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('、`*川魔女の指先のようです

160名無しさん:2017/12/25(月) 23:23:47 ID:ZLy5QeVs0
苛立ちの色が声に滲み出る。
ペニーが望むタイミングまで、もう少しという所だ。

('、`*川「えぇ。
     私、結構くどいですよ」

〔Ⅲ゚[::|::]゚〕『いいからさっさと立て……!』

腕を引いて立ち上がらせる。
それだけの動作だった。
それが彼の命を終わらせる致命的な行動だと気付くのは、
ペニーがカーゴパンツからグロックを抜いてジョン・ドゥのカメラ――人間の目の位置――に向けた瞬間だけだっただろう。

ライフルは大なり小なり、その長さから近距離に於いては不利になることがある。
距離がある程度空いていれば優位に立つが、取り回しが不可能なほどの距離に接近された場合、銃弾は物理的に当たることがない。
例えば、ペニーを無理やり立たせるために腕を掴むほどの距離。
それは、ライフルの銃腔が一旦地面を向き、相手を死角に招き入れる行為そのものだ。

〔Ⅲ゚[::|::]゚〕『くそっ……!』

('、`*川「残念でしたね」

月光を背に、ペニーは微笑む。
それは断じて嘲笑ではない。
これから死にゆく者に対する慈しむ笑みだった。

銃声。
反動。
血飛沫。

カメラを破壊した銃弾はそのままパレンティの眼球を同様に貫き、脳髄に到達して絶命に導いた。

立ったまま絶命したパレンティをその場に放置し、ペニーはライフルケースを背負いなおした。
相手が何人でペニーを追って来たのか、それが分かっていない。
少なくともパレンティ一人だけではありえない。

最低でも二人はいる。
重機関銃を発砲したのが一人、そして運転手が一人。
ペニーはライフルケースからドラグノフを取り出し、照準器のカバーを開けた。

次の瞬間、ペニーの肩を何かが高速で通過した。
遅れて銃声が響き、ペニーは狙撃されたことを理解した。

生き残ったもう一人は狙撃手。
銃声と着弾まで、おおよそ一秒。
距離は五百メートルほどと考えればいい。
飛んできた方向はペニーから見て麓。
今の一発で修正を加えるまでには三秒程かかるだろう。


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