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( ^ω^)運命と戦う仮面ライダーのようです part2
753
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 11:01:25 ID:jvu.zAqQ0
( w )「たくさんの人を手にかけ、尊い命をお前は一体いくつ奪った……?」
(
彡,,メ皿゚彡『フン!さぁな、数など数えるわけないだろ?』
( w )「それだけじゃない……亡骸を化け物に変えて、操って……」
( w )「人の命を奪うだけに留まらず、その命を蹂躙し冒涜した……」
(
彡,,メ皿゚彡『なら、お前はどうする?』
( w )「許さない……」
( #OwO)「――お前だけは……絶対に許さない!!!」
遂にカテゴリーJの尻尾を掴んだブレイド達。
激しい怒りと共に、ライダー達の逆襲が始まる!
次回、【 第25話 〜血を呼ぶ嘘〜 】
――今、その力が全開する!
==========
754
:
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 11:03:53 ID:jvu.zAqQ0
しおり
>>9
第15話
>>84
第16話
>>152
第17話
>>234
第18話
>>308
第19話
>>372
第20話
>>454
第21話
>>530
第22話
>>605
第23話
>>682
第24話
細々と書いてますがなかなかまとまった時間が取れず・・・しばらく毎週は無理そう
申し訳ない
755
:
名無しさん
:2018/02/25(日) 11:59:31 ID:XPQUlbVo0
乙!いつも楽しませてもらってます
無理せずゆっくりどうぞ〜
756
:
名無しさん
:2018/02/25(日) 12:19:30 ID:8uUjVOAY0
乙です
毎週じゃなくても生きて投下してくれればそれでいいよ
最近じゃ一番の楽しみよ
757
:
名無しさん
:2018/02/25(日) 22:20:51 ID:dEr5JJPE0
乙津
758
:
名無しさん
:2018/02/25(日) 23:31:06 ID:4eaPjfsE0
待ってた!最近ブレイドの口調が荒い時多いね
759
:
名無しさん
:2018/02/26(月) 18:48:46 ID:SSuX3xU20
モララーの天然は原作準拠っぽいww
次回更新楽しみにしてる
760
:
名無しさん
:2018/02/26(月) 21:27:56 ID:CWnQ7qDA0
ミルナとの決着は思ったより早かったな
761
:
名無しさん
:2018/03/31(土) 00:49:05 ID:T.2NByG60
待ってるぜ
762
:
名無しさん
:2018/03/31(土) 12:40:33 ID:s2NU0MvQ0
そういやもう1ヶ月投下ないのか…
763
:
名無しさん
:2018/05/10(木) 00:38:59 ID:kpn2vQYE0
俺は待ってるんだぜ
764
:
名無しさん
:2018/05/12(土) 17:39:11 ID:L2m9Z4q20
俺も待ってる
765
:
名無しさん
:2018/06/03(日) 22:31:10 ID:2S8pjJ4I0
最近こねえな
766
:
名無しさん
:2018/06/07(木) 03:02:06 ID:p2kuEwck0
( OwO)待ってるウェイ!
767
:
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/06(金) 02:14:17 ID:YRrjfChQ0
( ^ω^)< 夏だお
( ^ω^)< 7/8(日)
768
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 05:51:23 ID:wEg5hjNE0
投下予告!?
生きてたのか!久々のニチアサブーン系楽しみに待っとるぞ
769
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 05:52:05 ID:Dg3J09N60
おっ!?
770
:
名無しさん
:2018/07/07(土) 11:41:32 ID:lyJ317AA0
待ってた!
771
:
名無しさん
:2018/07/08(日) 07:38:43 ID:QmaM35bM0
待ってたぞ!
772
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:01:20 ID:wQXRKlTg0
【 第25話 〜血を呼ぶ嘘〜 】
.
773
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:01:55 ID:wQXRKlTg0
ミルナを倒してから数日。
上級アンデッドをまた一体封印したブーン達だったが、未だアンデッドの脅威は続く。
♥のカテゴリーJなる存在は、猛威を振るい続けていた。
( OwO)「うおおおおっ!!!」
「ガウウゥゥッ!!」
次々と狼人間に成り果てる人間。
アンデッドの反応をキャッチしても、共通点のない場所への出現は先読みをすることすら叶わない。
反応を辿り到着すれば、既に変わり果てた人の姿しかなく、まさにトカゲの尻尾切りだった。
(,,^Д^)「一体ずつ相手をしようとするな、一気に倒せ!」
( OMO)「ドクオ、こいつらの動きを封じろ!」
( OHO)「はい!」
ギャレンの指示を受け、レンゲルはカードを二枚レンゲルラウザーにラウズ。
《-♣3 SCREW-》 《-♣9 SMOG-》
"♣9のSMOG"。煙幕を発生させ、相手の動きを抑制する効果を持つ。
それに合わせ、"♣3のSCREW"の力で右手をドリルのように回転させることで、煙幕を素早く広範囲に展開。
狼人間達の視界を奪い、動きを封じた。
774
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:02:34 ID:wQXRKlTg0
( OwO)「ナイスだドクオ!」
( OMO)「後は任せろ!」
《-♠2 SLASH-》 《-♠9 MACH-》
《-♦2 BULLET-》 《-♦9 GEMINI-》
ブレイド、ギャレンはそれぞれ二枚のカードをラウズする。
分身したギャレンは同時にギャレンラウザーを構え、強化された銃弾で煙幕に塗れた狼人間達を射撃。
加速の力を身に着けたブレイドは、切れ味が倍増したブレイラウザーで光の如く速さで斬り捨てた。
「グギャアアアァッ!!」
「ギイイィッッ!!」
狼人間から噴き上がる緑血。
元々は人間だった彼等の血すら、アンデッドのものと化してしまった。
ブレイド達の手によって、今のところ全ての狼人間は倒された。
倒れた遺体は謎の発火を引き起こし、炎に包まれ焼失していった。
(,,^Д^)「さすがだな、仮面ライダー」
( OwO)「そんなこと言ってる場合じゃないですお……人を守るのが僕達の義務なのに!」
( OMO)「早く上級アンデッドの尻尾を掴まなければ、人類が皆アンデッドにさせられてしまう……」
( OHO)「………」
( OHO)(俺だって、こいつらくらいすぐに倒せるってのに……)
775
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:03:12 ID:wQXRKlTg0
(,,^Д^)「そうだな……だが、奴の逃げ足が早いのも確かだ。全くイライラさせてくれる……!」
( OMO)「奴の行動パターンは分からないのか?」
(,,^Д^)「分かるものか、アンデッドのことなんか……奴は神出鬼没だ。それに一度現れた場所には現れない」
(,,^Д^)「せめて……俺にもお前達のようなバイクと、カードがあればな」
ライダー達が乗るバイクへ目を向けるタカラ。
通常のバイクとは比にならぬ性能を誇るライダー専用のバイクは、ラウズカードシステムを搭載。
全てのカードの対応はしていないが、特定のカードの効果を得ることが出来る仕様となっている。
それだけ言い残すと、タカラは背を向け静かに去って行った。
変身を解除した三人。
その中でも特に、モララーはタカラの背を見つめたままだった。
( ・∀・)(何故、ライダービークルの事を知っている……)
( ・∀・)(本当にただの人間か?一体、BOARDと何の関係が)
( ^ω^)「モララーさん、ずっとタカラさん見つめてどうしたんですかお?」
( ・∀・)「……いや、何でもないよ」
ブーンの問いに首を横に振って答える。
焼失した亡骸があった場所を向き、合掌するモララー。
タカラへの疑いを心の中にしまいつつ、バイクのもとへと歩いた。
776
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:04:42 ID:wQXRKlTg0
――――――
――――
――
その日の夜。
ブーン達五人は、バーボンハウスへと来ていた。
今夜は酒を飲むためではなく、夕飯を食べに訪れている様子。
ブーンとモララーの前にはカツカレー、ドクオの前にはオムライスがあり、ツンの前にはカルボナーラが。
上級アンデッドの正体を掴めぬ中、お酒を飲んでは緊急時に向かうことが出来ない。
そう考えると、自然と酒を飲みたい欲も無くなった。
川 ゚ -゚)「お待たせ致しました」
注文を受けた料理をトレーに乗せ運んだ来たのはクー。
トレーの上には、イカやエビ、ホタテが贅沢に使われた大盛りのピラフが乗っている。
川 ゚ -゚)「こちらシーフードピラフになります」
_
( ゚∀゚)ノ 「はい……俺です」
川 ゚ -゚)「……どうぞ」
_
( ゚∀゚)「……ども」
気まずい雰囲気。
二人が対面するのは、植物園の一件以来となる。
ジョルジュは未だに根に持っていて、クーを見ると自分の不甲斐なさを思い出してしまうようだ。
777
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:05:19 ID:wQXRKlTg0
( ^ω^)「お前まだ気にしてんのかお?」
_
( ゚∀゚)「っせーな……散々俺のこと嫌ってる奴に助けられたんだ、しかも仮にも女に……男として立場がねぇよ……」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたが今も元気にご飯食べれるのはクーさんのおかげなんだから、感謝してればいいの」
_
( ゚∀゚)「へーい」
ふてくされた態度を取り、スプーンをピラフの中に潜り込ませ、山盛り掬った米を口の中に頬張った。
ξ゚⊿゚)ξ「そういえば、例の上級アンデッドはどうなの?」
( ・∀・)「……どうしても正体が掴めずに終わってしまう」
('A`)「逃げ足が早いのか、俺達が遅いのか……どっちだろうな」
( ^ω^)「何にしても、このままだと誰一人守れずに次々と……」
ξ゚⊿゚)ξ「何か良い方法があるはず!みんなで考えて、必ず上級アンデッドを捕まえようよ!」
( ・∀・)「うん……そうだね」
('A`)「にしてもこう、次は俺がビシッと締めたいな!俺も成長したところ見せないと!」
( ^ω^)「お前は十分やってるお、協力して倒すことが一番の目的なんだから」
('A`)「まぁ、そうなんだけどさ……」
♪テケテンテンッテンテンテンテンテンッ
('A`)「あ、ちょっと待ってくれ」
( ^ω^)「はいお」
778
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:05:57 ID:wQXRKlTg0
( ・∀・)「剣藤、タカラのことだけど……」
( ^ω^)「タカラさんがどうかしましたか?」
( ・∀・)「うーん……個人的にだけど、あまり信用出来ないんだ」
( ^ω^)「それは、どうして?」
( ・∀・)「変じゃないか?」
ξ゚⊿゚)ξ「何が?」
( ・∀・)「何で奴はいつも、的確にアンデッドが現れた場所に現れる?それも毎回、俺達が現れた後にだ。
あれ以来、奴が現れなかったことがないし先に現れてたこともない」
( ・∀・)「尻尾を掴めない程に後を追えていないのに、何故場所が分かる?血の臭いを追っているなんて現実的じゃない」
ξ゚⊿゚)ξ「確かに……」
( ^ω^)「………でも、タカラさんは家族の仇を」
( ・∀・)「それが嘘だったら?」
_
( ゚∀゚)「嘘って、何でそんな嘘つくんだ?」
( ^ω^)「……モララーさん、疑ってるんですかお?」
( ・∀・)「確証はないけどね……何だか、どうしても疑っちゃうんだよ。俺が疑うのも皮肉な話だけどね」
( ^ω^)「ふむ……」
自虐を交えながらも、歯切れの悪い返答。
サクサクの衣のカツにカレーを被せ、大きな口を開け一口。
モララーの言葉に賛同し切れぬブーンは、浮かない顔で同じようにカレーを口に含んだ。
779
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:06:28 ID:wQXRKlTg0
('A`)「悪い悪い」
電話を終えたドクオが席に戻る。
手を振りながら謝罪するが、その顔はどこか緩んでいるように見える。
( ^ω^)「何ニヤニヤしてんだお気持ち悪い」
('A`)「うるせぇロリコン、実はな……」
('A`)「この間助けた同級生からの電話でさ、同窓会やらないか?って」
( ^ω^)「おお、行くのかお?」
('A`)「うん、みんながちゃんと謝りたい場でもあるから……来てくれると嬉しいってさ」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、その人達のこと許せるようになったの?」
('A`)「どうだろうな……もうしばらく顔合わせてないし、顔見たらあの時の感情が蘇るかもしれない。
でもさ、あの時助けたアイツの顔忘れられないんだよ。だから俺はいつまでも過去に引っ張られるのはもうやめた!」
('A`)「そろそろ前向いて、次のステップ踏まないとさ」
ξ゚⊿゚)ξ「……うん、そうだね」
_
( ゚∀゚)「お前もしっかりしやがってよぉ……何か俺だけ取り残されたみてぇじゃん」
('A`)「自覚あるんだな?」
_
( ゚∀゚)「あん??」
( ・∀・)「ドクオ、よかったな」
('A`)「モララーさん達のおかげですよ、これも」
780
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:06:55 ID:wQXRKlTg0
( ^ω^)「なんだか嬉しいこと続きだな〜!やっと僕の苦労が報われてきたって感じだお」
ξ゚⊿゚)ξ「本当ね、最初はどうなるかと思ってた」
( ^ω^)「モララーさんとはちゃんとした関係が出来たし、ドクオは自分をしっかり持つことが出来たし……」
そこに、再びクーがやってきた。
今度は飲み物を運んできたようで、五つのグラスがトレーの上に並んでいる。
川 ゚ -゚)「お待たせ致しました」
( ^ω^)「クーとも、やっと打ち解けられた気がするし……」
川 ゚ -゚)「勝手なことを言うな」
( ^ω^)「はいはい」
笑顔で見つめるブーンに対し、作らずとも出来ていたはずの冷たい表情を作るクー。
素気ない返事にも慣れた様子で、それがまたクーの調子を狂わせた。
ξ゚⊿゚)ξ「あれ?クーって呼んでる……いつの間に?」
( ^ω^)「んー、ちょっと前から?」
(#'A`)「お前……いつの間に親交深めやがったんだよ!?おい!!お前ばっかり抜け駆けしやがってェ!!」
(#'A`)「俺も」
(*'A`)「クー♪」
(#'A`)「って呼びたい人生なんだよ!!」
( ^ω^)「呼んでみれば?」
781
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:07:26 ID:wQXRKlTg0
(*'A`)「ク……」
川 ゚ -゚)
(*'A`)「ク……ク……」
川 ゚ -゚)「気安く私を呼ぶな」
(;'A`)「駄目だ……」
( ^ω^)「残念だったな」
(#'A`)「残念だったなじゃねぇよ」
( ・∀・)「まぁ、今があるのも剣藤のおかげだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「うん。ブーンがブレイドじゃなかったら、きっと私達バラバラだった」
('A`)「……ムカつくけど、俺も立ち直れなかっただろうしな」
_
( ゚∀゚)「ギャレンがモララーさんでよかったとも俺は思うぜ、レンゲルもな」
( ^ω^)「要するに、誰一人欠けちゃいけないってことだお」
( ^ω^)「今はみんなと一緒だって強く実感出来るし……幸せな気持ちの方が勝ってるお」
( ^ω^)「……このまま、何もなければいいんだけどなぁ」
782
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:07:50 ID:wQXRKlTg0
―――――
.
