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( ,,^Д^)ビッグ・トレジャーの大冒険のようです!!!
1
:
名無しさん
:2018/03/11(日) 15:48:53 ID:MB1Msye.0
前スレ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1495117626/
まとめ
http://cloudcrying.blog.fc2.com/blog-entry-163.html
.
412
:
名無しさん
:2018/07/28(土) 21:14:09 ID:IFEM/gw20
コレクターだからただの署長ストーカーの可能性もあるぞ!
413
:
名無しさん
:2018/07/29(日) 07:23:40 ID:9B/amdA60
>>412
へ、変態だぁー!!!
414
:
名無しさん
:2018/07/29(日) 07:42:22 ID:F329GUNA0
>>413
全裸のムキムキなおっさんが出てくるのに比べれば…
415
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 19:58:46 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
『王冠強奪未遂から五日が経過しましたが、犯人は現在も捕まっておりません』
『警察は捜査範囲をさらに拡大し、犯人の足取りを追うとのことです』
从 ゚∀从「……」プツッ
从 ゚∀从「俺も長く警察のメシ食ってきた身だがよぉ」ヴゥゥン…
从 ゚∀从「まさか犯人目線で事件のニュースを見る日が来るとは、思わなかったぜ」ヴヴゥン…
(´・ω・`)「だろうね」
从 ゚∀从「こうしてみると警察ってなぁ、滑稽なモンだったんだなぁ」ヴゥン…
从 ゚∀从「今までの俺の努力は何だったのかって、アホらしくなってくるぜ」ヴゥーン…
(;´ーωー`)「……ハァ」
(´・ω・`)「そんなことより君、いつまで私の家に居座るつもりだい?」
(´・ω・`)「そうして余裕ぶって見てるテレビも、私のものなんだがね?」
从 ゚∀从「ケチくせぇこと言うない。これだからジジィはみみっちくて困るぜ」ヴーン
(;´・ω・`)「そういう問題じゃないだろう……」
.
416
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:01:13 ID:XCQ3iK3U0
.
从 ゚∀从「しょうがねぇだろ?俺の正体を知ってるのはあんただけなんだからよ」ヴン、ヴーン
(´・ω・`)「あのなぁ……私が市庁舎の監視カメラの映像握りつぶしてなかったら、君は今頃お尋ね者だぞ?」
(´・ω・`)「そこのところを考えて、少しは私に感謝してほしいものだがね」
从 ゚∀从「人のためみてぇな言い方してんじゃねーよ」ヴゥーン
从 ゚∀从「映像が出回ったら、あんたも王冠泥棒の共犯だと疑われるからだろ?」ヴゥ、ヴゥ
(´・ω・`)「それも無論あるが、どちらかというと石の力で君が変貌したのを、知られたくなかったんだよ」
(´・ω・`)「君は今や、争い事の火種となるのに十分すぎるほどの力を手に入れたんだからね」
(´・ω・`)「それなのにいざ逃げる段階になったら、私のとこに転がり込んで来るし……」
从 ゚∀从「元いた家にゃ戻れねぇし、しばらくここを拠点にしようと思っただけだ」ヴヴヴヴ
从 ゚∀从「迷惑はかけねぇよ」ヴーン
(´・ω・`)「いるだけで迷惑とは思わないのかなぁ……」
.
417
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:02:59 ID:XCQ3iK3U0
.
(´・ω・`)「使用人たちもいきなり君が来て、ビックリしてるんだよ」
(´・ω・`)「彼らから君の情報が漏れても、私は責任を取れないぞ」
从 ゚∀从「心配すんな。今の俺は、並の人間がどうこう出来るレベルじゃねぇ」ヴォォン
从 ゚∀从「たとえ1000人が相手でも、無傷で切り抜けてやるさ」ヴヴヴ
(´・ω・`)「それに、私は君の食事まで工面するつもりはないが?」
从 ゚∀从「それがよぉ、この体になってから、食欲はあるが腹は減らねぇんだよな」ヴーン
从 ゚∀从「多分飲まず食わずでも、一週間はフルで活動出来んじゃねーかな」ヴヴゥ
(´・ω・`)「ずいぶんと人間離れしたものだ。それが超越者の特権なのかね」
从 ゚∀从「さぁな。今は俺もまだ模索してる段階だから、何とも言えねぇがよ」ヴヴ、ヴヴ
(´・ω・`)「……ところでさっきから妙な音がしてるが、君ハエでも飼ってるのかい?」
从 ゚∀从「これか?こりゃ企業秘密って奴だ、気にするこたねぇ」ヴォォン
(´・ω・`)「……」
.
418
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:04:15 ID:XCQ3iK3U0
.
(´・ω・`)「やれやれ……石は失う、厄介者は増える、妙な音は聞こえる。私も災難続きだね」
从 ゚∀从「自業自得だろ。黒幕気取ってふんぞり返ってっからだよ」ヴゥーン
从 ゚∀从「ま、厄介払いしたくなる気持ちも分からなくはねーからよ」ヴーン
从 ゚∀从「ちったぁ家主の言い分に従って、お外でも散歩して来ますかね」ヴヴヴ、ヴッ
(´・ω・`)「どこへ行くつもりかね?」
从 ゚∀从「腕試しだよ。今の自分がどこまで出来るのか、奴と当たる前に確かめとかにゃな」ヴー、ヴー
(´・ω・`)「おいおい、外はマスコミが張り込んでるんだぞ?」
(´・ω・`)「君が出入りしてたら明らかに怪しいじゃないか」
从 ゚∀从「屋根づたいに跳んできゃまずバレやしねぇだろ」ヴンヴヴヴ
从 ゚∀从「あんたん家にあった包帯、ちょっくら借りてくぜ!」ヴゥンッ
シュンッ
(´・ω・`)「……消えた」
(´・ω・`)「日に日に行動が化け物じみていくなぁ」
.
419
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:06:34 ID:p49nivnc0
来たか支援
420
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:07:36 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
【数十分後。クラウンシティ北西部、とある廃工場……】
(//‰ ゚)「……」ザッ
(//‰ ゚)(この工場は、サウスガットのアジトじゃねぇかって昔っから噂されてた場所だ)
(//‰ ゚)(潰れた工場だが、何故か毎月電気水道ガス代が支払われ、ライフラインが維持されてる)
(//‰ ゚)(登記簿の登録名にはトニー=バクスターとあるが、恐らくこいつぁサウスガットの用意した偽名だろう)
(//‰ ゚)(聞いた話じゃ、工場地下に秘密基地を増築して、そこに盗んだ品を溜め込んでるって話だ)
(//‰ ゚)(警察時代の俺じゃ、ここの堅牢なセキュリティは破れなかった)
(//‰ ゚)(だが、今の俺なら……)
.
421
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:08:52 ID:prZItAgo0
支援
422
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:09:16 ID:XCQ3iK3U0
.
(//‰ ゚)「……」コンコン
(//‰ ゚)「……」コンコン
(//‰ ゚)「……」カンカンッ
(//‰ ゚)(ここだけ地面の音が違う。この下に空間がありやがるな?)
(//‰ ゚)(どれ……)ググッ
ゴォンッ!!!
(//‰ ゚)(……固ぇな。どんだけ高い建材使ってやがる)
(//‰ ゚)(根気よくノックするしかねぇか……)
ゴォンッ、ドォンッ……
ドゴォォォンッ!!!
(//‰ ゚)(固い建材を壊すのに素手で四発……トレジャーとファニーならそれぞれ一発で壊せるだろう)
(//‰ ゚)(単純な腕力じゃ二人に劣る……あとは何でそれを埋めるかってとこか)
.
423
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:10:51 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「うるさいよ!!誰だい!!」ヌゥッ
(//‰ ゚)(おっと、いきなり真打ちのご登場か)
(//‰ ゚)(ハハジャ=サウスガット……この体の試運転にゃあちょうどいい相手だ)
@@@
@#_、_@
( ノ`)「見ない顔だねぇ……人ん家にズカズカ上がり込んで来て、喧しいったらないよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ここがサウスガットファミリーのアジトと知っての狼藉かい?」
(//‰ ゚)「……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「まぁ、地下の入り口を壊してくれたんだ。知っててやったと考えるのが妥当だろうね」
(//‰ ゚)凸 クィ、クィ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「……何だいそれは。ケンカ売りに来たのかい?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「だとしたらそのケンカ、高くつくよ」
.
424
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:12:21 ID:XCQ3iK3U0
.
その台詞が終わらないうちに、ハハジャ=サウスガットの掌から衝撃が迸る!!
彼女の固有能力、空気弾である!!
空気を圧縮・放出し、その圧力で周囲の物体を吹き飛ばす!!
かつてその威力の前に立っていた者は、ビッグ・トレジャーのみであった!!
しかし!!
(//‰ ゚)「……」
空気は、ハイドの着衣の裾をはためかせるだけにとどまった!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)(あれを耐えるのかい……それなら……!)
ハハジャは空気圧を連射しつつ、それを盾にハイドへ接近する!!
そして立ち尽くすハイドへ、至近距離から拳での打撃を加えた!!
.
425
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:16:30 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「るぁあっ!!」
それは速く、そして重い右ストレートだった!!
通常の人間が受けたなら、たとえ格闘技のチャンピオンでも、骨は粉砕され肉は断裂しただろう!!
その拳はハイドの顔面を捉え、遥か彼方まで吹き飛ばすはずであった!!
(//‰ ゚)「……」ミシッ
しかしハイドは、それを食らってなお平然とその場に直立していた!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)(なんだって……!?)
(//‰ ゚)(体の丈夫さはまずまずだな……ハハジャのパンチでも脳が揺れねぇ)
ハイドは繰り出されたハハジャの腕へ、無造作に手刀を振り下ろした!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「っ……!?」ギシッ
さほどの力がこめられているようには見えなかったものの、それを受けたハハジャの顔は苦悶に歪む!!
その威力のほどは、後退することを知らないハハジャが思わず後ずさったことでも分かるだろう!!
.
