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( ^ω^)運命と戦う仮面ライダーのようです part2
353
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:00:35 ID:Naxzm9FU0
すると、レンゲルバックルのシャッターが、またも勝手に閉ざされた。
同時にバックルより紫色のゲートが射出され、うずくまるレンゲルの身体を覆いながら通過する。
レンゲルは、強制的に変身を解除された。
現れたドクオの腰から、レンゲルバックルが転げ落ちる。
(;'A`)「ぐあぁ…っ、がはっ…!」
( OwO)「ドクオ!!」
これで二度目だ。
親友が理不尽に巻き込まれ、痛め付けられる姿は見るに耐えないものがある。
変身が解除された事で、ドクオはカテゴリーAの支配から解放された事は確かだ。
急いで倒れたドクオに近付こうとするブレイド。
その行く手を――ギャレンの銃撃が遮った。
( ; OwO)「うあああぁっ!?」
( ・∀・)「!?ギコさん!?!?」
( OMO)「………」
銃撃に見舞われ、地に倒れるブレイド。
何も言葉を発さず、ブレイドを見る事もなく、ギャレンはドクオへと歩み寄る。
( ・∀・)「ギコさん、何を…!?」
(;'A`)「うっ……や、やめてください……!」
無言で近付くギャレンに気圧され、ドクオは腹部を抑えながら許しを請う。
だが、何も言わない。モララーの言葉にも耳を貸さない。
ドクオの前に着いたギャレンは、ゆっくりとドクオに向け手を伸ばした。
反射的に両腕で頭を覆い、身構える。
(;'A`)「ひいいっ…!!」
354
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:02:01 ID:Naxzm9FU0
(;'A`)「………?」
何も起きない。
恐る恐る顔を覆う両腕を退かし、ギャレンを見た。
そこには、左手にレンゲルバックルを持ち、じっと見つめるギャレンが。
( ・∀・)「ギコさん……?」
( OMO)「………」
すると、ギャレンはギャレンバックルに手を掛け、ハンドルを引いた。
射出されたゲートに覆われ、変身を解除する。
装着が解除されたギャレンバックルを右手で持つと――
ギコは、それを雑に投げ捨てた。
( ・∀・)「!?」
(,, Д )「………ククク」
(,,゚∀゚)「ハハハハハ!!」
暗闇の中、街灯に照らされずはっきりと見えないギコの表情。
そんな中で高らかに笑う姿は、狂気すら感じられた。
(,,゚Д゚)「菱谷…俺にギャレンを託してくれて、感謝する」
( ; ・∀・)「ッ………」
(,,゚Д゚)「……さぁ、本来の主のもとへ来い」
(;'A`)「―――ッ!!!」
ドクオの服の裾から、大量の蜘蛛の子が姿を現した。
群れを成した蜘蛛の子は、ギコの靴を登りスーツの中へと住処を移す。
( <::V::>)『……なるほど、そういう事か』
( ; OwO)「うぐっ…どういう、事だお…!?」
355
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:02:50 ID:Naxzm9FU0
左手に持ったレンゲルバックルを腰にあてるギコ。
紫色のカードがベルト状に展開され、ガチャンッ!と音をたて装着された。
……歪な待機音が鳴り響く。
ギコは、モララーを向きながらニヤリと笑みを浮かべる。
そして――。
(,,゚∀゚)「変身……!」
【 -♣OPEN UP- 】
レンゲルバックルのシャッターを、自らの手で開いた。
射出された紫色のゲートを、両手を広げ喜んで迎え入れる。
ゲートに身体を覆われたギコは、レンゲルへと変身してしまった。
( OwO)「はっ…!?」
(;'A`)「ッ…!!」
( ; ・∀・)「ギコさん……!?何で!?」
誰も予想しなかった…したくもなかった。
レンゲルに変身したジョルジュを𠮟咤し、一番にその危険性を唱えていたギコが…今、レンゲルに変身している。
衝撃は大きく、カリスを除いた全員は……特に、ギコに一番の信頼を置いていたモララーは一際大きく驚いていた。
( OHO)「菱谷……お前は特別だ。元後輩のお前には教えてやる」
( OHO)「俺は、最初からこれが目的だったのさ……!」
( ; ・∀・)「え……」
ギコの声だ。カテゴリーAの歪んだ声ではなく、ギコ自身が言葉を発している。
ドクオやジョルジュの時のように、支配に苦しむ様子もない。
356
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:03:50 ID:Naxzm9FU0
( OHO)「お前もよく知ってるだろう?府坂って奴の事をな」
( ; ・∀・)「……!!」
知らないはずもない。
忘れる事も出来ないであろうその名は、聞くだけでギコの語りに絶望を添えてくれる。
( OHO)「俺は、奴に呼び出された。新しいライダーシステムの適合者として君を選びたい。とな」
( OHO)「BOARDの連中を手下にしていただけあって、どうやら俺の事も知っていたようでな……最初は耳を疑ったさ」
( OHO)「何せ俺は……ギャレンにもブレイドにもなれず、正義の燃えカスが残って腐りきっていたからな……!」
( ; ・∀・)「………」
( OHO)「だが、すぐに喜びに変わった」
( OHO)「俺はライダーになれる…しかも、最強のライダーの力を手にする事が出来る。ってな!
どうだ!?ライダーになれなかった俺が、最強のライダーとなる…ギャレンもブレイドも凌駕する、レンゲルに!」
( ・∀・)「………」
( OHO)「……そう思った矢先、お前が府坂を封印した。
それだけじゃない。あろうことか…洗脳の解けた所長がレンゲルのベルトを回収してしまった。
お前達が邪魔して、奪う事もままならなかった」
( OHO)「だから俺は、お前達に協力するという形で潜み機を伺っていたのさ。
そして今…その時が訪れた。俺は、レンゲルの力を手に入れる事が出来た…!」
( OHO)「今思えば、お前がライダーを辞めると言ってギャレンを俺に託したのは、予定外の好機だった。
お前が俺を信頼してくれていたお陰で、俺は――」
( ∀ )「ッッッ……!!」
( OwO)「やめろ!!!」
357
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:05:47 ID:Naxzm9FU0
ブレイドの怒号が、裏切りの言葉を遮った。
( OwO)「最初から、僕達の事を利用していたんですかお……」
( OwO)「ツンも、ジョルジュも、ドクオの事も……」
( #OwO)「――父ちゃんの事も…!モララーさんの事も!」
こみ上げる怒りで、握る拳が震える。
ブレイラウザーに手を掛け、仮面の下でレンゲルを睨む。
( OHO)「君のお父さんにはたくさん世話になった、感謝してるよ」
( OHO)「この俺を……ギャレンやブレイドなどではなく、レンゲルにまわしてくれた事をな!!」
( #OwO)「ッ―――!!!!」
怒りが頂点に達した。
仲間を傷付けられ、利用され…人の平和を守る為にライダーシステムを作った父親すら、自分の欲望の為に利用された。
ブレイラウザーのトレイを展開し、三枚のカードを引き抜いた。
♠LIGHTNING SONICを発動させる為の、三枚のカードだ。
それと同時に、レンゲルも一枚のカードを引き抜いた。
ブレイドがカードをラウズする前に、そのカードをレンゲルラウザーの後端にラウズする。
《-♣10 REMOTE-》
"♣10のREMOTE"のカードが、ブレイドの手札三枚のカードに向け光線を射出。
( ; OwO)「しまった!」
( <::V::>)『来るぞ!』
"♠5 KICK"、"♠6 THUNDER"、"♠9 MACH"。
それぞれに封印されたアンデッドが、REMOTEの力を受け解放されてしまった。
ブレイドが初めて封印したイナゴのアンデッド。
続いて、シカのアンデッドと豹のアンデッドが、同時にブレイド達の前に姿を現した。
358
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:06:53 ID:Naxzm9FU0
(;'A`)「うっ、うわああぁっ!!」
( ; ・∀・)「………」
( OHO)「貴様も来い…そして奴らを叩きのめせ!」
『シャアアアアアァッ!!!』
『グオオオオオオオオッ!』
レンゲルの意思に従い、三体のアンデッドはブレイドとカリスに襲い掛かった。
同時に、先刻退散したはずのイノシシのアンデッドがレンゲルの声に応え舞い戻り、三体のアンデッドに加勢。
シカとイナゴのアンデッドがブレイドに、イノシシと豹のアンデッドがカリスを挟撃する。
( ; OwO)「くっ…!四体の相手はちょっとやばいお…!」
( <::V::>)『迂闊にカードを使うな!あのリモートの力に際限はないッ!』
カテゴリーAの支配を受けずに、ギコ自らの意思でレンゲルを使いこなしている。
アンデッドの挟撃に応戦する二人に向け、レンゲルラウザーを構えたレンゲルは戦いへと身を投じていった。
( ; OwO)「うあッ!?」
交戦中のブレイドを殴打し、強引に戦いの中を突き進む。
進んだ先に見えるは、同じく交戦中のカリスの姿。
( OHO)「ふんッ!!」
( <::V::>)『ッ!貴様……!』
レンゲルラウザーの大振りな一撃をカリスアローで受け止め、互いに睨み合う。
( ; ・∀・)「ギコさん…何故だ、どうして……!」
モララーの目にうつるレンゲル――ギコの姿は、過去の自分を見ているようだった。
力に溺れ、振るえる事に喜びを感じている。そんな風に見えてならない。
あれだけ意志の強いはずのギコが、何故……。
戸惑いに揺れるモララーの心。ただ、ギコの変わり果てた姿を見ている事しか出来ずにいた……。
359
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:07:16 ID:Naxzm9FU0
【 第19話 〜操られる心〜 】 終
.
360
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:07:41 ID:Naxzm9FU0
==========
【 次回予告 】
( OHO)「ふんっ!ッはあ!」
( <::V::>)『チィ…ッ!こいつ、カテゴリーAの力と共存しているのか…!』
( OHO)「やはり……」
( <::V::>)『……?』
( OHO)『――やはり、貴様は弱くなっている!』
( ;<::V::>)『うあっ!?』
レンゲルに変身したギコは、圧倒的な力でライダー達を次々と攻撃していく。
( OHO)『人間の臭いがするぞ、カリス…!アンデッドでありながら人間に魂を売り、腑抜けになったようだな!』
( ;<::V::>)『ぐっ!ううぅッ…!!』
( OHO)『強さを失った貴様などもはや俺の敵ではない!カテゴリーAの最強は、この俺だ!!』
.
361
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:08:22 ID:Naxzm9FU0
(;A;)「ッ……??」
『――モット強クナリタイダロウ…コンナ奴等、オ前自身ノ手デ踏ミニジリタクハナイカ?』
ドクオの忌々しい過去。
夢の中で、ドクオが心の奥底に閉ざしていた"闇"に、蜘蛛が接触してしまう。
(;A;)「………」
『――オ前ハ正シイ……弱者ガイタブラレルノガ、世ノ常。ナラバオ前ガ、強者トナレ。
ソシテ……コノ憎イ奴等、オ前ヲ蔑ム奴等、オ前ガ気ニ入ラナイ奴等全テヲ薙ギ倒セ!』
『――俺ガ、オ前ノ助ケトナロウ』
(;A;)「……!」
(;A;)「ぼくは………いや、俺は……」
『――ソウダ…俺ノ力ヲ受ケ入レロ!オ前ハ、最強ニナルノダ!』
(#'A`)「俺は……!俺を舐め切った、好き放題いたぶった貴様等を許さない……!!!」
362
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:09:11 ID:Naxzm9FU0
( ・∀・)「……あなたの正義は、情熱はどうなったんですか!?」
( ・∀・)「あなたは頼もしい先輩として、俺達に厳しく…時に優しく指導してくれました。
ギャレンとして俺が戦って来れたのも、ギコさんが居たからです!」
( ・∀・)「もしもの時、ライダーとして人を守れるのはお前達しかいないと……そう熱く教えてくれたのはギコさんじゃないですか!」
(,,゚Д゚)「そんなもの…最初からどうでもよかったのさ」
( ・∀・)「え……?」
(,, ー )「レンゲルの力をこの目で目の当たりにし、この手で力を感じた時……俺は気付いた。
正義なんてな、力を振るう為の言い訳にしか過ぎないんだよ」
( ∀ )「……やめてください」
(,,゚∀゚)「フッ…ククク、俺はただ……力を振るいたかっただけだったのさ!!」
( #・∀・)「やめてくれ!!!」
363
:
19話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:10:51 ID:Naxzm9FU0
レンゲルとなったギコが、再びブーンやモララーに襲い掛かる。
( OHO)「菱谷!お前が戦わなければコイツが倒されるだけだぞ!」
( OwO)「モララーさん!僕はモララーさんを信じてますッ!モララーさんなら戦えるって…!」
( ∀ )「……俺は……」
( OwO)「モララーさんなら――出来る!!」
( #・∀・)「俺は―――戦う!!!」
遂に、ギャレンとして戦う事を決めたモララー。
暴走するレンゲル…ギコを止める為に、レンゲルの前に立ちはだかった!
