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ξ゚⊿゚)ξとG師匠のようです
1
:
名無しさん
:2018/06/29(金) 01:16:14 ID:c7W46wXw0
これは1人と一匹の物語
今も虫は嫌いだ。昔は大嫌いだった。とりわけ「それ」は死ぬほど嫌いだった。
小さい頃「それ」は恐怖の象徴だった。遭遇したら恐怖で震え上がり、体が動かなくなるほどだった。
そんな私に人生の転機が訪れたのは小学校五年生の夏だった。
夏休み前のある日学校から帰ると、弟のドクオが私のとっておいたプリンを食べていた。
怒った私はドクオをボコボコにしてやった。
その後私は不機嫌ながらもリビングのテレビをつけソファーに腰を掛けながら「ありえない」「人間としておかしい」などとぶつくさ独り言を言っていた。
ドクオはというと私から少し離れた所で涙目になりながら椅子に座りテーブルに置いたままになっている自分が食べてしまったプリンの容器をじっと見つめていた。
それからほどなくしてドクオが席を立ちトイレのほうへと向かっていった。
「あっ!」と言うドクオの驚きの声がしたので何事かと私もトイレに向かった。
するとトイレの前で固まったまま動かなくなっているドクオを見つけた。
そしてよく見るとトイレのドアの前に「それ」はいた。
ξ;゚⊿゚)ξ「……!」
私も恐怖のあまり体が動かなかったが、今は別にトイレには用がないのでゆっくりあとずさりしようとした。その時だった。
(;A;)
111
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 15:10:59 ID:MZTDFfO.0
( ^ω^)「ツン!……」
(;^ω^)「えっと…その…」
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?時間ないんでしょ。」
(;^ω^)「いやその…いっしょに…」
( ^ω^)「一緒に暮さないか!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ファッ?!」
突然の申し出に困惑した。いきなり何を言い出すのか。
( ^ω^)「俺はツンと結婚したい。だからまず同棲してお互いのこともっと知りたいんだ。」
( ^ω^)「ツンはこんな俺を受け入れてくれた。居酒屋で再開した時も最初こそ笑ってたけど俺の話ちゃんと聞いてくれた。」
( ^ω^)「デートで頼りないとこ見せても優しく微笑んでくれた。だからもっと君のことが知りたいんだ。」
( ^ω^)「俺はどんなツンでも受け入れるよ。」
ドヤ顔でこんなくさいセリフをよくもまあ言えたもんだ。
だがそんなセリフがうれしかった。
112
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 15:11:42 ID:MZTDFfO.0
ξ*゚⊿゚)ξ「まったくもう、急すぎない?」
( ^ω^)「人間思い立ったらすぐ行動が一番さ。」
( ^ω^)「もう時間だから仕事戻るよ。」
( ^ω^)「今の答えは今週の日曜日に聞きにくるよ。じゃぁまた。」
そう言い残してブーンは去って行った。
自分の部屋に戻ると師匠が待っていた。いけない、こっちの問題が残っていた。
●「よかったじゃないか、一緒に暮したらどうだ。」
●「彼はいざという時に君を守れる人間だよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「まったくなんでゴキブリ風情が人の恋色沙汰に首を突っ込むのよ。」
●「予定を変えるよ。日曜日に君の返事を聞いてからこの家を出ていくよ。」
●「だからちゃんと返事を考えてあげなさい。」
●「明日はちょっと遠出して次の住処を考えるからもう寝る。お休み。」
113
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 15:12:16 ID:MZTDFfO.0
そういって師匠は自分の寝床に消えていった。
今日はいろいろとありすぎたので頭が痛い。
私ももう寝よう。そう思い床につく。
だがなかなか眠れない。頭の中でいろいろな考えが浮かんでは消えていく。
どうしたものかな。
正直、ブーンのことは悩んでいない。そんなの『はい』一択だ考えるまでも無い。
問題は師匠だ。あのゴキブリどうでもいいことで悩んでやがって。
ただ考えるつもりはないのだが、勝手に師匠の半生を想像してしまう。
原因は師匠にもわからないが、突然自我に目覚めて人間の言語を習得してしまった。
だが周りの仲間たち(他のゴキブリ)はしゃべりかけても返事などしない。所詮はただのゴキブリだ。
ならば話し相手を求めて天敵である人間に話しかける。当然相手は化けものだと騒ぎ始める。
殺しにも来るだろう。中には私が今まで師匠に投げかけてきた嫌味など比にならないくらいの罵声を浴びせただろう。
それでも懲りずに自分を受け入れてくれる人を探したはずだ。
中にはゴキブリを受け入れるもの好きもいただろう。
でもそれは師匠が生きてきた無駄に長い時間で何人だ?
