┏┓ ̄ )ノシ 「また来いよな」
家で悪魔を召喚する訳にはいかなかったので、アーケード街から離れた空き地で仲魔達とクッキーやコーヒーを食す。
ピク*゚ー゚)シ「へぇーこの国のお菓子もおいしいわね」
(=゚ω゚)ノ「コーヒーなんていつぶりだろう、染みるぜっ!」
ブラウニーとノッカーもカフェのクッキーが気に入ったようだ。
ピク*゚ー゚)シ「あたしやこいつらの一族はマルクトのイングランドで人の手伝いをして焼き菓子とかをよく失敬するんだ」
(□A□)「こいつらが仲魔か。獣人以外はそんな強そうに見えないが」
ピク*゚ー゚)シ「失礼ね!あたしの電撃は何度かショボン達のピンチを救ってきたのよ!」
く(□A□)「そうか。俺の親友が世話になったな、失礼を許してくれ」
(´・ω・`) 「他にも赤帽子のノッカーは物理攻撃力のサポートをしてくれるし黄帽子のブラウニーは敵の命中を若干下げてくれる」
(=゚ω゚)ノ「俺っちのラクカジャはみんなの防御を上げるすぐれもんだ!」
(´・ω・`) 「自軍強化魔法は僕ら三人もまだ持ってないから、大きい戦力だと思うよ」
(□A□)「で、奴を倒すにしても居場所がわからんぞ。謎の計画も猶予がないんだろ?」
(´・ω・`) 「まぁとりあえず帰って寝よう。明日にでも散開して街中探せばいい」
-
(;□A□)「随分とアバウトな・・・だが俺も殴られ疲れたな」
(´・ω・`) 「実はマスターからの噂で目星はついてるんだよな」
( ^ω^)「例の廃ビルですかお?」
(´・ω・`) 「そう。妙だと思わないか?」
(´・ω・`) 「わざわざ籠城しなくたって、外を見張ってれば餌食の人間なんかいくらでもいる」
(´・ω・`) 「何か組織的な集まりがビルにあるような気がするんだよ」
(´・ω・`) 「確かに思えばずっとテナントも入ってないのに、病院帰りにチラッと見たら電気がついていたし」
(□A□)「まぁ確かに準備もなしに乗り込んでみて実際にいて返り討ちならお笑い草だ。寝よう」
(´・ω・`) 「あっとその前に。ごめんね」
ピク*゚ー゚)シ「こちそうさまー」
ショボン達は仲魔を戻しアーケード街に戻り、いくつかの薬を買った。
(´・ω・`) 「悪魔を倒して得られる魔石宝玉に頼るのは不確定すぎるからね、忘れなくてよかった」
ショボン達は帰路についた。
(*□A□)「変わらないなぁお前の家。見てるだけで落ち着くぜ」
(´・ω・`) 「ただいまー」
(´・ω・`) 「母さん?返事がないな、寝てるのかな」
(∪#^ω^)「わんわんお!わんわんお!」
普段大人しめなパスカルがよく吠えている。
(´・ω・`) 「どうしたんだパスカル。ああ餌がないんだな」
靴置き場の上にある餌の袋を取り出し、補充する。
(□A□)「おおっパスカル小学生以来だな!元気で嬉しいぜ」
( ^ω^)「かわいい犬ですお」
キッチンに、血まみれのエプロンをつけたショボンの母が立っていた。
从´^ω^`从「おかえりなさいショボン」
(´・ω・`) 「ただいま母さん。今日友達二人泊まるんだけど大丈夫かな?」
-
(□A□)「おばさん、お久しぶりです」
( ^ω^)「始めまして。ブーンと申しますお!」
从´^ω^`从「わたしはいつもあなたのことしんぱいしてるのよ」
从´^ω^`从「きょうも よくぶじにかえってきたわね」
从´^ω^`从「うれしいわ さあこっちにいらっしゃい」
(´・ω・`) 「母さん。そのエプロンは何か捌いて料理でもしてたの?」
从´^ω^`从「どうしたの?はやくこちらへいらっしゃい」
(´・ω・`) 「でも丁度良かった。三人とも食べ盛りの男だから」
从´^ω^`从「わたしはいつもあなたのことあいしてるのよ」
(´・ω・`) 「母さん」
从´^ω^`从「さあ!はやく!」
(;^ω^)「何だか変ですおね・・・」
(□A□)「妙な臭いだな。おばさん?」
(´・ω・`) 「分かったよ。今日に限ってなんなんだよ・・・」
(´・ω・`) 「友達二人の前でハグなんて恥ずかしいよ・・・」
ドスッ
明らかに人の手ではないものにショボンは肩を貫かれ倒れた。
(´・ω・`) 「え?」
(#^ω^)つ 「ショボン君ッ!」
ブーンが瞬発的にショボンを引き寄せ魔法を唱える。
(#^ω^)「ディア!!!!!」
(□A□)つ 「手前、何モンだ・・・?」
从´^ω^`从「チッ、勘がいいな」
从´^ω^`从「お前の母親はいただいた。なあに、悲しむ事はない。」
从´^ω^`从「すぐに会わせてやるよ俺の腹の中でな!」
-
(・益・)「その前にせいぜい楽しませてくれよマカジャマ!」
ショボンの母親の姿をした何かは瞬時に金髪でせむしの鬼に代わり、瞬時に詠唱した。
( #゚ω゚)「外道が,!!!!!」
(#□A□)ニア 「クソッこの野郎!ブーン家が少し壊れても許せよ、アギ!」
(;□A□)ニア 「あれ?マハラギ!」
(・益・)「おいおい俺ん家の中でバーベキューやろうってか?肉は貴様のだがなッ!」
その見た目に似合わず、瞬発力でドクオにキックをし吹き飛ばした。
(;^ω^)「ドクオ君ッ!今・・・ディア!」
