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('A`)と( ^ω^)は異世界で絆と出会うようです

1名無しさん:2018/07/10(火) 19:35:07 ID:X.bQi/M20
http://boonsoldier.web.fc2.com/kizuna.htm

379名無しさん:2018/08/20(月) 22:26:09 ID:txXHxzC20
そうか……もう完結か……!

380名無しさん:2018/08/20(月) 23:45:26 ID:njAXIGSk0
お疲れ様!最後まで見届けるぞ

381名無しさん:2018/08/21(火) 01:16:50 ID:80p9wXCE0
乙!本当に乙!
最終話も変わらずの熱量で嬉しかった!ちょっと泣いたぜ!

382名無しさん:2018/08/21(火) 11:36:32 ID:bdBls2Rs0

復活そして完結おめでとう
本当に嬉しい

383名無しさん:2018/08/21(火) 23:06:18 ID:MRqI3W720
終わっちゃうのか……お疲れ様
エピローグ来たら読み返すぞ

384名無しさん:2018/08/22(水) 13:57:25 ID:/t.11heQ0
乙でした!
次回作のご予定があれば聞きたいです

385 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 17:59:58 ID:5yZYcoEU0
とり見つけたというか辞書復旧できたわ、これでもう一々コピペせんで済むのです……。

そして今日か明日には投下できそうですよ。


そして次回作ね、まず現行が終わってないからなぁ……
特に文猫とあとスタドラ元ネタのやつ、話を考えててとても楽しかったから書きたい。

ただしいて言うなら、いい加減バトルのない女の子可愛いだけのを書きたい感。
具体的には昔書いたエロゲ的なノリのやつ、あれで、ちょっと書きたいお話があるといえばある。

386名無しさん:2018/08/22(水) 18:23:25 ID:LPcqpkEo0
全部書け

387名無しさん:2018/08/22(水) 21:05:59 ID:V8aKdRfw0
文猫の続きとか、そんなん読みたいに決まってますやん……

388名無しさん:2018/08/22(水) 21:16:42 ID:Ro4hPqDA0
そういや文猫は続き書き掛けだよね
したらばのブーン系のどっかにスレあったはず

389名無しさん:2018/08/22(水) 22:18:11 ID:7IH89o8w0
スタドラ元ネタのやつって何?