多くはいない。何年に一度とか何十年に一度とかそんなもんだったろう。
それだけ師匠は孤独な時間を過ごしてきた。
だから自分を受け入れてくれた人にはのべつ幕なしにしゃべり続けたのだろう。あのおしゃべりめ。
だから人の役に立とうと必死だったのだろう。ゴキブリの分際で余計なまねを。
だから新しい門出を邪魔しないためにそいつに恋人が出来ればそっと居なくなったのだろう。
本当は寂しくて辛い癖に。まったく世話の焼けるゴキブリだ。
これだから古臭い生き物は。言っただろう時代は変わる。いつまでも古臭い脳ミソをしてんなと。
師匠、あんたが心の底から新天地を求めて出ていくってんなら止めはしない。
でも出ていく理由が私の邪魔にならないため、なんて糞みたいな理由なら私はあんたを逃がさない。
人間を舐めんなよゴキブリ野郎。私の底力見せてやろうじゃない。
114
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 15:13:32 ID:MZTDFfO.0
今日は以上です。
いつもありがとうございます。
次の投稿で終わりの予定です。
115
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 16:19:31 ID:B80p39pc0
師匠……
116
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 17:47:24 ID:aBXg61Ag0
乙
117
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 19:51:16 ID:nTNKDaC20
ブーンがイケメンで安心した
しかし師匠はどうするのだろうか……
118
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 22:08:23 ID:BGEDuS020
乙
119
:
名無しさん
:2018/07/12(木) 22:40:57 ID:Y8mEGYVg0
ショボンが哀れすぎる
120
:
名無しさん
:2018/07/14(土) 15:38:47 ID:53YYFqSY0
どうかショボにも幸あれ……
121
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:02:26 ID:ZHUvospA0
朝起きると、すでに師匠は出て行ったらしく私一人だった。
とはいえ返事を聞いてからと言っていたのだから今日は帰ってくるだろう。
だが時間はそんなにあるわけではない、今日は仕事中にも何かいい案がないか考えるか。
そう思いながら会社へと向かう。
仕事をしながら考えてもどっちつかずで仕事もいい案も浮かばない。
しまいには職場の仲間達から心あらずでどうしたの?と心配される始末だ。
ショボンの奴が今日は大事なプレゼンの日だけど大丈夫なの?とだいぶ取り乱していたが笑顔で親指を立てて任せろ!
とアピールしたらホッとしたのか自分の席へと戻っていった。
そう言えばプレゼンの発表って今日だったっけ?すっかり忘れていた。練習とかイメージトレーニングをした記憶がない。
……まあ、あんなものは勢いでごまかせば何とかなるだろう。今まで通りやればどうということはない。
そんなこんなで気づいたらお昼時間になっていた。しっかり食べて脳細胞を活性化させなければ。
122
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:02:51 ID:ZHUvospA0
川 ゚ -゚)「もう同棲なんて話が出てるのか!?だいぶ早いじゃないか。」
(*゚ー゚)「……。」
ξ゚⊿゚)ξ「本当びっくりしちゃうわ。」
川 ゚ -゚)「でももう返事は決まっているんだろ。」
ξ゚⊿゚)ξ「……まあね。」
川 ゚ -゚)「ヒュー!いよいよツンも結婚が見えてきたな。」
ξ゚⊿゚)ξ「まだ気が早いってもう。」
(*゚ー゚)「……うそよ。」
ξ;゚⊿゚)ξ「え?」
(*゚ー゚)「なんでツンはもう同棲するのよ!私なんてまだギコ君の家にも上げさせてもらえてないのに!」
川 ;゚ -゚)ξ;゚⊿゚)ξ「おぉ……。」
しぃが癇癪を起こし始めた。初めて見る光景だった。
川 ;゚ -゚)「どうしたしぃ、急に声を荒げて?」
(*゚ー゚)「いい?私のギコ君はイケメンで大手銀行員で将来を約束された勝ち組なのよ!」
川 ;゚ -゚)「お、おぉ…」
123
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:03:15 ID:ZHUvospA0
(*゚ー゚)「でも家に上げてくれるどころか家の場所さえ教えてくれないし、デートの費用は全部私持ち出し!」
ξ;゚⊿゚)ξ「……。」
(*゚ー゚)「いつも私から遊びとか誘っても全然返事くれないのに、いつも突然向こうから誘ってくるし!」
(*゚ー゚)「何なのこの差は!」
川 ;゚ -゚)「きっと気難しい人なんだよ…」
ξ;゚⊿゚)ξ「そうよ忙しいからなかなかそこまで手が回らないのよ…」
(*゚ー゚)「とりあえず見てよ写メ!どうよこのイケメンで高身長でセンスありありな服!」
(,,゚Д゚)
見せてもらった写真には悪そうな顔をしているものの、モデルでもやっているのかというほどの人物が写っていた。
ξ゚⊿゚)ξ「マジイケメンじゃん!うらやま。うちのが豚に見えるんですが。」
(*゚ー゚)「でしょ!?イケメンでスタイルよくて話もうまいんだから!」