783
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:08:12 ID:wQXRKlTg0
数日後。
この日は、ドクオが招待された小学校同窓会の日。
ドクオは自分の家で、その支度を行っていた。
('A`)「んー……こんなもんでいいか」
('A`)「あまり決めすぎると、また何か言われるかな……?」
洗面台の鏡を見ながら、髪型をセットする。
ワクワクした気持ちを抱きつつも、あの頃のトラウマが消えたわけではない。
また、何かされるかもしれない。
無意識にそう思ってしまう自分がいた。
('A`)「いや……大丈夫だろ。何か言われたら言い返す!それだけだ」
緊張で高鳴る胸を撫で下ろし、深呼吸。
胸をとんとんと叩き、鏡に映る自分に頷いた。
部屋に戻り、軽く荷物を纏める。
('A`)「そろそろ出るか……」
('A`)「……俺がこうしてる間にまたアンデッドが出たら、どうするかな」
('A`)「あの二人だけでもどうにかなるだろうけど……放っとけないよな」
ライダーとしての自覚が芽生えてか、ブーン達が心配になった。
机の上に置かれたレンゲルバックルを取り、バッグの中にしまう。
忘れ物がないことを確認し、バッグを背負いドクオは部屋を出た。
784
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:08:37 ID:wQXRKlTg0
――――――
――――
――
だが、皮肉にもドクオの心配は、まさにその時に的中していた。
ドクオが同窓会に向かうため早めに家を出たと同じ頃、アンデッドサーチャーが一つの反応をキャッチ。
キャッチしたのは、もちろん♥のカテゴリーJ。
ブレイド達は再び、アンデッドサーチャーがキャッチした反応のもとへ急行していた。
ξ゚⊿゚)ξ[もうすぐよ、何体いるか分からないから気をつけて]
( OMO)「了解!」
ξ゚⊿゚)ξ[今のところ、カテゴリーJの反応はまだそこにあるわ]
( OwO)「みたいだな……今度こそアンデッドをとっ捕まえてやるお!」
更にバイクを加速させ、目的地へと突き進む。
「おい、あれ仮面ライダーじゃないか!?」
「すげぇ!本当にいたのか!」
公道を走る仮面ライダーの姿を見ては、指を差しスマホのカメラを向ける者が横目で何人も確認できる。
( OwO)(早くアンデッドを封印しないと、この人達もいずれ……)
( OwO)(それだけは、絶対にさせないお!)
785
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:09:08 ID:wQXRKlTg0
バイクを走らせて数分後。
目的地は着実に近付いている。目の前に示されている反応もとても近くなった。
( OwO)「もうすぐ着くお!」
ξ゚⊿゚)ξ[……ああ!まただわ……]
( OMO)「なんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ[……やっぱりだめ、また消えた]
( OMO)「なに!?」
( #OwO)「クソッ!毎回毎回見計らったかのように消えやがって……!!」
サーチャーの反応をいち早く確認することが出来るツンは、カテゴリーJの反応が途絶えたことを報告。
ライダー達の眼前に見えているサーチャーからも、確かに反応が途絶えた。
もう少しというところで毎回途絶えてしまう反応は、まるでブレイド達の来着を監視しているようだった。
悔しさを噛み締めながら現場に到着する二人。
そこにはやはり……狼人間の群れが跋扈していた。
「グルルルル……」
「ワオオォォォォォン!!」
( OMO)「チッ……やるぞ……!」
( OwO)「はい……」
バイクから降り、二人はそれぞれの武器を手に取る。
アンデッドを捕まえることの出来ない無力さに苛まれながら、また罪のない人間を裁く。
786
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:09:28 ID:wQXRKlTg0
ξ゚⊿゚)ξ[ちょっと待って!]
( OMO)「今度はなんだ?」
狼人間の群れに向かおうとした二人は、ツンの呼び止める声に気を引かれた。
ξ゚⊿゚)ξ[カテゴリーJの反応を確認!そこから更に遠く離れた場所……!]
( OwO)「このタイミングで別の場所に現れたってのかお!?」
再びカテゴリーJの反応を確認するアンデッドサーチャー。
二箇所目に出現するのは此度が初めての事。
ましてや、まだ目の前の狼人間を倒せていない時に。
( OMO)「剣藤、ここは俺に任せてカテゴリーJを追え!」
( OwO)「えっ!?でも、モララーさん一人じゃ……」
( OMO)「これ以上被害を増やさないことの方が先決だ、いいから行け!!」
( OwO)「……分かりました!気をつけて!」
ギャレンの命令を受け、ブルースペイダーに乗り遠く離れた場所に出現したカテゴリーJを追い始める。
背中を見届けることはせず、ギャレンは狼人間達に向けギャレンラウザーを構えた。
その時、ひとつの疑問が頭を過ぎる。
( OMO)(何故タカラは現れない?このことを予測して先回りしているのか?)
( OMO)(いや……何の情報も得られない普通の人間に、そんなことは出来ない……)
( OMO)「ツン、カテゴリーJが消えても場所が分かるように剣藤が向かった位置の特定をしてくれ」
ξ゚⊿゚)ξ[了解!]
787
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:09:49 ID:wQXRKlTg0
―――――
.
788
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:10:13 ID:wQXRKlTg0
ギャレンに最初の場を任せ、単身カテゴリーJを追跡するブレイド。
ブルースペイダーの性能を以ってしても、そこそこ時間が掛かってしまった。
ブレイドが到着したのは、隣町の遊園地。
だが、既にカテゴリーJの反応はまたも途切れてしまっていた。
遊園地にも関わらず人一人の影はなく、スタッフの存在すら見受けられない。
( OwO)「もしかして……アンデッドが!?」
最悪の展開を想像してしまう。
全員がアンデッドにやられてしまっていたとすれば……遊園地なだけに、人数の規模も今までとは桁が違う。
警戒しながらも、無人の入り口を突破し、遊園地の内部へと進む。
たくさんの遊具や乗り物が立ち並ぶ内部。
何度も周囲を見渡すが、やはり人がいるような気配はない。
( OwO)「どういうことだお……みんな逃げれたのかお?」
「ぐっ……!」
( OwO)「!?」
突如、人の呻き声。
すぐに反応し、背後から聞こえるその声に警戒する。
( OwO)「……!?あなたは!?」
789
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:10:36 ID:wQXRKlTg0
(,,メ;^Д^)「くっ……ブレイドか……」
( OwO)「タカラさん!!」
そこには、大きく裂かれた腕を押さえながら苦しそうに歩くタカラがいた。
服はボロボロに引き裂かれ、見える素肌には引っ掻き傷がたくさん形成されている。
ブレイドのもとへ辿り着く前に力が尽きたのか、タカラは膝から崩れ落ちた。
( OwO)「タカラさん!!どうしたんですかこの傷は!?」
(,,メ;^Д^)「奴だ……!奴を、見つけた……!」
( OwO)「例のアンデッドのことですかお!?」
(,,メ;^Д^)「そうだ……うぐっ!」
( OwO)「タカラさん、傷がひどいですお……!」
(,,メ;^Д^)「構うな!」
( OwO)「………」
(,,メ; Д )「クソッ…!なんて無様だ……一矢報いることも出来ずに、このやられ様か……」
(,,メ; Д )「こんなものを持ってても、何も出来ないのか俺は……!!」
家族の仇を果たせぬどころか、一方的に打ちのめされたタカラ。
銃を置き、悔しさに歯を食いしばる。そして、硬い地面を拳で殴りつけた。
790
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:11:03 ID:wQXRKlTg0
(,,メ;^Д^)「あいにく、ここにいた人は全員逃げることが出来たようだ……俺の仕事じゃないというのに」
タカラの言葉は、タカラ自身が命を懸けて人を守ったことを意味していた。
その言葉に安心してか、ブレイドは変身を解除。地に跪くタカラに向け、手を差し出した。
( ^ω^)「……タカラさん、命があっただけでもよかったですお」
( ^ω^)「安全な場所まで肩を貸します。痛むかもしれないけど、立ってください」
(,,メ; Д )「………大丈夫だ、自分で歩ける」
ブーンの手を借り立ち上がる。
肩を借りることを拒んだタカラは俯いたまま動かない。
( ^ω^)「着いてきてくださいお」
タカラの心中を察するブーンは、それ以上の言葉をかけない。
一言だけ告げると、タカラを背に遊園地内の安全な場所へと向け歩き出した。
(,,メ; Д )「………」
(,,メ^Д^)
顔をあげ、ブーンの背中を見つめるタカラ。
(,,メ ゚∀゚)
――その表情が、変わった。
791
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:11:25 ID:wQXRKlTg0
(,,メ ゚皿゚)Ш 「………」
( ^ω^)「タカラさん、大丈夫ですお。そのアンデッドは必ず僕達が捕まえます」
(,,メ ゚皿゚)Ш「……ああ」
人間のものとは思えぬ鋭利な爪が伸びた右手。
むき出しにする歯はとても鋭く、肉を食いちぎるのはとても容易だろう。
――目の前の、ブーンの肉も。
( ^ω^)(許せないお……カテゴリーJ……!)
