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( ^ω^)運命と戦う仮面ライダーのようです part2
653
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:17:10 ID:iHA3g/GI0
('A`)「モララーさん…?」
「ドクオ……!!下だ……!」
はっきりと、モララーの声が聞こえた。
その声は、崩れ落ち穴の空いた床を通して下の階から聞こえる。
('A`)「地下か…!」
周囲を見渡し、頭上に光る緑色のランプを発見。
瓦礫が落ち足場の悪くなった床を慎重に歩きながら、非常階段へと辿り着く。
地下に繋がる階段をゆっくりと下り、一階より視界の悪い地下へと出た。
('A`)「モララーさん!!」
( ; ・∀・)「ドクオ…こっちだ……!」
モララーがかざすスマホの光が、暗闇の中場所を示した。
足元に注意を払いながらも駆け寄るドクオ。
「………」
「誰か来たぞ…!」
その周囲に見える、逃げ遅れた人々の姿。
ドクオの姿を見ると、救助隊ではないことにひどく落胆する人もいた。
654
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:17:57 ID:iHA3g/GI0
( ; ・∀・)「何故来た、とは言わない。お前を待たせておきながら、みっともないな……うっ!」
('A`)「モララーさん、腕にケガを…!」
アンデッドに負わされた怪我だろうか。
服を裂かれ、左腕からは血を流していた。
モララーの背後には、庇ったであろう母と小さい女の子の親子が動けぬまま座っていた。
( ; ・∀・)「俺の心配はするな……それより注意しろ」
( ; ・∀・)「まだどこかにいるかもしれない、また現れる前にこの人達を逃がせ!」
('A`)「………はい」
( ^ω^)「モララーさん!ドクオ!」
そこに、後から駆け付けたブーンの声が響いた。
すぐに非常階段から下りてきたブーンは、ドクオ達のもとへ駆けつけようとする。
だが、足元より現れた存在によって足止めを余儀なくされてしまう。
『コオオオオオオオオォォォッッ!!』
( ^ω^)「ッ!?」
655
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:18:22 ID:iHA3g/GI0
床を突き破り現れたのは、以前取り逃がしてしまったモグラのアンデッドだった。
そう、このデパートの崩壊はすべてこのアンデッドの手によるもの。
デパートの内部を暴れ回り、多くの人々がいる中で存分に戦うことの出来ないギャレンをも追い詰めた張本人。
そして今、再びその姿を現した。
( ^ω^)「アンデッド…!」
「きゃああああっ!!」
「ひいっ……!!」
恐怖に怯える人々。
ブーンはバックルを装着し、ゲートを射出しながらアンデッドへと突進した。
( ^ω^)「変身!」
【 -♠TURN UP- 】
( OwO)「ドクオ!僕が抑えてる間に早く避難させるんだお!!」
ブレイドに変身し、モグラのアンデッドを強引に押し出す。
壁を崩壊させ、アンデッドが掘ったであろう空洞に突き抜けながら、人々の前よりその脅威を一時的に無くした。
656
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:19:14 ID:iHA3g/GI0
( ; ・∀・)「今のうちだ、ドクオ……頼む!」
('A`)「は、はい!」
恐る恐る、モララーが背後に匿っていた親子に手を差し伸ばす。
('A`)「こ、こっちです…!俺が地上まで案内します!」
「あ…ありがとうございます…!」
('A`)「よしよし……もう大丈夫だからな、お兄ちゃん達が助けてあげるから…」
「うん…!」
女の子を抱え上げ足場の安定した場所に立たせ、母親の手を握り身体を支えるドクオ。
スマホのライトで足元を照らすよう指示すると、また別の人物のもとへと手を伸ばす。
('A`)「歩けますか?」
「はい…!」
('A`)「こっちです、もう大丈夫ですよ!」
「ああ……ありがとう!本当にありがとう!」
老いた男性からは、手を握られながら感謝を。
ドクオに助けられた人々が皆、頭を下げながら感謝の言葉を述べていく。
657
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:19:47 ID:iHA3g/GI0
地下で動けない人々は、ドクオの手によって次々と助けられた。
残るは、モララーを除き奥のほうに見える一人だけ。
('A`)「待たせてすみません!今から――」
「……ドクオ……!」
('A`)「………!!」
ドクオの名を紡ぐのは、一人の男性。
その顔がはっきりと見えた途端……ドクオの差し伸べたはずの手が、引き戻された。
('A`)「お前は……」
( ;´ー`)「……そうだよ。お前を昔いじめてた、白根だよ」
(;'A`)「ッ……!」
そこにいたのは、ドクオが苛まれ続けてきた忌々しい過去を作り出した張本人。
白根と名乗るその人物は、小学や中学に渡って、いじめ集団のリーダー格として動いていた。
ドクオの中に、トラウマが蘇り始める。
( ;´ー`)「ドクオ……俺のことなんて助けたくないだろ?だから助けなくていい」
(;'A`)「なに……?」
( ;´ー`)「そのかわり……聞いてくれ」
( ;´ー`)「ドクオ、本当に悪かった…!」
658
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:20:21 ID:iHA3g/GI0
( ;´ー`)「俺、お前に散々ひどいことしたよ。今更謝ったって許されるとは思ってない」
( ー )「けど……俺、ずっとそのこと後悔しながら生きてきたんだ!
お前に、謝りもしないでのうのうと過ごしてきたこの時間……お前のことを忘れたことはなかった!」
('A`)「………」
( ;ー;)「本当にごめんな…!俺がバカだった、愚かだったよ…!これは俺への天罰だと思ってる!
今更お前にとっちゃムカつくよな……遅すぎるよな……」
涙を見せながら、ひたすら謝り続ける。
そんな白根を見つめるドクオは、拳を握り締め、歯を食いしばり……今までの怒りを露にした。
(# A )「ッ……当たり前だろ!!!」
( ;ー;)「ぐすっ……」
(# A )「俺は……俺はお前らのせいで、この長い時間ずっと苛まれ続けてきたんだ!!
俺みたいな人間に価値なんかないって、俺みたいなのが頑張ったって……報われないって!」
(# A )「俺みたいな人間は、誰にも感謝されず……誰かを助けることが出来るような人間じゃないって……!
そうやってずっっっと思い続けてきたんだよ!!お前らにその気持ちが…今更分かってたまるか!!」
(# A )「ッ……けどな……!!」
(#;A;)「ぐすっ…俺みたいな人間を、見捨てずに……向き合ってくれる人がいるんだよ!
俺みたいな人間でも、やれば出来るって……お前が必要だって言ってくれる人がいるんだ!!」
( ; ・∀・)「……ドクオ……」
(#;A;)「……ここでお前を助けなきゃ、俺は変われない」
言って、ドクオは引いた手を再び差し伸べる。
659
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:20:54 ID:iHA3g/GI0
( ;ー;)「っう……本当に悪かった!ドクオ…許してくれ…!」
泣きながら、白根はドクオの手を掴んだ。
ゆっくりと立ち上がり、ポケットからなにやら取り出す。
('A`)「……早く行けよ」
( ´ー`)「待ってくれ……これ、受け取ってくれ」
('A`)「??」
一枚の紙切れ。
折りたたまれながらも、くしゃくしゃになった紙。
めくると、そこには電話番号らしき数字が並んでいた。
( ´ー`)「いつかお前に逢った時の為にと思って、長い事持ち歩いてたんだ」
( ´ー`)「みんな俺と同じ気持ちなんだよ……だから、ちゃんと全員で謝らせてくれ!
そして、やり直そう…!あの時を、ちゃんとやり直させてくれ!」
('A`)「………」
今までずっしりと、重たいものが圧し掛かっていた心が、一気に軽くなった。
心の中に差し込んでいた光は大きな光となり……あたたかい光が、広がっていた闇を包み込んだ。
('∀`)「……ああ!」
無意識に湧き出る笑顔。
互いに笑いながら、力強く握手をする。
660
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:21:16 ID:iHA3g/GI0
白根と共に地上に上がると、表にはたくさんの人々が拍手で二人を迎えた。
先に逃げ出していた人や、ドクオに救助された人々。
たくさんの人達の笑顔に、感謝に溢れていた。
「よかった…!本当によかった!」
「君、すごいよ!ありがとう!」
「助けてくれてありがとうございました…!」
('A`)「い、いえ……」
誰かを助けて感謝される喜びを知らないドクオは、困惑すら覚えた。
けれど、胸にあたたかく広がる嬉しさ、喜びは確かなものだった。
最初に助けた親子の母がドクオに近付き、深々と頭を下げる。
「本当にありがとうございました…!あの、お名前は…?」
('∀`)「……無事でよかったです!」
名を語らず、ドクオは再び建物の中に戻る。
未だ地下で負傷したままのモララーのもとへ戻り、今度こそモララーを助けた。
661
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:21:55 ID:iHA3g/GI0
('A`)「これで全員です!」
( ・∀・)「ドクオ……強くなったな」
('A`)「……いえ、俺一人だったらあいつに謝られてもきっと許せなかった」
('A`)「モララーさんや、ブーンが……俺に気付かせてくれたからです」
( ・∀・)「そうか……なら、何をすればいいか分かるな?」
('A`)「分かってます……俺は――」
ポーチよりレンゲルバックルを取り出す。
カードを装填し、バックルを腰に装着。
曇りのない、真っ直ぐな瞳が、モララーを見つめる。
('A`)「俺は戦います!人を守る、仮面ライダーとして!」
( ・∀・)「そうだ……お前ならやれる!行け!」
('A`)「はい!!」
大きく頷き、ドクオは走り出す。
突き破れた壁の奥に広がる闇の中へ。
けれど、怖くは無い。
ドクオの頭の中に浮かぶ、人々の笑顔。感謝の言葉。
みんなの笑顔が、眩しいくらいに輝いて見えた。
('A`)(俺は守りたい……あの笑顔を)
('A`)(みんなの笑顔を、光を守りたい…!!)
662
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:22:43 ID:iHA3g/GI0
――――――
――――
――
( ; OwO)「ぬうううッ!!!」
『シュウウウゥゥッ…!』
その奥では、モグラのアンデッドと戦うブレイドの姿が。
アンデッドの顔面に備わったドリルの放射攻撃を受け、防ぎながらも押されていた。
大きな右手で側面を殴打され、吹き飛ばされる。
( ; OwO)「うぐっ…!」
そこに、己の戦う目的を見出した、新たな戦士が現れる。
('A`)「ブーン!!」
( OwO)「ドクオ…!」
アンデッドを前にしても怯まぬ姿勢。
腰に光る金色と紫のバックル。鳴り響く待機音が与えるのは、もう絶望ではない。希望だ。
( OwO)「仮面ライダーとしての使命、お前にも背負えるようになったみたいだな!」
('A`)「どうかな……まだ俺にもわからない。でも……!」
('A`)「俺は、仮面ライダーとしてみんなの笑顔を守りたい!!」
663
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:24:22 ID:iHA3g/GI0
♪レンゲル、天地を揺るがし -
https://www.youtube.com/watch?v=OsZlNyvhAjI
両手をパッと前面に構える。
右手をゆっくりと下げ、変身の構えを取った。
('A`/)「変身!!」
―
【 -♣OPEN UP- 】
強く叫び、両腕をクロスすると勢いよく下げた。
開いたバックルより射出するゲート。紫色の光が辺りを照らす。
接近するゲートを見つめるドクオの脳内に、一つの言葉が過ぎる。
"あなたのお名前は?"