426
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:18:20 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ`)(こいつ……何者だい……!?)ズキンッ
ハハジャはそれまでの侮りを捨て、すぐさま最大級の警戒態勢へと移った!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「アンネ!ナージャ!」
∬;´_ゝ`)「は、はい!」
l从・∀・;ノ!リ人「のじゃ!」
地下から顔を覗かせたのは、サウスガットファミリーの誇る超人姉妹だった!!
もしもの時にいつでもハハジャへ加勢できるよう、身を潜めていたのである!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「二人とも、作戦Cだ。全力を持ってあいつを排除しな!!」
∬;´_ゝ`)「オーケー!」
l从・∀・;ノ!リ人「分かったのじゃ!」
二人はハハジャがトレジャー以外に苦戦する様を見たことがなかった!!
故に、目の前の謎の男が驚異であることを、即座に理解したのである!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「私に合わせな!!行くよ!!」
そうしてハハジャは、ハイドへ向けて火のごとく突進を開始した!!
.
427
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:23:36 ID:XCQ3iK3U0
.
それと同時に動いたのはアンネである!!
∬´_ゝ`)「ハァッ!!」
アンネはハハジャの体の死角から、ハイドへ向けてナイフを投擲する!!
ハイドはそれを身をよじるだけでかわし、ハハジャの打撃へと備えた!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「かかったね!」
(//‰ ゚)「……!」
しかしそれは、サウスガットファミリーの仕掛けた巧妙な罠だった!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ナージャ!!」
ハハジャはハイドへ真っ直ぐ突っ込んでいた巨体を避け、一本の道を作った!!
その道は後方に待機していた、ナージャ=サウスガットへと続く!!
l从・∀・;ノ!リ人「むむむむっ……!!」
l从・∀・ノ!リ人「マグネティカー!!なのじゃー!!」
ナージャ=サウスガットの手から放たれた波動は、ハハジャの作った道を真っ直ぐ駆け上がる!!
ナイフを避けるために体を捻っていたハイドは、その波動を避けることが出来なかった!!
ナージャ=サウスガットの能力、それは磁性体を生成し、敵のボディへ磁力を付与することである!!
その波動を受けたハイドは、自身の体が鉛のように重くなるのを感じた!!
.
428
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:27:05 ID:XCQ3iK3U0
.
(//‰ ゚)「……」ズシィッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「鉄筋に足が引っついて、身動き取れないだろ?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あとはこっちの好き放題ってところかねぇ?」
(//‰ ゚)「……」
そう言いつつも、ハハジャは油断なく間合いの一歩外から構え、ファイティングポーズを崩さない!!
ハイドに対し、一分の隙も与えない構えである!!
ハイドはその動向を見逃さないよう、一挙一動に目を見張っていた!!
動けない今、この場で最も警戒すべきはハハジャであると、知っているためだ!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そぉら!ダメ押しだよ!」
ハハジャが再び空気弾を放つ!!それを弾くため、ハイドは両腕で体の前面をガードする!!
しかしそれこそ、ハハジャの思う壺であった!!
(//‰ ゚)(……!!)ビチィッ
ハイドの両腕は、空中で強烈に固定されてしまう!!
それは先ほどの物と違い、攻撃ではなく拘束のために使う空気弾であった!!
.
429
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:28:55 ID:XCQ3iK3U0
.
(//‰ ゚)(そういやこんな技もあったな……圧縮空気の枷だったか……)
周囲の空気を固着させ、体の自由を奪うための技である!!
炸裂弾と圧着弾、ハハジャの二つの奥義がハイドの体の自由を奪う!!
そしてサウスガットの猛攻は、それだけに留まらなかった!!
サウスガットが殺しを行う場合、それは銃器でなく肉体を行使して行われる!!
万が一銃が発射されなかった場合を考慮し、トドメの一撃は
己が手で確実に仕留めることを鉄則としているのだ!!
それはハイドに対しても例外ではない!!
では、一体誰がその役目を買って出たか!?
彡⌒ミ(その命、俺がもらい受ける!!)
そう!!サウスガットファミリーの伏兵、チチジャ=サウスガットである!!
彼はハハジャと共に地下から這い出て、透明になり潜伏していたのだ!!
ハハジャの言う作戦Cとは、対象を全力で足止めした後、透明化した
チチジャが背後から対象の命を刈り取る作戦だったのである!!
.
430
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:30:31 ID:XCQ3iK3U0
.
彡⌒ミ(驕ったな、侵入者!!ハハジャだけがサウスガットじゃないんだよ!!)
とかく目立ちがちなハハジャであるが、その実績は実のところほぼ囮にあると言っても過言ではない!!
彼女がその巨体を生かして暴れれば、他のファミリーへ警察の目が行くことがなくなるからだ!!
その後に汚れ仕事を請け負うのは、大抵がチチジャの役目なのである!!
それだけに彼の暗殺術は、他のファミリーの誰よりも抜きん出ていた!!
彼はアンネの投擲したナイフを拾い上げ、ハイドの背中へと迫る!!
そのナイフでハイドの首を掻けば、ジ・エンドだ!!
彡⌒ミ(誰かは知らんが、サウスガットを倒して名を上げようなんざ百年早かったな)
彡⌒ミ(これで終わりだ!)
そしてナイフは無慈悲にも、ハイドの首へ突き立ったかに見えた!!
.
431
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:32:08 ID:XCQ3iK3U0
.
(//‰ ゚)「……」ギチィッ
;彡⌒ミ(なっ……何ィッ!?)
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「……!!」
ハハジャが目撃したもの!!それは背後から奇襲したナイフが、あっさりと弾かれる様子だった!!
首に潜り込むかと思われたナイフは、まるで固い地面に投げられたかのように、容易に刀身を曲げたのだ!!
ハイドのしたこと!!それは攻撃に備えて体に力をこめただけである!!
逆に言うならば、それしか出来ることがなかったとも言える!!
磁力に足を吸着され、空気弾に腕を固定され、それでもハイドは内心に笑みを湛えていた!!
(//‰ ゚)(背後からの攻撃……恐らくはチチジャ=サウスガット……)
(//‰ ゚)(並の刃物なら皮膚すら通さねぇか……いいねぇ)
(#//‰ ゚)「……ッ!!」ミキミキィッ
奇襲を退けたと知るや、ハイドの体にみるみる血管が浮かぶ!!
それに応じるかのように、彼の体を固定していた空気の錠が破壊された!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)(枷を力で!? これじゃまるで、トレジャーと同じ……!!)
そして磁力をまとった体は、何の障害も感じさせずに動き始めた!!
.
432
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:34:31 ID:XCQ3iK3U0
.
手始めにハイドは、見えないはずのチチジャへ向けて、正確な肘打ちを食らわせる!!
;彡⌒ミ(はぅっ……!?)カクンッ
それはチチジャの顎を射抜き、意識を体の外へ弾き飛ばすことに成功した!!
l从・∀・;ノ!リ人「マグネティカが効いてないのじゃ!?」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「違う!パワーだけで磁力を振り切ってるんだ!」
そしてハイドは、瞬く間にナージャへと接近!!その幼い体へ当て身を食らわせた!!
l从 ∀ ;ノ!リ人「あうっ……」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「ナージャ!!」
∬#´_ゝ`)「このぉっ……よくも妹を!!」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「止しな!!アンネ!!」
(//‰ ゚)「……」フォンッ
振り向き様の裏拳は、アンネの腹部へとめり込む!!
∬;´_ゝ`)「ぐぅっ!?」
その拳を受けたアンネは、滑るように五メートルほども吹き飛ばされていった!!
.
433
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:35:46 ID:XCQ3iK3U0
.
∬; _ゝ )「がっ……はっ……」
l从 ∀ ;ノ!リ人「……」クテン
彡⌒ミ
(; _ゝ )「……」ドサッ
(//‰ ゚)「……」コキッ、コキッ
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「……あんた、ただ者じゃないね」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「そのパワー、スピード、反射神経。まるでトレジャーでも相手にしてるみたいだ」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「だが、私も家族をやられて黙っちゃいられないんでね」
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「たとえこの体弾け飛ぼうとも、あんただけは殺す!!」
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「ハァァァァァァァァ!!!!!」
.
434
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:36:41 ID:XCQ3iK3U0
.
気合いと共に、ハハジャの手のひらへ圧縮された空気が集まる!!
それは凝縮され、収斂し、まるで固体のように白く可視化された!!
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「特大の空気弾だよ……当たれば骨も残さない……」
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「食らいな!!」
(//‰ ゚)「……」ヴヴンッ
ハハジャはそれを、ナックルと共にハイドの顔面へと叩き込んだ!!
しかしハイドも、ただそれを受けるだけにとどまらない!!
二人の体は交差し、ハハジャの手のひらからは強烈な爆風が放たれた!!
从 ゚∀从「……ッ」
ハハジャの必殺技は、ハイドの顔の包帯を引き剥がす!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「……ぐあぁぁぁっ!!!」
しかしダメージを負ったのは、ハイドではなくハハジャであった!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「ハァ……ハァ……ぐぅっ!!」
ハイドの顔面を叩いたハハジャの腕は、肘が逆方向に折れ曲がり、無惨にも骨折させられていた!!
.
435
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:37:46 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「くうぅ……」ガクンッ
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「あんた……ハイド=ハートマンかい……?」
从 ゚∀从「あーあ、せっかく隠してたのにバレちまったかよ」
从 ゚∀从「まぁいい。クラウン=デビルのデビュー戦はこんなもんだろ」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「あんた、どこでそんな力を……」
从 ゚∀从「オメーに話す義理はねぇな、サウスガット」
从 ゚∀从「さて、最後の仕上げだ」ヴゥゥンッ
ハイドの腕から、奇妙な音が鳴り響く!!
ハハジャはそれを空気弾で迎え撃とうと、折れた腕とは反対の腕を持ち上げる!!
だが!!
.
436
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:38:41 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ`)(空気弾が出ない……!?)
ハハジャの体は痺れ、かろうじて持ち上げた腕にも力は入っていない!!
从 ゚∀从「知ってっか?お前ら超人の体は、強い振動を体の内部に叩き込むと機能を停止させるんだ」
从 ゚∀从「オメーの怪力も空気弾も、今じゃ何の用も成さねぇよ」
そうそれは、かつてハイドが収容所で見た風景そのものだった!!
