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艦娘がいない鎮守府のようです

422 ◆L6OaR8HKlk:2019/05/01(水) 02:45:45 ID:5QojOfSc0
('A`)「……ふむ」


一通り見まわした後、おっかなびっくりカーテンを開けたり執務机の椅子を蹴ってみたりしたが、特に何事も起こらない
隠れられそうな場所も確認したが、『色白なガキ』が此方を覗いてたなんてこともなかった。胸撫で下ろし放題だった


('A`)「疲れてんのかな……」


幻視に幻聴、暑さで頭がやられちまった。そう考えることにした
せっかく執務室に辿り着いたのだ。一つ、提督の気分でも味わってみるか


('A`)「よっこらしょっと……」


クッションがヘタった椅子に腰かけ、机に肘を置いて指を組み合わせる。気分はさながらNERVの司令官だ
いや、バイオ4のレオンに近いのかもしれない。俺はこんなご立派な席に着くには程遠い野郎だ
それに、『提督』という立場にも余り良い思い出がない。少なくとも一人は、艦娘を売り飛ばした人物なのだから


('A`)「……」


その中でも、歴史に残る悪行を為した奴の机に座っている。不意に、身体に震えが奔った
国家どころか世界の転覆を企み、国連総長を殺した男。テレビの向こうのニュースキャスターから教わった大事件の首謀者が


(;'A`)「……」


『この場所に、居た』
そんな生々しさを感じたが故の、悪寒によるものだった


(;'A`)「……」


『戻ろう』。そう思い立って立ち上がろうと机に手を着くと、親指が引き出しに当たり、僅かな物音が立った


(;'A`)「……」


頭は制止の信号を出したが、身体は従わず取っ手に指を掛けた
『恐いもの見たさ』とはよく言ったものだが、この中に何もないことを願っている自分もいる
矛盾で高鳴る鼓動を深呼吸で落ち着かせ、ゆっくりと引き出した


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