( OMO)「あなたが託してくれた想いを胸に、俺は戦う!」
( OMO)「あなたをそうさせたのが俺だと言うのなら……俺の手で、あなたを止める!!」
( OHO)「そうだ、それでいい!ギャレンとして…俺と戦え菱谷!!」
モララーは、ギコを救う事が出来るのか!?
そして、主を求め彷徨うレンゲルの行末はどうなるのか!?
次回、【 第20話 〜託された想い〜 】
――今、その力が全開する!
==========
364
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/17(日) 11:13:53 ID:Naxzm9FU0
しおり
>>9
第15話
>>84
第16話
>>152
第17話
>>234
第18話
>>308
第19話
なんだかんだ投下できました
また次回よろしくお願いします
365
:
名無しさん
:2017/12/17(日) 11:24:11 ID:jQZ74PBE0
乙
366
:
名無しさん
:2017/12/17(日) 12:36:51 ID:HPPlL2t20
あーギコ……乙
原作知らないから全然展開読めない
367
:
名無しさん
:2017/12/17(日) 14:03:25 ID:wI2HdQNQ0
モスの話マジで涙腺刺激してくるからやめてほしい…
368
:
名無しさん
:2017/12/18(月) 00:23:31 ID:kiQPc5eY0
おつおつ
毎回読み応えあって引き込まれる
ヒッキーのポジションが気になるな
369
:
名無しさん
:2017/12/18(月) 12:18:02 ID:tDy5f3Ok0
乙!
ギコはもうあかん
ヒッキー嶋さんポジか
370
:
名無しさん
:2017/12/19(火) 17:13:48 ID:OrSEP/GU0
新スレ探すの忘れてた…今更ながら乙
原典通りヒートは助からなかったのが残念だな
しかしバーニングザヨゴキックにレスが間に合わなかったのが悔やまれる…
バーニングヒートキック…
なんだろう、スゲーふつーの必殺技って感じ
ドクオの過去は…なんか原典と違いそうだな
近いうちに確変ギャレンがまた見れそうだし、来週からまた楽しめそうだ
371
:
名無しさん
:2017/12/19(火) 17:48:35 ID:jwy4lrXk0
原作追うだけじゃなくてキャラの設定とかエピソードとかオリジナル要素入れてくれてるの好き
モスやんの話とか良い話
原作劇中では使用されなかったカード使って戦うのは愛を感じる
372
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:23:00 ID:/vPk1WvQ0
【 第20話 〜託された想い〜 】
.
373
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:23:40 ID:/vPk1WvQ0
カリスとレンゲルの交戦によって、カリスと対峙していた二体のアンデッドまでもがブレイドに襲い掛かり始めた。
四体のアンデッドに囲まれるなんて事は、未だかつてない危機だ。
場数を踏んできたとは言え、流石に気持ちの面で不安になってしまうであろう。
『グウオオオオォッ!』
( OwO)「ふっ!ぅおらァッ!!」
『シャアアアァアッ!?』
シカのアンデッドの振るう角の剣を弾き、迫る豹のアンデッドを蹴り飛ばす。
並走して迫っていたイナゴのアンデッドには斜めにブレイラウザーを振り下ろし、振り向き様に弾いたシカのアンデッドを横薙ぎに斬撃。
( OwO)「はあッ!!」
『グルルルルッ…!?』
突進するイノシシのアンデッドを、後ろに回し蹴り見事蹴散らす。
苦戦を強いられるかと思いきや、ブレイドは冷静に四体のアンデッドと渡り合っていた。
四体のアンデッドを前にしても、決して引けを取らない実力。
これまでの戦いの中で、誰に戦い方を教わる訳でもなかったが、経験を重ね着実に戦士としての成長を見せていた。
その一方で、歴戦の猛者であるカリスは、レンゲル一人を相手に押されていた。
374
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:24:04 ID:/vPk1WvQ0
豪快に振られるレンゲルラウザーをカリスアローで弾く度、武器を持つ左腕に痺れに似た感覚が走る。
力が強すぎて、その衝撃が腕にまで伝わっていたのだ。
( OHO)「ふんっ!ッはあ!」
( <::V::>)『チィ…ッ!こいつ、カテゴリーAの力と共存しているのか…!』
( OHO)「やはり……」
( <::V::>)『……?』
( OHO)『――やはり、貴様は弱くなっている!』
レンゲルの意志が、カテゴリーAに代わるのを感じた。
( ;<::V::>)『うあっ!?』
鍔迫り合いを力で強引に押し退けられ、カリスアローを弾かれた。
水面を蹴られ体勢を崩したと同時に胸に叩き込まれたレンゲルラウザーの三枚刃が、カリスを地に叩き付ける。
( ;<::V::>)『ぐうっ…!!』
胴体を片足で踏みつけられる。
まるで、身体に重りがずっしりと乗っかったような感覚。身動きが取れない。
レンゲルは、ラウザーの後端で動けないカリスの顔面を、何度も何度も顔面を殴り続ける。
( OHO)『人間の臭いがするぞ、カリス…!アンデッドでありながら人間に魂を売り、腑抜けになったようだな!』
( ;<::V::>)『ぐっ!ううぅッ…!!』
( OHO)『強さを失った貴様などもはや俺の敵ではない!カテゴリーAの最強は、この俺だ!!』
釘を打つ金槌の如くひとしきり殴り続け、踏みつけた足でカリスの脇腹を蹴飛ばす。
蹴られたボールのように地面を転がり、壁にぶつかる事でようやく止まる事が出来たが、カリスはぐったりと倒れたまま。
375
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:29:33 ID:/vPk1WvQ0
( OwO)「クーさんッ!!」
( ・∀・)「やめろ!!!」
モララーの制止を求める声に、レンゲルの動きが止まる。
( ・∀・)「ギコさん!!もうやめてください!!!」
( OHO)「ふん、俺を止めたいか?」
( ・∀・)「あなたは……あなたはそんな人じゃなかったはずです!」
( OHO)「……クッ、ハハハハハ!何を言い出すかと思えば……。俺を止めたければ、お前が俺を止めてみろ!」
( OHO)「お前が戦え。ギャレンとして……お前がな」
( ・∀・)「ッ……」
( OHO)「引き上げるぞ!」
レンゲルの声と同時に、ブレイドを囲む四体のアンデッドは攻撃の手を止めた。
( OwO)「はっ……はっ……!?」
鳴り響くバイクの排気音。
階段を駆け上がり、橋の上までグリンクローバーが姿を現した。
レンゲルは、無人で走行するグリンクローバーに飛び乗ると颯爽と走り去って行ってしまった。
アンデッド達も、その後を追って撤退を開始。
突然の退却に戸惑うブレイドと、怯えきったドクオ。
レンゲルに打ちのめされたカリス、そして……消えたレンゲルの背を見つめるモララー。
( ・∀・)「………」
376
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:30:06 ID:/vPk1WvQ0
( OwO)「クーさん!大丈夫かお!?」
( ;<::V::>)『うっ……ぐ、……私に触るな……ッ!』
差し伸べばされた手を叩き落とし、助けを拒む。
ふらふらながらも自力で起き上がり、カリスの姿のままシャドーチェイサーのもとへと必死に歩いて行く。
( ;<::V::>)『……私が、負けるだと……?あんな、奴に…ッうう……!』
( ;<::V::>)『ふざけるな……!!二度とあんな事は言わせない……ッ』
レンゲルに言われた事が、心の奥底に根強く残っていた。
カリスにとっては、すべてが侮辱に値する言葉。
敗北を喫した悔しさと相まって、どうしようもない怒りだけがこみ上げて来る。
( OwO)「クーさん……」
ブレイド達の心配を余所に、シャドーチェイサーに乗ったカリスは一人走り去ってしまった。
(;'A`)「………」
( ・∀・)「………」
残された三人の間には、重苦しい空気だけが流れていた――。
377
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:30:28 ID:/vPk1WvQ0
―――――
.
378
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:30:54 ID:/vPk1WvQ0
レンゲルの奪取に成功したギコは、夜の海を眺められる運河に足を運んでいた。
( OHO)「………」
レンゲルバックルのシャッターを閉じ、レンゲルの変身を解く。
右手に持ったバックルを見つめ、薄く笑みを浮かべた。
(,,゚Д゚)「遂に俺は手に入れた…レンゲルという最高の力を」
変身を解いても、ジョルジュやドクオのように異常はない。
自らの意志で変身し、自らの意志で変身を解いたギコは、カテゴリーAの力を受け入れているようだ。
(,,゚Д゚)「アンデッドもライダーも、皆俺の手で潰す…!」
(,,゚Д゚)「俺は、最強の仮面ライダーだ…!!」
目の前に広がる、闇夜を映す海を眺める。
ライダーになれなかった自分が、最強のライダーに――。
最強の力を得て、心の底から湧き出る喜びを噛み締めるギコ。
グリンクローバーに乗ると、ギコは一人闇夜の中へと消えていった。
379
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:33:51 ID:/vPk1WvQ0
―――――
.
380
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:34:27 ID:/vPk1WvQ0
ξ゚⊿゚)ξ「そんな……!じゃあ今、レンゲルのベルトは……」
( ・∀・)「ああ……レンゲルは今、ギコさんの手の中にある」
_
( ゚∀゚)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「……なんで、ギコさん……」
ブーンの家へと戻っていた三人。
跨線橋であった出来事を聞いたツンは、戸惑いを隠せない様子。
ジョルジュに限っては、言葉を失ってしまっていた。
ξ゚⊿゚)ξ「……でも、もしかしたら」
( ^ω^)「もしかしたらって、何だお」
ξ゚⊿゚)ξ「もしかしたら……ギコさんなら、レンゲルを使いこなせるかもしれないんじゃ?」
( ・∀・)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「自分の意志をしっかり持ってる人だから、カテゴリーAに打ち勝てるかも…だって現に自分の意志で戦ってたんでしょ?」
( ・∀・)「無駄だよ」
ξ゚⊿゚)ξ「どうして?」
( ・∀・)「……俺達の知ってるギコさんじゃなかった。正義に溢れた、熱い人間のギコさんはもう……。それだけだ」
_
( ゚∀゚)「……許せねぇ」
自身の膝を拳で叩き、怒りを露にする。
_
( ゚∀゚)「俺にあれだけの事言っといて…あれも嘘だったってのか!?力に支配されてんのは自分じゃねぇか!
俺はギコさんみたいな力の望み方はしてねぇんだよ……!!」
381
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:34:52 ID:/vPk1WvQ0
ジョルジュが怒るのも無理はない。
レンゲルの使用を強く望んだジョルジュに、断固として認めなかったのがギコだ。
もっともらしい事を言っていたくせに、ギコ自身がその力に飲みこまれていた。
その事実に、腹を立てずにはいられなかった。
( ^ω^)「……モララーさん」
( ・∀・)「ん?」
( ^ω^)「明日、またギコさんに会ってみませんか?」
ξ゚⊿゚)ξ「何するつもりなの?」
( ^ω^)「説得するんだお、ベルトを返してくれって」
_
( ゚∀゚)「返すわけねぇだろ、どうせ拒むに決まってる」
( ^ω^)「そうだとしても……このまま野放しするのは違うお」
( ^ω^)「それに、思うんですお。ギコさんを説得出来るのもモララーさんしかいないんじゃないかなって」
( ・∀・)「………」
腕を組み、下を見たままのモララー。
ブーンの提案には、素直に頷ける自信がなかった。
こんな自分に、ギコを説得する事が出来るのか。
そもそも……ギャレンの座を奪ってしまったばかりに、こんな事になってしまっているのではないか?