人間を次々と殺め、自分の駒として戦わせる残虐なアンデッド。
その憎しみは日を重ねるごとに募っていく。
憎んでいる存在が、背後に居るとも知らず。
(,,メ ゚皿゚)Ш「………ウヴヴゥ゙ゥゥッ!!!」
低い唸り声を喉から鳴らす。
そして、ブーンの背中を貫くために、構えた右手を勢いよく伸ばした。
だが、間一髪でその腕は掴まれた。
(,,メ ゚皿゚)「ウヴッ!?」
( ^ω^)「!?モララーさん!?」
792
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:11:46 ID:wQXRKlTg0
( #・∀・)「正体を現したな、タカラ……いや。カテゴリーJ!」
( ^ω^)「モララーさん……それにドクオ!?」
ブーンが振り返ったそこには、タカラの腕と首を掴み押さえ込むモララーの姿。
そして、同窓会へ向かうはずのドクオの姿があった。
(,,# ゚皿゚)「グウッ…貴様ァ……!!」
(#'A`)「てめぇ、俺達を騙してたのか!!」
( ^ω^)「……?どういうこと……」
( ; ^ω^)「!?!?」
モララーが掴むタカラの腕。その右手を見た途端、ブーンは言葉を失った。
タカラの右手は、人の手とは思えぬ形状と化していた。
( #・∀・)「貴様はあたかも俺達の味方のようなフリをして、俺達の動向を確認しながら動いていた。
人間のフリをして、俺達に近付いたんだろう!?」
( #・∀・)「通りで俺達が辿り着く前に、アンデッドが都合良く居なくなる訳だ」
( ; ^ω^)「……嘘でしょ?タカラさん…!?」
( #・∀・)「家族が殺されたなどというのもでっちあげた嘘だ、俺達を信用させるためのな!
貴様は人間社会に潜り込み、俺達の監視から外れた場所で効率よくアンデッドを倒すため……!」
793
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:12:08 ID:wQXRKlTg0
(,,# ゚皿゚)「ンウグゥアァッ!!」
強引にモララーの拘束を振り払う。
再び俯くタカラ。
だが、俯いていても分かる。
タカラは、笑っている。
(,,メ Д )「……フッ、クククク……」
(,,メ゚∀゚)「フッハハハハハハハ!!」
(#'A`)「何笑ってんだお前!?」
(,,メ^Д^)「少しだけお前の言うことを訂正してやろう」
(,,メ^Д^)「家族が殺されたのは嘘じゃない、あれは本当にあったことさ」
(,,メ゚∀゚)「そう……この姿をした男の前で、確かに俺は家族を殺した。そして……この男さえも殺した!!」
人間の姿の自分を見せつけながら話すタカラ。
タカラが擬態している人間の姿は……タカラ自身が殺した人間の姿だった。
(,,メ^Д^)「だがな、あれはただの実験に過ぎなかった。失敗したが、俺が人間どもを下僕に変えるための力を試しただけだ。
あの女が俺に授けた力をな……」
( ・∀・)「BOARDの女性の話か?そんなものも嘘だろう!」
(,,メ^Д^)「――いや?それは本当さ」
794
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:12:31 ID:wQXRKlTg0
( ・∀・)「何……?」
(,,メ^Д^)「奴は俺の正体を知っていて近付いて来た。そして……普通ではありえないこの力を俺に授けた」
(,,メ^Д^)「あの女が何を考えてそうしたかは知らないが、そんなものには興味ない!
俺はこの力を使って、あることを考えたんだ……」
(,,メ^Д^)「クククク……フハハハハ……!」
不気味な高笑い。
三人は、タカラをただ怪訝な目で睨み続ける。
(,,メ^Д^)「お前達……俺を追い詰めて、正体を明かしてそれで全てが済むと思ってるんだろう?」
(,,メ^Д^)「ヒャハハハハ!!馬鹿な奴らだ、お前らは本物の間抜けだなァ!!」
( #・∀・)「………」
(,,メ^Д^)「おい……この訳の分からない物が建ち並ぶ広い場所に、本当に人間が一人もいなかったと思うのか?」
(,,メ^Д^)「俺が手を掛けた奴らが一体どんな姿になってきたかは知ってるだろう?
奴らは俺の思うままに動く、下僕に過ぎない」
(,,メ^Д^)「ただ……下僕でも腹を空かせるからなぁ、餌を与えないといけないんだ」
('A`)「さっきから何が言いたいんだ!?」
痺れを切らし怒鳴りつけるドクオを見ては、目を見開き満面の笑みを浮かべる。
( #・∀・)「貴様……全員を殺したのか!?」
(,,メ゚∀゚)「大当たりだ!!全員俺の下僕に変わり果てた!それで、ちょっとばかり餌を食わせに行ったのさ……」
(,,メ゚∀゚)「お前らが大事にしてる、"仲間"って奴の肉をなァ……!!」
795
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:12:54 ID:wQXRKlTg0
( ; ・∀・)「………!!」
( ; ^ω^)「まさか……!!」
ポケットのスマホを取り出し、急いでツンへと発信するブーン。
モララーも同様に、ジョルジュへと発信。
耳に当てたスマホから、相手を呼び出す音が流れる。
…………。
…………。
( ; ^ω^)「ツン……!」
…………。
…………。
( ; ^ω^)「………」
( ; ・∀・)「出ない……」
ツンもジョルジュも、二人の着信を取ることはなかった。
(,,メ^Д^)「今頃どうしてるんだろうなぁ……?奴らに捕まって、今にも食われそうになってるかもしれないなぁ」
( #^ω^)「貴様………!!」
796
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:13:16 ID:wQXRKlTg0
(,,メ^Д^)「ヒヒヒヒヒ……!!でもひとつだけ助かる方法はあるぞ。
奴らは俺の意思で動く、俺が止めろと命令すれば奴らは止まる」
(,,メ^Д^)「そうだなぁ、俺の条件を飲めば……助けてやらんでもない」
( ; ・∀・)「……最初からそれが目的だったのか!?」
(,,メ^Д^)「ご名答だ!貴様らの命も人間の命もどうでもいい、俺の目的はただひとつ……」
(,,メ^Д^)「ライダーのバイクとカードを俺に寄越せ。特にブレイド……♠スートの力は俺と相性がぴったりでな。
お前のカードを寄越せ!そうすればお仲間の命は助けてやるよ」
( ・∀・)「なんだと!?」
(,,メ^Д^)「他のアンデッドは全て俺の敵だ!貴様が言った事は間違いじゃない。
だが、封印する術は今のところ貴様らしか持っていない」
(,,メ^Д^)「なら、カードの力を発揮できるバイク……そしてそのカードを手にすればいい!そして俺はアンデッドとして最強になる!
アンデッドを俺の手で全員ぶっ倒して、俺の力とする!そして最後に勝ち残るのは……俺だ!!」
全ては、ライダーの持つ力を狙ったタカラの計算通りだった。
悲劇の人間を装いブーン達に近付き、ライダーの動きを監視する。
自分への疑いを無くすことで、監視から外れたタカラは自由に動き回ることが出来た。
狼人間を常にライダー達に与えながら、自分の存在を警戒させながらも自分を信用させる。
そして、最後は自分の正体が明かされても問題の無いように、ツンやジョルジュを人質に仕組む。
モララーの疑念は、間違ってはいなかった。
だが、ブーンはタカラを強く信用してしまった。
797
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:13:40 ID:wQXRKlTg0
( ^ω^)「………分かった」
カードデッキを取り出し、タカラに差し出すブーン。
(,,メ^Д^)「フッ、それでいい。物分りが良くて助かる」
鼻を鳴らし、カードデッキを奪い取る。
カテゴリーAを含む全てのカードを確認すると、タカラは口角を吊り上げる。
( ^ω^)「それで……それでツン達を助けてくれるんだろうな?」
(,,メ^Д^)「ああ、もちろんさ。俺は嘘をつかない……」
(,,メ゚∀゚)「……というのは嘘だ!」
( ^ω^)「何……!?」
(,,メ゚∀゚)「ハハハハハハ!!どこまでも馬鹿な奴らだ!生かしておくわけないだろう!!
アンデッドを倒そうとする連中も、カードが手に入った今みんな邪魔だ!!貴様らの命などどうでもいい……わけないだろ!?」
( # ω )「ッ………!!!!」
( #・∀・)「貴様……!!」
(,,メ^Д^)「クククク……!」
思うままに騙される人間共に、滑稽過ぎて笑いが止まらない。
ブーンとモララーの怒りに満ちる表情が、タカラの笑いをより誘った。
(,,メ゚皿゚)「……フーッ、フーッ…!ウウウヴヴヴヴゥッ!!」
( ; ^ω^)「うっ!?」
798
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:14:04 ID:wQXRKlTg0
再び歯をむき出しにし、突如息を荒げる。
ブーンを突き飛ばしたタカラは、軽々と宙を回転しながら人としての姿を消した。
着地して現れたのは、全身に鋭いナイフを纏った狂気すら感じる姿のアンデッド。
狼にも似た風貌は、まさに狼人間の生みの親であることを証明していた。
ブルースペイダーへと一直線に疾走するタカラは、華麗に飛び乗る。
人の文化を知らないアンデッドとは思えぬ程、器用にバイクのエンジンをかけた。
(
彡,,メ皿゚彡『コイツも今から俺の力だ!』
( ・∀・)「待て!!」
呼び止める声など意味を成さない。
タカラは、そのままブルースペイダーを走らせ何処かへと去って行ってしまう。
('A`)「ブーン、大丈夫か?」
( ω )「………モララーさんの言う通りだった」
( ・∀・)「剣藤……?」
ドクオに差し伸べられた手を掴まず、ブーンは地に倒れたまま小声で囁いた。
( ω )「僕のせいだお……僕があいつを、何の警戒もせず信じてしまったから……」
( ω )「ツンもジョルジュも……モララーさんやドクオも、こんなことに巻き込んでしまった……!」
酷く責任を感じ、自分を責めるブーン。
同時に、アンデッドに騙されたことの悔しさでギリギリと歯を食いしばる。
( ・∀・)「……剣藤、立て」
799
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:15:23 ID:wQXRKlTg0
♪大いなる力 -
https://www.youtube.com/watch?v=d18HxqqREGk
( ・∀・)「お前だけの責任じゃない……俺にも責任はある」
( ・∀・)「BOARDの女性……奴が言った言葉に、希望を感じてしまっていた部分があった。
奴を通じてその女性に接触すれば……所長達と力を合わせ、BOARDの再建も有り得ると思ってしまった」
( ・∀・)「全部一人で責任を負おうとするな。俺達は痛みを分け合っていく仲だろ」
( ^ω^)「でも……僕は、ただただ何回も何回も騙されて……」
( ・∀・)「百回人を騙す奴より、百回騙されて馬鹿を見る奴の方が俺は好きだ」
( ・∀・)「それに……どんなことがあっても、最後までお前と共に戦うと覚悟を決めた本当の仲間なら、此処にいる」
( ・∀・)「俺が府坂に騙されていた時のように、今度は俺がお前を導く。それが仲間だと、お前が教えてくれたんだ」
( ^ω^)「モララーさん……」
手を差し伸べるモララー。
既に掴むべき手は差し出されているにも関わらず、ドクオも再び手を差し伸べた。
('A`)「そうだよ!あんな奴、俺達が一丸になればぶっ倒せる!ツンのとこにはジョルジュがいるんだろ?簡単にやられやしないさ」
('A`)「まぁ、これは根拠のない自信だけど……さっきまでツンはサーチャーの反応を送ってくれてたんだろ?