その答えは、ドクオにとって単純なようで複雑。
一体自分が何者なのか、それすら分かっていなかったことに気付いた。
思い出に怯え、一歩を踏み出せず、自分などありもしないくせに、仮面ライダーになりたがっていた。
('A`)「けど……今なら、俺は自分の名を堂々と言える!」
('A`)「俺は三葉ドクオ!そして……仮面ライダー……」
(#'A`)「仮面ライダー、レンゲルだ!!!」
664
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:24:44 ID:iHA3g/GI0
ゲートがドクオの身体を包み込み、レンゲルへと変身させる。
レンゲルのスーツを纏った両手を力強く握り締め、地を駆けた。
( #OHO)「うおおおおおおおおおおおおッッ!!!」
腰に提げたレンゲルラウザーを掴み、シャフトを伸長。
ブレイドに襲い掛かるアンデッドの後頭部を、すべての力を乗せ叩き込んだ。
『ゴギャアウゥッ!!』
( OHO)「大丈夫か!?」
( OwO)「へっ……お前に心配されなくても、僕の方が慣れてるお!」
( OHO)「……そうだったぜ、先輩!」
差し伸べられた手を掴まず、意地を張り素早く起き上がった。
拳をぶつけ合うブレイドとレンゲル。
親友として過ごしてきた二人の関係は、レンゲルを通して崩れかけてしまっていたかのように思われた。
しかし、無視をせず取り乱し、自分に辿り着いたことで、ブーンとの絆は再び堅く結ばれた。
( OwO)「行くぞ!」
( OHO)「おう!」
アンデッドに立ち向かう二人。
モグラのアンデッドは、ドリルを放射し二人の動きを牽制。
すると、地面を掘り起こしまたも姿を隠してしまった。
665
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:25:23 ID:iHA3g/GI0
( ; ・∀・)「……ドクオ、剣藤…!」
腕を抑えたままのモララーが、崩壊した壁を跨ぎ現れた。
二人との距離を取り、戦いを眺めている。
ギャレンへ変身しようと思えば出来た。
だが、腕を負傷したまま戦ったところで足手まといになるだけ。
二人を信じていればこそ、その決断が出来た。
( OwO)「ドクオ、足元も頭上も注意しろお!」
( OHO)「っ……」
どこから襲い来るか分からない。
周囲を隈なく警戒する二人。
しかし、こちらから見えずとも、モグラのアンデッドは二人の存在を地中の中から察知出来る。
背中を向けているつもりはなくても、アンデッドにとって背後を取ることは容易だった。
『コオオオオッッ!!』
( ; OHO)「うああっ!?」
( OwO)「ドクオ!!」
背後を取られ、左手に装着した大きな盾で背中を斬りつけられた。
モララーのもとへと吹き飛ばされ、地面を転がる。
( ・∀・)「ドクオ!大丈夫か!?」
( OHO)「大丈夫です…!こんな程度じゃやられねぇ!!」
666
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:25:50 ID:iHA3g/GI0
地面を叩き起き上がり、手放してしまったレンゲルラウザーを拾い上げる。
強く握り締め、諦めずにアンデッドに立ち向かうレンゲル。
『フシュウウッ!』
( OHO)「ふッ!どりゃあっ!」
再び放たれるドリル攻撃。
目の前から接近するそのドリルが、スローで接近する野球の球に見える。
放たれたドリル全てをレンゲルラウザーで払い落とし、怯むことなく突き進む。
( OHO)「うおおああァッ!!」
振るいながらしっかりと持ち直し、距離が縮まったアンデッドを尖端の三枚刃で斬りあげた。
( OwO)「ふあッ!」
『ググウウゥッ!?』
ブレイドとレンゲルの波状攻撃。
レンゲルが大振りな一撃で斬りつけては、ブレイドが懐に入り細かな斬撃を繰り出す。
アンデッドの背後に回ったレンゲルが背中を叩きつけては、ブレイドは剣を思うままに振り続ける。
肩を並べる二人。目の前のアンデッドに向け、同時に蹴りを放った。
( OwO)「はあッ!!」
( OHO)「うおおりゃああッ!!」
『コシュウウウゥゥッ…!!』
667
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:28:01 ID:iHA3g/GI0
同時に蹴りを受け、アンデッドは尚強く吹き飛ばされる。
二人の攻撃を受け、アンデッドは弱っている。
トドメを刺すなら、まさに今が好機。
( OwO)「今だドクオ!」
( ・∀・)「やれ!!」
( OHO)「……よし!」
ブレイドとモララーに促され、ドクオはカードケースから三枚のカードを引き抜いた。
縮小したレンゲルラウザーを逆手に持ち、後端のラウザー部分にラウズする。
《-♣4 RUSH-》 《-♣5 BITE-》 《-♣6 BLIZZARD-》
《-♣BLIZZARD BREAK-》
ラウズしたカードが紋章となり、力となりてレンゲルの身体に宿る。
( OHO)「はっ!!」
『ググッ!?』
伸ばした手から吹雪を繰り出し、アンデッドの身体を氷結させ動きを封じる。
両足に冷気を纏いながら、駆け足でアンデッドに向け接近。
高々と跳躍し、向ける両足から冷気を噴出。
氷結状態のアンデッドを更に冷気で包み、生み出した氷解の中に閉じ込めた。
( #OHO)「ウオオオラアアアアアァァッッ!!!!」
"♣4 RUSH"で強化された突進力と"♣5 BITE"で強化された脚力。
ばたつかせるように動かす両足で、氷を強引に砕きながらアンデッドに強烈な二段蹴りを叩き込んだ。
668
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:28:31 ID:iHA3g/GI0
『グコオオオオオォォッ!!』
迫り来る蹴りをただ氷の中で見ることしか出来なかったアンデッド。
ようやく動けた時には、既にレンゲルの必殺技を受け吹き飛んでいる最中。
地面に叩きつけられ転がった後、モグラのアンデッドは起き上がらない。
ぐったりと倒れたまま、アンデッドのバックルが左右に展開された。
( OHO)「はぁ……はぁ……倒した、のか……?」
( OwO)「そうだお!倒したんだ、お前の意志で!」
( OHO)「……やった……!」
拳を突き出し、喜びを露にする。
自分の意志で、自分の戦い方でアンデッドを倒した。その事実が、嬉しくてたまらなかった。
( ・∀・)「ドクオ!ライダーは、倒したアンデッドを封印するものだ」
( OHO)「……でも、俺……モララーさんからカードを奪おうとしたりして……」
( ・∀・)「何言ってんだ!お前が倒したアンデッドだ、お前の手で封印しろ」
( OwO)「ほら、早くやれお」
( OHO)「……分かった」
669
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:29:41 ID:iHA3g/GI0
二人に促され、ドクオは引き抜いたカードをモグラのアンデッドに向け投擲。
倒れたアンデッドの身体に突き刺さったカードが、みるみる吸収を始め瞬く間に封印した。
レンゲルの掌中に帰還したカードには、"♣3 SCREW"と記され、モグラの絵が描かれた。
( OHO)「ブーン、それにモララーさん……」
( OwO)「ん?」
( OHO)「……ありがとうございました!」
二人を交互に見渡し、頭を下げる。
そんなレンゲルに近付き、モララーは肩を叩いた。
( ・∀・)「浮かれるのは早いぞ」
( OwO)「そうだお。覚悟は決まったのか?」
( ・∀・)「お前にはこれから、アンデッドと戦う辛い日々が待ち受けている。それに臨む覚悟は出来たのか?」
( OHO)「はい、覚悟は出来てます」
ブレイドとレンゲルの変身を解く二人。
もとの姿に戻り、三人はそれぞれ向かい合った。
670
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:30:59 ID:iHA3g/GI0
('A`)「俺も戦います。レンゲルとして、人を守るために!」
( ・∀・)「お前には仲間がいることを忘れるな。俺達が、共に戦う仲間だということを」
('A`)「……はい!」
( ^ω^)「じゃあ、三人でこれやっときますか?」
笑顔を見せながら、ブーンは拳を突き出す。
それを意味するものが分からず、ドクオとモララーは顔を見合わせた。
( ^ω^)「ライダーが三人揃ったんだから、結束のグータッチだお!」
( ・∀・)「……よし!」
ブーンが突き出す拳に、モララーが拳を合わせた。
('A`)「ええ……?随分臭いことさせるな。……でも」
('∀`)「そういうの嫌いじゃないぜ!」
言って突き出す拳。
三人の拳が合わさり、それぞれ頷く一同。
こうして、カテゴリーAの邪悪な力を乗り越え、ドクオはレンゲルを自分のものにする事が出来た。
全てのライダーの力は揃った。
世に蔓延るアンデッドを全て封印する……いつかその日が来るまで、ブーン達はこれからも戦い続ける。
671
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:31:40 ID:iHA3g/GI0
【 第23話 〜輝く勇気〜 】 終
.
672
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:32:10 ID:iHA3g/GI0
=========
【 次回予告 】
https://www.youtube.com/watch?v=Yyh12l21WkA
ミセ*゚ー゚)リ「私達は他のアンデッドの姿を借りる力なんて持ってないわ。それはカテゴリー2も同然」
ミセ*゚ー゚)リ「それなのに……何故かしらね??」
(; ゚д゚ )「姿は確かにカリスだった……俺が間違えるはずもない」
ミルナと接触するミセリ。
謀略のため、再び動き出す。
ミセ*゚ー゚)リ「人間どもが作ったライダーシステム、それと同じものだとしたら?もしくは――」
ミセ*゚ー゚)リ「――あいつの正体が、"ヤツ"だとすれば……?」
673
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:33:31 ID:iHA3g/GI0
人間をアンデッドへと変貌させてしまう上級アンデッドが出現。
アンデッドと孤独に戦う、一人の男と出会う。
( ^ω^)「死んだ人をアンデッドに変化させる力…!?」
(,,^Д^)「そうだ。奴は何らかの力を殺害するときに送り込み、亡骸をアンデッドとして操っている」
(,,^Д^)「ここ最近動き出したアンデッドで間違いない。あんな力を持つアンデッドは他にいない」
('A`)「そんな……じゃあ、そのアンデッドを野放しにしとけば被害者がこれからもたくさん……」
(,,^Д^)「そういうことだ」
( ・∀・)「何故そんなことを君が知っているんだ?君は何者だ?」
(,,^Д^)「……人を守るのはお前達仮面ライダーに任せる。俺は一人で奴を追う」
674
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:33:57 ID:iHA3g/GI0
ミルナと対峙するクー。
カテゴリーAのカードを奪われ、その真実が明るみになる。
(; ゚д゚ )「まさか……あの女の言っていたことは、本当だったのか……!?」
川 ゚ -゚)「貴様……」
(; ゚д゚ )「……お前は何者だ?怪しいとは思ったが、そもそもその姿もカテゴリー2のものだ!」
(; ゚д゚ )「カリスの姿を借り、カテゴリー2の姿をも借りたお前は何者だ!!
他のアンデッドに変身出来る力……お前が……お前が本当に"ヤツ"なのか!?」
川 ゚ -゚)「………」
675
:
23話
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:35:46 ID:iHA3g/GI0
そして、戦う力を失くしたクーを救うべくブーンが立ち上がる!
。
ミミ/ ゚王゚)『フッ……人間がアンデッドを守り、またアンデッドも人間を守る。か……。
まさかお前が人間に媚びを売り生き残ろうとするヤツだったとは、呆れたぞ!』
( ^ω^)「クーは……自分がアンデッドと知りながらも、家族のように接してくれるみんなを心から愛している!」
( ^ω^)「自分が守りたいと願ったものを命懸けで守ろうとしてる。その素晴らしさに、人間もアンデッドも関係ない!!」
( ^ω^)「アンデッドの使命に苦しみながらも、変わることが出来たクーを僕は守りたい!」
( #^ω^)「だから……そんなクーを蔑むようなことは、僕がさせない!!」
川 ゚ -゚)「………お前……」
。
ミミ/ ゚王゚)『この戦いの中で愛など語るようなアンデッドに、勝たせるわけにはいきませんね!』
人間とアンデッド……時には傷つけ合い、相容れなかったブーンとクー。
今こそ、二人は力を合わせることが出来るのか!?
次回、【 第24話 〜大切なもの〜 】
――今、その力が全開する!
==========
676
:
◆7MnOV.oq7w
:2018/01/28(日) 11:38:46 ID:iHA3g/GI0
しおり
>>9
第15話
>>84
第16話
>>152
第17話
>>234
第18話
>>308
第19話
>>372
第20話
>>454
第21話
>>530
第22話
>>605
第23話
677
:
名無しさん
:2018/01/28(日) 11:55:40 ID:YyYvT.WY0
乙
ドクオかっけえよお
678
:
名無しさん
:2018/01/28(日) 19:48:40 ID:F.b.KnK.0
乙!
679
:
名無しさん
:2018/01/29(月) 01:38:00 ID:nQGUhrtM0
第2ラウンド来てたか!
おつ!今から読む
680
:
名無しさん
:2018/02/04(日) 11:16:20 ID:2qbBk9dg0
( OwO)…今日は来ない…?
681
:
名無しさん
:2018/02/05(月) 03:46:50 ID:rQ/S9e2k0
この文量を欠かさず毎週とはいかんか
682
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:08:19 ID:jvu.zAqQ0
【 第24話 〜大切なもの〜 】
.