しぃは得意げに自慢し始めた。その顔には自信と勝ち組の余裕があった。
(*゚ー゚)「マジ完璧超人なんだからね!」
そう鼻高々にしているしぃの横で一人青ざめている人物がいた。
124
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:03:39 ID:ZHUvospA0
川 ;゚ -゚)「こ…こいつは……」
(*゚ー゚)「どうしたのクー?あまりにもイケメンすぎて惚れちゃった?」
川 ;゚ -゚)「最近一人で飲んでたらナンパしてきたやつだ。」
(;゚ー゚)「は???」
川 ;゚ -゚)「あんまりにもうるさいから連絡先だけ交換してそれ以降無視しまくりだが……。」
川 ;゚ -゚)「確かあの時は高級な美術品の販売員をしてるとか言ってたな。」
(;゚ー゚)「電話番号とか交換した?」
川 ;゚ -゚)「ああ。」
(*゚ー゚)「ちょっと貸して。」
そう言ってしぃはクーのスマホから電話をかける。どうやら彼氏の電話番号で間違いなかったようだ。
125
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:04:06 ID:ZHUvospA0
prrr
ガチャ
(,,゚Д゚)「クーちゃん、やっと電話くれたね!ずっと待ってたよ!やっぱ俺と会いたくなっちゃったでしょ?」
(*゚ー゚)「ねぇ私が誰だかわかる?」
(;゚Д゚)「!?」
(;゚Д゚)「あー、いやすまん、トソン。」
(;゚Д゚)「俺が女癖悪いの知ってるだろ?俺が愛してるのはお前だけだよトソン!」
(;゚Д゚)「これも結婚前の最後のお遊びだからさ!」
(*゚ー゚)「私しぃなんですが?」
(;゚Д゚)「……」
(,,゚Д゚)「ちッ、三分の一を外したか。」
その言葉を最後に電話が切られた。
(*゚ー゚)「……。」
川 ;゚ -゚)ξ;゚⊿゚)ξ「……。」
126
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:04:39 ID:ZHUvospA0
ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そのうちいいことあるよ?」
川 ;゚ -゚)「そうそう、ダメ男と縁が切れたんだし良しとしなきゃ。」
(*゚ー゚)「私の勝ち組人生プランが……。」
(*゚ー゚)「仕方ないキープの公務員ジョルジュを本命に格上げするか。」
(*゚ー゚)「つまらない奴だけど、安定性と浮気の心配はないからね。」
川 ;゚ -゚)ξ;゚⊿゚)ξ「そ、それならよかったよ。」
友人の闇を見た気がした。しかしこれはいいヒントだ。
人間というものは誰でも大なり小なり嘘をつく。ならブーンも何とか嘘で師匠のことをごまかせないだろうか?
さてどう騙したものだろうか。そう考えているうちにプレゼンの時間になっていた。
(´・ω・`)「ツンさん、今日も前みたいにたのみましたよ!」
始まる直前、ショボンにそう言われた。あんた私を誰だと思っている。名前を言ってみろよそう返しておいた。
ξ゚⊿゚)ξ「えー、ではこれからわが部署のプレゼンを始めます。」
重役たちに見守られる中スタートする。出だしは我ながら上々の出来だったが、途中で手と口が止まる。
そうだ、師匠のサイズの着ぐるみを作って着せれば外見的な問題は解決できる!プレゼン中にアイデアが下りてきた。
それに私は神の使いであなた達のこれからのサポートをする使命を与えられましたなどと言わせれば……
ダメだ。ゴキブリにそんな役目されるなんて屈辱以外の何事でもない。それは却下だ。
だが着ぐるみの案はなかなかいいのでは?でも私、裁縫とかやったことないしな。
ならプラモみたいのでアイアンマンや平成仮面ライダーよろしくアーマーのように装着させればいいのでは?
男ならそういうもの好きでしょうに。これはなかなかいい案ではないか。今日は神でも降りてきたかな。
127
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:05:02 ID:ZHUvospA0
それは異様な光景だった。プレゼンの途中、突然止まったのかと思ったら独り言をぶつくさ言い始めるではないか。
時折ニヤリと笑いだしたと思えば険しい表情に戻る。
重役たちがいら立ちを隠せずにショボンをにらみつける。あたふたしていたショボンもたまらずにどもりながら、ツンさんと声をかけた。
一瞬、ハッとなったツンは小声で何してたんだっけ?と呟き、面倒になったのか以上ですとプレゼンを終わらせてしまった。
席に戻るときも険しそうに何かの考え事をして戻る。
重役たちはショボンの耳元で後で会議室に来たまえと囁く。当然ショボンはこの世の終わりだという顔になる。
夕方何故か知らないがずっと職場がざわついていたが、私は気にしないで帰宅。
仕事中あれこれ考えてみたが、所詮それは表面を綺麗に繕っているだけだと気付いた。中身のことを考えてみろ、ゴキブリだぞ。
どんなに上っ面だけよくしたところで中身がばれたらすべてが終わる。なんだこのおぞましいものは!となるだろう。
それは正直に話した時よりも恐ろしい結末になる。なぜなら嘘をついて恋人を裏切っていたのだから……
ならば正直に話せば――それでゴキブリを受け入れれる人間がどれだけいるというのだ。そんな単純な話ならこんなに悩んではいない。
この際ペットとしてゴキブリを飼っているというのは。考えるまでもなかったそんな人間存在しない。