(;^ω^)「僕もだお・・・使えないお?」
(・益・)「鈍い奴だな。マカジャマのせいで魔法は使えねぇよ」
(;´・ω・`) 「一体何が起こってる・・・?」
(;□A□)「戦うんだショボンッ!お前の家に悪魔がッ!」
(^益^)「お前が一番鈍い奴だな。お前の大事な大事なママはな・・・」
( ゚ω゚)「黙れおッッ!!!!!」
ブーンが勢いのある飛び膝蹴りを放つ。
(・益・)「タルンダ!」
(;^ω^)「えっ・・・?」
ブーンの膝は鬼の顔に軽い音を立ててぶつかる。
途端に鬼に片足丸ごと持ち上げられる。
(・益・)「野郎にスキンシップされるのは好きじゃねェんだよ!!」
勢いよく投げられ、ブーンも壁にぶつかり食器棚の皿が揺れる。
(・益・)「魔法使えなくして、頼りの肉弾戦も魔法で軽減させりゃ無敵だなキヒヒ」
(・益・)「人間だった頃に魔法が使えれば便利だったのによぉ〜」
( ^ω^)「その醜くて人を苦しめるしかできないナリで人間だというのかお?」
(・益・)「[『だった』っつってんだろ馬鹿野郎。俺をお前らみたいな貧弱どもと並べるな」
(#^ω^)つ 「こっちだって貴様みたいなのと一緒にされたくないお!!」
-
ブーンは拳銃を引き抜き激情のままに鬼を撃つ。
(・益・)「ラクカジャ」
銃弾は体にめり込むが、少し血が出た程度で終わる。
(;^ω^)「ワードッグと同じ魔法かお!」
(・益・)「人の家でチャカやるのはいただけねぇな。ガキの分際で持ってるってのも気に食わねえ」
鬼は銃弾を引き抜き、デコピンの容量で飛ばす。
(;^ω^)「く・・・!」
ワードッグが一人でにスマホから出てきて、棍棒で銃弾をはじく。
(=゚ω゚)ノ「勝手にすまねえな!ラクカジャ使いとして負けてられねえ!」
( ^ω^)「ワードッグ・・・!」
(=゚ω゚)ノ「ラクカジャ!」
(・益・)「フン、悪魔を奴隷にするクズどもか」
(#^ω^)「奴隷じゃない!仲魔だおッ!」
(^益^)「そうやって単純に反応してくれるから人間は好きだぜ。ククク」
(・益・)「そこの情けねえガキの母親も・・・ケケケ」
(;□A□)つ 「こいつを黙らせるぞ!多少家に穴が開くかもしれんが・・・」
(;^ω^)「ダメですお!人の家を!」
ブーンが掴みかかって発砲を止める。
(;□A□)「何言ってんだ!やらなきゃやられるぞこれは!」
(;´・ω・`) 「母さんはどこに出かけてるのかな・・・外は悪魔がいて危ないのに・・・」
(・益・)「へへへ。こりゃ完全に気が狂ったな」
(□A□)(ブーン。奴が調子こいてる間に情報を聞き出して弱点を探ってみよう)
(;^ω^)(わかりましたお)
(;^ω^)「お前みたいなのが元人間なんて信じないお!お前は一体何なんだお!」
(・益・)「あなたって言えよクソガキ」
-
(・益・)「元々はワカヒコって名で天津神どもの使いだったんだけどな。派遣された国の方が居心地よくていついちまった」
(・益・)「ある日いい雉がいたんで撃ち殺したら、その雉は天津どもの罠だったみたいで俺の命とリンクしていた」
(-益-)「当然俺も死んで、気が付いたらこんなブサイクな鬼になって神どもの噛ませ役にさせられてたってわけよ」
(□A□)「天邪鬼か。毘沙門天像に踏まれてる雑魚鬼じゃねえか」
(・益・)「アマノサクガミ様って呼べよクソガキ。遥か目上なんだから敬意を払いなさいっ」
( ^ω^)つ→ 「なるほど、矢が死因ですかお。把握したお」
ドクオの無言の合図に、間髪入れずに飛び込み破魔矢を刺し離脱するブーン。
(;・益・)「なんだ!?光、ぎゃあああああああああ」
(;□A□)「やれやれ、命かかってんのに家を気遣って危険な真似するか?」
(;^ω^)「だって、この家はもう数少ないショボン君の大事な・・・」
(;´・ω・`) 「何言ってるの?早く母さんを探しにいかないと・・・」
(;□A□)「ショボンしっかりしろ!おばさんはもう・・・」
(x益x)「ディアオーラッ!」
( ^ω^)「まだ生きてるのかお!!!!!」
(□A□)「それに何だ?今の詠唱は」
(x益x)「やってくれるじゃねえか。魔法が使えないなら魔具ってか」
(・益・)「ディアオーラは常にディアの効果をもたらす魔法よ」
-
(・益・)「いい加減現実を見ろガキ。お前のおか〜ちゃんは俺が食い殺した!」
(;´・ω・`) 「信じない・・・信じないぞ」
(・益・)「まっ信じないのは勝手だがよ。他のガキどもが負わせた傷もどんどん癒えていくぜ?」
(・益・)「俺がタルンダとラクカジャを唱え続ければいずれお前らは詰みだ」
(・益・)「こいつの記憶にあるアイツも楽な仕事押し付けてくれるよなぁ」
(・益・)「アダムの資質のあるガキを拉殺るだけで王国での俺様の地位は約束される!」
(・益・)「そのあとはゆっくり力をつけてクソ天津どもをじわじわ拷問でもしてやろうか」
( ^ω^)「誰かに操られているのかお?」
(・益・)「ククク。どうせお前らの負けは確定だ、教えてやるよ」
(・益・)「とある頭のおかしい奴の命令でそこの足立たずショボンを捕まえに来たのよ」
(;^ω^)「理由は分からないけどそうはさせないお!」