考えれば考える程、自分への責任を強く感じてしまっていた。
382
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:35:32 ID:/vPk1WvQ0
('A`)「……あの、俺はどうすれば?」
( ^ω^)「もう時間も遅いし、今日は泊まってけお」
( ^ω^)「それに、お前には色々注意しなきゃならなくなった訳だし……ここまで来ちゃった以上、もうお前も関係無いなんて言ってる場合じゃないお」
('A`)「………そう、だよな」
ξ゚⊿゚)ξ「可哀想だけど…誰かに危害が加わってからじゃ遅いから」
('A`)「うん、分かってる……でもこれだけははっきりさせたいから言わせてくれ」
('A`)「俺は、仮面ライダーには絶対になりたくない。俺なんかがなっても足手まといだし……そもそも向いてないから。
何でカテゴリーAが俺を選んで追い掛け回してたのかは知らないけど……とにかく、俺は早くこの問題を解決したい」
('A`)「だから……それまでは、協力するよ」
( ^ω^)「うん、分かったお」
( ・∀・)「君を巻き込んでしまって……本当にすまない」
ξ゚⊿゚)ξ「……さ、みんな疲れたでしょ?今日はとりあえずご飯食べて休みましょ。
今日は寒いから、豆乳鍋にでもしようかと思って!」
重たい空気を断ち切るように立ち上がったツン。
キッチンに向かい、既に食卓に用意された土鍋と器に盛られた野菜を見せた。
( ^ω^)「おー、いいね!寒い日は鍋に限るお」
('∀`)「……そうだな。かわい子ちゃんが用意してくれた鍋でも食って、とりあえず元気出すとするか!また明日考えるわ!」
_
( ゚∀゚)「………」
無理に気さくな態度を作り、ドクオは先に食卓に座った。
本当は、食事など喉に通らない程追い詰められている。
ジョルジュとモララーも、未だ暗い表情のままだ。
五人はツンが用意した豆乳鍋をつつき、心が晴れないままその日の夜を過ごした。
383
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:36:06 ID:/vPk1WvQ0
――――――
――――
――
寒さが部屋の中に蔓延する深夜。
全員が眠りに着いた頃――ドクオは一人、リビングのソファで眠っていた。
(-A-) Zzzz……
全員が就寝する為に部屋に向かった後、すぐに眠りに着いてしまった。
たった一日で、今までこんなに疲れた事がないと言っても過言ではない。
それほど、肉体的にも精神的にも疲れていたのだ。
いびきはしていないが、口をボーッと開きながら寝てしまっている。
(-A-)「………ん、んん……」
(;-A-)「……やめ、ろ……」
深い眠りに着いているはずのドクオが、呻き始めた。
眉間に皺を寄せ、苦しんだ様子を見せる。
誰もいない深夜のリビングに、ドクオの小さな声が響く。
ドクオは、夢に魘されていた。
384
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:36:34 ID:/vPk1WvQ0
――ドクオが見ているのは、自分が小学生だった頃の夢。
黒のランドセルを背負い、学校の帰り道を俯きながらとぼとぼと、一人歩いている。
「おいドクオ!」
背後から、同級生らしき男の子達が駆け寄ってきた。
ドクオの前に回り込み、行く手を塞ぐ。
「お前のせいで今日のサッカー負けたじゃねぇかよ!」
「そーだよ!お前がちゃんとパス出来てれば負けなかったのに!」
('A`)「……ごめん」
「てかお前いっつも足引っ張りやがってさ、邪魔なんだよ!」
「暗いしマジできもい。何で学校来てんの?」
同級生達の悪意ある言葉が、幼いながらのドクオの心を酷く傷つける。
('A`)「………」
「なんとか言えよ!」 ドンッ
(;'A`)「うっ…!」
目の前の一人に突き飛ばされ、地面に尻餅を着いてしまった。
ドクオが見ているのは……小学生の頃、いじめられていた時の思い出。
385
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:36:58 ID:/vPk1WvQ0
「お前友達いないだろ?友達いないやつは学校来んなよ!」
「お前みたいな奴絶対友達になりたくねー!」
「ほら、どうした?やり返してみろよ!」
座り込んでしまったドクオを囲み、同級生達はそろって足で蹴る暴行を加える。
幼い子供は痛みを知らない。
故に蹴りは強く、ドクオの腕や腹部・背中を蹴り続けた。
(;A;)「やめてよぉ…!痛いよぉ!」
「はあ?こんくらいで痛いとかよっわ」
(;A;)「うううううぅ……ッ!」
怖い、痛い、悔しい……憎い。
すべての感情を抱いた時、目から溢れる涙。
抵抗する事も、仕返しする事も出来ない。ただずっと、蹴られ続けるしかなかったあの頃。
(;A;)(……っ何で……)
(;A;)(何でいつもぼくばっかりなんだよぉ……!)
心の中で強く叫んだ。
何で、いつも自分ばかりいじめられるのか。
どうして、自分はこんなにも無力なのか。
強くなりたい。
強くなって、こいつらに仕返ししたい。見返してやりたい。
強さが欲しい。誰にも踏みにじられない、強い力が欲しい――
『――ソウダ、力ヲ求メロ』
386
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:37:32 ID:/vPk1WvQ0
目を閉じて広がる闇の中から、声が聞こえる。
(;A;)「ッ……??」
『――モット強クナリタイダロウ…コンナ奴等、オ前自身ノ手デ踏ミニジリタクハナイカ?』
(;A;)「………」
『――オ前ハ正シイ……弱者ガイタブラレルノガ、世ノ常。ナラバオ前ガ、強者トナレ。
ソシテ……コノ憎イ奴等、オ前ヲ蔑ム奴等、オ前ガ気ニ入ラナイ奴等全テヲ薙ギ倒セ!』
『――俺ガ、オ前ノ助ケトナロウ』
(;A;)「……!」
――知らぬ間に右手で握っていた、レンゲルバックル。
バックルから聞こえる声に、ドクオの心は奪われていく。
387
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:38:11 ID:/vPk1WvQ0
(;A;)「ぼくは………いや、俺は……」
『――ソウダ…俺ノ力ヲ受ケ入レロ!オ前ハ、最強ニナルノダ!』
(#'A`)「俺は……!俺を舐め切った、好き放題いたぶった貴様等を許さない……!!!」
ドクオの腰に装着されるレンゲルバックル。
蹴り続ける同級生達を振り払い立ち上がったドクオの姿は――今の大人の姿になっていた。
(#'A`)「変身…ッ!!!」
【 -♣OPEN UP- 】
( OHO)「俺は…俺は強くなる!この力で、誰よりも強くなってやる!!」
「うわあああぁっ!?」
怯えた同級生達に向け、レンゲルラウザーを大きく振りかざし、そして――
( #OHO)「うおおおおおああああああああアァァァァァッ!!!!!!!」
.
388
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:38:40 ID:/vPk1WvQ0
(;'A`)「ッ―――!!!!」
飛び起き、呼吸を乱す。
寒さが際立つというのに、全身にはびっしょりと汗をかいている。
(;'A`)「はぁ…はぁ…、ったく……何だって今更こんな夢見てんだ……?」
夢である事を知り、ほっと深く一息。
記憶の片隅に押しやっていた、思い出したくもない過去。
今の情けない自分があるのも、忌々しい過去の記憶のせいだ。
今まで、過去の思い出が夢という形で現れた事なんて一度もなかった。
夢の中に現れたカテゴリーAが、ドクオの芯に接触してきたように思えてならない。
('A`)「……俺は、強くなれるのか?変わる事が出来るかもしれないのか?」
レンゲルの力を使い、自分をいじめていた奴等を倒した時…夢の中だが、確かな喜びを感じていた。
自分のような非力でどうしようもない人間が、仮面ライダーとしての責務を果たす事は不可能。
そんな責任を背負いたくも無かった。
――しかし、"仮面ライダー"という力を手にすれば……自分は、生まれ変われるのではないか。
ましてや、レンゲルの圧倒的な強さを、この目で確かめている。
('A`)「………あの力さえ、あれば……」
頑なに拒んでいたカテゴリーAの力。
だが……ドクオが抱えている"闇"の部分に、とうとう触れてしまった。
389
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:39:02 ID:/vPk1WvQ0
―――――
.
390
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:39:24 ID:/vPk1WvQ0
――翌日。
ブーンとモララーの二人は、NEO運河へと足を運んでいた。
本来なら自宅に招いてもよかったが、どうなるか分からない。
人陰のない場所で、もしもの事態に備える為に外に出た。
ある人物と、話をする為に。
( ・∀・)「もし何かあったら、その時は……頼む」
( ^ω^)「……はい」
そこに、丁度良く待ち合わせの約束をした人物が現れた。
コンクリートの細い通路の前に停車する、グリンクローバー。
それに乗った、白いスーツを着た男。
ヘルメットを取り、ブーン達を遠くから見つめながら近付いて来る。
( ・∀・)「ギコさん……」
現れたのは……モララー達を裏切り、レンゲルの力を奪ったギコだ。
(,,゚Д゚)「何の用だ、こんな朝早くから…」
( ・∀・)「あなたに話があります」
(,,゚Д゚)「話なんて俺にはない。そんな事より、俺と戦う気になったのか?」
( ・∀・)「何を言ってるんですか!?何で俺がギコさんと戦わなければならないんですか!」
( ・∀・)「単刀直入に言います。レンゲルのベルトを返してください」
(,,゚Д゚)「……何故?」
( ・∀・)「ギコさんだってレンゲルの危険性は知ってるでしょう…!そのベルトは危険過ぎます!」
391
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:40:44 ID:/vPk1WvQ0
(,,゚Д゚)「………」
( ・∀・)「お願いですギコさん、ギャレンに戻ってください。そしてレンゲルのベルトを――」
(,,#゚Д゚)「ふざけるな!!!」
( ・∀・)「!?」
( ^ω^)「……!」
ギコの怒号が、耳に聞こえる波音を掻き消す。
迫力ある怒鳴り声に、思わず萎縮しそうになってしまった。
(,,゚Д゚)「ライダーになれなかった俺の……俺だけの為に作られた力だ!やっと手に入れた力だぞ!!」
(,,゚Д゚)「俺にジョルジュやドクオのような悩みも弱さもない。俺とカテゴリーAの意志は完全に一つだ!」
(,,゚Д゚)「昨日も言ったが、俺はアンデッドもライダーも全て倒す。
そこにいるブレイドや、カリス……そしてお前もだモララー!それが、俺とお前が戦う理由だ!」
もはや何も見えていない。
自分自身でレンゲルの力を使う事が出来ても、結局は力に捕らわれ、傀儡と化してしまっている。
モララーの表情も、段々と厳しくなってきていた。
( ・∀・)「……あなたの正義は、情熱はどうなったんですか!?」
( ・∀・)「あなたは頼もしい先輩として、俺達に厳しく…時に優しく指導してくれました。
ギャレンとして俺が戦って来れたのも、ギコさんが居たからです!」
( ・∀・)「もしもの時、ライダーとして人を守れるのはお前達しかいないと……そう熱く教えてくれたのはギコさんじゃないですか!」
( ・∀・)「なのに……今のあなたは何ですか!?ギャレンの座を奪ってしまった俺を許せないからですか!?」
(,,゚Д゚)「………」
( ・∀・)「答えてください!!」
392
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:42:46 ID:/vPk1WvQ0
(,,゚Д゚)「そんなもの…最初からどうでもよかったのさ」
( ・∀・)「え……?」
不気味な笑みを浮かべるギコ。
どこか、恍惚そうにも見えるその顔は…残酷さすら感じられた。
(,, ー )「レンゲルの力をこの目で目の当たりにし、この手で力を感じた時……俺は気付いた。
正義なんてな、力を振るう為の言い訳にしか過ぎないんだよ」
( ∀ )「……やめてください」
(,,゚∀゚)「フッ…ククク、俺はただ……力を振るいたかっただけだったのさ!!」
( #・∀・)「やめてくれ!!!」
(,,゚Д゚)「………」
聞くに耐えれない。
尊敬していた人の、人とも思えない言葉は、モララーの耳に通ることを拒んだ。
( ・∀・)「聞きたくない…そんな言葉、あなたからは聞きたくない!!」
(,,゚Д゚)「なら俺と戦え!!」
( ; ・∀・)「ッぐ!?」
( ^ω^)「!!」
ギコに胸倉を掴まれ、強引に突き飛ばされた。
尻餅を着くモララーに、傍で構えていたブーンが身構え始める。
座り込みながら見上げるモララーの目を、真っ直ぐと見つめるギコ。
(,,゚Д゚)「戦え!ギャレンとして……戦え、モララー!」
(,,゚Д゚)「――お前なら、出来るはずだろう!」
( ・∀・)「………」
393
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:44:54 ID:/vPk1WvQ0
(,,゚Д゚)「俺は、お前の答えを待っているぞ」
言い残し、ギコは去って行った。
立ち上がったモララーは暫く、姿が消えるまでギコの背を見つめた。
完全に姿が見えなくなると、停めてあるレッドランバスに寄りかかった。
説得出来なかったどころか、目の当たりにしたくなかったギコの今の姿を見てしまった。
( ^ω^)「モララーさん……」
( ・∀・)「……ごめん、やっぱり何も出来なかったよ」
( ^ω^)「違います……ギコさん、自分の意志でレンゲルを操ってなんかいませんお。
あれは間違いなく、カテゴリーAに飲みこまれてる気がします……」
( ・∀・)「そう、だといいな……あんなギコさんは、見たくなかったから」
( ^ω^)「……やっぱり、ギコさんの事救えるのはモララーさんだけですお。
ギコさんの本当の声が、最後の言葉に漏れてたように感じます」
( ・∀・)「本当の、声……?」
( ^ω^)「はい、お前なら出来るって言ったギコさんの言葉は……もしかしたら、閉ざされてしまったギコさんの本当の心かもしれません」
( ^ω^)「あれは、モララーさんに助けを求めてるようにも聞こえましたお」
( ・∀・)「………」
ブーンの言葉に、可能性を見出しそうになる。
だが……何も出来やしない。
こんな自分に、ギャレンとして戦う資格なんてない。
未だに根強く持った思いが、可能性を塞ぎこんでしまう。
(・∀・ )「やめてくれ……俺には何も出来ないよ」
(・∀・ )「俺に、何が出来るっていうんだ……」
( ^ω^)「………」
394
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:46:02 ID:/vPk1WvQ0
―――――
.