アーサー=ピーコックの開発したショックウェーブアブソーバー!!
その機構を、自らの肉体で再現できるように修練したのである!!
彼を取り囲む羽虫のような音は、筋肉を微細に振動させ、敵の肉体へ衝撃波を送り込むためのもの!!
超人と化してからこの日までの数日、彼はショボンニの邸宅で絶えず振動の習得に明け暮れていた!!
その練習台となったのが、サウスガットファミリーだったのである!!
空気弾を顔面に受けながら、ハイドはハハジャの腕へ、振動衝撃波を叩き込んでいたのだ!!
まさに肉を切らせて骨を断つ、必殺の仕事と言えるだろう!!
.
437
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:40:00 ID:XCQ3iK3U0
.
从 ゚∀从「今までサウスガットにゃ何度も煮え湯を飲まされて来たが、それも今日で終わりだ」
从 ゚∀从「眠りな、ハハジャ。次に起きたら、そん時ゃ収容所だぜ」
振動音と共に、ハイドはハハジャへ歩み寄る!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「クッ……サウスガットを、舐めるんじゃないよ!!」
震える膝を無理に起こし、ハハジャは立ち上がる!!
しかし彼女にはもはや、抵抗する力は残されていなかった!!
从#゚∀从「オォォォォォッ!!!」ヴンンッ
掌底打に振動を乗せ、ハイドが放つ!!
その掌は、ハハジャの鳩尾へ正確に吸い込まれていった!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「ぐはぁっ……!!」
衝撃はハハジャの体を伝い、鉄筋で固められた地面をも砕いた!!
そして彼女は、その巨体を地面へと横たえることとなったのである!!
.
438
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:40:42 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ )
∬;_ゝ )
彡⌒ミ
(; _ゝ )
l从 ∀;ノ!リ人
从 ゚∀从 ザンッ
从 ゚∀从「あばよ、サウスガット。二度と会うことはねーだろうがな」
.
439
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:42:18 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
【中央警察署……】
_
(;゚∀゚)「はぁ……」
£°ゞ°)「オーウ、どしたノージョージさーん?」
_
( ゚∀゚)「あーん?何でもねぇよ」
£°ゞ°)「まだ署長から連絡ないの気にしてるノー?」
£°ゞ°)「署長も子供じゃないんだから、どっかで生きてるヨー!」
_
( ゚∀゚)「うっせぇなぁ、そんなんじゃねっつの」
£°ゞ°)「オーウ……じゃあどしたの?またサボり?」
_
(;゚∀゚)「あぁっ、もう!あっち行けロミス!しっしっ!」
£;°ゞ°)「オーウ……ファーック……ガッデーム……サノバビーッチ……」
_
(;゚∀゚)(兄貴もそうだが、アンネさんからも連絡ないなんて言えねぇだろ……)
.
440
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:43:19 ID:XCQ3iK3U0
.
(;^ω^)「たっ、大変ですおー!!」ドカバァンッ
_
(;゚∀゚)「うわっ、ビックリした!ドアは静かに開けろって言われてんだろ!」
£°ゞ°)「お前モナー。んで、どしたのブーン?」
(;"ゞ)「のんびりしてる場合じゃないですよ、ジョージさん!」
_
(;゚∀゚)「なんだなんだ、デルタまで……祭りでも始まるってのか?」
(;^ω^)「今、署に匿名の電話があって……『サウスガットファミリーを確保した』って!」
_
( ゚∀゚)「はぁ?んなもんガセだろ、いちいち騒ぐなよ」
_
( ゚∀゚)「あのサウスガットがそうそう簡単に捕まるかっての」
(;"ゞ)「それが、指定された住所がサウスガットのアジトと目される場所で……」
(;^ω^)「警察関係者でもないのにその場所を知ってるってことは、マジ情報っぽいんですお!」
_
(;゚∀゚)「……ウソだろ?」
£°ゞ°)「オーウ、そりゃ一大事ネー!さっそく現場に急行しないと!」
_
(;゚∀゚)「いやいや、ちょっと落ち着け。情報の真偽を確かめてからでも遅くは……」
(;"ゞ)「何言ってるんですか!現場に走った方が確認するより早いでしょう!」
(;"ゞ)「今すぐパトカーを回します!皆で向かいましょう!」
_
(;゚∀゚)「お、おう……」
.
441
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:44:49 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
【サウスガットアジト近辺……】
(;^ω^)「通報があったのはこの辺りのはずですお……」ブロロロ
_
(;゚∀゚)「や、やっぱガセだったんじゃねぇの……」
( "ゞ)「工場の中も見てみましょう!奴らがいるとしたら、そこが一番怪しい」
£°ゞ°)「ワッホゥ!!本当にサウスガットいたら大手柄ネー!!」
_
(;゚∀゚)「ったくよぉ……んなしょうもない情報に踊らされるんじゃねーっての」
£°ゞ°)「どしたノー、ジョージ?なんかソワソワしてるネー?」
_
(;゚∀゚)「別にソワソワなんてしてねー!!」
(;^ω^)「あっ……ジョージさん、あそこ!!」
_
(;゚∀゚)「んあっ!?」
.
442
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:45:43 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ )
∬;_ゝ )
彡⌒ミ
(; _ゝ )
l从 ∀;ノ!リ人
_
(;゚∀゚)「アンネさ……!!」ガタンッ
£°ゞ°)「?」
_
(;゚∀゚)「あっ、いや……姉(あね)さんまでいやがるぜ、サウスガットの!」
(;^ω^)「確かに、サウスガット勢揃いですけど……」
(;"ゞ)「気絶してる、のか?」
£°ゞ°)「何があったんだろネー?大惨事だヨーコレ」
(;^ω^)「でも、これはビッグチャンスですお!」
( "ゞ)「ジョージさん、奴らが起きないうちに早く逮捕しましょう!」
_
(;゚∀゚)「あ……あぁ……」
.
443
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:46:37 ID:XCQ3iK3U0
.
_
(;゚∀゚)(ヤベェ……ヤベェぞこれは……)
_
(;゚∀゚)(どうにかしてアンネさんだけでも逃がしたいが、この状況じゃ無理だ!)
Prrr、Prrr……
_
(;゚∀゚)「だ、誰だこんな時に!?」ビクッ
【メール受信:アニキ】
_
(;゚∀゚)「……!!」
_
(;゚∀゚)「何だって、このタイミングで兄貴から……?」ピッ
【最後のケジメはテメーでつけな、ジョージ】
_
(;゚∀゚)「!?」
_
(;゚∀゚)(この文面、まさかサウスガットをやったのは兄貴なのか!?)
_
(;゚∀゚)(てことは、兄貴もまだこの近くにいるのか!!)キョロキョロ
.
444
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:48:40 ID:XCQ3iK3U0
.
( "ゞ)「どうしたんです、ジョージさん。早く捕まえないと大変なことになりますよ!」
_
(; ∀ )「うっ……」
(;^ω^)「ジョージさん……?」
_
(; ∀ )「ぐぅぅぅっ……!!」
£°ゞ°)「ハリアーップ、ジョージ!!」
_
( ∀ ) プツンッ
ゴンッ!!
(;^ω^)「ジョージさん!?」
(;"ゞ)「何してんですか!?」
£;°ゞ°)「えぇ……」
.
445
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:49:15 ID:XCQ3iK3U0
.
_
( ;∀;)「あぁぁぁぁぁぁっ!!!」ガンッ、ガンッ、ガンッ!!
(;^ω^)「ジョージさん落ち着いて!!」
(;"ゞ)「一体どうしたんですか!!」
£;°ゞ°)「オーウ……ジョージおかしくなっちゃったノー……?」
_
( ;∀;)「バッキャロー!!サウスガットが手錠で拘束できるか!!」
_
( ;∀;)「今すぐ本署に連絡して、拘束着持ってこさせるんだよォ!!」
(;^ω^)「そ、そうですおね!」
(;"ゞ)「今すぐ連絡します!」
£;°ゞ°)「でもナンで号泣!?」
_
( ;∀;)「るっせー!!さっさとしろバーカ!!」
£;°ゞ°)「オウフ……要求が理不尽すぎるヨー……」
_
( ;∀;)(うぅぅ……すまねぇ、アンネさん……!!)
.
446
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:49:49 ID:XCQ3iK3U0
.
【サウスガットファミリーアジト、屋上……】
从 ゚∀从「……」
从 ー∀从 フゥ
ヒュンッ
.
447
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:51:38 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从「ただいまー」ガチャ
(;´・ω・`)「おぉうっ!?」ドキッ
从 ゚∀从「おうおっさん、今帰ったぞ」
(;´・ω・`)「いきなり顔出すの止めてくれないかな。心臓に悪いんだけど……」
(;´・ω・`)「というか君、どこから入ってきたの?」
从 ゚∀从「天井裏が開いてたんでそこからな」
(´・ω・`)「開いてたねぇ……どうせ君のことだ、力ずくで開けたんじゃないのかね?」
从 ゚∀从「しゃーねーだろ、玄関先にゃまだマスコミがいるんだからよ」
(´・ω・`)「フーッ……とんだ厄介者を抱え込んだ気分だよ」
(´・ω・`)「これで君を匿ってたなんて噂が立ったら、私は生きていけないんだがねぇ」
从 ゚∀从「ヘッ。あんた初対面の時より、だいぶ小物じみて来たな」
从 ゚∀从「黒幕ヅラしてた時より、よっぽど親近感わくぜ?」
(´・ω・`)「うるさいよ、君」
.
448
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:52:21 ID:XCQ3iK3U0
.