結局考えがまとまらないうちに家にたどり着く。
家には師匠が帰ってきていた。どうやら次の住処のめどが立ったらしい。
ああそうとだけ返すとお互いに気まずい雰囲気が漂う。
このままだともうじきお別れだというのにギスギスし始めてしまった。
そのまま時間だけが過ぎてしまった。気づけばもう土曜の夜になっていた。結局いい考えは出なかった、どうしよう。
そんな折にブーンから電話が来た。明日のことについてだった。明日の昼間は仕事なので夕方、私の家を訪れるそうだ。
いよいよ時間がないなやばいぞ、そう焦り出した時に電話だがブーンは異変に気付いた。
128
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:05:26 ID:ZHUvospA0
( ^ω^)「どうしたツン?声に元気がないけど?」
ξ゚⊿゚)ξ「え?いやなんでもないよ。」
( ^ω^)「同棲のことならあんまり深く考えなくてもいいよ。いくらなんでも急すぎだしね。」
( ^ω^)「今すぐでもなくても、時間おいてからでもいいし。」
ξ゚⊿゚)ξ「それは全然悩んでないよ、むしろ今返事してあげよっか?」
(;^ω^)「そういうのは直接返事を聞きたいよ。」
ξ*゚⊿゚)ξ「フフフ、こだわるじゃない。」
( ^ω^)「そういうのは大切にしたいんだ。でも本当に悩み事があったら言ってくれ。」
( ^ω^)「頼りないかもしれないけど、全力で力になるよ。」
ξ*゚⊿゚)ξ「うん、ありがと。」
( ^ω^)「なによりツンが悩み事なんて似合わないからさ。」
ξ゚⊿゚)ξ「それどういう意味よ!」
129
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:05:51 ID:ZHUvospA0
(;^ω^)「いやちょっと気持ち悪いかもしれないけど、昔からツンのこと見てたらさ。」
( ^ω^)「どんなことがあっても堂々としてドンと構えてるツンに憧れてたよ。」
( ^ω^)「だから俺もそんなツンみたいになろうと、少しずつでもよわよわしい自分よ変えようとしたんだ。」
( ^ω^)「正直まだポンコツかもしれないけどね。だから今のツンはツンらしくないっていうか…」
( ^ω^)「そんなツンでも悩むほどのことがあるなら俺は力になりたいんだ。」
ξ*゚⊿゚)ξ「ブーン…」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫だって、大したことじゃないから。」
ξ゚⊿゚)ξ「でもちょっとブーンの力を借りるかもね。」
( ^ω^)「まかせろし!このブーン、ツンのためならこの命惜しくはない!ブーンを信じなさい!」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとwwwくさいのは体臭だけにしてよwww」
( ^ω^)「いくらなんでも臭すぎたwww」
130
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:06:15 ID:ZHUvospA0
それじゃ明日はよろしく、そう言って電話を切った。
自分じゃ頼りないとか言ってるくせに十分頼りになってるじゃない。
くだらないことで悩みすぎた。いつも自分で言っていたじゃない。私は誰だ!ツンだぞ!
なにを回りくどいことをしようとしていたのかあほらしい。
ブーンは私のこと何でも受け入れるって言ってくれた。信じろって言ってくれた。
なら今度は私がブーンを信じる番だ。お互いが信じ切れなきゃこの先やっていかれない。
私は私らしくやるだけなのだ。いつだってそうやってきただろう。直球勝負だ。余計なことは考える必要なんてない。
そんなやり取りの後、師匠が口を開いた。
●「いよいよ明日でお別れだなツン。最初君に会った時はどうなるかと思ったよ。」
どうやら最後にお互いの思い出に浸りながらお別れしたいらしい。
ξ゚⊿゚)ξ「本当ゴキブリって空気読まないわよね。」
ξ゚⊿゚)ξ「長生きしといてまったく空気読めないとか重症だぞ師匠。」
●「あ、いやすまなかった。ただ君とちゃんとお別れしとこうと思ってね。」
ξ゚⊿゚)ξ「私は疲れたからもう寝る。思い出に浸りたいんなら一匹でしてろ。」
●「そ、そうだねそうするよ。お休みツン。」
そう言ってから眠りにつく。
131
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:06:41 ID:ZHUvospA0
日曜日の朝、目が覚めると師匠が頻りに話しかけてくる。
ξ゚⊿゚)ξ「往生際が悪いのう。今日は貴様としゃべるつもりはまだない。」
そう一言で突き放す。師匠はだいぶしょんぼりしているようだ。
いろいろ言いあって考えが変わるのは避けたい。
その後はブーンが来るまでひたすら沈黙が続いた。
夕方、いよいよ約束の時間が迫ってきた。
( ^ω^)「ごめん、お待たせ。」
そう言ってブーンが家に入ってきた。自慢の肉料理をふるまい、先に食事を済ませてから本題に入る。
( ^ω^)「それじゃあ返事を聞きたいんだがどうですかねツンさん…。」
少し自信な無さげにブーンが返事を聞いてくる。
ξ゚⊿゚)ξ「もちろんOKよ。」
(*^ω^)「おっしゃぁああ!」
ブーンはガッツポーズをしながら叫んだ。満面の笑みである。
ξ゚⊿゚)ξ「ただちょっと条件がある。」
( ^ω^)「条件?なんだい?」
132
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:07:07 ID:ZHUvospA0
