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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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暗闇のなかに、宮司の声が朗々と響き渡る。
村と森の境に建つ神社の敷地内、開けた野原に村人が集まり始めたのは夕方、まだ日も沈まぬ頃。
俺たちはここに立ちつくして、ただ夜を待った。
己の鼻先も見えぬほどの暗闇で、宮司の声に従い頭を下げ、目を閉じる。
ザッ、ザッと荒々しい音によって、参列者たちは穢れを払われた。
御影遷しの儀が始まる。
手元の提灯の微かな明かりだけを頼りに宮司は棺の元へ向かう。
橙色のともし火が、ゆらり、ゆらりと揺れながら、森との境に寝せられた棺へ向かう。
宮司が無事たどり着いたのを見届けた瞬間、ともし火すら消されてしまう。
「ロオオオオオオオオオオオオオオオ」
完全な暗闇の中で、野太い声が響く。
闇を揺らし、風を揺らし、棒立ちで見守る村人たちの鼓膜を揺らし、天高く響き渡る。
呼応するように風がひとつ吹き上がり、森の木々を揺らす。
コン、コン
コン、コン
手に持った何かで棺を叩く乾いた音が聞こえている。
聞こえるのはそれだけではなかった。
極限まで足音を殺した集団が押し寄せる、そんな地の揺れを足元から感じる。
一角獣の群れだ。
木と木の隙間から覗く数え切れないほどの瞳。
僅かな光もないこの場所で、彼らの瞳だけが光源になっている。
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