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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]
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麻婆豆腐が、食べたかった。
香辛料とにんにくの効いた餡と、豚のひき肉が
よく絡んだ木綿の豆腐を、熱々のうちにかっ込んでしまいたい。
しかしわざわざパウチを買って、料理をする気力などない。
かといって、スーパーやコンビニの惣菜も嫌だ。
一度か二度食べてはみたものの、あんなの
麻婆豆腐とは言えない、ただの辛いあんかけ豆腐だ。
ひき肉の旨味や脂によって引き立つ豆板醤の辛さで、額に汗をかきたい。
だから俺は、中華街へと向かった。
地下鉄特有の長ったらしい清潔な
下水のような道を行き、歩くこと五分。
南口へと通じる階段を登れば、
もうすぐそこには真っ赤な門が待ち構えている。
華やかな提灯の下、練り歩く観光客を、
俺は幽霊のように間をすり抜ける。
途中、栗だの肉まんだのの客引きに
声を掛けられるが、まったくもって無視を決める。
ほとんどの飯店では、輸入物の冷凍食品を扱っていて、
どこで食べてもおんなじような味しかしないのだ。
(´<_` )(もうこの街には、本物の料理人なんて一握りしかいない)
ふやけた小麦の甘さと湿気た竹の臭いが、憎悪を掻き立てる。
偽物の中華の臭いは、酷く耐え難い苦痛をもたらす
ので、俺は逃げるように細い路地へと飛び込んだ。
表の喧騒とは違い、こちらは本国に近くなる。
易占、漢方、按摩、鍼灸、輸入食品店。
埃と誇りの混じった胡乱な臭いと、それに染まった店番の男たち。
どいつもこいつも喧嘩っ早くて、荒々しく、
つっけんどんだが、おかげで邪魔な観光客は寄りつかなくなった。
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