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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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広場――と形容して良いのだろうか。
アラカン山脈の奥地の森を切り開いた円形に沿うように
竪穴式住居じみた粗末な家が並んでいる。
円の中心には祭壇と言って差し支えないような大きな櫓と篝火が、
そこからチンドウィン河のほとりに近い南側に、俺達の入った檻が置かれている。
先程まで殺気籠もった視線で俺たちを見ていた部族の民たちは、
全員自分の家に入り、それから一向に出てこない。
一際大きい住居に、複数の男達が入っていったのを見るに、
恐らくあれが族長の家であり、そこで我々の今後でも話し合っているのだろう。
俺たちを捕えた部族の民は全員仮面を被っていたので、
その素顔がどの人種に寄ったものなのかわからない。
ビルマとインドの間であることを考えると、アジア系の平たい顔か
東南系の彫り深い造詣も考えられる。
時折仮面の隙間から漏れ聞こえる言葉から鑑みるに、
印欧言語の系譜であることは間違いなさそうだ。
そこに特有の舌遊び音と、短い息音を混じらせるのは
意外にも南アメリカ大陸に住む先住民と同じ特徴だ。
そこまで考えて、再び自分が捕えられて命の危機に瀕していることを思い出す。
つくづく自分の性格が嫌になった。
この状況でさえ、こういうことを考えずにはいられない性質なのだ。
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