390 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:47:12 ID:5yZYcoEU0

 エピローグ 「遠く離れていても」






(´・ω・`)「やっぱりだ、やっぱりこうなった………」



書類の山が詰まれたデスクの上を見ながら、ショボンは愚痴るように呟いた。
その背後には兄者さんが目を光らせ、そんな動向を見守っている。


( ´_ゝ`)「まだ言ってるのかい?」

(´・ω・`)「何度だって言いますよ、こんな若造をいつまでこんな政策の場に置く気ですか?」

( ´_ゝ`)「そうだなぁ……君がもってる知識が枯れるまで、かな」

(´・ω・`)「労働基準というものがありましてね」

( ´_ゝ`)「でも君、捕虜だし」


人が、世界の終わりを見たあの日。

いつしか終末の戦いと呼ばれるようになった、あの戦争から半年も過ぎたころ。

クーが行った演説は、やがて討論の場となり半信半疑ながらも連合国側は、
王が討たれたこともあってか、降伏を宣言し、戦場は終わりを迎えた。

391 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:47:41 ID:5yZYcoEU0

そして流石兄弟が結託し、双国と王国の連合からの離反と彼の王への糾弾。

これにより、戦争の勝者と敗者が決まる事になる、と誰もが思った。


だが同時に、ヒルト本国からも全面的な降伏が発表される事になる。


これはショボンも知らなかった事らしく、酷く動揺していた。

彼は勝者として君臨した後、自らの首を刎ねる事で決着を考えていたらしく、
そうなる事を見越したヒート女王が、自ら先に下していた命令だった。

その結果。

勝者なき戦争に残されたのは、第三勢力となった双国と王国。


そして、各国の代表を集め、初の世界会議が行われた。


そして二人の王は、戦争の主犯格と思われる人物等をまず捕虜とし、
各国に対し、傘下ではなく、共和国としての参加を求めることを発表した。

強制ではないが、参加するなら補助を約束すると条件をつけて。

共に目論んでいたエッダ、ヒルトはすぐにそれを了承。

指導者を失くしたルファウスも混乱の中それを受諾。

振り回された結果、国力を衰えさせた日陽と湖鏡も同様に。

392 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:48:35 ID:5yZYcoEU0

そして、一番の問題になると思われていた神教国に関しては、
意外にも王自らが参加し、協力したいと申し出てきた。


こうして、どの国も傷を抱えながら、新しい世界が始まった。


しかし、なにせ初めての試み、長きに渡る大混乱が予想された。


だが、いくつもの約束事からなる条約の形成や、共通通貨の製造から交易産業等、
次から次へと革新的な意見が提出されるにつれ、むしろ安定化の道を辿り始める。

時代は少しずつ、力とはまた違う国力を求める流れが生まれつつあった。

そしてそうなれば、一体誰がこのような知識を発信しているのか、当然の疑問となった。


当初こそ隠されてはいたものの、復興に悩むとある地域で起きた、
『お湯が沸いてるのに何で温泉事業しないんですか?』事件から露呈する事になる。


以来、要はショボンは、あらゆる場所から知識を求められるようになっていた。


(;´・ω・`)「それなら尚、条例を! 頑張って用意したでしょう!? ちゃんと読みました!?」

( ´_ゝ`)「ああ勿論だ、だから問題ないだろう、最低限の人権は遵守している」

393 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:49:18 ID:5yZYcoEU0

(;´・ω・`)「くっ……やはり戦犯としてあの時に処刑されていれば…っ」

( ´_ゝ`)「馬鹿な事言ってないで、街道工事のだけでも早急に確認してくれるかい?」

( ´_ゝ`)「明日にはまた、神教へと向かうんだろう?」

(´・ω・`)「……そう、ですね、不本意ながら」

( ´_ゝ`)「先方はとても楽しみにしているそうだよ」

(´・ω・`)「はぁ……そうなんでしょうね、でも僕、ちょっと苦手で…」

( ´_ゝ`)「君は特にもてなされてると聞いたけど?」

(;´・ω・`)「いや、まあ……なんていうか、親切の押し売りが凄いっていうか…」

(;´・ω・`)「あれが何度も他国を侵略しようとした王様とは思えないです」

( ´_ゝ`)「条約にあった宗教の自由ってのがきいたかな、それと何より……」

( ´_ゝ`)「あの日の、光の柱を見て人生観が変わってしまったそうだからね」

( ´_ゝ`)「気持ちはわかるよ、私も今でも思い出せる」

( ´_ゝ`)「絶望の闇を切り裂く光と、天を覆うほどに降り注いだ光の流星群」

( ´_ゝ`)「世界の創生と共に、生まれ変わったような気分にさせてくれたよ」

(´・ω・`)「……本人に聞かせたい話です」

394 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:50:07 ID:5yZYcoEU0

二人、海が覗く窓の外を眺めながら、あの輝きに思いを馳せる。
しかしそんな平穏を裂くように、いくつかの足音が響いて扉が一気に開かれた。

(´<_` )「ショボン君、ちょっち相談したいんだが」

从;゚∀从「ま、待て、こっちが先だ、ショボン! 積荷がまだ来てないみたいだぞ!」

(=゚ω゚)ノ「あの、街道の件はどうなってますかよぅ?」

lw´‐ _‐ノv「ねえ、魚、さ・か・な、ちょっと高いと思わない? 思うよね? あとお米? お米は?」

从・∀・ノ!リ「ひまなのじゃ! あそびにきたのじゃ!!」

川#д川「待ておぬし等、ショボン様に迷惑をかけるでない! ええい許さんぞ!!」










(´・ω・`)「あ、そういえば、あのバカまだ来てないんですかね、もう出航予定日も近いってのに」


(;´_ゝ`)「うん? あ、ああ、そうだね、まだみたいだよ」

(;´_ゝ`)(……日に日にスルーちからが上がってるな…)