ξ゚⊿゚)ξ「同棲するならこの部屋にしない?ブーンのアパートって古くて場所もよくないじゃん。」
(;^ω^)「いや…その…」
ちょっと予想外のようだ。しかしブーンにも男としてのプライドがある。自分の女は自分の家で養いたい。
(;^ω^)「た、確かに俺の給料は安いからあんなオンボロアパートが精いっぱいでツンみたいに高給取りじゃないからこんないい部屋借りれないけど…」
( ^ω^)「でも住めば都だよ!いつか必ずここよりいい家をたtξ゚⊿゚)ξ「この部屋の家賃一万円なのよ。今度からブーンが払うようにすればそれでよくない?」
(;^ω^)「へ?一万?」
ブーンに衝撃が走る。それ俺のアパートより安くないか。事故物件か何かか?それに男としてのプライドが……
数秒考える。
( ^ω^)「いいねそうしよう!」
男のプライドなぞ糞食らえ。誰だって安くていい部屋に住みたい。当然だ。
●(どうやら話はまとまったようだね)
●(結局ちゃんとしたお別れはできなかったが遠くから君達の幸せを祈っているよ)
ξ゚⊿゚)ξ「それともい一つ。ブーンに会ってもらいたい奴がいるの。」
( ^ω^)「?」
133
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:07:38 ID:ZHUvospA0
会ってもらいたい人ではなく奴ということは人間以外か?
もしや猫でも買い始めたのかな?ブーンはそう考えた。それはブーンが無類の猫好きであるからだ。
人はいつも自分の都合の良いように物事を考える。
ξ゚⊿゚)ξ「出てこい師匠。まだいるんだろ?」
( ^ω^)(ししょう?珍しい名前を付けたもんだな。)
しかし師匠は一向に出てこない。
●(何を考えてるんだツンは!)
ξ#゚⊿゚)ξ「出て来いってんだろが!コラぁ!」
ドンッドンッ
思い切り床を足の裏でたたき始める。
(;^ω^)「おぉ!?」
あまりの豹変ぶりにブーンが驚く。
構わず怒鳴り散らかすツン。
●(このままじゃまずいだろ)
カサカサッ
観念して師匠が出てきた。
134
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:08:11 ID:ZHUvospA0
(;^ω^)「ひぃっ!」
ξ゚⊿゚)ξ「たく普段はすばしっこいのにこういう時はちんたらしやがって。」
ξ゚⊿゚)ξ「ほれ、私にしたようにブーンにも自己紹介しろよ。」
(;^ω^)「???」
まったく状況を呑み込めないブーン。ツンと師匠を交互に見ている。
●「しかしだよツン、絶対にまずいと思うよ私は。」
(;゚ω゚)「ふぁっ?!」
ブーンが完全に停止した。若干震えていた体はピタリと止まる。
●「や、やあブーン君。」
一応にこりと挨拶する師匠。
少しの間沈黙が続く。
(;゚ω゚)「ちょっと顔洗ってくる。」
そう言ってブーンは洗面所に向かい顔を勢いよく洗う。
( ^ω^)「いやぁ失敬失敬、一瞬幻聴が聞こえてね。」
( ^ω^)「それでなんだっけ?」
完全に今あったことを無かったことにしていた。現実逃避。時には必要なことだ。
135
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:09:03 ID:ZHUvospA0
●「実は君と会うには二回目なんだが覚えているかい?君が初めてこの部屋に来た時のゴキブリが私だよ。」
(;゚ω゚)「ああああああ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン大丈夫?ちょっと変なだけのゴキブリだから危なくはないよ。」
ξ#゚⊿゚)ξ「おい師匠!もう少しオブラートにできないの!」
●「これが普通の反応だよツン。」
●「では改めましてブーン君。私はちょっと変わったゴキブリさ。」
●「私のことは師匠と呼んでくれ。」
●「妖怪でいう猫又のゴキブリ版みたいなものだと思ってくればいいよ。」
(;゚ω゚)「夢だこれは夢なんだ。」
ξ;゚⊿゚)ξ「これは現実よ!気を確かに持って!」
( ^ω^)「ならツン!俺を殴ってくれ!それでわかるはずだ!」
( ^皿^)「さあ来い!」
歯を思いっきり食いしばる。
136
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:09:36 ID:ZHUvospA0
ξ゚⊿゚)ξ「わかったわ。任せて!」
全身を力を顔面に集中させて衝撃に備え、ツンの前に自分の顔を差し出す。
ξ#゚⊿゚)ξ「オラァ!」
ツン渾身のボディーブローがブーンの腹に突き刺さる。
(;゚ω゚)「おごぉ!?」
その場に崩れ落ちる。すさまじい衝撃がブーンを襲った。
自分は死んだのか?そう思えるほどの威力だった。
すぐさまに痛みがブーンを駆け巡る。
痛い。そうだこれは痛みだ。俺は生きている。痛みによって自分の生を実感した。
( ;ω;)「生きている。俺は生きているぞぉ!」
今までの人生でこんなにも生きていることを実感したことはない。
( ^ω^)「いや違う、そうじゃない。」
夢かどうかの話だった。生きているかどうかの話ではない。
ξ゚⊿゚)ξ「え?!今の弱かった?もう一発いく?」
(;゚ω゚)「ちが!それもっと違う!」
ξ#゚⊿゚)ξ「オラァ!」
137
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:10:07 ID:ZHUvospA0