从 ゚∀从「ところでおっさん、聞きてぇことがあるんだが」
(´・ω・`)「なんだい。明日の天気ならテレビに聞いてくれよ?」
从 ゚∀从「ちげーよ。この辺り、野良犬の溜まり場でもあんのか?」
(´・ω・`)「野良犬?そんなもの、ここに住んでから一度も見たことないよ」
(´・ω・`)「仮にもクラウン=シティ随一の高級住宅なんだ。野良犬の出るような立地じゃない」
从 ゚∀从「だよなぁ……だが、屋根から俯瞰して見たら、屋敷の周りに犬がわんさかいたぜ?」
(;´・ω・`)「えぇ……」
从 ゚∀从「しかも、パパラッチどもの目につかねぇよう隠れて潜んでやがった」
从 ゚∀从「もし心当たりがあんなら、出掛けに襲われねぇよう気をつけときな」
(´・ω・`)「……それ、君の方が心当たりあるんじゃないのか?」
从 ゚∀从
从 ^∀从
(;´・ω・`)「おいっ、何だその爽やかな笑いは!?明らかに何か知ってる顔だろそれ!!」
从 ^∀从「ンナハハハ、じゃーなおっさん!」
ヒュンッ
(;´・ω・`)「おーい!?ちゃんと説明したまえ!!おーい!!」
.
449
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:53:29 ID:XCQ3iK3U0
.
こうして、ハイド=ハートマンは復讐の第一歩を踏み出した。
そしてそれと時を同じくして、再び始動した獣が、もう一人……。
.
450
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:53:53 ID:XCQ3iK3U0
.
▼・ェ・▼「……」ヒョコッ
.
451
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:54:25 ID:XCQ3iK3U0
第十九話終わり
452
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:59:28 ID:XCQ3iK3U0
【登場人物紹介】
l从・∀・ノ!リ人
MAGNETICA
本名:ナージャ=サウスガット
サウスガットファミリー次女。アーニーとオットーの妹に当たる。
幼いながらも強力な能力を有し、ファミリーの盗みに貢献していた。
能力「マグネティカ」は、磁性体を生み出し敵の肉体に磁力を付与させる。
その強さは地面が鉄である場合、全く身動きが取れなくなるほどである。
.
453
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 21:15:50 ID:prZItAgo0
ドルチェの出番キタコレ
乙
454
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 22:22:15 ID:JTZurxy20
今回もおもしろかった!乙
455
:
名無しさん
:2018/09/01(土) 00:52:59 ID:ovQ7gdE20
乙
456
:
名無しさん
:2018/09/04(火) 12:38:47 ID:wCxcQFdo0
かなりの化け物だな
乙
457
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 00:26:28 ID:4kEB1O9s0
待ってるやで
458
:
名無しさん
:2019/05/23(木) 00:59:42 ID:Y1FzIwFQ0
ビーーーーーッグトレジャーーーーーー
459
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:33:08 ID:EF2jqLeg0
前回までのあらすじ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
460
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:33:28 ID:EF2jqLeg0
.
从 ゚∀从 before…
↓
(//‰ ゚) after!!
ハイド署長、覚醒!!!
.
461
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:34:03 ID:EF2jqLeg0
@@@
@#_、_@
(# ノ`)<Fuck!!
∬#´_ゝ`)<Goddam!!
l从・∀・#ノ!リ人<Son of a bitch!!
_
(;゚∀゚)<Oh,No!!!!
サウスガットファミリー、逮捕!!!
.
462
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:34:27 ID:EF2jqLeg0
.
∧_∧
( ,,^Д^)
( ∪ ∪
と_)●__)
ビッグ・トレジャー、全裸待機!!!
以上!!!
.
463
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:35:41 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
『本日、クラウンシティを震撼させたヴィラン、サウスガットファミリーが特別収容所へ収監されます』
『検察は主犯格であるハハジャ=サウスガットとチチジャ=サウスガットへ、無期懲役を求刑』
『それに対し裁判所は、訴えを全面的に認める判決を下しました』
『警察による厳戒態勢が予想されますので、周辺住民の方々は警察車両へ近づかないようご注意ください』
|゚ノ ^∀^)「はーあ、あのサウスガットが逮捕かい!」
|゚ノ ^∀^)「世の中なにが起こるか、分からんもんだねぇ〜」
( ∴)「……」
|゚ノ ^∀^)「この街も、ぼちぼち悪党どもの天国とは言えなくなってきたね」
|゚ノ ^∀^)「バカども相手に荒稼ぎ出来てた頃が懐かしいよ」
|゚ノ ^∀^)「あんたもそう思うだろ、ギャシャール?」
(,,;゚-゚)「いやあの……ボク最近越してきたばっかりなんで……」
(,,;゚-゚)(なんでボクこんな愚痴聞かされてるんだろ……)
.
464
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:36:53 ID:EF2jqLeg0
.
|゚ノ ^∀^)「けど、こうまで街が騒がしいと、あんたにとっちゃ稼ぎ時だろ?」
(,,;゚-゚)「いえ、そんなことは……」
|゚ノ ^∀^)「嘘つきなよ。あんたが裁判所に張り込んでるって話、聞いたんだよ!」
(,,;゚-゚)「それは〜……サウスガットの入廷シーンが撮れればいいなって……」
|゚ノ ^∀^)「で?どうだったんだい?」
(,,;゚-゚)「けっこういい値段で売れましたけど〜……」
|゚ノ ^∀^)「ほれ見たことかい!あんたもけっこうやるじゃないか、この銭ゲバ!」グリグリ
(,,;゚-゚)(あぅぅ……帰りたいよぉ……)
(,,;゚-゚)(帰ってカメラのレンズ磨きたぁい……)
(,,;゚-゚)(ひたすら無心でキュッキュッキュッキュッキュッキュッ……)
( ∴)「……おい」
(,,;゚-゚)「は、はい!!」ビクッ
( ∴)「……コーヒー……おかわりいる……?」
(,,゚-゚)「あ、お願いします。砂糖とミルクアリアリで」
( ∴)「……あいよ」コポコポ
(,,゚-゚)
(,,゚-゚)(なんか普通に馴染んじゃってるのがダメなんじゃないかなボク)
.
465
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:38:02 ID:EF2jqLeg0
.
( ∴)「ババァもその辺にしといてやれや……」
( ∴)「ほい……コーヒー……」コト
(,,゚-゚)「あ、どうも」
|゚ノ ^∀^)「あァン?ガキが口挟むんじゃないよ!」
( ∴)「年寄りは無駄話が長いんだよ……」
( ∴)「あんた、それ飲んだら帰っていいよ……」
(,,゚-゚)「あ、はい。そうします」
|゚ノ ^∀^)「私にもコーヒー淹れな!アメリカンでね!」
( ∴)「あんたは自分でやれ……客でもないクセに……」
|゚ノ#^∀^)「ジル、あんた最近ナマイキだよ!誰の金でメシ食ってると思ってんだい!」
( ∴)凸「うっせバーカ……有り金置いてさっさとくたばれ……」
|゚ノ#^∀^)「キィ〜〜〜!!!このクソガキがぁ〜〜〜!!!」
(,,;゚-゚)「あっあの!!そろそろボクおいとましますね!!」
( ∴)「おう……またな……」
|゚ノ#^∀^)「ジル!!あんたは殺してやるからそこに座りな!!」
( ∴)「やってみろ……返り討ちだババァ……」
(,,;゚-゚)「しっ失礼しま〜す!!」シュタタッ
.
466
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:38:40 ID:EF2jqLeg0
.
(,,゚-゚)「はぁ〜、やっと出られた……一度つかまると話が長いんだよなぁ大家さん……」
(,,゚-゚)「今日はただ家賃払いに行っただけなんだけどなぁ〜……」
(,,゚-゚)「でもうちテレビないから、たまに厄介にならないと情報入って来ないしなぁ……」
(,,゚-゚)「それにしても、サウスガット今日収監なんだ……知らなかった」
(,,゚-゚)「また張り込んでれば、いい写真撮れないかな?」
(,,゚-゚)「……そうだ!アンドリューさんに連絡してみよう!」
(,,゚-゚)「そんなに有名なヴィランなら、ヒーローたちもきっと動いてるはず!」
(,,゚-゚)「それに便乗してれば、写真の一枚や二枚サクサク撮れるかも!!」
(,,゚-゚)「よーし、さっそく電話だ!」
ピピピッ
.
467
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:39:25 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
(´・_ゝ・`)「……」カタカタ
( ,,^Д^)「デミタス!!」ウィーン
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。お疲れ様です」
( ,,^Д^)「サウスガットの任意護衛の準備は出来たかね?」
(´・_ゝ・`)「えぇ、最善は尽くしました」
(´・_ゝ・`)「ここに所属するヒーロー総出で、サウスガットファミリーを収容所まで見送りますよ」
( ,,^Д^)「そうか、ご苦労!!」
(´・_ゝ・`)「しかし、あのサウスガットが捕まるとは……何があったんでしょう」
( ,,^Д^)「分からん……迂闊な敵に挑む一団ではないはずだがな」
( ,,^Д^)「私としても、彼女らを収容所送りにせねばならないのは心苦しいものがある」
(´・_ゝ・`)「ですが、逃走すれば市民に危険が及ぶのも事実です」
(´・_ゝ・`)「それだけは避けなければ……」
( ,,^Д^)「そのことなんだが、実は今ある人たちからサウスガットの情報を入手してな」
( ,,^Д^)「君も一緒に聞いてくれないか」
(´・_ゝ・`)「ふむ?どなたですか?」
( ,,^Д^)「入ってくれ!!君たち!!」
.
468
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:40:13 ID:EF2jqLeg0
.
(゚A゚* )「やーどーもどーも!お久しぶりですー!」
¥・∀・¥「どうも、こんにちは」
爪゚ー゚)「ちぃーっす」
(´・_ゝ・`)「あなたたちは確か……交番勤務の人たち?」
(゚A゚* )「そうですそうです!交番勤務のノートンですわ!」
¥・∀・¥「同じく交番勤務のマニーです」
爪゚ー゚)「ジーノっす」
(´・_ゝ・`)「あなたたち、サウスガットの送監で忙しいんじゃ……」
(゚A゚* )「うちらのやること言うたら、一般人が護送車に近寄らんよう交通整理するだけですから」
(゚A゚* )「たまたま担当地域がこの辺やったんで、ついでにちょっと顔出しさせてもらったんですわー」
爪゚ー゚)「素直にサボりって言えよ」
(゚A゚* )「やかましわ!サボってなんかない!」
(゚A゚* )「ヒーローに助けを請うて何が悪いんや!」
¥;・∀・¥「警察としてそれでいいのかって気はするけどね……」
( ,,^Д^)「しかしそのおかげで、ひとつの有益な情報を得たぞ!!」
(´・_ゝ・`)「と言いますと?」
.