395 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:54:04 ID:5yZYcoEU0

…………。



深い渓谷と、白で埋め尽くされた山々が立ち並ぶ合間に、大歓声が起こる場所があった。

かつて国の王を決める闘技場だったその場所は、今は賞金と名誉だけを求め、
あるいはその戦いの熱気にあてられた者たちで今日も賑わい、大盛況となっている。

ノパー゚)「あ、母者さん……? 今までどちらに?」

 @@@
@#_、_@
  (  ノ`)「ん、まあちょっとさね、それより今日は話があって来たんだよ」

ノパー゚)「なにかしら?」

 @@@
@#_、_@
  (  ノ`)「そろそろ、この国を出ようと思っている、お別れだよヒート」

ノパ⊿゚)「………あ」

ノハ-⊿-)「……………」

ノパー゚)「そんな気は、してました」

 @@@
@#_、_@
  (  ノ`)「アンタも、もう王女さまじゃない訳だし、お役御免ってところさな」

396 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:54:51 ID:5yZYcoEU0

ヒルトと言う国は、共和国加入の際に王制を廃した。

代々受け継いできた文化を捨てようと言うのだ、当然、王直轄のものたちの反対は大きなものだったが、
ヒートはそういった事を悪しき妄執だと一喝し、新たな形を模索し始めたのだった。