683
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:08:51 ID:jvu.zAqQ0
夜の街、人で賑わう大きな交差点。
青の信号の合図と同時に、歩道の人溜まりが一斉に道路へと歩き出す。
交差点の中心にあっという間に出来る人込み。
その中に、人の姿をした人ならざる者の姿もあった。
ミセ*゚ー゚)リ(さて、次はどんな手を打とうかしら……)
ミセ*゚ー゚)リ(……そういえば、あのアンデッドは今だ健在なのかしら。気配すら感じないけれど、一体どこに……)
次なる策を考えている。
自分の手を汚さず、他者を利用するやり方を。
そのためなら、どんな面をすることも厭わない。
ミセリが紛れ込む人込みの中には、"同じ"者がもう一人いた。
そいつは、ミセリの対向側より歩いてくる。
( ゚д゚ )「――おい」
ミセ*゚ー゚)リ「……あら」
流れる人込みの中、逆らうように動きが止まる。
交差点の中心で、二人は向かい合った・
684
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:10:52 ID:jvu.zAqQ0
ミセ*゚ー゚)リ「この間はありがとう、邪魔してくれて」
( ゚д゚ )「偽りの話で俺を欺こうとした分際で、何を偉そうに」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、私よりカリスを信用してるみたいね?」
( ゚д゚ )「お前などと比べるのも虫唾が走るくらいにな」
( ゚д゚ )「裏でこそこそと手を回し、汚いやり方で勝ち残ろうなどと……自分を恥ずかしいとは思わないのですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「ごめんなさい、私はあなた達のように誇り高き戦士ではないの。
カテゴリーQだからと言って虎女と一緒にされても困るもの」
ミセ*゚ー゚)リ「そんなことより……また新たな疑問が生まれたわ」
( ゚д゚ )「聞くつもりはありませんよ。次カリスに手を出せばお前を真っ先に付け狙う」
ミセリの横を通り過ぎようとするミルナ。
だが、不本意にもその足は止められることとなる。
ミセ*゚ー゚)リ「♥のカテゴリー2。あなたも知ってるわよね?」
( ゚д゚ )「……何?」
ミセ*゚ー゚)リ「あれはカリスじゃないと言った私の話を信じないのは勝手だわ」
ミセ*゚ー゚)リ「でも……」
ミセ*゚ー゚)リ「あの女の姿――カテゴリー2の姿から、何故カリスに変身出来るのかしら?」
( ゚д゚ )「――!!」
685
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:11:43 ID:jvu.zAqQ0
ミセ*゚ー゚)リ「私達は他のアンデッドの姿を借りる力なんて持ってないわ。それはカテゴリー2も同然」
ミセ*゚ー゚)リ「それなのに……何故かしらね??」
(; ゚д゚ )「姿は確かにカリスだった……俺が間違えるはずもない」
ミセ*゚ー゚)リ「カテゴリー2の説明はどうつけるつもり??」
(; ゚д゚ )「……何が言いたい?」
ミセ*゚ー゚)リ「人間どもが作ったライダーシステム、それと同じものだとしたら?もしくは――」
ミセ*゚ー゚)リ「――あいつの正体が、"ヤツ"だとすれば……?」
(; ゚д゚ )「ッ……!……まさか……ありえない……!」
ミセ*゚ー゚)リ「どうかしらね?ありえない話でもないと思うけれど」
(; ゚д゚ )「……俺がこの目で確かめる。手出しはしないでください」
「「!?」」
冷静を保っていたミルナに、戸惑いの色が見え始める。
背中に生える翼。
骨と化した翼を羽ばたかせ、ミルナは空へと舞い上がった。
ミセ* ー )リ「………ふふ、もちろんよ」
静かに不敵な笑みを浮かべ、無数の花びらに包まれる。
僅かに吹く夜風に乗り、ミセリもまた交差点から姿を消した。
686
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:12:11 ID:jvu.zAqQ0
同じ夜空の下、別の場所での事。
「ハハハハハ!お前それマジか!」
「マジだよ、やべえだろ!?」
「やべぇなそれ!」
夜の街を歩く三人の若者。
いかにも不良らしさを主張した服装、髪型、そして態度。
向かいから人が歩いているにも関わらず、横一列に並び避けようともしない図々しさ。
配慮のない大声での会話や笑い声は、周囲の人の視線を悪い意味で集め、避けられていた。
人の目など気にもせず、我が物顔で立ち振る舞い続ける。
ぶつかりそうになってもお構いなし。ぶつかれば、弱そうな相手を威嚇するだけ。
そんな三人の前に、また一人近付いて来る。
「でよぉ、アイツが見たときには――」
ドンッ!
「って……!」
687
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:12:39 ID:jvu.zAqQ0
「チッ、おい待てコラ!」
「おいおい何ぶつかってんだよてめぇ!」
一人に対して三人がかりで責めかかる。
まくし立てながら、ぶつかった相手の肩を掴み強引に振り返らせる若者。
(,,^Д^)「………」
振り返った顔を見ると、どうやら相手も男のようだ。
だが、若者たちの威嚇に臆する様子もなく、ただ静かに三人を見つめる。
「おい、ぶつかったんだから謝罪くらいさっさとしろやボケ!」
「怪我してたらどうすんだよ?ああ?金払えや金!!」
(,,^Д^)「………」
「何ダンマリ決め込んでんだ?なめてんのかてめぇ!!」
男の胸倉を掴み、更に脅しをかける。
それでも男は微動だにせず、見開いた若者たちの目を見続ける。
そして、口を開いた。
(,,^Д^)「お前達」
「んだコラ?」
(,,^Д^)「気を付けろ、狙われてるぞ」
688
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:13:17 ID:jvu.zAqQ0
「はあ?何言ってんだてめぇ!」
(,,^Д^)「お前達が襲われないことを祈るよ」
「うおっ!?」
胸倉を掴む手を強引に払い、男は走り去る。
男が残した謎めいた言葉に、若者たちは怒りを忘れ困惑。
「何だあいつ?」
「頭おかしいんじゃね??」
あっという間に姿を消した男の背を見ながら、小馬鹿にした言葉を漏らす若者たち。
後を追う気も失い、再び正面を向き歩き始めようとした。
だが、謎めいた男の言葉の意味を、すぐに思い知る事になる。
「おい、なんかいるぜ?」
「あ?」
街灯が薄く照らす道路。
その薄い明かりに照らされた何かが、目の前から迫ってくる。
遠目からでも見て分かるのは……黒光りした身体と、全身を覆う爪のような飾り。
微かに聞こえてくる、荒い呼吸。
そして、腰に煌く金色のバックル。
689
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:13:51 ID:jvu.zAqQ0
彡,, 彡『フー……フー……』
「……おい、何かコスプレっぽくなくね?」
「だよな……声かけてみるか?」
「マジかよ!ちょっとやばくねぇか…?」
「大丈夫だろ!ちょい行ってみるわ」
身の程を知らない人間が、異形の者に近付く。
自分より背丈も身体も大きい相手に向かい、顔を覗き込みながら語りかける。
「おい、こんな時間に何そんなもん着てウロウロしてんの?迷惑考えろや!」
彡,, 彡『フウー……フウー……』
「聞いてんのかよコラァ!!」
片手を伸ばし、その複雑な形をした胸板を突き飛ばす若者。
しかし、突き飛ばした痛みを負ったのは相手ではなく、自分の手。
「いって!……は??」
掌を見ると、突き飛ばした時に当たった装飾部分の形がくっきりと、切り傷として残った。
血が滲み、血液が溢れ出す。
そして、目の前の存在から感じる違和感。途端、感じたことのない恐怖に襲われる。
「………」
ゆっくりと、恐る恐る顔を見上げる。
690
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:14:32 ID:jvu.zAqQ0
(
彡,,メ皿゚彡『ガルアアアアアアアアアッ!!!』
異形の咆哮。
人ではないその声、その存在をようやく把握し、恐怖に陥る若者たち。
「うおおおぉぉっ!?」
「ばっ、化け物…!!」
(
彡,,メ皿゚彡『哀れな人間共…!恐怖を知らぬ愚か者共め!!』
目の前の若者の首を掴む。
人外の力が喉をきつく締め付け、伸びた爪が肌を突き破りそうな程に食い込む。
口を開き、狼が如く鋭い牙を見せ、露にした若者の喉元に食らいついた。
「ひっ……!た、たすけ……ぎゃあああああああッッ!!」
「ッッ……!!!」
断末魔の叫び。
肉が破れ、血が迸る生々しい音が薄暗い夜に響く。
喉元を食い破られ、息絶えた若者は道路に投げ捨てられる。
(
彡,,メ皿゚彡『だが……』
「うっ…うわああああああ!!!」
「はっ、はっ、はっ……死にたくない、死にたくない……!」
(
彡,,メ皿゚彡『傀儡となる貴様等に、恐怖など知る必要はない!』
691
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:15:09 ID:jvu.zAqQ0
仲間の残酷なる死を目の当たりにし、一目散に逃げ出す若者たち。
先程までの勢いや傲慢さは無く、死を前にして生にしがみつき恐怖に震える愚か者へと変貌する。
「誰か助けてくれー!!」
「誰か!化け物が――」
(
彡,,メ皿゚彡『ガアアッ!!』
「がっ――」
走る若者の頭上を飛び越え、すれ違いさまに喉を掻っ切った。
鋭い爪は、頚動脈など諸とも断ち切る程喉を深く斬り裂き、若者は血を噴出させながら倒れた。
「ああああああっ!いやだ、いやだいやだいやだ!!助けてくれええええッ!!」
一人取り残され、パニックに似た衝動に駆られる。
諦めかけている自分。それでも生きたいと願う自分を捨てきれず、涙で顔を濡らし失禁しながらも助けを請う。
(
彡,,メ皿゚彡『死ね!そして俺のために蘇れ!!』
しかし、無情にも若者の胸を貫く鋼鉄の右手。
骨を砕かれ、内臓をも引きちぎられた。
アンデッドに命乞いなど不毛なこと。
今宵、一体のアンデッドによって三人の若者の人間としての生涯は、無惨な最期と共に閉ざされた。
692
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:15:45 ID:jvu.zAqQ0
――――――
――――
――
アンデッドの反応を聞き付け、三人のライダーが現場に到着した。
ブルースペイダー、レッドランバス、グリンクローバーが立ち並び、それぞれの運転者がバイクより降りる。
だが、時すでに遅し。
これまで人がアンデッドに襲われてきた中でも、悲惨な光景が薄明かりの下広がっていた。
肉が散らばり、臓器が見え、血は飛び散っている。
( ; ^ω^)「ッ……ひどすぎる……!」
( ; ・∀・)「…………」
アンデッドに襲われた人の姿は一番見てきたであろうモララーでさえも、思わず言葉を失ってしまう光景。
耐え切れず、ドクオは口を抑え嘔吐しそうになる自分を抑えた。
(;'∩`)「うっ……おええっ!!」
( ・∀・)「目を逸らすな!これがアンデッドだ……その目で現実を見ろ」
(;'A`)「ッはぁ…はぁ……、はい……」
ブーンとモララーは、静かに目を閉じそっと掌を合わせた。
グロテスクな光景に思わずえずいてしまったドクオも、込み上げてくる吐き気を堪えながら掌を合わせる。
( ^ω^)「サーチャーが捉えた反応は、♥のカテゴリーJだった。一体どんな上級アンデッドなんだ……」
( ・∀・)「これまでの傾向だと、上級アンデッドは目的がない限り人を襲わないはず」
( ・∀・)「けど……この殺し方に目的があるようには見えない……」
693
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:16:30 ID:jvu.zAqQ0
(;'A`)「……そ、そろそろ、連絡すべきとこにしましょうよ。警察とか――」
ドクオが言いかけたその時。
「うっ……」
( ・∀・)「!?」
(;'A`)「な、なんだ!?」
突如、緑色に発光を始める目の前に転がる遺体達。
同時に、死んだはずの遺体が意識を取り戻し、呻きに似た声を上げ始めた。
「うううううううう……ッ!!」
「ぐうう……ガ……ガルル……!」
( ; ^ω^)「!?!?」
発光する遺体の身体が、生まれ変わったかのように瞬時に変化。
人の色を保っていた肌は灰色にくすみ、服越しでも分かる程に筋肉が膨張。
小さな口は裂かれたように大きくなり、開いた口から見える、生え並ぶ狼の如く牙。
頭や腕は毛で覆われ、手には鋭い爪が伸びる。
人ではなくなった三つの遺体は、新たな生を受け蘇る。
ゆっくりと立ち上がり、赤黒く大きな瞳が不気味に蠢き目の前の獲物を睨んだ。
まるで、狼人間のような姿。
死んだ人間が、狼人間となり蘇ったのだ。
( ; ^ω^)「死んだ人が……アンデッドになったのか……!?」
694
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:16:50 ID:jvu.zAqQ0
「ウギャアアアアアッ!!!」
「アオオオオォォォォンッ!!!」
疑問を余所に、アンデッドらしき化け物に変貌してしまった人間はブーン達に襲い掛かる。
雄叫びを上げ、遠吠えのような声を張り上げ、三体は同時に動き出した。
('A`)「来る!!」
( ・∀・)「考えるのは後だ!迎え撃つぞ!」
( ^ω^)「どうなってんだお……!」
揃ってバックルを取り出す三人。
ありえないことが起きているが、今更ありえないと驚いてばかりでは詮無き事。
戸惑いを抱きながらも、手に持ったバックルにカードを装填しようとした。
「ギェアアアッ!!」
「グギャアアッ…!」
('A`)「今度はなんだよ!?」
しかし、三人に襲い掛かろうとした狼人間は、何者かの手によって動きを止められた。
どこからか響く、銃声らしき音。
狼人間に被弾したのか、撃たれたと思わしき箇所からは緑色の血を噴出させ、三体の狼人間は悲鳴をあげながら地面に倒れた。
狼人間が倒れ見通しの良くなった目の前。
そこに、拳銃らしきものを構えた人間が立っていた。
695
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:17:44 ID:jvu.zAqQ0
(,,^Д^)「大丈夫か?」
( ^ω^)「え……」
(,,^Д^)「さっきの奴ら……化け物の兵隊と化してしまったか」
先刻、若者の集団に因縁をつけられていた男だ。
銃を下ろし、狼人間となってしまった亡骸に歩み寄るとしゃがみ込みその身体を撫でた。
( ・∀・)「なんだ、君は」
(,,^Д^)「俺のことなんかより、怪我はないのか?」
( ^ω^)「は、はい……僕達は全然――」
( ・∀・)「君はなんなんだ?この状況の何を知っている?」
ふと、ブーン達が手に持ったままのバックルに男の目はとまった。
(,,^Д^)「……!それは……仮面ライダーのベルト……!」
(,,^Д^)「そうか……お前達が仮面ライダーだったのか」
( ・∀・)「聞いているのか?俺の問いに答えろ」
(,,^Д^)「ああ…すまない、俺の名はタカラ。お前達が仮面ライダーなら話は早い。
お前達に話さなければならないことがある」
696
:
名無しさん
:2018/02/25(日) 10:17:57 ID:p6SPU4NI0
おーおーおー!第2ラウンド来てるじゃんかよ!