ブーンはマチェットを構えてショボンの前に立ち守る。
(・益・)「話は最後まで聞けよ。反抗する気がないならお前らは見逃してやってもいい」
(^益^)「奴が語る思想は心地がいいぜ。無能で信心深くないクズどもを粛清し至福の楽園を作るのさ」
(・益・)「お前ら魔法の資質あるんだろ?俺についてこいよ。口添えしてやる」
(□A□)「フン。粋がってる奴の言いなりになるなんて俺は御免だぜ」
(;^ω^)「僕は・・・例え勝ち目がなくても!自分が正しいと思ったことをやりたいお!」
(□A□)「それにおばさんの料理楽しみにしてたんだぜ。お前をミンチからのハンバーグにしても食えたもんじゃねえだろ」
ドクオも立ち上がってスパイクロッドを肩に担ぐ。
(・益・)「分からん奴らだな。まぁそこのガキは殺して連れ帰るか」
(´・ω・`) 「待て・・・少しに気になる事がある」
よろよろとショボンも立ち上がる。
(´・ω・`) 「僕の足はある理由で今は完治してるんだが」
「なんで、僕が『足立たず』なのを知ってる?」
-
(・益・)「おっとボロ出しちまったか。まぁいい」
(・益・)「俺が元人間ってのは二つの意味があってな?」
(・益・)「この体がこの街にやってきた時につい腹が減ってターゲット外の人間を食っちまったのよ」
(・益・)「だが食った相手が悪かった。悪魔なんぞよりも邪悪で下衆な心を持つそいつは」
(・益・)「まぁ見事に元の悪魔の人格を乗っ取っちまったわけよ」
(;´・ω・`) 「その人間を食った現場は?」
ショボンの内側からどうしようもなく胸が高鳴る。
恋にも似たその動悸を抑える事ができない。
聞かなければ、この悪い夢からは死と引き換えに開放されるのに。
(・益・)「イノガシラ公園って言えば分かるかね?」
(;^ω^)「あの殺人事件現場かお」
(・益・)「当時の俺は夜の公園で走り込みか散歩でもしてる手頃な女子がいないか探してたんだがよ」
(・益・)「食われた時はヘマ打った運悪かったって思ったが悪魔になれて正解だな」
(・益・)「不思議と人間っつー肉体の檻に囚われた頃と違って最後のタガが簡単に外れる」
(・益・)「こいつイケメンだなとか顔がムカつくって奴を即食い殺せる」
(・益・)「人間だった頃の元金メダル選手やら教師って肩書も本当馬鹿らしくなっちゃって!ヒャハハハハァ」
(・益・)「何で選ばれたのがお前なんかなんだ?まぁ都合は良かった」
(・益・)「お前の母親は例の事件以降やたら俺の身辺調査やってたよな」
(・益・)「例の無人轢き逃げ事件も俺が工作したってとこまで嗅ぎつけやがって」
(・益・)「揉み消しはうまくいったがヒヤヒヤしたの思い出してムカついたから殺した」
(・益・)「んで次はガキのてめーの番だよ。良かったな一緒になれるぞ」
(;#^ω^)「なんて自己中心的な逆恨み・・・反吐が出るお!」
(´ω`) 「証拠が足りないな。先生の残留思念読んだだけって可能性もあるよね」
(・益・)「いいだろう。俺とお前が一番仲良かった頃の内緒の思い出でも語ってやろうか」
そう言うと鬼は前に出たショボンに接近して、囁いた。
( ´,_ゝ`)「且凡くんの黄金の足は私の誇りだ。夏の大会トップだったら焼肉奢ってやるぞ!」
-
(´゚ω゚`) 「オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
突如ショボンは勢いよく鬼にショルダータックルをかました。
(・益・)「やっと本気になったか!本当に今更だがな!」
壁まで押し付けようとするショボンの両肩に深々と爪を刺す。
(・益・)「ディアオーラで俺の体はほぼ全快!勝てる要素が・・・」
しかし、離さない。
(;・益・)「てめえええええええ離せええええええええ!」
壁に激突する瞬間、片手で鬼の頭を掴んで固定し叩きつける
(益)「あぎゃあああああああああ!!!!!」
そのまま勢いよく馬乗りになりアマノサクガミの顔を両手で殴り続ける。
(´゚ω゚`) 「ごたくは・・・いらない!!!!!」
ボコッバキッ
(□A□)「ショボン・・・」
(#)・益・)「しつけえんだよ!!!!!」
ショボンの腰を蹴り、突き飛ばす。
(・益・)「サービスタイムは終わりだ!仇取れただろ?死ね!さあ死ね!!」
鋭い爪を出した両腕を構え突進する鴨志田。
(´゚ω゚`)
あえてショボンは顔だけガードして受け止める。
胴や脚に痛々しく刺さった爪を一本づつ手甲で殴り折る。
鬼がダラダラとワカヒコとしての自分語りをしている中で
スマホの向こう側から、ピクシーがこっそり拾い物の力の香を炊いたのだ。
今のショボンは筋力がブーストされている。
(・益・)「ひぃぃぃぃぃぃなんだこの力は!?」
(´゚ω゚`) 「落ち着けよ。これで武器がなくなってイーブンなだけだ」
(´゚ω゚`) 「だが僕にはまだこれがある」
腰の鞘から、すっと模造刀を抜き出した。
-
(・益・)「ディアオーラの効果はまだ残ってる!貧弱な人間が再生能力を超えて殺しきれると・・・」
(´゚ω゚`) 「そうかい。ピクシー」
スマホを手早くタップし、スマホをホルダーから放り投げた。