469
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:41:09 ID:EF2jqLeg0
.
(゚A゚* )「なんや聞いた話なんですけど、ハハジャが捕まる時、えらい憔悴してたらしいんですわ」
¥・∀・¥「連行された時もほとんど抵抗らしい抵抗をしなかったそうです」
爪゚ー゚)「そんで、あのハハジャの鉄骨みたいなぶっとい腕が、誰かにブチ折られてたんですと」
(´・_ゝ・`)「なんだって?」
( ,,^Д^)「クラウン=シティでも有数の肉体強度を誇るハハジャが、そこまで追い込まれていたらしいのだ!!」
(;´・_ゝ・`)「まさか相手は、ファニーフェイス……!?」
( ,,^Д^)「いや。ファニーフェイスが相手なら、骨折などという生易しい怪我では済むまい!!」
( ,,^Д^)「あくまでも私見だが、その敵はハハジャを無力化したかったように感じられるな!!」
(´・_ゝ・`)「では、一体誰が……」
(゚A゚* )「それなんやけどなぁ。今うちの署内で、ミョーな噂が流れてましてね……」
(´・_ゝ・`)「噂?」
.
470
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:42:58 ID:EF2jqLeg0
.
(゚A゚* )「ハハジャが捕まったとき、誰かに気絶させられてたらしいんですわ」
(゚A゚* )「そんで拘束してパトカーに乗せられる時に、ポツリとうわ言呟いた言うんです」
(゚A゚* )「『ハイド=ハートマン』……って」
(;´・_ゝ・`)「それは……!!」
( ,,^Д^)「うむ。行方不明の署長の名を、何故か呟いたというんだ!!」
¥・∀・¥「ですが、我々も署員総出で逮捕に当たったので、誰がそれを聞いたのか分からないんです」
爪゚ー゚)「誰かの空耳なんじゃねーかとも思うんスけどねぇ」
( ,,^Д^)「しかし、偶然や空耳にしてはあまりにタイミングが良すぎると思わないかね?」
( ,,^Д^)「署長の失踪、残された彼の名前、そしてハハジャを無力化した痕跡……!!」
(;´・_ゝ・`)「確かに……あまりに符号が合いすぎる……」
( ,,^Д^)「私は、その二つの事件に何らかの関係があるものとして見ている!!」
( ,,^Д^)「君もそのつもりで事に当たってくれ!!」
(´・_ゝ・`)「了解です。サー・トレジャー」
.
471
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:43:47 ID:EF2jqLeg0
.
(゚A゚* )「まぁ署長がなんかしら噛んでるんやとしたら、こっちにもいずれ連絡来るんやないか思ってます」
¥・∀・¥「逆に警察にも話せないとなると、それなりの事件に巻き込まれてる可能性もありますし」
爪゚ー゚)「どっちにしろ、生きてる証明にはなるから楽観はしてますけどね?」
(´・_ゝ・`)「そうですか。ご協力感謝します」
(゚A゚* )「あとうちらにも守秘義務あるんで、このことは内密にな!」
( ,,^Д^)「無論です!!このことは我々だけの秘密としましょう!!」
¥・∀・¥「では、そろそろ交通整理に戻りますので」
爪゚ー゚)「ぼちぼち拘置所からサウスガットが出てくる時間だしな」
(´・_ゝ・`)「ご苦労様です。我々も準備しましょう」
( ,,^Д^)「うむ!!皆には私から声をかけておこう!!」
.
472
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:44:34 ID:EF2jqLeg0
.
ティロリロリン、ティロリロリン
(´・_ゝ・`)「……おや?」
( ,,^Д^)「電話かね?」
(´・_ゝ・`)「誰からだろう……」
【from:ギャシャールくん】
(;´・_ゝ・`)「あー……ギャシャールくんからです……」
( ,,^Д^)「ふむ。出てはどうかね?」
(´・_ゝ・`)「いや、よしておきましょう」
(´・_ゝ・`)「今は多忙な時です。酷なようだが彼に応じている猶予はない」
( ,,^Д^)「そうだな!!申し訳ないが今はご遠慮願おう!!」
(´・_ゝ・`)「それよりサー・トレジャー、各々の護衛担当地域について相談が……」
( ,,^Д^)「うむ、聞こう!!」
.
473
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:45:34 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
(,,;゚-゚)「……ダメだぁ、繋がんない」
(,,゚-゚)「そりゃそうか。忙しい最中だもんなぁ」
(,,;゚-゚)「あーこのままじゃ決定的なスクープ逃しちゃうよ〜〜!!」
( ∴)「……何してんの?」
(,,゚-゚)「あ、ジルさん。お外出てきたんですか?」
( ∴)「ババァがマジギレしたから逃げてきた……」
(,,;゚-゚)「そ、そうですか……」
( ∴)「あんたこそ……こんなとこで騒がれると迷惑なんだけど……」
(,,;゚-゚)「すみません!けど生活かかってるんで……これでも……」
( ∴)「まぁ……写真屋が写真撮れなきゃ飯の食い上げだからな……」
(,,゚-゚)「そう!そうなんですよ!だから困ってたんです!」
( ∴)「だからってこんなとこで地団駄されてもな……」
(,,;゚-゚)「ぐっ……正論なんて嫌いだ……」
.
474
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:46:51 ID:EF2jqLeg0
.
(,,;゚-゚)「でもなー……このまま黙って見過ごすには惜しすぎるスクープなんだよなぁ……」
( ∴)「……」
( ∴)「良かったら車、出してやろうか……?」
(,,゚-゚)「え、ホントに?」
( ∴)「収容所近くは警備厳しいから遠目に見るだけになるが……」
(,,゚-゚)「やったぁ!!助かります!!でもなんで?」
( ∴)「……ババァ一度キレると三時間はキレっぱなしだからな……時間潰し……」
(,,;゚-゚)「な、なるほど」
(,,゚-゚)「でも本当にありがとうございます!前に一度殺されかけたけど!」
(;∴)「……あんたさては、意外と根に持つタイプだな?」
(,,゚-゚)「車出してくれるなら帳消しですよ!早く行きましょ!」
( ∴)「……現金なやつ」フゥ
.
475
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:48:19 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【一方その頃、中央警察署……】
( "ゞ)「ジョージさん。署員の警備配置、終わりました」
( ^ω^)「ヘリの出動要請もオーケーですお!」
£°ゞ°)「準備万端ネー!!」
_
( ゚∀゚)「あぁ、分かった」
_
( ゚∀゚)「これから拘置所へサウスガットを迎えに行く。お前ら気ィ引き締めて行けよ」
( ^ω^)「はいですお!」
£°ゞ°)「モチロンヨー!」
_
( ゚∀゚)「俺ァ小便済ませてくるから、先にパトカー乗っとけ」
_
( ゚∀゚)「じゃーな」バタン
.
476
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:48:51 ID:EF2jqLeg0
.
( ^ω^)「……ジョージさん、最近ちょっと頼もしくなりましたおね」
£°ゞ°)「ホントにネー。まるで署長がいるみたいに感じることあるヨー」
( ^ω^)「サウスガットを逮捕して、一皮剥けた感じですかおねぇ」
£°ゞ°)「サボり魔だった頃とは大違いネー。これで特犯課も安泰だネ!」
( "ゞ)「あぁ、そうだな……」
( ^ω^)「これでデルタさんも一安心ですおね!」
( "ゞ)「……すまん、ブーナー、ロミス。私もトイレを済ませてから行こう」
( ^ω^)「あ、はい。分かりましたお」
£°ゞ°)ノシ「パンツ濡らさないようにネー」
.
477
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:50:12 ID:EF2jqLeg0
.
_
(;゚∀゚)「……ふぅ」バタン
_
(!i! ∀ )「うっ……」ビクッ
_
(!i! ∀ )∵「オエッ……」ゲボッ
_
(!i! ∀ )「ゲェッ……ゲヘェッ……!」ボタボタッ
_
(!i! ∀ )「オェェェェッ……!!」ビチャァッ
_
(!i! ∀ )「ハァ……ハァ……クソがっ……!!」ゴシゴシ
_
(!i! ∀ )「バカか俺は……この程度のことにプレッシャー感じてんじゃねぇよ……!!」
.
478
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:50:49 ID:EF2jqLeg0
.
_
(!i! ∀ )「こんなんじゃ兄貴の代わりなんて務まらねぇ……こんなんじゃ……!!」
コンコン
_
(!i! ∀ )「……!!」ビクッ
( "ゞ)「ジョージさん、いるんでしょう?」
_
(!i! ∀ )「デルタ……」
( "ゞ)「あぁ、大丈夫です。どうかそのままで」
( "ゞ)「顔色が優れなかったので、個室にいるだろうなとは思ってました」
( "ゞ)「ご気分は?」
_
(!i! ∀ )「……へへ、人生で一番の絶好調だぜ」
( "ゞ)「……そうですか。強がれるなら大丈夫ですかね」
.
479
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:51:46 ID:EF2jqLeg0
.
_
(!i! ∀ )「悪いな、落ち着いたらすぐに行くからよ……」
_
(!i! ∀ )「どーも腹具合が悪くていけねぇや……」
( "ゞ)「人生で一番の絶好調じゃなかったんですか?」
_
(!i! ∀ )「ケッ……そうやってすぐ言葉尻掴みやがる……」
( "ゞ)「……ジョージさん。あまり無理はしないでくださいね?」
( "ゞ)「あなたはあなた、署長は署長です。署長の代わりを務めようとしなくてもいいんです」
_
(!i! ∀ )「るっせぇ!!俺じゃなきゃ誰が兄貴の代わりするってんだよ!!」
_
(!i! ∀ )「お前らだって本当は兄貴がいればと思ってるんだろ!?」
( "ゞ)「それは確かに、署長がいるといないとでは効率は段違いです」
_
(!i! ∀ )「ほらな、だから俺がやらにゃいけねぇんだ……」
( "ゞ)「ですがそれは、あなた一人が責を負えばいいという問題ではありません」
_
(!i! ∀ )「……!」
.