697
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:18:37 ID:jvu.zAqQ0
―――――
―――
警察が現場に到着し、辺りはたくさんの赤い明かりに照らされた。
狼人間へと変わってしまった亡骸は発火し、服のみを残して消滅してしまった。
モララーが仮面ライダーであることを警察に告げると、ブーン達は事なきを得たようだ。
現場から少し離れた場所で、タカラと名乗る男の話に三人は耳を傾けていた。
( ^ω^)「死んだ人をアンデッドに変化させる力…!?」
(,,^Д^)「そうだ。奴は何らかの力を殺害するときに送り込み、亡骸をアンデッドとして操っている」
(,,^Д^)「ここ最近動き出したアンデッドで間違いない。あんな力を持つアンデッドは他にいない」
('A`)「そんな……じゃあ、そのアンデッドを野放しにしとけば被害者がこれからもたくさん……」
(,,^Д^)「そういうことだ」
タカラの話に、真剣に耳を傾けるブーンとドクオ。
だが、モララーだけは違った。
( ・∀・)「何故そんなことを君が知っているんだ?君は何者だ?」
むしろ、アンデッドについて詳しいタカラの正体を怪しんだ。
人間に擬態する能力を持つ上級アンデッド。
目の前のこいつも、アンデッドの可能性は高い……そう睨んでいた。
(,,^Д^)「………」
( ・∀・)「答えられないのか、なら信用は出来ない」
698
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:20:05 ID:jvu.zAqQ0
答えを出し惜しむタカラだったが、ついにその口を開いた。
(,,^Д^)「……俺の家族は、奴に殺された」
( ^ω^)「……!」
(,,^Д^)「そして、奴は俺の家族を俺の目の前で………あのアンデッドと同じ姿にした……!」
( ・∀・)「………」
(,,^Д^)「最近よく報じられる化け物の件は知っていた。だが、信じてなどいなかった。
そんなものは、退屈な世の中に誰かが流し込んだ真っ平な嘘だと……」
(,, Д )「だが………嘘じゃなかった……!忘れもしない、九ヶ月程前……化け物は俺の前に現れ、両親や妹を殺した!」
(,, Д )「化け物になってしまった家族を撃ち殺す感覚が、光景が……脳裏に焼きついて離れない!」
腰に提げた、特異な形状をした拳銃を手に取るタカラ。
(,,^Д^)「この銃は、BOARDに携わっていたある女から譲り受けた銃だ。
普通の銃ではない。アンデッドを倒すことの出来る特殊な銃弾を扱った銃だ」
( ・∀・)「BOARDに携わっていた女……?」
(,,^Д^)「俺は復讐を決意した……この手で、俺の家族を殺したあのアンデッドを倒すと!」
(,,^Д^)「……人を守るのはお前達仮面ライダーに任せる。俺は一人で奴を追う」
699
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:21:16 ID:jvu.zAqQ0
( ^ω^)「待ってください」
(,,^Д^)「……?」
( ^ω^)「タカラさん……その決意を止めるような真似はするつもりはないですお。でも……」
( ^ω^)「僕達と共に、戦ってくれませんかお?」
( ・∀・)「剣藤!?」
('A`)「お前何言ってんだ!?生身でアンデッドと戦うなんて危険だろ!」
( ^ω^)「わかってる。だから僕達と一緒に戦うんだお」
(,,^Д^)「……どういうつもりだ?」
( ^ω^)「分かりますお。大切なものが奪われそうになった時の悲しみや怒り……。
タカラさんはそれを奪われてしまった、それ以上に深い怒りも悲しみを抱えてるでしょう」
( ^ω^)「でも、もしその復讐を果たして……その先に待ってるものに、一人で耐え切れますかお?」
(,,^Д^)「そんなことどうでもいい!俺はただ、家族の仇を取れればそれで…!」
( ^ω^)「仇をとっても、タカラさんが元気で生きていなきゃご家族は浮かばれない!」
( ^ω^)「確かにライダーの力は、アンデッドに対向出来る大きな力です。でも一番重要なのはライダーの力じゃないんです!
共に戦う仲間がいなければ……一人だけで戦い抜くことは出来ない!」
( ^ω^)「行動を共にしろとは言いませんお。けど、タカラさんの力になりたいんです。
アンデッドに果敢に立ち向かうタカラさんの力も、僕達には必要だって感じてます」
(,,^Д^)「………何故、俺にそこまで肩入れしようとする?」
( ^ω^)「人間なら、当然のことですお」
700
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:21:49 ID:jvu.zAqQ0
( ・∀・)「………確かに、君一人でアンデッドに対峙させるのは危険だ。
それにその銃、BOARDが関係していると言ったな?なら尚更見過ごすわけにはいかない」
(,,^Д^)「………」
('A`)「あの……意外といいもんですよ、こう言ってくれる人がいるってのは」
それまで強張っていたタカラの表情が、一気に緩んだ。
(,,^Д^)「……ふっ、ライダーの力を持っていながら俺みたいな小さな力が欲しいのか。ライダーってのも、存外大したことないんだな」
( ^ω^)「そんなもんですお」
( ・∀・)「力が全てじゃない。戦いを通して学んだよ」
(,,^Д^)「いいだろう、そこまで言うなら手を貸してやる。
だが俺は俺の行動をする、あのアンデッドも俺の手で倒す。それだけは忘れるな」
( ^ω^)「はい!」
(,,^Д^)「まったく……お人良しな奴らだ。その甘さが命取りになることだってあるぞ」
( ・∀・)「俺達はともかく、剣藤は人を信じている。どれだけ自分が馬鹿を見ても」
( ・∀・)「百回嘘をつくような人間より、百回騙されて馬鹿を見る人間の方が俺は好きだな」
(,,^Д^)「………」
701
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:22:09 ID:jvu.zAqQ0
―――――
.
702
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:22:37 ID:jvu.zAqQ0
翌日。朝を迎えた栗沢家でのこと。
从'ー'从ノシ 「行ってきま〜す!」
(#゚ -゚)ノシ 「行ってきまーす」
川 ゚ -゚)「行ってらっしゃい」
(´・ω・`)「気を付けて行くんだよー」
ショボン達に見送られながら学校へ向かう渡辺達。
最近はでぃも小学校へ通うようになり、子供として失われていた時間を取り戻しつつあった。
今では姉のような存在でもある渡辺と一緒に、毎日学校へ通うのが当たり前だ。
(´・ω・`)「ふう……」
子供達を学校に向かわせ、今日も一息。
川 ゚ -゚)「食器洗ってきます」
(´・ω・`)「ああ……ありがとう」
家の中に戻っていくクーに、ぎこちない返事。
先日の一件から、クーとの距離を無意識に置いてしまっている。
703
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:23:24 ID:jvu.zAqQ0
以前から、クーの謎めいた外出や行動には疑問を抱いていた。
けれど、それは触れてはならないと自分に言い聞かせていた。
正体など知らずとも、今が幸せだったからだ。
しかし、アンデッドという化け物が世に存在することを知った今。
クーの口から、アンデッドという言葉を聞いてしまった今。
あの謎が深まる会話を聞いてしまった今では、クーの正体を知る必要がある。
ショボンは、意を決していた。
(´・ω・`)「………」
リビングに戻って見えるのは、食器を一枚一枚丁寧に洗うクーの姿。
カウンターテーブルの前に立つショボンに、クーが気が付いた。
川 ゚ -゚)「……どうかしましたか?」
(´・ω・`)「……いや、その……」
川 ゚ -゚)「あの、今日の昼頃なんですが――」
(´・ω・`)「クー」
川 ゚ -゚)「?」
(´・ω・`)「答え難ければ答えなくていい。ただ、聞きたいことがある」
川 ゚ -゚)「はい」
(´・ω・`)「………君は、何者なんだ?」
704
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:24:35 ID:jvu.zAqQ0
(´・ω・`)「ごめん、この間聞いてしまったんだ。君がスーツを着たお客さんと話していること……」
川 ゚ -゚)「……!」
食器を洗う手がピタリと止まった。
目が露骨に泳ぎ出し、戸惑っているのが分かる。
(´・ω・`)「僕達も被害にあったけど、アンデッドって化け物が関係してるのかい?
君はアンデッドについて何を知っているんだ?あの化け物と君は何の関係があるんだ?」
川 ゚ -゚)「………それは……」
(´・ω・`)「一万年前、って……どういうことなんだ?」
川;゚ -゚)「………」
とうとう核心に迫られた。
隠し続けてきた事実に触れられそうになって、はじめて焦りが生まれる。
本当の姿を暴かれたら、居場所を失う。
愛するこの家には、もう居られなくなる。
(´・ω・`)「答えられないのかい?」
川 ゚ -゚)「………買い出し行ってきます」
質問を濁らせる行為ほど、疑惑を深めさせるものはない。
しかし、今のクーにはこれが精一杯の避け方だった。
食器とスポンジをシンクの上に置き、泡だらけの手をそのままにリビングを出た。
705
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:25:00 ID:jvu.zAqQ0
(´・ω・`)「待ってくれクー!」
クーの後を追って外へと出る。
それでも足を止めず無言を貫きバイクへと跨るクーの前に、ショボンが立ちはだかった。
(´・ω・`)「頼む、クー。僕はただ真実が知りたいだけなんだ!君が何者でも構わない!」
川 ゚ -゚)「………」
(´・ω・`)「僕は……いや、あまねやでぃだってそうだ。みんなクーを信用してる。
クーは僕達の大事な家族だから!」
(´・ω・`)「だから頼むよ、せめて僕には本当のことを話してくれ!」
川 ゚ -゚)「………でも」
本当のことを話せば、切り捨てられるのが目に見えている。
自分がアンデッドであることを知れば、その事実を隠し通してまで大事にしてきたものが全て壊れてしまう。
ショボンを信じたいけれど、怖い。怖くてたまらない。
全てを失う恐怖から、クーは答えられずにいた。
「よしましょうよ、無理に答えを聞き出そうとするのは」
706
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:25:55 ID:jvu.zAqQ0
割ってはいるように声が聞こえる。
ショボン達が視線を向けた先に、その男はいた。
(´・ω・`)「あなたは……あの時の?」
( ゚д゚ )「彼女、答えたがっていないじゃないですか」
川 ゚ -゚)「貴様、何の用だ……!?」
ミルナだ。
眼鏡を一本の指で上げながら、ショボンに不敵な笑みを見せる。
(´・ω・`)「……すみません、今大事な話をしてますので――」
( ゚д゚ )「その必要はない。あなた達に知る義務はありません」
眼鏡を外すミルナ。
同時に、人に擬態する異形の正体をショボン達の前で露にした。
。
ミミ/ ゚王゚)『カリスの正体が何なのか……答えを知るのは俺だけでいい!』
(;´・ω・`)「ッ……アンデッド……!?」
川 ;゚ -゚)「貴様ッ……ぐうっ!」
バイクから降り掴み掛かろうとしたクーを、鈎爪の背で殴打し弾き飛ばす。
そして、驚いたまま身体を硬直させるショボンの後ろ首を掴み、鋭い眼光で睨み付けた。
。
ミミ/ ゚王゚)『人間とは不思議な生き物ですね。共存すべき命と共に過ごそうとはせず……ふっ!』
(´ ω `)「うっ……!」
707
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:26:26 ID:jvu.zAqQ0
ショボンの腹部に叩き込まれる膝。
瞬時に気絶こそしないが、痛みにうずくまるショボンをミルナは軽々と肩に抱え上げる。
川 ;゚ -゚)「ショボンさん!!」
。
ミミ/ ゚王゚)『カリス、俺を追ってください。あなたが来るのを待ってます』
川 ;゚ -゚)「待て!どこへ行く!?おい!!」
翼を羽ばたかせ、宙に浮き空を飛翔する。
見上げるクーに背を向け、そのまま何処かへと飛び去って行ってしまった。
川 ;゚ -゚)「チッ…!」
再びバイクに乗り直し、アクセルを踏む。
まるで追って来いと言わんばかりに放っているミルナの気配を、強く感じる。
川 ゚ -゚)(何の真似だ、あのアンデッド……!)
川 ゚ -゚)(カテゴリーA……約束を交わしたと言うカリスに関係があるのか?)
川 ゚ -゚)(いや、そんなことより今はショボンさんを……!)