ピク;゚ー゚)シ「しょ、ショボン・・・?」
(´・ω・`) 「離れたところから僕にディアをかけてくれ。タイミングはまかせるよ」
ピク*゚ー゚)シ「・・・了解!」
ピクシーはブーン達の場所へ飛んでいく。
(;・益・)「あの羽虫を食い殺せばてめえの命運は尽きるんだな!」
小鬼は必死に走り出し小さな妖精に牙をむく。
だが目の笑っていない少年に金の紙を掴まれ、乱暴に引き戻された。
(´゚ω゚`) 「どこへ行くんだ?まだやりあおうよ」
(´゚ω゚`) 「ディアオーラとやらがまだ効いてるらしいね」
狂ったように模造刀を叩きつける。
(メメ益メ)「ギャアアアアアアア痛い痛い痛い!!!!!」
(´゚ω゚`) 「じゃあ・・・あとどのくらいで切れるのかな?」
(´゚ω゚`) 「よく使ってるんだろ?答えろよ」
(メメ益メ)「傷が回復するまで待って・・・お前を狙ってる奴の事を教えるよ」
(´・ω・`) 「そうか。痛めつけてごめんね?」
(メ益メ)「感謝するぜ・・・嘘は言わねえ。ちゃんと教えるからな」
(メ益・)「そう・・・お前を狙ってる奴の正体・・・それは」
傷があらかた治ると踏んづけているショボンの足をすり抜け飛びかかった。
(・益・)「ここでハラワタ引きずり出されて死ぬ貴様が知る意味はないってことだー!!!!」
(´゚ω゚`) 「遅いンだよ」
ショボンが両手に懇親の力を込めた一撃は鴨志田の腕を切断した。
(;益)「あひィぃぃぃああああああああ!?」
(´゚ω゚`) つ
-
すかさず懐のベレッタを抜き額に撃ち込み、吹き飛ばす。
(´゚ω゚`)「ねぇ、回復魔法なら腕もくっつくのかなぁ」
(;益;)「あひっ、悪かった・・・悪かったから・・・」
(´^ω^`) 「何が悪かったの?今は実験をしてるんじゃないかなぁ」
(´゚ω゚`) 「腕切ったのはまずかったかな。悪魔って失血死するのかい?」
(;益;)「俺が、陸上部時代jに、世話してやった、恩を」
(´・ω・`) 「だってお前は人間じゃないんでしょ。中学時代に悪魔から世話になんてなってないなぁ」
(´・ω・`) 「腕がくっつくまで待ってあげる。そしたら早撃ちの要領でまた戦いだ」
(;・益・)「後悔する事になるぞ・・・」
それから約10秒後。
素早く腕を拾ってくっつけると鬼は急襲した。
(´゚ω゚`) 「ブーン!!!!!」
(・益・)「今度こそッ!」
芸もなく飛び掛かった鬼は、ブーンから投げられたマチェットを持ったショボンに迎撃されて頭をカチ割られた。
(益)「あああああああああああああああああああああああ」
(´・ω・`) 「悪魔の体って意外とモロいんだなぁ。ちょっとガッカリだよ」
(´・ω・`) 「攻撃魔法も使えないみたいだしさ」
(´・ω・`) 「また治癒を待って早撃ちも飽きたな。次で最後にしようか」
アマノサクガミはうめきながら必死に壁際へと這っていく。
(益)「なめんなよクソガキが・・・お前ら全員皆殺しだ」
(#・益・)「死ねッ!」
鴨志田は跳躍して壁を蹴り、弾丸のような勢いの頭突きを仕掛けた。
頭頂部に生えている角を突き出して。
(´゚ω゚`) 「うっ」
角はショボンの鳩尾の真下に深々と突き刺さっていた。
(;・益・)「内臓を捉えた!俺の勝ちだ!」
-
ピク;゚ー゚)シ「ディア、ディア、ディア、ディア、ディア!」
(;´・ω・`) 「やるかと思ったけど・・・こんなもんか」
小鬼を腹部から引っぺがし投げ捨てると、途端に傷というには深すぎる傷が埋まっていく。
(´・ω・`) 「間髪入れず僕を即死させられたらお見事だったんだけどね。お前の負けだよ」
(´・ω・`) 「悪魔の体にかまけてイキってるだけじゃこうなるってわかってありがとう。じゃ罰ゲームね」
ショボンは悪魔の一本角を両足でテコのように踏みつけて折る。
(´・ω・`) 「仕上げだ。ドクオ武器を」
(□A□)つ 「おう」
(´・ω・`) 「最後に一言負け惜しみをどうぞ。コメンテーター、且凡ショボンがお送りします」
(・益・)「悪かった。もう狙ったりしないから見逃してくれ」
(´・ω・`) 「そういう命乞いは母さんに言えば?」
瞬間、鴨志田は思考を放棄し固まるだけになった。
(´・ω・`) 「つまんね」
ドクオから受け取ったスパイクロッドで殴打する。
(´・ω・`) 「つまんね」
殴る。
(´・ω・`) 「つまんね」
殴る。
(´・ω・`) 「つまんね」
殴る。
(´・ω・`) 「つまんね」
殴る。
(´・ω・`) 「つまんね」
殴る。
(´・ω・`) 「つまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんねつまんね」
-
どれくらい時が経っただろうか。
ひたすら床を殴打するショボンに誰かが。
( ^ω^)「あ、あのショボン君」
(´・ω・`) 「・・・」
(;^ω^)「も、もう・・・」
ショボンの目の前には、元が下劣な人間だったか悪魔だったかだった塵が積まれていた。
何かのIDカードが埋もれていた。
(´・ω・`) 「ああ・・・」
(´^ω^`) 「ピクシー、助かったよ」