情け容赦ないツンの渾身のボディーブローがブーンの腹に突き刺さる。
(;゚ω゚)「あばぁ!」
●「君は恋人を殺す気なのか!?」
ξ゚⊿゚)ξ「失敬な!ちゃんと加減していますぅ。」
ξ゚⊿゚)ξ「ほらねブーン、夢じゃないでしょ。」
(;゚ω゚)「そ、そうだねこれ現実だね。」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンが驚くのはわかるよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「それにこの気持ち悪いゴキブリをどこぞの研究機関に売り払いたい気持ちもわかる。」
ξ゚⊿゚)ξ「でも待って。そうして手に入れたものはこの世のお金で中で最も汚い。」
ξ゚⊿゚)ξ「ゴキブリ並みに汚いお金よ!そんなの使いたい?」
(;゚ω゚)「いやそんな気は全く。」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、ならよかった。」
138
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:10:35 ID:ZHUvospA0
●「ブーン君驚かせて悪かったね。でも大丈夫だよ。これで私はこの家から出ていくから。」
ξ゚⊿゚)ξ「待て。誰が出て行っていいって言ったよ?」
●「いいかいツン!私は君のためを思って行動してるんだよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「やかましい!いつも上から目線でしゃべりやがって!地べたにはいつくばってるくせに!」
ξ#゚⊿゚)ξ9m「今この場で上から物を言っているのは誰だ!」
ξ#゚⊿゚)ξ9m「テメーを見下しながらしゃべってんのは誰だ!」
ξ゚⊿゚)ξ「そもそもゴキブリの立ち位置ってわかってんのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「人間様を天井とするとよぉ。」
そう言って天井を指さす。
ξ#゚⊿゚)ξp「テメーらゴキブリはマントルくらい下なんだよ!」
今度は親指で床を指す。
●「気分を害したというなら謝るよ。ごめん。でも私は君に幸せになってもらいたいから…」
ξ゚⊿゚)ξ「まだわからんか!テメーは所詮私の父さんの少し上、弟ドクオの少し下程度でしかないんだよ!」
(;゚ω゚)(それはあのゴキブリが人間の最下層レベルなのかツンのオヤジさんと弟君がゴキブリレベルなのか)
139
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:11:07 ID:ZHUvospA0
ξ#゚⊿゚)ξ9m「私たち人間はゴキブリに対して殺そうが何しようが許される立場。お前らは一方的にされるがままなんだよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「故に私たちは貴様らからしたら神に等しい存在。どうだ私はあんたにとってどんな存在だ!言ってみろ!」
●「か、神様です。」
ξ#゚⊿゚)ξ9m「誰がゴキブリごときの神じゃ!なんだゴキブリの神って!この世でもっともおぞましい神だぞそんなもの!」
●「もう少し穏やかにしないと…彼氏さんドン引きしちゃうよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫だよブーン。私はあなたに乱暴な言葉は使わないから。」
天使のように微笑みながらブーンにそう告げる。しかしそれとは裏腹にブーンは悟った。
( ^ω^)(これ機嫌が悪い時に俺にも来るやつだ)
ξ゚⊿゚)ξ「要するにお前たちからしたら神に近い存在がここに残れって言ってんだよ!」
●「そんなの無理に決まってるじゃないか…受け入れてもらえないよ…」
ξ#゚⊿゚)ξ9m「だから!テメーごときが悲劇のヒロインぶるんじゃねぇ!」
ξ#゚⊿゚)ξ9m「前に言ったよな鏡見ろって!今すぐ見てこいや!」
ξ゚⊿゚)ξ「現実を受け入れろ。そこにどんな不細工で悍ましくて汚らしい生物がいるかを。」
ξ゚⊿゚)ξ「誰がそんなものをヒロインだと思うよ。誰がそんなもんに同情するよ。」
●「自分でもわかってるさ!自分たちが人間からどう思われてるかなんて!」
140
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:11:40 ID:ZHUvospA0
ξ#゚⊿゚)ξ9m「いい加減分かれ!この私が師匠あんたに出て行ってほしくないから残れって言ってんだよ!」
●「!」
ξ゚⊿゚)ξ「それが私の本音!だから師匠あんたはどうなんだよ!本音を言えよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「それであんたが出ていきたいってんなら止めない。だから外見通りの汚い建前はいらねえ。あんたの本心を聞きたいんだよ!」
●「私の…本心……」
そんなの決まっている。ずっと一緒にいたいさ。
でもそれが無理なことも私は知ってる。
今でも覚えている昔の出来事。
私が初めて打ち解けられた人間ビコーズとの出会いだ。
彼は人間たちの基準で言えば不細工な顔というものだったのだろう。やることもとろくていじめられていたようだ。
でも彼は人一倍優しい心の持ち主だった。当時まだ人間の言葉がしゃべれるようになったばかりの私は今ほどの生存能力はなかった。
天敵に襲われかろうじて逃げ延びていたが、だいぶ弱っていたのだ。
