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艦娘がいない鎮守府のようです

489 ◆L6OaR8HKlk:2019/07/14(日) 23:56:54 ID:swN5lEdo0
『茂名の顔から表情が抜け落ちた。はっきりと拒否された事に対する屈辱やショックからではない。思考を、駆け巡らせていた』
『「わかりました」。程なくして了承と取れる言葉を得たが、俺も叢雲も安堵の溜息を吐けなかった。奴らが企てる陰謀は滞りなく進行するという自信の表れでもあったからだ。そしてこうも言い換えられる』
『俺たちは今現在を持って、この男の「駒」に堕ちてしまったのだ。此方の腹を見透かすように、茂名は満面の笑みを作って見せた』
『「ですが最後に、再考のチャンスを与えましょう。この話を取り消し、我々と同行するのならば、貴方の身に起きた変化についてお教えします。その上で、幾らでも謝罪を致しましょう」』
『叢雲の身体がびくりと震えた。奴が提示したのは、俺が今一番知りたい情報であり、出会って間もない小娘一人とは到底吊り合わない価値がある代物で、掌など幾らでもひっくり返るとでも思ったのだろう』


『だから、こう答えてやった。「いるかよ、くたばれ」』


(;'A`)「ちょっ……もぉー……」


さっきからカッコいいが過ぎる。好きになっちゃうだろうが


『茂名は落胆するわけでもなく、声色を変えずただ「そうですか」と言い、細かい条件は後ほど連絡するとだけ告げ、兵を連れて引き上げていった』
『奴らの乗る船が見えなくなり、やがて叢雲は「どうして?」と聞いてきた。簡単な話だ。ただ連中に従うのが癪だっただけだ』
『続けて、「どうする?」とも。なんともしおらしい姿だった。余りの似合わなさに、思わず吹き出してしまった』
『場所を得た、地位を得た、そして隣には頼りになる相棒がいる。やる事は決まっていた。これは戦争だ。深海凄艦との、そして権力と陰謀との、分の悪過ぎる戦いだ。だからこそ、余計に滾る』
『強くなろう。何もかもを脅かし、何もかもを超越し、何者も俺たちをコケにし、爪弾きにし、陥れる真似が出来ないくらい徹底的に』
『叢雲は「無茶苦茶ね」と言って、ようやく笑った。「でもまぁ、他にも行く当てもやる事もないし、付き合ってあげるわ。司令官」』
『この日から、俺の人生で最も長く、最も激しく、最も大切な日々が始まった―――――』


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