ピク*゚ー゚)シ「ショボン・・・」
悪魔達をスマホに戻す。
(;^ω^)「こんな時に何を言っても慰めにはならないと思うけど・・・」
( ;ω;)「気を落とさないで・・・お」
(□A□)「気休めはよせ!今はそっとしておいてやれよ」
(∪^ω^)「わんわんお!わんわんお!」
鎖を引きちぎってきたのか、パスカルがキッチンまで走ってきた。
(´・ω・`) 「パスカル。玄関に戻りなさい」
(∪^ω^)「わんわんお!わんわんお!」
(´・ω・`) 「連れていけというのか・・・?」
(´・ω・`) 「ありがとう、パスカル」
( ;ω;)「・・・」
(□A□)「・・・」
(´・ω・`) 「すまなかったね二人とも。守らせて申し訳なかった」
( ;ω;)「いいですお・・・いいんですお!!!!!」
(□A□)「なんか飯・・・買って来るわ」
( ;ω;)「僕も行きますお!」
-
(□A□)「ただいま。こんな時でもコンビニは空いてるのな」
(;^ω^)「ドクオくんは体に悪そうなファストフード選びすぎですお」
(□A□)「戦いばっかの日々なんだから好きなもんくらい食わねえとな」
( ^ω^)「食べるのか分からないけど仲魔達の分も買ってきましたお」
(´・ω・`) 「ありがとう。悪いんだけど僕はいいから仲魔達と食べててくれないかな」
ショボンは仲魔達を召喚し、一階の奥へ向かう。
(□A□)「ショボン」
(´・ω・`) 「分かってる。起きたら奴の所にカチコミだ」
(´・ω・`) 「恐らくこのカードキーがビルに入るカギだろう」
(´・ω・`) 「ビルには精鋭が揃ってるだろうね。できるだけ仲魔に引き入れよう」
(´・ω・`) 「だが侵入に気付かれたらあとは早いだろう。仲魔増強より優先すべきは5Fに行ってケリをつける事だな」
(´・ω・`) 「ドクオ。すまないがタバコ一本だけ吸ってみたいんだ。くれるかな」
(□A□)y- 「・・・ああ、いいぜ」
(´・ω・`)y- 「ありがとう」
(´・ω・`) 「僕は今日は一階で寝る。二人は二階で寝るといい」
(´・ω・`) 「僕の部屋と父さんの書斎があるよ。書斎にはベッドもある」
(□A□)「ああ。ありがとな」
(□A□)「武器だいぶ使ったろ。俺が手入れしておくから」
(´・ω・`) 「ああ。ありがとう」
ドクオは踵を返していく。
(´・ω・`) 「パスカルご飯はもう食べた?今日は一緒に寝ようか」
(∪^ω^)「わんわんお!」
一階にある両親の寝室。
カギはかかっていない。
ベッドに寝そべってスマホでネットサーフィンをするショボン。
やがて疲れて眠った。
(´;ω;`)
-
グレートパスカルに期待
-
更新早くて嬉しい
真1のストーリーあんまり覚えてないから新鮮で面白い
-
乙乙
>>69の(  ̄┏┓ ̄ )「ブーン君と昔よく背伸びしてコーヒー飲みに来てくれてたよね」
ってブーン君じゃなくてショボン君の間違いかな?
-
>>88
皆さん応援ありがとうございます。
>>69のは間違いですね、失礼しました。
これからも不定期気味ですが投下していきますのでコンゴトモヨロシク
-
皆様メリークリスマス!
しばらく投下できずに申し訳ないです
-
夜が明けた。
昼、一行はリビングに集まっていた。一人を除いて。
(□A□)「ショボン」
(´・ω・`) 「おそよう」
(∪^ω^)「わんわんお!」
(´・ω・`) 「ごめん、今日は寝かせてくれると嬉しいな」
(´・ω・`) 「それとパスカルにご飯あげてもらっても構わないかな?」
(□A□)「まぁあんな事があった後だ・・・構わんぞ」
(∪*^ω^)「わんわんお!わんわんお!」
(□A□)「パスカルこっち来な。どうせ鎖切れてるしみんなで食おうや」
(□A□)「リビングに皆いるから昼食食う気になったら来な」
(´・ω・`) 「君は相変わらず朝弱いんだね」
(□A□)「制約がなくなっちまったらテキトーに寝起きするのが俺の魅力よ。あぁ眠い」
(´・ω・`) 「パスカルも僕に合わせて昼まで寝なくていいのに」
また一時間程度寝ているとブーンが部屋に入ってきた。
(;^ω^)「おはようございますお。あのショボン君・・・」
(´・ω・`) 「ああドウマンの件だろう。あと一日猶予をくれないか」
(;^ω^)「いやそうじゃなくて・・・心の方は大丈夫ですかお?」
(´・ω・`) 「ああ、落ちついてる。だが妙にまだ現実味を感じられなくて」
(´・ω・`) 「でもツンの事もあるからゆっくりもしていられないか。どうしよう」
(;^ω^)「今日もしショボン君が動きたくないなら僕はちょっと偵察に行きたいですお」
(´・ω・`) つ 「構わないよ。このlIDカードが手掛かりになるかもしれない」
( ^ω^)つ 「ありがとうございますお!」
(´・ω・`) 「気を付けてね。僕の仲魔も連れて行くといい」
( ^ω^)「ありがとうございますお!」
-
ピク;゚ー゚)シ「ショボン全く部屋から出ないしご飯も食べないけどまずいんじゃない?」
ピク;゚ー゚)シ「あたしら純悪魔は食事はぶっちゃけいらなくてマグネタイトがあればいいけど人間は・・・」
