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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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言いながら、族長は杖の先で住居の骨組みを指す。
俺も入った時から気になっていたが、意外なことに家の骨組みの材質は木ではなかった。
白っぽい棒が複雑に組み合わさってテントのような形状を保っているのだ。
外観はただの藁葺きのテントだが、内部はモンゴル遊牧民の"ゲル"に似ていた。
この骨組みは、ス=クゥの骨を打ち砕いたものと粘土を混ぜ、焼いたもので出来ている。
軽く、丈夫で、熱を加えると簡単に曲がるが、その後は決して形を変えないとのことだ。
また、床、壁を覆うようにして貼り付けられているス=クゥの皮は
暑さと寒さ両方に強く、清潔を保ち、傷にも強い。
そう説明しながら、族長は腰に刺した黒曜石の短剣を床に突き刺した。
先端が数ミリ程飲み込まれたが、それ以降刃が進む様子がなかった。
目を丸くする俺たちに満足したのか、そこから短剣を引き抜く。
薄っすらと付いた裂傷跡が、見て取れる。
すると族長は脇においてあった土器に汲んである水に指の先を少し浸し、
その雫を床の裂傷に撫で付ける。
そうやって擦っているうちに、裂傷は跡形も無く消えた。
――死してなお、ス=クゥは生きる。
族長は最後をそう締めくくった。
その言葉に俺は不死性を感じずにはいられなかった。
俺の興味は既に茸から、この部族の全てであるらしいあの生き物に移っていた。
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