ノパ⊿゚)「………最後に、聞いても?」

 @@@
@#_、_@
  (  ノ`)「なんだい、聞くだけならいいよ」

ノパ⊿゚)「……あの日、クマちゃんに襲われたあの時」

ノパ⊿゚)「母者さんがその場に居たのは、偶然ですか?」

 @@@
@#_、_@
  (  ノ`)「ハッ、他にどんな理由があるってんだい」

ノパ⊿゚)「いえ、ただ……」

ノパー゚)「知ってましたか? 赤い髪は、私の家系の人間が代々生まれもつ特徴なんですよ」

397 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:55:36 ID:5yZYcoEU0

ノパー゚)「そして、この闘技場の創始者は、とても、とても強い、赤い髪の女性だったそうです」

 @@@
@#_、_@
  (  ノ`)「ふーん、そう、そりゃ知らなかったよ」

ノパー゚)「そうですか」

 @@@
@#_、_@
  (  ノ`)「ああ、話は終わりかい? それならもう行くよ」

ノハ-⊿-)「…これまでの事、感謝します、どうかお元気で」


 @@@
@#_、_@
  (  ノ`)「ああ、まあ気にするんじゃないよ、すべて、そう、全部、ただの偶然さ」


言って、背中を見せたまま手を上げて、母者は去っていく。
ヒートはその、赤い髪の姿が見えなくなるまで、見送り続けた。

398 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:56:09 ID:5yZYcoEU0

………。


ヒルトの王制廃止に対して、城内でこそ荒れに荒れていたが、
反面、住まう人たちはおよそ歓迎ムードである。

特にその要因となっているのは、そうなれば例の婚姻も無効となること。
そしてもう一つ、あの戦争で彼らの士気を高めるもう一つの要因となった彼女が。

クーという女性が、ヒートと共に、この地で新たな政策を学びたいと申し出たこと。

指導者が統治する国ではなく、条約の下、個人が己を確立して生きる都。

それが彼女たちが目指す、あらたなヒルトの形となっており、
そもそもが自立した国民性をもつこの国では、すんなりと受け入れられた。

そうして街には、新たな区ができあがった。

法や、人、そして街そのものを管理するための、要は役所のようなもの。
それらが並ぶ区画は、行政区とされ、民意の元に召集された人たちが集っている。


そんな行政区の一角。


川 ゚ -゚)「本当はショボンに私も習いたかったが……あれではな」


川 ゚ -゚)「あとドクオ、ご飯おかわり」

(;'A`)「ちょっと食べすぎじゃない?」

399 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 22:57:29 ID:5yZYcoEU0

二人はそこで暮らしていた。

クーが座る食卓には詰まれたお皿と、美味しさが香る料理の品が並んでいる。
そんな彼女へ、エプロン姿でしゃもじを片手にドクオが近づいた。


人を、世界を救う光をもたらした英雄は、近頃めっきり主夫業が板についてきている。


川 ゚ -゚)「仕方が無いんだ……考えるという事は、その分エネルギーが必要なんだ…」

川 ゚ -゚)「あとご飯が美味しいのがいけない……くそう、なんてことだ…」

川 ゚ -゚)「にくいっ、ご飯が、おいしいのが……ああっ!はしが止まらない!」

('A`)「はいはい、でも本当に、いい加減ふと」

川 ゚ - )「――――――」

('A`)ヒッ

('A`)(でも気のせいか……最近、おなかまわりが少し……?)