ヘルメットを被り、気配に導かれながらバイクを走らせる。
自らがアンデッドでありながら、抱く感情の不可思議さに疑問を抱くこともない。
たとえ罠であろうが何であろうが、ショボンを助ける。
ただ、その想いだけがクーを動かした。
708
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:26:50 ID:jvu.zAqQ0
――――――
――――
――
クー達が一悶着起こす少し前に時間は遡る。
この日もブーン宅には、三人のライダーが集っていた。
ブーンとドクオが隣合わせに座り、テーブルを挟んで向かいにはモララーが座っている。
テーブルの上に並んでいるのは、トランプとラウズカード。
中央に並べられたトランプのカテゴリーに合わせ、三人が持つラウズカードが並べられている。
( ・∀・)「まず、カテゴリーA。このカードの力でライダーに変身することが出来る」
('A`)「ふむふむ」
( ^ω^)「ふむふむ」
( ・∀・)「それ以外のカードは、ラウズすることで効果を発揮するものばかりだ。
このカテゴリー2は武器の威力を強化し、カテゴリー3は腕力を強化する。カテゴリー4は自分の動きを強化するもの」
カテゴリーを指差しながら、各カテゴリーごとの能力を説明しているようだ。
( ・∀・)「カテゴリー5は脚力、俺達がトドメとして愛用してるカードだな。
カテゴリー6は属性をもたらす力を持つ。このカードを軸にして戦うことも多いだろう」
('A`)「ふむふむ」
( ^ω^)「ふむふむ」
( ・∀・)「カテゴリー7は、剣藤が前に使ったな。物質の特性を得ることが出来る。
カテゴリー8は敵の動きを抑制する力を持ち、カテゴリー9は高速移動や分身と言った戦闘力の補助だ」
('A`)「ふむふむ」
( ^ω^)「ふむふむ」
( ・∀・)「……剣藤は聞かなくてもいいだろ?」
( ^ω^)「いやぁ何となくで使ってたから、改めて聞くとなるほどな〜って感じですお」
709
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:28:47 ID:jvu.zAqQ0
( ・∀・)「そしてカテゴリー10、超能力的な力を得ることが出来る」
( ^ω^)「カテゴリー10って使ったことない……ていうか持ってないお」
('A`)「………俺は持ってる」
( ・∀・)「そうだ。特にこの、♣のカテゴリー10」
トランプのカテゴリー10に合わせて並べられた、"♣10のREMOTE"。
封印されたアンデッドを解放し操ることが出来るという、危険過ぎる力を持つ。
( ・∀・)「このカードについては、もうお前達も理解してるよな?」
( ^ω^)「はい……もう散々でしたお」
(;'A`)「……すみません」
( ・∀・)「カテゴリーごとの能力はこんなものだ、使い方は追々覚えればいい。
だがドクオ、お前は特に気を付けろ。このリモートの力だけは安易に使うな。いいな?」
(;'A`)「はい……あの、二人が封印した上級アンデッドの力は?」
( ^ω^)「ああ……これか」
( ・∀・)「ラウザーのポイントがチャージされるだけだ、今のところはそれ以外使い道はない」
ブーンは♠のカテゴリーQを、モララーは♦のカテゴリーJを手に取る。
710
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:30:13 ID:jvu.zAqQ0
('A`)「そうなんですか……じゃあ、カテゴリーAは一体なんで俺に♣のカテゴリーKを封印させようとしたんだ?」
( ^ω^)「♣のカテゴリーK……!?また新しいカテゴリーKが現れたのかお!?」
('A`)「あ……いや、その」
ブーンはまだ知らない。ヒッキーが♣のカテゴリーKであるという事実を。
思わず口が滑ってしまい、しどろもどろになる。
( ・∀・)「……けど、戦いを忌み嫌う変わったアンデッドだったな。そういうアンデッドは、今は無理に構う必要はない」
(;'A`)「そ、そうですね!」
( ^ω^)「へえ……まるでモスみたいなアンデッドだな」
モララーの機転が効いてか、話は何とか上手く収まった。
ドクオは一息つき、胸を撫で下ろす。
('A`)「……俺にも上級アンデッド、倒せますかね?ブーンはまた新しい上級アンデッドに逢ったんだろ?」
( ^ω^)「逢ったけど……何だか良く分かんないお。クーさんと関係してるのか何なのか。
人間を好んで襲うようなことはしないアンデッドというか……何かこう、紳士的なアンデッドだったような」
( ・∀・)「上級アンデッドは確かに強い、無理に戦いに挑んだところで危険だ。そう焦らなくていい」
('A`)「でも、倒せるようにならないと……じゃないと足手まといになっちゃうし、ブーンだけに任せるのは……」
( ・∀・)「大丈夫だ。剣藤は強い」
( ・∀・)「お前はカテゴリーAに操られ……俺は恐怖心に負け、ライダーシステムの弊害に呑み込まれた。
けど剣藤は最初からライダーシステムを使いこなし、アンデッドとの融合係数も高い」
( ・∀・)「俺達にはない力が、剣藤にはあるんだろう」
( *^ω^)ヾ「フ……フヒヒwwそう言われると照れるお」
711
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:31:12 ID:jvu.zAqQ0
('A`)「はは、まったく頼りにしてるぜ」
( ^ω^)「お前も頼りにしてるお」
d('A`)「おう、任せとけ。こう見えて俺はヒーローの素質があるっておばあちゃんに言われながら育ってきたんだ」
_
( ゚∀゚)「すぐ調子に乗るんじゃねーよバカ」
('A`)「おばあちゃんが言っていた…ってやつだよ!知ってるだろ?カブトムシのヒーロー!」
('∀`)/ 「俺もああなりてぇな〜、こう手をかざしてクールに決めてさぁ」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなことしなくても、もうドクオはみんなのヒーローよ」
(*'A`)「えっ…?そうかい??お、俺がみんなのヒーローなのかい??」
_
( ゚∀゚)「ヒーローなんだからもっとみんなのために頑張ってくれないとなぁ?」
( ^ω^)「そりゃそうだ、ヒーローはみんなのために頑張るもんだお」
(*'A`)「お、おう!任せておけよ!ツンちゃん身体凝ってないかい?ひ、ヒーローが揉んで差し上げるぜ??」
ξ#゚⊿゚)ξ「むり」
( ・∀・)「どうやって空飛びながら揉むんだ?」
(*'A`)
('A`)「は??」
( ・∀・)「ヒーローは空飛ぶものだろ?飛びながらマッサージじゃ相手が落ちちゃうだろ」
ξ;゚⊿゚)ξ「何言ってるの?」
_
( ゚∀゚)「ヒーローが空飛ぶイメージを当たり前みたいに言わないでくださいよ」
712
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:32:00 ID:jvu.zAqQ0
その時、和気藹々とした空気を切り裂く無情な音がリビングに響き渡る。
全員の視線は一斉にPCに向けられ、ツンは直ぐにサーチャーの反応に目を通した。
ξ゚⊿゚)ξ「カテゴリーJの反応をキャッチ!場所は……バーボンハウスに近いわ!」
( ^ω^)「バーボンハウス!?」
_
( ゚∀゚)「おいおいまたかよ!?」
ξ゚⊿゚)ξ「この間の蜻蛉アンデッドのときみたいに、バーボンハウスから離れてってる……まさか」
_
( ゚∀゚)「また誰か攫われたか…!?」
( ^ω^)「カテゴリーJ……もしかして、あのアンデッドがそうなのか!?」
カリスを守った鷲のアンデッドを思い出す。
クーとの関係性に疑いが残る中、バーボンハウス付近に出没したとなれば可能性は高いと読んだ。
( ^ω^)「行ってくる!二人は待機しててくれお、また例のアンデッドが出たときのために!」
( ・∀・)「あっ、おい!」
呼び止める声は届かず、既に玄関の扉が開かれた音が聞こえる。
後を追うことはせず、窓からブルースペイダーを走らせるブーンを見送った。
713
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:32:20 ID:jvu.zAqQ0
―――――
.
714
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:32:54 ID:jvu.zAqQ0
ミルナの気配を追ってクーが到着したのは、観光スポットとしても有名な吊り橋のある崖。
見下ろすことで見ることが出来る、岩崖に打ち付けられる波はとても迫力がある。
バイクから降り、足場の悪い岩を素早く踏み進んで行く。
崖まで進むと、そこに奴はいた。
( ゚д゚ )「カリス、待っていました」
だが、ショボンの姿が見当たらない。
ミルナは確かにショボンを背負い、クーから逃げていたはず。
川 ゚ -゚)「貴様……ショボンさんは何処だ」
( ゚д゚ )「あの人間のことでしょうか……カリス、何故人間を庇おうとする?」
川 ゚ -゚)「貴様には関係ない。何の目的があってこんな事をする?」
( ゚д゚ )「あなたの正体を探っていたからですよ。邪魔だろう?そんな奴。
人間如きが、俺達の神聖な戦いを汚している……許せなくはないか?」
川 ゚ -゚)「ショボンさんは何処にいる?」
( ゚д゚ )「カリス……目を覚ましてくれ、俺達はこの戦いに誇りを持っていたはずだ!」
川 ゚ -゚)「居場所を吐かぬのなら力ずくで聞き出してやる」
腰にカリスラウザーを召喚。
ミルナを睨み、取り出したカテゴリーAのカードを構えた。
715
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:33:50 ID:jvu.zAqQ0
( ゚д゚ )「……!ふっ!」
川 ゚ -゚)「ッ!?」
ミルナが投げ飛ばした羽根手裏剣。
構えたクーの右手に直撃し、カテゴリーAのカードを掴んだ羽根はミルナのもとへ帰還した。
奪ったカードに目を通すミルナ。
そして、大きな衝撃を受けることになる。
(; ゚д゚ )「……!!……これは、マンティスアンデッド……カリス!!」
(; ゚д゚ )「まさか……あの女の言っていたことは、本当だったのか……!?」
川 ゚ -゚)「貴様……」
(; ゚д゚ )「なんてことだ……!!カリス、あなたは……こいつに封印されてしまったというのか!?」
カテゴリーAのカードを、"カリス"と呼び続けるミルナ。
カリスとは、クーがカテゴリーAに変身した姿を指すものではなかった。
♥のカテゴリーA・マンティスアンデッド。カテゴリーAの中でも最強と謳われたアンデッドの、呼称に過ぎなかったのだ。
カードを前に動揺を隠せず、悲しげにカマキリが描かれた絵柄を指の腹で撫で続ける。
しばらくカードと向き合った後、ミルナはゆっくりとクーを睨み付けた。
(; ゚д゚ )「……お前は何者だ?怪しいとは思ったが、そもそもその姿もカテゴリー2のものだ!」
(; ゚д゚ )「カリスの姿を借り、カテゴリー2の姿をも借りたお前は何者だ!!