それから半日経っても、ショボンは寝室から出てこなかった。
スマホを弄ってばかりだ。
もう深夜になる。
(#□A□)つ 「おいっ!」
強引に寝室に入り、ドクオはショボンの胸倉を掴んで立たせようとする。
(□A□)「おい・・・」
(´・ω・`) 「・・・」
(#□A□)つ 「いい加減にしろ!せめて飯くらい食え!!!!」
(´・ω・`) 「・・・」
(#∪^ω^)「わんわんわんわんお!!!!!!!わんわんお!!!!!!」
(;^ω^)「ドクオ君!あんな事があってまだ一日ですお。ショボン君の気持ちも・・・」
(#□A□)「気持ちなんて分かるか!こんな経験そうそうねえよ!!!!!」
(´・ω・`) 「正直だね」
(;^ω^)「ドクオ君!正直すぎですお!」
(#□A□)「失礼な事言ってるのは分かってるよ!!!!!だが時間がないんだ!!」
(#□A□)「正直お前の事は認めてる!ブーンもだ!」
(#□A□)「だからこんなところでお前もブーンも死なせない!」
(#□A□)「いや死ぬのは許さねぇ!!!!!」
(#□A□)「あいつとの戦いが終わったらいくらでも殴られてやるよ!!!!!」
(□A□)「今このキチジョウジでマトモに悪魔を扱えるのは俺達だけだ・・・」
(□A□)「お前じゃなきゃできないことが今あるんだ!!」
(□A□)「それができない奴らの代わりにやらなきゃいけねえ!!」
(□A□)「いや正直何もせずにオロオロしてる奴らの事は半分どうでもいい・・・」
(□A□)「でも何もせずこのまま生贄なんぞにされてたまるかよ」
-
(´・ω・`) 「いつからそんな熱い奴になったんだい?」
m9(□A□)「外に出ろ」
ドクオがクイッと親指ではるか背後にある玄関を指した。
(□A□)「こんなフヌケになっちまったと俺は信じたくねぇ」
(´・ω・`) 「いいよ。いきなりまくしたてられ続けて僕も少し頭に来た」
食事を終えた仲魔達を戻し、三人は庭へ出る。
(´・ω・`) 「草刈っちゃったのか。勝手な事するなぁ」
(□A□)「俺の炎で燃えちまったらまずいからな」
(;^ω^)「ドクオ君!」
(□A□)「すまんブーン、審判頼むわ」
MP5マシンガンを肩に構えドクオは言う。
(□A□)「タイマンで後はなんでもあり。道具で回復してもいいぜ。暇がありゃあな」
(´・ω・`) 「・・・もったいなくない?」
(□A□)つ 「この戦いでお前に戦いを続ける意思があるか試す。ないなら置いていくだけだ」
メンテナンスされた模造刀とベレッタを地面に投げる。
(´・ω・`) 「いいよ。でもそっちから喧嘩売ったんだし遠慮はしないからね?」
(□A□)つ 「お前の準備が出来次第、この銃弾を落としてスタートだ」
(;^ω^)「・・・」
(´・ω・`) 「いいよ。いつでもどうぞ」
ドクオが手に持った銃弾を垂直に投げ、地面にぶつかる軽い音がする。
(□A□)つ 「行くぞ!」
ドクオが横一線に銃を薙ぎ払うように撃つ。
ショボンは咄嗟に身を屈めて転がる。
-
(□A□)ニア 「マハラギ!」
(´・ω・`) 「いきなり飛ばすねぇ。持たないよ」
(□A□)「人の事心配してる場合か?」
ドクオが炎を指から出し、横一線で投げつけショボンがジャンプしてかわす。
(´・ω・`) つ 「これで終わるかな」
飛び上がりつつ銃を構え、ドクオに向け撃つ。
(□A□)ニア 「アギ!」
ドクオのこぶし大の炎が弾丸を溶かし、ショボンの胴体に当たる。
(;´・ω・`) 「あつつつつ!容赦ないなぁ」
地面に足をついたショボンはサバイバーベストを叩いて炎を消す。
(□A□)「お前に近寄られたら終わりだからな」
後ろに飛びつつ、銃弾を装填する。
(□A□)ニア 「アギ!マハラギ!」
炎の連弾を射出しつつ、銃も適当に撃つ。
(´・ω・`) 「ふんっ」
全ては避けられないと判断し、模造刀で自分に当たりそうな炎だけを切り裂く。
硬いレザーブーツに当たり、貫通はしないものの痛みが走る。
(;´・ω・`) 「くっ、おおおおおおおおおおおお!!」
勝負を決めるために、ショボンはジグザグに走りつつ近づく。
(;□A□)「しまった、銃弾が・・・」
(´・ω・`) 「もらっ・・・」
(□A□)ニア 「勝負を焦ったな!」
ショボンの足元で、何度か破裂音が鳴る。
(;´・ω・`)「うおっ!?」
(□A□)「火炎瓶を俺の周りにトラップとして置いておいた。銃をただ撃ってるように見せかけてな」
(´・ω・`) つ 「くっ」
-
(□A□)ニア 「甘ぇよ!アギ!」
火炎魔法でとっさにショボンが手にした魔石を弾き飛ばす。
(;´・ω・`) 「あとちょっとなのに・・・」
(□A□)ニア 「遠慮するなと言っただろ・・・マハラギィ!」
(´・ω・`) 「まだ残って・・・ぐあっ」
ドクオが両手から火炎弾を放ち、時間差で投擲する。
一つ目はショボンの体に当たり炎上、二つ目は足元に命中し残る火炎瓶を爆発させた。
(□A□)「・・・?」
(;□A□)「上か!」
ドクオが見上げると、爆発の余波かショボンがドクオの真上2メートルにまで迫っていた。
(;□A□)つ 「うおおおおおおお!」