395
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:46:27 ID:/vPk1WvQ0
モララーがギコの説得に失敗してしまった頃。
留守番組のツンとジョルジュ、そしてドクオはリビングに会していた。
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ……説得出来るかしら、モララーさん」
_
( ゚∀゚)「無理だよ。それだけ力に憧れてたんなら手放したくない気持ちも分かるっていうか……」
ξ゚⊿゚)ξ「ギコさんがレンゲルを使いこなして、私達と一緒に戦ってくれさえすればいいのよ」
('A`)「………」
深夜に例の夢を見てから、ドクオの様子に異変が起きている。
('A`)(――レンゲル……レンゲル……)
あれだけレンゲルを拒んでいたはずが、今ではレンゲルの名をずっと心の中で呟き続けている。
恋にも似た心。
レンゲルをこの手に持ちたい。
レンゲルの力を、この手にしたい。
――カテゴリーAに、会いたい。
_
( ゚∀゚)「お前、もう平気か?」
('A`)(レンゲル……レンゲル……レンゲル……)
_
( ゚∀゚)「おい」
('A`)(レンゲル……レンゲル……レンゲル……レンゲル……)
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオさん??」
('A`)(レンゲル……レンゲル……レンゲル……レンゲル……レンゲル……レンゲル……)
396
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:46:53 ID:/vPk1WvQ0
_
( ゚∀゚)「おい!聞いてんのかよ!?」
('A`)「――っへ?あ、ああ……今日も寒いなぁ」
_
( ゚∀゚)「あ?平気かどうかって聞いてんだよ」
('A`)「え、あ…ああ!もう全然平気だよ。24時間で200キロ走れちゃいそうなくらい平気だよ」
_
( ゚∀゚)「耳は難聴になっちまったっぽいけどな?」
('∀`)「いやぁ実は俺、耳の良さが失われた代わりに全部性格に良さが来てるからさ〜。英国の姫が俺に惚れちゃったくらいだぜ?」
_
( ゚∀゚)=3 「はいはい、平気だな」
('∀`)「うっす」
持ち前の軽いノリで、何とか誤魔化せた。
呆れ返ったジョルジュは鼻を鳴らし、リビングを立ち去った。
ξ゚⊿゚)ξ「ふふふ、私洗濯物しちゃうから席離れるわね」
('A`)ノ「おう、頑張って〜」
同じくツンも、日課となった家事を行う為にリビングから出て行く。
ドクオは一人、取り残された。
――この時を、待っていたのだ。
397
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:47:42 ID:/vPk1WvQ0
('A`)(今しかねぇ…!)
誰もいない事を確認し、ソファから立ち上がる。
周囲を警戒しながら、なるべく足音を立てずに、ドクオは収納家具の前に立った。
そこは、レンゲルバックルを保管していた場所。
他にも……モララーより預かった、ギャレンバックルが保管されていた。
('A`)(ここにあるはずだ…あのベルトが…!)
引き出しに手を掛け、摩擦の音を最低限に抑えながら手前に引く。
すると…保管されているギャレンバックルが、引き出しより姿を見せた。
('A`)(よし、あったぞ…こいつを持ってけば…!)
あろうことか……ドクオはギャレンバックルに手を伸ばし、引き出しより取り出した。
ゆっくりと引き出しを戻すと、早足にリビングを。
靴を履き、玄関をそろりと開け……ブーンの家を抜け出した。
('A`)「よし…!急ぐぞ……」
('A`)「感じる……レンゲルのベルトの気配を……!!」
自身のバイクに乗り、慌てたように走り出す。
レンゲルに引き寄せられるように、ギコのもとへと……。
.
398
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:48:03 ID:/vPk1WvQ0
―――――
.
399
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:48:55 ID:/vPk1WvQ0
街外れにある、廃れた施設の前に……異形の群れは居た。
建造されて、然程年数は経っていないように見える施設。
だが、捨てられて手入れも補強もされず、ただ時を過ごす廃墟と化した施設は、確実に傷み、老朽化が進んでいた。
『グルルルル……』
『シャアアアア……』
幾重にも重なって聞こえる歪な呻き声。
欲望のままに人を殺め、本来であれば互いに戦うべき敵であるアンデッド同士が、肩を並べて立っていた。
すると、アンデッドの群れを掻き分け、廃墟と化した施設の前に立つ一人の男。
(,,゚Д゚)「………ここから、全ては始まった」
モララー達の説得を拒み、明確な敵意を示したギコだ。
レンゲルの変身を解いて尚、自身の手で解放したアンデッド達を僕として従えているようだ。
目の前の廃墟を見上げながらそう呟くギコは、この施設の本当の姿――"BOARDの第一研究所"での思い出を遡っていた。
(,,゚Д゚)「所長が提唱したライダーシステムの第一号…ギャレンの適格者として、俺はBOARDにスカウトされ職員となった」
(,,゚Д゚)「長い鍛錬、修行を経て…俺はギャレンの最大限適合した人間として選定された……はずだった」
400
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:49:48 ID:/vPk1WvQ0
……だが、当時研究員として働いていた後輩であるモララーに、融合係数が上回っているとしてギャレンの資格を剥奪された。
その後、BOARDは協議の末、ギャレンだけでは最悪の事態に対処し切れぬと判断。
現在ブーンが変身している、ライダーシステムの第二号・ブレイドが開発された。
ギャレンに適合していただけあって、ブレイドの適合者としてのギコの期待は高かった。
そして、適格者として、ブレイドの変身実験に臨んだギコだったが……、
(,,゚Д゚)「俺は……変身出来なかった。あの時の事故で、俺の左腕は……」
スーツの裾をたくし上げ、左腕を露出させる。
晒されたギコの左腕は……生身の人間のソレではなく、鋼の義手。
ブレイドの変身実験中に、ライダーに変身する為に射出するゲート――オリハルコンエレメントに衝突した際、ギコは左腕を失ってしまっていたのだ。
これにより、BOARDと当時所長だったロマネスクは、ギコをライダーシステムへ関与する事を一切禁じてしまった。
ツンやジョルジュにも心配され…何より、後輩であったモララーが彼を一番気にかけていた。
ギコはそんなモララーにも笑って見せ、自分の代わりにライダーとしての使命を背負って欲しいと、想いを託した。
(,,゚Д゚)「しかし……結局俺に残ったのは、ライダーへの捨て切れぬ憧れと…行き場の無い正義感だけだった…!」
(,,゚Д゚)「腕を失い、何も出来ず……惨めな俺は誰にも言わずにBOARDを去った」
401
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:50:48 ID:/vPk1WvQ0
懐に義手の左手を忍ばせ、レンゲルバックルを取り出す。
(,,゚Д゚)「だが……俺はコイツを手に入れた。俺の為に作られた、この最強の力を…!」
(,,゚Д゚)「腐り切った俺を、コイツが救ってくれたんだ…!コイツが俺に求めてくる…全ての者を倒せと。
俺はその声に応える……そして、全てのライダーを倒す!」
バックルよりトレイを引き、カテゴリーAのカードを装填。
腰にベルトを装着し、BOARDの研究所だった廃墟に背を向けた。
自分の中に残った正義の燃えカスを、この廃墟に託して――。
(,,゚Д゚)「変身!」
【 -♣OPEN UP- 】
スライドしたシャッターより現れた♣のマーク。
バックルより射出する紫色に発光するゲート――スピリチアエレメント。
対象のギコにゲート自らが接近し身体を覆うと……ギコを、レンゲルへと変身させた。
( OHO)「さぁ来い……菱谷」
( OHO)「お前の手で、俺を終わらせてみせろ…!」
『グオオオオオオオッ!!』
レンゲルとなったギコの意志を受け、四体のアンデッドは躍動する。
それまで肩を並べていたのに、突然、互いに争い始めた。
まるで、自分の居場所を伝えるかのように――。
402
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:51:15 ID:/vPk1WvQ0
――――――
――――
――
( ^ω^)ロ 「――分かった、すぐに向かうお!」
サーチャーの反応を確認したツンより、アンデッド出現の報を既に受けていた。
詳細を聞き電話を切ると、レッドランバスに凭れていたモララーがブーンに駆け寄る。
( ・∀・)「アンデッドか!?」
( ^ω^)「はい。あと、レンゲルの反応も……詳しい場所まで特定出来たみたいで、モララーさんなら分かるって言ってましたお」
( ・∀・)「何処だ?」
( ^ω^)「今は廃墟となってるはずの、BOARDの第一研究所だって」
( ・∀・)「BOARDの第一研究所?何でそんなところに……確かに場所は分かる。とにかく急ごう!」
( ^ω^)「はい!」
それぞれのバイクに乗り、モララーを先頭にBOARDの第一研究所に向け走り出す。
アンデッドの反応、そしてレンゲルの反応があるという事は、そこにギコが居る事になる。
何故、今更そんな場所に居るのか。
人もいない場所でのアンデッドの反応は、何を意味しているのか。
ギコの思惑に疑問を抱きながら、モララーは急いだ。
――しかし、レンゲルのもとへ向かっていたのは、この二人だけではなかった。
.
403
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:52:07 ID:/vPk1WvQ0
――――――
――――
――
( OHO)「……?」
アンデッド同士が争い、打ち合う中に混じって聞こえるバイクの排気音
この排気音が、モララーやブーンのものではない事をすぐに理解するレンゲル。
視線を向けた先から近付いて来ていたのは……ギャレンのバックルを盗み出て行った、ドクオだった。
(;'A`)「ッ……」
バイクを停めたドクオは、戦うアンデッド達にびくびくと怯えながらも、レンゲルに歩み寄る。
その手に、ギャレンバックルを握り締めながら。
( OHO)「何の真似だ?」
(;'A`)「た……頼む、そのベルト……俺に返してくれ!」
( OHO)「何…?」
(;'A`)「代わりに、ほら!これやるからさ……な?頼むよ!」
恐る恐る、ギャレンバックルをレンゲルに差し出す。
差し出す手は、恐怖でぷるぷると震えている。
だが、恐怖よりも、目の前にあるレンゲルのベルトが欲しい。
404
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:53:32 ID:/vPk1WvQ0
( OHO)「ふん……そんなものはいらない。俺にはこの力が有ればそれでいい」
(;'A`)「何でだよ…!あんたはこれにも変身出来るしいいじゃないか!」
(;'A`)「俺は…俺は自分を変えたいんだよ!びくびくしてばっかで、自信が無くて前に進めない自分を変えたいんだ!!