川 ゚ -゚)「さーて、これ食べたらまた缶詰だな、ヒートのところに行かないと」

('A`)「夕飯は遅いほうがいい?」

川 ゚ -゚)「いや、しばらく要らないな、言ったろ、缶詰って」

400 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:00:06 ID:5yZYcoEU0

(;'A`)「え?」

川 ゚ -゚)「あー、だからしばらく家にも帰れないなー、もう数ヶ月はだめかもなー」

川 ゚ -゚)「帰らない間に、ドクオが長めの旅に出ていたとしても、わからないかもなーぁ」


('A`)「………………………」


川 ゚ー゚)「…行きたいんだろう? 彼と一緒に、見てみたいんだろう?」

('A`)「クー…」

川 ゚ー゚)「ドクオ、私のために、自分を殺すようなことはしないでくれ」

川 ゚ー゚)「そうしたい事は、ちゃんと言って教えてくれ」

川 ゚ー゚)「私も、したい事は、ちゃんと言うから」

川;゚ -゚)「そしたら、ちゃんと聞いて……あげ……あ、げ……」

川 ゚ -゚)「……何もかも、は、無理かも、だけどなっ」

川 ゚ -゚)「だからな」

('∀`)「……ありがとう」

401 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:02:19 ID:5yZYcoEU0

('A`)「ああ、俺、あいつと行きたい」

('A`)「この世界を、もう一度、ちゃんと……真っ直ぐに、見てみたい」

('A`)「そしてもっと広い世界に、出会いたいんだ」

川 ゚ー゚)「ああ、いってらっしゃい、私は……待ってるから、いつだって」

('A`)「うん、いってきます」

川 ゚ -゚)「だから最後に」


言って、クーが両手を差し出した。


(;'A`)「ああ……おかわり? ちょっとまって」

川 ゚ -゚)「違うぞ」

川*  - )「その、抱きしめて、ほしい……な」

ああ、これはもう、一生勝てないな、と思いながら、ドクオはその手を取った。
身を寄せ合いながら、惜しみながら、それでも、まだ見ぬ何かを求めて。

そしてクーは思う、帰ってくる頃には、きっと、
もっと大きくなっているだろう箇所に、彼はどう反応するのだろう、と。

402 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:03:34 ID:5yZYcoEU0

………。





「………あんた、何者なんだ?」


J(;'ー`)し「見ての通り、ただの孤児のお世話をする者ですけど……」

「それにしちゃ、世論に通じすぎだろ……こんな場所で、なぜそんなことまで知ってる?」

J(;'ー`)し「ええと、そういうの、詳しい知り合いが居るもので」

J( 'ー`)し「あ、今もちょうど外に……」

旅人風の男と話す女が、表の庭を覗いた。

しかしそこには、子供が一人、棒切れを持って遊んでいるだけ。
先ほどまで、子供と一緒になって振り回していた人間の姿がない。

代わりに、一人の女性が立っていた。

この国で、彼女を知らぬものは居ない、女は慌てて外へ出た。


J(;'ー`)し「あ、あの! 何か御用でしょうか?」

('、`*川「いえ、人を探していて、ここに来てると聞いたのだけど」

403 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:04:28 ID:5yZYcoEU0

マト*・д・)メ「兄ちゃんならさっき、変なのつれた人といそいでいっちゃった」

('、`*川「変なの……顔の細長い、大きな動物?」

マト*・д・)メ「そう、それ!」

J(;'ー`)し「あらあら、忙しないのね、来たばかりで」

マト*・д・)メ「なんか、ひづけ、まちがえた、とか言ってた」

J(;'ー`)し「あの、それで、あの子が何か……」

('、`*川「いえ、まさにその日付を伝えにきたのだけれど」

('ー`*川「ふふ、相変わらずみたいね」



………。









(#´・ω・`)「遅い」

404 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:06:02 ID:5yZYcoEU0

ζ(゚ー゚;ζ「…あ、ははは」

(;'A`)「まさか、まだ来てないとは思わなかったよ…」


双国、その船着場に今、たくさんの人が群がっている。


海上には、かつて戦場を駆けたあの巨大陸船が、本来の名を現す姿となって浮かんでいた。

今も船内と地上を行き来する姿はあるが、積荷などは大部分が完了し、
あとは乗り込むだけとなっている、とはいえ、それもほぼ済んでいる。

なら何かを待つのかと言えば、航海に必要な要員ではなく、
行楽観光気分でいるだけの、お客様である。


(#`・ω・´)「こっちがど・れ・だ・け・忙しい中準備したと思ってんだあの野郎……!!」

ショボンがその辺に転がっていた樽を蹴り飛ばした。
普段感情を顕にしない彼の荒れた姿に、周囲は困惑を示す。

「うおおっーーぐああーーーーざけんなぁあああああ!!!」


(;'A`)「俺、あんなショボンの奴はじめて見たかも……」

ζ(゚、゚;ζ「い、意外な一面、ですね」

(´<_`;)「……いや、多分、日ごろのストレスが……ほら、だからやりすぎだって、兄者?」

(;´_ゝ`)「う、うーん……申し訳ない」

405 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:06:58 ID:5yZYcoEU0

/ ,' 3 「デレや、ワシらは先に乗船させてもらおうかの」

ζ(゚ー゚;ζ「えっ……あ、そう、ですね……」


船にかけられた階段を上る、デレはふと振り返る。
高所から見る町並みは、見慣れたはずが新鮮に思えた。

そしてそんな中に、その姿を見つけた。

ζ(゚ー゚*ζ「あっ、来ましたよ!」


馬に引かれる船の上から、たどり着くなり慌てた様子で駆けてくる数人の姿があった。


(;^ω^)「ありがとうワカン、ぽっぽちゃん! 助かったお!!」

ξ゚⊿゚)ξ「世話になった」

<_プー゚)フ「支払いはツケでヨロ!」


( ><)「気をつけて、無事を祈るよ」

(*‘ω‘ *) 「ぽヒヒィィィィん!!」

406 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:07:59 ID:5yZYcoEU0




船着場を走り、雑踏を抜け、そして内藤は。




(;^ω^)「みんな久しぶり、ごめん、遅れちゃっt―――」
(#´・ω・`)「見つけたぞ死ねえええええええええええええええええ!!!!!」
(;゚ω゚)「死ね!? ショボ!? ちょ、飛び蹴りぃ!!??」









