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ξ゚⊿゚)ξお嬢様と寡言な川 ゚ -゚)のようです

278 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/12(土) 23:04:17 ID:53.STGpE0

川; - )(本物なんだ。このお方は……ツンお嬢様は本物の愛を抱き、私にくれる。
     どこまでも真っ直ぐで、そこまでも純白で、どこまでも敬虔なんだ……)

 果たして己はなんなのだ、とクーは自問をする。
 ずっと誤魔化し続けてきた。今まで上手くいっていた。
 だが感情、そして心が解放されてからの日常は――

川; - )(幸、せ……)

 戸惑うことばかりで、恐ろしくも思った。
 この景色は夢が見せるもので、目覚めたらいつものように景色は冷え切っていて、己は一歩も二歩も引いた位置からツンを見守るのだろう、と。

 だが夢は覚めない。夢は見るものではなかった。
 クーはそれを教えられた。それを与えられた。全ては愛する乙女、ツン・ティレル嬢がくれたものだった。

 日常が愛しくなった。一日一日が惜しくなった。
 共に過ごすと景色はそれだけで輝きを見せ、己の鼓動すらも愛しく思えた。
 そうしてツンと見つめ合い、手を取りあい、唇を重ねると、死んでもいいと思えた。

川; - )(愛って……そういうものなのか)

 死んでもいい――どうなったっていい。そう思えた。
 例え自身が絶望に見舞われたとて、愛を別つ存在が幸せでいてくれるならばそれだけで十分だと思える。
 だがそれを別つと、互いは貪欲になり、願わくば愛する者にも幸福を、と願う。
 そうして気付く。その考えに至りクーはツンの想いをようやく全て理解した。

川 - )(私は……私はっ……)

 クーを愛し、幸福を与える為にツンは決意をした。
 それは恐ろしく、絶望ばかりだ。だがそれでも構わないとツンは思う。それは愛情だ。

 ツンを愛し、幸福を与える為にクーは決意をした。
 だがそこにツンの意思はない。それは彼女の自己完結によるもので、クーは彼女の身を案じるばかりで、本当の意味での幸福を思った時、クーは己を鳥籠のようだと思った。


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