他のアンデッドに変身出来る力……お前が……お前が本当に"ヤツ"なのか!?」
川 ゚ -゚)「………」
716
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:34:34 ID:jvu.zAqQ0
(#゚д゚ )「答えないのか……お前が"ヤツ"だろうと構わない。カリスを利用し、その名と力を騙った罪は重い!」
(#゚д゚ )「カリスの仇だ……!俺達の約束の邪魔をしたお前には――」
。
ミミ/#゚王゚)『罰を受けてもらう!!』
川 ゚ -゚)「チッ……!」
アンデッドの姿となり、背後に浮遊させた羽根手裏剣を一枚ずつ射出。
クーは手裏剣による遠距離攻撃を瞬時に避け、岩場を器用に飛び移りながら後退。
。
ミミ/#゚王゚)『お前だけは許さん…!』
川 ゚ -゚)「アンデッド同士に友情など抱く方が間違っている」
。
ミミ/#゚王゚)『黙れ!ならば人間と仲良く過ごすお前は何だ!?アンデッドであるはずのお前が!!』
川 ゚ -゚)「ッ!!」
ミルナ自身が飛翔し、空いた距離を一気に詰める。
反射的に両腕を構え防御の姿勢を取るクーだが、頭上を通過しながら鈎爪を振るわれ腕を斬りつけられた。
川 ゚ -゚)「くっ……」
。
ミミ/ ゚王゚)『どうした、何故あの姿にならない?戦うつもりはないのか!?』
川 ゚ -゚)「なるつもりはない」
。
ミミ/ ゚王゚)『何……?」
川 ゚ -゚)「だが、相手はしてやる……別の力で」
717
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:35:18 ID:jvu.zAqQ0
戦いの火蓋は切って落とされた。
そこに、ミルナの反応を辿って急行したブーンが駆けつける。
クーのバイクの横にブルースペイダーを停め、足場を慎重ながら急いで歩き渡る。
( ^ω^)「クーさん……あいつ、この間のアンデッド!」
ミルナと向かい合うクーの姿が見える。
腰に見えるカリスラウザーから、まさに今戦いが始まると察した。
だが、カリスへ変身すると思われたクーに、異変が起きる。
川 ゚ -゚)「変身」
っ□
【 -♥REFLECT- 】
カリスへ変身する時のように発生する透明のオーラ。
飛沫となってはじけ飛ぶオーラの中から現れたのは……。
( ; ^ω^)「!?!?」
。
ミミ/ ゚王゚)『貴様、どういうつもりだ!?』
( ; ^ω^)「どうなってんだお…!?モスに変身したっていうのか!?」
718
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:35:58 ID:jvu.zAqQ0
クーが変身したのは、カリスではなく別のアンデッドの姿。
"♥8のREFLECT"のカードをラウズしたことで、モスの姿へと変身した。
腰にはアンデッドバックルではなく、カリスラウザーが巻かれている。
( ; ^ω^)「……んぐぐ、悩むのは後だお!変身!」
【 -♠TURN UP- 】
カリス以外の姿への変身を目の当たりにし、驚きを隠せないブーン。
困惑を押し殺し、装着したブレイバックルのハンドルを引きブレイドへと変身した。
ブレイドの存在に気付いたミルナは、羽根手裏剣でブレイドを牽制しつつクーを攻撃。
( OwO)「うおっ!?」
。
ミミ/ ゚王゚)『仮面ライダーのおでましですか、アンデッドでありながら人間の助けを得ようとは!』
ノ( ゚ニ>)『チッ……カリスに比べれば、やはり力が劣る……』
発生させた鱗粉でダメージを軽減しながら抵抗を試みるも、下級アンデッドであるモスの力ではミルナに太刀打ちは不可能。
通す攻撃一発一発を当てたところで、ミルナは怯む様子はない。
翼で起こす風で鱗粉を吹き飛ばされ、胸部を両腕の鈎爪で二度裂かれた。
ノ( ゚ニ>)『うぐっ…!』
( OwO)「クッソ…!鬱陶しいお!」
ブレイラウザーを抜き、二枚のカードを選択。
次々と迫る羽根手裏剣を突破する方法を思いついた。
《-♠4 TACKLE-》 《-♠7 METAL-》
719
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:36:45 ID:jvu.zAqQ0
身体を鋼の力で硬化させ、強化された突進力で羽根手裏剣を強引に押し退ける方法。
日の光を受け身体を輝かせながら、ブレイドは岩場を駆け抜ける。
( OwO)「おおおおおおおおおおッ!!!」
身体に当たる羽根手裏剣をもろともせず、ことごとく跳ね落とす。
クーを攻めるミルナに接近すると、肩から体当たりを狙い全ての体重を乗せ突進した。
しかし、ブレイドに気付いたミルナはクーを蹴り飛ばし素早く宙に浮遊。
突進を容易に躱したまま、宙に浮いたままカリスのカードを二人に見せ付けた。
( ; OwO)「わああっ!」
。
ミミ/ ゚王゚)『カリスは俺がもらう!必ず封印を解く手段を見つけてみせる……あの人間は返してやる、ついてこい!』
( OwO)「おい!待てお!」
ノ( ゚ニ>)『チッ……』
ミルナはそのまま宙を移動し、崖の下へと飛び去った。
モスは毒蛾。空を飛ぶことは可能だが、鷲であるミルナに到底追いつけるはずもない。
ブレイドは、ミルナの背を見つめるクーのもとに近付き、モスである姿を怪訝な目で見つめる。
( OwO)「クーさん、どういうことだおこれ……」
ノ( ゚ニ>)『カテゴリーAを……いや、まずはショボンさんを助けなければ』
( OwO)「え……ショボンさんに何があったんだお!?」
ノ( ゚ニ>)『お前に構ってる暇はない!』
【 -♥SPIRIT- 】
720
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:38:13 ID:jvu.zAqQ0
ブーンを余所に、クーはバイクのもとへと走った。
ブレイドの変身を解除し、バイクに跨るクーの前の行く手を阻むように立ち塞がる。
( ^ω^)「ちょっと待ってくれお!もしかしてまた攫われたのかお?」
川 ゚ -゚)「あのアンデッドは人質を取るような事はしない、きっとヤツのもとに居るはず。退け!」
( ^ω^)「あのアンデッドとまた戦うことになるお!カリスの力がないと無理だ!」
川 ゚ -゚)「お前には関係ない」
( ^ω^)「クー!!」
怒号が、急くクーを静まらせた。
合わせようとしなかった目線を向け、ブーンの目を真っ直ぐに見つめる。
( ^ω^)「関係あるとかないとか、僕はそんなつまらないことで動いてるわけじゃない!!」
( ^ω^)「いいか?カテゴリーAは僕が取り返す、クーはショボンさんを助けるんだお」
川 ゚ -゚)「何故お前がカテゴリーAを取り返す?何のために?」
( ^ω^)「そうしなければ、クーが傷付いてしまうから」
川 ゚ -゚)「私が傷付くから……?私はアンデッドだ、人間の敵だ。何故アンデッドの心配などする?」
川 ゚ -゚)「人間の敵の心配などして、何の意味がある。私はただアンデッドであることを証明するために――」
( ^ω^)「そうやって自分に言い聞かせて、本当の心に嘘をついてるんだろ?」
川 ゚ -゚)「何…?」
721
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:39:20 ID:jvu.zAqQ0
( ^ω^)「アンデッドであることを証明するために戦うって言いたいんだろ?アンデッドなら、そんなことを考えながら戦ったりしないお」
川 ゚ -゚)「………」
図星を突かれたことが、自分でも痛いほどに感じる。
確かに、人間と共存する前までの自分は、アンデッドとしての証明のために戦ってなどいなかった。
それほどまでに、人間に毒されてしまったのか。
ブーンが言うように、本当の心に嘘をつこうとしているのか。
アンデッドでありながら、誰にも言えぬ許されない思いを抱いてしまった己の心に。
川 ゚ -゚)「……いつまたお前達に襲い掛かるか分からないんだぞ?
カテゴリーAを取り返して……アンデッドの手助けなどして、お前に何の得がある?」
( ^ω^)「人を愛する心に、平和を愛する心に人間もアンデッドもないお」
( ^ω^)「アンデッドはみんな敵だと思ってた、人間を襲う絶対的な悪だと……。
でも、クーやモスと出会ってその概念に疑問を持ち始めたお」
( ^ω^)「僕は仮面ライダーとして人間を守る義務がある、だから戦い続けなきゃならない。
けど、クーやモスのようなアンデッドと戦おうとは思わない。むしろ、守りたい!」
( ^ω^)「それに、ショボンさん達を想うからクーさんを信じるんじゃない。僕はクーさんを……いや、愛川クーを信じるんだ」
川 ゚ -゚)「……何故だ、何故そんなに私を信じようとする……?」
( ^ω^)「信じたいから信じる、それだけ。形に捉われてしまったら、本当に大事なものは見えてこないお」
川 ゚ -゚)「……!」
真っ直ぐ過ぎるブーンが、眩しくも見えた。
自分の心に素直になることが、どれ程心地良いものだろう。
人間もアンデッドも関係ない……その言葉に胸を打たれてしまった自分がいることを、認めたくはなかった。
722
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:39:50 ID:jvu.zAqQ0
川 ゚ -゚)「……ヤツの気配を感じる。この崖を下った場所だ」
( ^ω^)「お?」
川 ゚ -゚)「ついてくるなら勝手にしろ、私は行く」
( ^ω^)「……おう!」
アクセルを踏み道を遮るブーンを払い除ける。
ヘルメットを被り、見られることを拒んだ己の表情を隠した。
川 ゚ -゚)「勘違いするな。別にお前と馴れるつもりはない」
川 ゚ -゚)「ただ……お前が私をアンデッドだと拒絶するつもりがないのなら、敵対もしないだろう」
川 ゚ -゚)「お前とはそれ以上も以下もない、それだけだ」
( ^ω^)「分かってるお、クー。……って、呼んでいいかお?」
川 ゚ -゚)「好きに呼べ」
不器用に返答すると、ブーンを置き去りにバイクを走らせた。
ミルナの気配がする崖の下へと向けて。
( ^ω^)「……よし」
一人で大きく頷き、ブルースペイダーでクーの後を追い走り出す。
クーの答えに希望と勇気が沸いてか、より一層前向きになった気分。
ライダーとして戦っていた最初の頃の孤独感や迷いは、今のブーンには微塵も残っていなかった。
723
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:40:27 ID:jvu.zAqQ0
――――――
――――
――
崖下の海に面した平らな陸地。
その岩場には、連れ去られたショボンが気を失った状態で倒れていた。
倒れたままのショボンに近付き、憎き心を押さえ込みながら見下ろすミルナ。
。
ミミ/ ゚王゚)『……あなた方人間は憎き存在ですが、こんな卑怯な形で利用してしまったことは詫びましょう。
己の信念を汚してまでも、確かめたい真実だったのです』
(´-ω-`)
気を失ったショボンに言葉を掛けるが、当然反応はない。
迫り来る二人の気配を感じると、ミルナは仁王立ちで自らが招いた客を待つ。
。
ミミ/ ゚王゚)『もうすぐ帰しますので安心してください。敵だとしても、命は尊重されるべきですから』
バイクの排気音は徐々に近くなり、明確になる。
草が無造作に生え乱れた砂利道を通って、バイクに乗った二人は現れた。
( ^ω^)「ショボンさん!」
並ぶように停めたバイクから降り、ヘルメットを外す。
ミルナの背後で倒れたままのショボンが目に入ると、二人はミルナのもとへと走った。
724
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:40:59 ID:jvu.zAqQ0
。
ミミ/ ゚王゚)『心配しなくても、この人間の命を取ろうなどとは思っていない』
。
ミミ/ ゚王゚)『だが……お前達と共に元の生活に戻れるかと言われれば、そうとは限らない。
お前達は、今ここで俺が倒す!』
( ^ω^)「そんなことはさせない!クーもショボンさんも僕が守る!」
。
ミミ/ ゚王゚)『フッ……人間がアンデッドを守り、またアンデッドも人間を守る。か……。
まさかお前が人間に媚びを売り生き残ろうとするヤツだったとは、呆れたぞ!』
川 ゚ -゚)「知ったことか」
。
ミミ/ ゚王゚)『人間にアンデッドとしての魂を売り、腑抜けになったか!?』
川 ゚ -゚)「………」
カテゴリーAの言葉が重なる。
あの時もミルナと同じようなことを言われ、それを機に再び己を"アンデッド"だと強く思い込むようになった。
まるで、己の存在を否定されたように感じたから――。
……だが、再び地に引きずり込もうとする言葉は全て、ブーンによって振り払われた。
( ^ω^)「違う!クーはそんな理由でショボンさん達と暮らしてるわけじゃない!」
。
ミミ/ ゚王゚)『ふん、聞こうか』
725
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:42:03 ID:jvu.zAqQ0
♪大いなる力 -
https://www.youtube.com/watch?v=d18HxqqREGk
( ^ω^)「クーは……自分がアンデッドと知りながらも、ショボンさんやあまねちゃん達との時間を大切に思い大事にしている。
家族のように接してくれるみんなを、心から愛している」
( ^ω^)「そして、自分が守りたいと願ったみんなを命懸けで守ろうとしてる。全てを投げ出してまでも!
その素晴らしさに、人間もアンデッドも関係ない!!」
。
ミミ/ ゚王゚)『……ふん』
川 ゚ -゚)「………」
クーがアンデッドと知り、激昂した過去を思い出す。
あの頃は、アンデッドを憎み、アンデッド全てを倒すことだけを考えていた。
( ^ω^)「人間とアンデッド、全ての者が共存するのは……確かに無理かもしれない。
お前のように人間を見下すアンデッドがいるように、人間もアンデッド全てを悪と見る人がいる。これは仕方のないことだ」
( ^ω^)「だから、これからも僕は野心を抱き、人間を襲うアンデッドと戦い続けるだろう」
( ^ω^)「けれど……中には争いを好まず、平和を愛す者がいる。
人の愛を知ったアンデッドのように、アンデッドの愛を知った人間だっているんだ!」
でぃとモスの互いに想い合う確かな愛に触れ、クーとショボン達の曇りなき愛に触れたことで、何が正しいのか…その答えを密かに求め続けていた。
だが、答えはとうの昔から自分の心の中にあったのだ。
人間とアンデッド……その形に捉われ、その答えが曇ってしまっていた。
( ^ω^)「自分が変われば世界は変わる!