そのベルトがあれば……俺は強くなって、変われるんだ!」
(;'A`)「そうすれば……俺はもう、誰にも踏みにじられたりする事なんてなくなる!!」
もう、溢れ出た欲望を抑える事が出来ない。
心の中に潜む"闇"が、暴走して止まらない。
自分の中の弱さが、邪悪な力を欲している。
( OHO)「くだらない、そんな事の為にライダーになりたいと言うのか!?
いつまでも人のせいにして、立ち向かわずに逃げ回っているだけでは自分を変える事など出来やしない!」
( OHO)「それに……」
突如、レンゲルの声が穏やかになった。
( OHO)「ギャレンの資格がある者は、この世でたった一人……それは、俺ではない」
(;'A`)「そんな…頼むよ!俺には必要なんだよレンゲルの力が……!」
( OHO)「失せろ!」
Σ(;'A`)「うゔっ!?」
詰め寄ったドクオを、容赦なく突き飛ばした。
ギャレンバックルが手から滑り落ち、遠くへ転がり落ちる。
すると、先程まで争っていたはずのアンデッド達が、互いを傷つける手を止めた。
そして……地面に倒れたドクオに、四体のアンデッドが迫る。
(;'A`)「ひっ…!や、やめろ……!!」
405
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:54:20 ID:/vPk1WvQ0
そこに、別のバイクの排気音が響いて来た。
その音に視線を向けたレンゲルは、今度こそ待ち望んでいた人物の到来を確信する。
ブルースペイダーとレッドランバスがアンデッドの前に泊まり、二人はドクオを庇うようにして立ちはだかった。
( ^ω^)「何でお前がここにいるんだ!?」
(;'A`)「そ、それは…」
( OHO)「菱谷……!」
( ・∀・)「………」
モララーの姿を見るなり、レンゲルは落ちたギャレンバックルを拾うと、モララーに投げ付けた。
足早に歩み寄り始める。
その行く手を、ブレイバックルを腰に装着したブーンが塞いだ。
( ^ω^)「ギコさん、今度こそあんたを止める!!」
( OHO)「いいだろう、まずはブレイド…お前から倒してやる!」
( ^ω^)ψ「変身!」
/
【 -♠TURN UP- 】
バックルより射出するゲートで、レンゲルの動きを牽制する。
ブーンは雄叫びを上げながらゲートに向け走り、ブレイドへと変身。
走る勢いのまま、正面からレンゲルに右拳を突き出した。
( OwO)「うおおおおおおおおおおッ!!」
( OHO)「ふっ、良い拳だ…君も戦いの中で大きく成長をしたようだな!」
ブレイドの正面からの突きを、容易く左手で受け止める。
素早く懐に潜り込み背を向けると、ブレイドの二の腕辺りを右手で掴み、一本背負いのような形で地に投げ付けた。
( ; OwO)「うおっ!?」
.
406
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:55:15 ID:/vPk1WvQ0
反射的にすぐ立ち上がったところに、レンゲルがすかさず攻め寄る。
ブレイドの空拳が繰り出す攻撃を完全に見切り、手で払い落とす。
( OHO)「ふんッ!はっ!」
( ; OwO)「モララーさん……ぐあッ!戦ってください!」
両の手で交互に裏拳を叩き込み、身体を回転させた勢いでブレイドの頬に強烈な拳を見舞った。
レンゲルと交戦しながら、ブレイドはただ黙って見守るモララーに、戦いを促す。
( ・∀・)「………」
( OHO)「菱谷!お前が戦わなければコイツが倒されるだけだぞ!」
促されても尚、動こうとしないモララー。
見せ付けるようにして、ブレイドを攻め続けるレンゲル。
( OwO)「モララーさん!僕はモララーさんを信じてますッ!モララーさんなら戦えるって…!」
( OHO)「うおおおああああっ!!」
( ; OwO)「ぐふうッ…!!」
407
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:55:37 ID:/vPk1WvQ0
大きく振り上げた回し蹴りが、ブレイドの側頭部に叩き込まれた。
体勢を崩しふらついた身体に、レンゲルの打撃による追い討ちは止まらない。
( ; OwO)「大丈夫です…っ!モララーさんは…弱さを知った強さを、心の中に持ってるから!!」
( ∀ )「………出来るのか、俺に……」
俯き、足元に転がるギャレンバックルを見つめる。
( OwO)「モララーさんなら――出来る!!」
( ∀ )「――!!」
ブレイドの言葉に、ギコの言葉が重なる。
――その時、モララーの頭の中に、様々な過去と、声が流れ始めた。
408
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:56:04 ID:/vPk1WvQ0
――それは、ギコがブレイドの変身に失敗し、入院していた時の事。
――――――――――
(,,゚Д゚)「菱谷……お前に、聞いて欲しい頼みがある」
( ・∀・)「はい…?」
(,,゚Д゚)「俺は、仮面ライダーにはなれないようだ……とても悔しいが、こうなっちゃあ仕方がない……」
( ∀ )「……ギコさん、すみません……俺のせいです」
(,,゚Д゚)「馬鹿な事言うな、真面目過ぎるんだよお前は」
(,,゚Д゚)「……もしも、アンデッドが世に放たれしまった時。人を助けられるのは、お前しかいない」
(,,゚Д゚)「俺の想いをお前に託す。俺の代わりに……ライダーを背負ってくれ」
( ・∀・)「ギコさん……」
(,,゚Д゚)「…お前なら、出来る!」
( ・∀・)「………はい」
――――――――――
.
409
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:57:00 ID:/vPk1WvQ0
――――――――――
( ^ω^)「僕は今でも、モララーさんにはギャレンとして一緒に戦って欲しい気持ちがあります」
( ^ω^)「頑なにギャレンを拒む理由は、モララーさんが感じてる責任感からじゃないですか?
モララーさんが感じてる、今までしてきた事への後悔や、情けないっていう気持ち…」
( ・∀・)「………」
( ^ω^)「色々あったけど、モララーさんは本当の自分に気付けたじゃないですか。
自分の事を弱いって言うのは素晴らしい事だと思いますお。だって、自分の弱さを知っているんだから。
モララーさんは今、自分の弱さと向き合ってる。向き合う事が大事だと僕は思いますお」
( ^ω^)「弱さを知らない人間は、強くはなれませんお」
( ^ω^)「それに、モララーさんは一人じゃない。僕達が居ます!だからモララーさんも、僕達と一緒に居ればいいですお」
( ^ω^)「――モララーさんなら、出来る!」
――――――――――
.
410
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:58:11 ID:/vPk1WvQ0
――――――――――
「――モララー」
( ・∀・)「!?ヒート……!?」
ノパ⊿゚)「今度は何を迷ってるのかな?」
( ・∀・)「……俺に、ライダーになる資格……あるのかな?」
( ・∀・)「君を、守れなかった俺が……」
ノパ⊿゚)「まったく、相変わらず真面目だなぁ君は。資格なんてもの、なくたっていいじゃないか」
ノパ⊿゚)「今の君には、心強い仲間がいる。大切にしたい友がいる。守りたいものがあるはずだよ」
ノパ⊿゚)「資格なんて見出そうとする前に、まずはその人達の為に戦って。
そうすれば……君にも、その資格とやらが見つかるはず」
ノパー゚)「それに私は、君が今大切なものの為に悩んでいる事が何より嬉しい……私はそれだけで十分だよ」
( ・∀・)「ヒート……」
ノパ⊿゚)「……ほら、しっかりしろ!自分のためにも、みんなのためにも、戦えモララー!」
ノパー゚)「君なら……出来る!」
――――――――――
411
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:59:21 ID:/vPk1WvQ0
( ∀ )「………」
( OHO)「やれ!」
『ガアアアアアアアアァァッ!!』
『グオオオオオォッ!!!』
レンゲルの指示を受け、アンデッドが動き出した。
アンデッド達が狙うのは……ギャレンバックルを前にし、立ち尽くしたモララー。
( ; OwO)「モララーさん!危ない!!」
レンゲルの猛攻を受けながら危機を伝えるも、モララーは動かない。
412
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 11:59:53 ID:/vPk1WvQ0
( ∀ )「……俺は……」
ポケットに入れた右手。
その中で強く握っていたのは、ヒートの最期に譲り受けた、赤いお守り。
今の自分には、大切にしたいものがある。
けど、守れなかったものがあった……失ってしまったものがあった。
その責任から、本当の想いを塞ぎこんでしまっていた。
しかし、自分が大切にしたいと思っていた者達に、守られている事に気付いた。
こんなな避けない自分の事を想い、守ってくれる仲間が――。
だからこそ、今度こそ……この手で守りたい。
何も無くなってしまった場所で、抱きしめた想い。
その想いを、自分を、動き出していた時間の中で見失ってしまっていた。
生まれ変わる度に強くなり、新しい強さで想いは蘇る。
胸の内で熱く猛る想いが今――閉じこもっていた殻を、思い切り突き破った。
( #・∀・)「俺は―――戦う!!!」
.