そんな私をビコーズは助けてくれた。そして友達になった。それからは幸せな日々だった。
そんなある日ビコーズが私のことを他の村人たちに紹介しようとあちらこちらで私の話をしたのだ。それがいけなかった。
村人たちはビコーズを化け物の仲間だとして殺してしまったのだ。
私のせいだ。私と出会わなければこんなことには……
ひたすら自分を責めた。
それからは一匹で生きようと何十年かさまよった。だが寂しさには勝てなかった。
141
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:12:07 ID:ZHUvospA0
それからデレという美しい女性と出会った。まさしく慈愛の女神といえる人だった。
彼女といるととても癒された。
彼女と出会って数か月、デレにも恋人ができたのだ。
その彼もとてもやさしい人だった。そんな彼にデレは私を紹介した。
化け物!そう言って彼は二度とデレの前には姿を現さなかった。
デレは気にしないでと言ってくれたが、あの悲しそうな眼は忘れることができなかった。
だからデレに次の恋人ができたときに私はひっそりと姿を消した。
フィレンクトが念願だったケーキ屋をオープンさせたときっも、一緒になって自慢のケーキ開発を手伝った。
でも店の人気や知名度が上がってくるとそっとフィレンクトのもとを後にした。
あの店はゴキブリと一緒になってケーキを作ってるなんて噂が立たぬよう。
モララーは自分に自信のない奴だった。だから一緒に資料作成など手伝った。そのうちに自信を持つようになった。
自信が出てからはあっという間に出世していった。もう私は必要ないね。君に必要なのは人間の仲間だよ。
今までそうやって私は生きてきた。
人間の役に立つのは光栄なことだ。一緒にいて楽しいし幸せだと感じる。
でもずっとはいられない。私と一緒にいても彼らは人間にとっての一番の幸せは得られない。
人間は人間同士で幸せをつかみ取るものだ。それはわかっているつもりだった。
一人で生きているのは寂しい、辛い、苦しい、怖い。
誰かと楽しくおしゃべりしたい。楽しい思い出を作りたい。ゴキブリだって幸せになりたいんだ。
だがそれはこんな私と友達になってくれた人間たちを不幸にしてまで願っていいものではない。
だから今までそうしてきたんだ。それはこれからも――
でもそれはツンの言う通りだ。そうやって建前を作って人間たちに嫌われないようにしているだけなんだ。
本当はこのまま一緒にいたい。寂しい思いなんてもうごめんだ。
142
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:12:40 ID:ZHUvospA0
●「一緒に…いたいさ……」
●「本当はどこにも行きたくない!」
●「でもそうはいかないだろ人間とゴキブリなんて!」
●「!?」
師匠は気づいた。ツンが笑っているのに。
今まで鬼のような形相はいっぱい見てきたが、こんな優しく微笑んでいるツンは初めて見た。
ξ゚⊿゚)ξ「まったくほら見なさい。それがあんたの本音ね。」
ξ゚⊿゚)ξ「外見だけじゃなくて中身もどす黒い欲望まみれじゃん。」
●「でも私が本音を言ったところで……」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ。ブーンを信じて。」
(;^ω^)「!?」
ブーンからしたらまったくもって予想できなかった展開である。
今日はツンの返事を聞きに来たはずなのに気づいたら自分が選択を迫られている。
そしてその内容がゴキブリと一緒に住もうというものだ。
こんな展開誰が予想できるのか。
正直ゴキブリと生活なんて『No』としか……
143
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:13:06 ID:ZHUvospA0
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンは言ってくれた。どんな私も受け入れてくれるって。俺を信じろって。」
ξ゚⊿゚)ξ「だから私はありのままの自分をさらけ出した。」
ξ゚⊿゚)ξ「今度は私がブーンを受け入れる番。」
ξ゚⊿゚)ξ「無理なら無理でいいんだよブーン。そしたら私は師匠をあきらめる。」
●「ああ、私もそれで大丈夫だ。君の答えを受け入れるよ。」
(;^ω^)「そ、そんなん、む……」
ごめんそんなん無理だって。
(;^ω^)「む……むr
ガブッ
思いっきりブーンが自分の舌をかんだ。とは言え舌がかみ切れるほどではない。それでも血が出てきた。
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっ!大丈夫?」
144
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:13:45 ID:ZHUvospA0
(;^ω^)「なあにこれくらい!」
( ^ω^)「それに忘れたのかツン、俺は誰だい?」
( ^ω^)b「内藤ブーンだぞ!」キリッ
( ^ω^)「ゴキブリの一匹や二匹……」
(;^ω^)「一匹くらいなら…ら、らくしょ……ギリギリ大丈夫かな?」
なんとも閉まらない返事だ。
でも危なかった。危うく昔の自分に戻るところだった。
ツンはありのままの自分を見せてくれた。日和って無理だって言う俺を受け入れるって言ってくれた。
なのに俺がそんなツンを受け入れないでどうするんだ。男に二言はない。
それに男はいつだってやせ我慢だろ!
