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ξ゚⊿゚)ξお嬢様と寡言な川 ゚ -゚)のようです

291 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:16:35 ID:53.STGpE0




ξ*;ー;)ξ「愛してる、クーっ……ずっとずっと、ずぅっとっ……一緒にいてねっ……」


川*。゚ー゚)「愛しています、お嬢様っ……ずっと、ずっと……あなた様と共にっ……」



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292 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:17:09 ID:53.STGpE0



 誰の邪魔もなく、そして何の柵もなく。二人は愛を誓い合った。
 羞恥もなく、戸惑いもなく。二人は唇を重ねる。
 それは音もなく、静かで、穏やかで、けれども二人はこの時、真実として永遠を約束し、夢を叶えた。


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293 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:19:13 ID:53.STGpE0









 Girls and sugar “Magik”...







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294 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:20:03 ID:53.STGpE0




 Outro



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295 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:20:27 ID:53.STGpE0

 梢にとまった鳥が朝の調べを奏で、軽やかな旋律は霧に包まれたロンドンに新たな一日を告げる。
 季節は冬。湿度と低い温度も相まって霧の都は今日もドレスを纏った。

川 ゚ -゚)「お嬢様。起きてくださいませ、お嬢様」

 霞に包まれた白い屋敷がある。ロンドン市近郊にあるその館はティレル侯爵の持ち物だった。
 十八世紀頃に建てられた館はヴィンテージな佇まいをしている。

 館の一室では一人の侍女が声を出した。
 侍女の眼下には金色の髪をした少女が寝息を立てている。その姿を見る侍女の瞳は何も語らず、声色も平淡だった。
 侍女は無感情な表情のまま、一度瞳を瞬かせる。再度見開かれた瞳は黒い輝きを見せ、先よりは柔らかく見受ける。

川 ゚ -゚)「お嬢様。ツンお嬢様。朝で御座います」

ξ-⊿-)ξ「ん……」

 侍女の澄んだ声に金髪の乙女は反応を示した。
 微睡む意識を引きずりながら瞼を擦って穏やかに覚醒をする。
 起き上がった少女は霞む視界のピントを修正しながら、大きな瞳を侍女へと向けた。

ξ-⊿゚)ξ「……おはよう、クー」

川 ゚ -゚)「お早う御座います、お嬢様」

ξ-⊿-)ξ「うん……」

 ツンと呼ばれた少女は返事をするが、未だ完全には覚醒を果たしていない。
 そんな己の主を見た侍女――クーは、それでも無表情のまま、何を言うでもなく不動に立つ。

296 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:20:49 ID:53.STGpE0

ξ-⊿-)ξ「……もう少し寝てもいいかな、クー」

川 ゚ -゚)「いけません。朝食の用意も整っています」

ξ-⊿゚)ξ「んー……だめ?」

川 ゚ -゚)「なりません」

ξ-⊿゚)ξ「昨日は夜遅くまで起きてたの……だから眠くて眠くて……」

川 ゚ -゚)「遅くまで明かりがついていたのは存じておりました。しかし、朝は起きるもので御座います、お嬢様」
  _,
ξ-⊿-)ξ「んんー……」

 ベッドの上で猫のように伸びをするツン。
 背を鳴らす少女を見るクーは何かを言いたそうにするが、しかし表情は変わらずに無のままだった。

ξ-⊿-)ξ「ふあぁ……」

川 ゚ -゚)「お嬢様」

ξ-⊿゚)ξ「……起こして、クー……」

川 ゚ -゚)「……お嬢様」

ξ-⊿-)ξ「お願い……」

 うつ伏せのまま言うツンにクーは数瞬沈黙をするが、ややもすると静かにツンへと近づくと――

297 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:21:23 ID:53.STGpE0

川 *- ,-)「んっ……」

ξ*゙ -゙)ξ「んむっ――」

 クーはツンの唇へと己の花弁を宛がい、そうして刹那を永遠に求めた。
 ツンはその温もりと柔さを得ると次第に覚醒し、そうして動く腕でクーを抱きしめる。

ξ゚ー゚)ξ「……ふふっ。お目覚めのちゅー?」

川 ゚ー゚)「はい。何せ眠り姫は……こうして起こすものだと教わりましたので」

ξ*-⊿-)ξ「そうなんだ? でも……まだまだ眠いなぁーっ」

川;゚ -゚)「……お嬢様。折角マスターからチャンスを得たと言うのにもかからず、朝からそうも――」

 紡ぎかけたクーの唇を塞いだのはツンだった。
 クーはそのままツンの手によりベッドへと引きずり込まれる。
 それに抗いもしないクーも、やはりツンと同じ気持ちだった。

