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艦娘がいない鎮守府のようです

76 ◆HS4z8y6JHc:2016/04/03(日) 17:11:56 ID:62pQqJ3.0
('A`)「じゃあ、どうして……」

( ^ω^)「……悔しいんだお」

('A`)「悔しい?」


ブーンは一度頷くと、机の上に置いてあった艤装用弾丸を手に取った
12.7センチ連装砲用の弾丸は、戦艦のそれに比べて小さくはあるが、それでも対物ライフル用の弾丸ほどの大きさがあった


( ^ω^)「僕のとーちゃんは、陸上迎撃部隊に配属されていた軍人だったお」


深海棲艦は、その名前から海の上でしか活動できない存在だと認識されているが
太古の生物が、棲みかを海から陸へと移していったように姿を変え、陸上を侵攻してくる
それを迎撃したのが、先ほどもブーンがチラリと話した『陸上迎撃部隊』
護衛艦の包囲網を抜け、内地へと侵略してきた深海棲艦から、人々を守るために編成された部隊である


( ^ω^)「物心ついた頃には、とーちゃんは既に戦場で戦っていたお。立派な軍人さんだったって、かーちゃんから聞いたお」

( ^ω^)「深海棲艦を少しでも内地に近づかせない為に、身体を張って抵抗した、勇気のある男だったって……」

( ^ω^)「でも……人間が怪獣に立ち向かうようなもので、とーちゃんもそこで命を落としてしまったんだお」

('A`)「……」


陸上迎撃部隊は、そのほとんどが生身の人間で構成された部隊だ
にも関わらず、彼らの献身があったお陰で、内陸への侵攻を留めることができた
しかしその代償は大きく、艦娘登場時には既に約八割の命が失われたと聞く


( ^ω^)「とーちゃんが死んで二日後に、艦娘は現れた。この弾丸と、燃料と、鋼鉄と、ボーキサイトを携えて」

( ^ω^)「彼女達は瞬く間に、戦線を押し戻したお。それこそ、人間が怪獣と戦う必要などなくなるほどに」


現在、陸上打撃部隊は編成されていない。『必要がない』からだ
それは、人類にとっては喜ばしいことだろう。だが、ブーンの表情はそこから険しくなった


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