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海のひつじを忘れないようです
251
:
名無しさん
:2017/08/21(月) 21:55:22 ID:vG2lH35Y0
「どうして……」
どうしてこの子は、歩きだしては、くれないのか。
「私には時間がない。それにたぶん、あなたにも」
彼の名を、呼ぶ。
彼の服をつかみ、引っ張る。
「いまを逃せば、あなたはきっと忘れてしまう。私の言葉も、私のことも」
彼の足を動かそうと、力を込める。
けれど車椅子の私には――私には、彼を動かすだけの力がない。
彼は大地に根を張ったかのように、動かない。
「その果てに何が待っているのか、それはあなたも見たのでしょう?」
力を込めながら、彼の顔を見上げた。
見上げた彼の顔は、私の顔を見下ろしていた。
何かを問いたげな、いまにも泣き出しそうな、
小さな、ほんの小さなこどもの顔をしていた。
助けを求める顔をしていた。
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