「ぎゃああああああああああ」





歓迎の蹴りを受け、ショボンもろとも海に落ちた。

407 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:08:51 ID:5yZYcoEU0

そんな姿に呆れる者、心配する者、笑う者、反応は様々。
けれど、それはもう、これ以上ないほど、平和な時間そのもので。


(;゚ω゚)「ぷはっ、え、なになになに!? 何で!? どういうこと!?」

(;´・ω・`)「冷たっ……はっ……僕は何を………」


ζ(゚ー゚;ζ「ブーン!? だ、大丈夫!?」

ξ゚⊿゚)ξ「何をしてるんだ?」

<_プー゚)フ「変わった挨拶だな、やめてね?」

(´<_` )「兄者」

(;´_ゝ`)「……休みを、あげるよ、うん、ちゃんと」

从 ゚∀从「というわけで、今度は海だ、よろしくな」

ξ-⊿゚)ξ「まあ、ほどほどにな」

<_プー゚)フ「捕虜はつらいぜ」


知る者は一部とは言え、世界を救ったドクオは特例として、
捕虜として双国でお世話になっている者たちは、それぞれ仕事が与えられている。

408 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:10:00 ID:5yZYcoEU0

そして、特に体力ばかりが取り得の彼らに与えられているのは、測量の旅だった。

世界をより狭めるため、街道工事の都合のために、改めて地図をつくるための旅である。


今回こうして集められたのは、更に、世界を知るための行為だ。


これまで、ひとつなぎの大陸を旅してきたが、この海上の船が示すとおり、
外洋にはおそらく、他の、外の大陸というのも存在している。


今回の遠征は、その第一歩。


たくさんの国と、たくさんの人が手を取り合い進められた計画。

内藤達はそれに乗り込み、世界を見るため、新しい旅に出ようとしていた。


(´・ω・`)「…? なんで僕、海の中に居たんだろう?」

(;^ω^)「こっちが聞きたいお……」

(´・ω・`)「まあいいか、それより早く乗りなよ、もう出航時刻は過ぎてるんだから」

( ´_ゝ`)「その前に、渡しておこうか」

(´<_` )「そうだな、内藤君?」

409 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:11:22 ID:5yZYcoEU0

( ^ω^)「はい?」

(´<_` )「これを、君に貸し出そう」

(;゚ω゚)「……っ!? これ、え、なんで!??」


差し出されたのは、捕虜として連行された際に回収されたはずの、黄金の剣。

当初の目的どおり、神具はすべて集められ、あの日。

すべて消滅させるという宣言の後、各代表が見守る中、永光の力によって消された筈だった。

現に内藤も、光の柱がもう一度空にかかるのを見ていた。

もう二度と、目にすることはないと思っていた、その剣が目の前にある。


(;゚ω゚)「ど、どうして、いや、なんで今僕に…?!」


(´・ω・`)「実は、まだ神具は残ってるんだよ、三つだけね」


一つは、まだ存在するかもしれない神具を消滅させる必要がある事から、レーヴァテインを。

もう一つは、物質としての剣は消えても、再びあの触れられない姿となった、フレイを。

そしてもう一つは、本当に、どうにもならない脅威が迫った場合を考え、コールブランドを。


そんな理由もあり、世に称されることの無い英雄たちの武器を、せめて称えようと、
各国の代表が持つ鍵を使わなければ、解錠される事の無い場所で、保管されている。

410 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:12:54 ID:5yZYcoEU0

それが今、内藤の手に再び渡された。


( ´_ゝ`)「初の外界調査だ、何があるかわからない」

(´<_` )「もしもの時があったら、迷わず頼むぜ?」


内藤は受け取ると、目を閉じる。

意識を深く、手の先へ、剣のなかへ。



声は――――――聞こえない。



(  ω )「…………ああ、行こう、瀬川…約束、したもんな」



けれど。




『見ているから』




その言葉を、誰より、何より、信じている。


絶対に、忘れない。