それに狼人間の群れが本当に向かってたとしたら、俺達は途中でその群れを見てるはずだ」
('A`)「でも、あいつがはったりかましてるとも思えないし……とにかく急いでなんとかしないと!」
800
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:15:46 ID:wQXRKlTg0
( ・∀・)「奴を倒せば、狼人間の動きも制御出来るはず。すぐに奴を追おう、今度こそ俺達で奴を倒すんだ!」
('A`)「協力して倒すことが重要。だろ?お前が言ったんだぜ?」
( ^ω^)「……へっ、お前に元気付けられるなんてな」
両手を伸ばし、差し出された二つの手を掴む。
二人に引っ張られながら自分の足に力を入れ、深く深呼吸。
( ・∀・)「カテゴリーAは渡さなかったんだろう?」
( ^ω^)「もちろん、あいつは力になるカードしか欲しくないだろうと思って」
( ・∀・)「なら問題はないな。俺の小型サーチャーを渡すから、後ろに乗って道を案内してくれ」
っ■
( ^ω^)「分かりましたお」
('A`)「じゃあさっさと行こうぜ、とっとと倒して俺も同窓会に行くんだ」
( ^ω^)「よし、行こう!」
アンデッド打倒に向け、一つになった心が共鳴する。
タカラを追うため、三人はバイクのもとへと走って行く。
――その背中を、高い位置で宙吊りになった観覧車の上から見つめる、一人の少女。
o川*゚ー゚)o「………」
o川*゚ー゚)o「……お友達、なれるかなぁ」
801
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:16:11 ID:wQXRKlTg0
―――――
.
802
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:16:35 ID:wQXRKlTg0
逃走したタカラは、人一人いない広々としたプールへと侵入。
盗んだブルースペイダーで柵を越え、プールサイドに華麗に着地する。
そして、ブーンから騙し取った♠スートのカードを懐より取り出す。
(
彡,,メ皿゚彡『フッフッフッ……コイツがあれば、アンデッドの力を俺のものに出来る!』
自身の左手と、ブルースペイダーに搭載されたラウザーシステムを交互に見つめる。
(
彡,,メ皿゚彡『このバイクに俺のアンデッドウィルスを注入すれば、更に俺に適したマシンになる…!』
(
彡,,メ皿゚彡『俺は強力な力で全てのアンデッドを倒し、自分でアンデッドを封印することが出来る…!最高だ!!』
カードにブルースペイダー……そして、BOARDの女性と言う者から得た力。
他のアンデッドには持つことの出来ない力を手にし、喜びに満ち溢れる。
力を全て駆使し、アンデッドを封印する姿を想像する。笑いが止まらない。
だが、喜びに浸るのも束の間。
余韻を邪魔する、一人の気配を感じた。
(
彡,,メ皿゚彡『………貴様から試してやろうか?』
気配のする方へ視線を向け、ブルースペイダーから降りる。
すると、その声に応じるように視線の先から現れた。
803
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:18:57 ID:wQXRKlTg0
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、やっぱり面白いことしてるじゃない」
現れたのはミセリ。
タカラの一連の行動を陰から監視し、機を伺っていたのだ。
ミセ*゚ー゚)リ「私の予想は当たったわ、きっとそれが目的だと思った」
(
彡,,メ皿゚彡『フン、だったらどうする?俺から奪おうと言うのか?』
ミセ*゚ー゚)リ「私と手を組めばそんなことはしないわ」
(
彡,,メ皿゚彡『馬鹿な…俺は誰とも手は組まないと言ったはずだ』
片手のみで扇形に綺麗にカードを広げ、ミセリに見せ付ける。
ミセ*゚ー゚)リ「はぁ、残念ね。乱暴なことはしたくなかったんだけど…」
ミセ*゚ -゚)リ「……お前がその気なら、力ずくで奪うまでだ……!」
(
彡,,メ皿゚彡『望むところだ…!』
交渉は決裂し、互いに敵意を見せ始め一触即発な状態へと加熱していく。
睨み合いながら距離を取る両者。
まさに今、戦いの火蓋が切って落とされようとした。
その時。
手を叩くような乾いた音が、パン、パン!とプールに響き渡った。
804
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:19:28 ID:wQXRKlTg0
ミセ*゚ー゚)リ「……?」
音のする方へ、睨み合っていた二人の視線は向けられる。
プールの中心。
繋がった広いプールサイドとは隔離されたように点在する、小さい子供用のプールだろうか。
その脇にビーチパラソルを差し、白いビーチチェアに寝そべる一人の男がそこにはいた。
深々と被った麦わら帽子を僅かに上げ、視界を広げる。
「……ああ、まったくうるさいな」
気だるそうにゆっくりと立ち上がった男。
エスニック系の白い緩めの服で覆っている身体は、服越しでも分かるとても強靭な肉体。
背丈は高く、その見た目だけで人を威圧出来る。
帽子に手を当て、対岸で対峙しているミセリとタカラを見つめる。
「おいお前ら、人のテリトリーで勝手に騒ぎを起こして……」
直後、スパンの無い跳躍で軽々とプールを飛び越え、対岸へと渡る屈強な男。
二人の前に立ちはだかり、ようやく顔がはっきりと露になる。
そして、気だるそうな表情で言葉を続けた。
( ゚∋゚)「……特別に許可してやる。さぁ、戦ってくれ」
ミセ*゚ー゚)リ「お前は……!」
(
彡,,メ皿゚彡『貴様……カテゴリーJか!?』
805
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:19:48 ID:wQXRKlTg0
男を見た瞬間、威勢の良かったミセリが微かに萎縮している。
タカラによって正体が判明した。
この男もアンデッドであり、上級アンデッド。タカラと同じカテゴリーJだ。
ブーンとモララーがそれぞれ封印したカテゴリーJ。
残るカテゴリーJは二体で、そのうちの一体は♥スートのタカラである。
と、すれば……残るカテゴリーJは、♣スートのみ。
( ゚∋゚)「いいからいいから、どちらかが潰れるまで戦ってくれ」
二人の意識が男に向けられているにも関わらず、男は二人の戦いを促す。
ミセ*゚ー゚)リ「……あら、ごめんなさい。あなたのテリトリーだとは知らなかったの。
あなたを怒らせるのは得策じゃないから、やめておくわ」
( ゚∋゚)「気にするな、俺は何もしない」
(
彡,,メ皿゚彡『ハッ!今の俺なら、お前も倒せるかもしれんな。無敵の力を手にしたこの俺なら!』
( ゚∋゚)「フム……」
上級アンデッドによる三つ巴。
殺気を見せず落ち着いている男の隠し持った力を知ってか、ミセリは一歩引いている。
それに対して、タカラは好戦的な態度を示すも、男は興味のない素振りを見せた。
( ゚∋゚)「…ん?」
突如、近付く気配を感知する男。
やがて近くなるバイクの排気音にミセリ達も気付き、その正体が何かを感じ取った。
806
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:20:14 ID:wQXRKlTg0
(
彡,,メ皿゚彡『フン、来たか』
二台のバイクが到着し、ブーン達三人が現れた。
モララーの後ろに同乗していたブーンが真っ先に降り、手に持ったサーチャーをポケットにしまう。
そして、並び立つ面々を一人ずつ確認する。
( ・∀・)「貴様……」
ヘルメットを取るモララー。
言わずとも目に入ったのはタカラ。奪われたブーンのカードを手に持っている。
先に降りたブーンが最初に目に入ったのは、ジョルジュを騙し母とでぃを人質に取られた因縁を持つミセリ。
( ^ω^)「義永ミセリ……!お前もいたのかお!」
ミセ*゚ -゚)リ「お友達は元気かしら?」
( #^ω^)「ふざけんな!!お前だけは許さない!!」
ミセ*゚ -゚)リ「ふん」
冷たく見下した目が、ブーンを睨み付ける。
グリンクローバーから降りたドクオは、面識のないもう一人の男に気が付いた。
('A`)「お前もアンデッドなのか!?」
( ゚∋゚)「仮面ライダーか……倒すならコイツらにしてくれ、俺は戦いが嫌いなんだ」
('A`)「そんなこと信じられるか!」
807
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:20:38 ID:wQXRKlTg0
ミセ*゚ー゚)リ「フフフ、一旦お預けね。三対三でどうかしら?」
(
彡,,メ皿゚彡『仕方ない……仮面ライダーを葬るまたとない機会だ』
( ゚∋゚)「勝手にやってくれ」
臨戦態勢を取るアンデッド達。
男だけは乗り気ではなく、立ち尽くしたまま。
( ・∀・)「上級アンデッドが三体……やれるか?」
('A`)「はい、せめて一体は封印してやる!」
( ^ω^)「やるしかないお…!」
ドクオを真ん中に肩を並べる三人。
上級アンデッドが三体という、かつてない脅威に立ちはだかる。
独特な緊張感が漂うも、ブーンだけはアンデッドへの怒りで滾っていた。
ブーンはバックルを取り出し、モララーがカードを装填し、ドクオはバックルを装着。
三人一斉に装着したバックルから、三つの待機音が重複して複雑な音を奏でる。
アンデッドを真っ直ぐ視界に捉えながら、同時に変身の構えを取る。
808
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:21:01 ID:wQXRKlTg0
( ^ω^)ψ
/
('A`/) 「「「変身!」」」
―
o( ・∀・)
\
【 -♠TURN UP- 】 【 -♣OPEN UP- 】 【 -♦TURN UP- 】
809
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:21:25 ID:wQXRKlTg0
バックルを展開し、三つのゲートが射出される。
接近するレンゲルのゲートに、変身者の通過を待つブレイドとギャレンのゲートが二つ。
ドクオの両サイドに並んでいたブーンとモララーがゲートに向け走り出し、ドクオは構えたままゲートを待機。
ブレイトとギャレンへ変身しアンデッドへと向かって行った二人に対し、変身を終えたレンゲルが遅れて動き出した。
( OwO)「うおおおおおッ!!!」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、そんなに私が憎いか…!?」
ブレイドが狙いを定めたのは、因縁深いミセリ。
自身を狙う理由は察しがついている。
故に不気味に笑ってみせると、ミセリはアンデッドへと姿を変身しブレイドに応戦。
*∧Λ*
∠*゚`ー´)ゝ『ふっ!』
( OwO)「お前のっ!その攻撃にはもう乗らないおっ!!」
ミセリが伸ばした幾つかのツルを、咄嗟の判断で抜いたブレイラウザーで斬り落とす。
障害のなくなった道を突き進み、右手に持った剣でミセリを斬りつけた。
∧Λ
∠*゚`ー´)ゝ『うっ…!ふふふ、少し甘く見てたわね…!』
胸部より流れる緑血を指で掬い、妖艶な唇から覗かせた舌先で舐め取る。
810
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:21:45 ID:wQXRKlTg0
( OMO)「これ以上貴様の思い通りにはさせない!」
(
彡,,メ皿゚彡『ハハハ!止められるものなら……止めてみろ!!」
ギャレンは、今回の元凶であるタカラを攻撃。
騙された事への怒りと、危険に晒されているツンを救うための焦りが生じていた。
両手の拳で繰り広げるパンチをことごとく躱され、遂には右腕を取られてしまう。
すぐに蹴り上げた左足で腕を振り解こうとするも、タカラは頭を下げたと同時に掴んだの腕を離す。
蹴りの勢いで右へ回転するギャレンの背中を、両手に伸びる鋭利な爪で二度切り裂いた。
( ; OMO)「ぐうっ…!」
(
彡,,メ皿゚彡『早速力を試してやる、どけ!』
