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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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俺は家族について少し考える。
父は俺が母の腹の中にいる時に、太平洋戦争に出征し、サイパン島で死んだ。
母はつい最近病死した。
姉も数年前に息子を産む際に死んだし、当時赤子だった妹は終戦直後に餓死した。
そうなると、必然思い出されるのは、厄介者の顔だった。
俺には双子の兄がいる。
本来なら忌み子として縊り殺されるはずだったと聞いている。
産婆が奴の首に手をかけるより早く、奴は産婆の指を噛み千切り、
産婆が悲鳴を上げて後ろ手に倒れると同時、乳房めがけて母の肢体を駆け上がったという話だ。
それ故、なのか。
奴は幼い頃から訳の分からぬ性質を持っていて、
二・三日居なくなっては『天狗と将棋を差していた』だの『ジムグリ達の巣を埋めていた』だの
終戦間際の閉塞感など露知らず気狂いじみた言動を繰り返した。
家を出たのは俺の方が早かったが、
その後奴も独り立ちをしたようで、祓い屋稼業を始めたと聞いた。
それも霊や妖夷の類ではなく、『《狂神"クルガミ"》専門』という
これまた異端の道をひた走るような隙間産業だ。
何でも終戦後の農地改革に伴って、土地神が信仰を失った結果、
狂って祟り神になる事案が近年増えているのだという。
それを物理と科学と脳髄力学で始末をつけるという仕事らしい。
これは数年前に本人から聞いた話だ。
その時に、俺は奴との縁を切った。
意外なことにそれは俺からではなく、奴から言い出したことだ。
( ´_ゝ`)「これから祓う狂神は実に厄介でな、下手打ったら親族まで殺されかねん。だから一応な」
そういって、俺含めた家族全員の家々を回り、奇妙な儀式を持って奴は俺達と縁切りをしたのだ。
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