411 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:16:40 ID:5yZYcoEU0

生きる力を、戦う力をくれた。



そして、いつだって、すぐ側で見ていてくれた。



どれほど救いだっただろう、どれほど信頼を寄せたのだろう。




この想いは、届いていたのだろうか。


ちゃんと、届いてくれたのだろうか。



ずっと言えなかったけれど、ありがとう。




だから。





( ;ω;)「一緒に、行こう、これからを、見に行こう――――!!」

412 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:17:05 ID:5yZYcoEU0



帆を全開に広げた船が、今ゆっくりと動き出す。



広い世界の、更に広い世界へ。



これまでとは、違う世界へ。





また、新しい、異世界に出会う、そのために。










                                       ――― 完 ―――

413名無しさん:2018/08/22(水) 23:21:44 ID:Ro4hPqDA0
おつおつ
だいぶ駆け足感があったな

414 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:35:46 ID:5yZYcoEU0
おしまい、あとおまけパートがあるけど、これは本当に面白くもなければ本編とも関係ない、
しかも物理的に読める文章じゃないという本格的な自己満足なので、これが間違いなく完結。

ていうかうわ完結したよこれ、10年越しって何、意味わかんない怖い。
でも何が怖いってそんな経ってるの? 感覚は去年くらいなんだけど。
だから駆け足にもなるよ、もう終わらせたい一心で書いてるもの。

でもどうだろう、膨らませ方が難しいというか、なんか冗長になっちゃうんだよね。
とはいえ、ブーンとロマの決戦は確かに本当は最低でも倍以上あったけどほぼカット。

反省すべくは書きあがって読み返す、推敲の類をしないからながらと変わらない、
おかげで投下したあと見返すと、誤字どころか、あれ、これ伝わらなくない?というのが多々。

あと母者のAAは二度と使いたくない、貼るの大変行間空くの二重苦。

415 ◆6Ugj38o7Xg:2018/08/22(水) 23:42:38 ID:5yZYcoEU0

あとこれ書き途中のね。
ちなみに止まってる理由はどちらも書くネタの都合上、やむなくバトルが入るため。
そうでないと書けない内容だから、そしてそのせいで止まる本末転倒振り。

あとエロゲ的云々は春が来るたび戸惑うってやつだけど。
あらかじめ言っておくますが、書いたらシュールちゃんのお話になるよ。


スタドラのやつ
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1448986400/l50
文猫
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1406141031/l50

416名無しさん:2018/08/23(木) 00:24:28 ID:aG0noFfk0
良く完結させてくれました。長ーい間待ってたんだぜ
ありがとう最高に面白かったお疲れ様です
最大限の乙!

417名無しさん:2018/08/23(木) 00:30:10 ID:33XDcCN20
ほんとによくもまあ10年も待たせやがって

この作品が真剣にブーン系を読むようになったきっかけで、俺の厨二の原典だ
今でもレーヴァテインっていう文字列を見ると無条件で興奮するぐらいこの作品に影響を受けた
本当にブーン系で一番好きな作品だ!完結ありがとう!作者に最大級の乙を!

418名無しさん:2018/08/25(土) 13:44:11 ID:OqAKy/XM0
乙!
最後まで読めたことに感謝

419名無しさん:2018/08/29(水) 10:12:16 ID:VR0cAgoI0
このハゲ作者!一緒に浴場で欲情してあんなにも盛り上がってた俺たちをこんなに待たせやがって・・・
ホントに完結おめでとう!
そして惜しみ無い乙です!

文猫も失禁する程楽しみしてる

420名無しさん:2018/08/31(金) 15:39:49 ID:62nhnDYE0
祝! 完結! 作者さんありがとー! フラッシュ!