ギャレンの背中を蹴り飛ばし、ひと飛びでブルースペイダーのもとへ移動。
カードを一枚取り出し、ラウザーシステムにカードをスライドさせた。
《-♠9 MACH-》
カードをラウズしてすぐ、左手をラウザーシステムへと突っ込む。
本来ならブルースペイダーにしか付与されない力を、物理的に強引に自らへと付与させたのだ。
(
彡,,メ皿゚彡『感じる……これがアンデッドの力を使うということなのか……!!』
"♠9のMACH"の力を得たことで、タカラに高速移動の力が宿った。
再びギャレンのもとへと走るタカラ。
その速度は、もはや視界に捉えることが難しいほど。
元々素早い動きを得意とするタカラに、高速移動の力が加わった事によって、この上ない速度を生み出す。
811
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:22:08 ID:wQXRKlTg0
圧倒的な素早さ。
全身に備わったナイフを活かし、高速の体当たりをギャレンに見舞った。
( ; OMO)「うああっ!くっ……速過ぎる!」
まるで、疾風の刃の如く。
四方から飛翔する刃に切り刻まれるような攻撃に、ギャレンは為す術なく蹂躙される。
(
彡,,メ皿゚彡『ヒャハハハハ!!最高だァ!!こいつは気分が良いぜ!!!』
( ; OMO)「ううっ…!!」
( OHO)「モララーさん!!」
男へと立ち向かうも相手にされずにいたレンゲルが、ギャレンの危機に気付いた。
戦おうとはしない男をそのままに、レンゲルラウザーに一枚のカードをラウズ。
《-♣9 SMOG-》
カードの力を得たレンゲルラウザーを突き出し、大量の煙幕を発生させる。
素早く移動を繰り返すタカラを包み込み、ようやく動きを制御させることが出来た。
(
彡,,メ皿゚彡『チィ…ッ!何だこの煙幕は!?』
( OHO)「大丈夫ですか!?」
( OMO)「ドクオ、すまない…っ!」
812
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:22:31 ID:wQXRKlTg0
果敢にもタカラに再び挑むギャレン。
アンデッドの力の効力が切れ、タカラの攻撃は一旦の落ち着きを見せる。
( OHO)「戦う気になったのか!?」
ギャレンを救ったレンゲルは、もう一度男に向け殴りかかった。
しかし、男はレンゲルの拳を片手で受け止める。
( OHO)「!?うッ……!」
( ゚∋゚)「面倒だ……何故俺に突っ掛かる?」
体感したことのない力が、レンゲルの拳を握り潰さんとする勢いでギリギリと締め付ける。
その強靭な肉体から繰り出される力は、説得力十二分と言ったところか。
表情一つ変えずレンゲルを青い瞳で見つめ続け、掴んだ片手のみで軽々と投げ飛ばした。
( ; OHO)「うわぁっ!?」
地に叩き付けられ、何が起きたかも分からず困惑すら覚えるレンゲル。
それでも男は追撃しようとせず、先程からプールサイドに着いた両足は全く動いていない。
( ; OHO)「コイツ……やばい……!」
( ゚∋゚)「フム……全く、まだ新たな顔ぶれが来るのか」
( ; OHO)「なに言ってんだ!?」
813
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:22:52 ID:wQXRKlTg0
ライダーとアンデッド、三対三で展開される乱戦。
もはや収拾がつかず、いつ誰が先に倒れるかが読めない状況だ。
( OMO)「ふうっ!」
(
彡,,メ皿゚彡『ぐうっ!?』
腕を取り、素早く懐に潜り込むと一本背負いでプールサイドにタカラを叩き付けるギャレン。
地にタカラを押し付けながら、ギャレンは激しく捲くし立てた。
( OMO)「BOARDの女性とは誰のことだ!!言え!!」
(
彡,,メ皿゚彡『さぁな、名前なんて興味がない』
( OMO)「嘘をつけ!!」
(
彡,,メ皿゚彡『そんなことより、自分のお仲間の心配でもしたらどうだ?』
ギャレンに取り押さえられながら、タカラは静かに笑い始めた。
(
彡,,メ皿゚彡『クククク……』
(
彡,,メ皿゚彡『お前達の仲間の女、今頃食われてるぜ』
( OMO)「!?」
814
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:23:16 ID:wQXRKlTg0
(
彡,,メ皿゚彡『グアアアァアッ!!』
( OMO)「くっ……!」
ギャレンの一瞬の気の緩みを突き、強引に払い除ける。
仰向けのまま腰と両足を宙に浮かせ、タカラは勢い良く飛び起きた。
(
彡,,メ皿゚彡『残念だったなぁ!俺が向かわせた狼人間は、さっきの場所の奴らだけじゃないんだよ!!』
( OwO)「なに!?」
( OHO)「!?!?」
ミセリと交戦中のブレイド、男に投げ飛ばされたレンゲルも、タカラの発言に気が向いてしまった。
*∧Λ*
∠*゚`ー´)ゝ『ふん!』
( ; OwO)「うああぁっ!!」
顔が入れ替わったミセリの口から、無数の花びらが放たれた。
ブレイドの身体に纏わりつき、爆竹のように小さな爆発が引き起こされる。
小さな爆発が無数に重なり、爆発に包まれたブレイドは痛みに声をあげながら体勢を崩した。
(
彡,,メ皿゚彡『ククク…!確かにさっきの場所から向かわせたのは事実だが、それ以前にもっと近い場所から向かわせておいたのさ!』
(
彡,,メ皿゚彡『そう、お前が下僕を相手にしていた場所からな…!』
( ; OMO)「……!?」
ギャレンを指差すタカラ。
タカラの反応を辿って最初に着いた場所。ギャレンは、ブレイドを先に行かせ一人でその場を受け持っていた。
全ての狼人間を倒したつもりだったが……既に、取り逃がしていた狼人間が何体もいたのだ。
815
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:23:40 ID:wQXRKlTg0
(
彡,,メ皿゚彡『お前達は本当に馬鹿でどうしようもないマヌケだ!騙され踊らされ……お前達がこうしてる間にも、仲間の女は……!』
( ; OwO)「ッ……嘘だ!どうせそれも嘘なんだろ!?」
(
彡,,メ皿゚彡『なら……今から戻ったらどうだ?きっと残ってるのは、食い荒らされた女の肉だけだぜ…!!』
( ; OHO)「………そんな………」
( ; OMO)「………」
沈黙する三人。嘘かもしれない可能性を疑い切れない。
絶望に打ちひしがれているのか、地に倒れたまま身動きが取れず、呆然としてしまう。
*∧Λ*
∠*゚`ー´)ゝ『あらあら……可哀想ね』
( ゚∋゚)「ふ、くだらん」
捨て台詞のように吐き出した男は、そのまま静かに立ち去った。
だが、誰も男を追おうとはしない。
(
彡,,メ皿゚彡『どうした…?悲しすぎて立ち上がることも出来ないか?』
( # w )「………貴様……」
怒りや悔しさ、悲しみが渦巻く。
握り締める拳が震え、あまりの怒りにそう呟く声も小さい。
(
彡,,メ皿゚彡『安心するんだな。今からお前達も……仲間のもとへ送ってやる!』
816
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:24:04 ID:wQXRKlTg0
再び跳躍し、ブルースペイダーのもとへと移動。
今度はブルースペイダーに乗り、選んだカードを一枚ラウズした。
《-♠6 THUNDER-》
ラウズした直後、先程と同様に左手をラウザーシステムへと突っ込んだ。
途端、ブルースペイダーとタカラの身体に電撃が走り始める。
ハンドルに両手を掛け、地に両膝を着いたままのブレイドへとブルースペイダーの正面を向かせた。
何度もアクセルを吹かす行為は、己の存在を知らしめるかのように。
そして、ブルースペイダーのアクセルを全開に急発進。
青い閃光を描きながら、短い距離に位置するブレイドに向け突進した。
(
彡,,メ皿゚彡『自分の持っていた力に倒される極上の気分を、味わえ!!』
( ; OwO)「ッ……!」
( ; OMO)「剣藤!!させるか――」
右腰のギャレンラウザーを引き抜き、疾走するタカラに構える。
*∧Λ*
∠*゚`ー´)ゝ『邪魔をするな!』
しかし、ミセリの花びらによる攻撃が視界を遮り、同じように小さな無数の爆発に巻き込まれた。
( ; OMO)「ぐああぁっ!!」
( ; OHO)「ううっ!!」
*∧Λ*
∠*゚`ー´)ゝ『ブレイドを倒すまたと無い機会、逃がしはしないわ!』
817
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:24:28 ID:wQXRKlTg0
( ; OwO)「うぐ……っ!」
(
彡,,メ皿゚彡『死ねェ!仮面ライダー!!』
殺意に満ちた狂気の声が、轟くバイクの音を掻き消す。
ゆらりと身体を起こすブレイドだが、タカラの操るブルースペイダーは既に眼前へと到達。
( ; w )「がはっ――!!!」
正面からの衝突、更には電撃の力が加わり、ブレイドは身体を痺れさせながら吹き飛ばされる。
激突したフェンスや壁を壊しながら、崩壊して生まれた瓦礫の上に崩れ落ちた。
(
彡,,メ皿゚彡『終わりだ……!!』
( ; w )「……ッぐ……」
倒れたブレイドに向け、再びアクセルを全開にしたタカラ。
用済みとなった、ただただ邪魔な仮面ライダーにトドメを刺せることに心が躍る。
アンデッド討伐のために開発された正義のマシンは、アンデッドが操る殺戮マシンと化した。
(
彡,,メ皿゚彡『アンデッドと戦う"運命"にあった己が生を憎むがいい!』
(
彡,,メ皿゚彡『貴様ら全ての仮面ライダーを、俺の手で殺してやる!!!』
818
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:24:48 ID:wQXRKlTg0
瞬く間に接近するブルースペイダー。
荒ぶる雷は排気音と共鳴し、轟音を鳴り響かせる。
もはや、ブレイドに逃げる時間はなかった。
( ; w )「………ッ!」
間に合わない。
そう確信せざるを得なかったブレイドは、反射的に両目を瞑る。
両腕を顔の前に翳し、微塵の意味も成さない守りの構えを取りながら。
――だが、目を瞑り視界の途絶えた目の前で突如、タイヤが地面を急激に擦る音が響いた。
( ; OwO)「……?」
音が鳴った途端、衝突は免れぬであろうと思われていたはずのブルースペイダーも、衝突する気配はない。
気のせいでなければ、ブルースペイダーはブレイドに突進する前に、急ブレーキをかけている。
そう思ってか、翳した両腕をゆっくりと下ろし、瞑った目を開く。
開いた視界にまず映ったのは……ブルースペイダーに乗ったタカラの姿ではなかった。
ブレイドに対し背を向け立つ女性。
そこに居たのは……。
*∧Λ*
∠*゚`ー´)ゝ『チッ、厄介なのが来たわね…』
(
彡,,メ皿゚彡『貴様……!何のつもりだ!?』
819
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:25:09 ID:wQXRKlTg0
( OwO)「クー……!」
川 ゚ -゚)
タカラによる突進から、ブレイドを守るようにして立ちはだかるクー。
クーの介入は予想していなかったのか、タカラは特に驚いた反応を見せた。
(
彡,,メ皿゚彡『退け!』
川 ゚ -゚)「退かぬと言ったら?」
(
彡,,メ皿゚彡『何だと?何故貴様がこいつらを助ける!?』
川 ゚ -゚)「そう見えるならそれでも構わない。私はただ、お前達を倒すことにしか興味がない」
クーの腰に、カリスラウザーが浮かび上がる。
カテゴリーAのカードをコートのポケットより取り出し、タカラにそれを見せ付けた。
(
彡,,メ皿゚彡『貴様……!』
川 ゚ -゚)「どうした?戦う準備なら出来ている。さっき狼の群れを狩り尽くして、腕を温めたばかりだ」
(
彡,,;メ皿゚彡『!?!?』
( OwO)「クー、それ……まさか」
川 ゚ -゚)「……この間は私が助けられた。借りが出来たままなのが嫌なだけだ」
川 ゚ -゚)「安心しろ。ツンも、あの男も無事だ」
820
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:25:29 ID:wQXRKlTg0
