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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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拝鳴村は本州から弓の字を描いて海へと突き出す下螺馬半島の先端部分にある。
半島は人の入らぬ鬱蒼とした深い森に覆われており、
本州から村への交通手段は海を経由するしかない。
文字通りの陸の孤島である。
俺たちは一日一便の連絡便に乗り込んだ。
ナァ、ナァと甲高い声を上げて、幾羽もの海鳥が此方へと向かい来る。
くすんだ青に染められた海面に白い尾を長く伸ばして船はひた走る。
旅立ちの日に見た光景とよく似たそれらは、あの時味わったほろ苦い郷愁を思い出させた。
左手に見える、黒々と盛り上がった半島を指さして、
彼女は海風やエンジンの音に負けじと声を張り上げる。
ζ(゚ー゚*ζ 「あの森が、一角獣の棲み処?」
( ^ν^) 「らしいな。そのせいで村の住人は不便でたまらねぇよ」
陸続きの本州に気軽に行き来出来ない理由がまさにそれだ。
天然記念物に指定されている希少生物、一角獣の住まいの環境を守るため。
獣の為に人間が不便を強いられているのもおかしな話かもしれないが、
本州に住まう誰も異を唱えない。
拝鳴の地は昔、流刑地であった。
過去の犯罪者の地を引いた村人たちと、外の人の交流はほぼ無いに等しい。
だからこそ、地繋ぎにする必要性を唱えるものなど誰もいなかった。
拝鳴に住まう村人もまた、閉じたコミュニティにおおむね満足しているようだった。
( ^ν^) 「はぁ……」
暗く塗り込められた高校生活を思い出す。
空気になるために毎朝この連絡船に乗っていた頃の、あの息苦しい日々を。
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