ドクオは焦ってスパイクロッドをl投げつける。
見事にショボンの顔にクリーンヒットする。
(´ω`) 「おごっ」
ショボンは怯まず、ドクオの懐まで落ち模造刀をふり落とした。
(;□A□)「うぎゃああああああッ!」
防具のおかげで致命傷には至らないが、胸を斜め一閃に切り裂かれた。
(□A□)ニア 「アギ・・・」
倒れ込みつつもショボンの顔面に力を振り絞り小さな火球を当てる。
ショボンは大きな音で倒れたが、ドクオもまた限界がきて倒れ込んだ。
(;^ω^)「二人とも生きてますかお!?」
(´#)ω(#`) 「意識は余裕であるけどあちこち熱いな」
(;□A□)「すまん審判勝負ありだわ。回復頼むわ」
(;^ω^)「ほっとしましたお」
-
ブーンは丁寧に二人に回復魔法を施していく。
(□A□)「どっちが勝った?」
(;^ω^)「どっちも同時に倒れましたし相討ちじゃないですかお?」
(´(#)ω・`) 「僕は正直どっちでもいいよ。生きてれば再戦はできるでしょ」
(;□A□)「魔法が使える分有利かと思ったが、それを補ってとんでもねえ身体能力だ」
(´・ω・`) 「悪魔と戦うならあれくらい無茶しなきゃ殺されるからね、きっと」
(;^ω^)「そうだショボン君。もしあれだったら僕らだけでも行くから大丈夫ですお?」
(□A□)「ああ。二人で奴がいるであろうビルを突き止めて少し侵入したんだ」
(´・ω・`) 「それなら話が早い。これから寝て明るくならないうちに入ろう」
(;□A□)「なんだ、戦う気あんのかよ!」
(´・ω・`) 「そりゃあ無いなんて言ってないからね。ドクオの早とちりだ」
(´・ω・`) 「でも気持ちの整理をつける時間は欲しかったから丁度よかったかな」
( ^ω^)「確かに明るくなってから武装してビルに乗り込むのはいくらなんでも怪しまれますお」
(□A□)つ 「食っとけよ。空腹じゃ悪魔と話もできないしあいつにも勝てねぇだろ」
(´・ω・`) 「僕の好きな物覚えててくれたんだね。ありがとう」
コンビニで売っているハンバーガーを頬張る。
その後、ブーンは回復を終えて近隣に「友人同士で花火をやっていた」と念の為騒音を謝ってまわった。
邪教の館
(■┏┓■) 「悪魔が集いし邪教の館へようこそ」
(´・ω・`) 「おじさん開幕それしか言えないの?」
(;■┏┓■) 「仕事じゃ。ほっとけ」
(□A□)「深夜でもやってるとは驚きだ。コンビニかよ」
(■┏┓■) 「で、合体するのか?」
(´・ω・`) 「はい。それでなんですが・・・」
-
(;^ω^)「えっ!?」
(■┏┓■) 「動物を悪魔と合体させるとは・・・なかなか珍しい申し出じゃ」
(∪^ω^)「わんわんお♪」
(´・ω・`) 「僕も正気かと自分の考えを疑っている。でも」
(´・ω・`) 「ここまで歩いてきた道中でも、正直パスカルを守るのは結構しんどかった」
(´・ω・`) 「今までは運がよかったが奇襲されたら死んでしまう可能性もある」
(□A□)「いいんじゃねーの。少なくともパスカルは嫌がってねえ」
(□A□)「足手纏いだからついてくるなつってもついてくるしな」
(□A□)「家においといて悪魔に襲われても終わりだしな」
(´・ω・`) 「もしドウマンを倒して悪魔の出現が収まってマグネタイトを得られなくなって・・・」
(´・ω・`) 「悪魔としてのパスカルを維持できなくなったら僕が殺してその後僕も死のう」
(;^ω^)「ショボン君・・・」
(´・ω・`) 「家族だからね。家族だからこそ自分の手でケリをつけたい」
(´・ω・`) 「家族の仇も僕だけじゃない、パスカルも取る権利がある」
(´・ω・`) 「でもこれは僕の勝手なエゴの先行だ」
ショボンは膝を屈め、パスカルと顔を向かい合わせる。
(´・ω・`) 「パスカルはどうしたい?」
(∪*^ω^)「わんわんお!わんわんお!」
(´;ω;`) 「ありがとう。パスカル」
(□A□)「大事な事だから二回吠えました」
(□A□)「まぁシンジュクとかにも悪魔が出てるって噂だし」
(□A□)「あいつを倒したところで悪魔出現が収まるって可能性も薄いけどな」
(■┏┓■) 「では合体相手の悪魔を選ぶのだ」
( ^ω^)「ビル入り口で仲魔にしたコボルト君が合体志望していたしいいかもしれないですお」
ピク*゚ー゚)シ「なんか命乞いで仲魔になったのはいいものの、あのハゲんとこ行くって言ったら殺されるってすごい怯えてたもの」
-
(■┏┓■) 「では合体させるぞ。何の悪魔になるかはワシにもわからん」
(□A□)「マジかよおっさん!」
(■┏┓■) 「我らにもただの動物と悪魔の合体などイレギュラーではあるのだ」
(´・ω・`) 「お願いします」
パスカルと犬顔の人型悪魔がシリンダーに入り、邪教の主が儀式を開始する。
やがて両者がシリンダーの液に包まれ溶解していく。
ショボンは不安だった。
パスカルが力を得て悪魔になったとて、自分に懐いてくれるのか。
元の人格、いや犬格などは合体でどうなるのか。
やがてシリンダーの間の魔法陣に台が激しく光る。
(;^ω^)「これが・・・」
(□A□)「悪魔合体・・・」