サーチャーでは捉えられぬ狼人間の反応。
だが、アンデッドであればその気配を感じ取ることが出来る。
大勢の狼人間がツン達に迫っていたことを、クーは感知。
そして、本人達の知らぬところで、すべての狼人間を排除していた。
( OwO)「……よかった……」
(
彡,,#メ皿゚彡『貴様余計なことをォ……!!』
想定外の邪魔者。それだけでなく、企みまで阻止される始末。
タカラの怒りはすぐに爆発し、クーを睨みながら鋭い八重歯を光らせる。
川 ゚ -゚)「ふん、怒ったか?策士を気取った荒削りな企みなど、容易に打ち破れる。
身を潜めてこいつらの動向を探っていたくせに、私に注意を払わなかった時点でお前の負けだ」
(
彡,,#メ皿゚彡『グウウウウウ……!!!』
川 ゚ -゚)「くだらない余興はここまでだ。嘘をつき過ぎれば、誰ももうお前の言葉を信用しなくなる」
川 ゚ -゚)「変身」
っ□
【 -♥CHANGE- 】
カリスへと変身した直後に召喚したカリスアロー。
眼前のタカラへと構え、光の矢を数発射出。
(
彡,,メ皿゚彡『クッ…!』
矢を回避する為、咄嗟にブルースペイダーから降りたタカラ。
受け身を取りながらプールサイド上で身を構えたところに、カリスは急接近する。
821
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:26:01 ID:wQXRKlTg0
軽く地面を蹴り上げ、宙に浮いた身体を勢いよく前に回転させながらタカラに斬りかかるカリス。
タカラも咄嗟にこれを躱し、右足による回し蹴りを脳天目掛け放った。
だが、カリスはタカラの右足を敢えて腕で防ぎ、右腕でタカラの脚をしっかりと掴んだ。
( <::V::>)『今だ!カードを奪え!』
(
彡,,メ皿゚彡『なっ…貴様…!』
( OMO)「ッ……!」
カリスの声に真っ先に動いたのは、ギャレン。
地面を拳で叩いて立ち上がり、カリスに掴まれたタカラに向け走り出す。
カードを奪われまいと、タカラは何度も何度もカリスを殴打して抵抗するが、カリスは脚を掴んで離さない。
(
彡,,メ皿゚彡『クソッ!離せ!離せェッ!!』
( OMO)「カードは返してもらうぞ!!」
通りすがりに、タカラの腰に提げた巾着袋に手を伸ばし、強引に引きちぎる。
カードを奪ったことを確認したカリスは、タカラの顔面に何度も肘を叩き込み、身体を翻し左足の踵を脳天目掛け叩き込んだ。
(
彡,,;メ皿゚彡『ウグウゥッ…!』
その隙に、ギャレンはブレイドへと袋を渡す。
受け取ったブレイドは、袋の中からカードを出し全てのカードが揃っていることを確認する。
( OwO)「……大丈夫、全部ありますお」
( OMO)「そうか、ならよかった」
822
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:26:27 ID:wQXRKlTg0
*∧Λ*
∠*゚`ー´)ゝ『これは……逃げたほうが良さそうね。ここはあなたに任せるわ!』
( <::V::>)『させるか!』
状況不利と判断しては、タカラを残し逃走を図ろうとするミセリ。
だが、そう何度も逃げることはカリスが許さなかった。
目の前のタカラを蹴飛ばし、両足を揃え跳躍。
空中で身体を回転させながらミセリの前へ着地し、振り返りながらカリスアローを斜め上に斬りあげる。
*∧Λ*
∠*;゚`ー´)ゝ『ぐうぅッ…!』
( <::V::>)『貴様に借りは無いが、個人的な恨みはある。今度は私が貴様を追い回す番だ!』
*∧Λ*
∠*;゚`ー´)ゝ『お前ェ……!!』
( <::V::>)『その狼はお前達にくれてやる、煮るなり焼くなり好きにしろ!』
ミセリの背後に回り込み、首に掴み掛かったままそう言い放つ。
ミセリは、カリスを振り払うことをしないまま、姿を消すための花びらを自身の周囲に発生させる。
カリスもろとも花びらに包まれると、二人はその場から姿を消した。
吹いていないはずの風に乗ったいくつかの花びらが、プールの水面の上に落ちる。
優勢だったはずのタカラは、カリスたった一人の手によってあっという間に戦況を覆された。
屈強そうな男はどこかへと去り、そのカリスもまたミセリと共に姿を消した。
残されたのは、仮面ライダー三人に……アンデッドが一体。
823
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:26:52 ID:wQXRKlTg0
(
彡,,#メ皿゚彡『クウッ……カリスウウゥゥ!余計な真似をしやがってェ……!!』
既に消えたカリスに向かい、怒りを爆発させる。
全てが自分の思い通りに、順調に進んでいた計画が……たった一人の気まぐれで全て台無しにされた。
そう思うと、腹の底が煮え滾ってどうしようもなくなった。
しかし、この場にいない者への怒りを見せている余裕など、本来タカラにはない。
(
彡,,メ皿゚彡『……!!!』
怒りに捉われ、まったく気が付かなかった。
振り返ったそこに……三人のライダーが立ち並んでいたことなんて。
( OMO)「……好きにしていいそうだ、どうする?」
首を回し、掌で拳を包みながら指をポキポキと鳴らすギャレン。
( OHO)「どうするって……なぁ?」
レンゲルラウザーを右手に持ち、シャフトを伸長するレンゲル。
答えは既に定まっている。
六つの眼が、タカラを睨んで離さない。
それは、ブレイドも同じこと。
だが、ブレイドは二人の問いかけには答えない。
824
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:27:14 ID:wQXRKlTg0
( w )「たくさんの人を手にかけ、尊い命をお前は一体いくつ奪った……?」
(
彡,,メ皿゚彡『フン!さぁな、数など数えるわけないだろ?』
( w )「それだけじゃない……亡骸を化け物に変えて、操って……」
一度腰に収めたブレイラウザーを左手で逆手に持ち、引き抜いて右手に持ち変える。
肩を並べていた二人から突き抜け、ゆっくりとタカラに近付く。
( w )「人の命を奪うだけに留まらず、その命を蹂躙し冒涜した……」
(
彡,,;メ皿゚彡『ッ………』
僅かに俯きながら、声色静かに淡々と話すブレイド。
その話し方や様子から、タカラ以上に燃え盛る怒りが垣間見えた。
タカラの戦いに身を置く者としての本能が感じ取る、ブレイドが発するオーラ。雰囲気。
そして、計り知れない怒りと、殺気。
誤魔化し切ることの出来ない畏怖した心が、近付くブレイドに対して後退りする形で表れていた。
(
彡,,;メ皿゚彡『……な、なんだ……お前は……!?』
( w )「許さない……」
( #OwO)「――お前だけは……絶対に許さない!!!」
825
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:27:35 ID:wQXRKlTg0
顔を上げ、声を張り上げた瞬間、地面を蹴り走り出す。
一向に縮まらない距離を一気に詰め、右手で逆手に持ったブレイラウザーを左へと横薙ぎに振り払う。
タカラはこの攻撃を、背後へステップすることで躱す。
回避行動を取られたブレイドは、それに応じた動きを見せた。
回避された直後に生じた距離を咄嗟に踏み出した右足で埋め、左足による後ろ回し蹴りを腹部に叩き込んだ。
(
彡,,;メ皿゚彡『ぐふっ……!』
重たい蹴りが直撃し、腹部を抑えるタカラ。
その隙に、ブレイラウザーを再び横薙ぎに。手首をスナップさせ往復して振り払う。
タカラの胸部に装備されたナイフの装飾もろとも斬り落としながら、その奥に潜む肉体を斬り刻んだ。
( #OwO)「うおらああぁッ!!」
(
彡,,;メ皿゚彡『グウッ…!ウアアァッ…!!』
緑血が迸り、ブレイラウザーの剣先から跳ねた血が赤いプールサイドの上に零れる。
(
彡,,メ皿゚彡『クッ……この――』
後方へと怯みながら後退りし、胸を抑え身体に作られた傷口を見遣る。
反撃に転じんとするタカラだったが、ブレイドによるものではない違う攻撃が、タカラの身体に見舞われた。
(
彡,,;メ皿゚彡『ウウゥッ!!』
ブレイドの背後より、肉眼では捉えることの出来ない紅い銃弾が、真っ直ぐ弾道を描きながらいくつも撃ち放たれる。
タカラへと的確に命中する銃撃は、黒い衣装を纏った身体から火花を散りばめた。
826
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:27:55 ID:wQXRKlTg0
( OMO)「ドクオ!行け!」
( OHO)「よっしゃ!」
ギャレンラウザーによる銃撃でタカラを牽制する中、ギャレンはレンゲルに攻撃指示を出す。
両足で地面を押し飛んだと同時に、レンゲルラウザーの後端を思い切り地面に叩き付けるレンゲル。
その力を利用して更に高く浮き上がり、ブレイドの頭上を飛び越える。
( OHO)「これ以上てめぇの思い通りにさせねぇっつったろ!!!」
(
彡,,;メ皿゚彡『グフッ……!!』
落下しながら右腕を目いっぱい延ばし、着地する寸前でレンゲルラウザーの尖端でタカラの腹部を貫いた。
( #OHO)「でええあありゃああアァァァァッ!!」
突き刺したままのラウザーの柄を両手で握り締め、持てる力全てを出し強引にタカラを吊り上げる。
そして、思い切り遠くへと放り投げた。
(
彡,,;メ皿゚彡『ガアアァアッッ!?!?!』
プールと外とを遮断する柵を飛び越え、タカラは施設外へと投げ出された。
( OHO)「やべっ!やりすぎたか!?」
( OMO)「追うぞ!」
タカラが投げ飛ばされた方向へと走り、三人はそれぞれのマシンに乗ると、柵を飛び越え駐車場へと出た。
827
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:28:46 ID:wQXRKlTg0
誰一人いないどころか、車も多くは停まっていない駐車場。
不運にも、駐車されていた車の上に、レンゲルに投げ飛ばされたタカラが落下。
車のガラスは粉々に砕け散り、ルーフやボンネットは岩でも落とされたかのように大きくへこんでしまった。
落ちた車の上から転げ落ち、負った傷に身体を痛めながらゆっくりと立ち上がる。
(
彡,,#メ皿゚彡『グフッ……馬鹿な!俺が……俺が貴様らになど……ッ!』
予想だにしなかった現状に、悔しさや怒りがこみ上げる。
しかし、ライダーによる追撃はまだ終わらない。
柵を飛び越え現れたブレイド達は、駐車場に着地しタカラの姿を確認すると、タカラに向け一直線に走り出した。
( OHO)「観念しろ!アンデッド!!」
( OMO)「もう貴様に逃げ場はない!」
ギャレンによる銃撃を受け身動きの取れない状況の中、ブレイドとレンゲルが接近。
ブレイラウザーで、タカラを横ぎりながら傷を負った胸部を斬り付けるブレイド。
レンゲルラウザーを両手で振り回し、同じように横ぎりつつ殴打するレンゲル。
タカラの背後に回った二人は、同時に武器の尖端をタカラの背に向け突き付けた。
(
彡,,メ皿゚彡『グウウッ…!ま、待て!貴様ら…俺は別の下僕を放っている!俺を倒せばそいつらを止められないぞ!』
( #OwO)「……もうお前の言葉なんて、聞く価値もないお!!」
828
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:29:12 ID:wQXRKlTg0
見苦しくも、最後の悪あがきに出たタカラ。
しかし……嘘に嘘を重ねたタカラの言葉に耳を貸す者は、もういない。
この期に及んで未だ欺こうとする下劣な性根をしたタカラの言葉は、寧ろブレイドの怒りに油を注ぐだけだった。
( #OwO)「はぁっ!!」
(
彡,,;メ皿゚彡『ヴウウゥッ……!!』
幾重にも重なるブレイラウザーの太刀筋が、タカラを執拗に斬り刻んでいく。
身体中に備えたナイフは全て斬り落とされ、黒の衣装はズタズタに引き裂かれた。
肉が見え、身体の至るところより緑血を流している。
( #OwO)「命を命とも見ない、心無いアンデッド!僕はそんなお前達を絶対に許さない!」
( #OwO)「お前達がどれだけ謀略を巡らせようと、どれだけ力を誇示しようと!
