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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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それから僕は定期的に、彼女にレシピ本から味の際限を頼んだ。
カレーに、ハンバーグに、唐揚げなんていうのも食べた。
どうやら僕の味覚は前時代でいうところの『子供』に相当するものらしくて、
そういうものばかり頼む僕に、彼女はいつも微笑んだ。
全部美味しかった。
そしてやっぱりそのどれもがそれ以上の言葉で飾ることが出来なかった。
僕は仕事に行く前に、必ず彼女に本を一冊渡す。
家に戻ると、大抵彼女はソファに腰掛けて、その本を読んでいた。
食事の話題は必然的にそれら本の内容に関してだった。
あれが面白かった。コレはイマイチだった。
この登場人物が好き。こいつは嫌い。
この会話も、当然今まで誰ともしたことが無かった。
だから凄く楽しくて、僕はいつまでも彼女とこうしていたい想いに捕らわれる。
美味しい料理と、素敵な友人。
たったこの2つで人生がどれほど豊かになるのか、
この都市の市民の何人がこのことを知っているのだろうと思うと、
やはりここが哀れな囚人共の牢獄でしか無いことを嫌でも再確認させられた。
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