480
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:52:56 ID:EF2jqLeg0
.
( "ゞ)「我々は何のためにチームを組んでるんです?」
( "ゞ)「一致団結して、ヴィランを逮捕するためではないんですか?」
_
(!i! ∀ )「……」
( "ゞ)「署長のいなくなった今こそ、我々の団結力が試されているんです」
( "ゞ)「あなた一人がプレッシャーを負う必要は何一つありません」
( "ゞ)「ですから肩の荷を下ろして、力を抜いてください」
( ^ゞ)「我々のためにも、ね?」
_
(; ∀ )「……」フゥ
ガチャッ
( "ゞ)「ジョージさん」
_
(;゚∀゚)「悪かったな、デルタ。ちょっと落ち着いた……」
.
481
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:53:45 ID:EF2jqLeg0
.
( "ゞ)「お気になさらず。あの署長の実弟というだけで、重圧を感じるのは当然のことですから」
_
(;゚∀゚)「兄貴は毎回こんなプレッシャー感じてたんだな……」
_
(;゚∀゚)「よくもまぁあんなに平然としてられたもんだぜ」
( "ゞ)「バランス感覚に長けた人でしたからね……気を抜くべきところではちゃんと息抜きしてましたから」
_
(;゚∀゚)「……俺よぉ、ホントはサウスガット逮捕して、ビビってたんだよな」
( "ゞ)「と、いうと?」
_
(;゚∀゚)「実力でもねーのにたまたまサウスガットみてーな大物逮捕して、いつか報復されるんじゃねぇかって……」
_
(;゚∀゚)(アンネさんのことも気がかりだったし)
( "ゞ)「なるほど。それがサウスガットの搬送になって吹き出したと」
( "ゞ)「安心なさい。報復される時は我々も一緒ですよ」
_
(;゚∀゚)「何の慰めにもなってねーよ、それ」
( "ゞ)「四人いれば死ぬ確率は1/4ですから、くじ引きみたいなもんです」
_
(;゚∀゚)「ドライだなお前……いっぺんに死ぬ確率もあるだろうに」
( "ゞ)「さぁ、もう十時です。そろそろ行きましょう」
_
( ゚∀゚)「……あぁ、そうだな。気合い入れっか!」
.
482
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:55:10 ID:EF2jqLeg0
.
【AM10:23】
サウスガットファミリー、拘置所から移送
< ゚ _・゚>「ご苦労様です、警部どの!」
_
( ゚∀゚)「おぅ、ご苦労さん。フィリップ」
( "ゞ)「ご苦労様です、フィリップ看守長。サウスガットの様子はどうですか?」
< ゚ _・゚>「大人しくしてますよ、えぇ」
< ゚ _・゚>「チチジャだけは消えたり現れたりして、落ち着かない様子ですがね」
_
( ゚∀゚)「そうか……奴らなら一目散に逃げると思ってたけどな」
( "ゞ)「観念したということでしょうかね……」
( "ゞ)「少なくとも、あのハハジャが拘束具程度で縛れるとは思えませんが」
< ゚ _・゚>「それも見ていただければ分かるかと」
< ゚ _・゚>「どうぞ、こちらです、えぇ」
_
( ゚∀゚)「おう」
( "ゞ)「はい」
.
483
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:57:13 ID:EF2jqLeg0
.
< ゚ _・゚>「今は四人とも落ち着いてますが、ここへ連れて来られた時はそれはもう大騒ぎでしたよ」
< ゚ _・゚>「拘置所から出すときに一番手間取るのは、恐らくチチジャでしょうね、えぇ」
_
( ゚∀゚)「なんでだ?」
< ゚ _・゚>「消えると着衣ごと見えなくなるので、監視に苦労してるんですよ」
< ゚ _・゚>「なのでまずは、独房内に間違いなくいることを確認しなければなりません」
_
( ゚∀゚)「なるほどな、捕まえてからも確保が面倒なんだな」
ガッシャァァンッ!!
_
(;゚∀゚)「!?」
∬#´_ゝ`)「あいつだよ!ジョージ=ハートマン、ヤツが私に警察の情報を売ってたんだ!」
∬#´_ゝ`)「あんた、私が捕まってご満悦かよ!この恥知らずが!」ガシャンッ、ガシャンッ!
< ゚ _・゚>「あぁ、またか……気にしないでくださいね、警部」
< ゚ _・゚>「先日から錯乱してるようで、ずっと同じ台詞を繰り返してるんです」
( "ゞ)「警部、彼女と面識が?」
_
(;ー∀ー)「……あるわけねぇだろ。見たことも聞いたこともねぇよ」
< ゚ _・゚>「ですよね」
∬#´_ゝ`)「ふざけんな!この××××!死んで詫び入れやがれ!」
< ゚ _・゚#>「やかましい!静かにせんか!」
_
(;ー∀ー)(すまねぇ……アンネさん……)
_
(;゚∀゚)(後で上手いこと根回しすっから、今は我慢してくれ……!)
.
484
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:58:40 ID:EF2jqLeg0
.
< ゚ _・゚>「そしてこちらが、ハハジャの独房です」
_
(;゚∀゚)「……」ゴクリ
< ゚ _・゚>「拘束具ごとこちらのストレッチャーへ乗せて、護送車へ運びます」
< ゚ _・゚>「拘置所員総出でかかりますので、ご安心を。えぇ」
_
(;゚∀゚)「なんか緊張してきた……」
< ゚ _・゚>「毎日ヴィランを相手取る特犯課の警部殿でも、やはり緊張なさいますか」
_
(;゚∀゚)「お、おう。そりゃサウスガットクラスともなればな!」
( "ゞ)(相手取ってないんだよなぁ)
< ゚ _・゚>「今、解錠しますので少しドアから離れてください」
< ゚ _・゚>「何をしでかすか分かりませんからね、えぇ」
.
485
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:00:10 ID:EF2jqLeg0
.
< ゚ _・゚>「ハハジャ=サウスガット、拘置所より移送!全職員待機!」
< ゚ _・゚>「解錠!」ガコンッ、ギィィィ…
@@@
@#_、_@
(■■)「……」ズオォッ
_
(;゚∀゚)「いつ見ても迫力ありやがんな……」
( "ゞ)「……けど、あのサウスガットにしては嫌に大人しいですね」
_
(;゚∀゚)「まさか、死んでやしないだろうな……?」
< ゚ _・゚>「それが、ここへ勾留されてからはずっとこの調子なんですよ」
< ゚ _・゚>「今のところ、我々へは一言も喋りかけてはおりません。えぇ」
< ゚ _・゚>「まぁ話しかけられたところで、応じはしませんがね。えぇ」
( "ゞ)「それが無難な対応でしょうね」
< ゚ _・゚>「ハハジャ=サウスガット。今からお前を収容所へ連行する」
< ゚ _・゚>「抵抗は無駄と思え!!」
@@@
@#_、_@
(■■)「……フン」
.
486
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:01:04 ID:EF2jqLeg0
.
ガシャンッ、ガラガラガラ……
@@@
@#_、_@
(■■)「……」
_
(;゚∀゚)「……ピクリともしねぇな」
(;"ゞ)「却って不気味ですね……何か企んでるんでしょうか」
< ゚ _・゚>「安穏としてはいけませんが、最大限注意を払い護送車へ連れて行きましょう」
_
( ゚∀゚)「あぁ、そうだな……ところであんた」
< ゚ _・゚>「はい?何でしょうか?」
_
( ゚∀゚)「あんた、ホクロがクソでかいってよく言われね?」
< ゚ _・゚;>「そ、それは言わないでください!気にしてるんですから!」
_
( ゚∀゚)「いやぁあんまり目立つからわざとやってんのかなと」
< ゚ _・゚;>「わざとって何ですか、わざとって」
(;"ゞ)「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう、ジョージさん」
_
( ゚∀゚)「悪い悪い。一度気になりだすと止まんなくてよ」
(;"ゞ)「全く……あなたって人はデリカシーがないんだから……」
.
487
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:02:20 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
(■■)「……その声、そこにいるのはジョージ警部かい?」
_
(;゚∀゚)「うぇっ!?」ビクッ
< ゚ _・゚#>「私語は慎め!ハハジャ=サウスガット!」
@@@
@#_、_@
(■■)「……フン。兄弟そろって、熱心なことだね」
_
(;゚∀゚)「兄弟そろって……?」
_
(;゚∀゚)「おい!お前、兄貴のこと何か知ってやがんのか!?」
@@@
@#_、_@
(■■)「……」シーン
_
(;゚∀゚)「おいっ!何とか言えよ!おいコラ!」
(;"ゞ)「どうしたんです?ジョージさん」
_
(;゚∀゚)「いや……すまねぇ、取り乱した」
_
(;゚∀゚)「実を言うと、こいつらを捕まえる前に兄貴からメールが来てたんだ……」
_
(;゚∀゚)「『あとはお前がケリをつけろ』……って」
(;"ゞ)「なんですって!?」
< ゚ _・゚;>「そんなことが……」
.
488
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:03:38 ID:EF2jqLeg0
.
_
(;゚∀゚)「もしかしたら、サウスガットを潰したのは兄貴なのか……?」
(;"ゞ)「確たる情報はないですから、何とも……それに署長は普通の人間ですし……」
(;"ゞ)「ともかく今は、サウスガットの搬送に注力すべきかと」
( "ゞ)「気を抜いて手に負える相手ではないですから」
_
(;゚∀゚)「そ、そうだな。バシッと気合い入れねーと」
ガラガラガラ、ガシャアンッ…
( ^ω^)「ジョージさん!護送車の受け入れ手配、終わってますお!」
£°ゞ°)「途中で襲撃受けても問題ナッシングヨー!!」
_
( ゚∀゚)「おう、お前らお疲れ。ハハジャ乗せんぞ」
< ゚ _・゚>「運転は私にお任せを!」
( "ゞ)「ハハジャ=サウスガットは第一車両、アンネとナージャは第二車両」
( "ゞ)「チチジャ=サウスガットは第三車両にて連行します」
_
( ゚∀゚)「最後まで気ィ抜くんじゃねぇぞ、野郎ども!!」
( "ゞ)「了解!!」
( ^ω^)ゞ「はいですお!!」
£°ゞ°)ゞ「オーケーねー!!」
.