シリンダーが光るのをやめ、一際大きな極光から何かが現れる。
(∪゚W゚)「私は魔獣ケルベロス」
(∪゚W゚)「今後ともよろしく・・・」
ライオンのようなたてがみを持つ、巨大な獣の悪魔が現れた。
ケルベロスといえばギリシャ神話でハデスの冥界を守る地獄の番犬だ。
(´・ω・`) 「パスカル・・・なのか?」
(∪゚W゚)「わんわんお!」
(´・ω・`)つ 「お手」
(∪゚W゚)つ 「わんわんお!」
ケルベロスと名乗った悪魔はショボンの手に大きな前足を乗せる。
(´;ω;`) 「ありがとう」
-
その後は回復道場に寄ってからショボン宅に戻り何時間かの休息を取る。
(;^ω^)「起きたらドウマンと決戦ですかおね・・・」
(□A□)「心配すんな。ショボンもやる気だしそれに・・・」
(´・ω・`) 「パスカルもいるしね。邪教の主人の驚いてた」
(□A□)「この周辺の悪魔なんかより何十倍も強いであろう、だってさ!すごいなパスカル!」
(∪*^W^)「わんわんお!」
(*^ω^)「じゃあキチジョウジの結界も破れるのではないですかお!?」
(□A□)「悪霊とかの頭悪そうな下級悪魔どもですら近づかなかった程だ。悪魔が触れて無事な保障はない」
(´・ω・`) 「それに結界を破って出られても外に罠があったら・・・」
(□A□)「まっ、もう腹くくって奴を倒すしかねぇってこった!」
(;^ω^)「待っててお、ツン・・・!」
(´・ω・`) 「じゃあ寝る前に軽く作戦会議だけ」
(´・ω・`) 「なるはやでドウマンのいるであろう最上階まで行こう。気付かれる前にできれば奇襲がベストかな」
( ^ω^)「なるべく戦いは避けたいけど、降参してくる悪魔は仲魔にしておいた方がいいですおね」
(´・ω・`) 「あいつのいる場所までは特定できてないんだよね?」
(;^ω^)「すいませんお。見つからないように1Fを軽く探索するだけで精一杯でしたお」
(´・ω・`) 「まぁ偵察時点で見つかったら本末転倒だ。仕方ない」
(□A□)b 「だがエレベーターが稼働しているのは確認したぜ」
(´・ω・`) 「ありがとう。僕ももう覚悟はとっくに決めてある」
(´・ω・`) 「悪魔にはもちろん善良なのもいるっていうのはピクシーやワードッグ達で知ってるつもりだ」
(´・ω・`) 「だが院長やドウマンのように、他人を一方的に苦しめて道具にする悪魔は許せない」
( ^ω^)「ですお!少しづつでもトウキョウの平和を取り戻しましょうお!」
(□A□)「俺は赤の他人を助ける気はあんましねえ」
(´・ω・`) 「僕らに助けられたくせに。恩売るわけじゃないけどさ」
(;□A□)「うっ・・・」
-
(□A□)「ま、まぁ自分で何とかする気のある奴は助けてもいいと思うぜ」
(□A□)「じゃなきゃ家かどっかにこもってて悪魔の餌にならない方がよっぽどマシだ」
(´・ω・`) 「思いやりはあるんだね」
(*□A□)「ほっとけ!無駄に敵を強くしたくないだけだ」
(;^ω^)「もっと時間があれば他の悪魔使いと連絡を取れたかもしれないですのにお・・・」
(´・ω・`) 「なんか悪魔召喚プログラムと連動した悪魔使い専用SNSがあったから有志を募ってみたよ」
(□A□)「今日の朝っぱらからもずっとスマホいじってたのはその為か」
(´・ω・`) 「ご名答。生き残りはそんないないし他の人達も尻込みしてたけど」
(´・ω・`) 「四人の悪魔使いがドウマン討伐に賛同してくれたよ」
(´・ω・`) 「明日の6時ごろ落ち合う予定さ。真冬だから日の出は遅いしね」
(□A□)「今11時ごろだから6時間は余裕で寝れるわけか」
( ^ω^)「回復道場さんで魔力も回復してもらったから万全ですお!」
(□A□)「そういやお前の家に押し入ってた鬼だけどお前と何か関係がありそうだったな」
(;^ω^)「ドクオ君・・・!」
(´・ω・`) 「気にしないで。ドクオ無神経だし」
(´・ω・`) 「それにもう気持ちの整理もついたし聞いてほしいし聞きたい」
(´・ω・`) 「僕は途中からよく覚えてないけどあの汚物未満をどうやって倒したんだろう?」
(□A□)「あの角でお前の腹ぶっさされたと思ったら即座に回復してよ。あとは灰になるまでタコ殴りさ」
(□A□)「まぁはっきり言って凄惨だったな。鬼神ってお前みたいな奴を言うのかも」
(´・ω・`)「そっか・・・実はね、あの悪魔は公園で僕の元顧問教師を食い殺した後人格を乗っ取られたらしい」
(´・ω・`) 「僕は中学の頃に陸上に打ち込んでたんだけど事故でできなくなってからは顧問の鴨志田が豹変していじめ始めてきてね」
(´・ω・`) 「実は事故を起こさせたのも鴨志田だって本人が暴露してたね」
(;^ω^)(□A□)「なんというクズ・・・」
(´・ω・`) 「まぁそれだけに情けなんかかけずに殺れたのがせめてもの救いだね。僕自身の仇もある意味取れた」
(´・ω・`) 「悪魔より悪魔らしい人間もいるもんだね。さぁ、寝ようか」
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