298 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:22:02 ID:53.STGpE0

ξ*゚ー゚)ξ「……好き」

川*゚ー゚)「……好きです、お嬢様」

ξ*゚⊿゚)ξ「ねえ……クー?」

川*゚ー゚)「なんでしょうか?」

ξ*^ー^)ξ「……愛してるよ」

川*^ー^)「……私も、愛しております」

ξ*-⊿-)ξ「ずっとずっと、永遠に……愛してるよ」

川*゚ -゚)「……私の方が先に老けますよ?」

ξ*゚⊿゚)ξ「いいよ、別に。クーが好きなの」

川*- ,-)「……勿体無い、お言葉です」

ξ*゚ー゚)ξ「ふふっ……ねぇ、それじゃあ、朝の授業をお願いしてもいい?」

川*゚ -゚)「どうせまた、保健体育が云々と仰るおつもりでしょう?」

ξ*゚⊿゚)ξ「ううん? 今日はねぇー……生物学っ」

川;- ,-)「……呆れてものも言えません、お嬢様……」

ξ*^ー^)ξ「ふふーん、いいもーんだっ

299 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:22:48 ID:53.STGpE0



 ロンドン市近郊にある白亜の館にはティレル侯爵の一人娘が住まう。
 その娘の名はツン・ティレル。背の低い、華奢な十三歳の少女だ。
 長く柔らかな金髪を持ち、瞳は大きく碧眼で、顔立ちは誰が見ても認める程に可憐で美しい。性格も明るく笑顔がよく似合う。

 そんなツン嬢の身の回りの世話をするレディースメイドがいる。
 普段から不愛想で、何を考えているかも謎だった。声には感情の一つも宿らないが、その美貌は類見ない程だった。
 彼女の長い黒髪と大きな黒い瞳、そして描かれた純白のような肌の美しさは、さながらに美の象徴とも呼べた。

 二人は長らく心を別ち、素直になれないままでいた。
 だが二人は己の気持ちと向き合い、また、互いの心と向き合い、そうして次第に秘めていたはずの感情を解放する。
 そんな二人は愛を交わす関係となり、後の世でツン・ティレル“卿”は名将として名を轟かせるに至るが――


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300 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:23:14 ID:53.STGpE0





ξ*^ー^)ξ「「愛してるっ……」」(゚ー゚*川




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301 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:23:34 ID:53.STGpE0




――今は未だ、乙女達は夢の心地のままに愛を交わすのだ。



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302 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:24:04 ID:53.STGpE0





 The end.





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303 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:24:47 ID:53.STGpE0

 読了、お疲れ様です。以上で「ξ゚⊿゚)ξξお嬢様と寡言な川 ゚ -゚)のようです」は了となります。
 作中、「アリス」だの「シャロ」だの人物名が出てきて「は?」と思った方々もいらっしゃると思います。
 実はこのお話は某所で掲載していた「アリス嬢と寡言なシャロ」と言う一般文芸をブーン系に編集したものでした。
 これもまた数年前のお話で、拙い部分が目立ちますが、それもまたいいかな、と思いあまり手直しはしておりません。
 ですがミスの連発は流石に言い訳もできません――名前のミス等――ので、改めてお詫び申し上げます。

 こちらと同時に投下していた「( ^ω^)病んでヤンでレボリューションのようです」も終わりましたので、
 よろしかったらそちらにも目を通して頂けたらば、と思います。

 それではお付き合いいただきありがとうございました。
 おじゃんでございます。

304名無しさん:2019/12/08(日) 12:15:14 ID:mmaBRlmA0
今更ながら読んだ乙
良質な百合だった


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