413
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:00:33 ID:/vPk1WvQ0
♪覚醒 -
https://www.youtube.com/watch?v=ktrFxQEDJWc
『グガアアアアアアァァッ!!!』
( ・∀・)「ッ――!!」
迫り来るアンデッドの攻撃を躱し、前転しながらギャレンバックルを拾い上げる。
だが、モララーに迫ったアンデッドは一体だけではない。
豹のアンデッドが、右手の鈎爪を光らせ、モララーに向け振り下ろした。
( ・∀・)「はあッ!!」
『ガアアァ!?』
鈎爪が届く前に、モララーの足刀蹴りが豹のアンデッドの顎に炸裂。
次に迫ったシカのアンデッドによる剣撃。
瞬間的に、三日月を描くようにして宙を後転し、剣撃を回避した。
着地したモララーは、ギャレンバックルにカテゴリーAを素早く装填。
腰に押し当て、ベルトを装着した。
一斉に迫るアンデッドの群れ。
モララーは立ち上がり、群れに向けバックルのハンドルを引いた。
o( #・∀・)「変身!!」
\
【 -♦TURN UP- 】
バックルより射出したゲートで、迫り来るアンデッド達を迎撃。
弾かれ分散したアンデッドの群れの中に展開するゲート。
モララーは恐れる事なく、そのゲートに向け走り出した。
414
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:01:55 ID:/vPk1WvQ0
葛藤を経て、遂にギャレンに変身を果たしたモララー。
ホルスターより引き抜いたギャレンラウザーで、四体のアンデッドに向け銃撃を見舞いながら駆け抜ける。
『グギャアアアッ!?』
ギャレンが向かう先は、たった一つ。
邪悪な力に溺れ、心を支配されたレンゲル――ギコのもとへ。
( OHO)「うおおおおっ!!」
( ; OwO)「くっ……!」
ブレイドに向け、レンゲルラウザーが振り下ろされようとした時。
( OwO)「……モララーさん!!」
( OMO)「これ以上、俺の仲間を傷つけさせない!!」
( OHO)「待っていたぞ……ギャレン!」
レンゲルの眉間に銃口を向けながら、ブレイドを庇うように立ちはだかった。
( OMO)「俺はもう…ライダーである事から逃げない。
ヒートや剣藤、そして…あなたが託してくれた想いを胸に、俺は戦う!」
( OMO)「あなたをそうさせたのが俺だと言うのなら……俺の手で、あなたを止めてみせる!!」
( OHO)「そうだ、それでいい!ギャレンとして…俺と戦え菱谷!!」
415
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:02:40 ID:/vPk1WvQ0
瞬間、横に薙いだレンゲルラウザー。
間一髪で躱したギャレンだが、レンゲルの後ろ回し蹴りが右手に直撃。
ギャレンラウザーは、右手から弾き落とされてしまった。
( OHO)「この時を待ち侘びた!お前が戦ってくれる時をな!!」
( #OMO)「俺はあなたを助ける為に戦うんだ!力を求めて振るうだけの戦い、そんなものはこれで……これで終わりにする!」
素手となったギャレンは、レンゲルの猛攻を流し、防ぎ続けた。
自在に操るレンゲルラウザーの殴打は、防ぎながらもギャレンに着実なダメージが蓄積されていく。
( OMO)「くっ、コイツを防ぎ続けるのは厳しいな…!」
( OHO)「ふんッ!!」
( ; OMO)「ぐうっ!?」
隙を突かれ、後端がギャレンの腹部に叩き込まれる。
レンゲルの強靭な肉体から放たれるその力が、腹部への衝撃だけでギャレンを突き飛ばした。
( OwO)「モララーさん!」
地面を転がるギャレンに駆け寄ったブレイドが、レンゲルに立ち向かおうとする。
だが、伸ばした手でブレイド胸を押しやり行動を阻止。
( OMO)「手を出すな!このケリは俺の手でつける!!」
途中でギャレンラウザーを拾い上げ、再びレンゲルに向かうギャレン。
もう一度薙ぎ倒さんとするレンゲルが、レンゲルラウザーを振るい始めた。
416
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:03:05 ID:/vPk1WvQ0
先程とは打って変わって、読みきったかのように攻撃を躱し続ける。
大振りに振られたレンゲルラウザーを頭を下げ回避した瞬間、ギャレンの右拳がレンゲルの頬を捉えた。
( OHO)「くっ…!」
身を翻しながら、ギャレンラウザーを向け胴体に銃撃を数発ずつ、的確に撃ち込む。
右手で攻撃を防ぎ、左拳を叩き込む。
斜めに振り下ろされたレンゲルラウザーを後退して躱し、得意の足刀蹴りで顎を強烈に蹴り上げた。
( OMO)「はあぁッ!!」
( #OHO)「ぐうぅっ…!菱谷イィィッ!!」
( #OMO)「うおおおおおおおッ!!!」
ギャレンに押し付けた後端で、力任せに上空に放り投げた。
レンゲルの頭上を飛ぶギャレンは、投げられながらもギャレンラウザーの銃口を向け、背中から地面に落ちるまで銃弾を浴びせ続けた。
( ; OHO)「ぐああああぁぁあっ!?!?」
レンゲルの黄金の鎧から、火花が激しく散り続ける。
地面に落ちても、ギャレンの銃撃は止まらない。
体勢を整えながらも、銃口はレンゲルを捉えたまま。
止まない銃弾の雨に撃たれ、レンゲルの動きが完全に抑制される。
何も出来ず、ただ撃たれる事しか出来ない。
( OMO)「ギコさん……許してください……!」
大義はあれど、ギコを痛め付けている事に変わりはない。
撃ち続けながら、ギャレンは胸を痛めた。
( ; OHO)「があっ…!っう…が、ぐはぁっ…!!」
417
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:03:30 ID:/vPk1WvQ0
( OMO)「はぁ……はぁ……」
ギャレンラウザーよりトレイを展開し、カードを三枚引き抜く。
ラウズしようとした瞬間、レンゲルは右腰のケースに手を伸ばした。
( ; OHO)「ぐうっ…させるか…!」
恐らく、"♣10 REMOTE"のカードを使い阻止しようという企みだ。
だが、ギャレンはそれを予測していた。
( OMO)「ふっ!」
( ; OHO)「がああああ"あ"あ"あっ!?!?」
伸ばした右手に、的確に被弾する銃弾。
痛みに声を上げ、レンゲルラウザーを落とし右手を抑える。
レンゲルの行動を制御し、今度こそ三枚のカードをラウズした。
《-♦5 DROP-》 《-♦6 FIRE》 《-♦9 GEMINI-》
《-♦BURNING DIVIDE-》
( OMO)「これで終わりだ……ギコさん!!」
ギャレンラウザーをホルスターに収納し、両足を揃え高く跳躍。
空中で身体を分身させ、両足に灼熱の炎が燃え盛り始める。
宙返りをしながら身体の向きを変え、炎の残像を描きながら、レンゲルに向け落下を始めた。
( #OMO)「でいやあああああああぁぁぁぁッッ!!!!!」
( ; OHO)「うああああああぁぁぁっ!!!」
炎を纏った二人の両足が、レンゲルの肩から胴体を抉るように叩き込まれた。
必殺技を正面から食らってしまったレンゲルは、断末魔の叫びを上げながら吹き飛ばされた。
418
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:04:23 ID:/vPk1WvQ0
( OMO)「はっ…はっ……ギコさん!」
着地したギャレンは、吹き飛ばされたレンゲルの方へと視線を向ける。
( ; OHO)「……っく……はあっ……!」
( OMO)「何……!?」
吹き飛ばされこそしたが……レンゲルは、しっかりと二本の足で立っていた。
必殺技を受けても、立っていられるレンゲルの強靭振り。
だが、ギャレンが与えたダメージは凄まじく、立っているのがやっとだった。
( ; OHO)「ぐうっ……う……」
( OMO)「ギコさん!!」
今にも転びそうな程にふらふらとした足取りで、レンゲルは廃墟の中へと必死に歩いて行く。
後を追おうとするギャレンだが、
『グガアアアアアッ!!!』
( OMO)「クソッ…邪魔をするな!!」
ブレイドと応戦していたアンデッドの内二体が、ギャレンに襲い掛かった。
レンゲルが、アンデッド達に二人を妨害するよう指示を下していたのだ。
( OwO)「モララーさん!先にこいつらを封印しないと埒が明きません!」
( OMO)「仕方無い、やるぞ!」
419
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:04:49 ID:/vPk1WvQ0
( OMO)「剣藤、こいつを使え!」
ラウザーのトレイより引き抜いた一枚のカードを、ブレイドに投げ渡す。
咄嗟にキャッチしたカードを見る。
ギャレンから渡されたカードは、"♦6のFIRE"。
ギャレンが軸にして使っている、炎の力を得るカードだ。
( OwO)「これは…!」
( OMO)「そいつを組み合わせて一気に仕留めるんだ!」
( OwO)「…そうか!」
言葉に閃いた。
今、ブレイドが必殺技を繰り出す為のアンデッドは全て目の前にいる。
故に、雷の力を使う事も、キックを繰り出す事も出来ない。
ブレイラウザーより、二枚のカードを選択。
ギャレンより受け取ったカードと合わせ、計三枚のカードをラウズした。
《-♦6 FIRE-》 《-♠2 SLASH-》 《-♠8 MAGNET-》
ラウズしたブレイラウザーに、燃え盛る炎が纏い出す。
そして、"♠8のMAGNET"で磁界を操る力を得たブレイドは、イナゴ・シカ・豹のアンデッドの動きを制御。
『ググッ!?』
( OwO)「うおおおおおおおおおおッッ!!!」
420
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:05:18 ID:/vPk1WvQ0
動きを制御したアンデッド達に向け疾走する。
"♠2のSLASH"でブレイラウザーの斬撃の威力を高めた炎の剣で、三体のアンデッドを順に斬り捨てた。
( OwO)「ッはああっ!!」
『ギャアアアアアアァァッ!!!』
バックルが左右に展開し、腹部から緑血を噴き上げながら身体を炎に包むアンデッド達。
ブレイドはすかさず振り返り、三枚のカードを同時に投擲する事で、一度に三体同時に封印した。
『グウウウウウゥゥゥ……!』
一度に三体のアンデッドを倒すブレイドの力に、恐れを抱くイノシシのアンデッド。
一対ニでは、形勢不利だ。
自分に分がないと悟ると、イノシシのアンデッドは一人逃走を図った。
( OwO)「待てッ!!!」
追った瞬間には、もう遠くへとあっという間に走り去って行ってしまった。
( OwO)「くそっ、逃げたかお…!」
( OMO)「ギコさん…!」
余韻に浸っている暇はない。
封印したのを見届けると、ギャレンは急いで施設の中へと向かった。
421
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:06:21 ID:/vPk1WvQ0
――――――
――――
――
( ; OHO)「はぁ…っ、はぁ……」
施設内に入るなり、これ以上両足だけでは支え切れない身体を壁に凭れさせ、一時の休息を取る。
全身に感じる痛み…全て、ギャレンによるものだ。
モララーの予想を超えた強さには、ただ驚くばかり。
レンゲルという最強の力を得ながら、圧倒されてしまったのだから。
( OHO)「ックソ……菱谷、強くなったな……」
『――モウ貴様ニ用ハ無イ』
突如、頭の中に響くカテゴリーAの声。
( OHO)「何…?うッ……!!」
頭が痛い。こめかみを両側より押され、圧迫されるような痛み。
耳からなのか、頭の中で響くのか分からない、キイイィィィン――と鳴る耳鳴り。
( ; OHO)「ううっ!貴様……俺を見限ると言うのかァ…ッ!」
頭を抑えもがき苦しむレンゲル。
すると――バックルのシャッターは、自分の意志とは関係無く閉ざされた。
射出するゲート。迫り来るゲートを、ただ迎え入れる事しか出来ず……ギコは、レンゲルの変身を解かれた。
バックルの装着が解除され、支えのないレンゲルバックルは床に転がり落ちる。
422
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:06:43 ID:/vPk1WvQ0
(,,;゚Д゚)「はぁ……はぁ……」
レンゲルバックルを拾う事もせず、ギコは壁で自身を支えながら廊下の奥へと進む。
(,,;゚Д゚)「……?」
コツ、コツ……施設内に響く、床を叩く靴の音。
息を切らし、壁に片手を着きながら、足音の方を見る。
('A`)
歩いて来ているのは、ドクオだった。
慌てふためいた先程とは打って変わって、ゆっくりと、落ち着いた様子で。
ギコに近付く手前で、足は止まった。
――床に落ちたままの、レンゲルバックルの前で。
(,,゚Д゚)「……!」
足元に落ちたレンゲルバックルに手を伸ばす。
静かに顔を上げ……ギコを睨んだ。
('A`)「……来い」
(,,;゚Д゚)「ぐっ…!うぅ……!」
呼びかけた声と同時に、ギコの足元の裾より蜘蛛の子の群れがわらわらと出現。
大群は小さな足で床を伝い、住処を元の場所に戻す為に移動を始める。
やがてドクオの足元まで辿り着くと、慣れ親しんだ場所のように次々とドクオの身体の中へと潜って行く。
423
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:07:14 ID:/vPk1WvQ0
手に取ったレンゲルバックルを腰に当てる。
紫色のカードがベルト状に放出され、ドクオの腰にバックルが装着。
