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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]

941ミセ*゚ー゚)リ ◆.B6BIc9Qqw:2018/10/05(金) 00:06:18 ID:PixFkwlI0




――オオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!




(チンドウィンの流れで身を清められた、その御身体、どうぞ我らに)


(゚ <_゚ ;)「何処だッ! 何処にいるッ!」

半狂乱になって騒ぐ俺の声に共鳴するように、風の音が大きくなったり小さくなったりする。
そして、ついに俺は気がついた。


これは、風の音ではない。



「――すけてくれ」

「たす――くれ」

「助けてくれッ! 助けてくれッ!」


人の声、それも、日本語だった。



その声にはしっかり出処があり、俺はそちらの方へと摺り足で近寄る。

かぎ覚えのある薔薇の方向を鼻腔に感じながら、
俺の心には諦めにも似た静かな夜の海のような風景が映る。


祭壇の様に設えられた巨石の上に、幾つかの肉の塊が乗っていた。

それが手足を失い、芋虫のようになった人間だと気づくまでにそう時間はかからなかった。
人芋虫たちは、仰向けに寝かされており、腹部が異様なまでに膨れ上がっているのが見て取れる。

その周りには、無数のス=クゥ達が群がり、彼らの四肢の残りを少しづつ喰んでいた。
奴らの齧歯の頑丈さは、自身の爪の痛みで理解しているつもりだ。

噛みつかれる度に彼らかつて人だったものが漏らす苦痛の声が、
風の音に聞こえていたのだ。




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