489
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:05:37 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【AM11:23】
サウスガットファミリー、特別収容所へ到着
ブロロロロ…
( ∴)「……ついたぞ」ガチャ
(,,゚-゚)「ありがとうございます!」ガチャ
( ∴)「ここなら遠巻きに収容所撮れるだろ……」
(,,;゚-゚)「んん〜……でもちょっと遠いなぁ。もうちょい施設の近くに行けません?」
( ∴)「アホ……この厳戒体勢の中に突っ込んだら、不審車両として一発逮捕だぞ……」
( ∴)「望遠で遠くから撮るだけにしときな……」
(,,゚-゚)「はぁい……仕方ないかぁ……」
.
490
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:06:32 ID:YWRhz2R20
>>461
チチジャ…
491
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:06:45 ID:EF2jqLeg0
.
( ∴)「じゃ、俺帰るから……後は好きにしな……」
(,,;゚-゚)「えっ!いっしょにいてくれるんじゃないんですか!?」
( ∴)「いや俺犯罪者に興味ないし……ババァも適当にあしらっときゃ機嫌治るし……」
(,,;゚-゚)「こんな荒野におっぽり出されたらハゲ鷹の餌ですよぅ!」
( ∴)「知らんがな……あんたが自分で選んだ仕事だろ……」
( ∴)「迎えには来てやるから、終わったら後で電話しな……」
(,,;゚-゚)「えぇ〜……心細いからいっしょにいてくださいよぉ……」
( ∴)「……前にあんたを殺そうとした俺といて、安心出来るのか?」
(,,゚-゚)
(,,゚-゚)「それもそうか」
.
492
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:08:19 ID:EF2jqLeg0
.
( ∴)「じゃ、あとは適当に頑張れ……」ガチャ、ブロロ…
(,,;゚-゚)「あぁん……本当に行っちゃった……まぁいいけど……」
(,,;゚-゚)「でもどうしよ……せめてもうちょっと収容所に近づけないかな……」
(,,゚-゚)「徒歩で行けば気づかれずに何とかなりそう……かな……?」
(,,゚-゚)
(,,゚-゚)「これ一歩間違えれば射殺されかねないよね?」
(,,゚-゚)「やっぱりやめといた方が……」
(,,;゚-゚)「いや!ここまで来て諦める訳にはいかない!」
(,,゚-゚)「命を捨てる覚悟なんて、カメラマンになるときにとっくに済ませたじゃないか!」
(,,゚-゚)「やるぞ!ギャシャールやるぞ!」
(,,゚-゚)「うぉぉぉぉ!!」ザッザッ
……この時彼女は、後にこの決断を後悔することになるとは思いもよらなかったのであった。
.
493
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:10:07 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
『指紋認証確認、虹彩認証確認』
『音声認証を開始します。AからGまでのアルファベットを発音してください』
_
( ゚∀゚)「えーびーしーでぃーいーえふじー」
『認証されました。ロックを解除します』
ガコンッ……
_
( ゚∀゚)「ふぃー……いつ来てもここは地獄の一丁目って感じだな」
( ^ω^)「我々は外で待機してますお!!」
£°ゞ°)「あとはお二人で頑張ってネー」
( "ゞ)「ジョージさん」
_
( ゚∀゚)「おう、なんだ」
( "ゞ)「ジョージさんの網膜が認証されたってことは、前にもここへ来たことがあるんですか?」
_
( ゚∀゚)「あー、一度だけ兄貴に連れられてな」
_
( ゚∀゚)「ろくでもない施設だってこたぁ知っとけって言われたんだよ」
( "ゞ)「なるほど……私は来たことがなかったものですから」
_
( ゚∀゚)「ま、来るもんじゃねーよこんなとこ」
_
( ゚∀゚)「お前も一度見たらそう思うようになるぜ」
( "ゞ)「……」
.
494
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:11:16 ID:EF2jqLeg0
.
(-@∀@)「おやおや、ひどい言い方ですねぇ〜ジョージさん」ツカツカ
_
( ゚∀゚)「お、変態クソ博士じゃねぇか。ようやくお出ましか?」
(-@∀@)「あのサウスガットが収容と聞いて、いても立ってもいられなくなりましてねぇ!」
(-@∀@)「とはいえ、クソ博士はさすがに言い過ぎですよ〜」
( "ゞ)(変態なのは否定しないのか)
( ゚¥゚)「……」ペコリ
( "ゞ)「あ、どうも」ペコリ
( "ゞ)「ジョージさん、こちらは?」
_
( ゚∀゚)「看守長のミスターセモナと、ヴィラン研究家のアーサー博士だ」
_
( ゚∀゚)「実質この二人が、この施設のツートップだな」
(-@∀@)「よろしくどうぞ〜」
(-@∀@)「ハハジャ=サウスガットの状態……あ、健康状態はいかがです?」
.
495
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:12:23 ID:EF2jqLeg0
.
_
( ゚∀゚)「そいつぁ本人に聞いてみてくれや。ほれ」
@@@
@#_、_@
( ■■) ズズゥウン…!!
(-@∀@)「おっほー!!素晴らしいですねぇ!!」
(-@∀@)「肌ツヤも申し分ないし健康きわまりない!!」
(-@∀@)「これは研究しがいがありますねぇ!!」
(;"ゞ)「な、何なんですこの人。ハハジャを研究対象としてしか見てないんですか?」
_
( ゚∀゚)「気にすんな、そーいう男だよこいつは」
∬#´_ゝ`)「おい、そこの変態メガネ!!人の母親にツバかけてんじゃねぇぞ!!」
l从・∀・#ノ!リ人「母者に手を出したら殺すのじゃー!」
彡⌒ミ
(#´_ゝ`)「こっちが捕縛されてなかったら命はなかったぞ、お前……!!」
(-@∀@)「オホホ、他の方々も素晴らしい元気でいらっしゃる」
(-@∀@)「これは研究家として腕がなるというものですよ〜」
(;"ゞ)「……」
_
( ゚∀゚)「こいつのがよっぽどヴィランっぽいよな、マジで」
.
496
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:13:10 ID:EF2jqLeg0
.
_
( ゚∀゚)「それより、さっさとこいつら独房にぶちこんでくれねぇかな」
_
( ゚∀゚)「俺だって早く帰って休みてぇんだからよ」
(-@∀@)「えぇ、えぇ。分かってますとも」
(-@∀@)「セモナさん!彼らの搬送をお願いしますよ〜!」
( ゚¥゚)「はい」ペコリ
( "ゞ)「我々も行きましょう」
_
( ゚∀゚)「あぁ」
ガシャァン…
(-@∀@)「しかし、サウスガットのような大物が捕まるとは、何が起こるか分かりませんねぇ」
( "ゞ)「狡猾に立ち回っては上手く逃げ仰せていましたからね……」
_
( ゚∀゚)「これで少しゃ平和になればいいんだが、そうも行かねぇよなぁ」
( "ゞ)「そうですね……悪党のパワーバランスが崩れれば、どうなるか予想はつかない」
( "ゞ)「だからこそ我々も、最善を尽くさなければ……」
(-@∀@)「及ばずながら私もご協力しますよ〜」
(-@∀@)「ヴィランの研究こそ一番の防犯になると、私は信じてますから!」
_
( ゚∀゚)「間違っちゃねぇが、あんたが言うとろくでもないな」
.
497
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:14:36 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【同時刻】
ヴィラン特別収容所地下、下水道内部……。
▼ーェー▼「……」
▼・ェ・▼ カッ!
▼ーェー▼ スゥゥゥ…
▼ーェー▼「アォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!」
『アンッ!アンッ!』
『キャオーン!!』
『ワウッ、バウッ!!』
▼・ェ・▼「……アンッ、アンッ」
ドドドドド…
▼・ェ・▼「アオンッ!!」
.
498
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:17:47 ID:EF2jqLeg0
.
ドドドドド…
( "ゞ)「……ん?」
_
( ゚∀゚)「どした、デルタ」
( "ゞ)「今何か、変な物音がしませんでしたか?」
_
( ゚∀゚)「そうか?」
( "ゞ)「えぇ、何かこっちに近づいてくるような……?」
ウォーーーーーーーン!!!
ウォーーーーーーーン!!!
_
(;゚∀゚)「なっ……なんだ!?」
(-@∀@)「これは、緊急時のサイレンですねぇ」
(-@∀@)「何かあったんでしょうか?」
.
499
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:18:51 ID:EF2jqLeg0
.
『緊急所内放送、緊急所内放送!!!』
『地下下水口より生物反応多数!!何者かが侵入しています!!』
『アーサー博士、セモナ看守長!!これより所内はレベル5厳戒体制に入ります!!』
_
(;゚∀゚)「なんだって!?」
(;"ゞ)「看守長!!」
( ゚¥゚)「落ち着いてください、お二人とも」
( ゚¥゚)「全所員、警戒体勢!!不審者は発見次第即射殺せよ!!」
(-@∀@)「これはヴィランの襲撃ですかねぇ〜!」
(-@∀@)「面白くなってきた!!」
(;"ゞ)「面白くって……そんな場合ですか!!」
(-@∀@)「こうしちゃいられませんね!私は監視カメラで侵入者の動向を観察しますので!」
(-@∀@)「サウスガットの搬送はお願いしますよ〜!!」
(;"ゞ)「ちょっと博士!!一般人は避難してください!!」
_
(;゚∀゚)「ほっとけデルタ!ここまで来たら残るも死ぬも自己責任だ!」
_
(;゚∀゚)「それより、何が来てもいいように銃は抜いとけ!!」
(;"ゞ)「は、はい!!」
.
500
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:21:16 ID:EF2jqLeg0
.