(,,;゚Д゚)「………」
('A`)「ああ……分かってる、俺はお前を受け入れるよ」
今この場には、ギコとドクオしかいない。
そのギコは何も話し掛けていないのに、ドクオは誰かに返事をしている。
(#'A`)「だから……お前の力、俺に預けろ!!」
目の前のギコを鋭く睨みながら、ドクオの大声が響く。
肘を屈折させ、同時にバッ、と前に両腕をL字のように構える。
左手を腰元へ。頭より高く上げた右手をゆっくりと下げ、口元を隠すようにして右手を翳す。
歪な待機音が、薄暗い廃墟の中に不気味に鳴り響く。
('A`/)「――変身!!」
―
【 -♣OPEN UP- 】
そう強く叫んだ瞬間、腕を顔の前でクロスさせ、勢い良く下げると同時に左手でバックルのシャッターを叩くようにスライド。
開いたバックルから覗く、♣のマーク。
バックルより紫色に発光するゲートが射出され、薄暗い施設の中を妖しく照らす。
両手を腰元で構えながら、ゲートが自分の身体を覆うのを待つ。
意志に応えるように、ゲートはゆっくりと接近。
ドクオの身体をゲートが覆い通過し……ドクオは、自らの意志でレンゲルへと変身した。
424
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:08:04 ID:/vPk1WvQ0
( OHO)「……レンゲルは返してもらった」
(,,;゚Д゚)「ッ……お前、その力を使う事が何を意味するのか分かってるのか!?」
( OHO)「あんたがレンゲルを奪ってた間、カテゴリーAが俺にこう言ったのさ。
強くなって自分自身を変えろ…その手助けは俺がしてやる、ってな」
( OHO)「やっぱり、カテゴリーAが選んだのは俺だった……それだけの事だろ」
背を向け、歩き出す。
レンゲルの広い背中が、ドクオの弱き心を隠す。
(,,;゚Д゚)「ライダーになるだけで……本当に強くなれると思うのか?」
( OHO)「その答えは、これから自分で見つけるさ……レンゲルとしてな」
自分の言葉で、自分の声で話す。
言って、レンゲルは施設を後にした。
カテゴリーAの思うままの傀儡と化し、自らの意志ではどうにもならなかったドクオ。
邪悪な力を拒み、ライダーになる事を拒んだ。
使命を背負うのも、責任を負うのも嫌だった。そんな自分が一番嫌いだった。
しかし今、カテゴリーAの力を受け入れた事で、ドクオはその力を自分の意志で扱う事を可能としたのだ。
(,,;゚Д゚)「………」
――レンゲルの正式な適合者が、今ここに誕生してしまった。
425
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:09:01 ID:/vPk1WvQ0
「フフフ……」
(,,゚Д゚)「誰だ!?」
人が居るはずのない施設に、女の笑い声が響く。
近付くと足音と共に、奥から人影が現れた。
背丈は小さく、少女のような影。
(,,゚Д゚)「君は…?こんなところで何を――」
「ねぇ……私と、おともだちになってよ」
(,,゚Д゚)「………?」
女の方から、何かが飛翔したのが見えた。
突如、腹部に感じる違和感。
恐る恐る、自分の腹部に視線を移した。
(,,;゚Д゚)「があッ……なにぃ……!?」
426
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:09:25 ID:/vPk1WvQ0
――ギコの腹部に刺さる、真空の刃。
背中をも突き破り、身体を貫通している。
真空の刃は、空間に吸い込まれるように消滅。
途端に、穴の空いた腹部よりとめどなく溢れる血。
驚きと戸惑いを隠せぬまま、傷口を片手で抑えながら……ゆっくりと床に崩れ落ちた。
近付く少女。
無垢な笑顔を浮かべながら、倒れたギコを見下ろす。
o川* ー )o「あーあ、また――」
少女の背丈以上のシルエットが浮かび上がり、一瞬にして可愛らしい少女の姿が変貌する。
、\ ノ
( ゚,皿,゚)『――おともだち、できなかった』
427
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:10:03 ID:/vPk1WvQ0
――――――
――――
――
アンデッドを封印し、施設に侵入したブーン達。
ギコの行方を捜し、薄暗い施設の中を、スマホのライトで足元を照らしながら進んで行く。
( ・∀・)「そんなに奥の方には行ってないはず…!」
( ^ω^)「ギコさーん!!……ドクオの奴も何処かに行きやがって!」
ギコの名を叫ぶ声が廊下の奥まで反響する。
懸命に探す二人だったが、ギコの姿を見つけるのにそう時間は掛からなかった。
( ^ω^)「……!!モララーさん、あれ!!」
何故なら……人のいないはずの施設の中に、血を流して倒れているのは、ギコ以外ありえなかったからだ。
( ・∀・)「ギコさん!?!?」
倒れたギコのもとへ駆け寄り、うつ伏せに倒れたギコの身体を揺する。
( ; ・∀・)「ギコさん!?ギコさん!!」
(,,;゚Д゚)「……菱谷か……」
( ; ・∀・)「どうしたんですか…何があったんですか!?どうしてこんな傷を……」
(,,;゚Д゚)「やられてしまったよ……新しい、ごほっ……上級アンデッド、かもな……」
( ^ω^)「上級アンデッド…!?まだ此処に居るんですかお!?」
(,,;゚Д゚)「いや……、何処かへ行ったよ……」
428
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:11:48 ID:/vPk1WvQ0
( ; ・∀・)「待ってください、すぐに救急車を――」
(,,;゚Д゚)「無駄だ……もう、俺は駄目だ……」
( ; ・∀・)「……!!」
ヒートの最期が重なってしまった。
あの時も、どうする事も出来ずに、こうやって……。
( ; ・∀・)「何を言ってるんですかギコさん…諦めたら駄目です!!」
(,,;゚Д゚)「そんな事より……気をつけろ」
(,,;゚Д゚)「ホライゾン君の友達……彼は、レンゲルのベルトを持って行ってしまった……」
( ; ^ω^)「なんだって…!?また操られてるのかお!?」
(,,;゚Д゚)「いや、あれは……完全に自分の意志――ゲホッ、ゲホッ!」
咳き込んだ瞬間、口から血反吐を吐き散らす。
( ; ・∀・)「もう喋らないでください!」
(,,;-Д-)「……ふっ、情けない面しやがって……お前は、いつまでも気が弱い奴だ……」
(,,;゚Д゚)「菱谷……お前には、言いたい事がある……聞け」
( ; ・∀・)「………はい」
429
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:13:27 ID:/vPk1WvQ0
(,,;゚Д゚)「俺はな……お前が、羨ましかったんだ……ギャレンとして、俺の代わりに選ばれたお前が……。
妬ましくて、悔しくてな……俺の方が、きっと上手くやれるのにって……思ってたんだ」
(,,;゚Д゚)「左腕を失って、俺は自分を恨んだよ……。そして、お前達の前から去った俺に残った正義の燃えカスが、自分を腐らせてしまった……」
(,,;゚Д゚)「でもな、お前と戦って……気付いたよ……。俺は……ライダーの資格なんてなかったんだ。ってな……」
( ・∀・)「………」
(,,;゚Д゚)「これでよかったんだ……俺は、カテゴリーAに飲み込まれながらも……お前に助けを求めてた。
お前は……俺を救ってくれた。感謝するよ……」
( ∀ )「何を…何を言ってるんですかギコさん……!」
ギコの声が、徐々に弱々しくなってきた。
途切れそうになる意識を必死に繋いでまで、伝えたい言葉がある。
(,,;゚Д゚)「責任なんか、一人で抱えるな……お前には……立派な仲間が、いるじゃないか。
変に悩む必要なんかないんだよ……」
(,,;゚Д゚)「もっと馬鹿になれ……真面目過ぎるんだよお前は……ッハハ」
( ;∀;)「……ッ……ぐすっ」
(,,;゚Д゚)「結局……お前には、敵わなかったってことさ……でも」
モララーの手に、己の左手を重ね持てる力で弱々しく握り締める。
(,,; Д )「なりたかったな……俺も、お前と共に戦う……仮面ライダーに……」
(,,; ー )「………ライダー、に……―――」
(,, ー )
………握っていた手に、力が無くなった。
430
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:15:31 ID:/vPk1WvQ0
(,, ー )
( ω )「クソォ……ッッ!!!」
( ;∀;)「……ギコさん……ッ!」
拳を握り締め、助けられなかった悔しさを床にぶつける。
また守れなかった。
守りたいものを守ると決めて、ギャレンに戻ったはずなのに……。
やりきれない思いと悔しさが、また自分の心を苛もうとしている。
( ω )「モララーさん……」
( ∀ )「分かってる」
悲しみに浸る間はない。
頭を上げ、握り締めたギコの手を見つめる。
( ・∀・)「俺は逃げない……俺はこれからもギャレンとして戦い続ける。ギコさんが、俺に託してくれた想いがある。
もう二度と、こんな悲しみを起こさせはしない……その為に……」
( ・∀・)「だから剣藤…もう一度、俺と一緒に戦ってくれ!」
( ^ω^)「……一緒に戦いましょう、モララーさん!ギコさんの想いと共に!」
モララーは再び、アンデッドとの戦いに身を投じる決意を示す。
今度こそ、二人の間に堅い結束が結ばれた。
ギコの想いは、しっかりと後輩達の胸に届いていた――。
431
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:20:13 ID:/vPk1WvQ0
【 第20話 〜託された想い〜 】 終
.
432
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:20:38 ID:/vPk1WvQ0
==========
【 次回予告 】
_
( *゚∀゚)「い、いやぁ…!その〜……ケガとかしてませんか?どこか痛いとことか……」
ミセ*゚ー゚)リ「私は大丈夫です、そちらは…?」
_
( *゚∀゚)「俺っすか?お、俺は全然!生まれてこのかたケガなんてしたことないんで!本多忠勝の生まれ変わりなんで!!」
ミセ*゚ー゚)リ「???」
_
( ; ゚∀゚)「あ…!ああ、分かりにくいよな!ごめんごめん、とにかく何もないならよかった!
いやぁ本当すみません、酔っ払っちゃって……」
ミセ*゚ー゚)リ「みたいですね、とても顔が赤いから」
_
( *゚∀゚)「あ〜……そうっすね」
ミセ*^ー^)リ「…ふふふ」
_
( *゚∀゚)「あ……あははは」
433
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:21:03 ID:/vPk1WvQ0
( ´_ゝ`)「お前もいつまでそうしていられるかな?」
(-_-)「……あ?」
( ´_ゝ`)「狙われるぞ?カテゴリーAに随分懐かれてるみたいだからなぁ、お前」
( ´∀`)「あー、そうだった!君がちゃんと相手にしてあげないから、構って欲しくてしょうがないんだよきっと」
(-_-)「知るかよ、俺は興味ないっつってんだ。誰が一番強いとか万能の力とか……そんなもの興味ない」
( ´∀`)「君って本当に珍しいよね、僕達と"同じ"なのにさ」
(-_-)「同じでも、生まれ持った性分はどうしようもない……もういいか?出来ればお前等の顔も見たくないんでね。
俺は戦わない、このままひっそりと過ごさせてくれよ……頼むから」
上級アンデッドであろう二人と接触するヒッキー。
VIPで働くただの人間であるはずの彼に、冷酷な刃が向けられようとしていた!
434
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:21:48 ID:/vPk1WvQ0
( ・∀・)「ッおい、やめろ!君は変身するな!」
('A`)「俺だって……俺だって戦う為にコイツを受け入れたんだ!!」
( ´_ゝ`)「ほう、早速レンゲルが現れてくれるのか?さて、新生レンゲルはどんな力なのかな」
('A`)「ッ……力を貸せよ、カテゴリーA!!」
自らの意志でレンゲルに変身し、上級アンデッドに果敢に挑むドクオ。
( OHO)「………うおおおおおおおおおッッ!!!!」
( ´,_ゝ`)「じゃあ、早速挨拶と行こうか……!」
( 。)
<メ、゚ M゚,>『俺はダイヤのカテゴリーキング。ダイヤスートを統べる王様、ってところだ…!』
435
:
20話
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:22:36 ID:/vPk1WvQ0
( ´∀`)「僕はスペードスートのカテゴリーキングだよ。キングモナーって呼んでよ」
( ^ω^)「カテゴリーキング…!?アンデッド!?!?」
変身し立ち向かうも、一蹴されるブレイド。
( ´∀`)「しつこいなぁ、だから無駄だって言ってるだろ?」
( ; OwO)「何でだお…!?コイツどうなってんだ!?」
( ´∀`)「キングってどういう意味か分かる??」
( ; OwO)「何…?」
( ´∀`)「キングってのは王様って意味。要するに……僕が一番強いってことさ!」
( ; OwO)「うああああぁぁあぁッッ!?!?」
遂に、アンデッドの中でも最強クラスであるカテゴリーキング達が動き出した!
絶対的な力を前に、ライダー達はどうなってしまうのか!?
そして今こそ、力を集結することが出来るのか!?
次回、【 第21話 〜光なき闇〜 】
――今、その力が全開する!
