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ξ゚⊿゚)ξお嬢様と寡言な川 ゚ -゚)のようです

75 ◆hrDcI3XtP.:2019/09/19(木) 07:08:08 ID:NAygX1BA0

 少女と乙女の関係は曖昧だった。それが恋仲かと問われたら明確なものはなかった。
 ただ、両者は互いに通常とはまた違う感情を抱いていたのは事実で、少女も乙女も、互いは恥じらいつつも、それでも気持ちを互いに向けていた。

 一種は友情関係の延長のようなものと言えた。
 少女が歳若いこと、そして乙女が恋愛経験に乏しいこともあったが、二人はそれが愛なのかすら理解出来ていなかった。
 好意には様々な形がある。結局、お互いがそれを初恋だと理解したのは関係が壊れてから――互いが距離をおいてからのことだった。

ξ ⊿ )ξ「クー……」

川;゚ -゚)「…………」

――クーを抱き寄せるのはツンだった。外では相も変わらずに雨が降り続ける。
 朝のティレル城は静かだった。物音の一つもせず気配もない。

 肌寒い気温の中、それでも二人は熱を抱き顔は火照る。
 ツンはクーを逃すまいと見つめ、クーは必死で瞳を閉じようとするが何故か閉じることが出来ない。

 ツンに呼ばれたクーは返事をすることはなかった。
 それは一つの反抗の意思で、つまりはこの状況を受け入れるつもりがないと言外に伝えている。
 だがツンはそれも構わないとばかりに更にクーを抱き寄せる。密着すると互いの体温がいよいよ重なった。

ξ ⊿ )ξ「……温かいね、クー」

川;゚ -゚)「…………」

 ツンの体温は低いがクーの体温は高い。
 両者の体温が交わるとそれは丁度良い塩梅だった――が、クーの胸中は穏やかではない。


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