アンデッドの使命に苦しみながらも、それが出来たクーを僕は守りたい!」
( ^ω^)「だから……そんなクーを蔑むようなことは、僕がさせない!!」
川 ゚ -゚)「………お前……」
726
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:43:54 ID:jvu.zAqQ0
。
ミミ/ ゚王゚)『……素晴らしい。愛を知った者同士が互いに現実から目を逸らし、傷を舐め合っているわけですね』
。
ミミ/ ゚王゚)『悪いが、そんなものに興味はない……!俺は己が種族の繁栄のために戦っている。
皆が万能の力を目指している。これは、その力に相応しい者を決めるための聖戦だ!』
。
ミミ/ ゚王゚)『この戦いの中で愛など語るようなアンデッドに、勝たせるわけにはいきませんね!』
両腕の鈎爪を研ぎ、臨戦態勢を取った。
翼を広げたと同時に出現する羽根手裏剣が、翼の扇ぎを受けて一斉にブーン達のもとへ放たれる。
( #^ω^)「それがお前の限界だお…!変身!」
川 っ -゚)「ッ……!」
【 -♠TURN UP- 】
クーの前に立ち、庇いながら射出したゲートで羽根手裏剣を全て防御。
落ちたことを確認すると、ブーンはゲートに向け走りブレイドへと変身した。
( OwO)「カテゴリーAを返せ!」
。
ミミ/ ゚王゚)『無理な相談ですね、♣のカテゴリー10を持っているのは誰だ!?』
( ; OwO)「ううっ!!」
再び宙を浮遊され、すれ違う瞬間に鈎爪で切り裂かれる。
ブレイラウザーを抜き応戦するも、攻撃など届くわけもなくあっという間に防戦一方となった。
。
ミミ/ ゚王゚)『あの力さえあればカリスの封印を解くことが出来るはず!お前か!?』
( ; OwO)「そんなこと言うわけないだろ…!うあっ!?」
727
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:45:09 ID:jvu.zAqQ0
空中より羽根手裏剣を投擲され、防ぎ切れない羽根が身体を斬りつける。
カードを使っても届かないどころか容易に躱されてしまうであろう空中を、どう対処すべきか。
( ; OwO)「クソッ!どうすればいいんだお……届かない!」
川 ゚ -゚)「これを使え!」
っ□
その時、クーが一枚のカードをブレイドに投げた。
すかさずカードを掴み取り、カードを見る。
渡されたカードは、"♥4のFLOAT"。蜻蛉のアンデッドのカードだ。
( OwO)「これは……」
っ□
川 ゚ -゚)「その力で空を飛ぶことが出来るはずだ」
( OwO)「そいつは実にナイスだお!………閃いた!」
受け取ったカード、それに加え展開したトレイから選んだ一枚のカード。
二枚のカードを、ブレイラウザーにラウズする。
《-♥4 FLOAT-》 《-♠9 MACH- 》
( ; OwO)「おおっ!?って……高いとこ怖ェお!!」
カードをラウズした瞬間、ブレイドの身体が浮遊を始める。
原理は不明だが、自分が飛びたいと念じる方へ身体を浮かせることが出来ている。
( OwO)「ええい、駄目だ駄目だ…!こいつで一発逆転狙うんだお!」
728
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:45:38 ID:jvu.zAqQ0
空を自在に飛び回るミルナの尻尾を追い、ブレイドも空を飛翔。
自分を上回った速度で接近するブレイドに驚きを隠せず、思わずたじろいぐミルナ。
。
ミミ/ ゚王゚)『なっ……!何故空を飛んでいる!?』
( OwO)「アンデッドの力を借りたのさ!はあっ!!」
。
ミミ/;゚王゚)『ぐうっ…!』
ミルナとの距離はすぐに縮まり、仕返しの斬撃を見舞った。
鈎爪を払い、圧倒的な速度で何度も身体を切り刻み、とうとう空中での動きを制した。
すると、ミルナの腰に備えられたカテゴリーAのカードを見つける。
磁石のように羽根に密着しており、奪うのは簡単そうだった。
。
ミミ/;゚王゚)『クッ……ちょこまかと!』
( OwO)「カードは返してもらうお!!」
。
ミミ/;゚王゚)『なっ!?しまった……!!』
空中での土俵から降ろすべく、背後に回ったブレイドは背に生えた翼を強引に両断。
目に捉えられぬ速さからか、ミルナは対応出来ぬまま翼を切られ、支えを失い地上に向け落下。
( OwO)「もらったああああああ!!!」
落下するミルナの腰に向け、ラウザーを振り下ろす。
的確に腰に備わった羽根を斬りつけ、宙に舞ったカードを強引に掴み取った。
( OwO)「クー!!」
そのままミルナの落下を見捨て、ブレイドは急いでクーのもとへと舞い戻る。
そして、取り返したカテゴリーAと"♥4のFLOAT"のカードを差し出した。
729
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:46:12 ID:jvu.zAqQ0
( OwO)「ふう…!なかなか痺れたけど、これありがとうだお!」
っ□
川 ゚ -゚)「………すまない」
っ□
。
ミミ/#゚王゚)『クッ…………おのれェ!!!』
( OwO)「さぁ、こっから形勢逆転だお!クーがいれば心強い!」
カードを渡し、ブレイドは再び戦いへと戻る。
地上に落下こそしたが、ミルナは未だ健在。むしろカテゴリーAを取り返され、怒り心頭の様子だ。
クーは、カードを握り締めブレイドの背を黙ったまま見つめる。
川 ゚ -゚)(……何故だ)
川 ゚ -゚)(受け入れられるということが、こんなに嬉しいものなのか……)
今まで、ただ拒んでいただけのブーンに対し心を開き始めている自覚がある。
未だ素直になり切れないが、確かにクーの心は変わりつつあった。
自分のこと、本当のことに向き合う度、心が騒ぎ出す。
現実を忘れ、目覚めるほどに身体が熱くなる。
川 ゚ -゚)(この感情が何を意味しているのか……そんなことを考えるのは、もうやめていいかもしれない)
川 ゚ -゚)「疑問に縛られ不安になるくらいなら……心を求めて戦い続けるだけだ……!」
っ□
カテゴリーAのカードを構えたクーの腰に、カリスラウザーが召喚。
目の前で起きる戦いを睨み、今度こそカリスへ変身しようとした。
730
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:46:39 ID:jvu.zAqQ0
(´-ω-`)「ん……ぐ……」
川 ゚ -゚)「……!!」
その時、気絶していたショボンが唸り声を上げ始める。
身体がゆっくりと動き出し、腹部を抑えながら上体を起こした。
ショボンの意識が、戻ってしまった。
( ; OwO)「ふっ!……っぐうう!」
。
ミミ/ ゚王゚)『どうした、アンデッドの力を借りなければその程度か!?』
(´・ω・`)「ッ……ブーン君!?」
( OwO)「ショボンさん…!?目が覚めたのか……ッ!」
ショボンが目に入ったのは、ブレイドとミルナの争い。
剣と鈎爪、殴り合う鈍い音と怒号が激しく繰り広げられ、見ている手に力が入った。
ふと、違う視線を感じるショボン。
視線を向け、そこにいるのは……今まさに変身しようとしたクー。
(´・ω・`)「クー…!?」
川 ;゚ -゚)「………」
カテゴリーAをラウザーに当てた手が、止まってしまった。
このまま変身してしまえば……今まで隠し通してきた事実が、全て明るみになってしまう。
そう考えた途端、その後に待ち受けている事を想像するだけで、恐怖を感じた。
クーの正体を怪しんでいたショボンも、この現場にいる事がクーに関連付いていると見ていた。
腰に巻かれた謎のベルトと、手に持っているカード。クーに対する疑念は深まる一方だ。
731
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:47:11 ID:jvu.zAqQ0
( OwO)「ッ……クー!大丈夫だ!何も心配しなくていいんだ!」
。
ミミ/ ゚王゚)『フン!ハアアアッ!』
躊躇しているクーの姿が見えた。
ブレイドは、ミルナの攻撃に晒されながらも躊躇いを抱くクーに言葉を掛け続ける。
( ; OwO)「うぐっ…!……誰も君のことを見捨てたりしない!僕達は仲間だ!」
川 ;゚ -゚)「………」
( OwO)「自分に自信を持て、誇りを持て!お前のすべてを今見せるんだお!!」
( OwO)「ショボンさんもあまねちゃんも、でぃちゃんも……お前が守るって決めたんだろ!!!」
。
ミミ/ ゚王゚)『何をべらべらと話している!戦いの最中だぞ!』
( ; OwO)「がはっ…!」
両の鈎爪の刺突攻撃が、ブレイドの胸部に直撃。
胸を押さえながらブレイラウザーを振るうも、容易に弾かれ蹴り飛ばされてしまう。
川 ゚ -゚)「………私は……」
(´・ω・`)「クー、何をするつもりなんだ…?」
ミルナに圧されるブレイドと、クーを見て離さないショボンを交互に見つめる。
ショボンとの絆を取るか、ブーンの言葉を信じるか。
二つの選択肢に迫られ、クーは深く悩みだす。
732
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:48:04 ID:jvu.zAqQ0
(´・ω・`)「君は、一体……」
川 ゚ -゚)「………」
答えは決まった。
ショボンに向けていた視線を外し、ブレイドと戦うミルナを睨み付ける。
もしかしたら、これでショボン達との縁が切れてしまうかもしれない。
その恐怖が、クーの心を強く締め付けてしまっていた。
……それでも構わない。
ショボンさんやでぃちゃん……あまねちゃんが平和で笑顔に暮らせるなら、それで。
傍に居れなくとも、みんなを守ることは出来る。
みんなの幸せこそ……私の幸せなのだから。
クーは選んだ。
カリスとして、今ここで戦うことを。
川 ゚ -゚)「……変身!」
っ□
【 -♥CHANGE- 】
ショボンの目の前で、カリスへと変身するクー。
その一部始終は……しっかりと、ショボンの目に焼きつかれた。
(;´・ω・`)「……!!!」
(;´・ω・`)「クー……君は……!!」
733
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:48:31 ID:jvu.zAqQ0
( <::V::>)『ショボンさん』
(;´・ω・`)「ッ……!」
( <::V::>)『今まで嘘をついていてごめんなさい……これが私です』
(;´・ω・`)「………」
ショボンに近付き、手を差し伸べる。
だが、反射的に後退りしてしまうショボン。
唖然としてしまい、言葉が出てこない。
クーが恐ろしい姿へと変化してしまったことへの恐怖も、多少なりとも感じてしまっていた。
( <::V::>)『………ここは危険です、逃げてください。私が守ります』
(;´・ω・`)「君は……何者なんだ……?」
( <::V::>)『……私は、愛川クーです。言い訳はしません……けど、これが私なんです』
( <::V::>)『さぁ、早く逃げて!』
(;´・ω・`)「ッ……あ、ああ」
脇下を掴まれ、強引に起こされるショボン。
状況が読み込めず混乱したままだが、構わず背中を押し退避を促す。
逃げ走るショボンの背を見届けると、左手にカリスアローを召喚。
戦いの中へと目を向け、今度は自分がブレイドを助けるため、走った。
734
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:49:07 ID:jvu.zAqQ0
♪Rebirth -
https://www.youtube.com/watch?v=SgXC5Z4R3-c
。
ミミ/ ゚王゚)『デヤアアアッ!!』
( ; OwO)「くっ…!このォ!!」
軽快な身のこなしで、ブレイドを蹂躙するミルナ。
ブレイラウザーで左腕の鈎爪の一撃を弾き、ようやく腹部に蹴りを入れた。
。
ミミ/ ゚王゚)『うっ…!ふん、甘い!』
すかさず体勢を整え、再び羽根手裏剣を発生させる。
だが、その構えは一瞬にして崩された。
( <::V::>)『ふっ!』
( OwO)「!?」
。
ミミ/;゚王゚)『ぐふっ…!』
ブレイドの頭上を回転しながら飛び越えたカリスが、着地すると同時にカリスアローでミルナを斬りつけた。
斬りあげるようにして振り上げたカリスアローで胸部に斬撃を与え、素早く身体を左に回転させ右足による延髄切りを叩き込んだ。
。
ミミ/;゚王゚)『ぐあっ!………!?』
( <::V::>)
。
ミミ/;゚王゚)『か……カリス……!!』
735
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:50:07 ID:jvu.zAqQ0
カリスの姿を見た途端、ミルナの動きが止まった。
この瞬間を見逃さなかった。
ブレイドは、ブレイラウザーのトレイを展開させ二枚のカードを選択。
カリスも同様に三枚のカードを取り出し、それぞれ順番にラウズした。
( <::V::>)『行くぞ!』
( OwO)「オーケー!!」
《-♠2 SLASH-》 《-♠6 THUNDER-》
《-♥4 FLOAT-》 《-♥5 DRILL-》 《-♥6 TORNADO-》
。
ミミ/;゚王゚)『いや、違う……!こいつはカリスじゃない!!』
ふと我に返り、目の前のカリスが偽者であることを思い出す。
ようやく動き出そうとするが、この窮地から逃れることは難しい。
今まさに、両者によるトドメの一撃が放たれようとしていた。
《-♠LIGHTNING SLASH-》 《-♥SPINING DANCE-》
コンボ名を告げる電子音声。
カリスは"♥4 FLOAT"の力で高々と宙に浮遊し、竜巻に包まれる。
ブレイラウザーには青き雷光が纏い、ブレイドは両手でラウザーを構えた。
736
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:50:41 ID:jvu.zAqQ0
カリスは空中移動を自在にすることで、竜巻の力を最大限に引き出せる。
両足を揃え身体を高速で回転させ、地上に立つミルナに向け一気呵成に突進した。
。
ミミ/;゚王゚)『クッ……なるほど、逃げ場はないというわけですか』
。
ミミ/;゚王゚)『………認めたくはないが、負けですね』
逃げようとはせず、その場に仁王立ちする。
決してしまった勝敗を素直に受け入れ、自分にトドメが刺されるのを待つ。
( OwO)「はあああああああぁァァッ!!!」
( <::V::>)『ふんッ!!』
雷と竜巻が共鳴し、竜巻に雷が帯び、雷に竜巻が纏った。
上空より迫り来るカリスとタイミングを合わせ地を駆けるブレイド。
強烈な錐揉み回転蹴りがミルナに直撃すると同時に、鋭い雷斬が一閃。
ミルナの腹部は斬り裂かれ、カリスの一撃で大きな爆発が引き起こされた。
。
ミミ/;゚王゚)『うあああああああァァァァッ……!!!』
両者の必殺技を受け遠くへ吹き飛び、地を転がる。
全身を感電させながら倒れ、アンデッドバックルは左右に展開された。
バックルには、【♠ J】と彫刻されている。
737
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:51:10 ID:jvu.zAqQ0
竜巻に身を包まれながら、ゆっくりと着地するカリス。
ブレイドはブレイラウザーを振り雷を振り払い、トレイからカードを一枚取り出す。
( <::V::>)『お前の力だ、封印しろ』
( OwO)「クー……ありがとう」
( <::V::>)『………』
( OwO)「……へっ」
視線を背ける。
この行動が意味していることは、今でこそ分かる。
だからこそ、背けられたことが妙に嬉しく感じた。
(; ゚д゚ )「ぐう………」
だが、安心も束の間。
二人の必殺技の前に倒れたはずのミルナが、人間の姿へとなりゆっくりと起き上がった。
( OwO)「!?まだ立てる力があるってのかお!?」
( <::V::>)『放っておけ、今だけだ』
(; ゚д゚ )「まったく……なんて、情けない負け方だ……一生消えぬ恥となるだろうな……」
(; ゚д゚ )「違うと分かっていたはずなのに……」
( <::V::>)
(; ゚д゚ )「カリスを見た瞬間、油断してしまった……」
738
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:51:50 ID:jvu.zAqQ0
( <::V::>)『聞く。お前とカリスの一万年前の約束とは何だ?』
(; ゚д゚ )「ッ……戦うことですよ、アンデッドにはそれしかないでしょう?