(;"ゞ)「でも、ジョージさん」
_
(;゚∀゚)「あ?なんだ!」
(;"ゞ)「下水口って普通、蓋してありますよね?」
(;"ゞ)「ヴィランだとしても、人間大の生き物が通るのは不可能なはず……」
_
(;゚∀゚)「だとしたらなんだ?ネズミでも大量発生したってのか?」
『アォンッ!!』
_
(;゚∀゚)「うぉおっ!!?」
『ワンッ!!ワンッ!!』
『アォーーーンッ!!』
『キャンッ、キャンッ!!』
(;"ゞ)「こ、これは……犬!?」
(;"ゞ)「しかも愛玩犬ばかり……!!」
_
(;゚∀゚)「ぎゃあああ!!変な生き物が足にまとわりついてくるゥ!!」
(;"ゞ)「落ち着いて!!それただの濡れたプードルです!!」
_
(;゚∀゚)「ホントだ濡れたプードルって気色悪ッ!!」
.
501
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:22:11 ID:EF2jqLeg0
.
(;"ゞ)「けどとんでもない数だ……百匹は下らないぞこれは……」
_
(;゚∀゚)「特に攻撃とかもしてこないから、所員も撃っていいのか図りかねてるな……」
(;"ゞ)「近くでペットショップからの脱走でもあったんですかね……?」
_
(;゚∀゚)「こんな荒野のど真ん中にペットショップがあるか!」
( ゚¥゚)「総員、撃ち方止めィッ!!犬は比較的大人しい!!」
( ゚¥゚)「攻撃反応を控え、犬の捕獲と保護に専念せよ!!」
( ゚¥゚)「ただし暴れる犬には銃の使用を許可する!!」
( ゚¥゚)「お二人はサウスガットの檻をお願いします。私は犬の捕獲に向かいますので」
(;"ゞ)「はい!」
_
(;゚∀゚)「わ、分かった!」
.
502
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:23:19 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【AM11:36】
謎の犬、捕獲作戦
_
(;゚∀゚)「デルタ!!そっちに一匹行ったぞ!!」
(;"ゞ)「ジョージさんも股ぐらから一匹抜けてます!」
_
(;゚∀゚)「あーもーちょこまか鬱陶しいな!何なんだこいつら!」
(;"ゞ)「サウスガットどころじゃありませんよこれ……」
(;"ゞ)「ほっといたら何をしでかすか分からないですし」
_
(;゚∀゚)「アーサー博士も呼んで捕まえさせろ!!」
(;"ゞ)「いやいや、博士も一応民間人ですから……」
_
(;゚∀゚)「もー!!やだー!!」
▼・ェ・▼ ヒョコッ
▼・ェ・▼「……アンッ」
三三三三▼・ェ・▼ タターッ
.
503
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:24:52 ID:EF2jqLeg0
.
【収容所内、監視ルーム】
(-@∀@)「ふんふふんふーん♪」
(-@∀@)「知将とはこういうとき、高みから見物するものなのですよ〜♪」
(-@∀@)「しかし、侵入したのが攻撃意思の見られない小型犬ばかりなのは、いただけませんねぇ」
(-@∀@)「もっとこの施設のポテンシャルを発揮できるような、アグレッシブな敵が良かったのですが」
(-@∀@)「……おや?」
【 三三三▼・ェ・▼ 】
(-@∀@)「ふむ……この犬だけ、他の犬とは違う行動を取っていますねぇ」
(-@∀@)「しかも向かっているのは、危険なヴィランのみを集めた重犯罪者特区……」
(-@∀@)「これは偶然とは思えませんねぇ……念のため注意を促しておきますか」
(-@∀@)「所内放送ボタンぽちーっと」
(-@∀@)「あーあー、マイクテスマイクテス」
(-@∀@)「ただいま一匹の犬が、重犯罪者特区に向かって走って行きましたよー」
(-@∀@)「所員の皆さんは、その犬の捕獲を最優先事項としてくださ〜い」
(-@∀@)「犬種はチワワの一種、素早く動くので先回りして捕まえるのをオススメしますよ〜」
(-@∀@)「それでは皆さん、頑張ってくださいねぇ〜」
(-@∀@)「アーサーからのご連絡でした〜」
.
504
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:25:45 ID:EF2jqLeg0
.
(;"ゞ)「……ですって、ジョージさん」
_
(;゚∀゚)「チッ。要するにこの大量の犬は陽動ってワケか?」
(;"ゞ)「我々も、そのチワワを追いましょう!」
_
(;゚∀゚)「待て待て。サウスガット置いてくつもりか?」
_
(;゚∀゚)「それに俺らじゃ、重犯罪者特区ってのがどこかも分かんねぇだろ」
_
(;゚∀゚)「追うのはここの所員に任せて、俺らはサウスガットどもを移動させるぞ!!」
(;"ゞ)「そ、そうですね……でも移動ってどこへ……」
_
(;゚∀゚)「とにかく、どっか安全なところだ!!」
ビキッ…
(;"ゞ)「……えっ?」
_
(;゚∀゚)「あっ!?」
.
505
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:27:09 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
(#■■)「ぬぁぁああああああああああああ!!!!!!!!」
ビキッ、ビキビキビキィッ!!!
(;"ゞ)「拘束具が!!」
_
(;゚∀゚)「バカ!!逃げろデルタ!!」
バッキィィィィィィィン!!!!!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「フゥゥゥゥ……!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
(;"ゞ)「さ、最悪だ……このタイミングでサウスガットが……!」
_
(;゚∀゚)「ボーッとすんな!!さっさと物陰に隠れろ!!」
(;"ゞ)「す、すみません!!」
.
506
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:27:40 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「シャラァッ!!」ゴキンッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アンネ、ナージャ、あんた!!無事かい!?」
∬;´_ゝ`)「だ、大丈夫よ!」
l从・∀・ノ!リ人「のじゃ!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「問題ない!それより、お前こそ右腕折れてるはずだろ!?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「それこそ、何も問題ないね。さっさとこんなところずらかるよ!」
.
507
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:29:09 ID:EF2jqLeg0
.
【AM11:46】
サウスガットファミリー、脱走
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「しかしまぁ、何だってんだろうなこの騒ぎ」
∬;´_ゝ`)「犬がどうとか聞こえてきたけど……なんで収容所に犬が?」
l从・∀・ノ!リ人「ワンちゃん!ワンちゃんなのじゃ!かわいいのじゃ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「浮かれるのは後だよ、ナージャ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたたち!!フォーメーション『サウスガットトレイン』、スタンバイ!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「お、おう!!」
∬;´_ゝ`)「分かったわ!!」
l从・∀・ノ!リ人「のじゃ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「この千載一遇の脱出のチャンス、絶対に逃すんじゃないよ!!」
.
508
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:30:54 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@ 彡⌒ミ
( ノ`)∬;´_ゝ`)l从・∀・ノ!リ人( ´_ゝ`)
ガッシィィィィーーーーンッッッ!!!!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「サウスガットトレイン、ゴーッ!!!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ハァァァァァァァァァッッッ!!!!」
説明しよう!!
サウスガットトレインとは、サウスガットファミリーがハハジャを先頭として、1列に隊列を組んで進む!!!
かの有名なグレイシートレインに着想を得たフォーメーションである!!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ここから先は混戦が予想される!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「私から離れるんじゃないよ!!」
ただ1列に並んだだけと思うなかれ!!!
サウスガットトレインは、ハハジャが圧縮空気で周囲を防御することに真価を発揮する!!!
その堅牢な守りは、たとえマシンガンであろうと弾き返すほどなのだ!!!
.
509
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:31:58 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「このまま一気に進むよ!!後に続きな!!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「おうっ!!」
∬´_ゝ`)「分かったわ!!」
l从・∀・ノ!リ人「ついてくのじゃー!!」
ズドドドドドドッ!!!!!
(;"ゞ)「クソッ……サウスガットが止まらない!!」
_
(;゚∀゚)「あいつら、今の今まで猫かぶってやがったな……!!」
(;"ゞ)「このままでは脱獄されてしまいます!!止めなければ!!」
_
(;゚∀゚)「どうやって止める気だよ!?立ち塞がっても止めらんねぇぞ!!」
(;"ゞ)「こうなったら、私が……!!」
_
(;゚∀゚)「落ち着けって!!」
_
(;゚∀゚)「外にはヒーロー連中も待機してる!!サウスガットは奴らに任せろ!!」
(;"ゞ)「そうやってあなたはいつも人任せにして!!」
_
(;゚∀゚)「ちげーよ!!ここで俺らが足手まといになる方が迷惑なんだよ!!」
_
(;゚∀゚)「俺らのやることは兄貴の……ハイド署長の跡をしっかり継ぐことだろうが!!」
_
(;゚∀゚)「しっかりしろ!!」
(;"ゞ)「……すみません、取り乱しました」
.
510
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:33:19 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
三▼・ェ・▼ シュタタタッ
「くそっ、こいつ妙にすばしっこいぞ!!」
「慌てるな、囲めば捕まえられる!!」
「待てぇ犬ッコロ!!!」
三▼・ェ・▼「アンアンッ」シャッ
「うおぉっ!?」
「こいつ、通気ダクトに逃げるぞ!!」
「出てきたところを捕まえるんだ!!」
.
511
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:34:42 ID:EF2jqLeg0
.
『アーサー博士!例の犬は通気ダクトに逃げ込んだ模様です!』
『現在、所員総出で行方を追っています!』
(-@∀@)「通気ダクト?はて、妙ですねぇ……」
(-@∀@)「通気ダクトの先は排気用のファンが回っていて、行き止まりのはずですが」
(-@∀@)「それになぜあの犬は、重犯罪者特区まで迷いなく走ることが出来たのか……」
(-@∀@)「……これはもしかすると、こちら側に内通者がいるのかも」
(-@∀@)「となると、早めに捕まえないと大変なことになりますねぇ」
(-@∀@)「所内放送ボタンぽちっと」
(-@∀@)「えー皆さん、わんこちゃんは通気ダクトに入り込んだとの情報があります」
(-@∀@)「ひとまず他の犬はほっておいて、そちらを探してください」
(-@∀@)「あ、あとサウスガットも逃がさないようにお願いいたしますね〜」
.
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