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海のひつじを忘れないようです
260
:
名無しさん
:2017/08/21(月) 22:00:26 ID:vG2lH35Y0
その音が、あらゆる呪縛を解いた。
私と彼が、音のした方向へ視線を向ける。
草木がこすれた、その音のした方向へ。
「ご、ごめん。盗み聞きするつもりじゃ、なかったんだ」
そこにはハインがいた。どうしてハインがこんなところに。
疑問の答えが与えられるよりも先に、ハインが動き出した。
ふらふらと、異様に弱々しく、危なっかしい足取り。
その覚束ない足取りでハインが歩を進めたのは、彼の下、だった。
直後、ハインが倒れた――ように、私には見えた。
座ったままの彼へと覆いかぶさるようにして、
その華奢な体躯を空中へと投げ出す。いつもの彼女とは違う、軽やかさも、
力強さもない動きで。彼が飛び込んできたハインを受け止める。
「これ、大切なものなんだろう? 忘れちゃ、だめじゃないか」
彼の胸に頭を預けた格好のまま、ハインが何かを持ち上げる。
それは、短刀だった。鞘に収まった短刀。彼の主の持ち物であったもの。
彼がハインの手から、その譲渡された刃を受け取る。忌み、恐れるような慎重さで。
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