一丸となった僕達の前に、倒せない者はいない!!」
(
彡,,;メ皿゚彡『ヌウウウウゥゥゥッ……!!黙れ!!俺はこの戦いを……"バトルファイト"を勝ち抜くために――』
( #OwO)「そんなことのために……!誰かのささやかな幸せを踏みにじりやがって……!!」
( #OwO)「お前は、今ここで必ず封印する!!」
829
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:29:32 ID:wQXRKlTg0
♪Rebirth -
https://www.youtube.com/watch?v=SgXC5Z4R3-c
( OwO)「モララーさん!ドクオ!」
( OMO)「ああ!」
( OHO)「おう!」
ブレイドの掛け声と共に、三人は三角形の点線を描くように展開しタカラを取り囲む。
そして、同時にラウザーを構えた。
ブレイドとレンゲルは、オープントレイを展開。レンゲルは短縮したラウザーを脇に抱え、カードケースを開く。
それぞれ二枚のカードを選び抜き、ラウザーへとカードをラウズした。
《-♠5 KICK-》 《-♠6 THUNDER-》
《-♦5 DROP-》 《-♦6 FIRE-》
《-♣5 BITE-》 《-♣6 BLIZZARD-》
一度に六つの電子音声が重なって流れる。
三人の背後に紋章となったカードが浮遊し、計六つのカードがライダー達の身体に吸収され、力を与える。
複雑な音を奏でた後、三人のコンボを告げる音声は、今度は重なることなく順番に流れた。
《-♠LIGHTNING BLAST-》 《-♦BURNING SMASH-》 《-♣BLIZZARD CRASH-》
( OwO)「終わりだ!!」
(
彡,,#メ皿゚彡『………ッッッ!!!ウガアアアアアァァァアァッッ!!!』
自暴自棄とも取れる咆哮。
両腕を広げ、天を仰ぎながら、やり場の無い感情を叫び声に乗せる。
もう、逃げ場はない。
830
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:29:55 ID:wQXRKlTg0
( OwO)「はっ!」
両足を揃え、バネを伸ばすように地面を押しながら高々と跳躍する三人。
ブレイドの右足に、タカラを断罪する為の青い閃光走らせる稲妻が。
ギャレンの両足には、罪深きタカラを焼き尽くす地獄の業火が纏い始め、
レンゲルの両足からは、タカラを磔にするための冷気が発生。
身体を縮めた後、右足を伸ばすブレイド。
宙で身体を反転させるギャレン。
レンゲルの両足から放たれる凍て付く吹雪がタカラを覆い、氷の中へと閉じ込める。
(
彡,,;メ皿゚彡『アッ……!ガ……!』
身動きの出来なくなったタカラに、三人は落下を始める。
雷が、炎が、冷気が。三つの相容れることのない属性が、空中で交差する。
そして、三人の燃える闘志が遂に重なり――。
( #OwO)「うぇえええええええええいぃッ!!!」
( OHO)「ウオオオォアラアアァッ!!」
( OMO)「はあァッ!!」
(
彡,,;メ皿゚彡『ウアアアアアァ"ァ"ァ"ッッ!?ガハアアアァッ!!!』
突き刺すようなブレイドの蹴り。叩き割るようなギャレンの爪先。強引に砕くようなレンゲルの二段蹴り。
三方から繰り出される強烈な蹴りが、同時にタカラに叩き込まれた。
831
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:30:17 ID:wQXRKlTg0
氷は砕け散り、逃げ場のない挟撃はより深いダメージを与える。
タカラの身体に雷が感電し、炎が燃え移り、更に氷による凍傷。
吹き飛ぶことも許されず、タカラは三方の蹴りを受け、その場に力無く崩れることしか出来なかった。
(
彡,,;メ皿 彡『ガッ………ハ………』
地面に大の字になるタカラ。
三人による必殺技を同時に受けてしまえば、立ち上がることなど出来はしない。
握りこぶしを作ることすら敵わず、そのままぐったりと倒れた。
もう、起き上がることはないだろう。
腹部のアンデッドバックルが左右に展開されたことが、何よりそれを証明した。
着地したブレイドは、倒れたタカラに向け一枚のカードを投擲。
♥スートのアンデッドであるタカラは、♠スートのカードでは封印出来ない。
代わりに、どのスートにも属さない所謂フリーのカードを用いれば封印出来る。
タカラに突き刺さったカードが封印を終え、ブレイドの掌中に帰還。
正体は♥のカテゴリーJで間違いないが、スートフリーのカードに封印されたタカラは♥スートとしての役割を果たしていない。
その証拠として、"♥J FUSION"と記され狼の絵柄こそ描かれたものの、背後の風景は真っ黒のままだった。
( OwO)「もう二度と目を覚ますなお……!」
封印したタカラを尚、ブレイドは睨んだ。
832
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:36:43 ID:wQXRKlTg0
タカラを倒した三人は、変身を解除。
決して喜ぶことの出来ない勝利に、三人は後味の悪さを噛み締める。
( ・∀・)「これで、やっと人間が化け物にならなくて済むな……」
ふぅ……、と深く溜息を吐く。
アンデッドとの戦いはまだまだ続くが、ひとまずの収束を迎え安堵する。
('A`)「でも、大勢の人を守れなかった……」
( ・∀・)「………守れなかった言い訳をするつもりはないけど、あまりにも多くの人を犠牲にしてしまった」
( ^ω^)「痛みに変えるしかないお……辛いこと、悲しいこと全部バネにして生きていくしかない。それも、仮面ライダーの役目だお」
気持ちはただただ沈む一方。
全てを守ると豪語しておきながら、犠牲者が出るのを止められない。
しかし、これもアンデッドと戦う者としての業である。受け入れ、進み続けるしかない。
だが、ドクオはこれに異を唱えてしまう。
('A`)「……すべての人を守ることなんて、本当に出来るのかな」
833
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:37:46 ID:wQXRKlTg0
( ^ω^)「出来る出来ないの話じゃない、やらなきゃ駄目なんだお」
('A`)「だって……今回のことは、はっきり言って俺達のせいでもあるんだぞ?
一体何人犠牲にしてしまったんだ?正直、考えるのも怖いくらいだ」
('A`)「なんてったって、俺達はその犠牲者をこの手で倒したんだから……」
自分の両手を見つめるドクオ。
その表情は、悲痛の色に満ちている。
化け物と言えど、元は人間だったはずの者を倒す。
今こうして冷静になって考えれば、どれだけおぞましい事か……それを、強く実感している。
( ^ω^)「……それでも、立ち止まって良い理由にはならないお。
誰かがやらなきゃならない、それを僕達が背負う以上どんなことがあっても」
( ^ω^)「すべての人を守る、確かに現実的じゃないかもしれない。けど、その想いを失くしたらいけないお」
('A`)「想いだけじゃ人は救えないだろ!?」
( ^ω^)「まず人を突き動かすのは、想いの力だお!」
熱くなる二人。
向き合い、互いの主張をぶつけ合う。
今にも胸倉を掴み出しそうな雰囲気の二人の間に、モララーが割って入った。
( ・∀・)「よせ、二人とも!」
834
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:38:07 ID:wQXRKlTg0
( ・∀・)「ドクオ、お前の言いたいことも分かる。確かに今回の件は間違いなく過去最大に酷い被害だ。
しかもアンデッドに騙され……本当にすべてを守ることが出来るのか不安になってしまう。そうだろ?」
('A`)「……はい」
( ・∀・)「剣藤の言うことも分かる。現実的でなくとも、その気持ちが無ければ
人一人の命のために戦うことなんて出来ない。そう言いたいんだよな?」
( ^ω^)「そうですお」
( ・∀・)「どちらの言い分も分かる。でも、ぶつけ合うことじゃない。
過ぎてしまったことはどうにもならない……だからこそ、口だけにならないように今回のことを教訓にしなければならない。
その上で、人間を守るために戦うという想いを強く抱けばいい。違うか?」
('A`)「……そう、だな」
( ^ω^)「うん……そう、それですお」
( ・∀・)「なら、揉めるのはもうやめろ。ほら握手して」
互いの主張は、決して間違っているわけではない。偏ってしまった意見が衝突したに過ぎない。
第三者の冷静な観点によって二人は落ち着いた。
モララーは二人の手を取り、強引に握手という形に持ち込む。
( ^ω^)「悪かったお、ちょっと熱くなっちまった」
('A`)「いや、俺の方こそ……」
無理矢理繋がれた手だが、素直に謝りながら互いに手を握り締める。
その様子に、モララーは一人笑みを浮かべ満足そうだ。
835
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:38:29 ID:wQXRKlTg0
手を離し握手を終えたと同時に、ブーンのスマホに一件の着信が入った。
着信を知らせるバイブレーションが震動している。
ポケットの中に手を入れスマホを取り出し画面を確認する。
画面には、『廣瀬ツン』と表示されている。
電話をかけてきているのは、ツンだった。
( ^ω^)「ツンからだ!やっぱり無事だったんだお!」
( ・∀・)「そうか、よかった……」
( ^ω^)ロ 「ツン!大丈夫かお!?」
ξロ゚⊿゚)ξ 《え?》
( ^ω^)ロ 「アンデッドがそっちに向かったのを、クーが助けてくれたんだお!」
ξロ゚⊿゚)ξ 《……何の話?着信入ってたから掛けただけよ。
あ、途中でサーチャーの反応送信出来なくてごめんね。なんか停電しちゃって……》
( ^ω^)ロ
( ^ω^)ロ 「……は?」
836
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:38:52 ID:wQXRKlTg0
ξロ゚⊿゚)ξ 《スマホもどこに置いたか忘れちゃってすぐに掛け直せなかったの。それよりアンデッドは!?》
( ^ω^)ロ 「…………」
( ^ω^)「停電しただけだって……」
('A`)「は……??」
( ^ω^)「狼人間が向かってたことすら知らないってお……」
(;'A`)「んだよそれえええええええええええ!!!もおおお………」
( ・∀・)「はは……安心したよ、その程度のことでよかった」
ξロ゚⊿゚)ξ 《もしもし?何騒いでるの??》
( ^ω^)ロ 「あっ、いやなんでもないお。アンデッドならとっ捕まえて倒したお!」
('A`)「まぁ……一安心するとこはしていいみたいだな。クーさんに感謝だ」
( ・∀・)「うん。もう仲間を失うのはごめんだ……本当によかった」
('A`)「……じゃあ俺、今度こそ同窓会向かいます」
( ・∀・)「ああ、呼びかけに応じてくれてありがとな」
('A`)「いえ、また何かあったら呼んでください!すぐ駆け付けますよ」
ブーンとモララーを残し、ドクオはグリンクローバーのもとへと駆け足で向かう。
今度こそ、楽しくなると信じてやまない同窓会へと行くために。
837
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:39:12 ID:wQXRKlTg0
―――――
.