駆け足ぎみ? 完結させることが肝要だからもーまんたい。

……しっかしよくもまあ9年? 10年? も待たせてくれちゃってこの野郎。10代も20代になったんだよね、それ一番言われておるから。ずっと待ってたんだからなっ! 完結に気づかない人多そうだから、大陸編もしくは番外編も投稿してくれてもええんやで?

421名無しさん:2018/09/02(日) 19:38:52 ID:Q0orJsQ20
今気づいたぜーついに終わってしまったか!
長らくおつかれやで!
質問なんだけど、結局3人はこっちの世界に残る事を選択したって事なんだよね?

422 ◆6Ugj38o7Xg:2018/09/08(土) 00:11:51 ID:vft7PlxM0
>>421


一言で返せるけど、ちょっと語らせてもらいますね。


書く上でほんとうに昔から考えてること?いや決めてることがありましてね。
何て言ったらいいのか、登場人物が本当にそれを自分で考えての行動や発言かどうか、と言いますか。
だからそいつの感情とか心がわからないと書けなくて、無理に書くとすごく嫌な気分になるんですね。

一時期スランプ云々言ってた頃があったんだけど、要はまさにそれ、何考えてるのかわからないのに、
ストーリー進めるために無理に進めたから書いてて読んでて苦痛だった。

とは言え結末だけは何気に決めてから進めてるので、問題なのはキャラの想いをどうやってその結末、結論にさせるか。
例えばフサ、まず殺すことありきで始まるわけで、しかし凄い英雄みたいなイメージに反するキャラにしたかったから、
あんな性格、でも英雄として死ぬ必要がある、さてこいつをどうやって殺そうと考えるじゃないですか。

まずは戦場に引きずり出す、これは無理矢理でもいいし、友情で納得もできる。
怖いことを繰り返すための勇気も必要、強がりでも頼られることと、特別であることへの優越感でまだ継続。
でもそれだけで自分を犠牲にしてまで行動できるか、わからなかった、無意識に人助けってのじゃ納得できない。

というわけで責任をもたせて、精神的に追い込んで、そこからの解放でようやく決意する、で納得できたんですね。

ただその結論に至らせるためだけに、あんなに話数が必要になったんですね。
遠い昔にも書いたけど、ドクオ異世界はあんなに長引かせるつもりなかったんですよ。
だから本当に、キャラクターの心とか、行動はほんとに気を使うというか、わたくしの趣味ですのね。
だから春とまのときにキャラがいいと言われたのはいやあ認められてるみたいで嬉しいお言葉でしたなぁうへへ。


というわけで長々と書いたけど質問に答えると、わかりません。

いや本当に、それなりの話数を、人生のほんの一部を書いてきたけど、まだ帰りたいのか、それがわからない。

423名無しさん:2018/09/08(土) 00:33:44 ID:rhZKHjJU0
>>422
なんか言わんとしていることは分かるな…
本当に本人がそう考えて言って、行動しているかっていう一抹の不安というか。

そんな中で完結してくれて本当にありがとう。心からの乙。
俺も何か書いてみようかな。

424 ◆6Ugj38o7Xg:2018/09/08(土) 03:08:07 ID:vft7PlxM0
>423
想像が一致した時の気分の良さは山頂で見る朝焼けのそれだし、
それを書き起こせてる時の高揚感はべらぼうだよ、創作はいいよねいい。

425名無しさん:2018/09/09(日) 23:09:04 ID:dGjQkg.Q0
大陸編期待してる

426 ◆6Ugj38o7Xg:2018/09/10(月) 20:45:20 ID:KFstdl0.0
>>425
もうこれ以上異世界を書く気ないのでー
代わりに書いてくれてもいいのでー

427名無しさん:2018/10/13(土) 22:20:10 ID:tf00oJKI0
最高に好きだった作品が10年ぶりに完結してるだと........。

泣けた

428名無しさん:2021/10/21(木) 02:00:36 ID:74hKUypw0
フサの弟がブーンと知った記念カキコ


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