==========
436
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 12:24:47 ID:/vPk1WvQ0
しおり
>>9
第15話
>>84
第16話
>>152
第17話
>>234
第18話
>>308
第19話
>>372
第20話
437
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 13:16:44 ID:/vPk1WvQ0
・ここまでの登場人物まとめ
――――――――――――【 仮面ライダー 】――――――――――――
( ^ω^) 剣藤ホライゾン / ( OwO) 仮面ライダーブレイド
22歳。主人公。ブーンという呼び名で親しまれている。
スーパーマーケット『 VIP 』の一社員としてこつこつ働いている青年。
幼少期に両親が離婚し、女手一つで育ててくれた重い病を患った母親の為に日々働いている。
また、自分達を見捨てた父親に激しい恨みを持つ。
正義感が人一倍強く、率先して人助けや動物を助けたりしているが、その強い正義感が災いしてトラブルを生むこともしばしば。
仮面ライダーブレイドに適合し変身出来たことから、仮面ライダーとして人を守る為にアンデッドとの戦いに身を投じることになる。
川 ゚ -゚) 愛川クー / ( <::V::>) 仮面ライダーカリス
23歳。ブーンやドクオがよく通う飲み屋『バーボンハウス』で働く女性。
常にクールで寡黙、何を考えているか分からないが情に熱いところがある。
出生は謎に包まれているが、その正体はアンデッド。
記憶を喪失しアンデッドである事も忘れていた時は、人間の自分とアンデッドの自分で意識が分かれていた。が、渡辺を強く想う心が記憶を戻らせた。
渡辺とショボン、2人への愛情を抱きながら、その愛情と人間らしい感情を持つ自分に疑問を抱き続けている。
アンデッドとしての本能・運命から戦いを求めてしまい、自分を制御出来ない一面もある。
( ・∀・) 菱谷モララー / ( OMO) 仮面ライダーギャレン
25歳。BOARDの元研究員。
BOARD壊滅後は、生き残りのツン達と共にアンデッドの封印を行っていた。
真面目で純粋な性格だが、純粋さ故に利用されやすい。
一般人でありながらブーン/ブレイドの活躍と潜在能力、そして自身の不調に焦りと嫉妬心を覚え、道を外してしまったことも。
ヒートの死をきっかけに本当の自分を取り戻し、仮面ライダーとしてブーンとの共闘を誓った。
本人曰く「自分は仮面ライダーに向いてない」とのこと。
('A`) 三葉ドクオ / ( OHO) 仮面ライダーレンゲル
22歳。ブーンとは中学からの付き合い。フリーター。
ブーンとは対照的で、普段からやる気が無くだらだらしている。
内なる義心を持ちながら、自分に自信がなく普段から行動に移せないでいる。
スパイダーアンデッドに魅入られてしまい、心に抱えた闇に浸け込まれレンゲルになってしまう。
438
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 13:19:02 ID:/vPk1WvQ0
――――――――――――【 BOARDメンバー 】――――――――――――
ξ゚⊿゚)ξ 廣瀬ツン
21歳。
モララーと同じく壊滅したBOARDの元研究員。
崩壊したBOARDの施設から使える機材やブレイバックルを頂戴し、PCや端末を用いてアンデッドの探知を行いライダーをサポートする。。
周りを気遣う事の出来る性格で、常に気を配っている優しいお姉さんタイプ。
だが、芯を強く持った女性でもある。
_
( ゚∀゚) 白岡ジョルジュ
23歳。BOARDの元警備員。
警備員時代からライダーになることへの憧れを抱いている。
BOARD壊滅後、適合者のいないブレイドへの変身を試みるも適合出来なかった。
ブーンに対して不信感や嫉妬心を持つも徐々に認め始め、自分の出来る事でライダー達の手助けをする。
生意気な口調や態度が目立つが、仲間思いな一面がある。
(,,゚Д゚) 久利生ギコ
29歳。元BOARD職員で、モララーの先輩。
最初、ギャレンの適合者に選抜されるもモララーの融合係数の方が高く、ギャレンの資格者を降ろされる。
ライダーシステム2号として開発されたブレイドの適合者であったが、不慮の事故により左腕を失い二度もライダーになれなかったショックから失踪。
その後の消息を絶っていたが、ロマネスクと共にブーン達の前に現れひそかにレンゲルを狙っていた。
最期は、スパイダーアンデッドに見限られた上に、アンデッドに殺害されてしまう。
( ФωФ) 内藤ロマネスク
48歳。BOARD所長。
表向きは科学者だが、裏の顔はライダーシステムの開発者。ブーンの実父。
BOARD壊滅と同時に行方を暗ましていたが、府坂の洗脳を受けレンゲル開発に協力してしまっていた。
洗脳が解けた後は、生き残りのBOARD研究員達と共にライダーの支援をすることに。
439
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 13:20:38 ID:/vPk1WvQ0
――――――――――――【 その他の関係者 】――――――――――――
(´・ω・`) 栗沢ショボン
33歳。飲み屋『バーボンハウス』の店長。
1階が店、2階は自分の家となっていて、渡辺とクーと共に暮らしている。
みんなが心安らかに楽しくをモットーに経営している。やかましく騒ぐ連中や酔っ払いは徹底的に追い出すスタイル。
ある日、大雨の嵐の中、山から転げ落ちてきたクーを介抱し、身寄りのないクーを自分の店に置くことに。
从'ー'从 渡辺あまね
14歳。飲み屋『バーボンハウス』の看板娘。中学2年生。
ショボンとクーと暮らしていて、中学校から帰ると何も無い限りはお店の手伝いをする。
3歳の頃に母親を亡くし、父親には捨てられ、親戚の友人であったショボンが引き取ることに。
クーに母親の面影を重ねていて、とてつもなく懐いている。
ノパ⊿゚) 深沢ヒート
25歳。モララーの恋人。同じ大学院を卒業した同級生でもある。
不安を抱えているモララーを気遣い、また大切に想っている。
府坂に目をつけられ殺害されてしまうが、この事がきっかけでモララーは自我を取り戻す結果になる。
(-_-) 引田ヒッキー
20歳。スーパーマーケット『 VIP 』のブーンの後輩。
軽いノリが特徴で、常にブーンにちょっかいを出している。
レンゲルに悩まされるドクオに意味深な言葉を投げ掛けた、謎多き人物。
(#゚;;-゚) でぃ
10歳。山奥の廃れた家に一人で住んでいた少女。
ギャレンに敗れ、山の中で気絶したクーを介抱する。
両親をカテゴリーQに殺され、その後はモスと呼ぶ♥のカテゴリー8と共に住んでいた。
後にクーに連れられ、バーボンハウスで暮らすことに。
440
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 13:21:03 ID:/vPk1WvQ0
J('ー`)し 剣藤カーチャン
ブーンの母親。
仕事ばかりで家庭を省みない夫のロマネスクに悩まされ、ブーンが小学4年生の頃に離婚を決意する。
ブーンを女手一つで育ててきたが、ブーンが中学生に上がった時に重い病気を患ってしまう。
それから入退院を繰り返し、現在では何十度目かの入院をしている。
*(‘‘)* 沢近ヘリカル
23歳。スーパーマーケット『 VIP 』のブーンの同僚。ドクオの彼女。
周囲を見れる頼れるお姉さん的存在。
職場の中では一番にブーンを気遣い、その気遣いが結果的にブーンを仮面ライダーに集中させた。
(゜д゜@ 新谷田おばさん
スーパーマーケット『 VIP 』のパートのおばさん。
店長であるニダーを本当に嫌っている。
<ヽ`∀´> 羽矛ニダー
ブーンが働くスーパーマーケット『 VIP 』の店長。
店長であるにも関わらず現場の社員・パートの声をほぼ聞かず本部の言いなりであるため、信頼はゼロ。
441
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 13:22:50 ID:/vPk1WvQ0
■カテゴリーA
( \品/) スパイダーアンデッド
クラブスートのカテゴリーA。蜘蛛の祖。
当初は自身の適合者を探し求め、蜘蛛の子を吐き出していた。
上級アンデッド達とは違い人間に擬態は出来ないが、人間の言葉を流暢に話す程の高い頭脳を持つ。
封印されて尚、自らの意志を外部に発信しており、ドクオを都合の良い媒体として目をつけ執拗に後を追い続けた。
■カテゴリーJ
ミ,,゚Д゚彡 府坂 / ミ,,゚王゚彡 ピーコックアンデッド
外見30歳半ば。
黒いレザーのロングコートが特徴的な全身黒ずくめの男。サングラスを常にしている。
正体はダイヤスートのカテゴリージャックで、上級アンデッド。クジャクの祖。
再び始まった古の戦いの真実にいち早く気付き、仮面ライダーを利用して有利に進めようと画策する。
また、レンゲルの開発をした張本人。
人間を下に見過ぎた事が災いし、モララーの激しい怒りを招き封印されるも、最期まで人の強さを理解する事はなかった。
■カテゴリーQ
、、
(*゚∀゚) つー / @*゚皿゚)@ カプリコーンアンデッド
外見10代後半。
パンク系の派手な格好をした女に擬態している。
正体はスペードスートのカテゴリークイーンで、山羊の祖。
でぃの両親を殺害した張本人であり、ライダーを潰す為にでぃを人質にモスを脅迫するなど、手段を選ばない残忍さを持つ。
从 ゚∀从 ハインリッヒ
外見20代後半。
スート不明のカテゴリークイーン。
カテゴリーQの中でも最強、と言われていた。
442
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 13:28:58 ID:/vPk1WvQ0
■カテゴリーK
( 。)
( ´_ゝ`) 兄者 / <メ、゚ M゚,> ギラファアンデッド
外見20代半ば。
メガネを掛け、落ち着きのあるクールな青年の姿に擬態する。
ダイヤスートのカテゴリーキングで、ギラファノコギリクワガタの祖。
自分自身は目立った行動をせず、何らかの目的の為に暗躍している。
( ´∀`) モナー
外見10代後半。
スペードスートのカテゴリーキング。
兄者と共に行動しているが、その意図は不明。
、\ ノ
o川*゚ー゚)o キュート / ( ゚,皿,゚) ???
外見10代半ば。
スート不明のカテゴリーキング。
■カテゴリー8
( ) モス / モスアンデッド
ハートスートのカテゴリー8。毒蛾の祖。
争いを好まない性格で、人間も襲わず自ら戦う事を嫌う心優しき下級アンデッド。
つーに狙われ逃げていたところ、遭遇してしまったでぃの家族を巻き込んでしまう。
残されたでぃを命辛々守り、その後は共に暮らしていたが、再びつーに狙われカリスを襲えと脅迫を受ける。
最期は、でぃを救う為に凶暴化したように見せかけ、自らカリスに封印された。
443
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/24(日) 13:31:54 ID:/vPk1WvQ0
次は少しネタというかギャグというか、割とまったりな回になります
また来週できれば投下しますのでよろしくお願いします
444
:
名無しさん
:2017/12/24(日) 13:34:11 ID:dqp3zE8M0
乙!
レンゲルや上級アンデッド出てきて渦巻いてるね
ギャグ回…たこ焼き名人…ウッ…頭が…!
445
:
名無しさん
:2017/12/24(日) 16:48:42 ID:zXQvJKNo0
乙乙
446
:
名無しさん
:2017/12/24(日) 19:05:51 ID:RAdSoUw20
わーいクリスマスプレゼントだー今から読むぞー
乙ー
悲しみが怒りになるー自分に限界があることー知らさせーてるー
447
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 06:06:17 ID:SxPHDHJw0
乙
またモララー株急上昇しやがって・・・
448
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 08:31:24 ID:EiFtTdgU0
おつおつ!
この作品のおかげで原作よく知らないのに特撮板覗くようになったよ
次回はたい焼き回を期待していいのかな
449
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 14:13:29 ID:YIe.q50Q0
スペードとダイヤのKもう出るのか、原作に比べてずいぶん早いな
上級アンデッドの出てくる順とか、原作にいない上級アンデッドとか、その辺結構変わってきたりするのかな?
あと、AAがモナーだとスペードよりも五年後に出てきたハートのKってイメージが浮かぶ…
450
:
◆7MnOV.oq7w
:2017/12/25(月) 16:06:51 ID:SxPHDHJw0
いつも乙やご感想ありがとうございます
すみません、いつもよりはまったりした回になるよってことを言いたかっただけです
たいやきは予定してませんが書くとしてももうちょい先になりそう
カテゴリーKの早期出現については、特撮特有のボスキャラを演出したかったからです
スート不明と表記してるキャラに関しては、まだはっきりと登場するに至ってないので不明と表記してます
が、原作通りには間違いないので知ってる方は想像出来ると思います
想像するのは楽しい時間なんで、よければ楽しんでください
451
:
名無しさん
:2017/12/26(火) 09:31:01 ID:f7LjgkEA0
おつ!
これモララー主人公じゃね?
452
:
名無しさん
:2017/12/27(水) 12:22:17 ID:IW18i.fc0
まぁ主人公どうこうってのはこれからの怒涛の展開を待っとけって
次はまったり回か
コレクッテモイイカナ?
原作とオリジナルがいい塩梅で混ざってて予想するのも楽しい
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