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( ^ω^)文戟のブーンのようです[3ページ目]

194( "ゞ) ◆x4POrpflHM:2018/09/15(土) 00:04:49 ID:QbC.fUhg0

僕とツンは家族ぐるみの付き合いがある幼馴染で、そして恋人同士だった。
特に昔から大きな病気もせず、健康に暮らしてきたツンが突然体調を崩したのは、去年のことだった。

悪性の腫瘍がツンの体を蝕んでいるのだと、彼女の家族から伝えられた。
そして、それをツン本人には知らせていないことも教えられた。

ステージはどの段階なのか、手術はするのか。
勉強して身に着けた知識を、僕は次々に彼女の家族にぶつけてみた。
だけど、色よい返事は戻ってこなくて、それがツンの病状の重さを嫌でも僕に悟らせた。

僕は少しでもツンの生きる力になりたくて、毎日病院に通い詰めた。
その日あった些細なことひとつでも話した。世界から彼女を切り離させないために。

だけど、僕はそのうちそんな生活に嫌気がさすようになった。
とうとうツンは何か察したらしく、見舞いに来た家族や僕につらく当たるようになった。
元々男勝りでがさつなところはあったけど、無意味に周囲に当たり散らすような子じゃなかったはずなのに。

ツンがどんどん変わっていってしまう。日に日に病状が悪化していくのが分かってしまう。
それでも何でもないように笑顔を張り付けて彼女の前に立たなければならない。
いつしか僕は見舞いに行くたびに泣いて帰るようになっていた。

僕の足はツンのいる病院から遠ざかろうとしていた。
もういっそ、お互いに綺麗な思い出のままで終わった方が幸せな気すらしていた。
そんな考えが頭を埋め始めたころ、デレちゃんから連絡があった。

ツンが、ふたりきりで話したいことがある、と。




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