838
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:39:32 ID:wQXRKlTg0
夕方になり日は沈み始めた。
特殊なデザインをしたグリンクローバーを走らせるドクオは、人々の注目を一際多く浴びていた。
ライダー専用のマシンを愛用車にしてから、それは常日頃感じていたことだ。
「ねぇちょっと見て、あのバイクやばくね?」
「金と深緑って派手だなー」
('A`)「………」
この後の同窓会でも、きっとこのくらい注目を浴びるんだろう。
何せ、過去のことをみんなで謝りたいと言っていたくらいだから。
そう思うと、楽しみにしていたはずの心が、緊張で震えてきた。
元々注目されることには慣れてない。
人目の届かないような端っこをずっと選んできたような人間だ。
(;'A`)(あーやべぇ……めちゃくちゃ緊張してきた)
(;'A`)(だ、大丈夫だ!落ち着けよ……ファーストコンタクトが肝心なんだ、最初さえ上手く行けば大丈夫だ)
ざわつく心を落ち着かせようとすればする程、余計に緊張感を煽っている。
839
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:39:54 ID:wQXRKlTg0
頭の中で独り言を並べながら、あっという間にその時は来た。
待ち合わせ場所に指定した、通っていた小学校。
校門の前でグリンクローバーを停め、久しぶりの母校の姿をじっくりと眺める。
あの頃の懐かしい記憶に想いを馳せ、ノスタルジックな気持ちになる。
('A`)「なつかしいな……少し建物増えたか?」
外装は色褪せ年を取った校舎に対し、まだ出来て間もないであろう校舎が見えた。
('A`)「………さて、行くか」
緊張が高まり、心臓の鼓動がドクン、ドクンと高鳴る。
胸を撫で下ろしながら深呼吸。
意を決して、まるで招いているかのように開かれた校門を、グリンクローバーで潜った。
敷地内に入ると、あの頃と変わらない校庭のグラウンドが広がる。
そして、校庭全体を見渡すかのようにポツンと存在する朝礼台。
その朝礼台の前に……あの頃の面々はそろっていた。
840
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:40:17 ID:wQXRKlTg0
( ´ー`)「ドクオー!」
白根がドクオを呼ぶ。
ドクオを呼ぶその声に、他の同級生の目も一斉にドクオへと向けられた。
(;'A`)「………」
「早くこっち来いよー」
(;'A`)「あ……うん」
鼓動はより一層高鳴る。
自分を呼ぶ声に返事をするも、ヘルメットの中にのみその声は響いた。
緊張隠せぬまま、グリンクローバーでグラウンドを跨ぎ、五人の同級生達の前に停まった。
そして、ゆっくりとヘルメットを外し、久しぶりに顔を合わせる。
「そのバイクどうしたの?特注?」
('A`)「え、あ……えっと、うん……そんな感じ」
「すげぇなドクオ、金持ちにでもなったの?」
('A`)「いやぁ、そんなんじゃないよ……うん」
気さくに話し掛けて来る同級生達に対し、ぎこちない返事。
彼らは緊張などしちゃいないかもしれないが、ドクオからすれば……過去に自分をいじめていた人間達だ。
そう簡単に埋まる距離ではない。
841
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:40:39 ID:wQXRKlTg0
「……ドクオ、もう白根から聞いてると思うけど」
そのうちの一人の女性が、楽しそうな雰囲気の中ドクオに切り込んだ。
( ´ー`)「ドクオ……まず、来てくれてありがとうな。お前のおかげで、俺こうやって生きてるよ」
('A`)「いいよ……もうそのことは」
( ´ー`)「みんなこう見えて緊張してんだぜ」
「ドクオ……俺達、ずっとこの日のことを考えてたんだよ」
「俺達、本当に馬鹿だったよ。マジでどうしようもなかったよ……」
('A`)「………」
「あたし達が今更こんなこと言っても、すぐに許せるわけないと思う……でも」
「この場を借りて、ちゃんと謝らせてくれ!」
全員が横並びになり、ドクオを真っ直ぐ見つめる。
誰を見ていいか分からず、ドクオの目は泳ぎ落ち着かない様子。
842
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:41:02 ID:wQXRKlTg0
( ´ー`)「本当に……本当に、すみませんでした!」
「「すみませんでした!!」」
一斉に頭を下げ、ドクオへの謝罪の言葉を発する。
('A`)「………顔あげろよ」
グリンクローバーから降り、頭を下げる白根の肩を叩く。
約十年の時を経て、自分が腐ってしまった忌々しい過去に、ようやく光が差した。
もう、苛まれなくて済む……そう確信したのだ。
('A`)「もう、いいよ」
( ー )「……でも」
('A`)「言っただろ、俺。許すことが出来ないと自分を変えられないって」
('A`)「だからもう、過去にすがるのはやめるんだ。……信じていいんだよな?その言葉。だから信じるよ」
未だ頭を下げたままの全員に対し、笑顔で答える。
緊張感や抵抗感はない。
これでいいんだ。と、言い聞かせることもしない。
('A`)「俺が言うのもアレだけどさ……あの頃をやり直そうよ、みんなで」
これが、自分の答えだから。
843
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:41:33 ID:wQXRKlTg0
( ー )「………ありがとう、ドクオ」
('A`)「いいって」
「やり直そう、みんなで…」
「うん、みんなでやり直そうぜ」
「あの頃みたいに、みんなでやり直そう」
844
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:41:55 ID:wQXRKlTg0
('A`)「……?」
「ああ……あの頃の続きを、みんなでやり直そう」
('A`)「……あの頃の、続き……?」
( ー )「ああ、あの頃の続きをやり直すんだ。俺達と…………お前とで」
('A`)「………!!!」
( ´゚ー゚`)「大人になっても、馬鹿でどうしようもねぇお前とでよぉ!!!」
845
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:42:21 ID:wQXRKlTg0
('A`)「………え………」
( ´ー`)「ブッハハハハハ!!おいおい!まさか……俺達が本当に謝りたくて呼んだと思うのかぁ!?」
( ´ー`)「なんで俺がお前みたいなゴミクズのために謝らなきゃならねぇんだよ!?なめてんのかぁ!?!?」
(;'A`)「ッ―――!!」
突如、白根の態度が急変する。
ドクオを罵り始め、髪の毛を乱暴に掴んだ。
至近距離で見下すようにドクオを見つめる目は……あの頃と、いや……あの頃以上に残酷な目をしている。
「ハハハハ!おい聞いたか!?過去にすがるのはやめるんだってさ!俺達のこと許してくれるってよ!」
「聞いた聞いた〜、てことは過去のことは全部水に流してまた新しく始めていいってことだよな〜?」
白根に続いて、他の同級生達もドクオに対し威圧的な態度を取り始める。
ドクオを取り囲む五人。
まるで、あの頃を思い出させるように。
(;'A`)「ッ……ど、どういうことだよ……?」
「あはは!あんたマジで馬鹿すぎない?考える頭ないわけ〜??」
( ´ー`)「全部お前を誘き寄せるための演技に決まってんだろうが、バーカ!!」
(;'A`)「……!!」
846
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:42:44 ID:wQXRKlTg0
( ´ー`)「いやぁ、俺達大人になってさぁ、社会人として働いてるとどうしてもストレス溜まるわけよ」
( ´ー`)「だからみんなで話してたんだよ。いつかまたお前を見つけて、あん時みてぇにやっちまうか?ってな!」
(;'A`)「………そんな………」
白根の言葉が、ドクオの心を抉るように痛め付ける。
( ´ー`)「しかしあん時は焦ったぜ、化けモンが暴れまわって俺まで巻き込まれるとはなぁ」
( ´ー`)「でも……あれは本当に運命だと感じたよ!まさかお前が助けにくるだなんてな!
こんな絶好な機会は二度とないと思ったね!
だから俺は、わざとあの状況でお前に謝りたいって嘘をついたんだよ!!」
(;'A`)「………」
「ったくよぉ、何調子こいてこんなバイク乗ってんだ?おい!」
一人がグリンクローバーを蹴飛ばし、転倒させた。
まくし立てながら倒れたグリンクローバーを、何度も何度も踏みつける。
(;'A`)「やっ、やめろ……!」
「うっせぇなコラ!!」
(;'A`)「ううっ…!!」
別の一人が、ドクオの腹部に拳を叩き込んだ。
髪の毛を掴まれたままのドクオは身動きが取れず、両手で腹部を押さえるだけ。
847
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:43:06 ID:wQXRKlTg0
( ´ー`)「……おい、てめぇ逃げられると思うなよ?」
(;'A`)「ッ………」
( ´ー`)「お前の番号も、住所も全部特定したからよ。何かあったらいつでもお前んとこ行くぜ?」
「楽しみだなぁ、またあの頃みたいにお前をいじめれるなんてなぁ」
「あはは!あの頃みたいにわーわーまた泣くんじゃない?男のくせに、だっさ」
('A`)「………」
髪の毛から手が離されたと思えば、その場に跪かせられる。
ドクオを囲む同級生達は、一人一人罵声を浴びせ続けた。
痛んで痛んで、ズタズタに裂かれたドクオの心など、お構いなしに。
( ´ー`)「ッは!じゃあ俺達さ、お前と再会を記念して飲みに行くからよ。とりあえず金出せや。
10万くらいは欲しいなー、やっぱめでたい日にはパーッと金使わないとな?」
「いいねー、今日は飲みまくれるじゃん!」
( A )「…………」
848
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:43:41 ID:wQXRKlTg0
あの時……白根を助けた時。
白根の言葉で、過去に苛まれ続けた自分を変えれると思った。
みんなでやり直そう。あの言葉があったから、前を向けた。
カテゴリーAの邪悪な力に惑わされず、仮面ライダーとしての戦いに向き合えるようにもなった。
もちろん、ブーンやモララー達の後押しのおかげでもある。
でも、何より一番のきっかけとなったのは………過去をやり直そうと言ってくれた、白根の言葉だった。
( A )(………なんで……)
(;A;)(なんでなんだよぉ……!!)
無意識にこぼれる涙。
両の拳を握り締め、悲しみがドクオの心を支配する。
信じたのに。
信じたそばから、裏切られた。
変われると思ったのに……結局、俺は過去を振り切れないのか。
また、苛まれ続けなければならないのか。
……どうして、こいつらは俺に固執するんだ?
849
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:44:07 ID:wQXRKlTg0
何故だ。
何故、そうまでして俺をいたぶりたい?
傷を負わせたい?
痛めつけたい?
悲しませたい?
なんで。
なんで……
(# A )(何で……俺を怒らせる……!?)
ボロボロに傷付いた心に、暗闇が立ち込め始める。
悲しみを越え、怒りと憎しみだけが心の中……ドクオの身体中に充満する。
闇に満たされた時――"蜘蛛の声"は、再びドクオの心の闇に問い掛けるのだ。
850
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:44:36 ID:wQXRKlTg0
『――俺の声を聞け』
( A )「………」
『――お前は、こんな奴らを守りたかったのか?汚くて、卑怯で、下劣で、生きる価値すらないこんな人間を』
( A )「………違う」
『――馬鹿馬鹿しい!情けなくはないか?力がないあまりに、お前はこんなみじめな思いをしている。
力がない故に、お前はこんな屈辱を受けている!』
『――力無き者は、悪だ!力が無ければ、こうして踏みにじられるだけだ!
力こそ全て。力さえあれば、お前は何者にも臆する事はなくなる!上級アンデッドでさえ、お前の手で倒すことが出来る!』
『――こんな薄汚い奴らなど、すぐに打ちのめす力を持っているではないか。
それはレンゲルだけの力ではない……この俺の力だ』
( A )「………」
『――さぁ、もう一度俺を受け入れろ。俺の力はお前のものだ。
お前の思うままに、俺とレンゲルの力を使え。そうすれば……お前は最強になれる!』
.
851
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:45:16 ID:wQXRKlTg0
( A )「………俺は………」
『――さぁ、受け入れろ』
( A )「俺は………!!」
『――受け入れろ、俺の力を!!』
.
852
:
25話
◆7MnOV.oq7w
:2018/07/08(日) 11:45:43 ID:wQXRKlTg0
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