俺とカリスは、あなた達のように友誼を結んでいた仲でした……」
(; ゚д゚ )「お互いに他のアンデッドを全て倒した後……最後に残ったアンデッドとして、雌雄を決しよう!
最高の敵として、最後の舞台で戦おう!そう約束したんですよ……」
( <::V::>)『それが、カリスとの約束……最後に戦うのが約束だと?』
(; ゚д゚ )「ふっ……あなた達と同じですよ」
不敵に笑みを見せるミルナ。
意味深な言葉に、ブレイドは思わず反応を示す。
( OwO)「どういう意味だ!」
(; ゚д゚ )「人間とアンデッドが手を取り合う……そんなものが、いつまでも続くと思っているんですか?」
( OwO)「出来るさ、僕達が望みを捨てなければ!」
(; ゚∀゚ )「……フッ、フハハハハ!」
( OwO)「何がおかしい!?」
(; ゚д゚ )「無駄ですよ……あなた達人間も、再開されたこの戦いの"運命"に呑まれているに過ぎません」
( OwO)「何……?」
739
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:52:51 ID:jvu.zAqQ0
(; ゚д゚ )「人間とアンデッド、今は手を取り合っていても……俺達のようにいつかは戦う"運命"」
( OwO)「"運命"……?」
(; ゚д゚ )「ふっ、内心それを望んでいるのは……」
( <::V::>)
( OwO)
(; д )「あなた達かも……しれませんがね……―――」
力尽き、吸い込まれるように地に倒れた。
アンデッドの姿に戻り倒れるミルナを、二人は立ち尽くしたまま見つめる。
ミルナが残した意味深な言葉が、深く突き刺さっている。
先程までの喜びが、一瞬にして不穏なものへと変わってしまった。
( OwO)「………」
( <::V::>)『………』
何も言わず、ミルナに背を向けるカリス。
まるで言葉の意味を知っているかのように。
ブレイドは静かにカードを投擲し、ミルナを封印。
掌中に帰還したカードには、"♠J FUSION"と記され、鷲が大きな翼を広げる絵が描かれた。
740
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:53:43 ID:jvu.zAqQ0
互いに変身を解除し、元の姿に戻る。
打ち解けたと思われたはずの二人の間に、不穏な空気が流れる。
( ^ω^)「………」
川 ゚ -゚)「………」
( ^ω^)「……あんな奴の言うこと、気にする必要ないお。
確かにちょっと紳士的な感じだったけど……苦し紛れの一言みたいなもんだお!あんなの!」
川 ゚ -゚)「………」
( ; ^ω^)「……あー、うん。先のことなんて今決め付けるもんじゃないしさ?」
背を向けたままクーは反応せず。
嫌な空気を払拭しようと必死に言葉を紡ぐが、全く効果がない。
何より、ブーン本人が一番ミルナの言葉を気にしている。
( ^ω^)(………最後には戦う"運命"にある。だと……?)
( ^ω^)(考えもしなかった……アンデッド同士で行われるこの戦い。勝ち残った者は万能の力を手にする)
( ^ω^)(……その先には、何が待っているんだ?)
( ^ω^) 川 ゚ -゚)
クーの背中を見つめる。
アンデッドならば、その答えを知っているはず。
だが、聞く勇気などなかった。
( ^ω^)(この戦いは、どこへ向かうんだ……?)
741
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:54:38 ID:jvu.zAqQ0
沈黙が流れる中、クーに急かされ避難していたはずのショボンが姿を見せた。
クーの名前すら呼ぼうとはせず、重たい足取りで近付いてくる。
(´・ω・`)「………」
( ^ω^)「ショボンさん!」
ショボンに駆け寄り、その肩を支える。
が、ブーンの肩をとんとんと叩き支えを拒んだ。
ショボンを見たまま、近寄ろうとはしないクーへと自分の足で歩み寄る。
(´・ω・`)「……クー、君はずっと隠していたのか」
川 ゚ -゚)「……はい」
(´・ω・`)「僕達に内緒で、ずっとアンデッドと戦っていたのか」
川 ゚ -゚)「………はい」
(´・ω・`)「ブーン君、君は知っていたんだね?」
( ^ω^)「すみません……隠してたことは謝りますお」
(´・ω・`)「………」
川 ゚ -゚)「………ショボンさん、私は……」
川 ゚ -゚)「私は……私は人間じゃ――」
742
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:55:02 ID:jvu.zAqQ0
言いかけたところで、優しく包まれた。
ショボンは、クーが全てを話す前にそっと抱きしめたのだ。
川 ゚ -゚)「……!」
(´・ω・`)「僕達がいるのに、一人で頑張ってたのかい?アンデッドと戦って、何度も傷付いてたのかい?」
(´・ω・`)「そんなことをずっと隠しながら過ごして……辛かっただろう」
川 ゚ -゚)「………」
あやすように、両手で優しく背中を叩く。
ショボンの声はとても穏やかで、言葉が温かく心に染みる。
(´・ω・`)「初めて出会ったときから、何かあるとは思ってた。
君が一体何者なのかを知りたがってた自分もいた」
(´・ω・`)「でも……改めて思ったよ」
(´・ω・`)「クーが何者でも、そんなことは関係ない。どうでもいいんだよ。
一番大事なのは心なんだ。もう、僕達にとってクーは居なきゃいけない存在なんだよ」
(´・ω・`)「どんな姿をしても、クーはクー。愛川クーだよ。
あまね達に知られたくないならそれでもいい、無理に打ち明ける必要はない」
(´・ω・`)「もう君は一人じゃない。君の居場所は、ここにあるんだから!」
川 ゚ -゚)「………ショボンさん」
(´・ω・`)「なんだい?」
川 ゚ -゚)「ありがとう………ありがとう、ショボンさん」
目の奥が熱くなるのを感じる。今まで覚えたことのない感覚だ。
川 ゚ -゚)(これが、人間なのか……)
743
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:56:00 ID:jvu.zAqQ0
クーを離し、肩に手を添える。
真っ直ぐ目を見つめながら、口元に優しく笑みを浮かべた。
(´・ω・`)「一緒に家に帰ろう、クー」
川 ゚ -゚)「はい」
( ^ω^)「ショボンさん、よかったお……安心しました」
(´・ω・`)「ブーン君……君には、お世話になりっぱなしだな」
( ^ω^)「いやいや、僕は何も……クーもよかったな」
川 ゚ -゚)「……ああ」
( ^ω^)「ふっ」
(´・ω・`)「……ははは」
クーを間に挟み、三人は肩を並べバイクのもとへと歩く。
ミルナが残した意味深な言葉、その意味を考えることを後回しにする程に嬉しい気持ちに満たされる。
この想いを持ち続ける限り、剣を交えることなどありえない。
そう、強く思った。
744
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:56:22 ID:jvu.zAqQ0
―――――
.
745
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:56:49 ID:jvu.zAqQ0
一方、モララーとドクオはアンデッド出現の報せを受け現場へと向かい到着していた。
サーチャーが捉えた反応は、♥のカテゴリーJ。
昨夜現れたそのの姿は誰も見ていないが、人間の死体をアンデッドと化す力を持つアンデッドということは既に把握済みだ。
そして、その力がまた猛威を振るってしまった。
到着した時には……既に、アンデッドと化してしまった何人もの人の姿が。
両手を垂らしながら歩く姿は、まるで生きた屍。ゾンビそのものだ。
( OMO)「ふっ!」
「ギイイィエエエエエエェェッ!!」
( OHO)「ウオォラァッ!」
「グオオオォッ……」
ギャレン、レンゲルへと変身していた二人は狼人間の掃討を開始。
ギャレンが構えたギャレンラウザーが複数の敵を射撃しつつ、レンゲルラウザーを握ったレンゲルが次々と蹴散らしていく。
狼人間の個々の力は下級アンデッドにも及ばぬ程のようで、倒すだけなら簡単だった。
全滅を確認し、自分達の手で倒した転がる死体に目を向ける。
( OMO)「人を殺め、その亡骸を利用するとは……許せない」
元は人間。致し方ない事とは言え、そう割り切ることの出来ない心が痛むギャレン。
( OHO)「封印できないアンデッドかぁ……倒すだけなら確かに楽だけど」
( OMO)「おい、口を謹め」
( OHO)「あっ……すみません」
746
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:57:19 ID:jvu.zAqQ0
その背後で、倒したはずの死体が蠢く。
ゆらりと起き上がり、ゆっくりと顔を上げ目の前の二人を睨む赤く充血した眼。
「ウウッ……ガアアアァァッ!!」
( OMO)「!?」
( OHO)「はっ…!」
咆哮に気付き振り返ると、既に迫り来る死体の姿が。
咄嗟に臨戦態勢に入る二人だったが、死体は二人に手を伸ばすことなく倒れた。
「ギャアウッ!」
( OHO)「え……?」
(,,^Д^)「油断するなよ」
( OMO)「お前は……」
そこには、銃を構えたタカラの姿があった。
ギャレン達に触れる前に、タカラが放った銃弾が死体の後頭部を撃ち抜いたようだ。
(,,^Д^)「アンデッドは見たのか?」
( OHO)「いや……見てません、来たときにはもう」
(,,^Д^)「そうか……」
( OMO)「何故此処が分かった?」
(,,^Д^)「奴についた家族の血の臭いは、今も消えることはない」
747
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:57:45 ID:jvu.zAqQ0
(,,^Д^)「気を付けろ、奴は至るところに現れる。いつでも動けるように心掛けておけ」
言って、タカラは去って行く。
変身を解いた二人。モララーは、タカラの背中を怪訝な目で見つめた。
( ・∀・)(……あいつ、やっぱり怪しいな)
('A`)「タカラさん、相当恨んでるんですね……本能的にアンデッドの気配感じてるってことでしょ?」
( ・∀・)「ドクオ」
('A`)「はい」
( ・∀・)「あいつに注意を払え」
('A`)「え……タカラさんに?」
( ・∀・)「確証は無いが……どうも気掛かりだ」
('A`)「どういうことですか?」
( ・∀・)「………」
748
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:58:18 ID:jvu.zAqQ0
そして、その光景を遠くから見つめるミセリがいた。
ミセ*゚ー゚)リ「へぇ……面白いことしてるのね」
背後に感じる、アンデッドの気配。
突然現れた気配にも臆することなく、ミセリは背後の存在に語りかける。
ミセ*゚ー゚)リ「私と手を組めば、もっと面白くなると思うわ」
『断る』
影が差し、その全貌が明らかにならない。
荒い呼吸が聞こえ、今にもミセリに襲い掛かりそうな凶暴さすら感じ取れる。
ミセ*゚ー゚)リ「何故?」
『貴様等は所詮――』
ミセリに歩み寄り、影に覆われる場所から抜け出た。
日が当たり、全貌が明るみとなる。
青い毛並みの身体を包む真っ黒な革、その上から装着した鋼鉄の武器による防具。
縦横無尽に備えられたナイフが、不気味に光を放つ。
(
彡,,メ皿゚彡『――俺の敵だからだ』
次なる刺客は既に、ブーン達を待ち受けている。
749
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:58:48 ID:jvu.zAqQ0
【 第24話 〜大切なもの〜 】 終
.
750
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 10:59:20 ID:jvu.zAqQ0
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【 次回予告 】
https://www.youtube.com/watch?v=Yyh12l21WkA
( OwO)「うおおおおっ!!!」
「ガウウゥゥッ!!」
増殖を続ける狼人間。
根源であるアンデッドを捕まえることが出来ず、狼人間達との戦いに明け暮れるライダー達。
(,,^Д^)「一体ずつ相手をしようとするな、一気に倒せ!」
( OMO)「ドクオ、こいつらの動きを封じろ!」
( OHO)「はい!」
751
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 11:00:04 ID:jvu.zAqQ0
ミセ*゚ー゚)リ「はぁ、残念ね。乱暴なことはしたくなかったんだけど…」
(
彡,,メ皿゚彡『望むところだ…!』
一触即発となるミセリとカテゴリーJ。
「おいお前ら、人のテリトリーで勝手に騒ぎを起こして……」
「……特別に許可してやる。さぁ、戦ってくれ」
ミセ*゚ー゚)リ「お前は……!」
(
彡,,メ皿゚彡『貴様……!?」
( ゚∋゚)「いいからいいから、どちらかが潰れるまで戦ってくれ」
また新たなアンデッドが現れることに。
屈強な肉体をした男。上級アンデッドとしてのその正体とは?
752
:
第24話
◆7MnOV.oq7w
:2018/02/25(日) 11:00:42 ID:jvu.zAqQ0
三体のアンデッドが揃う中、ブーン達三人のライダーが集結!
ミセ*゚ー゚)リ「フフフ、一旦お預けね。三対三でどうかしら?」
(
彡,,メ皿゚彡『仕方ない……仮面ライダーを葬るまたとない機会だ』
( ゚∋゚)「勝手にやってくれ」
( ・∀・)「上級アンデッドが三体……やれるか?」
('A`)「はい、せめて一体は封印してやる!」
( ^ω^)「やるしかないお…!」
上級アンデッド三体という、かつてない脅威に立ちはだかるライダー達。
はたして、ブーン達はアンデッドに打ち勝つことが出来るのか!?
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