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('、`*川魔女の指先のようです

22名無しさん:2017/12/17(日) 08:03:32 ID:YAAXsb060
街に戻ったペニーは大型スーパーの駐車場にバイクを停め、店内を見て周り始めた。
まずは品揃えだ。
入ってすぐに広がる野菜の鮮度と値段を見て、手のかからない献立を脳内で決める。
ツーリング用の調理器具は全て小さく、軽い。
最も簡単なのは野菜炒めと白米の献立だ。

もやしとキャベツは基本だが、場合によっては季節の野菜を入れるのが彼女のこだわりである。
この時期ならば茄子やニガウリを混ぜても美味い。
何かめぼしいものはないか店内を見て周り、最終的にはパックに詰まった野菜炒めセットを一袋、
今朝収穫したばかりという茄子を一本、ブロックベーコンと調味料一式、そしてコンビーフの缶詰とビール一缶、カップ酒をかごに入れて会計を済ませた。

折角野外で食事をするなら、酒があった方がいい。
店を出ると、陽が傾き始めていた。
キャンプ場に戻る頃にはいい時間帯になっているだろう。

再び山道を登ってキャンプ場へと戻ると、ちらほらと人が増え始めていた。
巨大なドームテントの設営に四苦八苦する若者達もいれば、竹を使って立ち竈を作るボーイスカウトの集団もいた。
この賑わいもまた、野営場の楽しみでもある。

テント内に投げ入れておいた調理器具一式を取り出し、手際よく準備を整える。
コンロが一つ、正方形のコッヘルが二つと切れ味のいいナイフ、そして万能ナイフがあるだけだが、これで十分なのだ。
ビニール製の給水タンクと野菜を手に、炊事場に水汲みと野菜を洗いに行く。
ここの水はそのまま飲むことが出来るほど綺麗だが、希に腹を下す場合がある。

こればかりは運による要素が強く、飲料水として使うためには一度煮沸消毒してからの方が望ましい。
すでにそこで野外調理を始めていた一行に軽く挨拶をして、水をタンクに汲む。
そして、野菜の表面を軽く洗ってテントに戻ろうと踵を返す。

⌒*リ´・-・リ「それ、便利そうですねー」

タンクに興味を持ったのか、先ほど挨拶を交わした団体にいた女性がペニーに声をかけてきた。
化粧が少し落ちていることから昼間からここにいたという事、その化粧の下に見えた肌の年齢はまだ若いことから、おそらくはペニーと同年代であると想像が出来た。
敬語は不要だろうが、初対面の人間に対して礼節を欠かすような人間にはなれなかった。

('、`*川「えぇ、持ち運びに便利なんです。
     とても小さくて軽いけど、穴が開くのが難点ですね」

⌒*リ´・-・リ「穴、ですか?」

('、`*川「木の枝や尖った石、火の粉でも空いちゃうんですよ」

名も知らぬ者同士、こういった交流は開けた場所だからこそ起こる事態だ。
これが都会のただなかであれば会話は生まれなかっただろう。

('、`*川「ご友人とキャンプに来たんですか?」

今度はペニーが質問をする。

⌒*リ´・-・リ「えぇ、そうなの。
       家族で来たんだけど、上手に火が起こせなくって」


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