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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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今にして思えば、故人がこの現象を理解しようとしていたのは明らかだった。
そのための知識の集積が、あの混乱した本の堆積だったのだ。
整然とした他の地層などは、助けになることを期待されながらも無用になった本が、
カテゴリーの変遷を経て、ただ順番に打ち捨てられているだけに過ぎなかったのだ。
兄者は自分の不明を呪う。
そして、文字に触れてから一週間もしないうちに、
活性化した文字は視覚や触覚に訴えるだけでは飽き足らず、兄者の思考を蝕み始めた。
これまでのように、ただ外部から影響を与えるだけでなく、根本的な領域で。
まず、日常見かける普通の文字までもが、
時折、揺れ動いて形を変えていくかのように見え始めた。
日本語を同定できない。
それは次第に人の顔などの認識にも及んだ。
今では文字の揺らめきや、ぼやけた人の顔の輪郭を、美しいとさえ思う瞬間が、確かにある。
人類史上、最も人の精神に入り込んだ書物である、聖書やコーランとは異なる。
それらは意味内容によって人の心のうちに入った。
だがこれは、意味の通じない文字。
図形に近い。
その読めもしない文字が、奇妙に語りかけてくる。
意味ではなく何かのイメージを、感情を、直接掻き立てる。
恐らくこいつらは俺の思考言語を書き換えようとしている。
それが兄者の出した結論だった。
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