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ξ゚⊿゚)ξお嬢様と寡言な川 ゚ -゚)のようです

192 ◆hrDcI3XtP.:2019/10/05(土) 21:54:14 ID:YaoLVTVA0

――そう、言ってしまった。
 その言葉を寄越されたクーの目が見開かれる。
 更には心の奥の鉄が融解するような、或いは崩れ壊れていくような音が響く。

 それはずっと隠し、ずっと殺してきた願いで、それは誰もが持つ感情だった。

 クーはそれを抑えることにより正常を保ち続けてきた。
 知らぬふりを続け、いつしか誤魔化すことに慣れ、そうしてそれが通常となったのに、それをツンが粉砕してしまう。

ξ;⊿;)ξ「ぐずっ……うぅっ、ひぐっ……」

川 - )「…………」

 ツンは泣く。クーは上から降り注ぐ彼女の涙を受けた。
 その温もりは凍てついた心臓を温めるかのようで、クーは今、久しく生きている気がした。

 ずっと己を殺し続けると言うのは死んでいることと同義で。
 果たして生きる意味とは何かと問われたらば、それはやはり欲がある訳で、そう言った欲の帰結する答えは幸福だった。
 幸福を拒絶し、ツンの為にと自身を偽ってきた。だのに、もう、クーは、そうはなれそうになかった。

川 - )「ずっと――ずっと……隠していたのに」

 クーの瞳が潤み、そうして涙が零れた。
 それを見たツンは驚きのあまりに泣くのをやめ、彼女をただただ見つめる。


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