ξ*゚⊿゚)ξ「まったくブーンらしい返事ね。」
膝が笑っているブーンに対して言う。その顔は嬉しそうだ。
●「本当にいいのかいブーン君?」
( ^ω^)「ええっと師匠だっけ?よろしく。」
そいって握手よろしく手を伸ばすブーン。
145
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:14:15 ID:ZHUvospA0
●「!」
●「ああ!よろしくブーン君!」
カサッ
師匠も足一本を延ばす。それをブーンが人差し指と親指でつまむ。
( ゚ω。)「お……」
●「まさかブーン君も私を受け入れてくれるなんて本当にありがとう……ブーン君?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!」
( ゚ω。)「」
●「し…死んでる…」
いきなりゴキブリとの接触は早すぎたようだ。
( ^ω^)「いやぁ、一瞬三途の川が見えたよはっきり。」
ξ#゚⊿゚)ξ「いいこと師匠!今後ブーンの半径二メートル以内に入らないこと!」
●「はい。肝に銘じておきます。」
146
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:14:45 ID:ZHUvospA0
( ^ω^)「まあでもたまに二人だけの時間をくれたら全然問題ないよな。」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ、そういう時は下の部屋にでもご厄介になってきなさいよ。」
●「そうさせてもらうよ。」
(;´・ω・`)(なんだろ突然寒気がしてきたぞ)
(;´-ω-`)(まあ僕の人生なんて碌なもんじゃないからな)
(´・ω・`)(どうせよくないことが起きるんだそうに決まっている)
この後ショボンのもとに謎のしゃべるゴキブリが現れ一人と一匹で出世街道を上がっていき、社長にまで登り詰める。
更には世界で有数企業にまで発展させるとは誰も知る由もなかった。
●「まったく出会った時から思ってはいたけど、君は本当にすごいお嬢さんだったよツン。」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたは本当に面倒なゴキブリだったよ師匠。」
●「でもこれからもよろしくツン!」
ξ^⊿^)ξ「ああ!よろしくな師匠!」
こうして一人と一匹の物語は終わりを迎えた。
それは同時に二人と一匹の物語の始まりでもあった。
そしてそれはいずれ三人と一匹になっていくことでしょう。
ξ゚⊿゚)ξとG師匠のようです
おわり
147
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:18:46 ID:ZHUvospA0
以上で終わりとなります。
初めての投稿で、誤字脱字があったと思います。
他にもおかしな点があったと思いますが、皆様に応援いただいて何とか完結できました。
本当にありがとうございました。
また何かアイデアがひらめいたら投稿したいと思います。
148
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 02:37:20 ID:bP5h18vE0
ショボンが突然もの凄い救済をうけててワロタ
149
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 02:37:46 ID:bP5h18vE0
面白かったぞ乙
150
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 02:46:18 ID:vzO4RF0Q0
夏?らしくて良いな!!
さてコンバットとブラックキャップ買ってくるか
151
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 03:19:06 ID:ZuVTQtTg0
ショボンが報われて良かった!
152
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 06:07:20 ID:ChFb0gxs0
乙でした!
ブーンが最後まで心イケメンで良かった
153
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 08:46:58 ID:Yi4pfvcY0
面白かった!乙
154
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:43:41 ID:1RnV3Xxo0
最後までテンポが落ちずに読後感も実に爽快
素晴らしかった!
155
:
名無しさん
:2018/07/28(土) 09:01:12 ID:vv8L63820
なんだこの爽やかさwwwww乙
156
:
名無しさん
:2018/07/31(火) 05:12:29 ID:.4lF88qM0
おつ ツンとG師匠イケメンすぎ
157
:
名無しさん
:2018/07/31(火) 12:54:27 ID:l7O6.iAk0
ショボン………
良かったなー
乙だぜ!
158
:
名無しさん
:2018/08/06(月) 00:55:48 ID:DHpit5yw0
滅茶苦茶良かった!
G師匠が過去の人間達を回想する所好き
乙!
159
:
名無しさん
:2018/08/30(木) 03:01:49 ID:I.Nibk5w0
名作をありがとう
https://i.imgur.com/PtJsG7h.png
160
:
名無しさん
:2018/09/25(火) 20:30:49 ID:pZ1sc7ng0
面白かった!
ツンが格好良くて好きだ
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